JP5008226B2 - 金属顔料組成物、その製造方法、その金属顔料組成物を含有する塗料組成物およびインキ組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リーフィング性の金属顔料組成物に関するものであり、さらに詳しくは、リーフィング性の樹脂被覆金属顔料組成物と、リーフィング性の着色金属顔料組成物、および、その製造方法と、その金属顔料組成物を用いるインキ、塗料などに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、アルミニウムフレークなどの金属フレークを含む金属顔料組成物は、美装性や、反射性や、水分の透過防止性の付与の目的で、自動車部品、産業機械、家具、建築物内外装、家電製品などに好適に用いられている。
【0003】
一般に、金属顔料組成物としては、アルミニウムフレークなどの金属フレークを含有したノンリーフィング性の金属顔料組成物が知られており、たとえば、自動車車体などの塗装に用いられている。ノンリーフィング性金属顔料は、燐片状に賦形した金属顔料の表面にオレイン酸などの不飽和脂肪酸を吸着させることにより、塗料用樹脂との親和性を高めたもので、塗膜化したときに金属フレークは塗膜内部に分散し、ランダムに配列して、ウロコ様のキラキラ感を示す。
【0004】
一方、たとえば、自動車部品、家電製品、化粧容器、照明器具、外灯、家具部品などにおいては、前記のノンリーフィング性の金属顔料組成物によるウロコ様のキラキラ感ではなく、鏡面様の光輝感が付与することが要求されることも多い。このような鏡面様の光輝感を有する部品では、一般にその表面をアルミニウム箔などの金属箔で被覆したり、あるいは金属メッキや金属蒸着により、表面に金属薄膜を析出し付着させている。
【0005】
しかしながら、金属箔で表面を被覆する方法では、基材表面に凹凸がある複雑な形状の基材に対しては、部分的に皺が発生し、均一に金属箔で被覆することができないという問題がある。また、金属メッキによる方法では、導電性を有する基材に限定されたり、あるいは基材表面に導電層を形成するなどの必要がある上に、基材全体をメッキ浴に浸漬する必要があり、製造工程が複雑で、設備上種々の制限がある。また、金属を蒸着させる方法では、真空または減圧容器中に基材を設置する必要があり、大型の基材には適用できないという問題がある上に、製造工程上も、減圧にする必要があるなど実用化にあたり制限がある。
【0006】
そこで、このような物品に鏡面様の光輝感を付与するために、金属箔による被覆や金属メッキや金属の蒸着といった方法によらず、リーフィング性の金属顔料組成物を用いる方法が開発されてきた。
【0007】
リーフィング性の金属顔料組成物とは、具体的には、アルミニウムなどの金属材料を微粉化し、かつそれを燐片状に賦形した、滑らかな平面を形成し得る、アルミニウムフレークなどの金属フレークと塗料用樹脂の混合物を含有する金属顔料組成物である。たとえば、リーフィングアルミニウムペーストおよびブロンズ粉などである。リーフィング性金属顔料組成物は、燐片状に賦形した金属顔料の表面にステアリン酸などの飽和脂肪酸を吸着させ、塗料用樹脂との親和性を低下させたもので、塗膜化したときに塗膜上層部に浮上し、互いに平行に配列して滑らかな平面を形成し、鏡面様の光輝感を示す。
【0008】
しかしながら、リーフィング性金属顔料表面に吸着している飽和脂肪酸と塗料やインキに使用される樹脂との付着性は一般に悪く、塗膜樹脂と金属顔料の界面での剥離が起こりやすいため、耐擦傷性、耐薬品性、耐候性、耐汚染性などの面で問題が生じていた。また、リーフィング性金属顔料を含む塗膜の上に、未硬化の状態でウェットオンウェット方式にてさらにクリヤ樹脂を塗り重ねると、アルミニウムフレークの配向性が乱れて外観が低下する傾向があった。
【0009】
しかし、リーフィング性金属顔料を含む塗膜を加熱硬化後に、さらにその上にクリヤ樹脂を塗り重ねた場合には、当該クリヤ塗膜との層間付着性が十分ではなくなる傾向がある。そのため、表面形状が複雑な基材上に塗布した場合、クリヤ塗膜の厚みが不十分な個所やクリヤ塗膜のまわり込みが不十分な個所における亀裂部分などから水などが浸入し、金属顔料が酸化、変色するなどして、耐擦傷性、耐薬品性、耐候性、耐汚染性などの面で問題が生じていた。さらに、飽和脂肪酸の防錆力は弱く、金属顔料の薬品による腐食を防止するには防錆力が不十分であったため、塗膜化したときの耐酸性、耐アルカリ性などの耐薬品性も不十分なものであった。その上、長期間貯蔵した際のリーフィング性に問題があるため、貯蔵安定性が低いという欠点も有していた。
【0010】
そこで、リーフィング性金属顔料組成物のこれらの欠点を克服し、リーフィング性金属顔料組成物を含有する塗膜の鏡面様の光輝感を維持または向上させつつ、塗膜樹脂と金属顔料の付着性、および、クリヤ樹脂と金属顔料の付着性を高め、耐擦傷性、耐薬品性、耐候性、耐汚染性を改良し、貯蔵安定性を向上させるため、これまでにさまざまな研究開発がなされてきた。
【0011】
たとえば、金属顔料を含む塗膜とクリヤ塗膜との層間付着性を改良すべく、金属顔料を含む塗膜とクリヤ塗膜との少なくとも一方に、ジルコアルミネート系カップリング剤を含有する、リーフィング性メタリック仕上げ方法(特開平1−307475号公報)や、リーフィング性アルミニウムフレークを含む下塗層と、酸性の粘着促進剤を含む上塗層と、を含有する多層コーティング系(特開平3−95275号公報)や、硬化した金属顔料を含む塗膜に、燐酸基含有不飽和単量体および水酸基含有不飽和単量体を用いて形成される重合体を含む組成物を塗布した後、クリヤ塗料を塗装する塗膜形成方法(特開平10−34069号公報)などが提案されている。
【0012】
それから、金属顔料組成物の貯蔵安定性と、金属顔料を含む塗膜とクリヤ塗膜との層間付着性とを、ともに改良すべく、アルミニウムフレークを燐酸アルキルエステルで被覆処理することを特徴とするリーフィング性メタリック塗料(特開平10−219150号公報)も提案されている。
【0013】
さらには、水性金属顔料組成物の貯蔵安定性を改良すべく、リーフィング性アルミニウム顔料とノンリーフィング性アルミニウム顔料を混合することを特徴とするメタリック調水性塗料組成物(特開2001−11389公報)も提案されている。
【0014】
他にも、一般的なリーフィング性金属顔料組成物により得られる鏡面様の光輝感よりもさらに深みのある光輝感を得るべく、バインダー樹脂として特定の石油系樹脂を含む組成物を用い、アルミニウムフレークを塗膜下層部に沈降させ、滑らかな平面を形成させることを特徴とする塗料組成物(特開2001−81359号公報)が提案されている。
【0015】
また、ノンリーフィング性アルミニウムフレークを用いて、鏡面様の光輝感を得るべく、微小金属箔とノンリーフィング性アルミニウムフレークを混合することを特徴とする塗料組成物(特開2000−219830号公報)や、ノンリーフィング性アルミニウムフレークを含有する塗料と微小金属箔を含む塗料を順次塗装する塗膜形成方法(特開2000−312857号公報)や、未硬化の塗面にノンリーフィング性アルミニウムフレークおよび有機溶剤を含有する組成物を塗装した後、クリヤ塗料を塗装することを特徴とするメタリック塗膜形成方法(特開平11−90318号公報)なども提案されている。
【0016】
しかし、前記のような数々の努力にもかかわらず、塗膜樹脂と金属顔料の付着性、クリヤ樹脂と金属顔料の付着性、耐擦傷性、耐薬品性、耐候性、耐汚染性、貯蔵安定性などの面で十分に満足のいく性能を持ち、さらには塗膜の鏡面様の光輝感に優れた、製造コスト面でも十分に採算の取れるリーフィング性金属顔料組成物は未だに得られていなかった。
【0017】
また、従来より、高耐候性の含フッ素共重合体塗料として、水酸基をもつフルオレフィン/ビニルエーテル系共重合体とポリイソシアネート系硬化剤とを含有する塗料が知られている。この塗料にアルミニウムフレークなどのメタリック顔料を添加したメタリック塗料組成物は、その高耐候性を生かして、屋外にさらされる自動車用塗料などとして用いられている。
【0018】
また、自動車など屋外で使用される物品に塗装されるメタリック塗料組成物において、特にメタリック塗料組成物から形成された塗膜が最外層となる際には、耐候性とともに耐汚染性が要求される場合が多い。一般的な塗料の耐汚染性を向上させる手段として、塗料にアルコキシシランの部分加水分解縮合物を添加する方法(特開平8−176304号公報)や、フルオロオレフィン、(メタ)アクリル酸エステルおよび加水分解性シリル基を有するオレフィン性単量体を共重合させた含フッ素共重合体を含有する塗料組成物(特開平9−302301号公報)が提案されている。
【0019】
また、メタリック塗料の耐汚染性および耐候性を向上させる手段としては、フルオロオレフィン、(メタ)アクリル酸エステルおよび加水分解性シリル基を有するオレフィン性単量体を共重合させた含フッ素共重合体と、シランカップリング剤とを含有するメタリック塗料組成物(特開2000−186234号公報)が提案されている。しかし、当該発明においては、リーフィング性金属顔料組成物の耐汚染性および耐候性を向上させることは目的としておらず、耐薬品性については言及がない。また、当該発明においては、樹脂被覆金属顔料や、着色顔料を付着させた着色金属顔料についても言及されていない。
【0020】
なお、蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料および燐酸基含有化合物を含有することを特徴とするメタリック塗料(特開2000−178478号公報)においても、シランカップリング剤を含有することが好ましいとされているが、当該発明においては、シランカップリング剤は、メタリック塗膜層の密着性を高めるために添加されており、シランカップリング剤の存在により、光輝性顔料がリーフィング性を示すわけではない。また、当該発明においては、耐薬品性については言及がなく、樹脂被覆金属顔料や、着色顔料を付着させた着色金属顔料についても言及されていない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
これに対し、樹脂被覆金属顔料は樹脂との付着性、耐酸性、耐アルカリ性に優れているため、樹脂被覆金属顔料を用いれば、前記のリーフィング性金属顔料組成物の欠点は克服できると考えられるが、既存の樹脂被覆金属顔料はリーフィング性を示さず、リーフィング性金属顔料組成物に特徴的な鏡面様の光輝性を持つ色調は得られない。また、被覆樹脂層の上にリーフィング性を与えるために飽和脂肪酸を吸着させてもほとんどリーフィング性は改善されない。また、近年アルミニウム顔料などの金属粉顔料に着色顔料を吸着させ、必要に応じて樹脂を被覆するという技術による着色金属粉顔料が開発されているが、このような着色金属粉顔料もリーフィング性を示さない。
