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JP4990596B2 - 圧電振動子、圧電振動子の製造方法及び電子部品 - Google Patents

圧電振動子、圧電振動子の製造方法及び電子部品 Download PDF

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Description

本発明は圧電振動子、圧電振動子の製造方法及び電子部品に係り、特に静電気放電による圧電振動子及び電子部品の破壊を防止する技術に関する。
音叉型の水晶振動子は、小型、安価で低消費電力であることから、従来から腕時計の歩度を刻む信号源として採用され、更にその用途が広がろうとしている。この水晶振動子としては、電力損失を抑えるために、CI(クリスタルインピーダンス)値をより小さくすることが要求され、このため水晶振動子に溝部を形成して振動効率を高めたものが用いられている。
この水晶振動子は図14に示すように基部1に一対の振動腕部2a及び2bが設けられ、各振動腕部2a,2bにおける両主面には溝部31,32が夫々設けられている。またこの水晶振動子には、一対をなす一方の電極と他方の電極とが存在する。つまり一方の振動腕部2aの溝部31,32及び両側面には一方の励振電極41及び他方の励振電極51が夫々形成され、他方の振動腕部2bの溝部31,32及び両側面には他方の励振電極51及び一方に励振電極41が夫々形成されている。またこれら一方の励振電極41同士が電気的に接続されるように基部1の表面に引き出し電極42が形成されていると共に、他方の励振電極51同士が電気的に接続されるように基部1の表面に引き出し電極52が形成されている。なお、図14において励振電極41,51は図面を見え易くするために斜線と黒の点在領域とを使い分けて表している。従って、図14の斜線は水晶片の断面を示すものではない。
そして上述した水晶振動子は、SMD(Surface Mounted Device)構造のセラミックスからなるパッケージに格納され、これにより電子部品が構成される。この電子部品は、発振回路の回路部品が搭載されている配線基板に搭載される。
ところで、上述した水晶振動子は静電気放電(electro-static discharge:ESD)により容易に破壊され易い、即ち、ESD耐圧が低いという問題がある。静電破壊が起こる要因としては以下の3つがある。1つ目は帯電している作業者が水晶振動子に触れた時に放電が生じることで静電破壊が起こる。2つ目は電子部品を配線基板に搭載する際、配線基板のアースが不十分な時に、配線基板側から電荷が流れることで放電が発生し、この放電により静電破壊が起こる。3つ目は電子部品自らが充電され、この電子部品が金属部品等に触れた時に放電が生じることで静電破壊が起こる。
そしてこのような静電破壊は、水晶振動子の表面に形成されている電極膜と電極膜との間で放電して起こり、電荷の移動経路としては以下の3つの経路がある。1つ目は図15中のaに示すように引き出し電極42から基部1の上方側の雰囲気を介して引き出し電極52に電荷が移動する経路であり、2つ目は図15中のbに示すように引き出し電極42から基部1の表面を通って引き出し電極52に電荷が移動する経路であり、3つ目は図15中のcに示すように引き出し電極42から基部1内部を通って引き出し電極52に電荷が移動する経路である。さらに引き出し電極42と引き出し電極52との間の水晶振動子の表面に不純物(付着物)が付着した場合にも、基部1の表面において引き出し電極42と不純物と引き出し電極52とが横に並んで、これらの間隔が短くなって連続となることで、この不純物を介して電荷の移動が起こる。なお、図15は、図14のF−F線に沿った断面部分についての概略拡大図である。また図15中のrは電極間42,52の沿面距離である。
一方、特許文献1には、逆メサ型の圧電振動片において、枠体と励振部との間の段差部分に形成された配線パターンの断線を防ぐために、前記段差を階段状に形成し、1段あたりの段差寸法を小さくすることが記載されているが、これは上述した課題を解決するものではない。
特開2002−374135(段落0010、図1)
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、静電破壊に対する耐圧の向上を図ることができる圧電振動子、圧電振動子の製造方法及びこの圧電振動子を有する電子部品を提供することを目的とする。
本発明は、基部から2本の振動腕部が伸び出している圧電振動片と、前記振動腕部の主面に形成された第1の溝部と、前記第1の溝部内に形成された励振電極と、前記振動腕部の側面に形成され、前記励振電極とは異なる極性の励振電極と、前記基部に形成された引き出し電極と、を備えた圧電振動子において、
前記引き出し電極は、一方の振動腕部に設けられた第1の溝部内の励振電極と他方の振動腕部の内側側面に設けられた励振電極とを接続するために引き回される引き回し部位と、基部にて導電性接着剤が設けられる接続部位と励振電極とを接続するために引き回される引き回し部位と、を備え、
前記基部の表面において、これら引き回し部位に対応する全ての箇所に第2の溝部が形成され、これら引き回し部位の間の沿面距離を大きくして静電破壊に対する耐圧を向上させるために、前記第2の溝部に各引き回し部位が形成されていることを特徴とする。
上述した圧電振動子において、前記溝部の深さは、当該溝部内に形成される前記引き出し電極の厚み以上であることが好ましい。また前記基部の表面に、前記溝部に形成された引き出し電極を覆うようにして絶縁膜を形成するようにしてもよい。
また本発明は、基部から2本の振動腕部が伸び出している圧電振動片と、前記振動腕部の主面に形成された第1の溝部と、前記第1の溝部内に形成された励振電極と、前記振動腕部の側面に形成され、前記励振電極とは異なる極性の励振電極と、前記基部の表面に形成された第2の溝部と、前記第2の溝部内に形成され、前記励振電極から引き出された引き出し電極と、を備えた圧電振動子を製造する方法であって、
前記圧電振動片の外形を形成した後、表面全体に金属膜が形成されている基板に対し、前記振動腕部の第1の溝部に対応する部位に開口部を有するレジストマスクを用いて、前記金属膜を除去する工程と、
しかる後、前記基板をエッチング液に接触させて、基板の表面が露出している部位をエッチングして前記振動腕部に第1の溝部を形成する工程と、
前記圧電振動片の基部に相当する表面に形成されている前記レジストを、前記基部の第2の溝部に対応する部位に開口部を有するようにパターンニングする工程と、
その後、このレジストマスクを用いて、前記基板をエッチング液に接触させて、前記金属膜を除去する工程と、
前記基板をエッチング液に接触させて、前記金属膜をマスクとして、露出している前記基部の表面に第2の溝部を形成すると共に、露出している前記振動腕部の第1の溝部の底部に、その溝幅が当該第1の溝部の溝幅よりも小さい新たな溝部を形成する工程と、
前記基板の表面に残っている前記金属膜を全て剥離する工程と、
次に外形が形成されている部分の全面に電極となる金属膜を形成する工程と、
次いで前記振動腕部の主面から側面に亘って前記金属膜を覆う領域を備えたレジスト膜を形成すると共に第1の溝部においては当該第1の溝部内にレジスト膜を形成し更に前記基部の第2の溝部に対応する部位にレジスト膜を形成し、これらレジスト膜を用いて、前記金属膜をエッチングして、前記振動腕部の主面及び側面励振電極を形成すると共に、前記基部の第2の溝部に引き出し電極を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
上述した圧電振動子の製造方法において、前記振動腕部に励振電極を形成すると共に、前記基部の第2の溝部内に引き出し電極を形成する工程の後、当該引き出し電極に導電部材を接続するために、前記第2の溝部に対応する部位のうち、引き出し電極と導電部材との接続部位となる領域に、開口部を有し、当該領域以外の領域であって引き出し電極及び励振電極が設けられている部位に絶縁膜を形成する工程と、を備えるようにしてもよい。

さらに本発明の電子部品は、上述した圧電振動子と、前記圧電振動子を収納するための容器と、前記容器に形成され、前記基部の引き出し電極に電気的に接続された外部電極と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、基部の表面に溝部を形成し、この溝部内に引き出し電極を形成しているため、互に隣接する電極間の沿面距離が長くなる。このため基部表面の電極間で発生する放電を抑えることができ、静電破壊に対する耐圧(ESD耐圧)が向上する。
また本発明によれば、基部の溝部内に形成されている引き出し電極を覆うようにして絶縁膜を形成することで、圧電振動子のESD耐圧をより一層向上させることができる。
本発明の実施の形態について説明する。この実施の形態に係る圧電振動子である水晶振動子の構造に関しては、基部の表面に溝部が形成され、この溝部内に引き出し電極が形成されている他は従来技術の項のところで図14を用いて説明した水晶振動子と同一であるため、同一である部分の説明を省略する。
図1及び図2は本発明の実施の形態に係る水晶振動子の概略正面図及び概略斜視図であり、図3は図1及び図2のA−A線に沿った断面部分についての拡大図であり、図4は図1及び図2のC−C線に沿った断面部分についての概略拡大図である。図2及び図3に示すように、基部1の表裏両面には溝部5が形成されており、この溝部5の深さdは例えば、0.2μm〜10μmに設定されている。そしてこの溝部5内に、後述する引き出し電極42,52が形成される。この引き出し電極42,52の厚さeは、前記溝部の深さdと同じか、あるいは前記溝部の深さdよりも小さく設定してある。図2では、基部1の溝部5内に形成される電極42,52を斜線で示してある。また、図2に示すように振動腕部2a,2bの溝部32,32と基部1の溝部5とは連接している。そして基部1の溝部5に形成された引き出し電極42,52と振動腕部2a,2bの溝部32,32に形成された励振電極41,51とが接続される。このように基部1の表面に溝部5を形成し、この溝部5内に引き出し電極42,52を形成することで図4に示すように互いに隣接する電極間42,52の沿面距離rが基部1の表面に引き出し電極42,52を形成した場合の電極間42,52の沿面距離r(図15参照)に比べて長くなる。この沿面距離rが長くなると破壊耐圧(Break Down Voltage)が大きくなる。また引き出し電極42,52が基部1の表面より低いと引き出し電極42から基部1上部の雰囲気を介して発生する放電を抑えることができる。
図1及び図2に説明を戻すと、この水晶振動子には、一対をなす一方の電極と他方の電極とが存在する。先ず振動腕部2aに着目すると、振動腕部2aの2つの溝部31,32の内面全体とこれら溝部31,32の間に一方の励振電極41が形成されている。即ち、溝部31,32の間に相当するいわば橋部に形成された励振電極41により、振動腕部2aの各溝部31,32内の励振電極41同士が互に接続されている。そしてこの振動腕部2aの両側面には他方の励振電極51が形成されている。また振動腕部2aにおける先端部には、その重量を調整することにより発振周波数を調整するための金属膜である調整用錘50が設けられている。
また振動腕部2bに着目すると、振動腕部2bの2つの溝部31,32の内面全体と、これら溝部31,32の各々の間に他方の励振電極51が形成されている。そしてこの振動腕部2bの両側面には一方の励振電極41が形成されている。なお、振動腕部2aにおける先端部においても、同様にその重量を調整することにより発振周波数を調整するための調整用錘40が設けられている。また振動腕部2a,2bに設けられた電極の配置は、励振電極41,51が互に逆の関係であることを除くと互に同一である。そしてこれら一方の励振電極41同士が電気的に接続されるように基部1の表面に形成された溝部5内に引き出し電極42が形成されると共に、他方の励振電極51同士が接続されるように基部1の表面に形成された溝部5内に引き出し電極52が形成される。なお、図1及び図2において励振電極41,51及び引き出し電極42,52は図面を見え易くするために斜線と黒の点在領域とを使い分けて表している。従って、図1及び図2の斜線は水晶片の断面を示すものではない。
次に、図1及び図2に示す水晶振動子の製造方法について図5〜図9を参照しながら説明する。なお、図5〜図8は一枚の圧電基板のある一部分に作成される一個の水晶振動子について説明したものである。また図5〜図6は図1及び図2のB−B線に沿った断面部分についての製造工程を示す図であり、図7〜図8は図1及び図2のA−A線及びB−B線に沿った断面部分についての製造工程を示す図である。先ず切り出された圧電基板である水晶ウエハ60を研磨加工して洗浄した後に、スパッタ法で金属膜61を形成する(図5(a))。この金属膜61は例えばクロム(Cr)の下地膜に金(Au)を積層したものが用いられる。
続いてこのような金属膜61の上にフォトレジストを例えばスピンコート法で塗布した後(図5(b))、このフォトレジストを水晶片の形状、即ち音叉形状のパターンとなるように露光及び現像し、音叉形状のレジスト膜62を形成する(図5(c))。そしてこの後、前記レジスト膜62をマスクにして水晶ウエハ60をヨウ化カリウム(KI)溶液中に浸漬してウエットエッチングを行って、レジスト膜62に覆われていない金属膜61の部分を除去する(図5(d))。
しかる後、レジスト膜62が金属膜61に載ったまま、当該金属膜61をマスクにして水晶ウエハ60をエッチング液であるフッ酸中に浸漬してウエットエッチングを行って、水晶片65の外形を形成する(図5(e))。こうして圧電基板である水晶ウエハ60に複数個の水晶片65が形成される。
続いて水晶ウエハ60に残っているレジスト膜63を全て除去する(図6(f))。しかる後、水晶ウエハ60の全面にフォトレジストを例えばスプレー法で塗布し、レジスト膜63を形成する(図6(g))。
次いで図1に示す溝部31,32に相当する部分のレジスト膜63を剥離する(図6(h))。続いて前記レジスト膜63をマスクにして水晶ウエハ60をKI溶液中に浸漬してウエットエッチングを行って、レジスト膜63が剥離した箇所の金属膜61を除去する(図6(i))。
しかる後、レジスト膜63が金属膜61に載ったまま、当該金属膜61をマスクにして水晶ウエハ60をエッチング液であるフッ酸中に浸漬してウエットエッチングを行って、水晶ウエハ60の両主面に溝部31,32を形成する(図6(j))。
次に、水晶片65において図1及び図2に示す基部1に相当する表面に溝部5を形成する工程について説明する。先ず、水晶片65の基部1に相当する表面に形成されているレジスト膜63を所定形状のパターンとなるように露光及び現像する(図7(k))。なお、この例では基部1の表面に形成されているレジスト膜63以外のレジスト膜63は露光及び現像されない。そしてこの後、所定の形状にパターンニングされたレジスト膜63をマスクにして水晶ウエハ60をヨウ化カリウム(KI)溶液中に浸漬してウエットエッチングを行って、レジスト膜63に覆われていない金属膜61の部分を除去する(図7(l))。そして水晶ウエハ60に残っているレジスト膜63を全て剥離した後、前記金属膜61をマスクにして水晶ウエハ60をエッチング液であるフッ酸中に浸漬してウエットエッチングを行って、水晶片65の基部1に相当する表面に溝部5を形成する(図7(m))。なお、この例では、基部1の表面に溝部5を形成する際に、図7(m)に示すように水晶ウエハ60の両主面に形成されている溝部31,32内に、基部1に形成された溝部5と同じ深さの溝が形成されることになる。このように振動腕部2a,2bに形成される溝部31,32を多段溝とすることで、後述するように溝部31,32内に形成される電極を振動腕部2a,2bの表面よりも下に埋め込むことができる。こうすることで溝部31,32に形成された励振電極41,51と振動腕部2a,2bの側面に形成された励振電極41,51との沿面距離が長くなり、破壊耐圧(Break Down Voltage)を大きくすることができる。従って、ESD耐圧が向上する。その後、水晶ウエハ60に残っている金属膜61を全て剥離する(図7(n))。以上の工程により、図9に示すように基部1の表面に溝部5が形成された原型6が製造される。なお、図9では基部1の表面に溝部5が形成される部分を斜線で表している。
続いて、水晶片65の振動腕部2及び基部1に相当する部分に電極膜を形成する工程について説明する。図7(n)に示す工程の後、原型6の両面にスパッタ法で電極となる金属膜66を形成する(図8(o))。この金属膜66は例えばクロム(Cr)の下地膜に金(Au)を積層したものが用いられる。
続いてこのような金属膜66の上にフォトレジストをスプレー法で塗布する(図8(p))。そしてフォトリソグラフィーによって水晶片65の振動腕部2に相当する部分では電極パターンとなるレジスト膜67以外のレジスト膜67を剥離すると共に、水晶片65の基部1に相当する部分では基部1の溝部5に対応する部位に形成されるレジスト膜67以外のレジスト膜67を剥離する(図8(q))。次に、レジスト膜67が剥離された箇所の金属膜66をエッチングして振動腕部2の主面から側面に亘って金属膜66(励振電極41,51)を形成すると共に、基部1内に金属膜66(引き出し電極42,52)を形成する(図8(r))。なお、溝部31,32内の電極は、振動腕部2a,2bの表面よりも下に埋め込まれている。その後、原型6に残っているレジスト膜67を全て剥離する(図8(s))。
しかる後、振動腕部2における先端部において、当該先端部に形成されている金属膜66の表面をレーザー等で削って、その重さを調整することで発振周波数の調整を行う。そして電極パターンが形成された原型6から、図1及び図2に示す水晶振動子が切り出されることになる。
そして上述した水晶振動子は、例えば図10に示すように、SMD(Surface Mounted Device)構造のセラミックスからなるパッケージ7に格納される。このパッケージ7は、上面が開口している例えばセラミック製のケース体7aと、例えば金属製の蓋体7bとから構成される。前記ケース体7aと蓋体7bとは、例えば溶接材からなるシール材7cを介してシーム溶接され、その内部は真空状態となっている。上述した音叉型の水晶振動子70は、このパッケージ7内の台座71部分に基部1の溝部5内に形成された引き出し電極42,52が導電性接着剤7dに固定され、振動腕部2a,2bがパッケージ7内部の空間に伸び出した横向きの姿勢で台座71に固定される。また前記台座71の表面には、導電路72,73(73は紙面奥側の導電路である)が配線されており、基部1の溝部5内に形成された引き出し電極42,52が導電性接着剤7dを介して前記導電路72,73に接続される。また前記導電路72,73は、ケース体7aの外部底面の長手方向に対向するように設けられた電極74,75に夫々接続されており、この結果、電極74,75、導電路72,73及び導電性接着剤7dを通って基部1の溝部5内に形成された引き出し電極42,52に電圧が印加されることで、前記水晶振動子70が振動するようになっている。こうして電子部品が構成され、この電子部品は、発振回路の回路部品が搭載されている図示しない配線基板に搭載される。
上述した実施の形態によれば、基部1の表面に溝部5を形成し、この溝部5内に引き出し電極42,52を形成しているため、図4に示すように互いに隣接する電極間42,52の沿面距離rが長くなる。この沿面距離rが長くなると破壊耐圧(Break Down Voltage)が大きくなる。また引き出し電極42,52が基部1の表面より低いと引き出し電極42から基部1上部の雰囲気を介して発生する放電を抑えることができる。また基部1の表面に不純物(付着物)が付着していても、引き出し電極42,52は基部1の表面に埋設されているため、引き出し電極42,52と不純物との距離が長くなり不純物を介して電荷が移動するおそれがない。その結果、静電破壊に対する耐圧(ESD耐圧)が向上する。本発明者は、従来の水晶振動子のESD耐圧に比べて1.5倍以上となることを実験で確認している。
また、上述の実施の形態によれば、振動腕部2a,2bに溝部31,32を形成した後、基部1に溝部5を形成しているので、水晶振動子の機械的強度を保つことができる。
続いて本発明の他の実施の形態について説明する。この実施の形態は、図1に示す水晶振動子において、図11に示すように振動腕部2の主面から側面に亘って絶縁膜9が形成されると共に、基部1の溝部5内に形成された引き出し電極42,52の部位に開口部91を有し、この開口部91以外の基部1の表面全体に絶縁膜9が形成される他は、上述した水晶振動子と全く同じ構成にある。この絶縁膜9に形成された開口部91は、図10に示す電子部品において、引き出し電極42,52と導電部材例えば導電性接着剤7dとを電気的に接続するために形成されたものであり、この開口部91の大きさは引き出し電極42,52と導電性接着剤7dとが電気的に充分に接続できる程度の大きさであればよい。つまり導電性接着材7dと接続される引き出し電極42,52以外の引き出し電極42,52は絶縁膜9で覆われることになる。またこの絶縁膜9としては例えば窒化シリコン膜(SiN4)が用いられる。なお、図12に図11のD−D線に沿った断面部分を示すと共に、図13に図11のE−E線に沿った断面部分を示す。
またこの絶縁膜9は、図8(s)に示す工程の後に水晶ウエハ60の表面に形成される。つまり、振動腕部2に励振電極41,51を形成すると共に、基部1の溝部5内に引き出し電極42,52を形成した後、振動腕部2の先端部分と引き出し電極42,52の所定の部位とを覆うマスクを水晶ウエハ60の上方側に位置させ、このマスクを介して水晶ウエハ60の表面に絶縁膜9を例えばスッパタ法やCVD法等で形成する。この絶縁膜9の厚さは0.5μm以上必要である。
このように振動腕部2に形成されている励振電極41,51及び基部1の溝部5内に形成されている引き出し電極42,52を絶縁膜9で覆うことで、水晶振動子のESD耐圧をより一層向上させることができる。特に、基部1の溝部5内に形成されている引き出し電極42,52を絶縁膜9で覆うことで、引き出し電極42から引き出し電極52に基部1上部の雰囲気を介して発生する放電を抑えることができる。
また上述した水晶振動子において、振動腕部2a,2bの両側面に溝部を形成し、この溝部内に励振電極41,51を形成してもよい。このように引き出し電極42,52を基部1表面に埋め込むと共に、励振電極41,51を振動腕部2a,2b表面に埋め込むことで、水晶振動子のESD耐圧がより一層向上する。
本発明の実施の形態に係る音叉型水晶振動子を示す概略正面図である。 本発明の実施の形態に係る音叉型水晶振動子を示す概略斜視図である。 前記音叉型水晶振動子の基部に形成されている溝部箇所の断面図である。 前記音叉型水晶振動子の基部に形成された電極間の沿面距離を示す概略拡大断面図である。 本発明の実施の形態に係る音叉型水晶振動子の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る音叉型水晶振動子の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る音叉型水晶振動子の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る音叉型水晶振動子の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る音叉型水晶振動子の製造工程において製造される水晶振動子の原型の一例を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る音叉型水晶振動子を格納した電子部品の一例を示す概略縦断面図及び裏面図である。 本発明の実施の形態に係る音叉型水晶振動子の他の例を示す概略正面図である。 前記音叉型水晶振動子の振動腕部に形成されている溝部箇所の断面図である。 前記音叉型水晶振動子の基部に形成されている溝部箇所の断面図である。 従来の音叉型水晶振動子を示す概略断面図である。 前記音叉型水晶振動子の基部箇所の断面図である。
符号の説明
1 基部
2a,2b 振動腕部
5 溝部
7 パッケージ
9 絶縁膜
31,32 溝部
40,50 調整用錘
41,51 励振電極
42,52 引き出し電極
60 水晶ウエハ
61,66 金属膜
62,63,67 レジスト膜

Claims (6)

  1. 基部から2本の振動腕部が伸び出している圧電振動片と、前記振動腕部の主面に形成された第1の溝部と、前記第1の溝部内に形成された励振電極と、前記振動腕部の側面に形成され、前記励振電極とは異なる極性の励振電極と、前記基部に形成された引き出し電極と、を備えた圧電振動子において、
    前記引き出し電極は、一方の振動腕部に設けられた第1の溝部内の励振電極と他方の振動腕部の内側側面に設けられた励振電極とを接続するために引き回される引き回し部位と、基部にて導電性接着剤が設けられる接続部位と励振電極とを接続するために引き回される引き回し部位と、を備え、
    前記基部の表面において、これら引き回し部位に対応する全ての箇所に第2の溝部が形成され、これら引き回し部位の間の沿面距離を大きくして静電破壊に対する耐圧を向上させるために、前記第2の溝部に各引き回し部位が形成されていることを特徴とする圧電振動子。
  2. 前記第2の溝部の深さは、当該第2の溝部内に形成される前記引き出し電極の厚み以上であることを特徴とする請求項1記載の圧電振動子。
  3. 前記基部の表面には、前記第2の溝部に形成された前記引き出し電極を覆うようにして絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電振動子。
  4. 基部から2本の振動腕部が伸び出している圧電振動片と、前記振動腕部の主面に形成された第1の溝部と、前記第1の溝部内に形成された励振電極と、前記振動腕部の側面に形成され、前記励振電極とは異なる極性の励振電極と、前記基部の表面に形成された第2の溝部と、前記第2の溝部に形成され、前記励振電極から引き出された引き出し電極と、を備えた圧電振動子を製造する方法であって、
    前記圧電振動片の外形を形成した後、表面全体に金属膜が形成されている基板に対し、前記振動腕部の第1の溝部に対応する部位に開口部を有するレジストマスクを用いて、前記金属膜を除去する工程と、
    しかる後、前記基板をエッチング液に接触させて、基板の表面が露出している部位をエッチングして前記振動腕部に第1の溝部を形成する工程と、
    前記圧電振動片の基部に相当する表面に形成されている前記レジストを、前記基部の第2の溝部に対応する部位に開口部を有するようにパターンニングする工程と、
    その後、このレジストマスクを用いて、前記基板をエッチング液に接触させて、前記金属膜を除去する工程と、
    前記基板をエッチング液に接触させて、前記金属膜をマスクとして、露出している前記基部の表面に第2の溝部を形成すると共に、露出している前記振動腕部の第1の溝部の底部に、その溝幅が当該第1の溝部の溝幅よりも小さい新たな溝部を形成する工程と、
    前記基板の表面に残っている前記金属膜を全て剥離する工程と、
    次に外形が形成されている部分の全面に電極となる金属膜を形成する工程と、
    次いで前記振動腕部の主面から側面に亘って前記金属膜を覆う領域を備えたレジスト膜を形成すると共に第1の溝部においては当該第1の溝部内にレジスト膜を形成し、更に前記基部の第2の溝部に対応する部位にレジスト膜を形成し、これらレジスト膜を用いて、前記金属膜をエッチングして、前記振動腕部の主面及び側面に励振電極を形成すると共に、前記基部の第2の溝部に引き出し電極を形成する工程と、を備えたことを特徴とする圧電振動子の製造方法。
  5. 前記振動腕部に励振電極を形成すると共に、前記基部の第2の溝部内に引き出し電極を形成する工程の後、当該引き出し電極に導電部材を接続するために、前記第2の溝部に対応する部位のうち、引き出し電極と導電部材との接続部位となる領域に、開口部を有し、当該領域以外の領域であって引き出し電極及び励振電極が設けられている部位に絶縁膜を形成する工程と、を備えたことを特徴とする請求項4に記載の圧電振動子の製造方法。
  6. 請求項1、2、のいずれか一つに記載の圧電振動子と、前記圧電振動子を収納するための容器と、前記容器に形成され、前記基部の引き出し電極に電気的に接続された外部電極と、を備えたことを特徴とする電子部品。
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