[go: up one dir, main page]

JP4978508B2 - 転がり軸受ユニット - Google Patents

転がり軸受ユニット Download PDF

Info

Publication number
JP4978508B2
JP4978508B2 JP2008041159A JP2008041159A JP4978508B2 JP 4978508 B2 JP4978508 B2 JP 4978508B2 JP 2008041159 A JP2008041159 A JP 2008041159A JP 2008041159 A JP2008041159 A JP 2008041159A JP 4978508 B2 JP4978508 B2 JP 4978508B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inner ring
rolling bearing
edge
bearing unit
shaft body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008041159A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008202792A (ja
Inventor
一寿 戸田
信一郎 柏木
大策 冨田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2008041159A priority Critical patent/JP4978508B2/ja
Publication of JP2008202792A publication Critical patent/JP2008202792A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4978508B2 publication Critical patent/JP4978508B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Description

本発明は、車両用ハブユニットなど、軸体の外周に転がり軸受を装着してなる転がり軸受ユニットに関する。
車両用ハブユニットは、一般に、ハブホイールの軸体外周に複列の転がり軸受が抜け止めされた状態で装着される構造を有する。
ハブホイールの軸体は、その自由端側に、前記軸受の抜け止めに使用される円筒部を備える。この円筒部は、かしめ治具を用いて径方向外向きに屈曲変形されて、軸受が備える内輪の軸方向外端面にかしめ付けられてかしめ部とされる。軸受は、このかしめ部により、ハブホイールから抜け止めされる。同時に、軸受の内輪は、このかしめ部から予圧を付与される。軸受の内輪の材料に炭素鋼が使用される。内輪は、軸受寿命を向上させるために、熱処理が施されてその軌道面の強度を高められている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−129703号公報(全頁、図1)
ところで、本発明者らは、内輪の材料に炭素鋼を用いるとともに内輪を熱処理した場合の当該内輪の軌道面の強度に関して各種研究を進めていた。その結果、転がり軸受ユニットを放置した状態でも、内輪の強度を安定して維持させることのできる発明を完成できるに至った。
すなわち、本発明は、内輪をハブホイールの軸体にかしめ付けた状態で転がり軸受ユニットを保管などのため放置した際の内輪に割れが発生して破損する現象(置き割れ)の発生を防止した転がり軸受ユニットを提供することを解決すべき課題としている。
本発明の転がり軸受ユニットは、軸体と、前記軸体の外周面に装着されるもので炭素鋼からなりかつその表面に熱処理が施されて残留オーステナイトが存在する表面層が形成されている内輪と、前記内輪の軸方向外端面に締結されて前記内輪の外周方向に引張応力を作用させている締結部とを含み、前記内輪は、径方向外側にエッジを有するとともに、そのエッジからは前記表面層が研摩あるいは旋削により除去されており、前記内輪は、前記除去により当該エッジにおける残留オーステナイト量が3%以上20%以下に設定されている。
本発明の転がり軸受ユニットによると、内輪のエッジから置き割れの原因となる前記表面層が除去されているから、残留オーステナイトがマルテンサイトに変態した際の体積膨張の影響を小さく抑えることができる。その結果、引張応力の増大によって内輪のエッジに置き割れが発生するのを防止できる。
本発明によれば、保管などのため放置した際の内輪に置き割れが発生するのを有効に防止できるようになる。
本発明の実施形態の詳細を図面を参照して説明する。図1および図2は、本発明の実施形態に係り、図1は、本発明の一実施の形態における駆動輪用のハブユニットからなる転がり軸受ユニットの断面図、図2は、本発明の一実施の形態における転がり軸受ユニットの内輪の断面図である。
これらの図を参照して本発明の実施形態に従う転がり軸受ユニットを説明すると、車輪が取り付けられるハブホイール1は回転軸となる軸体2を有する。複列の転がり軸受3は、アンギュラ玉軸受からなり、軸体2の外周面に車両インナ側から圧入されて装着される。転がり軸受3は、内輪32を有する。この内輪32は、軸体2の車両インナー側の外周面の環状凹部2aに装着される。内輪32は、内輪軌道32dを有する一方、軸体2はその軸方向中間の外周面に内輪軌道2bを有する。内輪軌道2bは、内輪32の内輪軌道32dと共に軸方向一対の内輪軌道を構成する。軸体2はまた、車両アウタ側の外周面に径方向外向きのフランジ2cを有する。このフランジ2cの車両アウタ側側面に不図示のタイヤホイールとブレーキディスクが装着される。転がり軸受3はまた、外輪33を有する。この外輪33は、不図示のステアリングナックルを介して車体に固定され内周面に軸方向2列の外輪軌道38,39が形成されている。外輪33は、内輪32に対して径方向外側で同心に配置されている。転がり軸受3はまた、内輪軌道32d,2bならびに外輪軌道38,39に介装された軸方向2列の玉34,35と、各列の玉34,35を保持した軸方向2列の保持器36,37と、転がり軸受3の軸方向両端を密封するシールリング7,8とを備える。
軸体2の車両インナ側軸端部は、径方向外向きに屈曲変形されて内輪32の車両インナー側の外端面32aにかしめつけられてかしめ部4を構成する。かしめ部4は、締結部として、玉34,35に適正な予圧を付与するとともに、転がり軸受3の軸体2からの抜け出しを防止する。
図2を参照して内輪32を説明する。
内輪32の材料として、高炭素クロム鋼(日本工業規格SUJ2、軸受鋼とも呼ばれる)や、機械構造用炭素鋼(日本工業規格S55C)等の炭素鋼が使用される。
内輪32の軌道32dの表面強度を高めて軸受寿命を向上させるために、内輪32の製造工程で内輪32に対して熱処理を施す。この熱処理に際しては、脱炭を防止するために、若干の浸炭性雰囲気中で加熱したり、あるいは雰囲気ガスにNH3(アンモニアガス)を少量添加してなる浸炭窒化性雰囲気中で加熱する処理を施す。
置き割れ現象について検討したところ、以下のことが考えられる。図3および図4を参照して置き割れ発生の現象を説明する。軸体2の端部は内輪32の軸方向端部の外端面32aにかしめ付けられてかしめ部4とされる。内輪32におけるかしめ部4の近傍部分に対して、かしめ部4から円周方向の引張応力が作用する。内輪32の外端面32aはかしめ部4で保持されているから、その引張応力は内輪32の外径側エッジ32bに集中する。内輪32の表面には、図4に示すように、前記熱処理後、残留オーステナイト量が他の部分よりも多い表面層Lができている。
ここで、内輪32の外端面32aとその肩部の外周面32cとにより内輪32の外端面32aの外径側エッジ32bが構成される。外径側エッジ32bの表面層Lは、熱処理時に内輪32の外端面32aと外径面32cとからの加熱と炭素の拡散により、他の表面層Lよりも残留オーステナイト量が多くなる。熱処理後、表面層Lにおける残留オーステナイトは、マルテンサイトへ変態して表面層Lは体積膨張する。
このマルテンサイトによる体積膨張は、前述の内輪32の外径側エッジ32bに作用する引張応力と相俟って、引張応力の増大を引き起こし、内輪32の外径側エッジ32bに置き割れが発生しやすくなる。このように、内輪32の外径側エッジ32bにおける残留オーステナイト量が置き割れ現象の発生に関係していると考えられる。そこで、本発明では、置き割れを防止するために、内輪32の外径側エッジ32bにおける残留オーステナイト量を少なくすることによって、置き割れ現象を防止できる転がり軸受ユニットを提案するものである。以下に内輪32の外径側エッジ32bにおける残留オーステナイト量を少なくする方法を説明する。
第1の方法は、表面層Lにおける残留オーステナイト量は内輪32の表面から内部に行くに従って減少する点に着目して、内輪32の外径側エッジ32bにおける表面層Lを研磨や旋削により所定の深さまで除去することにより、内輪32の外径側エッジ32bの残留オーステナイト量を少なくするものである。したがって、外径側エッジ32bにおいて、少なくとも引張応力が集中する範囲aにおける残留オーステナイト量が3%以上20%以下になるまで表面層Lを除去することで、内輪32の置き割れが発生する確率を低減できる。具体的な範囲aは、以下のように決められる。
除去する範囲aは、かしめ部4の外径寸法をφA、内輪32の肩部の外周面32cの外径をφB、内輪32のかしめ部4の近傍におけるエッジ32bからの半径をr、内輪32の表面に発生する残留オーステナイト量が過多となった(例えば残留オーステナイト量が20%以上)となった表面層の厚みにほぼ匹敵する数値をD(mm)とすると、その半径rを
(φB−φA)/2≧r≧D
の関係式を満足する半径rの範囲aとする。ここで、前記Dは、一例として好ましくは0.5[mm]である。
このように、前記関係式を満足する内輪32のエッジ32bから半径rの範囲内に存在する表面層を除去することで、エッジ32bにおける残留オーステナイト量が3%以上20%以下、好ましくは5%以上15%以下、より好ましくは5%以上10%以下となる。
残留オーステナイト量が20%以下の時は、日数が経過しても置き割れが発生しなかった。残留オーステナイト量が23%の時は、10日目に置き割れが発生した。残留オーステナイト量が30%の時、7日目に置き割れが発生した。なお、残留オーステナイトは、内輪32の外径側エッジ32bから遠ざかるにつれて残留オーステナイト量は減少する。
このように構成された転がり軸受ユニットによると、内輪32のエッジ32bから前記関係式を満足する半径rの範囲内での残留オーステナイト量を3%以上20%以下としたことで、残留オーステナイトがマルテンサイトに変態した際の体積膨張の影響を小さく抑えることができる。その結果、かしめ部4に起因した引張応力の増大によって内輪32のエッジ32bに置き割れが発生するのを防止でき、軸受の信頼性が向上する。
本発明は、上述の実施の形態に示した構造を有する内輪32に限るものではない。例えば、図5に示すように、内輪32の肩部の車両インナー側端部に縮径された段差32eを設け、この段差32eを回転速度センサの設置スペースとするとともに、前記段差32eの車両インナー側端部を前記エッジ32bとしている。このエッジ32bにおいて前記関係式を満足する半径rの範囲内の残留オーステナイト量を3%以上20%以下としたものであってもよい。
本発明は、上述の実施の形態に示すように、締結部がかしめ部4に限るものではなく、軸体2に螺合して内輪32の軸方向外端面に締結したナットであってもよい。要するに、軸体2に内輪32の軸方向外端面に締結されて内輪32の外周方向に引張応力を作用させるような締結部を含む。
本発明は、上述の実施の形態に示すように、ハブホイールとアンギュラ玉軸受との組合せからなるハブユニットに限るものではなく、ハブホイール等を軸体とし、アンギュラ玉軸受等の転がり軸受をこの軸体の外周に設けた各種転がり軸受ユニットに適用してもよい。
本発明の一実施の形態における駆動輪用のハブユニットからなる転がり軸受ユニットの断面図 本発明の一実施の形態における転がり軸受ユニットの内輪の断面図 転がり軸受ユニットの内輪の断面図 転がり軸受ユニットの内輪の表面に発生する表面層の説明図 本発明の他の実施の形態における転がり軸受ユニットの内輪の断面図
符号の説明
1 ハブホイール
2 軸体
3 転がり軸受
32 内輪

Claims (2)

  1. 軸体と、
    前記軸体の外周面に装着されるもので炭素鋼からなりかつその表面に熱処理が施されて残留オーステナイトが存在する表面層が形成されている内輪と、
    前記内輪の軸方向外端面に締結されて前記内輪の外周方向に引張応力を作用させている締結部と、
    を含み、
    前記内輪は、径方向外側にエッジを有するとともに、そのエッジからは前記表面層が研摩あるいは旋削により除去されており、
    前記内輪は、前記除去により当該エッジにおける残留オーステナイト量が3%以上20%以下に設定されている転がり軸受ユニット。
  2. 請求項1に記載の転がり軸受ユニットにおいて、
    前記内輪は、その肩部の車両インナー側端部に段差を有し、前記段差は回転速度センサの設置スペースとされているとともに、前記段差の車両インナー側端部は、前記エッジとされている転がり軸受ユニット。
JP2008041159A 2001-10-15 2008-02-22 転がり軸受ユニット Expired - Fee Related JP4978508B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008041159A JP4978508B2 (ja) 2001-10-15 2008-02-22 転がり軸受ユニット

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001316536 2001-10-15
JP2001316536 2001-10-15
JP2008041159A JP4978508B2 (ja) 2001-10-15 2008-02-22 転がり軸受ユニット

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002294785A Division JP4127009B2 (ja) 2001-10-15 2002-10-08 転がり軸受ユニット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008202792A JP2008202792A (ja) 2008-09-04
JP4978508B2 true JP4978508B2 (ja) 2012-07-18

Family

ID=39780499

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008041159A Expired - Fee Related JP4978508B2 (ja) 2001-10-15 2008-02-22 転がり軸受ユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4978508B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0420620Y2 (ja) * 1989-06-19 1992-05-12
JP3497351B2 (ja) * 1997-03-31 2004-02-16 日本精工株式会社 エンコーダ付転がり軸受ユニット
JP4269349B2 (ja) * 1998-03-10 2009-05-27 日本精工株式会社 転がり軸受の軌道輪
WO2000011235A1 (en) * 1998-08-25 2000-03-02 Nsk Ltd. Surface treated rolling bearing and manufacturing method thereof
JP2001200314A (ja) * 2000-01-18 2001-07-24 Ntn Corp 車輪軸受装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008202792A (ja) 2008-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100436853C (zh) 车轮用轴承装置及其制造方法
JP5183358B2 (ja) 車輪用軸受装置
US20060130333A1 (en) Method of forming bearing ring resistant to season cracking
WO2007029658A1 (ja) 車輪用軸受装置
WO2007091408A1 (ja) 車輪用軸受装置
JP4455182B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP5025137B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP4042309B2 (ja) 軸受装置
JP2005145313A (ja) 車輪支持用転がり軸受ユニット
JP4978508B2 (ja) 転がり軸受ユニット
JP2006137297A (ja) 車輪用軸受装置
JP5415999B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP2006329320A (ja) 車輪用軸受装置
JP4998980B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP2006046401A (ja) 車輪用軸受装置
JP2008296621A (ja) 車輪用軸受装置
JP2007285424A (ja) 車輪用軸受装置およびその製造方法
JP2005233400A (ja) 転がり軸受装置
JP2005349928A (ja) 車輪用軸受装置
JP2015190557A (ja) 車輪用軸受装置およびその外方部材の製造方法
JP2005282691A (ja) 転がり軸受及び車輪支持用軸受装置
WO2023286771A1 (ja) 車輪用軸受装置
JP2005119383A (ja) 車輪用軸受装置
JP2007106412A (ja) 車輪用軸受装置
JP7047389B2 (ja) 車輪用軸受装置及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110524

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120220

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120321

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120403

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150427

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4978508

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees