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JP5013269B2 - 共振アクチュエータ - Google Patents

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JP5013269B2
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勝弘 堀川
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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は共振アクチュエータに関し、より詳しくは圧電セラミック材料を使用した共振アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電アクチュエータの変位量は、通常、圧電定数dによって決定されることから、従来より、大きな圧電定数を有するPb(Zr,Ti)O(チタン酸ジルコン酸鉛;以下「PZT」という。)をベースとした圧電セラミック材料の研究・開発が盛んに行われている。
【0003】
例えば、非特許文献1では、圧電アクチュエータ等のパワーデバイスでは圧電セラミックの大振幅弾性振動を利用していることから、圧電セラミックの大振幅特性について記載されている。
【0004】
この非特許文献1には、振動速度(=振動振幅×周波数)は、理論的には印加電界Eに比例して変化するが、PZT系圧電セラミックを共振周波数で駆動させた場合、電界強度がある一定レベルを超えると振動速度が徐々に理論値を下回るようになり、最終的に飽和すると報告されている。また、この非特許文献1には、PZTの振動速度限界と駆動電界との関係も示されており、前記振動速度限界は材料組成によって変化するものの、PZT系圧電セラミック材料では、振動速度は最大でも1m/sを超えないことが報告されている。
【0005】
また、非特許文献2では、圧電アクチュエータ等の分野では、高い振動レベルのハイパワー材料が求められていることから、圧電性の評価法やPZT系圧電セラミックの組成と振動レベル特性等のハイパワー特性との関係が報告されている。
【0006】
この非特許文献2には、PZT系圧電セラミックを共振周波数で駆動した場合、振動レベルがある一定値を超えると共振周波数frと機械的品質係数Qmが低下することが報告されている。
【0007】
【非特許文献1】
高橋貞行著「圧電材料の新展開」、株式会社TIC、ニューセラミックス VOL.11, No.8(1988),p29-34
【非特許文献2】
高橋貞行著「ハイパワー材料の評価」、株式会社TIC、ニューセラミックス(1995), No.6, p17-21
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1に記載されているように、従来のPZT系圧電セラミックを共振アクチュエータに使用しても、ある一定以上の高電界を負荷すると振動速度は理論値を下回って安定性を欠くようになり最終的に飽和する。
【0009】
すなわち、PZT系圧電セラミックを使用した共振アクチュエータでは、振動速度が大きくなると振動速度が飽和するため、結果として1m/sを超える振動速度を得ることができず、このため大きな変位量を有する共振アクチュエータを得ることができないという問題点があった。しかも、ある一定以上の高電界では振動速度が印加電界Eに比例しなくなって理論値を下回るため、振動速度を理論値に制御するためのフィードバック回路が必要となり、デバイスの煩雑化を招くという問題点があった。
【0010】
また、非特許文献2に記載されているように、従来のPZT系圧電セラミックを共振アクチュエータに使用した場合、振動速度が上昇するに伴い、共振周波数frや機械的品質係数Qmは低下することが知られている。したがって、共振周波数frの変化に追随するためのフィードバック回路を設ける必要があり、デバイスの煩雑化を招くと共に、機械的品質係数Qmの低下によって機械的損失が増大し、圧電セラミックの発熱量の増大を招くことから、大きな振動速度で使用するのは実用的に困難であるという問題点があった。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、飽和振動速度が大きく、振動速度を上昇させても該振動速度の不安定化を招くこともなく共振周波数frや機械的品質係数Qmの低下を極力抑制することができ、かつ、高電界を印加しても大きな変位量を得ることができる共振アクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
共振アクチュエータのように大変位量が要求されるパワーデバイスの場合、従来では圧電定数dが高いことが重要と考えられており、このため材料面からは圧電定数dの高いPZTをベースとした圧電セラミック材料しか検討されてこなかった。
【0013】
しかしながら、〔発明が解決しようとする課題〕の項でも述べたように、PZT系圧電セラミック材料は、振動速度vが上昇したときに機械的品質係数Qmや共振周波数frが低下し、またある一定以上の高電界を印加すると振動速度vが印加電界Eに比例しなくなり、理論値を下回って飽和する。これにより、結果として大きな振動速度を有する共振アクチュエータを得ることができなかった。
【0014】
そこで、本発明者らが種々の材料について鋭意研究を行ったところ、変位素子としてビスマス層状化合物からなる圧電セラミック素体を使用することにより、飽和振動速度を大きくすることができ、これにより振動速度vが上昇しても該振動速度vの不安定化を招くこともなく機械的品質係数Qmや共振周波数frの低下を極力抑制することができ、また、ある一定以上の高電界を印加しても振動速度vが飽和することもなく印加電界Eに略比例して変化するという知見を得た。
【0015】
しかも、ビスマス層状化合物は異方性が大きく、変位方向が、分極方向と同一方向の場合は、分極方向と垂直方向の場合に比べ、振動速度vが大幅に上昇し、より大きな変位量を有する共振アクチュエータを得ることが可能となる。
【0016】
また、共振アクチュエータでは、振動速度vが圧電定数dと機械的品質係数Qmとの積に比例することから、圧電定数dが小さくても機械的品質係数Qmが低下しないのであれば、振動速度vを大きくすることが可能であり、結果的にPZT系圧電セラミック材料よりも大きな変位量を得ることが可能となる。
【0017】
そして、本発明者らの更なる鋭意研究の結果、ビスマス層状化合物の結晶軸中、c軸を圧電セラミック素体の分極方向と直交する方向に配向させることにより、振動速度vの上昇時に機械的品質係数Qmを大きくすることができることが分かった。
【0018】
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係る共振アクチュエータは、共振周波数又は共振周波数近傍の周波数領域で振動する変位素子を備えた少なくとも一つの駆動部と、前記変位素子によって駆動される被駆動部材とを有する共振アクチュエータにおいて、前記変位素子が、ビスマス層状化合物からなる圧電セラミック素体を有すると共に、前記変位素子の変位方向と前記圧電セラミック素体の分極方向とが同一方向であり、かつ、前記ビスマス層状化合物は、結晶軸のc軸が前記圧電セラミック素体の分極方向と直交する方向に配向していることを特徴としている。
【0021】
特に、c軸の配向度Fがロットゲーリング法で75%以上の場合は、振動速度vを上昇させても共振周波数frの変動を抑制することができ、また、消費電力Wの節約にも寄与することができ、さらに比較的低い印加電界Eで大きな振動速度vを得ることができ、より好ましい。
【0022】
すなわち、本発明の共振アクチュエータは、前記c軸の配向度が、ロットゲーリング法で75%以上であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
本発明の共振アクチュエータによれば、共振周波数又は共振周波数近傍の周波数領域で振動する変位素子を備えた少なくとも一つの駆動部と、前記変位素子によって駆動される被駆動部材とを有する共振アクチュエータにおいて、前記変位素子が、ビスマス層状化合物からなる圧電セラミック素体を有すると共に、前記変位素子の変位方向と前記圧電セラミック素体の分極方向とが同一方向であり、かつ、前記ビスマス層状化合物は、結晶軸のc軸が前記圧電セラミック素体の分極方向と直交する方向に配向しているので、圧電セラミック素体としてPZT系化合物を使用した場合に比べ、飽和振動速度が大きくなり、振動速度vを上昇させても該振動速度vが不安定化することなく共振周波数frや機械的品質係数Qmの低下を極力抑制することが可能となり、また広範な電界強度範囲において振動速度vは印加電界Eに略比例して変化させることが可能となる。したがって、高電界を印加しても振動速度vが飽和することなく、大きな振動速度vを得ることができ、大きな変位量を有する共振アクチュエータを得ることができる。しかも、このように振動速度vが上昇しても共振周波数frが低下するのを抑制することができ、また振動速度vは印加電界Eに略比例して変化することから、共振周波数frや振動速度vを制御するためのフィードバック回路が不要となり、デバイスの簡素化、コスト削減、小型化が可能となる。
【0024】
また、前記変位素子の変位方向と前記圧電セラミック素体の分極方向とが同一方向であるので、同一電界を印加した場合、変位方向と分極方向とが垂直方向のときに比べ、振動速度vを大きくすることができ、共振アクチュエータのより一層の特性向上を図ることができる。
【0025】
また、前記ビスマス層状化合物は、結晶軸のc軸が前記圧電セラミック素体の分極方向と直交する方向に配向しているので、機械的品質係数Qmを大きくすることができる。これにより安定して使用できる振動速度vを大きくすることができ、より大きな変位量を有する共振アクチュエータを実現することができる。
【0026】
特に、前記c軸の配向度Fを、ロットゲーリング法で75%以上とすることにより、振動速度vが上昇しても共振周波数の変動を抑制でき、また、消費電力Wの節約にも寄与することができ、さらには比較的低い印加電界Eで大きな振動速度vを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る共振アクチュエータの一実施の形態を示す模式図である。
【図2】変位素子の一実施の形態を示す断面図である。
【図3】共振アクチュエータの動作原理を説明する模式図である。
【図4】〔実施例1〕における試料番号1〜3の試料の概略を示す斜視図である。
