JP4956378B2 - 電動式車両姿勢制御装置 - Google Patents
電動式車両姿勢制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4956378B2 JP4956378B2 JP2007288490A JP2007288490A JP4956378B2 JP 4956378 B2 JP4956378 B2 JP 4956378B2 JP 2007288490 A JP2007288490 A JP 2007288490A JP 2007288490 A JP2007288490 A JP 2007288490A JP 4956378 B2 JP4956378 B2 JP 4956378B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- control
- vehicle
- electric motor
- electric
- vehicle height
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Vibration Prevention Devices (AREA)
- Vehicle Body Suspensions (AREA)
Description
なお、車高調整装置を空気圧式にしても同様の問題が生じる。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、車高調整装置の高さが加わらないので、車室の広さを犠牲にせず、シンプルな構造の車両姿勢制御装置を提供することを目的とする。
電動ダンパ変換機構による伸び側の制御の場合であっても、電動モータを駆動制御するときには、Hブリッジ回路のバッテリからの電力供給側に近い方の2つのスイッチング素子のうちの一方をオンとし、他方をオフとし、電力供給側に遠い方の2つのスイッチング素子のうちの前記一方と対角位置にあたるスイッチング素子をPWM制御し、前記他方と対角位置にあたるスイッチング素子をオフとし、
電動モータを回生制御するときには、Hブリッジ回路のバッテリからの電力供給側に近い方の2つのスイッチング素子のうちの前記他方をPWM制御し、電力供給側に遠い方の2つのスイッチング素子を共にオフとし、
電動ダンパ変換機構による縮み側の制御の場合であっても、電動モータを前記駆動制御するときには、Hブリッジ回路のバッテリからの電力供給側に近い方の2つのスイッチング素子のうちの前記一方をオフとし、前記他方をオンとし、電力供給側に遠い方の2つのスイッチング素子のうちの前記一方と対角位置にあたるスイッチング素子をオフとし、前記他方と対角位置にあたるスイッチング素子をPWM制御し、
電動モータを回生制御するときには、Hブリッジ回路のバッテリからの電力供給側に近い方の2つのスイッチング素子のうちの前記一方をPWM制御し、電力供給側に遠い方の2つのスイッチング素子を共にオフとし、
電動ダンパ変換機構による伸び側の制御の場合又は縮み側の制御の場合であっても、電動モータを駆動制御するときと回生制御するときとでは、前記4つのスイッチング素子の制御パターンを切り換えることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明の構成に加え、車両姿勢制御手段は、少なくとも車高に関わる目標値を含む第一目標値の正負を判断し、第一目標値が正の場合には、第一目標値にダンパ制御目標値を加算して、加算結果が正のときには、電動モータを駆動制御とし、加算結果が負のときには、電動モータを回生制御とし、第一目標値が負の場合には、第一目標値にダンパ制御目標値を加算して、加算結果が正のときには、電動モータを回生制御とし、加算結果が負のときには、電動モータを駆動制御とすることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項4に記載の発明の構成に加えて、車高の制御に対してのみ予め設定された車高に係わる目標値が、所定の幅を有し、この幅から低周波の信号が外れた場合に電動モータを制御して、車高の制御を行なうことを特徴とする。
更に、車高の制御を実施しないときは、回生制御による電力の回収を可能にし、省エネに寄与する。
しかも、サスペンション装置全体の高さを低くできるので、スポーツカーやRV車等の車種適用の範囲を拡大できると共に、車高をより低く保持できる。
しかも、サスペンション装置全体の高さを低くできるので、車高重心をより低く保持できる。それにより加減速の前のめり量と後ろ沈み量を小さくできる。
《第1の実施形態》
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる電動式車両姿勢制御装置を適用した車両用サスペンション装置を備えた車両の、背面から見た模式図である。図2は本実施形態における電動ダンパ装置用の電動ダンパ変換機構の断面構造図である。図3は図2におけるA−A部分断面図である。
本発明の特徴は、後述する電動ダンパ変換機構と、ストロークセンサと、ダンパ制御ECUと、モータ駆動部等とで構成される電動ダンパ装置が車両の姿勢制御をする電動式車両姿勢制御装置を兼ねている点である。
図1では、直接にはリアサスペンションを示しているが、フロントサスペンションは、図1における車輪支持部材23がステアリングナックルに置き換わるだけであり、基本的にリアサスペンションと同じ構成であり( )にフロントサスペンションにおける符号を示してある。ここで、左右前輪に係わる構成で、説明上区別するときには数字符号の後ろに左前輪を示すFL、右前輪を示すFRを付し、例えば、単に車輪25と表示せず車輪25FL,25FRと表示し、左右後輪に係わる構成で、説明上区別するときには数字符号の後ろに左後輪を示すRL、右後輪を示すRRを付し、例えば、単に車輪25と表示せず車輪25RL,25RRと表示する。他の各車輪25に係わるサスペンション装置20及びその構成についても同様である。
本実施形態では、左右の前輪25FL,25FR及び左右の後輪25RL,25RRすべてのサスペンション装置20FL,20FR,20RL,20RRに電動ダンパ装置の電動ダンパ変換機構30FL,30FR,30RL,30RRを備えた場合を例に説明する。
図1に示すように、車両10は車体11に左右一対の車両用サスペンション装置(以下、単にサスペンション装置と称する)20FL,20FR、及びサスペンション装置20RL,20RRを備えている。車体11は、前後左右の上部にサスペンション取付部11a,11a,11a,11aを有している。サスペンション装置20FL,20FR,20RL,20RRは、車両10のフロントサスペンション、又はリヤサスペンションとして採用され、車体11には左右の車輪25FL,25FR,25RL,25RRを懸架する。
以下、重複する説明を省略するため、左側の電動ダンパ変換機構30RL(30FL)を例に詳細な構成を説明する。
図1に示すように、コイルスプリング(ばね機構)36は、車輪25RL(25FL)に作用した車体重量を支えつつ、上下方向の振動や衝撃力を吸収する緩衝装置である。図2に示すように、このコイルスプリング36は、電動ダンパ変換機構30RL(30FL)の下部側に配置され、電動モータ35RL(35FL)に対してロッド32により下方向に離れた位置に、ロッド32と同軸に、つまり、後記するダンパハウジング31のロッド部42をコイルスプリング36のコイル内径内方に収容して配置されている。このコイルスプリング36の上端部36aはロッド部42の上方側に固定されたばね座71(図2参照)に、下端部36bはロッド32の下方側の端部32aに固定されたばね座72(図2参照)にそれぞれ、個別に取り付けられている。このコイルスプリング36は、ばね座71とばね座72の間に介在することにより、ダンパハウジング31のロッド部42とロッド32とを、上下軸方向に互いに離反する方向へ付勢する。
《電動ダンパ変換機構》
図1に示すように、電動ダンパ変換機構30RL(30FL)は、主にダンパハウジング31と、ロッド32(図2参照)と、ラックアンドピニオン機構33(図2参照)と、電動モータ35RL(35FL)からなる。
ここで、本実施形態におけるラックアンドピニオン機構33が請求項に記載の変換器機構に対応する。
なお、連結部47は、ロアアーム22にスイング可能に接続されていても良い。
図2に示すように、電動ダンパ変換機構30RL(30FL)の上部には、そのモータ軸35a(図3参照)が、ロッド32の上部の外周面に設けられたラックギア51の軸方向と略直角をなすように取り付けられている。モータ軸35aにはピニオン軸53が接続され、ピニオン軸53に設けられたピニオンギア52と、前記したラックギア51が、噛み合いラックアンドピニオン機構33を構成している。ラックアンドピニオン機構33は、ラックピニオン部41の内部に収納され、ピニオン軸53はその両端部を、ラックピニオン部41に固定された軸受54,55により回転可能に支持されている。
電動モータ35RL(35FL)は、フランジによりラックピニオン部41に固定されている。
これに対し、本実施形態では、円形断面のロッド32の外周面にラックギア51を有するので、ロッド32を収容するラックピニオン部41を小型にすることができる。
電動モータ35RL(35FL)は、例えば、ブラシ付き直流モータからなり、ラックピニオン部41のフランジ部に取り付けられている。電動モータ35のモータ軸35aとピニオン軸53の連結方法としては、例えば、図3に示すようにセレーションによる連結でも良いし、又は、図示せぬカップリングによる連結でも良い。
次に図4を参照しながら適宜図1を参照して電動ダンパ装置の変位量検出センサ80の詳細な構成を説明する。
なお、変位量検出センサ80は、各車輪25FL,25FR,25RL,25RRと車体11との上下方向の相対位置、つまり、請求項に記載の「車高に係わる量」を検出するためのセンサであり、請求項に記載のストロークセンサに対応する。
変位量検出センサ80を個別に区別する必要がある場合は、前記したように符号80の後ろに符号FL,FR,RL,RRを付加するが、その必要がないときは単に変位量検出センサ80と称する。
図4に示すように、変位量検出センサ80は、スイングロッド82の一方の端部82aがロアアーム22(図1参照)に回動可能に接続され、他の端部82bがセンサハウジング81から突出した伝達機構84の軸と回動可能に接続し、伝達機構84がセンサハウジング81内のポテンショメータ85に接続されて構成されている。
サスペンション装置20は、コイルスプリング36のコイル内径の内方側に、同軸に電動ダンパ変換機構30のロッド32及びそれを収納するダンパハウジング31の下部側のロッド部42を収容し、コイルスプリング36の上端部36aを固定するロッド部42に固定されたばね座71よりも上側にラックアンドピニオン機構33や電動モータ35が配置されている。
つまり、電動ダンパ変換機構30の構成部品のうちロッド32のみがコイルスプリング36の「ばね下荷重」に含まれる極めて軽量な構造になっている。
しかも、従来の油圧式ダンパ措置のように、コイルスプリング36のコイル径内方に大径の油圧用ピストンを設ける必要は無いので、コイルスプリング36のコイル径を小さく設定することができ、コイルスプリング36の設計の自由度が高まるとともに、小型化、軽量化を図ることができる。
次に、電動ダンパ装置の制御回路について、図5を参照しながら適宜図6、図7を参照して説明する。図5は、電動ダンパ装置の制御回路のブロック構成図であり、図6はモータ駆動部のブリッジ回路の構成例としてHブリッジ回路を示す図である。
図5に示すように、電動ダンパ装置3(図5中、3FL,3FR,3RL,3RRと表示)の制御回路は、電動式車両姿勢制御装置1の制御回路を兼ねており、バッテリ101と、メインスイッチ102と、メインリレー103と、車速センサ104と、各車輪の変位量検出センサ80(図5中、80FL,80FR,80RL,80RRと表示)と、ダンパ制御ECU(Electric Control Unit)105、各電動ダンパ装置3のモータ駆動部106(図5中、106FL,106FR,106RL,106RRと表示)と、前後加速度センサ107とを含んで構成される。
ダンパ制御ECU105は、各変位量検出センサ(図5中80FL,80FR,80RL,80RRと表示)からの信号にもとづき各電動ダンパ変換機構30の電動モータ35(図5中、35FL,35FR,35RL,35RRと表示)を駆動して、各車輪25(図1参照)の上下動のダンパ制御、各車輪25の平均上下位置を制御する姿勢制御機能を有する部分であり、ワンパルス発生回路111、マイクロコンピュータ113、その入力信号用の入力インタフェース回路112、マイクロコンピュータ113からの出力信号用の出力インタフェース回路114、マイクロコンピュータ113の故障検出のためのウォッチドックタイマ回路115、リレー駆動回路116等を含んでいる。
入力インタフェース回路112は、変位量検出センサ80のスイング角変化に対応する抵抗変化を電圧に変換するハーフブリッジ回路や車速センサ104からのパルス信号を波形整形するシュミットトリガ回路や後記するモータ電流センサ124(図5中、124FL,124FR,124RL,124RRと表示)からの信号を増幅するアンプ回路や、それぞれの信号のノイズを除去するローパスフィルタ等から構成される。これらの電圧変換、又は増幅された信号はマイクロコンピュータ113のA/Dポートへ、又、車速信号のようなパルス状の波形整形された信号は、直接入力ポートに接続される。
ウォッチドックタイマ回路115は、マイクロコンピュータ113が正常のときは、マイクロコンピュータ113がリレー駆動回路116に制御信号を出してリレー駆動回路116を駆動し、メインリレー103をオンにする。
また、マイクロコンピュータ113は、その他にも自身の故障診断制御フローにより異常状態を検出したときは、リレー駆動回路116を介してメインリレー103をオフにする。
ブリッジ回路122は、図6に示すように、電動モータ35がブラシ付き直流モータの場合は、例えば、4個のNチャンネルエンハンスメント型のFET(Fieid Effect Transistor:電界効果型トランジスタ)91A,91B,91C,91Dのスイッチング素子をH字状に結線した、いわゆるHブリッジ回路である。
本実施形態では、電動モータ35を姿勢制御のため伸び側、つまり、ロッド32(図2参照)を下方に駆動するモータ電流を「正」、縮み側、つまり、ロッド32を上方に駆動するモータ電流を「負」と定義する。
ただし、ダンパ制御の場合は、ブレーキ制御なので逆になる。即ち伸び側、つまりロッド32が下方に移動させられているときは、モータ電流を「負」に流してブレーキ作用を利用して下方の移動を減衰し、そして縮み側、つまり、ロッド32が上方移動されているときには、モータ電流を「正」に流してブレーキ作用を利用して上方の移動を減衰する。
なお、このオン、オフ制御の中には、PWM(Pulse Width Modulation)制御も含まれる。
伸び側駆動の場合、(a)に示すように、昇圧回路123を介してFET91Aはオン状態に保たれ、FET91B、91Dはオフ状態に保たれ、FET91Cは通常のバッテリ電圧でPWM制御のオン、オフ動作の制御を受ける。PWM制御のオン状態では、実線のように、バッテリ101(図5参照)からの電流は、ブリッジ回路122の入力側から入り、FET91Aのドレイン側からソース側に流れ、電動モータ35を経て、FET91Cのドレイン側からソース側に流れ、最後にアースに流れる。PWM制御のオフ状態では、FET91Aのドレイン側からソース側に流れた電流は、電動モータ35を経た後、FET91Dのソース側からドレイン側に戻り、ブリッジ回路122の入力側に戻る。
ダンパ制御のときは、上記電流の流れに加えてバッテリ101へモータ電流を戻す回生駆動制御が実施される。
次に図8から図15を参照しながら適宜図1、図5を参照してマイクロコンピュータにおける電動式車両姿勢制御装置の制御機能について説明する。
図8は、電動式車両姿勢制御装置全体の制御の制御機能ブロック図である。
マイクロコンピュータ113は、図示しないROM,RAM、フラッシュメモリ等のメモリ、CPUから構成されており、電動ダンパ装置3FL,3FR,3RL,3RRそれぞれに含まれる電動ダンパ変換機構30FL,30FR,30RL,30RRの制御は、前記ROMに格納されたプログラムや、フラッシュメモリに格納された各種データを用いてCPUにおいて図8の制御部200として示した機能が実行される。
故障診断部201における車速センサ104や変位量検出センサ80の故障判定は、例えば、正常時には検出電圧信号が所定の範囲に入るように設定しておいて、車速センサ104、変位量検出センサ80からの信号が所定の範囲に入らない場合を故障と判定する。
また、車高制御部204は、後記する目標値部204aを有し、スタビライザ制御部205は後記するスタビライザ制御電流マップ205a及び車速補正マップ205bを有し、加減速時姿勢制御部209は加減速時制御電流マップ209aを有している。
なお、図8においては、ダンパ制御部202には個々の電動モータ35を個別に制御する目標駆動電流値IBを計算して駆動回路出力部207へ出力するダンパ制御部202A〜202Dが含まれること、平均変位量算出部203には車輪25の個々の平均変位量Ave(St)(図8中、Ave(St)FL,Ave(St)FR,Ave(St)RL,Ave(St)RRと表示)を個々に算出して、車高制御部204へ出力する平均変位量算出部203A〜203Dが含まれることを示している。
スタビライザ制御部205は、4つの変位量StFL,StFR,StRL,StRRにもとづいて個々の電動モータ35を個別に制御する目標駆動電流値Irを算出して駆動回路出力部207へ出力する。
ダンパ制御部202における詳細な制御の方法は、後記する図10の機能ブロック図の説明の中で説明する。車高制御部204における詳細な制御の方法は、図12のフローチャートの車高制御の方法のところで後記し、スタビライザ制御部205における詳細な制御の方法は図13のフローチャートのスタビライザ制御の方法のところで後記する。
加減速時姿勢制御部209は、前後加速度にもとづいて前記個々の電動モータ35を個別に制御する目標駆動電流値IACを算出して駆動回路出力部207へ出力する。加減速時姿勢制御部209の詳細な制御についても、後記する。
次に図9を参照しながら、適宜図5、図8を参照して、電動式車両姿勢制御装置1における全体の制御フローについてに説明する。
図9は電動式車両姿勢制御装置における全体制御のメインフローチャートである。
車両10の、例えば、キースイッチ102を回してオンにすると、ダンパ制御ECU105にバッテリ101からの電源電圧が供給される。そうするとこの電源投入を制御ECU105内の微分回路111が検出してマイクロコンプピュータ113をリセットして、このマイクロコンプピュータ113に予め設定されたプログラムが、図示しない水晶発振器からのクロック信号に同期して動作を始める。
そして、車高制御部204が、目標車高Hと不感帯2hを読み込み(ステップS1)、車高制御の目標駆動電流Ih=0にリセットする(ステップS2)。
次にステップS3(各センサ信号の読み込み)では、変位量検出センサ80(図5中、80FL,80FR,80RL,80RRと表示)からの信号や車速センサ104からの信号や電流センサ124(図5中、124FL,124FR,124RL,124RRと表示)からの信号、前後加速度センサ107からの信号等が読み込まれる。
次に図10、図11を参照しながら、ダンパ制御量計算の方法について詳細に説明する。
図10は、図8に示されたダンパ制御部202A〜202Dにおけるダンパ制御機能の詳細な機能ブロック図である。図11の(a),(b)はダンパ制御機能に用いられる変位速度に応じた予め設定された基準駆動電流マップを説明する図であり、(a)は伸び側(車輪が下方に変位)の場合に対するものであり、(b)は縮み側(車輪が上方に変位)の場合に対するものであり、(c)は車速に応じて(a)、(b)で求められた駆動電流を補正する予め設定された車速補正マップを説明する図である。
ダンパ制御部202A〜202Dは、変位速度算出部221、基準電流算出部222、補正係数算出部223、補正部224、粘性補正電流算出部225、慣性補正電流算出部226、及び加算補正部227を含んでいる。基準電流算出部222は、後記する第1及び第2の基準電流マップ222a、222bを有し、補正係数算出部223は後記する車速補正マップ223aを有している。
これらの各構成部における処理は、一定の周期で実行され、例えば、1msecの周期で実行される。
基準電流算出部222は、変位速度Svの正負に応じて、車体11に対して車輪25の変位の方向が上下どちらの方向であるかを判断する。そして、変位速度Svが、例えば、正の場合、電動ダンパ変換機構30が伸びる方向(車輪25が車体11に対して相対的に下方に移動する場合)の動きをしていると判断して図11の(a)に示す第1の基準電流マップ222aを参照して変位速度Svに対応した基準駆動電流値Iexを算出する。一方、変位速度Svが、例えば、負の場合、電動ダンパ変換機構30が縮む方向(車輪25が車体11に対して相対的に上方に移動する場合)の動きをしていると判断して図11の(b)に示す第2の基準電流マップ222bを参照して変位速度Svに対応した基準駆動電流値Iexを算出する。
図11の(a),(b)に示すように電動ダンパ変換機構30の伸び側と縮み側とで基準駆動電流Iexの特性を変えているが、変位速度Svが大きいほど基準駆動電流Iexを大きくする。
伸び側と縮み側で基準駆動電流Iexを違えているのは、伸び側の場合、変位速度Svが変位速度Sv1以上、変位速度Sv2までの間では、車輪25の路面への追従性を向上して、追従遅れによる車体11の浮き沈みを小さくして乗り心地を良くするためである。また、伸び側の場合よりも縮み側において、電動モータ35の発電により、車輪25の上下動によるコイルスプリング36の伸縮振動を吸収して振動を安定化させる方向に制御するためである。
ここで、車速補正マップ223aは、予め実験によって得られたデータにもとづいて、マップデータとして、マイクロコンピュータ113(図5参照)のフラッシュメモリの中に格納されている。この車速補正マップは、図11の(c)に示すように車速VsのVmin1、Vmax1間で車速Vsに応じて変化し、車速Vsが大きいほど基準駆動電流Iexを大きく設定する。
補正部224では、補正係数算出部223によって算出された車速補正係数Kdvを基準電流算出部222から入力された基準駆動電流Iexに乗じて補正し、補正された基準駆動電流Iex’を加算補正部227に入力する。
この補正により、ダンパ減衰力は車速Vsが大きいほど効くようにし、高速安定性を向上するようにしている。
電動モータ35が実際に発生する減衰力は、基準減衰力の値から電動モータ35内の内部損失(機械的な内部損失と慣性による損失)を減じた値である。この点を考慮して粘性補正電流算出部225では、変位速度Svに応じた機械的な内部損失に相当する損失電流である粘性補正電流I1を算出し、加算補正部227に入力する。具体的には、粘性補正電流I1は、変位速度Svに所定の定数を乗じて粘性補正電流I1を算出する。
加算補正部227では、基準駆動電流Iex’に粘性補正電流I1と慣性補正電流I2を加算補正して目標駆動電流値IBを設定し、駆動回路出力部207に入力する。
(姿勢制御量の計算:サブルーチン)
先ず、図12を参照しながら、適宜図8を参照して姿勢制御(車高制御)量の計算の方法について詳細に説明する。
図12は、車高制御部における、車両の車高を制御する姿勢制御量の計算処理の流れを示すフローチャートである。
ここでは、車両10の各車輪25の車体11に対する上下方向の相対位置で車高を制御する車高制御部204(図8参照)において、一定の周期で、例えば、1msecの周期で制御するものである。車高制御部204の前記した目標値部204aは、後記する目標車高(車高に係わる目標値)Hと不感帯(ヒステリシス)2hのデータを格納している。
具体的には、前輪25FL,25FRに対して一つの目標車高Hが、又、後輪25RL,25RRに対して前輪25FL,25FRとは別の目標車高Hが予め設定されて、具体的には前記マイクロコンピュータ113のフラッシュメモリに記憶されている。また、目標車高Hに対して不感帯(ヒステリシス)2hの値もフラッシュメモリに記憶されている。
そして、ここではスイング角である変位量Stは、電圧変換値2.5Vを基準値として、2.5Vより大きい側を伸び側とし、2.5Vより小さい側を縮み側に設定しているので、基準値より大きいとは、車体11の沈み込み量が小さい、つまり車高が高いと定義する。
ステップS14では、平均変位量Ave(St)がH+hの値より大きいか否かをチェックする。平均変位量Ave(St)がH+hの値より大きい場合(Yes)はステップS16に進み、平均変位量Ave(St)がH+hの値以下の場合(No)はステップS15に進む。
ステップS16では、−〔Ave(St)−H〕の値に、定数のゲインKを乗じたものを車高補正ためのモータ偏差電流値ΔIhとする。つまり、スイング角である平均変位量Ave(St)が、目標車高のスイング角Hに不感帯の半値hを加算した値よりも大きいので、車高が目標車高Hよりも高いと判定して、電動モータ35に対して縮め側の駆動をするようにモータ偏差電流値ΔIhを算出する。
そして、ステップS17において、前回の車高補正のための目標駆動電流値Ihに対して変化分のΔIhを加算して、今回の車高補正のための目標駆動電流値Ihとする。ステップS18では、目標駆動電流値Ihを当該の車輪25に対応する駆動回路出力部207に出力し、駆動回路出力部207において当該の車輪25のモータ駆動部106を実際に制御させる。ステップS18の後、メインフローチャートに戻り、ステップS6のスタビライザ制御に移行する。
また、車高補正のための目標駆動電流値Ihを車高補正ためのモータ偏差電流値ΔIhの時間積分としているので、一時的な偏差増大による大きなフィードバックが効かないようにしていることになり、安定した姿勢制御がなされる。
次に図13、図14を参照しながら、適宜図8を参照してスタビライザ制御の方法について詳細に説明する。
図13は、スタビライザ制御部における、左右の車両の車輪の変位差を制御するスタビライザ制御量の計算処理の流れを示すフローチャート(サブルーチン)である。図14の(a)はスタビライザ制御機能に用いられる左右の車輪の変位差に応じた予め設定されたスタビライザ制御電流マップを説明する図であり、(b)は車速に応じて(a)で求められたスタビライザ制御の目標駆動電流値を補正する予め設定された車速補正マップを説明する図である。
スタビライザ制御電流マップ205a及び車速補正マップ205bは、予め実験によって得られたデータにもとづいて、マップデータとして、マイクロコンピュータ113(図5参照)のフラッシュメモリの中に格納されている。
ステップS53では、差分Δsの値に応じて図14の(a)に示すような予め設定されているスタビライザ制御電流マップ205aを参照してスタビライザ制御のための左車輪側の目標駆動電流値IrL=Rr1とし、スタビライザ制御のための右車輪側の目標駆動電流値IrR=−Rr1とする。ここで、Rr1は、ステップS51で得られた差分Δsのサンプル値Δs1の絶対値|Δs1|に対応する値である。
ステップS55では、ステップS53と同様にスタビライザ制御のための左車輪側の目標駆動電流値IrL=−Rr1とし、スタビライザ制御のための右車輪側の目標駆動電流値IrR=Rr1とする。
ステップS56では、スタビライザ制御のための左右の車輪側の目標駆動電流値IrL=IrR=0とする。
ステップS53,S55,S56の後、ステップS57へ進み、車速補正マップ205bを参照して車速補正係数Krvを算出する。
メインフローチャートにおけるステップS7のダンパ制御につては、前記したので説明を省略する。
次に図8を参照しながら図9に示したメインフローチャートのステップS8の加減速時姿勢制御部209における車体11の姿勢制御量の計算方法について説明する。
加減速時姿勢制御部209は、加減速時制御電流マップ209aを有し、車両10の前後方向の加速度が前後加速度センサ107から入力され、その加減速度に応じて加減速時制御電流マップ209aを参照して、前後の車輪25の電動モータ35を制御する目標駆動電流値IACを算出して、駆動回路出力部207へ出力する。図示を省略するが、加速時には電動モータ35RL,35RRの加減速時制御の目標駆動電流値IACRL,IACRR(後部側)を、加速度が大きくなるに従って伸び側に大きく設定して駆動回路出力部207C,207Dに出力すると共に、電動モータ35FL,35FRの加減速時制御の目標駆動電流値IACFL,IACFR(前部側)を、加速度が大きくなるに従って縮み側に小さく設定して駆動回路出力部207A,207Bに出力する。
逆に、減速時には電動モータ35FL,35FRの加減速時制御の目標駆動電流値IACFL,IACFR(前部側)を、減速度が大きくなるに従っての伸び側に大きく設定して駆動回路出力部207A,207Bに出力すると共に、電動モータ35RL,35RRの加減速時制御の目標駆動電流値IACRL,IACRR(後部側)を、減速度が大きくなるに従っての縮み側に小さく設定して駆動回路出力部207C,207Dに出力する。
ちなみに、加減速時制御の目標駆動電流値IACには、各車輪25FL,25FR,35RL,25RRの位置に対応する添え字を付して個別の加減速時制御の目標駆動電流値IAC表している。
なお、加減速時制御電流マップ209aは、予め実験によって得られたデータにもとづいて、マップデータとして、マイクロコンピュータ113(図5参照)のフラッシュメモリの中に格納されており、請求項7に記載の「予め設定された目標値」に対応する。
次に図10及び図15を参照しながら、適宜図5、図6、図8を参照して、メインフローチャートのステップS9の駆動回路出力部207におけるモータ駆動部106のゲート電流制御方法について詳細に説明する。
図15は、駆動回路出力部における各電動モータを制御する処理の流れを示すフローチャート(サブルーチン)である。なお、このフローチャートにおける制御は、各電動モータ35に対して別別に行なわれ、駆動回路出力部207(207A〜207D)において、一定の周期、例えば、1msecの周期で、それぞれ行なわれる。ここでは、1つの駆動回路出力部207を代表に説明する。
ステップS71では、設定部241は、前記した車高制御部204から入力された当該の電動モータ35に対する車高補正のためのそれぞれの目標駆動電流値Ih(IhFL,IhFR,IhRL,IhRR)、スタビライザ制御部205から入力された当該の電動モータ35に対するスタビライザ制御の目標駆動電流値Ir(IrFL,IrFR,、IrRL,IrRR)、加減速時制御の目標駆動電流値IAC(IACFL,IACFR,IACRL,IACRR,)、を加算して全目標駆動電流値It(ItFL,ItFR,ItRL,ItRR)を算出する。
ちなみに、スタビライザ制御の目標駆動電流値Ir及び全目標駆動電流値Itには、各車輪25FL,25FR,35RL,25RRの位置に対応する添え字を付して個別の目標駆動電流値Ir及び全目標駆動電流値It表している。
ちなみに、ダンパ制御における目標駆動電流値IB及びモータ目標駆動電流値Imには、各車輪25FL,25FR,35RL,25RRの位置に対応する添え字を付して個別のダンパ制御における目標駆動電流値IB及びモータ目標駆動電流値Imを表している。
ステップS76、ステップS77、ステップS81、ステップS82の後、ステップS83に進み、駆動回路出力部207は、モータ電流センサ124からの駆動電流Idとモータ目標駆動電流値Imとの差分を減算器242で算出した結果により、PID制御信号をモータ駆動部106に出力する。そして、メインフローチャートのステップS3に戻り制御を繰り返す。
以上により、駆動回路出力部207における一つの周期における制御を終了する。
また、油圧式ダンパ装置を用いるよりも「ばね下荷重」を軽量にできるので、コイルスプリング36の上下動のばね定数を低く設定でき、乗員の乗り心地を向上できる。
更に、車高調整制御を実施しないときは、回生制御による電力の回収を可能にし、省エネに寄与する。
加減速時姿勢制御部209は、車両10が加減速したことを前後加速度センサ107からの信号で検知し、減速時の車体の前のめり、加速時の車体の後ろ沈みを抑制することができ、乗員の乗り心地を良くすることができる。
しかも、サスペンション装置20全体の高さを低くできるので、車高重心をより低く保持できる。それにより加減速の前のめり量と後ろ沈み量を小さくできる
また、電動モータ35の逆起電圧を計測して、電動モータ35の回転速度を検出し、その信号を積分して、車高に係わる量としての変位量を算出して用いても良い。
なお、コイルばねを持っているので車両が停車しているときの位置を車高の初期位置とする。
次に本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の電動式車両姿勢制御装置は、第1の実施形態と本質的に同じであるが、図5に破線で示したように、車両10の走行時の旋回運動の度合いを検知するセンサとしての横加速度センサ108と、車高姿勢制御選択表示パネル109、バンク角検出装置110が加わる。そして、第2の実施形態における制御部200Aでは、図8に( )内に書いて示したように車高制御部204が車高制御部204Aに置き換わる。
他の構成は、第1の実施形態と同じ構成であり、同じ符号を付し重複する説明を省略する。
(1)ロール制御の機能の選択
1a:第1の実施形態におけるスタビライザ制御部205によるスタビライザ制御(ロール制御)
1b:第2の実施形態における車高制御部204Aを用いたロール制御
(2)車高制御機能の選択
2a:第1の実施形態における車高制御部204と同じ車高制御
2b:高速走行時の車高制御(2b−1:前傾姿勢、2b−2:低車高)
2c:バンク角を補正する左右傾き車高制御
車高姿勢制御選択表示パネル109において運転者が前記1bのロール制御を選択すると、その選択信号が車高制御部204Aとスタビライザ制御部205に入力され、スタビライザ制御部205における第1の実施形態で説明した制御機能は停止し、スタビライザ制御に対する目標駆動電流値Ir=0の状態になる。そして、車高制御部204Aは横加速度センサ108からの横加速度信号にもとづいて、ロール制御電流マップ204bを参照し、左右の車輪25に対する目標車高Hを算出して、更に、算出された目標車高Hと平均変位量算出部203から入力された平均変位量との差分に応じた車高補正のための目標駆動電流値Ihを算出して、駆動回路出力部207に出力する。
このようにロール制御をすると、第1の実施形態において旋回運動時に左右の車輪、例えば、車輪25FL、25FRの変位量StFLと変位量StFRの差を打ち消すようにするスタビライザ制御よりも、車体11のロール角が旋回方向(旋回半径の内側方向)になるように設定されるので、車両10の旋回運動性が向上する。
「高速走行時の車高制御」は、この制御が選択されている場合、所定の車速Vs以上になると、車高制御部204Aは、自動的に目標値部204cの高速時前傾姿勢又は高速時低車高姿勢の目標車高Hを読み出して、空気抵抗の少ない前傾姿勢又は安定性の良い低車高姿勢を取り、燃費の向上を図る高速走行、又は、車体のロールセンタ高さを下げてロール角を小さくし、操縦性を向上させた走行を行なう。車速Vsがその所定値未満になると自動的に、通常の制御に戻る。
しかも、サスペンション装置全体の高さを低くできるので、スポーツカーやRV車等の車種適用の範囲を拡大できると共に、車高をより低く保持できる。
更に、車高制御部204Aは、予め設定された車高に係わる目標値を車両の左側車輪と右側車輪とで別々に設定できるので、車幅方向に傾斜のついた道路(カント路)を走行する場合でも、左右にフラットな姿勢を維持することができ、乗員にとって優しい走行状態を維持できる。
また、電動モータ35をブラシレス三相モータとした場合は、ブリッジ回路122に6個のFETが設けられる。
例えば、左右の後輪25RL,25RRにのみ電動ダンパ変換機構30RL,30RRを備えるようにしても良い。
3,3FL,3FR,3RL,3RR 電動ダンパ装置
10 車両
11 車体
11a サスペンション取付部
20,20FL,20FR,20RL,20RR サスペンション装置
21 アッパーアーム
22 ロアアーム
23 車輪支持部材
25,25FL、25FR,25RL,25RR 車輪
30,30FL,30FR,30RL,30RR 電動ダンパ変換機構
31 ダンパハウジング
32 ロッド
32a 端部
33 ラックアンドピニオン機構(変換機構)
34 ロッドガイド
35、35FL,35FR,35RL,35RR 電動モータ
35a モータ軸
36 コイルスプリング(ばね機構)
36a 上端部
36b 下端部
37 ダストブーツ
41 ラックピニオン部
41a 端面部
42 ロッド部
43 インシュレータ
44 取付ボルト
45 滑り軸受
47 連結部
48 バンプストッパ
51 ラックギア
52 ピニオンギア
53 ピニオン軸
54,55 軸受
61 摺動部材
62 ロッドガイド
64 調整ボルト
65 ロックナット
71 ばね座
72 ばね座
80,80FL,80FR,80RL,80RR 変位量検出センサ(ストロークセンサ)
81 センサハウジング
82 スイングロッド
83 ジョイント部
84 伝達機構
85 ポテンショメータ
85a 抵抗素子
85b 摺動素子
85c 出力端子
86 抵抗器
87 定電圧電源
88 抵抗器
101 バッテリ
102 メインスイッチ
103 メインリレー
104 車速センサ
105 ダンパ制御ECU
106,106FL,106FR,106RL,106RR モータ駆動部
107 前後加速度センサ
124,124FL,124FR,124RL,124RR モータ電流センサ
200 制御部(制御手段)
201 故障診断部
202 ダンパ制御部(ダンパ制御手段)
203,203A,203B,203C,203D 平均変位量算出部(車高算出手段)
204,204A 車高制御部(車高制御手段)
204a,204c 目標値部
204b ロール制御電流マップ
204d バンク角制御電流マップ
205 スタビライザ制御部(スタビライザ制御手段)
205a スタビライザ制御電流マップ
205b 車速補正マップ
207 駆動回路出力部
209 加減速時姿勢制御部(加減速時姿勢制御手段)
209a 加減速時制御電流マップ
221 変位速度算出部
222 基準電流算出部
222a 第1の基準電流マップ
222b 第2の基準電流マップ
223 補正係数算出部
223a 車速補正マップ
224 補正部
225 粘性補正電流算出部
226 慣性補正電流算出部
227 加算補正部
241 設定部
242 減算器
Claims (9)
- 車輪の上下動を電動モータの回転に変換する電動ダンパ変換機構と、前記車輪の上下動の位置を検出するストロークセンサと、前記ストロークセンサからの信号にもとづいて前記電動モータを制御するダンパ制御手段と、該ダンパ制御手段を含む車両姿勢制御手段を有する電動式車両姿勢制御装置において、
前記電動モータに電力を供給するバッテリを更に備え、
前記車両姿勢制御手段は、
前記電動モータから前記バッテリまでの経路上に設けられた4つのスイッチング素子で構成されたHブリッジ回路をPWM制御し、
