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JP4966491B2 - 熱転写方法及び熱転写装置及びインクジェット記録装置 - Google Patents

熱転写方法及び熱転写装置及びインクジェット記録装置 Download PDF

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JP4966491B2 JP2004332684A JP2004332684A JP4966491B2 JP 4966491 B2 JP4966491 B2 JP 4966491B2 JP 2004332684 A JP2004332684 A JP 2004332684A JP 2004332684 A JP2004332684 A JP 2004332684A JP 4966491 B2 JP4966491 B2 JP 4966491B2
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Description

本発明は、熱転写方法及び熱転写装置及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方法は、コンピュータ等からの画像信号に応じて微小なノズルからインクの液滴を吐出させ、記録媒体に付着させて印刷を行う記録方法である。
近年、インクジェット記録技術のデジタル化写真サービスや商業印刷用途等への拡大に伴い、インクジェット記録方法で形成された画像の耐水性、耐ガス性、耐熱性等の保存性が重要視されており、その向上は重要な課題となっている。
そこで、画像の保護方法に関する技術として、インクが吐出された画像面に透明フィルム等を保護層としてラミネートすることにより、画像の保存性や光沢の向上等を図る技術が知られている。
その画像面のラミネート加工方法には、常温での接着性を有する透明フィルムを用い、その接着性を保護する裏紙(セパレータ)を剥がしながら画像面に透明フィルムを貼り合わせていくコールドラミネート法がある。また、裏紙のない熱可塑性樹脂からなる透明フィルムを用い、その透明フィルムを加熱しながら画像面に貼り合わせていくヒート(ホット)ラミネート法や、基材と保護層としての転写層を有する透明フィルムを用い、転写層を画像面に熱転写させる熱転写法等がある。特に、熱転写法は、他のラミネート加工方法と比べて、保護層の薄膜化が可能であるため、画像面に過剰な光沢感を付与することがないという利点を有しており、記録物本来の風合いや質感を損なわずに画像の保存性や光沢を向上させるラミネート加工方法として注目されている(例えば特許文献1)。
特開2001−121777号公報
ところが、前記熱転写方法では画像面上に付着した塵や埃等の付着物が画像面と転写層との間に混入することによって付着物の周辺に気泡が形成され、付着物よりも大きな非接着空間を形成するために画像の保存性や光沢性を劣化させる問題がある。そこで、気泡を混入する転写層を一度剥がした後に、新たな転写層を再度熱転写することにより保存性や光沢を向上させることが可能であるが、熱転写した転写層を剥がし取る時間や新たに熱転写させる転写層の使用等のために熱転写法のコストが高くなる不都合がある。
さらに、画像面の表面が凹凸加工されている凹凸紙(例えばマット紙やラスター紙)の場合には、画像表面の凸部によってのみ画像面と転写層とが接着するために、表面凹部に気泡を混入させるだけでなく、画像面と転写層との接着性を保持できないといった問題がある。
本発明の目的は、記録媒体の表面上に形成される凹凸形状に沿って転写層を転写させ、転写層の接着性及び画像の保存性と光沢を向上させる熱転写方法、熱転写装置、インクジェット記録装置を提供することにある。
本発明の熱転写方法は、耐熱基材と転写層とを備える転写シートと記録媒体を重ね合わせた状態で、互いに向い合う2つの第1の加熱加圧ローラの間で前記転写シートと前記
記録媒体を加熱加圧して前記転写層を前記記録媒体に圧着させる第1の加熱加圧工程を有する熱転写方法において、前記記録媒体の印刷面におけるJIS B0601に基づく表面粗さが0.15以上である場合には、前記記録媒体に対し、前記記録媒体に圧着された前記転写層を互いに向い合う2つの第2の加熱加圧ローラの間で加熱加圧する第2の加熱加圧工程を行い、且つ該第2の加熱加圧工程では、2つの前記第1の加熱加圧ローラと2つの前記第2の加熱加圧ローラとの間における前記転写層よりも上方に配置された切替ローラを前記転写層から離間させ、前記記録媒体の印刷面における前記表面粗さが0.15未満である場合には、前記記録媒体に対し、前記第1の加熱加圧工程のみを行い、且つ搬送される前記記録媒体上の前記転写層との接触により前記切替ローラを回転させつつ該切替ローラで前記転写層を下方へ押圧するとともに、前記転写層が圧着された前記記録媒体が2つの前記第2の加熱加圧ローラから離れるように、前記転写層よりも上方に配置された前記第2の加熱加圧ローラの位置を固定し、且つ前記転写層よりも下方に配置された前記第2の加熱加圧ローラを下方へ移動するようにした。
本発明の熱転写方法によれば、前記記録媒体の印刷面におけるJIS B0601に基づく表面粗さが0.15以上である場合、即ち記録媒体の印刷面が微粗面である場合には、第1の加熱加圧工程によって転写シートを記録媒体に圧着させた後に、第2の加熱加圧工程によって圧着させた転写シートの転写層を加熱加圧させる。そして、前記記録媒体の印刷面における前記表面粗さが0.15未満である場合には、前記第1の加熱加圧工程のみを行う。従って、前記表面粗さが0.15以上である場合に第1の加熱加圧工程にて転写層と記録媒体との間に形成され易い非接着空間(気泡)を、第2の加熱加圧工程による再度加熱加圧によってその非接着空間をなくすことができる。このため、非圧着空間がない印刷物を得ることができる。加えて、前記表面粗さが0.15未満である場合、即ち印刷面が平滑であって、非圧着空間が形成されにくい記録媒体に対しては、第1の加熱加圧工程にて転写層と記録媒体との間に非圧着空間が形成され難いため、第2の加熱加圧工程による再度加熱加圧を回避することができる。これにより、熱転写による質感の劣化等を防止できる。
さらに、この熱転写方法によれば、前記記録媒体の印刷面における前記表面粗さが0.15未満である場合には、加熱機能を備えない前記切替ローラと前記転写層よりも下方に配置された前記第2の加熱加圧ローラとを下方へ移動させることによって第2の加熱加圧工程による再度加熱加圧を回避することができる。
この熱転写方法において、前記第1の加熱加圧工程と前記第2の加熱加圧工程のいずれか一方の工程の後に、前記記録媒体に圧着する前記転写シートから前記耐熱基材を剥離する剥離工程を有する
この熱転写方法によれば、剥離工程において転写層を転写させた記録媒体から耐熱基材を剥離するため、転写層のみが記録媒体上に転写される。
この熱転写方法において、前記第2の加熱加圧工程での前記転写層に供給する温度及び圧力は、前記第1の加熱加圧工程の温度及び圧力よりもそれぞれ小さい
この熱転写方法において、前記記録媒体が、顔料インクにより印刷されている。
この熱転写方法によれば、印刷面に顔料インクにより印刷された記録媒体に対して、転写層が転写されるので、印刷面において顔料インクが付着した印刷箇所と非印刷箇所との光沢のムラを防止し、高品質の印刷物を作成することができる。
この熱転写方法において、前記記録媒体は、基材を樹脂層で被覆してなる樹脂被覆紙からなり、前記印刷面には顔料インクを受容する受容層が設けられている。
この熱転写方法によれば、記録媒体は樹脂被覆紙であって、印刷面には顔料インクを受容する受容層が形成されている。このため、高品質な印刷物を提供することができる。
本発明の熱転写装置は、耐熱基材と転写層とを備える転写シートを記録媒体に重ね合わせた状態で、前記転写シートと前記記録媒体を加熱加圧して前記転写層を前記記録媒体
に圧着させる互いに向い合う2つの第1の加熱加圧ローラを有する熱転写装置において、
前記第1の加熱加圧ローラにて前記転写層が圧着された前記記録媒体を再度加熱加圧する互いに向い合う2つの第2の加熱加圧ローラと、前記第1の加熱加圧ローラと前記第2の加熱加圧ローラとの間における前記転写層よりも上方に配置され、前記記録媒体に圧着された前記転写シートの前記転写層を2つの前記第2の加熱加圧ローラから回避させる切替ローラとを備え、JIS B0601に基づく表面粗さが0.15以上である印刷面を有した前記記録媒体に適用されて、前記第2の加熱加圧ローラが前記記録媒体を加熱加圧するとともに、前記切替ローラが前記転写層の上方へ離間する第1モードと、前記表面粗さが0.15未満である印刷面を有した前記記録媒体に適用されて、搬送される前記記録媒体上の前記転写層との接触により前記切替ローラ回転しつつ前記転写層を下方へ押圧するとともに、前記転写層が圧着された前記記録媒体が2つの前記第2の加熱加圧ローラから離れるように、前記転写層よりも上方に配置された前記第2の加熱加圧ローラの位置が固定され、且つ前記転写層よりも下方に配置された前記第2の加熱加圧ローラが下方へ移動する第2モードとを有する。
本発明の熱転写装置によれば、前記記録媒体の印刷面におけるJIS B0601に基づく表面粗さが0.15以上である場合に互いに向い合う2つの第1の加熱加圧ローラによって転写層と記録媒体との間に形成され易い非接着空間(気泡)を、これもまた互いに向い合う2つの第2の加熱加圧ローラによってなくすことができる。このため、非圧着空間がない印刷物を得ることができる。加えて、前記表面粗さが0.15未満である場合、即ち印刷面が平滑であって、非圧着空間が形成されにくい記録媒体に対しては、2つの前記第1の加熱加圧ローラによって転写層と記録媒体との間に非接着空間が形成され難いため、2つの前記第2の加熱加圧ローラによって再度加熱加圧されることを回避することができる。その結果、記録媒体の表面凹凸形状や転写シートを構成する転写層と耐熱基材との厚み等に相対した転写を行うことができる。
また、前記第1モードでは、前記切替ローラが前記記録媒体に圧着された前記転写層から離れ、前記第2モードでは、前記切替ローラが前記転写層を下方へ押圧するとともに、前記転写層よりも下方に配置された前記第2の加熱加圧ローラが下方へ移動して、前記記録媒体を2つの前記第2の加熱加圧ローラの両方から離すようにした。
この熱転写装置によれば、前記記録媒体の印刷面における前記表面粗さが0.15未満である場合には、2つの前記第2の加熱加圧ローラによって再度加熱加圧されることを回避することができる。
この熱転写装置において、前記記録媒体に圧着する前記転写シートから前記耐熱基材を剥離する剥離手段を備えた
この熱転写装置によれば、剥離手段によって転写層を転写させた記録媒体から耐熱基材を剥離するため、転写層のみが記録媒体上に転写される。
この熱転写装置において、2つの前記第2の加熱加圧ローラの温度及び圧力は、2つの
前記第1の加熱加圧ローラの温度及び圧力よりもそれぞれ小さい。
この熱転写装置によれば、2つの前記第1の加熱加圧ローラによって圧着される転写シートと記録媒体との接着性を保持した状態で再度転写層を加熱加圧することができる。
この熱転写装置において、2つの前記第2の加熱加圧ローラは、その温度及び圧力の少なくとも一方を調整する調整手段を備えた。
この熱転写装置によれば、2つの前記第2の加熱加圧ローラの温度及び圧力の少なくとも一方を調整することができる。そのため、記録媒体の表面凹凸形状や転写シートを構成する転写層と耐熱基材との厚み等に相対した2つの前記第2の加熱加圧ローラの温度及び加熱圧力を供給することができる。
本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体の上にインク滴を吐出して画像を形成する記録手段と、上記熱転写装置を備えた。
本発明のインクジェット記録装置によれば、記録手段によって記録媒体上に画像を形成する。そして、前記記録媒体の印刷面におけるJIS B0601に基づく表面粗さが0.15以上である場合に2つの前記第1の加熱加圧ローラによって転写層と記録媒体との間に形成され易い非接着空間(気泡)を、2つの前記第2の加熱加圧ローラによってなくす。加えて、前記表面粗さが0.15未満である場合、即ち印刷面が平滑であって、非圧着空間が形成されにくい記録媒体に対しては、2つの前記第1の加熱加圧ローラによって転写層と記録媒体との間に非圧着空間が形成され難いため、2つの前記第2の加熱加圧ローラによって再度加熱加圧されることを回避する。従って、記録媒体の表面凹凸形状や転写シートを構成する転写層と耐熱基材との厚み等に相対した第1,2の加熱加圧ローラの温度及び加熱圧力を供給しつつ、非圧着空間がない印刷物を得ることができる。
(第1の参考形態)
以下、本発明を具体化した第1の参考形態を図1〜図7に従って説明する。
図1は熱転写装置を備えるインクジェット記録装置を説明する説明図、図2は記録媒体の要部断面図、図3は転写シートの要部断面図、図4は第1の加熱加圧工程を経る前の記録媒体の要部断面図、図5は第1の加熱加圧工程を経た圧着物の要部断面図、図6は剥離工程を経た圧着物の要部断面図、図7は第2の加熱加圧工程を経た圧着物の要部断面図である。
図1において、インクジェット記録装置は、記録手段としてのインクジェット記録部11と熱転写装置としての熱転写部12とを有している。
そのインクジェット記録部11は、給紙ローラ13と、ガイドローラ14a,14bと、インクカートリッジ15aと、キャリッジ15bと、記録ヘッド15cと、プラテン16とを備えている。
その給紙ローラ13は円筒状に形成されており、図1における矢印方向への回転が可能であって、その外周にはロール状に巻かれた記録媒体Pが装着されている。記録媒体Pは、図2に示すように、原紙(ベースペーパー)やプラスチック等からなる基板P1(基材)と、無機顔料(非晶質シリカ)と有機成分(バインダー樹脂等)の混合物からなる受容層P2(印刷面)とから形成されている。受容層P2は、基板P1上にコーティングされており、その無機顔料が有する微細な隙間の毛管力によってインク滴が受容され、記録媒体P上に画像が形成される。記録媒体Pは、受容層P2を上側にして給紙ローラ13から送り出され、図1に示す右側から左側に向かって搬送されるようになっている。
給紙ローラ13の左側(下流側)であって記録媒体Pの上下側にはガイドローラ14a,14bが配設されている。ガイドローラ14a,14bは、給紙ローラ13から搬送されてくる記録媒体Pをその上下側から支持して下流側に搬送する。
ガイドローラ14a,14bの下流側であって記録媒体Pの上側には、インクカートリッジ15a、キャリッジ15b、図示しないガイド部材等が配設されており、記録媒体Pの下側にはプラテン16が配設されている。インクカートリッジ15aは、内部にインクを貯留しており、キャリッジ15bに取着されている。キャリッジ15bは、記録媒体Pの搬送方向に対して垂直方向(主走査方向)に配置されたガイド部材に沿って、往復動可能に取り付けられている。キャリッジ15bの下面には記録ヘッド15cが設けられている。記録ヘッド15cは、インクカートリッジ15aからインクが供給されて、そのインク滴を吐出する図示しないノズル開口を備えている。なお、インク滴を吐出する方式として、ピエゾ素子等の電気機械変換体を用いてインク滴を吐出させる方式と、発熱抵抗体を有する発熱素子等の電気熱変換体によってインクを加熱して吐出させる方式等があるが、本参考形態では特に限定されない。
従って、受容層P2を上側にして右側から左側に搬送される記録媒体Pは、その下側に配置されるプラテン16によって基板P1が支持される。そして、記録媒体Pの上側に配置される記録ヘッド15cによって受容層P2にインクが吐出される。そのため、キャリ
ッジ15bが主走査方向に往復動することによって記録媒体P上に画像が形成される。その画像を形成された記録媒体Pは受容層P2を上側にして、図1に示す下流側に搬送される。
インクジェット記録部11の下流側には転写シートSを熱転写させる熱転写部12が配設されている。熱転写部12は、転写シート供給手段としてのシート給紙ローラ17と、第1の加熱加圧工程を行う第1の加熱加圧手段としての第1の加熱加圧ローラ18,19と、剥離工程を行う剥離手段としてのガイドローラ20及び巻き取りローラ21と、第2の加熱加圧工程を行う第2の加熱加圧手段としての第2の加熱加圧ローラ22,23とを備えている。
シート給紙ローラ17は円筒状に形成されており、図1における矢印方向への回転が可能であって、その外周にはロール状に巻かれた転写シートSが装着されている。転写シートSは、図3に示すように、耐熱基材S1と、転写層S2と、接着層S3(熱可塑性樹脂層)とからなる3層構造を有する。耐熱基材S1は、ポリエチレンテレフタレート樹脂等からなる合成樹脂によって形成されている。その耐熱基材S1上には熱可塑性樹脂からなる転写層S2が積層されており、その転写層S2上にはポリエチレン樹脂等からなる熱可塑性樹脂によって形成される接着層S3が積層され、記録媒体Pに圧着される圧着面を備えている。接着層S3は、常温では接着不活性であって加熱されることによって融解され、記録媒体Pとの接着性を有するものである。転写層S2は、接着層S3が記録媒体Pに接着されたときに、記録媒体P上の画像を保護する保護層となるものである。なお、本参考形態では、耐熱基材S1の厚さを25μm、転写層S2の厚さを4μm、接着層S3の厚さを5μmとしている。
シート給紙ローラ17の下流側であって基板P1の下側と耐熱基材S1の上側とには、第1の加熱加圧手段としての第1の加熱加圧ローラ18,19がそれぞれ配設されている。第1の加熱加圧ローラ18,19は弾性部18a,19aと、金属ローラ18b,19bと、調整手段を構成するヒータ18c,19cと、調整手段を構成する温度計測部18d,19dとを備えている。
その弾性部18a,19aは、第1の加熱加圧ローラ18,19の最外周にあってシリコンゴム等からなる合成樹脂によって形成されている。弾性部18a,19aは、その内
縁にある金属ローラ18b,19bの全外周を被覆している。金属ローラ18b,19bは、鋼鉄等からなる金属によって形成される円筒状のローラであって、図1における矢印方向へ回転されている。弾性部18a,19aはその金属ローラ18b,19bの回転と連動した回転を可能とされている。金属ローラ18b,19bの内側にはヒータ18c,19cが内設されている。ヒータ18c,19cは、金属ローラ18b,19bを介して弾性部18a,19aを加熱し、弾性部18a,19aの温度を第1の加熱加圧工程の設定温度にする熱量を供給するものとしている。なお、弾性部18a,19aの温度は、その側縁に設けられた温度計測部18d,19dによって計測されている。本参考形態では、第1の加熱加圧ローラ18,19の温度である弾性部18a,19aの温度を100℃としている。
記録媒体Pの下側に配設される第1の加熱加圧ローラ19には、昇降部19eが設けられている。昇降部19eは、位置固定された第1の加熱加圧ローラ18に向かって第1の加熱加圧ローラ19を上下動させることを可能としている。昇降部19eは、第1の加熱加圧ローラ18,19とで記録媒体Pと転写シートSを圧接(第1の加熱加圧工程)する圧力を設定するために第1の加熱加圧ローラ18,19間の間隔を調整する。なお、第1の加熱加圧ローラ18,19間の圧力は昇降部19eに設けられた図示しない圧力計によって計測されている。本参考形態では、第1の加熱加圧ローラ18,19(第1の加熱加圧工程)の圧力を10kg/cmとしている。そして、転写シートSと記録媒体Pは、図1に示すように、接着層S3と受容層P2とが互いに相対向した状態で第1の加熱加圧ローラ18,19によって圧接されながら、下流側に搬送させる。
従って、第1の加熱加圧ローラ18,19にて搬送される転写シートSと記録媒体Pとは、加熱加圧されながら搬送される。その結果、加熱された弾性部18a,19aによって融解された接着層S3と受容層P2とが圧着される。
第1の加熱加圧ローラ18,19の下流側には、剥離工程を行う剥離手段を構成するガイドローラ20及び巻き取りローラ21が配設されている。ガイドローラ20は、転写シートSの接着層S3と記録媒体Pの受容層P2が圧着された転写シートSと記録媒体Pについて、転写シートSを記録媒体Pから離間する上方に案内し巻き取りローラ21に搬送するようになっている。従って、接着層S3と受容層P2が圧着されていることから、耐熱基材S1のみが剥がし取られてガイドローラ20を介して巻き取りローラ21にて巻き取られる。その結果、転写層S2は接着層S3を介して記録媒体Pの受容層P2に接着(転写)されて記録媒体Pとともに搬送される。
ガイドローラ20及び巻き取りローラ21の下流側であって転写層S2が転写された記録媒体Pの上下両側には、第2の加熱加圧手段としての第2の加熱加圧ローラ22,23が配設されている。第2の加熱加圧ローラ22,23は、図1に示すように、弾性部22a,23aと、金属ローラ22b,23bと、調整手段を構成するヒータ22cと、調整手段を構成する温度計測部22dとを備えている。
その弾性部22a,23aは、第2の加熱加圧ローラ22,23の最外周にあってシリコンゴム等からなる合成樹脂によって形成されている。弾性部22a,23aは、その内縁にある金属ローラ22b,23bの全外周を被覆している。金属ローラ22b,23bは、鋼鉄等からなる金属によって形成される円筒状の金属ローラであって、図1における矢印方向へ回転されている。弾性部22a,23aはその金属ローラ22b,23bの回転と連動した回転を可能とされている。金属ローラ22bの内側にはヒータ22cが内設されている。ヒータ22cは、金属ローラ22bを介して弾性部22aを加熱するものとしており、弾性部22aの温度を第2の加熱加圧工程の設定温度にする熱量を供給するものとしている。なお、弾性部22aの温度は、その側縁に設けられた温度計測部22dによって計測されている。本参考形態では、第2の加熱加圧ローラ22の温度である弾性部22aの温度を第1の加熱加圧ローラ18,19の温度である弾性部18a,19aの温度よりも低い80℃としている。
記録媒体Pの下側に配設される第2の加熱加圧ローラ23には、昇降部23eが設けられている。昇降部23eは、位置固定された第2の加熱加圧ローラ22に向かって第2の加熱加圧ローラ23を上下動させる。昇降部23eは、第2の加熱加圧ローラ22,23とで転写層S2が転写された記録媒体Pを圧接(第2の加熱加圧工程)する圧力を設定するために第2の加熱加圧ローラ22,23間の間隔を調整する。なお、第2の加熱加圧ローラ22,23間の圧力は昇降部23eに設けられた図示しない圧力計によって計測されている。本参考形態では、第2の加熱加圧ローラ22,23(第2の加熱加圧工程)の圧力を5kg/cmとしている。そして、転写層S2が転写された記録媒体Pは、図1に示すように、第2の加熱加圧ローラ22,23にて加熱加圧されながら搬送される。
第2の加熱加圧ローラ22,23の下流側には、カッター24が配設されている。カッター24は、その図示しない導入口が転写層S2を転写された記録媒体Pの搬送経路の延長上にあるように配置され、搬送される同記録媒体Pを所定の長さに切断することを可能としている。従って、カッター24に搬送される転写層S2が転写された記録媒体Pは、
カッター24を通過することによって裁断され、図1に示す印刷物としてのインクジェット記録物Mとなる。
次に、上記のように構成されたインクジェット記録装置の作用について説明する。
今、給紙ローラ13に巻きつけられた記録媒体Pを、図2に示す受容層P2を上側にして、図1に示す矢印方向に送り出す。そして、記録媒体Pをガイドローラ14a,14bを介して記録ヘッド15cとプラテン16との間に搬入させる。ここで、記録媒体Pの下側にある基板P1をその下側にあるプラテン16によって支持させる。そして、受容層P2の上側に配置される記録ヘッド15cからインクを吐出させて、キャリッジ15bを主走査方向に往復動させることによって、記録媒体P上に画像を形成させる。この搬送途中に、その搬送雰囲気に塵や埃等があるとき、記録媒体Pの受容層P2に、図4に示すように、塵や埃等が付着物Dとして付着する。
次に、この記録媒体Pを熱転写部12に搬送させ、シート給紙ローラ17から送り出される転写シートSとともに第1の加熱加圧ローラ18,19に搬入させる。そして、図1に示すように、接着層S3と受容層P2とが互いに相対向するようにして、記録媒体Pと転写シートSを第1の加熱加圧ローラ18,19は熱圧着させる。このとき、記録媒体P上に付着した付着物Dは、同様に、接着層S3が覆い被せられる。そのため、第1の加熱加圧ローラ18,19では、図5に示すように、接着層S3と受容層P2との間にある付着物Dの外縁に気泡が混入されて転写シートSが記録媒体Pに圧着される。その結果、接着層S3と受容層P2とを接触させない空間であって付着物Dよりも大きな非接着空間Aを有する記録媒体Pが形成されて、第1の加熱加圧工程が終了する。
次に、転写シートSの耐熱基材S1を、ガイドローラ20及び巻き取りローラ21によって剥離させる。その結果、図6に示すように、表面に転写層S2が転写された記録媒体Pが形成されて、剥離工程が終了する。この転写層S2が転写された記録媒体Pは、受容層P2と接着層S3との間に形成された非接着空間Aの形状を保持している。
次に、転写層S2が転写された記録媒体Pを第2の加熱加圧ローラ22,23に搬送させる。このとき、転写層S2が転写された記録媒体Pは第2の加熱加圧ローラ22によって再度加熱加圧されて、付着物Dを覆う接着層S3を再度融解させる。従って、付着物Dの外周にある気泡が接着層S3と転写層S2等を介して脱気される。そのため、第2の加熱加圧ローラ22,23は、転写層S2が転写された記録媒体Pの非接着空間Aを縮小させる。その結果、受容層P2と付着物Dとのなす表面凹凸形状に沿って接着層S3が接着され、図7に示すように、その表面凹凸形状に沿った接着層S3と転写層S2とを有する記録媒体Pが形成されて、第2の加熱加圧工程が終了する。
そして、転写層S2が転写された記録媒体Pをカッター24に搬送させ、所定の長さに切断することによって、図1に示すインクジェット記録物Mの形成が終了し熱転写が完了する。
従って、上記第1の参考形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)本参考形態によれば、インクジェット記録部11によって記録媒体P上に画像を形成させ、シート給紙ローラ17によって転写シートSを記録媒体P上に供給させた。そして、第1の加熱加圧ローラ18,19によって接着層S3を受容層P2に接着させ、第2の加熱加圧ローラ22,23によって転写層S2が転写された記録媒体Pを再度加熱加圧させた。従って、第1の加熱加圧ローラ18,19によって、転写層S2と記録媒体Pとの間に形成される非接着空間Aを、第2の加熱加圧ローラ22,23により再度加熱加圧するようにしたので、塵や埃等の付着物Dが付着して形成される非接着空間Aにある気泡を脱気することが可能となる。そのため、記録媒体Pの表面凹凸形状に沿った転写層S2を転写した記録媒体Pを得ることができる。
(2)本参考形態によれば、ガイドローラ20と巻き取りローラ21よって、転写シートSを圧着した記録媒体Pから耐熱基材S1を剥離させた。従って、耐熱基材S1を手などによって取り剥がすことなく熱転写を終了することができる。
(3)本参考形態によれば、ガイドローラ20及び巻き取りローラ21を、第1の加熱加圧ローラ18,19と第2の加熱加圧ローラ22,23との間に配設した。従って、耐熱基材S1を介することなく転写層S2を再度加熱加圧することができる。その結果、第2の加熱加圧ローラ22,23による転写層S2への加熱均一性を向上することができる。
(4)本参考形態によれば、第2の加熱加圧ローラ22,23の温度及び圧力を第1の加熱加圧ローラ18,19の温度及び圧力よりも小さい値で供給した。そのため、第1の加熱加圧ローラ18,19によって転写された接着層S3と受容層P2との接着面が第2の加熱加圧ローラ22,23によって位置ズレさせることなく転写層S2を転写した記録媒体Pを再度加熱加圧することができる。
(5)本参考形態では、ヒータ18c,19c,22cによって第1の加熱加圧ローラ18,19の温度及び第2の加熱加圧ローラ22,23の温度を調整できるようにした。しかも、昇降部19e,23eによって第1の加熱加圧ローラ18,19の圧力及び第2の加熱加圧ローラ22,23の圧力を調整できるようにした。その結果、記録媒体Pの表面凹凸形状や転写シートSを構成する転写層S2と耐熱基材S1の厚み等に相対した温度と圧力とを第1の加熱加圧ローラ18,19の温度と圧力及び第2の加熱加圧ローラ22,23の温度と圧力として供給することができる。
(6)本参考形態では、第2の加熱加圧ローラ22,23を設ける簡単な構成によって記録媒体P上の表面凹凸形状に沿った熱転写を可能とした。
(実施形態)
次に、本発明を具体化した実施形態を、図8及び図9に従って説明する。なお、この実施形態では、熱転写部に第2の加熱加圧手段を回避する回避手段を付加したものであり、その他の点では第1の参考形態と同一の構成になっている。なお、図8にはインクジェット記録部が図示されていないが、本実施形態においてもインクジェット記録部が設けられている。そのため以下では、回避手段について詳細に説明することとし、第1の参考形態と共通する構成部分については図面上に同一符号を付すことにして重複した説明を省略する。
さて、図8において、熱転写部32には、回避手段を構成する経路切り替え手段としての切替ローラ33が、ガイドローラ20の下側であって第1の加熱加圧ローラ18,19と第2の加熱加圧ローラ22,23の間に配置されている。その切替ローラ33は、図8に示す矢印方向に沿った上下動を可能としている。切替ローラ33は、転写層S2を転写した記録媒体Pが第2の加熱加圧ローラ22,23に搬送されるときに、記録媒体Pの上側から離間する位置に配置されている。一方、転写層S2を転写した記録媒体Pが第2の加熱加圧ローラ22,23を回避するときに、図8に示すように、切替ローラ33は、下方向に配置移動されて同記録媒体Pの上面と当接して回転する位置に配置されるようになっている。
切替ローラ33の下流側に配設された第2の加熱加圧ローラ22,23は、図1に示すように転写層S2を転写した記録媒体Pを押圧する。また、第2の加熱加圧ローラ22,23は、切替ローラ33が下方向に配置移動されたとき、図8に示すように、昇降部23
eによって第2の加熱加圧ローラ23を下方向に移動させ、転写層S2を転写した記録媒体Pから離間するようになっている。
第2の加熱加圧ローラ22,23の下流側には、回避手段を構成するガイドローラ34a,34bが配設されている。そのガイドローラ34a,34bは図8に示す矢印方向へ回転されている。転写層S2を転写した記録媒体Pが切替ローラ33と当接して搬送されるときに、同記録媒体Pの上下両側を案内支持してカッター24の導入口に搬送するものとしている。従って、図8に示すように、下方向に配置移動した切替ローラ33とガイドローラ34a,34bとが前記第2の加熱加圧手段を回避する回避経路を形成するものとしている。
次に、制御装置50について図9に従って説明する。図9は、制御装置50の電気的構成を示すブロック図である。尚、本実施形態では、制御装置50を回避手段を駆動する装置として説明するが、制御装置50は、インクジェット記録部11及び熱転写部32を駆動するようになっている。
制御装置50は、制御部51を備え、制御部51は、第1駆動回路52を介して、上下動機構53を駆動制御する。上下動機構53は、前記した切替ローラ33と、第2の加熱加圧ローラ23の昇降部23eとを上下動させるように構成されている。さらに、制御部51は、操作スイッチ54の操作により送信される各種命令を受信し、受信した信号に従って第1駆動回路52を駆動制御する。
操作スイッチ54は、第1モードと第2モードとが選択可能に構成されている。第1モードは、転写シートSを記録媒体Pに加熱及び加圧する前記第1の加熱加圧工程と、記録媒体P及び転写シートSとの間の気泡を消失させる前記第2の加熱加圧工程とを行うモードである。第2モードは、第1の加熱加圧工程のみを行い、第2の加熱加圧工程を省略したモードである。操作スイッチ54にて各モードが選択されると、操作スイッチ54から制御部51にモード設定命令が送信される。制御部51は、この命令に従って第1駆動回路52を駆動制御して、上下動機構53を駆動する。
次に、本実施形態の記録媒体Pについて詳述する。記録媒体Pは、紙、塗工紙、インクジェット記録用紙、不織布、各種樹脂フィルムなどが使用できるが、特に高品質の印刷物が要求される場合にはインクジェット記録用紙が好ましい。特に、樹脂被覆紙の少なくとも片面(印刷面)に受容層が形成されたインクジェット記録用紙が好ましい。
樹脂被覆紙(レジンコート紙)は、基材(原紙)の両面にポリエチレン等の樹脂層を設けたもので耐水性に優れる。また、受容層としては、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂を必須成分として含有する、いわゆる膨潤タイプの受容層、シリカやアルミナ等の顔料及びバインダーを必須成分として含有する、いわゆる多孔質材からなる受容層が挙げられる。これらの受容層のうち、特に、後者の多孔質材からなる受容層が好ましい。
この記録媒体Pは、印刷された後に、印刷面に転写シートSが接着可能であればよく、インクジェット記録方式、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、昇華転写方式、溶融転写方式、静電トナー記録方式等によって印刷できる。特に、インクジェット記録方式により、顔料インクを記録媒体Pに吐出して印刷された印刷物(顔料インクジェット印刷物)は、転写シートSの熱転写による、画質及び保存性の向上効果が高く、光沢ムラがなくなることから、本発明の印刷物として最適である。
次に、本実施形態の転写シートSについて詳述する。転写シートSは、耐熱基材と転写
層とを備える。耐熱基材としては、熱転写時における所定の加熱圧着条件下で形状を安定して維持できるような耐熱性を有し、且つ記録媒体Pの印刷面(受容層)上に圧着された転写層から容易に剥離できるものが好ましい。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニルスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂フィルムを使用できる。この基材の厚みは、前記した機能が得られるようにすればよく、特に制限されないが、熱伝導性、密着性、取扱性、熱転写時の気泡の混入防止等の複数の点を考慮すると、8〜60μmが好ましく、10〜50μmが更に好ましい。
転写層は、記録媒体Pの印刷面に転写されて画像を保護する。転写層は、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、アクリル−ウレタン樹脂、ポリビニルアセタール、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレン系樹脂等が使用できる。転写層は、これらの樹脂のうち1種を使用して形成してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、転写層は、単層構造でもよいが、転写性、密着性、耐候性、耐ブロッキング性、耐擦性等の特性をバランス良く具備させるために、さらに単数又は複数の層を積層して、多層構造にすることが好ましい。特に、第1の参考形態のように保護層(転写層S2)に接着層S3を積層して、2層構造からなる転写層を形成することが好ましい。接着層及び保護層を積層する場合、保護層のガラス転移温度は、接着層のガラス転移温度よりも高いことが好ましく、各層のガラス転移温度の差は、10〜100℃程度が好ましい。
具体的には、接着層のガラス転移温度は、記録媒体Pの印刷面(受容層)への密着性等から、−20〜60℃であることが好ましく、−15〜55℃であることがさらに好ましい。保護層のガラス転移温度は、耐ブロッキング性及び耐擦性を良好にするため、30〜130℃が好ましく、35〜125℃がさらに好ましい。
また、転写層には、必要に応じ、シリカ等の無機顔料、ワックス類、成膜助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、耐水化剤、防腐剤、界面活性剤、増粘剤、流動性改良剤、pH調整剤、レベリング剤、帯電防止剤等の各種添加剤を添加することができる。
この保護層及び接着層は、層形成材料を必要に応じて適当な溶剤と混合して調整した塗工液を、前記耐熱基材に塗工して乾燥させることにより形成することができる。塗工は、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーディング法等の各種塗工方法により行うことができる。
さらに、転写層(保護層及び接着層)の厚みは、2〜50μmが好ましく、5〜30μmがさらに好ましい。転写層の厚みが2μm未満の場合、印刷面の保護効果、光沢感の向上等の効果に乏しく、逆に厚みが50μm超では透明性が低下する可能性がある。また、保護層と接着層とを積層する場合、保護層の厚みは1〜28μmが好ましく、接着層の厚みは2〜29μmが好ましい。
次に、前記したように構成された熱転写部32の作用について説明する。まず、ユーザは、操作スイッチ54により前記した第1又は第2モードを選択する。具体的には、記録媒体Pの印刷面(受容層)の、JIS B0601で規定される表面粗さが0.15以上である場合、第1モードを選択する。印刷面の表面粗さが0.15以上である記録媒体Pは、印刷面が微粗面であって、例えば、半光沢調、ラスター調等の独特の風合いを有し、特に銀塩写真調の印刷物を作成するのに適している。尚、半光沢調とは、いわゆる絹目調であって、光沢調とマット調との間の光沢を有する質感である。ラスター調とは、光沢調とマット調との間の光沢を有し、半光沢調よりも若干絹目が粗い質感である。このように
、微粗面を有する記録媒体Pを使用して第1の加熱加圧工程を行う場合、印刷面が微粗面であることから、付着物がなくても印刷面と転写シートSとの間に気泡(非接着空間)が混入されやすい。このため、転写層を記録媒体Pに転写した後に第2の加熱加圧工程を行うことにより、記録媒体Pと転写層との間に混入した気泡を消失させ、気泡の混入のない印刷物を作成することができる。また、第1モードは、印刷面(受容層)の表面粗さが、0.15〜5.0である場合に選択されることが好ましく、0.15〜4.5である場合に選択されることが更に好ましい。これにより、印刷物の質感又は光沢を向上させるとともに、気泡混入を防止できる。
尚、表面粗さは、触針式3次元表面粗さ計を用いて測定されるカットオフ値0.8mmでの表面粗さSRaを意味し、下式1で求められる。
また、JIS B0601で規定される表面粗さが0.15未満の印刷面を有する記録媒体Pを使用する場合は、操作スイッチ54で第2モードを選択する。このような記録媒体Pの場合には、印刷面が平滑であることから、転写シートSと印刷面との間に気泡がほとんど混入されない。従って、気泡の混入のない記録媒体P及び転写シートSに第2の加熱加圧工程を行っても、無駄であるばかりか、転写層の光沢性や質感を損なう可能性がある。このため、印刷面が平滑である場合には、光沢性及び質感を維持するために第2モードを選択して第2の加熱加圧工程を省略する。
この第2モードにおける、第2の加熱加圧手段の回避方法について説明する。まず、制御部51が第1駆動回路52を駆動制御して、第2の加熱加圧ローラ23を下方に移動させるとともに切替ローラ33を下方に移動させる。すると、第2の加熱加圧ローラ22,23は転写層S2を転写した記録媒体Pから離間し、圧力が解除され、記録媒体Pはその上側が切替ローラ33に押圧されて搬送される。つまり、図8のように、転写層(転写層S2、接着層S3)を転写した記録媒体Pは、第2の加熱加圧ローラ22,23を回避し、回避経路を介してカッター24に搬送されることとなる。そして、記録媒体Pをカッター24によって所定の長さに裁断させ、第2の加熱加圧ローラ22,23による加熱工程を回避した印刷物としてのインクジェット記録物Mが形成される。これにより、気泡の混入がなく、光沢感及び質感を向上させたインクジェット記録物Mを作成することができる。
なお、再び第2の加熱加圧ローラ22,23を介する熱転写を行うときには、第2の加熱加圧ローラ23を上側に移動させるとともに切替ローラ33を上側に移動させれば、第1の参考形態と同様な熱転写を施すことができる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、第2の加熱加圧ローラ22,23の下流側に経路切り替え手段を構成する切替ローラ33を配設させた。そして、その切替ローラ33と第2の加熱加圧ローラ23とを下方に配置移動させて、第2の加熱加圧ローラ22,23を転写層(転写層S2、接着層S3)を転写した記録媒体Pから離間させる構成とした。その結果、第2の加熱加圧ローラ22,23を必要としない熱転写を行うことができる。
(2)本実施形態によれば、切替ローラ33と第2の加熱加圧ローラ23とを上下方向に配置移動させる簡単な構成によって第2の加熱加圧ローラ22,23を必要としない熱
転写ができるようにした。その結果、第2の加熱加圧ローラ22,23を使用した熱転写と第2の加熱加圧ローラ22,23を使用しない(回避する)熱転写とを容易に切り替えることができる。
以下に、本発明の実施例及び本発明の効果を示す試験例を挙げ、具体的に説明するが、本発明はこの実施例及び試験例に何ら制限されるものではない。
(転写シートの製造)
光沢用の転写シートSを作成するため、耐熱基材としてPETフィルム(ルミラーS10、東レ(株)製、厚み23μm)を用いた。また、光沢の少ない、いわゆるマット用の転写シートSを作成するため、耐熱基材としてPETフィルム(ルミラーX42、東レ(株)製、厚み23μm)を用いた。これらのフィルムの片側の各前面に、下記の組成の塗工液A及び塗工液Bを順次塗工及び乾燥して、塗工液Aからなる厚み4μmの各保護層に、塗工液Bからなる厚み5μmの各接着層S3を積層して、各転写層をそれぞれ形成した。そして、各転写層を積層した各フィルムを紙管に巻き取って、ロール状の各転写シートS(光沢用及びマット用の2種類)をそれぞれ製造した。
<塗工液Aの組成>
・モビニール8020(コロイダルシリカ含有エマルション、クラリアントポリマー(株)製、ガラス転移温度−22℃);47.6重量%
・モビニール790(アクリルエマルション、クラリアントポリマー(株)製、ガラス転移温度102℃);31.7重量%
・スノーテックス30(コロイダルシリカ、日産化学(株)製);15.9重量%
・サンリーフCLA−3(ワックスエマルション、三洋化成(株)製);3.8重量%
・テキサノール(成膜助剤、チッソ(株)製);1.0重量%
<塗工液Bの組成>
・モビニール727(アクリルエマルション、クラリアントポリマー(株)製、ガラス転移温度16℃);99.0重量%
・テキサノール(成膜助剤、チッソ(株)製);1.0重量%
(印刷物の作製)
顔料インクジェットプリンタ(PM−4000PX、セイコーエプソン(株)製)を用いて、インクジェット記録用紙(記録媒体P)に対して、高精細カラーデジタル標準画像(ISO/JIS−SCID、画像名称「ポートレート」、サンプル番号1、画像の評価認識番号N1)を「推奨きれいモード」で印刷した。そして、質感の異なる3種類の印刷物1、印刷物2、印刷物3をそれぞれ作成した。
・印刷物1(光沢調印刷物):記録媒体Pとして、「写真用紙(光沢)」、セイコーエプソン(株)製を使用した。この記録媒体Pの印刷面のJIS B0601で規定される表面粗さSRaは0.11である。
・印刷物2(半光沢調印刷物):記録媒体Pとして、「写真用紙(半光沢)」、セイコーエプソン(株)製を使用した。記録媒体Pの印刷面の表面粗さSRaは0.71である。
・印刷物3(ラスター調印刷物):記録媒体Pとして、「クリスタリオ専用紙(プレミアムラスターフォトペーパー)、セイコーエプソン(株)製を使用した。この記録媒体Pの印刷面の表面粗さSRaは、0.17である。
尚、記録媒体Pの表面粗さは、微細形状測定機(サーフコーダET4000、(株)小坂研究所製)を用いて、カットオフ値0.8mm、Xピッチ=0.3μm、Yピッチ=2
μm、速度0.05mm/sの条件で求めた。
(インクジェット記録物の作成)
熱転写部32を使用して、上記のように製造した各転写シートSを印刷物1、印刷物2及び印刷物3にそれぞれ熱転写して、4種類の印刷物を作成した。
<実施例1及び実施例2>
光沢調の印刷物1に対して、光沢用の転写シートSを使用して、光沢調のインクジェット記録物を作成し、これを実施例1のサンプルとした。また、印刷物1に対して、マット用の転写シートSを使用して、マット調のインクジェット記録物を作成し、これを実施例2のサンプルとした。各インクジェット記録物を作成する際、第2の加熱加圧工程は省略し、第1の加熱加圧工程のみ行った。熱転写部32における加熱加圧条件は、印刷物1の搬送速度を15mm/s、上側及び下側の第1の加熱加圧ローラ18,19(図1参照)の加熱温度をそれぞれ100℃及び70℃、ニップ圧を10kg/cmに設定した。また、上側の第2の加熱加圧ローラ22の加熱温度を90℃、第2の加熱加圧ローラ22,23のニップ圧を5kg/cmに設定した。
<実施例3>
半光沢調の印刷物2に対して、光沢用の転写シートSを使用して、半光沢調のインクジェット記録物を作成し、実施例3のサンプルとした。このとき、印刷物2に対して第1及び第2の加熱加圧工程を行った。熱転写部32の加熱加圧条件は、実施例1及び実施例2と同様にした。
<実施例4>
ラスター調の印刷物3に対して、光沢用の転写シートSを使用して、ラスター調のインクジェット記録物を作成し、実施例4のサンプルとした。また、この印刷物3に対して第1及び第2の加熱加圧工程を行った。熱転写部32の加熱加圧条件は、実施例1及び実施例2と同様にした。
<比較例1及び比較例2>
印刷物1に対し、光沢用及びマット用の転写シートSを使用して、第1及び第2の加熱加圧工程を行ってインクジェット記録物を作成し、それぞれ比較例1及び比較例2のサンプルとした。即ち、比較例1及び2は、第1の加熱加圧工程に続けて、第2の加熱加圧工程を行う点で実施例1及び2と異なる。
<比較例3及び比較例4>
印刷物2及び印刷物3に対し、光沢用の転写シートSを使用して、第1の加熱加圧工程のみを行ってインクジェット記録物を作成し、それぞれ比較例3及び比較例4のサンプルとした。即ち、比較例3及び4は、第2の加熱加圧工程を省略している点で、実施例3及び4と異なる。
(試験例)
前記した実施例1〜4、比較例1〜4で作成した各サンプルについて、気泡の混入、質感をそれぞれ評価した。
各サンプル(インクジェット記録物)の表面(印刷面)に、気泡の混入があるか否かを目視で判断し、気泡の混入が全く見られないものをA、気泡の混入が見られるものをBとした。
また、光沢調の質感を得るため、印刷物1に対して光沢用の転写シートを使用した場合
に、光沢度が60度以上である場合をA、光沢度が60度未満である場合をBとした。尚、この光沢度はJIS Z8741の20度鏡面光沢度測定方法(PG−1M、日本電色(株)製)で評価している。
マット調の質感を得るため、印刷物1に対してマット用の転写シートを使用した場合、光沢度が10度以下である場合をA、光沢度が10度以上である場合をBとした。
半光沢調の質感を得るため、印刷物2に対して光沢用の転写シートを使用した場合に、光沢度が10〜30度である場合をA、光沢度が30度以上である場合をBとした。
ラスタ調の質感を得るため、印刷物3に対して光沢用の転写シートを使用した場合に、光沢度が10〜30度である場合をA、光沢度が30度以上である場合をBとした。その結果を表1に示す。

(第2の参考形態)
次に、本発明を具体化した第2の参考形態を、図10に従って説明する。なお、この第2の参考形態では、熱転写部の第1及び第2の加熱加圧ローラを変更したものであり、その他の点では第1の参考形態と同一の構成になっている。なお、図10にはインクジェット記録部が図示されていないが、本参考形態においてもインクジェット記録部が設けられている。そのため以下では、第1及び第2の加熱加圧ローラについて詳細に説明することとし、第1の参考形態と共通する構成部分については図面上に同一符号を付すことにして重複した説明を省略する。
さて、図10において、熱転写部42には、第1の加熱加圧ローラ18と第2の加熱加圧ローラ22とが第1の加熱加圧手段を構成する第1の加熱加圧ローラ43と相対向して配置されている。
第1の加熱加圧ローラ43は、その外形が第1の加熱加圧ローラ18及び第2の加熱加圧ローラ22の外形よりも大きい円筒状のローラであり、弾性部43aと、金属ローラ43bとを備えている。
その弾性部43aは、第1の加熱加圧ローラ43の最外周にあってシリコンゴム等からなる合成樹脂によって形成されている。弾性部43aは、その内縁にある金属ローラ43bの全外周を被覆している。金属ローラ43bは、鋼鉄等からなる金属によって形成される円筒状のローラであって、図10における矢印方向へ回転されている。弾性部43aはその金属ローラ43bの回転と連動した回転を可能とされている。昇降部43eは、第1
の加熱加圧ローラ43を位置調節して第1の加熱加圧ローラ18,43間の圧力と、第2の加熱加圧ローラ22と第1の加熱加圧ローラ43との間の圧力とを、それぞれ設定する。なお、第1及び第2の加熱加圧ローラ18,22との圧力は昇降部43eに設けられた図示しない圧力計によって計測されるものとしている。
従って、第1の加熱加圧ローラ43は、図10に示すように、第1の加熱加圧ローラ18との間で第1の加熱加圧工程を行うことが可能となる。そして、その第1の加熱加圧ローラ43は、第2の加熱加圧ローラ22との間で第2の加熱加圧工程を行うことが可能となる。
第2の加熱加圧ローラ22の下流側には、ガイドローラ44a,44bが配置されている。ガイドローラ44a,44bは、カッター24の図示しない導入口と相対向して配設されている。そのガイドローラ44a,44bは、転写層S2を転写した記録媒体Pの上下両側を案内支持してカッター24の導入口に搬送するものとしている。
即ち、第1の加熱加圧ローラ18,43間に記録媒体Pと転写シートSとを搬入させて、第1の加熱加圧工程を行い、剥離工程を介して転写層S2を転写した記録媒体Pを第1の加熱加圧ローラ43の外周に沿って搬送し、第2の加熱加圧ローラ22と第1の加熱加圧ローラ43との間に搬入する。そして、第2の加熱加圧ローラ22と第1の加熱加圧ローラ43とによって転写層S2を転写した記録媒体Pが再度加熱加圧される。その結果、記録媒体Pの表面凹凸形状に沿った接着層S3と転写層S2とを有する記録媒体Pが形成され、第2の加熱加圧工程が終了する。そして、ガイドローラ44a,44bに従い記録媒体Pをカッター24に搬送させることによって熱転写が終了するとともに印刷物としてのインクジェット記録物Mが形成される。
上記第2の参考形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本参考形態によれば、第1の加熱加圧手段と第2の加熱加圧手段とを、第1の加熱加圧ローラ18,43と第2の加熱加圧ローラ22とからなる、即ち、3対のローラによって形成させた。その結果、熱転写部の構成を簡単にすることができる。
(2)本参考形態によれば、第1の加熱加圧ローラ43上に第1の加熱加圧ローラ18と第2の加熱加圧ローラ22と配置させた。その結果、第1の加熱加圧ローラ18から第2の加熱加圧ローラ22までの搬送経路を短縮することができる。そのため、記録媒体Pの表面凹凸形状に沿った熱転写の生産性を向上させることができる。
なお、上記実施形態または各参考形態は以下のように変更してもよい。
○上記実施形態または各参考形態では、第1の加熱加圧手段としての第1の加熱加圧ローラ(18,19)と第2の加熱加圧手段としての第2の加熱加圧ローラ(22,23)の間に剥離手段を設けた。これを変更し、第2の加熱加圧ローラ(22,23)の下流側に剥離手段を設けてもよい。
○上記実施形態または各参考形態では、第1の加熱加圧手段を構成する第1の加熱加圧ローラ18,19,43の最外周に弾性部18a,19a,43aを設けた。これを変更し、金属ローラ18b,19b,43bの最表面を第1の加熱加圧ローラ18,19,43の最外周としてもよい。また、第2の加熱加圧手段を構成する第2の加熱加圧ローラ22,23の最外周に弾性部22a,23aを設けたが、金属ローラ22b,23bの最外周を第2の加熱加圧ローラ22,23の最外周としてもよい。さらには、第1の加熱加圧ローラ18,19,43の最外周及び第2の加熱加圧ローラ22,23の最外周を金属ローラとしてもよい。
○上記第1の参考形態及び実施形態では、第1の加熱加圧ローラ18,19はヒータを有する加熱型のローラとしたが、これを変更して、第1の加熱加圧ローラ18がヒータを有しない非加熱型のローラとしても良い。また、第1の加熱加圧ローラ19がヒータを有しない非加熱型のローラとしても良い。
○上記第1の参考形態及び実施形態では、第2の加熱加圧ローラ22,23であって記録媒体Pの下側にある第2の加熱加圧ローラ23がヒータを有しない非加熱型のローラとして熱転写部12,32を構成したが、これを変更し、第1の加熱加圧ローラ18,19と同様にヒータと温度計測部とを有する加熱型のローラであってもよい。また、第1の加熱加圧ローラ18,19であって記録媒体の下側にある第1の加熱加圧ローラ19を加
熱型のローラとしたが、これを変更し、第2の加熱加圧ローラ23と同様に非加熱型のローラであってもよい。
○上記第参考形態では、第1の加熱加圧ローラ43がヒータを有しない非加熱型のローラとして熱転写部42を構成したが、加熱型のローラであってもよい。
○上記実施形態または各参考形態では、転写シートSを耐熱基材S1と転写層S2と接着層S3とから形成させる3層構造としたが、耐熱基材S1と熱接着性を有する転写層S2とから形成される2層構造であってもよい。この場合、転写層S2は、接着層としての機能も有するものとする。
○第1の参考形態及び実施形態では、記録媒体P上に塵や埃等の付着物Dによって形成される受容層P2上の凹凸形状に熱転写を施したが、受容層P2が表面凹凸形状に形成される記録媒体P、例えばマット紙やラスター紙であってもよい。
○第1の参考形態では、第2の加熱加圧工程の設定温度を80℃とした。この設定温度は、60℃〜100℃の範囲であるのが好ましい。
○第1の参考形態では、第2の加熱加圧工程の設定圧力を5kg/cmとした。この設定圧力は、3〜7kg/cmの範囲であるのが好ましい。
第1の参考形態の熱転写装置を備えるインクジェット記録装置を説明する説明図。 記録媒体の要部断面図。 転写シートの要部断面図。 第1の加熱加圧工程を経る前の記録媒体の要部断面図。 第1の加熱加圧工程を経た圧着物の要部断面図。 剥離工程を経た圧着物の要部断面図。 第2の加熱加圧工程を経た圧着物の要部断面図。 実施形態の熱転写装置を備えるインクジェット記録装置を説明する説明図。 回避手段を制御する制御装置を説明するブロック図。 2の参考形態の熱転写装置を備えるインクジェット記録装置を説明する説明図。
符号の説明
11…インクジェット記録部、12,32,42…熱転写部、13…給紙ローラ、14a,14b…ガイドローラ、15a…インクカートリッジ、15b…キャリッジ、15c…記録ヘッド、16…プラテン、17…転写シート供給手段としてのシート給紙ローラ、18,19,43…第1の加熱加圧手段としての第1の加熱加圧ローラ、18c,19c…調整手段を構成するヒータ、18d,19d…調整手段を構成する温度計測部、19e,23e,43e…調整手段を構成する昇降部、20…剥離手段を構成するガイドローラ、21…剥離手段を構成する巻き取りローラ、22,23…第2の加熱加圧手段としての第2の加熱加圧ローラ、33…回避手段を構成する切替ローラ、34a,34b…回避手
段を構成するガイドローラ、P…記録媒体、P1…基板、P2…受容層、S…転写シート、S1…耐熱基材、S2…転写層、S3…転写層を構成する接着層、SRa…表面粗さ、A…非接着空間。

Claims (10)

  1. 耐熱基材と転写層とを備える転写シートと記録媒体を重ね合わせた状態で、互いに向い合う2つの第1の加熱加圧ローラの間で前記転写シートと前記記録媒体を加熱加圧して前記転写層を前記記録媒体に圧着させる第1の加熱加圧工程を有する熱転写方法において、
    前記記録媒体の印刷面におけるJIS B0601に基づく表面粗さが0.15以上である場合には
    前記記録媒体に対し、前記記録媒体に圧着された前記転写層を互いに向い合う2つの第2の加熱加圧ローラの間で加熱加圧する第2の加熱加圧工程を行い、且つ該第2の加熱加圧工程では、2つの前記第1の加熱加圧ローラと2つの前記第2の加熱加圧ローラとの間における前記転写層よりも上方に配置された切替ローラを前記転写層から離間させ、
    前記記録媒体の印刷面における前記表面粗さが0.15未満である場合には
    前記記録媒体に対し、前記第1の加熱加圧工程のみを行い、且つ搬送される前記記録媒体上の前記転写層との接触により前記切替ローラを回転させつつ該切替ローラで前記転写層を下方へ押圧するとともに、前記転写層が圧着された前記記録媒体が2つの前記第2の加熱加圧ローラから離れるように、前記転写層よりも上方に配置された前記第2の加熱加圧ローラの位置を固定し、且つ前記転写層よりも下方に配置された前記第2の加熱加圧ローラを下方へ移動する
    ことを特徴とする熱転写方法。
  2. 請求項に記載の熱転写方法において、
    前記第1の加熱加圧工程と前記第2の加熱加圧工程のいずれか一方の工程の後に、前記記録媒体に圧着する前記転写シートから前記耐熱基材を剥離する剥離工程を有することを特徴とする熱転写方法。
  3. 請求項1または2に記載の熱転写方法において、
    前記第2の加熱加圧工程での前記転写層に供給する温度及び圧力は、前記第1の加熱加
    圧工程の温度及び圧力よりもそれぞれ小さいことを特徴とする熱転写方法。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の熱転写方法において、
    前記記録媒体が、顔料インクにより印刷されていることを特徴とする熱転写方法。
  5. 請求項に記載の熱転写方法において、
    前記記録媒体は、基材を樹脂層で被覆してなる樹脂被覆紙からなり、前記印刷面には顔料インクを受容する受容層が設けられていることを特徴とする熱転写方法。
  6. 耐熱基材と転写層とを備える転写シートを記録媒体に重ね合わせた状態で、前記転写シートと前記記録媒体を加熱加圧して前記転写層を前記記録媒体に圧着させる互いに向い合う2つの第1の加熱加圧ローラを有する熱転写装置において、
    前記第1の加熱加圧ローラにて前記転写層が圧着された前記記録媒体を再度加熱加圧する互いに向い合う2つの第2の加熱加圧ローラと、
    前記第1の加熱加圧ローラと前記第2の加熱加圧ローラとの間における前記転写層よりも上方に配置され、前記記録媒体に圧着された前記転写シートの前記転写層を2つの前記第2の加熱加圧ローラから回避させる切替ローラとを備え、
    JIS B0601に基づく表面粗さが0.15以上である印刷面を有した前記記録媒体に適用されて、前記第2の加熱加圧ローラが前記記録媒体を加熱加圧するとともに、前記切替ローラが前記転写層の上方へ離間する第1モードと、
    前記表面粗さが0.15未満である印刷面を有した前記記録媒体に適用されて、搬送される前記記録媒体上の前記転写層との接触により前記切替ローラ回転しつつ前記転写層を下方へ押圧するとともに、前記転写層が圧着された前記記録媒体が2つの前記第2の加熱加圧ローラから離れるように、前記転写層よりも上方に配置された前記第2の加熱加圧ローラの位置が固定され、且つ前記転写層よりも下方に配置された前記第2の加熱加圧ローラが下方へ移動する第2モードとを有する
    ことを特徴とする熱転写装置。
  7. 請求項に記載の熱転写装置において、
    前記記録媒体に圧着する前記転写シートから前記耐熱基材を剥離する剥離手段を備えたことを特徴とする熱転写装置。
  8. 請求項6または7に記載の熱転写装置において、
    2つの前記第2の加熱加圧ローラの温度及び圧力は、2つの前記第1の加熱加圧ローラの温度及び圧力よりもそれぞれ小さいことを特徴とする熱転写装置。
  9. 請求項のいずれか一つに記載の熱転写装置において、
    2つの前記第2の加熱加圧ローラは、その温度及び圧力の少なくとも一方を調整する調整手段を備えたことを特徴とする熱転写装置。
  10. 記録媒体の上にインク滴を吐出して画像を形成する記録手段と、請求項のいずれか一つに記載の熱転写装置を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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