JP5038600B2 - 微細気泡発生装置 - Google Patents

Description

本発明は、気液混合液中の気泡を減圧・加圧手段にて粉砕して微細気泡を発生する微細気泡発生装置に関するものである。

従来から、気液混合液中の気泡を減圧・加圧手段にて粉砕して微細気泡を発生する微細気泡発生装置が知られている（例えば特許文献１参照）。

この特許文献１に示された従来の微細気泡発生装置は、気液混合液の流路中に減圧・加圧手段を設け、気液混合液中の気泡を減圧・加圧手段の減圧および加圧により生じるせん断力によって粉砕して微細気泡を発生するものである。微細気泡はφ１ｍｍ以下（特に数μｍ〜数十μｍ程）の気泡で、液中において上昇し難いと共に体積当たりの表面積が大きいため汚れ等を吸着して浮上させる等の水質浄化能力が高いものである。

ところで従来の微細気泡発生装置にあっては、減圧・加圧手段にて粉砕して発生した微細気泡同士が衝突して連結し、より大きな気泡が多数発生してしまうものであった。大きな気泡が多数発生しないようにするには微細気泡同士の衝突機会を減らすことが有効であり、発生した微細気泡が一箇所に集中しないようにすることが考えられるものであった。
特許第２７２２３７３号公報

本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、減圧・加圧手段にて粉砕して発生した微細気泡が一箇所に集中して衝突することによりより大きな気泡が多数発生してしまうのを防止する微細気泡発生装置を提供することを課題とするものである。

上記課題を解決するために本発明の微細気泡発生装置は、気液混合液中の気泡を減圧・加圧手段１にて粉砕して微細気泡を発生する微細気泡発生装置であって、液体の流路２に下流側の減圧・加圧手段１ｂとしてのベンチュリ管１１ｂを並列に複数設け、前記複数のベンチュリ管１１ｂの上流の基幹となる流路２ａに上流側の減圧・加圧手段１ａとしてのベンチュリ管１１ａを設け、下流側の減圧・加圧手段１ｂとしてのベンチュリ管１１ｂのそれぞれの断面積を上流側の減圧・加圧手段１ａとしてのベンチュリ管１１ａの断面積よりも小さくして成ることを特徴とするものである。

このような構成とすることで、微細気泡が一箇所に集中して多数衝突することにより大きな気泡が多数発生するのを抑えることができる。さらに、上流側のベンチュリ管１１ａにて気液混合液中の気泡を粉砕してある程度小さな微細気泡とした後、下流側のベンチュリ管１１ｂにて前記微細気泡を更に微細化させることができ、大量の微細気泡を発生させることが可能となる。さらに、複数設けた下流側のベンチュリ管１１ｂの合計の断面積を上流側のベンチュリ管１１ａの断面積と同じに形成すれば、設計上流速（但しベンチュリ管１１ａ、１１ｂ内を除く）の変化を考慮する必要がないものである。

本発明は、微細気泡が一箇所に集中して多数衝突することにより大きな気泡が多数発生するのを抑えることができて、大量の微細気泡を発生させることが可能となる。

以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。

微細気泡発生装置は、減圧・加圧手段１としてのベンチュリ管１１にて主体が構成されるもので、例えば一端の吸込み口と他端の吐出口とがそれぞれ浴槽等の水槽に開口して連通した流路２に、図２に示すように上流側（吸込み口側）から下流側（ノズル側）にかけて、順に液体中に気体を取込んで液体中に気泡が混合された気液混合液を生成するための気体取込み部３と、気液混合液を加圧するためのポンプと、気液混合液中の気泡を粉砕して微細気泡を発生させる減圧・加圧手段１と、微細気泡を浴槽に吐出するノズル４を設けてある。

気体取込み部３としては、例えばエゼクタ機構を有する吸気弁を備え、ポンプを駆動することで液体が流路２を流れる際、外気をエゼクター効果により液体中に取込んで気体（気泡）を混入させるもの等が挙げられるが、特に限定されない。気体としては、酸素、オゾン、空気が挙げられるが特に限定されない。液体中に取込んで気体を混入させるもの等が挙げられるが、特に限定されない。

気液混合液体はポンプを通過した後、減圧・加圧手段１に送られる。

減圧・加圧手段１は、本実施形態では上流側の減圧・加圧手段１ａと下流側の減圧・加圧手段１ｂの二段に形成してある。上流側の減圧・加圧手段１は、図３に示すように一つのベンチュリ管１１ａを流路２（基幹流路２ａ）の一部として設けてある。下流側の減圧・加圧手段１は、図１に示すように流路２の前記上流側の減圧・加圧手段１を設けた部分より下流側を複数の分岐流路２ｂに分岐し、各分岐流路２ｂにそれぞれベンチュリ管１１ｂを設けて構成される。本実施形態では、下流側のベンチュリ管１１ｂは、上流側のベンチュリ管１１ａの径の１／２、断面積は１／４となるように発生させる微細気泡の径に応じて形成すると共に、分岐流路２ｂを四つ形成して各分岐流路２ｂにそれぞれベンチュリ管１１ｂを設けてあり、下流側のベンチュリ管１１ｂの断面積の合計は上流側のベンチュリ管１１ａの断面積に等しくなっている。

ベンチュリ管１１では、気泡がスロート部を通る際に流速が速くなるとともに減圧されて膨張し、その後は断面積が増加するに従って加圧されて収縮するが、この時に生じるせん断力によって気泡が微細化されて微細気泡が発生する。そして、発生した微細気泡が一箇所に集中すると連結してより大きな気泡となってしまうため、本発明においては複数の分岐流路２ｂに分岐して各分岐流路２ｂに下流側のベンチュリ管１１ｂを設けることで、微細気泡が一箇所に集中して多数衝突することにより大きな気泡が発生するのを抑えることができる。

また、本実施形態では下流側のベンチュリ管１１ｂの上流側にベンチュリ管１１ａを設けて二段に構成してあり、はじめに上流側のベンチュリ管１１ａにて気液混合液中の気泡を粉砕してある程度小さな微細気泡とした後、下流側のベンチュリ管１１ｂにて前記ある程度小さな微細気泡を更に微細化させてこれらが連結するのを抑え、大量の微細気泡を発生させることができる。またこの時、下流側のベンチュリ管１１ｂのそれぞれの断面積を上流側のベンチュリ管１１ａの断面積よりも小さく形成して複数設けた下流側のベンチュリ管１１ｂの合計の断面積を上流側のベンチュリ管１１ａの断面積と同じに形成してあるので、設計上流速（但しベンチュリ管１１ａ、１１ｂ内を除く）の変化を考慮する必要がない。

図４に本実施形態の他の実施形態を示す。本実施形態では、基幹流路２ａに設けた第一のベンチュリ管１１ａの下流側に、複数（四つ）並列に設けたベンチュリ管１１ｂからなる第二の減圧・加圧手段１ｂを設けると共に、更に下流側に複数（四つ）並列に設けたベンチュリ管１１ｃからなる第三の減圧・加圧手段１ｃを設けて三段に構成してある。これにより、第一のベンチュリ管１１ａにて気液混合液中の気泡を粉砕してある程度小さな微細気泡とした後、第二のベンチュリ管１１ｂにて前記ある程度小さな微細気泡を更に微細化させると共にこれらが連結するのを抑え、更にこの後第三のベンチュリ管１１ｃにて微細気泡を更に微細化させると共にこれらが連結するのを抑えることができて、より一層大量で且つ微細な微細気泡を発生させることができる。

本発明の一実施形態の微細気泡発生装置の要部である下流側の加圧・減圧手段を示し、（ａ）は側断面図であり、（ｂ）は正面断面図である。 微細気泡発生装置の概略全体構成図である。 同上の微細気泡発生装置の上流側の加圧・減圧手段を示し、（ａ）は側断面図であり、（ｂ）は正面断面図である。 本発明の他の実施形態の要部の側断面図である。

符号の説明

１ 減圧・加圧手段
１１ ベンチュリ管
２ 流路
３ 気体取込み部
４ ノズル

Claims (1)

1. 気液混合液中の気泡を減圧・加圧手段にて粉砕して微細気泡を発生する微細気泡発生装置であって、液体の流路に下流側の減圧・加圧手段としてのベンチュリ管を並列に複数設け、前記複数のベンチュリ管の上流の基幹となる流路に上流側の減圧・加圧手段としてのベンチュリ管を設け、下流側の減圧・加圧手段としてのベンチュリ管のそれぞれの断面積を上流側の減圧・加圧手段としてのベンチュリ管の断面積よりも小さくして成ることを特徴とする微細気泡発生装置。

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