【図5】〔実施例1〕における試料番号4の試料の概略を示す斜視図である。
【図6】〔実施例1〕で使用した測定装置の概略ブロック図である。
【図7】消費電力の振動速度依存性を示す図である。
【図8】機械的品質係数の振動速度依存性を示す図である。
【図9】共振周波数の振動速度依存性を示す図である。
【図10】変位率の電界依存性を示す図である。
【図11】〔実施例2〕における共振周波数の振動速度依存性を示す図である。
【図12】〔実施例2〕における消費電力の振動速度依存性を示す図である。
【図13】〔実施例2〕における振動速度の電界依存性を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
1a、1b 駆動部
2 被駆動部材
3a、3b 変位素子
5圧電セラミック素体
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
【0030】
図1は本発明に係る共振アクチュエータの一実施の形態を示す断面図であって、本実施の形態では、共振アクチュエータは2個の駆動部を有している。
【0031】
すなわち、本共振アクチュエータは、駆動部1(第1及び第2の駆動部1a、1b)と、該駆動部1によって矢印A方向又は矢印B方向に駆動する被駆動部材2とを備えている。
【0032】
駆動部1(第1及び第2の駆動部1a、1b)は、共振周波数で振動して矢印Ca方向、矢印Cb方向に変位する変位素子3(第1及び第2の変位素子3a、3b)と、該変位素子3から突設された振動片4(第1及び第2の振動片4a、4b)とを有している。
【0033】
変位素子3は、図2に示すように、矢印D方向に分極されると共にビスマス層状化合物で形成された単板構造の圧電セラミック素体5と、該圧電セラミック素体5の両主面に形成されたAg等からなる電極6、7とを有している。そして、この電極6、7に電界が印加されると変位素子3は共振周波数frで振動し、矢印C方向に変位する。
【0034】
圧電セラミック素体5を上述のようにビスマス層状化合物で形成したのは以下の理由による。
【0035】
すなわち、ビスマス層状化合物は、PZT系圧電セラミック材料とは異なり、共振アクチュエータに使用した場合、振動速度vが上昇しても該振動速度vが不安定化することもなく共振周波数frや機械的品質係数Qmの低下を極力抑制することができるからである。また、ある一定以上の高電界を印加しても、振動速度vが不安定になることもなく印加電界Eに略比例して上昇することから、大きな変位量を有する共振アクチュエータを得ることができるからである。
【0036】
ビスマス層状化合物が、PZT系化合物とは異なり、上述のような作用効果を奏するのは、以下の理由によると考えられる。
【0037】
すなわち、PZT系化合物はペロブスカイト型結晶構造(一般式ABO)を有しているため、結晶の異方性がビスマス層状化合物に比べて小さく、このため振動速度vが上昇すると比較的容易に非180°ドメインが回転し、その結果振動速度vの上昇に伴って共振周波数frや機械的品質係数Qmの低下を招くと考えられる。
【0038】
これに対しビスマス層状化合物は、ビスマス層が結晶軸のc軸に対し垂直方向に周期的に形成されているため、非180°ドメインの回転がほとんど生じないと考えられる。このため振動速度vが上昇しても共振周波数frや機械的品質係数Qmの低下を抑制できるものと思われる。
【0039】
そして、このようなビスマス層状化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、BiSrNb、BiWO、CaBiNb、BaBiNb、PbBiNb、BiTiNbO、BiTiTaO、BiTi12、SrBiTiNbO12、BaBiTiNbO12、PbBiTiNbO12、CaBiTi15、SrBiTi15、BaBiTi15、PbBiTi15、Na0.5Bi4.5Ti15、K0.5BiTi15、CaBiTi18、SrBiTi18、BaBiTi18、BiTi 18、BiTiNbO21、Bi10Ti30等を使用することができる。
【0040】
また、本実施の形態のように、変位方向Cと分極方向Dは同一方向であるのが好ましい。すなわち、上述したように圧電セラミック素体5をビスマス層状化合物で形成することにより、振動速度vが上昇しても該振動速度vが不安定化することなく共振周波数frや機械的品質係数Qmの低下を極力抑制することができる。だが、ビスマス層状化合物は異方性が大きいため、同一電界を印加した場合、変位方向が分極方向と同一方向のときは変位方向が分極方向と垂直方向のときに比べ、振動速度vを大きくすることが可能となり、より大きな変位量を有する共振アクチュエータを得ることができる。
【0041】
さらに、ビスマス層状化合物は、結晶軸のc軸をセラミック素体5の分極方向Dと直交する方向に配向させるのが好ましい。
【0042】
すなわち、ビスマス層状化合物は、上述したように異方性が大きく、結晶軸のc軸をセラミック素体5の分極方向Dと直交する方向に配向させることにより、機械的品質係数Qmを大きくすることができる。
【0043】
一方、振動速度vと印加電界Eとの関係は数式(1)で表される。
【0044】
v∝CE 1/2・d・Qm・E …(1)
ここで、CEは弾性スチフネス係数である。
【0045】
この数式(1)から明らかなように、振動速度vは、圧電定数dと機械的品質係数Qmとの積に比例する。したがって、ビスマス層状化合物の場合、上述したように圧電定数dがPZT系圧電セラミック材料に比べて小さいものの、機械的品質係数Qmを大きくすることができることから、結果として大きな振動速度vを得ることができ、したがって大きな変位量を有する共振アクチュエータを得ることができる。
【0046】
しかも、上述したように印加電界Eが高くなっても振動速度vは印加電界Eに略比例して上昇するので、高電界でも安定した駆動が可能となる。
【0047】
また、このようにc軸をセラミック素体5の分極方向Dと直交する方向に配向させることにより、機械的品質係数Qmを大きくすることができるが、その配向度Fは、ロットゲーリング法で75%以上が好ましい。
【0048】
すなわち、ロットゲーリング法によると、c軸の配向度Fは下記数式(2)で算出される。
【0049】
【数1】
Figure 0005013269
【0050】
ここで、ΣI(001)は、測定試料のc軸配向を示す結晶面(001)のX線ピーク強度の総和であり、ΣI(hkl)は測定試料の全結晶面(hkl)のX線ピーク強度の総和である。また、ΣIo(001)は比較用試料(例えば、無配向試料)の結晶面(001)のX線ピーク強度の総和であり、ΣIo(hkl)は比較用試料の全結晶面(hkl)のX線ピーク強度の総和である。
【0051】
そして、数式(2)で算出される配向度Fが75%以上の場合は、振動速度vを1m/s以上に上昇させても共振周波数frは殆ど変化せず、また、消費電力Wの増加が鈍化し、したがって消費電力Wの節約にも寄与する。しかも、この場合、比較的低い印加電界Eで大きな振動速度vを得ることができ、変位量の大きな共振アクチュエータを容易に得ることができる等の利点がある。
【0052】
したがって、結晶軸のc軸をセラミック素体5の分極方向Dと直交する方向に配向させ、かつc軸の配向度Fはロットゲーリング法で75%以上がより好ましい。
【0053】
尚、配向化したビスマス層状化合物は、後記〔実施例〕で詳述するように、TGG(Templated Grain Growth)法等で容易に作製することができる。すなわち、例えば、c軸配向した板状セラミック粉末と無配向の仮焼粉末とを含有したセラミック成形体を作製した後、該セラミック成形体に熱処理を施すことにより、容易に作製することができる。また、配向度Fは、板状セラミック粉末と無配向の仮焼粉末との含有比率を調整することにより制御することができる。
【0054】
そして、このような変位素子3を有する共振アクチュエータでは、図3(a)に示すように、駆動部1aの振動片4aが被駆動部2に圧接された状態で変位素子3aに電界が印加されると、矢印Ca方向の振動によって被駆動部2が矢印A方向に駆動する。
【0055】
また、図3(b)に示すように、駆動部1bの振動片4bが被駆動部2に圧接された状態で変位素子3bに電界が印加されると、矢印Cb方向の振動によって被駆動部2が矢印B方向に駆動する。
【0056】
このように本実施の形態では、変位素子3(第1及び第2の変位素子3a、3b)が、ビスマス層状化合物からなる圧電セラミック素体5を有しているので、振動速度vが上昇しても共振周波数frや機械的品質係数Qmが低下するのを抑制することができる。また広範な電界強度範囲で振動速度vは印加電界Eに略比例して変化するので、共振周波数frや振動速度vを制御するためのフィードバック回路が不要となり、したがってデバイスの簡素化、コスト削減、小型化が可能になる。
【0057】
また、従来のPZT系圧電セラミックスでは振動速度vが1m/sを超えて使用するのは困難であったが、ビスマス層状化合物では1m/sを超える振動速度vでも安定して使用することが可能であり、共振アクチュエータの特性を向上させることができる。
【0058】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では、共振アクチュエータを共振周波数で駆動させているが、共振周波数から数%程度偏位した共振周波数近傍の周波数領域で駆動させても同様の作用効果を得ることができる。
【0059】
また、上記実施の形態では、2個の駆動部を有する場合について説明したが、1個あるいは3個以上の駆動部を有する場合についても、同様に適用できるのはいうまでもない。
【0060】
また、上記実施の形態では、変位素子3は単板形状であるが、セラミックグリーンシートを貼り合わせた形態のものや、内部電極と共焼結されて積層された積層型の共振アクチュエータについても同様の作用効果を得ることができる。
【0061】
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【実施例1】
【0062】
〔試料の作製〕
ビスマス層状化合物である無配向のBiSrNb(以下、「SBN」という。)系材料、及びc軸に配向したSBN系材料を使用し、変位方向と分極方向とが同一方向の試料番号1、2の変位素子を作製した。
【0063】
また、比較例としてPZT系材料を使用し、変位方向と分極方向と同一方向の試料番号3の変位素子、及び変位方向が分極方向と垂直方向の試料番号4の変位素子を作製した。
【0064】
以下、各試料の作製手順を詳述する。
【0065】
〔試料番号1〕
セラミック素原料としてSrCO、Bi、Nb、Nd、及びMnCOを用意し、最終組成が組成式{100(Sr0.9Nd0.1BiNb)+MnO}を満たすように前記セラミック素原料を秤量した。この秤量物をPSZ(Partially Stabilized Zirconia;部分安定化ジルコニア)ボール及び水と共にボールミルに投入し、該ボールミル内で約16時間湿式混合して混合物を得た。
【0066】
次いで、得られた前記混合物を乾燥した後、800℃の温度で2時間仮焼し、仮焼粉末を得た。
【0067】
そしてこの後、仮焼粉末、適量の有機バインダ、分散剤、消泡剤及び表面活性剤を添加し、PSZボール及び水と共にボールミルに投入し、該ボールミル内で約16時間湿式混合してセラミックスラリーを作製した。その後ドクターブレード法を使用してこのセラミックスラリーに成形加工を施し、厚みが約60μmのセラミックグリーンシートを作製した。
【0068】
次いで、このセラミックグリーンシートを所定枚数積層した後、温度60℃、圧力30MPaの加圧条件で30秒間圧着処理を行い、積層成形体を作製した。
【0069】
次いで、この積層成形体を温度350℃で5時間加熱し、さらに温度500℃で2時間加熱して脱バインダ処理を行い、その後温度1150℃で2時間焼成処理を行い、焼結体ブロックを作製し、縦7mm、横7mm、厚み5mmに切り出してセラミック焼結体を得た。
【0070】
次に、Agをターゲットとしてスパッタリング処理を行い、両主面に電極を形成した後、浴温200℃のオイル中で10.0kV/mmの電界を30分間印加し、厚み方向に分極処理を行った。そして分極処理された試料を、図4に示すように、横(x)が2mm、縦(y)が2mm、厚み(t)が5mmの寸法にダイサーカットを使用して切り出し、電極面11、12に銀線13、14をはんだ付けし、変位方向Eと分極方向Fとが同一である無配向の試料番号1のSBN系試料15を作製した。
【0071】
〔試料番号2〕
試料番号1と同様、最終組成が組成式{100(Sr0.9Nd0.1BiNb)+MnO}を満たすように各セラミック素原料を秤量し、ボールミル内で約16時間湿式混合して混合物を得た。その後前記混合物を乾燥した後、800℃の温度で2時間仮焼し、仮焼粉末を得た。
【0072】
次いで、この仮焼粉末の一部を取り出し、該仮焼粉末とKClとが重量比で1:1となるように混合し、900℃の温度で10時間熱処理を行い、その後水洗してKClを除去し、セラミック粒子を得た。
【0073】
ここで、走査型電子顕微鏡を使用してセラミック粒子を観察したところ、形状が異方性を有しており、最大径φと高さHとの比φ/H(アスペクト比)が5程度の板状になっていることが確認された。
【0074】
次いで、板状セラミック粒子と上記仮焼粉末とが重量比で1:1となるように混合し、さらに適量の有機バインダ、分散剤、消泡剤及び表面活性剤とを添加し、PSZボール及び水と共にボールミルに投入し、該ボールミル内で約16時間湿式混合してセラミックスラリーを作製した。その後ドクターブレード法を使用してこのセラミックスラリーに成形加工を施し、厚みが約60μmの配向セラミックシートを作製した。
【0075】
次いで、この配向セラミックシートを所定枚数積層した後、温度60℃、圧力30MPaの加圧条件で30秒間圧着処理を行い、積層成形体を作製した。
【0076】
次いで、この積層成形体を温度350℃で5時間加熱し、さらに温度500℃で2時間加熱して脱バインダ処理を行い、その後温度1150℃で2時間、焼成処理を行って焼結体ブロックを作製した。すなわち、焼成処理により、板状セラミック粒子が種結晶(テンプレート)として無配向の仮焼粉末を取り込みながらホモエピタキシャル成長し、これにより配向化した焼結体ブロックが得られる(TGG法)。そして、焼結体ブロックから縦7mm、横7mm、厚み5mmのセラミック焼結体を、結晶軸のc軸が、縦7mm、横7mmの主面の面内方向を向くように、すなわちa−b面が厚み方向を向くように切り出し、配向性セラミック焼結体を得た。
【0077】
ここで、上記配向性セラミック焼結体について、ロットゲーリング法によりc軸の配向度Fを測定した。
【0078】
すなわち、まず、X線回折装置(線源:CuKα線)を使用し、この配向性セラミック焼結体について、回折角2θが20°〜80°におけるX線ピーク強度を測定した。また、比較試料として試料番号1の無配向のセラミック焼結体を使用し、同様に回折角2θが20°〜80°におけるX線ピーク強度を測定した。
【0079】
次いで、配向性焼結体及び無配向のセラミック焼結体の結晶面(001)及び全結晶面(hkl)におけるX線ピーク強度の総和を算出し、〔発明を実施するための最良の形態〕の項に記載した数式(2)に基づいてc軸の配向度Fを求めた。そしてその結果、配向度Fは90%であった。
【0080】
次に、Agをターゲットとしてスパッタリング処理を行い、配向性セラミック焼結体の両主面に電極を形成した後、浴温200℃のオイル中で10.0kV/mmの電界を30分間印加し、厚み方向に分極処理を行った。そして分極処理された試料を、試料番号1と同様、横(x)が2mm、縦(y)が2mm、厚み(t)が5mmの寸法にダイサーカットを使用して切り出し、電極面に銀線をはんだ付けし、変位方向が分極方向と同一である、c軸が分極方向と直交する方向に配向した試料番号2のSBN系試料を作製した。
【0081】
〔試料番号3〕
セラミック素原料としてPb、TiO、MnCO、及びNbを用意し、最終組成が組成式〔Pb{(Mn1/3Nb2/30.10Ti0.46Zr0.44}O〕を満たすように前記セラミック素原料を秤量し、この秤量物をPSZボール及び水と共にボールミルに投入し、該ボールミル内で約16時間湿式混合して混合物を得た。
【0082】
次いで、得られた前記混合物を乾燥した後、900℃の温度で2時間仮焼し、仮焼粉末を得た。
【0083】
そしてこの後、仮焼粉末、適量の有機バインダ、分散剤、消泡剤及び表面活性剤を添加し、PSZボール及び水と共にボールミルに投入し、該ボールミル内で約16時間湿式混合してセラミックスラリーを作製した。その後ドクターブレード法を使用してこのセラミックスラリーに成形加工を施し、厚みが約60μmのセラミックグリーンシートを作製した。
【0084】
次いで、このセラミックグリーンシートを所定枚数積層した後、温度60℃、圧力30MPaの加圧条件で30秒間圧着処理を行い、積層成形体を作製した。
【0085】
次いで、この積層成形体を温度350℃で5時間、更に温度500℃で2時間加熱して脱バインダ処理を行い、その後温度1200℃で2時間焼成処理を行い、焼結体ブロックを作製し、縦7mm、横7mm、厚み5mmに切り出してセラミック焼結体を得た。
【0086】
次に、Agをターゲットとしてスパッタリング処理を行い、両主面に電極を形成した後、浴温200℃のオイル中で10.0kV/mmの電界を30分間印加し、厚み方向に分極処理を行った。そして分極処理された試料を、試料番号1と同様、横(x)が2mm、縦(y)が2mm、厚み(t)が5mmの寸法にダイサーカットを使用して切り出し、電極面に銀線を半田付けし、変位方向が分極方向と同一である試料番号3のPZT系試料を作製した。
【0087】
〔試料番号4〕
試料番号3と同様の方法・手順で縦7mm、横7mm、厚み5mmのセラミック焼結体を得た。このセラミック焼結体を、横(x)が5mm、縦(y)が2mm、厚み(t)が2mmの寸法に切断し、横(x)が5mm、縦(y)が2mmの互いに対向する2面にAgをターゲットとしてスパッタリング処理を行い、電極を形成した。この電極形成後、浴温200℃のオイル中で10.0kV/mmの電界を30分間印加し、厚み方向に分極処理を行った。次いで、図5に示すように、電極面11′、12′に銀線13′、14′をはんだ付けし、変位方向Eと分極方向F′とが垂直である試料番号4のPZT系試料15′を作製した。
【0088】
〔各試料の特性評価〕
図6は、各試料の特性評価に使用した測定装置の概略ブロック図である。
【0089】
すなわち、この測定装置は、試料15(15′)を支持する試料支持部材16と、振動時の変位量や振動速度を検出するレーザードップラー振動計17と、試料15(15′)に電界を印加すると共に電流値が常に一定となるように駆動電圧が調節されるように回路構成した電源・定電流回路18と、入出力部等を備え前記電源・定電流回路18を制御する制御部19とを有し、制御部19と電源・定電流回路18とは電気的に接続されている。
【0090】
そして、試料15(15′)の変位方向の中心部を試料支持部材16で支持し、電源・定電流回路18からの信号に基づいて試料15(15′)に電界を印加し、共振特性を測定して共振周波数frを求めた。尚、本実施例では、最も低周波側の共振周波数を共振周波数frとした。
【0091】
また、共振周波数fr近傍のインピーダンス曲線に基づいて機械的品質係数Qmを求めた。
【0092】
さらに、電源・定電流回路18からの信号に基づき試料15(15′)に種々の強度の電界を印加しながらレーザードップラー振動計17を使用して試料15(15′)端面の振動速度を測定した。尚、試料番号3、4では、印加電界Eを上昇させていった場合、振動速度が不安定化するが、その不安定化する直前の振動速度を飽和振動速度として求めた。
【0093】
また、レーザードップラー振動計17を使用して種々の印加電界Eにおける変位量sを測定し、電界が印加されていない無電界時に対する各試料の変位率Δsを算出した。
【0094】
また、試料が小さく発熱量を測定するのが困難であったことから、発熱量の指標となる消費電力を測定した。
【0095】
表1は、各試料における配向性の有無、分極方向、消費電力が1mW/mm、3mW/mm及び5mW/mmのときの振動速度及び飽和振動速度を示している。
【0096】
【表1】
Figure 0005013269
【0097】
表1から明らかなように、試料番号3は変位素子にPZT系圧電セラミック材料を使用しているので、振動速度は、消費電力が1mW/mmのときで0.50m/s、消費電力が3mW/mmのときで0.79m/sであり、消費電力が5mW/mmのときでも0.94m/sであり、1m/sを超える大きな振動速度を得ることができなかった。また、飽和振動速度も0.94m/sと小さく、したがって振動速度の小さい領域でないと安定して駆動させることができないことが分かった。
【0098】
試料番号4も、試料番号3と同様、変位素子にPZT系圧電セラミック材料を使用しているので、振動速度は、消費電力が1mW/mmのときで0.52m/s、消費電力が3mW/mmのときで0.72m/sであり、消費電力が5mW/mmのときでも0.82m/sであり、1m/sを超える大きな振動速度を得ることができなかった。また、飽和振動速度も0.78m/sと小さく、したがって振動速度の小さい領域でないと安定して駆動させることができないことが分かった。しかも、試料番号4は、変位方向が分極方向に対し垂直であるため、試料番号3と比べても飽和振動速度が小さく、消費電力が大きくしてもより小さな振動速度しか得られないことが分かった。
【0099】
試料番号1は、SBN系圧電セラミック材料を使用しているので、消費電力が1mW/mmのときには試料番号3、4とほぼ同じ振動速度であったが、消費電力が3mW/mmになると振動速度は0.85m/sとなり、また消費電力が5mW/mmのときは振動速度が1.07m/sとなって試料番号3、4に比べると若干上昇することが分かった。また、印加電界Eを上昇させていったところ、振動速度が2.12m/sとなった時点で銀線が断線してしまったことから、飽和振動速度は少なくとも2.12m/s以上であることが確認された。
【0100】
これに対し試料番号2は、試料番号1と同様、SBN系圧電セラミック材料を使用しているが、c軸配向させているため、消費電力が1mW/mmのときで振動速度は0.95m/s、消費電力が3mW/mmのときで振動速度は1.32m/s、消費電力が5mW/mmのときで振動速度が1.66m/sとなった。すなわち、c軸配向させたことにより、試料番号1に比べ、振動速度を更に大きくすることができた。また印加電界Eを上昇させていったところ、振動速度が2.62m/sとなった時点で銀線が断線してしまったことから、飽和振動速度は少なくとも2.62m/s以上であり、大きな飽和振動速度が得られることが分かった。
【0101】
図7は消費電力の振動速度依存性を示した図であり、横軸が振動速度v、縦軸は消費電力Wを示し、□印が試料番号1、■印が試料番号2、●印が試料番号3、○印が試料番号4である。図中、×印は振動速度vが安定しなくなった点を示している。
【0102】
また、図8は機械的品質係数の振動速度依存性を示した図であり、横軸が振動速度v、縦軸が機械的品質係数Qmを示し、□印が試料番号1、■印が試料番号2、●印が試料番号3、○印が試料番号4である。図中、×印は振動速度vが安定しなくなった点を示している。
【0103】
この図7及び図8から明らかなように、無配向のSBN系圧電セラミック材料を使用した試料番号1では、振動速度vが1.0m/s以下の場合には、消費電力WがPZT系圧電セラミック材料を使用した試料番号3、4とほぼ同等となっている。したがって、発熱量もほぼ同等であることが分かった。また、図8から明らかなように、試料番号1は、振動速度vが1.0m/s以下の場合には発熱量と相関関係を有する機械的品質係数Qmも試料番号4とほぼ同等であることが確認された。
【0104】
一方、c軸配向のSBN系材料を使用した試料番号2は、図7から明らかなように、PZT系材料を使用した試料番号3、4と比較して消費電力Wが顕著に低下しており、したがって、発熱量も低下することが分かった。また、図8から明らかなように、試料番号2は、試料番号3、4と比較して機械的品質係数Qmが上昇することが確認された。
【0105】
また、共振アクチュエータとして使用する場合には、消費電力Wが1mW/mmより小さいことが望まれるが、PZT系圧電セラミック材料(試料番号3、4)では振動速度vが0.50m/s以上になると消費電力Wが1mW/mmを超えているのに対し、c軸配向したSBN系圧電セラミック材料(試料番号2)では振動速度vを0.95m/sまで上昇させても消費電力Wを1mW/mm以下に抑制できた。したがって振動速度vが0.50m/sを超える用途ではc軸配向したSBN系圧電セラミック材料が好ましいことが確認された。
【0106】
また、試料番号1と試料番号2とを比較すると、表1から明らかなように、c軸配向した試料番号2は、無配向の試料番号1と比べ、消費電力Wが同一の場合は振動速度vを大きくすることができ、図7及び図8から明らかなように同一の振動速度vでは消費電力Wは少なくて済み、また機械的品質係数Qmを大きくすることができることが分かった。すなわち、c軸配向したSBN系圧電セラミック材料を使用することにより、より一層の特性向上を図ることができることが確認された。
【0107】
図9は、共振周波数の振動速度依存性を示した図であり、横軸が振動速度v、縦軸が共振周波数変化率Δfrを示し、□印が試料番号1、■印が試料番号2、●印が試料番号3、〇印が試料番号4である。図中、試料番号3中の×印は振動速度vが安定しなくなった点を示している。
【0108】
この図9から明らかなように、PZT系圧電セラミック材料を使用した試料番号3、4は振動速度vが上昇するに伴い、共振周波数変化率Δfrが大きくなり、共振周波数frの低下が顕著になることが分かった。
【0109】
すなわち、共振アクチュエータとして使用する場合には、共振周波数変化率Δfrは−0.05%以内であるのが望ましいが、PZT系圧電セラミック材料を使用した試料番号3、4では、振動速度vが0.5m/sを超えると共振周波数変化率Δfrは−0.05%を超えて顕著な低下傾向を示している。
【0110】
また、無配向のSBN系圧電セラミック材料を使用した試料番号1では、振動速度vが1.0m/s程度までは、共振周波数変化率Δfrは−0.05%以内に抑制することができたが、振動速度vが1.0m/sを超えると共振周波数変化率Δfrは−0.05%を超えて顕著な低下を示すことが分かった。
【0111】
これに対し試料番号2は、c軸配向したSBN系材料を使用しているので、振動速度vが2.0m/sに到達しても共振周波数変化率Δfrは−0.03%程度しか低下せず、良好な結果が得られた。
【0112】
図10は、変位率の電界依存性を示した図であり、横軸が印加電界E、縦軸が変位率Δsを示し、□印が試料番号1、■印が試料番号2、●印が試料番号3、〇印が試料番号4である。図中、×印は振動速度vが安定しなくなった点を示している。
【0113】
この図10から明らかなように、印加電界Eを上昇させていった場合、PZT系材料を使用した試料番号3、4のうち、試料番号3は印加電界Eが約1V/mmで振動速度vが不安定化し、試料番号4では印加電界Eが約1.8V/mmで振動速度vが不安定化している。
【0114】
これに対しSBN系材料を使用した試料番号1、2では、印加電界Eの上昇に伴い変位率Δs印加電界Eに略比例して上昇し、高電界が印加されても大きな変位量sの得られることが分かった。特に、c軸配向させた試料番号2は、印加電界Eの増加に対し変位率Δsが大きいことが分かった。
【0115】
尚、この実施例1では最も低周波側の共振周波数frで駆動させているが、高次の共振周波数frで駆動しても同様の作用効果が得られることを確認した。
【0116】
また、実施例1では、単板構造の変位素子を用いているが、積層型の変位素子を用いても同様の作用効果が得られるのはいうまでもない。
【実施例2】
【0117】
c軸の配向度Fが異なる種々のSBN系試料を作製し、特性を評価した。
【0118】
すなわち、〔実施例1〕の試料番号2と同様の方法・手順で、仮焼粉末及び板状セラミック粒子を作製した。
【0119】
そしてその後、セラミック焼結体におけるc軸の配向度Fが54%、75%、95%となるように、板状セラミック粒子と仮焼粉末とを重量比を変えて混合し、その他は〔試料番号2〕と同様の方法・手順で試料番号22(配向度F:54%)、試料番号23(配向度F:75%)、及び試料番号24(配向度F:95%)のSBN系試料を作製した。
【0120】
尚、試料番号22〜24の各配向度Fは、〔実施例1〕の試料番号2と同様、ロットゲーリング法で算出し、確認した。
【0121】
また、試料番号21として、試料番号1と同様、無配向のSBN系試料を作製した。
【0122】
そして、試料番号21〜24について、〔実施例1〕と同様の方法・手順で種々の印加電界Eおける振動速度v、共振周波数fr、消費電力Wを測定した。
【0123】
図11は共振周波数の振動速度依存性を示した図であり、横軸が振動速度v、縦軸は共振周波数変化率Δfrである。また、図12は消費電力の振動速度依存性を示した図であり、横軸が振動速度v、縦軸は消費電力Wである。また、図13は、振動速度の電界依存性を示した図であり、横軸が印加電界E、縦軸が振動速度vである。尚、各図中、−印は試料番号21、△印が試料番号22、□印が試料番号23、○印が試料番号24を示している。
【0124】
図11から明らかなように、試料番号21は無配向であり、また試料番号22はc軸の配向度Fが54%と低いため、振動速度vが1m/s以上になると共振周波数変化率Δfrが負側に変位し、共振周波数frの低下を招いていることが分かった。
【0125】
これに対し配向度Fが75%、90%の試料番号23、24は、振動速度vが1m/s以上となっても共振周波数変化率Δfrはほぼ「0」であり、共振周波数frの変動を抑制できることが確認された。
【0126】
また、図12から明らかなように、c軸の配向度Fが75%、90%の試料番号23、24は、無配向の試料番号21や配向度Fが54%の試料番号22に比べ、振動速度vの上昇に対して消費電力Wの上昇程度が鈍化し、消費電力Wを節約できることが分かった。また、c軸の配向度Fが75%と90%とでは、消費電力は略同等であり、したがってc軸の配向度Fが75%以上になると消費電力Wは略飽和状態になることが分かった。
【0127】
また、図13から明らかなように、試料番号21〜24のいずれにおいても振動速度vは印加電界Eに略比例して上昇しているが、c軸の配向度Fが大きくなるに伴い、低い印加電界Eで大きな振動速度vの得られることが確認された。
【0128】
以上よりビスマス層状化合物は、c軸を分極方向と直交する方向に配向させるのが好ましく、この場合、c軸の配向度Fは75%以上であるのがより好ましいことが分かった。

Claims (2)

  1. 共振周波数又は共振周波数近傍の周波数領域で振動する変位素子を備えた少なくとも一つの駆動部と、前記変位素子によって駆動される被駆動部材とを有する共振アクチュエータにおいて、
    前記変位素子が、ビスマス層状化合物からなる圧電セラミック素体を有すると共に、
    前記変位素子の変位方向と前記圧電セラミック素体の分極方向とが同一方向であり、
    かつ、前記ビスマス層状化合物は、結晶軸のc軸が前記圧電セラミック素体の分極方向と直交する方向に配向していることを特徴とする共振アクチュエータ。
  2. 前記c軸の配向度は、ロットゲーリング法で75%以上であることを特徴とする請求項1記載の共振アクチュエータ。
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