前記電動モータが、外力に対抗して駆動制御されるべきモータ駆動状態か否かを判断し、
該モータ駆動状態のときには前記電動モータを駆動制御し、それ以外のときには前記電動モータを回生制御し、
前記電動モータを前記駆動制御し、若しくは前記回生制御しながら、前記ストロークセンサの信号にもとづいて算出された車高に係わる量を、予め設定された車高に係わる目標値と比較して、該目標値に収まらない場合は前記電動モータを制御して、車両の車高を制御するとともに、
前記電動ダンパ変換機構による伸び側の制御の場合であっても、
前記電動モータを前記駆動制御するときには、前記Hブリッジ回路の前記バッテリからの電力供給側に近い方の2つのスイッチング素子のうちの一方をオンとし、他方をオフとし、前記電力供給側に遠い方の2つのスイッチング素子のうちの前記一方と対角位置にあたるスイッチング素子をPWM制御し、前記他方と対角位置にあたるスイッチング素子をオフとし、
前記電動モータを前記回生制御するときには、前記Hブリッジ回路の前記バッテリからの電力供給側に近い方の2つのスイッチング素子のうちの前記他方をPWM制御し、前記電力供給側に遠い方の2つのスイッチング素子を共にオフとし、
前記電動ダンパ変換機構による縮み側の制御の場合であっても、
前記電動モータを前記駆動制御するときには、前記Hブリッジ回路の前記バッテリからの電力供給側に近い方の2つのスイッチング素子のうちの前記一方をオフとし、前記他方をオンとし、前記電力供給側に遠い方の2つのスイッチング素子のうちの前記一方と対角位置にあたるスイッチング素子をオフとし、前記他方と対角位置にあたるスイッチング素子をPWM制御し、
前記電動モータを前記回生制御するときには、前記Hブリッジ回路の前記バッテリからの電力供給側に近い方の2つのスイッチング素子のうちの前記一方をPWM制御し、前記電力供給側に遠い方の2つのスイッチング素子を共にオフとし、
前記電動ダンパ変換機構による伸び側の制御の場合又は縮み側の制御の場合であっても、前記電動モータを前記駆動制御するときと前記回生制御するときとでは、前記4つのスイッチング素子の制御パターンを切り換えることを特徴とする電動式車両姿勢制御装置。 - 前記車両姿勢制御手段は、
少なくとも前記車高に関わる目標値を含む第一目標値の正負を判断し、
前記第一目標値が正の場合には、前記第一目標値にダンパ制御目標値を加算して、加算結果が正のときには、前記電動モータを前記駆動制御とし、前記加算結果が負のときには、前記電動モータを前記回生制御とし、
前記第一目標値が負の場合には、前記第一目標値に前記ダンパ制御目標値を加算して、加算結果が正のときには、前記電動モータを前記回生制御とし、前記加算結果が負のときには、前記電動モータを前記駆動制御とすることを特徴とする請求項1に記載の電動式車両姿勢制御装置。 - 前記車両姿勢制御手段は、
前記ストロークセンサの信号にもとづいて左右輪の高さを比較し、その差分をなくす方向に前記電動モータを制御するスタビライザ制御を行なうことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動式車両姿勢制御装置。 - 前記車両姿勢制御手段は、
前記ストロークセンサの信号のうちの低周波の信号を取り出す低周波フィルタを有し、
前記低周波の信号にもとづいて前記電動モータを制御することで前記車高の制御を行なうことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電動式車両姿勢制御装置。 - 前記車両姿勢制御手段は、予め設定された車高に係わる目標値が所定の幅を有し、この幅から前記低周波の信号が外れた場合に前記電動モータを制御して、前記車高の制御を行なうことを特徴とする請求項4に記載の電動式車両姿勢制御装置。
- 前記車両姿勢制御手段は、前記車高の制御に対してのみ前記予め設定された車高に係わる目標値が、所定の幅を有し、この幅から前記低周波の信号が外れた場合に前記電動モータを制御して、前記車高の制御を行なうことを特徴とする請求項4に記載の電動式車両姿勢制御装置。
- 前記予め設定された車高に係わる目標値が、車両の前輪に対するものと、車両の後輪に対するものとで独立に設定されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電動式車両姿勢制御装置。
- 前記予め設定された車高に係わる目標値が、車両の左側車輪に対するものと、右側車輪に対するものとで独立に設定されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電動式車両姿勢制御装置。
- 前記車両姿勢制御手段は、更に、車両の前後加速度を検出する前後加速度センサからの所定以上の加速度又は減速度を検出した場合、予め設定された目標値になるように前後の車輪の前記電動ダンパ変換機構の電動モータを制御して、車両の前後姿勢を維持することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電動式車両姿勢制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007288490A JP4956378B2 (ja) | 2007-11-06 | 2007-11-06 | 電動式車両姿勢制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007288490A JP4956378B2 (ja) | 2007-11-06 | 2007-11-06 | 電動式車両姿勢制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009113624A JP2009113624A (ja) | 2009-05-28 |
JP4956378B2 true JP4956378B2 (ja) | 2012-06-20 |
Family
ID=40781258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007288490A Expired - Fee Related JP4956378B2 (ja) | 2007-11-06 | 2007-11-06 | 電動式車両姿勢制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4956378B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US12220959B2 (en) | 2022-03-03 | 2025-02-11 | Hyundai Motor Company | Roll control system for corner module of vehicle |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5224066B2 (ja) * | 2009-11-02 | 2013-07-03 | トヨタ自動車株式会社 | 車両のサスペンション装置 |