【0022】
よって、前記のリーフィング性金属顔料組成物の、塗膜樹脂と金属顔料の付着性、クリヤ樹脂と金属顔料の付着性、耐薬品性、耐候性、耐汚染性、などの面での欠点を克服し、さらには、着色金属顔料にリーフィング性を付与して、多様な色彩と鏡面様の光輝性を兼ね備えた特徴のある色調と、耐擦傷性と、耐薬品性と、耐候性と、耐汚染性と、貯蔵安定性と、を同時に兼ね備えたリーフィング性樹脂被覆金属顔料組成物を得るため、樹脂被覆金属顔料にリーフィング性を付与する技術の開発が強く求められているが、いまだ実現されていなかった。
【0023】
本発明の目的は、従来リーフィング性を付与することができなかった樹脂被覆金属顔料にリーフィング性を付与し、鏡面様の光輝性を持つ色調と、耐薬品性と、耐候性と、耐汚染性と、を同時に兼ね備えたリーフィング性樹脂被覆金属顔料組成物およびその製造方法を提供することにある。
【0024】
また、本発明の他の目的は、着色顔料を付着させた着色金属顔料にリーフィング性を付与し、従来の技術では得ることができなかった、多様な色彩と鏡面様の光輝性を兼ね備えた新しい意匠を示す着色金属顔料組成物およびその製造方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来リーフィング性を付与することができなかった被覆金属顔料にリーフィング性を付与し、同時に、金属顔料組成物に耐薬品性と、耐候性と、耐汚染性と、を付与するには、含フッ素共重合体やシランカップリング剤を添加することが有効である可能性に着目し、鋭意研究を重ねた結果、特定のシランカップリング剤を用いることにより、本発明の目的を達成することを見出し、本発明を完成した。
【0026】
本発明は、金属顔料と、末端にCF3基を有する構造式のシランカップリング剤および/またはその加水分解生成物、もしくはこれらの縮合物と、を含有する金属顔料組成物である。
【0027】
ここで、前記シランカップリング剤として、次の化学式(1)で示される化合物を用いることができる。
【0028】
【化2】
【0029】
(nは0から20の整数、mは2から4の整数、X,YはRまたはORまたはCl、Rは炭素数2以下のアルキル基である。)
また、前記シランカップリング剤として、前記化学式(1)中のアルキレン基にさらに1個以上の下記の極性官能基が導入された化合物を用いることができる。
−COO−,−COS−,−CONH−,−SO2NH−,−S−
さらに、前記金属顔料の表面には樹脂層が形成されている。また、前記金属顔料は着色顔料により着色されていてもよい。そして、前記シランカップリング剤および/またはその加水分解生成物、もしくはこれらの縮合物の含有量は、前記金属顔料100重量部に対し、0.1〜20重量部であることが好ましい。
【0030】
それから、本発明は、前記金属顔料に前記化学式(1)のシランカップリング剤を混合することを特徴とする、前記の配合量の金属顔料組成物の製造方法を含む。
【0031】
また、本発明は、前記化学式(1)のシランカップリング剤に加えて水および加水分解触媒を混合することを特徴とする、前記金属顔料組成物の製造方法を含む。
【0032】
そして、本発明は、前記加水分解触媒が、燐酸、ポリ燐酸、モリブデン酸、燐モリブデン酸、過酸化ポリモリブデン酸、バナジン酸、クロム酸、硫酸、塩酸、硝酸、ホスホン酸、アルキルホスホン酸、およびこれらの塩、さらに、炭素数6以下のアルキルアミン、炭素数6以下のアルキレンジアミン、炭素数6以下のアルカノールアミン、アミノ基を有するシランカップリング剤、アンモニア、の群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、前記金属顔料組成物の製造方法を含む。
【0033】
さらに、本発明は、前記金属顔料組成物と、バインダと、溶剤と、を含有する塗料組成物またはインキ組成物を含む。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示して本発明をより詳細に説明する。
【0035】
本発明の金属顔料組成物は、金属顔料と、末端にCF3基を有する構造式のシランカップリング剤および/またはその加水分解生成物、もしくはこれらの縮合物と、を含有している。
【0036】
一般に、シランカップリング剤とは、化学式(2)に示す構造を持つ珪素化合物で、相互になじみの悪い無機材料と有機材料の両者と化学結合できる性質を持つ。本発明のシランカップリング剤も、無機質と反応しやすい置換基を化学式(2)のX1,X2,X3の位置に持ち、末端にCF3基を有する有機質と反応しやすい置換基を化学式(2)のYの位置に持つ。なお、化学式(2)において、nは0以上の整数を表す。
【0037】
【化3】
【0038】
本発明に使用されるシランカップリング剤は、好ましくは次の化学式(1)で示されるシランカップリング剤である。
【0039】
【化4】
【0040】
(nは0から20の整数、mは2から4の整数、X,YはRまたはORまたはCl、Rは炭素数2以下のアルキル基である。以下の文章においても、同じ。)nは0から20であることが好ましいが、特に好ましい範囲は0から10である。nが20より大きい場合は金属顔料と塗料樹脂などのバインダーとの付着性が低下する傾向があり、塗膜樹脂と金属顔料の界面で剥離などの問題を生じやすくなる。
【0041】
mは2から4の整数であることが好ましい。mが2より小さい場合は樹脂との親和性が低下する傾向があるため、塗料化したときにハジキや分散性不良などの問題を生じやすくなる。mが4より大きい場合は添加量の割にリーフィング性や密着性の改善効果があまりみられず、製造コストの面で不利になる傾向がある。
【0042】
X,YはRまたはORまたはClである。ただし、Clの場合は処理工程で塩化水素ガスが発生するなどの問題があるため、RまたはORの方がより好ましい。Rは炭素数2以下のアルキル基である。炭素数が3以上の場合は、十分なリーフィング性が得られない傾向があるため、好ましくない。
【0043】
前記の条件を満たすシランカップリング剤としては、たとえば、次の化学式(3)〜(6)に示す構造式をもつ化合物などが挙げられる。
【0044】
【化5】
【0045】
【化6】
【0046】
【化7】
【0047】
【化8】
【0048】
また、前記化学式(1)のアルキレン基にさらに1個以上の下記の極性官能基が導入されたシランカップリング剤を用いた場合も良好な結果が得られる。
【0049】
極性官能基:−COO−,−COS−,−CONH−,−SO2NH−,−S−。
【0050】
前記の条件を満たすシランカップリング剤としては、たとえば、次の化学式(7)〜(12)に示す構造式をもつ化合物などが挙げられる。
【0051】
【化9】
【0052】
【化10】
【0053】
【化11】
【0054】
【化12】
【0055】
【化13】
【0056】
【化14】
【0057】
さらに、シランカップリング剤は、必要により、1種または2種以上を使用することができる。
【0058】
そして、シランカップリング剤はそのままの状態でも、たとえば下記の反応式(13)により、完全に、または部分的に加水分解した状態でもよい。
【0059】
【化15】
【0060】
(nは0から20の整数、mは2から4の整数、X,YはRまたはORまたはCl、Rは炭素数2以下のアルキル基である。)
さらにこのような加水分解生成物が金属粉顔料表面の水酸基あるいは他の加水分解生成物の水酸基と縮合した状態になっていてもよく、金属粉顔料表面の水酸基と縮合した状態が特に好ましい状態であり、より良好なリーフィング性が得られる。
【0061】
加水分解を生じさせるためには、シランカップリング剤とともに水および加水分解触媒をあわせて添加するだけでよいが、均一混合のためあらかじめ親水性溶媒に分散または溶解して添加するのが好ましい。
【0062】
水の添加量は、特に限定はされないが、金属顔料100重量部に対し、0.1〜5.0重量部が好ましい。水の添加量が0.1重量部未満の場合は、シランカップリング剤の縮合が十分に起こらず、リーフィング性、密着性などの改善効果が小さくなる傾向がある。水の添加量が5.0重量部を超えると、金属顔料としてアルミニウムフレークを使用した場合にはアルミニウムフレークが水と反応し、凝集や光輝低下などの問題を生じる場合がある。
【0063】
加水分解触媒としては、下記の群(A)あるいは群(B)から選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましい。
【0064】
群(A):下記に示す酸性化合物およびその塩。
燐酸、ポリ燐酸、モリブデン酸、燐モリブデン酸、珪モリブデン酸、過酸化ポリモリブデン酸、バナジン酸、クロム酸、硫酸、塩酸、硝酸、ホスホン酸、アルキルホスホン酸、燐タングステン酸、珪タングステン酸、燐タングストモリブデン酸、燐バナドモリブデン酸。
【0065】
群(B):下記に示す塩基性化合物。
炭素数6以下のアルキルアミン、炭素数6以下のアルキレンジアミン、炭素数6以下のアルカノールアミン、アミノ基を有するシランカップリング剤、アンモニア。
【0066】
特に好ましい加水分解触媒としては、燐酸、燐酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、燐モリブデン酸、過酸化ポリモリブデン酸、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニア、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、などが例示される。
【0067】
加水分解触媒の添加量は、特に限定はされないが、金属顔料を100重量部とした場合に0.1〜5.0重量部であることが好ましい。加水分解触媒の添加量が0.1重量部未満では、シランカップリング剤の加水分解が十分に起こらず、リーフィング性、密着性などの改善効果が小さくなる傾向がある。加水分解触媒の添加量が5.0重量部を超えると、添加量の割にリーフィング性や密着性の改善効果があまりみられず、製造コストの面で不利になる傾向がある。
【0068】
本発明の金属顔料組成物を均一に混合するための親水性溶媒としては、炭素数5以下のアルコール、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルカルビトール、ジプロピレンブリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールエーテル類、アセトンなどが使用でき、その添加量は、金属顔料組成物中に均一に水や加水分解触媒を分散または溶解させるのに十分な量であることが望ましい。
【0069】
本発明の金属顔料組成物に含まれるシランカップリング剤の添加量は、特に限定はされないが、金属粉顔料100重量部に対し、0.1〜20重量部とするのが好ましい。特に好ましくは0.5〜5重量部である。シランカップリング剤の添加量が0.1重量部未満では、十分なリーフィング性が得られない傾向があり、シランカップリング剤の添加量が20重量部以上では、塗膜にしたときの塗膜物性(付着性など)が低下する場合がある。
【0070】
本発明の金属顔料組成物に用いる金属顔料としては、アルミニウム、ブロンズ、ステンレス、亜鉛、銅、チタン、鉄、ニッケル、ステンレスおよびそれらの合金フレークなどが例示される。これらの顔料の中でもアルミニウムフレークは金属光沢に優れ、安価な上に比重が小さいため扱いやすく、特に好適である。平均粒径としては1〜100μmのものが好ましく、3〜50μmのものが特に好ましい。平均厚みとしては、0.02〜5μmのものが好ましく、0.1〜2μmのものが特に好ましい。
【0071】
さらに、平均粒径を平均厚みで割った形状係数が5〜100程度の範囲のものが特に好ましい。平均粒径が100μmを超える場合は、フレーク状顔料が塗膜表面に突き出す結果となり、塗面の平滑性あるいは鮮映性が低下する傾向があり、平均粒径が1μm未満の場合は、メタリック感あるいは光輝感が低下する傾向がある。また、平均厚みが5μmを超える場合は、塗面の平滑性あるいは鮮映性が低下する傾向があることに加え、十分なリーフィング性が得られないこともあり、平均厚みが0.05μm未満の場合は、金属フレークの強度が低下する傾向があるばかりでなく、金属フレーク製造工程中の加工が困難になる場合がある。
【0072】
フレーク状顔料の平均粒径は、レーザー回折法、マイクロメッシュシーブ法、コールターカウンター法などの公知の粒度分布測定法により測定された粒度分布より体積平均を算出して求められる。平均厚みについては、フレーク状金属顔料の隠蔽力と密度より算出される。
【0073】
金属顔料は一般的なステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸や脂肪族アミン、脂肪酸アミド、脂肪族アルコール、酸性燐酸エステルなどで被覆されたものも使用できるが、本発明の効果を有効に利用するためには、金属顔料表面に樹脂層が形成されていることが好ましい。金属顔料表面に樹脂層を形成することにより、これを使用して塗装された塗膜の耐薬品性、付着性、耐候性、耐汚染性、などの塗膜物性を向上させることができる。
【0074】
樹脂層を形成する方法としては、金属顔料を有機溶剤中に分散したスラリーに下記に示されるようなモノマーを添加し、不活性ガス雰囲気中で加熱しながらアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイルなどの重合開始剤を添加することによりモノマーを重合させ金属顔料表面に重合体を析出させる方法が好ましい。ただし、この方法に限定されるものではない。
【0075】
ここで、重合性モノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、1,4ブタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、1,9ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリスアクリロキシエチルホスフェート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、ポリブタジエン、アマニ油、大豆油、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン、シクロヘキセンビニルモノオキサイド、ジビニルベンゼンモノオキサイド、などが例示される。
【0076】
形成される樹脂層の量は、金属顔料100重量部あたり0.1〜50重量部が好ましく、0.5〜40重量部が特に好適である。形成される樹脂層の量が0.1重量部よりも少ない場合は、塗膜の耐薬品性や付着性が不十分となる傾向があり、形成される樹脂層の量が50重量部よりも多い場合は塗膜のメタリック感あるいは輝度が低下し、塗膜表面の平滑性に問題が生じる場合がある。
【0077】
さらに、本発明には着色金属顔料も使用できる。本発明に使用しうる着色金属顔料としては、特に限定されないが、特開昭58−141248号公報、公表特許公報平5−508424、特開平1−315470号公報、特開平9−40885号公報、特開平9−59532号公報、特開平9−124973号公報などの特許公報に記載されているような、個々の粒子の表面に着色顔料付着層を有しているものが使用できる。さらに、本発明の効果を有効に利用するためには、該着色顔料層が前記重合性モノマーの例に示すような重合性モノマーから合成された樹脂層で被覆されているものが好ましい。着色顔料としては、フタロシアニン、ハロゲン化フタロシアニン、キナクリドン、ジケトピロロピロール、イソインドリノン、アゾメチン金属錯体、インダンスロン、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、ジオキサジン、ベンゾイミダゾロン、縮合アゾ、トリフェニルメタン、キノフタロン、アントラピリミジン、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、バナジウム酸ビスマス、などが例示される。
【0078】
着色顔料を付着させた着色金属顔料のほかに、金属顔料表面に干渉膜や着色薄膜層を形成することにより着色されたタイプの着色金属顔料も好適である。このような着色金属顔料の例としては、酸化あるいは窒化するすることにより着色されたチタンフレークあるいは特公平1−24182に開示されているような、酸化鉄などの有色無機薄膜層により着色されたアルミニウム顔料などが例示される。
【0079】
本発明の金属顔料組成物の製造方法は、金属顔料に単にシランカップリング剤を添加、混合するだけでよい。添加方法に特に限定はないが、リボンミキサーやニーダーミキサーで金属顔料を溶剤とともに混練する際に、シランカップリング剤を添加する方法が好ましい。このとき、金属顔料に前記のような配合量と条件で水および前記加水分解触媒をあわせて添加すると、より良好なリーフィング性をもつ金属顔料組成物が得られる。
【0080】
本発明の塗料組成物またはインキ組成物は、前記金属顔料組成物と、バインダと、溶剤と、を含有する。さらには必要に応じて、各種顔料、各種添加剤などを含有することができる。
【0081】
本発明の塗料組成物またはインキ組成物の形態は、特に限定されるものではなく、有機溶液型、非水分散液型、水溶液型、水分散液型、ハイソリッド型、粉体塗料型などの任意の形態のものを使用することができる。
【0082】
たとえば、非水分散液型の塗料組成物の場合、本発明の金属顔料組成物(本発明のシランカップリング剤を含む)、バインダ、有機溶剤、さらには必要に応じて、添加剤、顔料などを添加して調製される。
【0083】
この場合、金属顔料組成物の重量濃度(PWC)は0.1〜30の範囲が好ましい。PWCを高くすることにより、塗膜のメタリック感と白さが向上する。しかし、PWCが高くなりすぎると、層間付着性が低下する傾向にあるので、上記の範囲に収まることが好ましい。
【0084】
前記塗料組成物に用いるバインダとしては、一般に塗膜形成樹脂として用いられている樹脂などが好ましく、アクリル樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂などの樹脂が例示される。
【0085】
前記塗料組成物に用いる溶剤は、金属顔料製造の際に用いた溶剤やトップコート剤、あるいはメタリック塗装の下地塗膜の種類などを考慮して選択されるものであるが、例えば、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、第2ブチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及び、ソルベッソ100及びソルベッソ150(商品名、エッソ社製、芳香族系炭化水素溶剤)などの炭化水素系溶剤を挙げることができる。また、光輝性顔料が金属粉ペーストのような市販品として入手される場合には、この金属粉ペースト中に含有されている溶剤が含まれてもよい。
【0086】
前記塗料組成物においては、必要に応じて、各種顔料、各種添加剤などを添加することができる。
【0087】
たとえば、これらの塗料組成物またはインキ組成物には、多彩な色調を得るために、マイカ、表面着色マイカ、ガラスフレーク、表面着色ガラスフレーク、パール、その他、前記着色顔料の例に示すような着色顔料などを添加してもよい。
【0088】
また、これらの塗料組成物またはインキ組成物には、必要に応じて、表面調整剤、粘性調整剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、硬化触媒、メラミン樹脂、体質顔料、沈降防止剤、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのワックス類などの塗料用添加剤などを配合することができる。
【0089】
本発明の塗料組成物またはインキ組成物の塗膜が形成される基材は特に限定されるものではなく、たとえば、プラスチック基材や金属基材が用いられる。金属基材の具体例としては、鉄、銅、アルミニウム、錫、亜鉛など、これらの合金および鋳造物が挙げられる。
【0090】
このような基材の具体例としては、自動車、自動二輪車などの車体および部品が挙げられる。特に鋳造、鍛造のアルミニウム系合金製ホイールあるいは鉄製のホイールは表面が複雑な形状を有し、かつ外観が重視される部品であるので、本発明の塗料組成物またはインキ組成物はこのような基材に対し特に有用である。これらの金属基材は、あらかじめ燐酸塩、クロム酸塩などで化成処理されることが好ましい。
【0091】
本発明の塗料組成物またはインキ組成物の塗装方法あるいは印刷方法は、特に限定されるものではなく、使用する塗料組成物またはインキ組成物の形態および基材の表面形状などを考慮して種々の塗装方法あるいは印刷方法を用いることができる。たとえば、本発明の塗料組成物の塗装方法としては、スプレー、ロールコーター、刷毛塗り、静電塗装、グラビア印刷、スクリーン印刷、など従来公知の塗装方法を採用することができる。
【0092】
本発明の実施形態により必要なときは、下地塗膜層、メタリック塗膜層、および、上塗り塗膜層を順次塗装してもよい。この場合、各塗膜層を塗装し硬化後に次の塗膜層を塗装してもよいし、いわゆるウェットオンウェット塗装により各塗膜層を塗装した後、硬化させずに次の塗膜層を塗装してもよい。しかしながら、良好な鏡面様の光輝性をもつ塗膜を得るためには、下地塗膜層を塗装し硬化後、メタリック塗膜層を塗装することが好ましい。各塗膜層の塗料組成物の硬化方法は、たとえば熱硬化であってもよいし、常温硬化であってもよい。
【0093】
この場合、下地塗膜層の厚みは、特に限定されるものではないが、一般的な実施形態においては、10〜200μmの範囲であることが好ましい。また、メタリック塗膜層の厚みは、特に限定されるものではないが、一般的な実施形態においては、1〜100μmの範囲であることが好ましい。上塗り塗膜層の厚みは、特に限定されるものではないが、一般的な実施形態においては、5〜300μmの範囲であることが好ましい。
【0094】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0095】
<実施例1>
市販の樹脂被覆アルミニウムペースト(東洋アルミニウム(株)製FZ7640、平均径:17μm、平均厚さ:0.4μm、不揮発分54%、アクリル系共重合体樹脂で被覆)300gに、燐酸1.62g、水0.81gをエタノール10gに溶解して添加し、ついでヘプタデカトリフルオロデシルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM7803)3.24gを添加して30分間混練し、金属顔料組成物を作製した。
【0096】
得られた金属顔料組成物のリーフィング価をASTM D480−70にしたがって測定した結果、75であった。なお、FZ7640(処理前)のリーフィング価は0であった。金属顔料組成物の組成およびそのリーフィング価の評価結果を表1に示す。
【0097】
<実施例2>
市販の着色アルミニウムペースト(東洋アルミニウム(株)製RE2600、平均径:18μm、平均厚さ:1.8μm、不揮発分52%、着色顔料としてDPP Rubine TR(CIBA社製)を使用、アクリル系共重合体樹脂で被覆)300gにトリエタノールアミン1.56g、水0.31gをエタノール10gに溶解して添加し、ついでヘプタデカトリフルオロデシルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM7803)1.56gを添加して30分間混練し、金属顔料組成物を作製した。
【0098】
得られた金属顔料組成物のリーフィング価をASTM D480−70にしたがって測定した結果、67であった。なお、RE2600(処理前)のリーフィング価は0であった。金属顔料組成物の組成およびそのリーフィング価の評価結果を表1に示す。
【0099】
<実施例3〜11>
実施例1,2と同様にして、表1〜4に示す条件でアルミニウムペーストを処理し、金属顔料組成物を作製した。表1〜4には得られた金属顔料組成物のリーフィング価もあわせて示す。表中7640NSは東洋アルミニウム(株)製ノンリーフィングタイプアルミニウムペースト(平均径:17μm、平均厚さ:0.36μm、不揮発分65%、被覆樹脂なし、着色顔料なし)であり、処理前のリーフィング価は0であった。
【0100】
<比較例1>
市販の樹脂被覆アルミニウムペースト(東洋アルミニウム(株)製FZ7640)300gにステアリン酸3.24gを添加して30分間混練し、金属顔料組成物を作製した。得られた金属顔料組成物のリーフィング価をASTM D480−70にしたがって測定した結果、5であった。金属顔料組成物の組成およびそのリーフィング価の評価結果を表4に示す。
【0101】
<比較例2>
市販の着色アルミニウムペースト(東洋アルミニウム(株)製RE2600)300gにステアリン酸1.56gを添加して30分間混練し、金属顔料組成物を作製した。得られた金属顔料組成物のリーフィング価をASTM D480−70にしたがって測定した結果、0であった。金属顔料組成物の組成およびそのリーフィング価の評価結果を表5に示す。
【0102】
<比較例3>
市販の樹脂被覆アルミニウムペースト(東洋アルミニウム(株)製FZ7640)300gに燐酸1.62g、水0.81gをエタノール10gに溶解して添加し、ついでステアリン酸3.24gを添加して30分間混練し、金属顔料組成物を作製した。得られた金属顔料組成物のリーフィング価をASTM D480−70にしたがって測定した結果、0であった。金属顔料組成物の組成およびそのリーフィング価の評価結果を表5に示す。
【0103】
<比較例4>
市販の着色アルミニウムペースト(東洋アルミニウム(株)製RE2600)300gにトリエタノールアミン1.56g、水0.31gをエタノール10gに溶解して添加し、ついでステアリン酸1.56gを添加して30分間混練し、金属顔料組成物を作製した。得られた金属顔料組成物のリーフィング価をASTM D480−70にしたがって測定した結果、0であった。金属顔料組成物の組成およびそのリーフィング価の評価結果を表5に示す。
【0104】
<比較例5>
市販のリーフィング性アルミニウムペースト(東洋アルミニウム(株)製0700M)のリーフィング価を、無処理のままASTM D480−70に従って測定した結果、85であった。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
【表3】
【0108】
【表4】
【0109】
【表5】
【0110】
<性能評価>
実施例1〜11、比較例1〜5で得られた金属顔料組成物10gを市販の石油樹脂ワニス50gに分散し、塗料を作製した。得られた塗料をガラス板に100μmのドクターブレードで塗布し、常温で1日乾燥させた。得られた塗膜それぞれについて、下記の試験方法に従って、性能評価を行なった。得られた結果を表6に示す。
【0111】
(i)輝度の測定方法
変角測色計(X−Rite社製 X−Rite MA68)による入射角45度、正反射方向からのオフセット角15度におけるL値によって、塗膜の輝度を評価した。L値が大きいほうがメタリック感良好である。
【0112】
(ii)耐薬品性の試験方法
JIS K5400に準拠して、塗膜の耐薬品性を評価した。
【0113】
(iii)耐汚染性の試験方法
塗膜に指紋を付着させ、50℃で7日間放置し、目視観察にて汚染度を下記の基準に基づいて5段階評価した。数値が大きいほど耐汚染性に優れている。
5:指紋が全く観察できない状態。
4:指紋がほとんど観察できない状態。
3:指紋がうっすらと観察できる状態。
2:指紋が容易に観察できる状態。
1:指紋が白くはっきりと観察できる状態。
【0114】
(iv)耐候性の試験方法
塗膜を用いて、JIS K5400−1990に準拠して、1000時間相当のキセノンアーク灯式促進耐候性試験を行なった。試験前後にてGloss(60°−60°の条件)で光沢の測定を行ない、光沢保持率(試験前後の測定値の比(%))を求めて、耐候性を評価した。光沢保持率が大きいほど耐候性に優れている。
【0115】
【表6】
【0116】
表1〜表6の結果に示されるように、本発明のシランカップリング剤を用いた実施例では、従来用いられていたステアリン酸を用いた比較例に比べて、リーフィング価および輝度が大幅に向上していることがわかる。また、樹脂被覆金属顔料、樹脂被覆着色金属顔料を用いた実施例1〜7、実施例9〜11、比較例1〜4においては、良好な耐薬品性が得られたが、樹脂被覆を施していない金属顔料を用いた実施例8(参考例である)においては、良好な耐薬品性が得られなかったことがわかる。
【0117】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0118】
【発明の効果】
上記実施例で明らかなように、本発明により、従来リーフィング性を付与することができなかった樹脂被覆金属顔料にリーフィング性を付与することができる。そして、その結果、鏡面様の光輝性を持つ色調と、耐薬品性と、耐候性と、耐汚染性と、を同時に兼ね備えたリーフィング性樹脂被覆金属顔料組成物およびその製造方法を提供することができ、従来のリーフィング性金属顔料組成物のもつ欠点を克服することができる。
【0119】
また、本発明により、着色顔料を付着させた着色金属顔料にリーフィング性を付与することもできる。その結果、従来の技術では得ることができなかった、多様な色彩と鏡面様の光輝性を兼ね備えた新しい意匠を示すリーフィング性着色金属顔料組成物およびその製造方法を提供することができる。
【0120】
また、本発明による、リーフィング性樹脂被覆金属顔料組成物、あるいは、リーフィング性着色金属顔料組成物の製造方法は、非常に簡便であり、製造コストも低く抑えることができる。
Claims (10)
- 金属顔料と、末端にCF3基を有する構造式のシランカップリング剤および/またはその加水分解生成物もしくはこれらの縮合物と、を含有し、
前記金属顔料は、その表面に樹脂層が形成され、
前記樹脂層は、重合開始剤によりモノマーを重合させて前記金属顔料の表面に析出される、金属顔料組成物。 - シランカップリング剤が請求項2記載の化学式(1)中のアルキレン基にさらに1個以上の下記極性官能基が導入された化学式で示される請求項1または請求項2に記載の金属顔料組成物。
−COO−,−COS−,−CONH−,−SO2NH−,−S− - 金属顔料が着色顔料により着色されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属顔料組成物。
- シランカップリング剤および/またはその加水分解生成物もしくはこれらの縮合物の含有量が、金属顔料100重量部に対し0.1〜20重量部である請求項1〜4のいずれかに記載の金属顔料組成物。
- 金属顔料にシランカップリング剤を混合することを特徴とする請求項5に記載の金属顔料組成物の製造方法。
- シランカップリング剤に加えて水および加水分解触媒を混合することを特徴とする請求項6に記載の金属顔料組成物の製造方法。
- 加水分解触媒は、燐酸、ポリ燐酸、モリブデン酸、燐モリブデン酸、過酸化ポリモリブデン酸、バナジン酸、クロム酸、硫酸、塩酸、硝酸、ホスホン酸、アルキルホスホン酸、およびこれらの塩、さらに、炭素数6以下のアルキルアミン、炭素数6以下のアルキレンジアミン、炭素数6以下のアルカノールアミン、アミノ基を有するシランカップリング剤、アンモニア、の群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の金属顔料組成物の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の金属顔料組成物と、バインダと、溶剤と、を含有する塗料組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の金属顔料組成物と、バインダと、溶剤と、を含有するインキ組成物。
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