JP4994116B2 - 水性ウレタン樹脂 - Google Patents
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Description
このような水性ウレタン樹脂は、まず、ポリイソシアネートおよび親水性ポリオールからイソシアネート基末端プレポリマーを調製し、次いで、イソシアネート基末端プレポリマーを水中でジアミンと鎖伸長反応させることにより、得ることができる。
そのため、活性の高い、芳香族および芳香脂肪族ポリイソシアネートは、使用することができず、使用できるポリイソシアネートは、活性の低い、脂肪族および脂環族ポリイソシアネートに限定される。
また、芳香族ポリイソシアネートや芳香脂肪族ポリイソシアネートの特性を活かした水性ポリウレタン樹脂を調製できれば、それらの用途展開を拡大することができる。
本発明の目的は、芳香族および/または芳香脂肪族ポリイソシアネートが用いられる、水性ポリウレタン樹脂を提供することにある。
一般式(1)
本発明の水性ポリウレタン樹脂では、前記活性水素基を有する環状カーボネートが、モノヒドロキシエチレンカーボネートであることが好適である。
環状カーボネート末端プレポリマーは、イソシアネート基末端プレポリマーと、活性水素基を有する環状カーボネートとの反応により得ることができる。
イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリイソシアネート成分と活性水素成分との反応により得ることができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4′−、2,4′−または2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物(MDI)、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TDI)、3,3′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、m−またはp−フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
また、ポリイソシアネート成分には、例えば、上記した芳香族および/または芳香脂肪族ポリイソシアネートの多量体(例えば、二量体、三量体など)や、例えば、上記した芳香族および/または芳香脂肪族ポリイソシアネートあるいは多量体と、水との反応により生成するビウレット変性体、アルコールまたは下記の低分子量ポリオールとの反応により生成するアロファネート変性体、炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオン変性体、または、下記の低分子量ポリオールとの反応により生成するポリオール変性体などが含まれる。
ポリオールは、2つ以上の水酸基を有する化合物であって、低分子量ポリオールおよび高分子量ポリオール(以下、マクロポリオールとする。)が挙げられる。
低分子量ポリオールは、例えば、数平均分子量60〜400の化合物であって、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,18−オクタデカンジオールなどのC2−22アルカンジオール、例えば、2−ブテン−1,4−ジオール、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオールなどのアルケンジオールなどの脂肪族ジオール:例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAまたはそのC2−4アルキレンオキサイド付加体などの脂環族ジオール:例えば、レゾルシン、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、これらビスフェノール類のC2−4アルキレンオキサイド付加体などの芳香族ジオール:例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのエーテルジオールなどの低分子量ジオール;例えば、グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノールおよびその他の脂肪族トリオール(炭素数8〜24)などの低分子量トリオール;例えば、テトラメチロールメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトール、D−マンニットなどの水酸基を4つ以上有する低分子量ポリオールなどが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリアルキレンオキサイド、例えば、上記した低分子量ポリオールを開始剤として、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加反応させることによって得られる、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレングリコール(ランダムまたはブロック共重合体)が挙げられる。また、例えば、テトラヒドロフランの開環重合などによって得られるポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
アクリルポリオールとしては、例えば、1つ以上の水酸基を有する重合性単量体と、これに共重合可能な別の単量体とを共重合させることによって得られる共重合体が挙げられる。水酸基を有する重合性単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2−ジヒドロキシメチルブチル(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシアルキルマレエート、ポリヒドロキシアルキルフマレートなどが挙げられる。また、これらと共重合可能な別の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜12)、マレイン酸、マレイン酸アルキル、フマル酸、フマル酸アルキル、イタコン酸、イタコン酸アルキル、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、3−(2−イソシアネート−2−プロピル)−α−メチルスチレン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。そして、アクリルポリオールは、これら単量体を適当な溶剤および重合開始剤の存在下において共重合させることによって得ることができる。
天然油ポリオールとしては、例えば、ひまし油、やし油などの水酸基含有天然油などが挙げられる。
フッ素ポリオールとしては、例えば、上記したアクリルポリオールの共重合において、共重合可能な別の単量体としてビニル基含有のフッ素化合物、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンなどが用いられる共重合体などが挙げられる。
これらマクロポリオールは、数平均分子量が、例えば、300〜10000、好ましくは500〜5000であり、水酸基当量が、例えば、100〜5000、好ましくは、160〜2500である。
また、ポリオールは、活性水素成分100重量部に対して、例えば、5〜95重量部、好ましくは、10〜95重量部の割合で配合される。具体的には、低分子量ポリオールが配合される場合には、その配合割合は、活性水素成分100重量部に対して、例えば、5〜50重量部、好ましくは、10〜40重量部である。また、マクロポリオールが配合される場合には、その配合割合は、活性水素成分100重量部に対して、例えば、40〜95重量部、好ましくは、50〜90重量部である。さらに、低分子量ポリオールおよびマクロポリオールの両方が配合される場合には、マクロポリオール100重量部に対する低分子量ポリオールの配合割合が、例えば、0.5〜30重量部、好ましくは、1〜25重量部である。
より具体的には、カルボキシル基を有する親水性基含有活性水素化合物として、例えば、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸などのジヒドロキシルカルボン酸、例えば、リジン、アルギニンなどのジアミノカルボン酸などが挙げられる。
また、リン酸基を有する親水性基含有活性水素化合物として、例えば、2,3−ジヒドロキシプロピルフェニルホスフェートなどが挙げられる。
また、親水性基含有活性水素化合物として、親水性基含有活性水素化合物に、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドが付加されているアルキレンオキサイド変性体を挙げることもできる。
一般式(1)
上記式(1)中、R1およびR2は、ジアルカノールアミンのアルキレン基であり、R3は、ジイソシアネート残基であり、R4は、片末端封鎖ポリオキシエチレングリコールのアルコキシ基であり、nは、片末端封鎖ポリオキシエチレングリコールのポリオキシエチレンの重合度である。
これら親水性基含有活性水素化合物として、本発明では、ポリオキシエチレン側鎖含有ジオールが用いられる。
また、親水性基含有活性水素化合物は、水性ポリウレタン樹脂の酸価が、5〜45mgKOH/g、好ましくは、10〜40mgKOH/gとなるように、配合される。酸価が、上記の範囲より小さいと、水分散性や水溶性が低下する場合がある。また、上記の範囲より大きいと、水分散液または水溶液の粘度が高くなる場合や、水性ポリウレタン樹脂の耐水性が低下する場合がある。
反応溶媒としては、イソシアネート基に対して不活性で、除去が容易な低沸点溶媒である、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル類、例えば、アセトニトリルなどのニトリル類などが挙げられる。反応溶媒の使用量は、適宜決定される。
この反応により、ポリイソシアネート成分と活性水素成分とが、ウレタン化反応して、分子末端にイソシアネート基を有するイソシアネート基末端プレポリマーを得ることができる。得られたイソシアネート基末端プレポリマーの遊離イソシアネート基含量(アミン滴定法による求められる。)は、例えば、0.5〜12%、好ましくは、1〜10%である。
活性水素基を有する環状カーボネートは、1つ以上の活性水素基を有する環状カーボネート、好ましくは、1つ以上の水酸基を有する環状カーボネート、さらに好ましくは、1つの水酸基を有する環状カーボネートが挙げられる。1つの水酸基を有する環状カーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの炭素数2〜5の環状カーボネートにおいて、それらのエチレン基のうちの1つの水素原子が1つの水酸基で置換された環状カーボネートが挙げられる。好ましくは、モノヒドロキシエチレンカーボネート(モノヒドロキシ5員環カーボネート)、モノヒドロキシプロピレンカーボネート(モノヒドロキシ6員環カーボネート)が挙げられる。さらに好ましくは、モノヒドロキシエチレンカーボネートが挙げられる。このモノヒドロキシエチレンカーボネートには、グリセリンと炭酸ジメチルから誘導されるグリセリンカーボネートが含まれる。活性水素基を有する環状カーボネートは、単独または2種以上を併用することができる。
具体的には、例えば、上記で得られたイソシアネート基末端プレポリマーの反応溶液に対して、活性水素基を有する環状カーボネートを、イソシアネート基が消費されるまで配合する。
また、得られた環状カーボネート末端プレポリマーにおいて、親水性基含有活性水素化合物の親水性基がアニオン性基である場合には、得られた環状カーボネート末端プレポリマーに中和剤を添加して、アニオン性基を中和する。
そして、環状カーボネート末端プレポリマーと、ポリアミンとを反応させて、本発明の水性ウレタン樹脂を得る。
ポリアミンとしては、例えば、4,4´−ジフェニルメタンジアミンなどの芳香族ジアミン、例えば、1,3−または1,4−キシリレンジアミンもしくはその混合物などの芳香脂肪族ジアミン、例えば、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(慣用名:イソホロンジアミン)、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジアミン、2,5(2,6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジアミンなどの脂環族ジアミン、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、例えば、ヒドラジン(水和物を含む。)などのジドラジン類などのジアミン:例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどのアミノ基が3つ以上の脂肪族ポリアミン:例えば、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンなどのアミノアルコールなどが挙げられる。
また、ポリアミンとして、第1級アミノ基、または、第1級アミノ基および第2級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物や、ポリオキシエチレン基含有ポリアミンも挙げられる。より具体的には、第1級アミノ基、または、第1級アミノ基および第2級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物として、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基含有モノアミン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
環状カーボネート末端プレポリマーと、ポリアミンとは、環状カーボネート末端プレポリマーとポリアミンと水中で反応させて、分散または溶解する。これによって、環状カーボネート末端プレポリマーの環状カーボネートが開環するとともに、ポリアミンのアミノ基とウレタン化反応して、環状カーボネート末端プレポリマーがポリアミンによって鎖伸長される。そして、得られた水性ポリウレタン樹脂は、水中に分散または溶解した水分散液または水溶液として調製される。
次いで、環状カーボネート末端プレポリマーが分散または溶解された水中に、攪拌下、ポリアミンのアミノ基に対する環状カーボネート末端プレポリマーのカーボネート骨格の当量比(カーボネート骨格/アミノ基)が、例えば、0.8〜1.2、好ましくは、0.9〜1.1の割合となるように、ポリアミンを添加する。添加後、例えば、20〜90℃、好ましくは、30〜80℃で、2〜24時間、好ましくは、5〜20時間、さらに攪拌しつつ、反応を完結させる。
このようにして得られる水性ポリウレタン樹脂の水分散液または水溶液は、その固形分が、例えば、10〜60重量%、好ましくは、20〜50重量%となるように調製される。また、水性ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、GPC測定による標準ポリスチレン換算値として、例えば、数千〜数百万、好ましくは、数万〜数十万である。また、水性ポリウレタン樹脂の水分散液または水溶液において、水性ポリウレタン樹脂の平均粒子径(動的光散乱により測定)は、例えば、20〜1000nm、好ましくは、50〜500nmである。
そのため、活性の高い、芳香族および芳香脂肪族ポリイソシアネートを使用することができる。その結果、水性ポリウレタン樹脂でありながら、芳香族および/または芳香脂肪族ポリイソシアネートを使用して、例えば、耐熱性や耐水性など、それらの特性を活かした水性ポリウレタン樹脂を提供することができる。また、芳香族ポリイソシアネートを使用すれば、水性ポリウレタン樹脂を安価に提供することができる。
参考例1
攪拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、数平均分子量2000のポリエステルポリオール(タケラックU−5620:三井化学ポリウレタン社製)148.8g、ネオペンチルグリコール3.9g、ジメチロールプロピオン酸20.0gおよびアセトン126.4gを仕込んだ。次いで、そのフラスコに、ジフェニルメタンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン社製)86.7gを添加して、55℃で3時間反応させて、イソシアネート基末端プレポリマーを得た(遊離イソシアネート基含量1.87%)。
その後、イオン交換水700gを高速ミキサーにて攪拌し、それに、環状カーボネート末端プレポリマー421.5gを徐々に添加した。次いで、エチレンジアミン4.9gを加えて、40℃で8時間攪拌し、さらにアセトンを留去することにより、固形分30重量%の水性ポリウレタン樹脂Aの水分散液を得た。この水性ポリウレタン樹脂Aの酸価は27.8mgKOH/gで、平均粒子径は80nmであった。
攪拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、数平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG2000:保土ヶ谷化学社製)163.8g、ネオペンチルグリコール8.5g、ジメチロールプロピオン酸16.5gおよびメチルエチルケトン124.5gを仕込んだ。次いで、トリレンジイソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物:コスモネート80:三井化学ポリウレタン社製)66.4gを添加して、55℃で3時間反応させて、イソシアネート基末端プレポリマーを得た(遊離イソシアネート基含量2.09%)。
その後、イオン交換水700gを高速ミキサーにて攪拌し、それに、環状カーボネート末端プレポリマー414.5gを徐々に添加した。次いで、エチレンジアミン4.7gとγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE−903:信越化学工業社製)5.0gとを加えて、40℃で8時間攪拌し、さらにメチルエチルケトンを留去することにより、固形分30重量%の水性ポリウレタン樹脂Bの水分散液を得た。この水性ポリウレタン樹脂Bの酸価は22.9mgKOH/gで、平均粒子径は100nmであった。
攪拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、数平均分子量2000の1,6−ヘキサンポリカーボネートジオール(UH−200:宇部興産社製)144.8g、ネオペンチルグリコール15.1g、ジメチロールプロピオン酸13.6gおよびメチルエチルケトン123.9gを仕込んだ。次いで、そのフラスコに、1,3−キシリレンジイソシアネート(タケネート500:三井化学ポリウレタン社製)79.8gを添加して、70℃で5時間反応させて、イソシアネート基末端プレポリマーを得た(遊離イソシアネート基含量2.34%)。
その後、イオン交換水700gを高速ミキサーにて攪拌し、それに、環状カーボネート末端プレポリマー411.7gを徐々に添加した。次いで、ヘキサメチレンジアミン11.6gを加えて、40℃で8時間攪拌し、さらにメチルエチルケトンを留去することにより、固形分30重量%の水性ポリウレタン樹脂Cの水分散液を得た。この水性ポリウレタン樹脂Cの酸価は18.9mgKOH/gで、平均粒子径は120nmであった。
攪拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、数平均分子量1000のメトキシポリエチレングリコール1000g(東邦化学社製)と、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン社製)1682gとを仕込み、窒素雰囲気下90℃で9時間反応させた。得られた反応液を薄膜蒸留して、未反応の1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、ポリオキシエチレン基含有モノイソシアネートを得た。
その後、環状カーボネート末端ウレタンプレポリマー中に、イオン交換水700gを徐々に添加した。次いで、エチレンジアミン5.9gを加えて、40℃で8時間攪拌し、さらにメチルエチルケトンを留去することにより、固形分30重量%の水性ポリウレタン樹脂Dの水分散液を得た。この水性ポリウレタン樹脂Dのポリオキシエチレン含有量は9.8重量%で、平均粒子径は220nmであった。
攪拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、数平均分子量2000のポリエステル(タケラックU−5620:三井化学ポリウレタン社製)160.3g、ネオペンチルグリコール4.2g、ジメチロールプロピオン酸21.5gおよびアセトン126.3gを仕込んだ。次いで、ジフェニルメタンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン社製)93.3gを添加して、55℃で3時間反応させて、イソシアネート基末端プレポリマーを得た(遊離イソシアネート基含量1.92%)。その後、イソシアネート基末端プレポリマーにトリエチルアミン15.4gを添加した。
Claims (4)
- 芳香族および/または芳香脂肪族ポリイソシアネート、ポリオール、および、親水性基および活性水素基を併有する化合物を、少なくとも反応させることにより得られるイソシアネート基末端プレポリマーと、活性水素基を有する環状カーボネートとの反応により得られる環状カーボネート末端プレポリマーと、
ポリアミンと
を反応させることにより得られ、
前記親水性基および活性水素基を併有する化合物が、下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレン鎖を有するジオールである
ことを特徴とする、水性ポリウレタン樹脂。
一般式(1)
- 前記芳香族および/または芳香脂肪族ポリイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートおよびキシリレンジイソシアネートから選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂。
- 前記活性水素基を有する環状カーボネートが、モノヒドロキシエチレンカーボネートであることを特徴とする、請求項1または2に記載の水性ポリウレタン樹脂。
- 前記ポリアミンが、ジアミンであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の水性ポリウレタン樹脂。
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