JP6363050B2 (ja) * | 2015-08-07 | 2018-07-25 | 株式会社ショーワ | 車高調整装置 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4050018B2 (ja) * | 2001-08-08 | 2008-02-20 | 本田技研工業株式会社 | サスペンション制御装置 |
JP2004299559A (ja) * | 2003-03-31 | 2004-10-28 | Tokico Ltd | アクチュエータの制御方法及びその方法を用いたサスペンション装置 |
JP2005035490A (ja) * | 2003-07-18 | 2005-02-10 | Toyota Motor Corp | 車両懸架装置 |
JP4254687B2 (ja) * | 2004-10-25 | 2009-04-15 | トヨタ自動車株式会社 | 車両懸架装置 |
JP4680788B2 (ja) * | 2006-02-03 | 2011-05-11 | トヨタ自動車株式会社 | サスペンション装置 |
WO2007108316A1 (ja) * | 2006-03-22 | 2007-09-27 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | 車両用サスペンションシステム |
-
2007
- 2007-11-06 JP JP2007288490A patent/JP4956378B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US12220959B2 (en) | 2022-03-03 | 2025-02-11 | Hyundai Motor Company | Roll control system for corner module of vehicle |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009113624A (ja) | 2009-05-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4585575B2 (ja) | 電動ダンパ装置 | |
EP2262654B1 (en) | Suspension system for a vehicle including an electromagnetic actuator | |
CN100572118C (zh) | 用于改变车轮与车体之间间距的装置和包括该装置的系统 | |
US8068955B2 (en) | Vehicle with a variable rear toe angle | |
JP5846401B2 (ja) | 車両の走行制御装置 | |
JP2010208619A (ja) | 車両挙動制御装置 | |
WO2011077669A1 (ja) | 車両の後輪トー角制御装置 | |
CN106739918B (zh) | 车身姿态主动控制系统及主动控制方法 | |
KR20120021095A (ko) | 자동차의 액티브 롤 제어장치 | |
JP5154159B2 (ja) | 車両用電動ダンパ装置 | |
JP4966782B2 (ja) | 車両用電動ダンパ装置 | |
JP4956378B2 (ja) | 電動式車両姿勢制御装置 | |
JP4680788B2 (ja) | サスペンション装置 | |
JPH0443165A (ja) | 車両のパワーステアリング装置 | |
JP2009234518A (ja) | アライメント角可変車両 | |
JP4788675B2 (ja) | 車両用サスペンションシステム | |
US20210061047A1 (en) | Method of operating an adjustable roll stabilizer | |
JP4956477B2 (ja) | 後輪トー角制御装置 | |
JP2009149184A (ja) | 電動パワーステアリング・電動ダンパ・システム | |
KR20100045009A (ko) | 유압실린더의 유압을 이용한 반능동 현가장치 및 그 제어 방법 | |
JP2600470B2 (ja) | サスペンション剛性制御装置 | |
KR101448796B1 (ko) | 자동차의 현가장치 | |
EP4316962A1 (en) | Vehicle and vehicle control system | |
JP2010234819A (ja) | 車両の後輪操舵制御装置 | |
JP2010254268A (ja) | 操舵制御車両 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091127 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110713 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110726 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110926 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111122 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120123 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120306 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120316 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4956378 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |