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JP4946086B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りラジアルタイヤに関し、特に乗用車用タイヤとして、高速耐久性、高速操縦安定性に優れた性能を発揮する空気入りラジアルタイヤに関する。
自動車用、特に、乗用車用の空気入りラジアルタイヤにおいて、高弾性特性を有する繊維コードを用いた高弾性ベルトカバー材を用いることにより、タイヤ回転に伴う遠心力によって生ずるクラウン部のせり上がり変形が抑制され、安定な接地形状が得られることが知られ、そして、該安定した接地形状が実現されることから、高速耐久性、高速操縦安定性の改善効果が得られることが知られている。
従来、このような高弾性ベルトカバー材に用いられる高弾性特性を有する繊維材料としては、アラミド繊維コード、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維コード、アラミド繊維/ナイロン66繊維のハイブリッドコード、またはナイロン66繊維コードなどが知られ、各種、それぞれの長所を活かして使用がされてきている。
中でも、特に速度レンジの高い領域では、剛性、耐疲労性、低発熱特性および熱収縮性などの点において、アラミド繊維/ナイロン66繊維のハイブリッドコードが総合的に優位にあり、該アラミド繊維/ナイロン66繊維のハイブリッドコードを用いたベルトカバー材が使用されることが多い。
ここで、ハイブリッドコードとは、異種のコードを2本あるいは3本撚合せたコードをいい、アラミド繊維/ナイロン66繊維のハイブリッドコードとは、それぞれが撚られている(下撚り)アラミド繊維コードとナイロン66繊維コードとを、合計で2本または3本用いて、それらを撚り合わせて(上撚り)、一本の補強コードとして用いているコードのことをいう。
しかし、アラミド繊維/ナイロン66繊維のハイブリッドコードでもまだ改善の余地があり、例えば、2本撚りコードでは圧縮時耐疲労性に劣ることからタイヤセンター部での圧縮疲労という点に問題があり、タイヤ耐久性の改善が十分であるとは言えないものであった。また3本撚りコードでは一般にコード全体径が太くなり、プライゲージが厚くなり、その結果、発熱体が多くなると言え、ショルダー部が蓄熱しやすくなり、これがタイヤ耐久性の点では不利な点であり、十分なものとは言えないものであった。
本発明は、後述するように、ベルトカバー材をセンター部とショルダー部に分けて、それぞれで異なるカバーコードを使用するようにしたものであるが、背景技術としては、そのような異種のカバーコードをセンター部とショルダー部で使用するようにして、特に、互いにカバー残留張力を相違させるという提案(特許文献1)、互いにカバー熱収縮率とカバー弾性率を相違させるという提案(特許文献2)、互いにカバー剛性を相違させるという提案(特許文献3)、あるいは、互いにモジュラスを相違させるという提案(特許文献4)などがされている。
しかし、これらはいずれも本発明とは、技術思想・具体的構成のいずれも相違するものであり、特に後述する本発明のようにハイブリッドコードとする際の下撚り、上撚り構造に着目したものではなかった。
特開平6−297910号公報 特開平7−215011号公報 特開2002−356103号公報 特開2005−263137号公報
本発明は、上述したような点に鑑み、自動車用、特に、乗用車用の空気入りラジアルタイヤにおいて、従来のアラミド繊維/ナイロン66繊維のハイブリッドコードを使用したベルトカバー材で実現されていた良好で安定した接地形状に基づいて得られる高速耐久性、高速操縦安定性について、さらに改善をして、より高レベルな高速耐久性、高速操縦安定性を得ることを可能にする空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とするものである。
上述した目的を達成する本発明の空気入りラジアルタイヤは、以下の(1)の構成からなる。
ベルト層の径方向外側に、タイヤ周方向に対して略0度に巻き回した有機繊維補強カバー層を有する空気入りラジアルタイヤにおいて、該有機繊維補強カバー層は、下記Aのセンターカバー層と、下記Bのショルダーカバー層とからなり、該AとBの高弾性ヤーンと低弾性ヤーンは、それぞれ下記Cのものであり、該有機繊維補強カバー層の全幅に対する前記センターカバー層の幅の比率が30%以上90%未満であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
(A)センターカバー層:タイヤ軸方向中央付近に配置され、2本の高弾性ヤーンと1本の低弾性ヤーンをそれぞれ同一方向に下撚りしたものを、該下撚り方向と逆方向に撚り合せてなる3本撚り複合コードを用いて構成されているカバー層。
(B)ショルダーカバー層:前記ベルト層のエッジ付近に配置され、1本の高弾性ヤーンと1本の低弾性ヤーンをそれぞれ同一方向に下撚りしたものを撚り合せてなる2本撚り複合コードを用いて構成されているカバー層。
(C)前記高弾性ヤーンは、弾性率200cN/dtex以上のものであり、かつアラミド繊維、ポリオレフィンケトン(POK)繊維およびポリベンゾオキサゾール(PBO)繊維のうちのいずれか1種からなるヤーンであり、前記低弾性ヤーンは、弾性率150cN/dtex以下のものであり、かつ脂肪族ポリアミド繊維からなるヤーンである。
かかる本発明の空気入りラジアルタイヤにおいて、より具体的に好ましくは、以下の(2)〜(4)のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤである。
(2)センターカバー層のコードの上撚り係数Kcと、ショルダーカバー層のコードの上撚り係数Kshが、それぞれ下記(a)式と(b)式を満足するものである上記(1)記載の空気入りラジアルタイヤ。
センターカバー層のコードの上撚り係数Kc≧1600 ………式(a)
ショルダーカバー層のコードの上撚り係数Ksh≦2250 ………式(b)
ここで、
センターカバー層のコードの上撚り係数Kc=Tc×√Dc
ショルダーカバー層のコードの上撚り係数Ksh=Tsh×√Dsh
Tc:センターカバー層のコードの上撚り数(回/10cm)
Dc:センターカバー層のコードの総公称繊度(dtex)
Tsh:ショルダーカバー層のコードの上撚り数(回/10cm)
Dsh:ショルダーカバー層のコードの総公称繊度(dtex)
(3)センターカバー層のコードの上撚り係数Kcと、ショルダーカバー層のコードの上撚り係数Kshが、それぞれ下記(c)式と(d)式を満足するものである上記(1)または(2)記載の空気入りラジアルタイヤ。
1600≦Kc≦2250 ………式(c)式
1600≦Ksh≦2250 ………式(d)式
(4)前記有機繊維補強カバー層のタイヤ径方向外側でかつタイヤ軸方向中心近傍に、さらに、ポリエステル繊維または脂肪族ポリアミド繊維を用いた補助繊維補強層を配設してなることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)記載の空気入りラジアルタイヤ。
請求項1にかかる本発明の空気入りラジアルタイヤによれば、自動車用、特に、乗用車用の空気入りラジアルタイヤにおいて、従来のアラミド繊維/ナイロン66繊維のハイブリッドコードを使用したベルトカバー材で実現されていた良好で安定した接地形状に基づいて得られる高速耐久性、高速操縦安定性をさらに改善して、より高レベルな高速耐久性、高速操縦安定性を得ることを可能にする空気入りラジアルタイヤが提供されるものである。
また、請求項2〜のいずれかの発明によれば、請求項1で得られる効果が一層明確となり、より高レベルな高速耐久性、高速操縦安定性を得ることを可能にする空気入りラジアルタイヤが提供される
以下、更に詳しく本発明の空気入りラジアルタイヤについて、説明する。
本発明の空気入りラジアルタイヤは、まず、ベルト層の径方向外側に、タイヤ周方向に対して略0度に巻き回した有機繊維補強カバー層を有する空気入りラジアルタイヤにおいて、該有機繊維補強カバー層は、下記Aのセンターカバー層と、下記Bのショルダーカバー層とからなり、該AとBの高弾性ヤーンと低弾性ヤーンは、それぞれ下記Cに記載のものであるように構成したものである。
ベルト層の径方向外側に、タイヤ周方向に対して略0度に巻き回した有機繊維補強カバー層を有する空気入りラジアルタイヤにおいて、該有機繊維補強カバー層を、下記Aのセンターカバー層と、下記Bのショルダーカバー層とから構成するようにしたものである。
(A)センターカバー層:タイヤ軸方向中央付近に配置され、2本の高弾性ヤーンと1本の低弾性ヤーンをそれぞれ同一方向に下撚りしたものを、該下撚り方向と逆方向に撚り合せてなる3本撚り複合コードを用いて構成されているカバー層。
(B)ショルダーカバー層:前記ベルト層のエッジ付近に配置され、1本の高弾性ヤーンと1本の低弾性ヤーンをそれぞれ同一方向に下撚りしたものを撚り合せてなる2本撚り複合コードを用いて構成されているカバー層。
(C)前記高弾性ヤーンは、弾性率200cN/dtex以上のものであり、かつアラミド繊維、ポリオレフィンケトン(POK)繊維およびポリベンゾオキサゾール(PBO)繊維のうちのいずれか1種からなるヤーンであり、前記低弾性ヤーンは、弾性率150cN/dtex以下のものであり、かつ脂肪族ポリアミド繊維からなるヤーンである。
なお、以降の本発明の説明において、特にことわりのない限り、単に「高弾性ヤーン」、「低弾性ヤーン」というときは、このCに記載のヤーンをそれぞれいうものである。
そして、さらに、該有機繊維補強カバー層の全幅に対して、該センターカバー層の幅の比率は30%以上90%未満であるように構成されているものである。
図1は、本発明の空気入りラジアルタイヤの一実施態様例を示すものであり、空気入りタイヤの子午線方向にとった断面概略図であり、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。タイヤの内部には、トレッド部1と左右のサイドウォール部2およびビード部3の全体にまたがるように、タイヤ周方向に対して、略90度に配列した有機繊維コードからなるカーカス層4が埋設され、その両端部がビードコア5の周りにタイヤ内側から外側に折り返されているものである。
カーカス層4の外周側(径方向外側)には、スチールコードからなるベルト層6が、例えば2層設けられ、さらにそのベルト層6の外周側(径方向外側)に、ベルト層6を補強する有機繊維補強カバー層7が設けられている。この有機繊維補強カバー層7は、多数平行に配列された有機繊維コード群に一般にゴム含浸がなされているベルト状の構造を有するものであり、該有機繊維コードがタイヤ周方向に対して略0度の角度で巻き回された構造となっているものである。
本発明では、上述のように、有機繊維補強カバー層7を、上記Aのセンターカバー層71と、上記Bのショルダーカバー層72とから構成したものであって、特に、センターカバー層71は、2本の高弾性ヤーンと1本の低弾性ヤーンをそれぞれ同一方向に下撚りしたものを、該下撚り方向と逆方向に撚り合せた3本撚り複合コードを用いて構成されているために、圧縮時耐疲労性に優れ、このことからタイヤの高速耐久性が向上するものである。
一方で、ショルダーカバー層72は、1本の高弾性ヤーンと1本の低弾性ヤーンをそれぞれ同一方向に下撚りしたものを撚り合せた2本撚り複合コードを用いて構成されているために、プライゲージ(プライ厚さ)を薄くでき、その結果、発熱・蓄熱材料が少なくなり、高速走行時における発熱量が少なくなり、この点で高速耐久性が向上するものである。
各カバー層のそれぞれにおいて、高弾性ヤーンと低弾性ヤーンとを併用するのは、コード特性として、剛性、圧縮時耐疲労性、発熱特性、熱収縮性などの各特性を、バランス良く一本のハイブリッド撚りコードに持たせるためである。そのため、有機繊維補強カバー層の全幅に対するセンターカバー層の幅の比率は、上述のように30%以上90%未満であるように構成することが重要であり、より好ましくは45%以上75%未満である。
また、それぞれ同一方向に下撚りしたものを、該下撚り方向と逆方向に撚り合せて一本のハイブリッド撚りコードにするのは、下撚りを解く方向に上撚りをかけてハイブリッド撚りコードを形成することにより、コード中の繊維の一本一本が、よりコード軸方向に平行な状態(まっすぐな状態)になることによって、該繊維一本一本の補強効果、弾性効果、ひいては該繊維コードとしての本来の補強効果、弾性効果をより発揮できるようにするためである。
本発明で使用される各高弾性ヤーンと各低弾性ヤーンは、1本のヤーンとして、それらが全てが同一の太さである必要はなく、ハイブリッド構造とする技術的効果をより発揮させるために、適宜に太さ(繊度)を相違させることが実際的であり好ましい。特に高弾性ヤーンの特性を良好に発揮させる上で、低弾性ヤーンの方を高弾性ヤーンの太さ(繊度)の75〜95%程度の太さ(繊度)とするのが好ましい。
センターカバー層とショルダーカバー層におけるハイブリッド撚りコードの打ち込み本数(打ち込み密度)は、センターカバー層では40〜50本/50mm幅の範囲内、ショルダーカバー層では、35〜50本/50mm幅の範囲内とするのがよい。
センターカバー層とショルダーカバー層は、それぞれが互いに分離されたものとして形成されている必要はなく、有機繊維補強カバー層として、タイヤ軸方向に連続した単一体のものとして形成されていてもよい。また、分離した別個のものとして形成されている場合、相互の端部間に距離を置いて(離れて)配置されてもよい。
本発明において用いられる高弾性ヤーンと低弾性ヤーンは、ハイブリッド撚りコードを構成する上で、通常、用いられる各種有機繊維の範囲内であって弾性率の値に相対的な差を存在させるものであり、本発明者らの各種知見によれば、補強カバー層に高弾性糸を用いるという効果を良好に発揮させる上で、該高弾性ヤーンの弾性率は200cN/dtex以上のものを用いるのがより効果的であって重要であり、そのような弾性率のものを得る上で、アラミド繊維、ポリオレフィンケトン(POK)繊維あるいはポリベンゾオキサゾール(PBO)繊維からなるヤーンを用いることが重要である
また、本発明において用いられる低弾性ヤーンは、同様の本発明の効果をより明確に発揮させ得るという点で、弾性率150cN/dtex以下のものを用いることが重要であり、また、ポリマー種としては、脂肪族ポリアミド繊維からなるヤーンであることが好ましく、具体的にはナイロン66繊維、ナイロン6繊維、ナイロン64繊維などを用いることが重要である
本発明において、センターカバー層のコードの上撚り係数Kcと、ショルダーカバー層のコードの上撚り係数Kshは、それぞれ下記(a)式と(b)式を満足するものであることが好ましく、より明確に本発明の所期の効果を得ることができる。
センターカバー層のコードの上撚り係数Kc≧1600 ………式(a)
ショルダーカバー層のコードの上撚り係数Ksh≦2250 ………式(b)
ここで、
センターカバー層のコードの上撚り係数Kc=Tc×√Dc
ショルダーカバー層のコードの上撚り係数Ksh=Tsh×√Dsh
Tc:センターカバー層のコードの上撚り数(回/10cm)
Dc:センターカバー層のコードの総公称繊度(dtex)
Tsh:ショルダーカバー層のコードの上撚り数(回/10cm)
Dsh:ショルダーカバー層のコードの総公称繊度(dtex)
である。
また、センターカバー層のコードの上撚り係数Kcと、ショルダーカバー層のコードの上撚り係数Kshのそれぞれの好ましい範囲は、下記(c)式と(d)式を満足するものであり、この範囲内にすることによって、より明確に本発明の所期の効果を得ることができるものとなる。
1600≦Kc≦2250 ………式(c)
1600≦Ksh≦2250 ………式(d)
また、ベルト層6の全幅に対して、有機繊維補強カバー層7の幅は、80%〜110%の範囲内とするのがよく、最も好ましくは、95%〜105%の範囲内である。
また、本発明において、有機繊維補強層のタイヤ径方向外側でかつタイヤ軸方向中心近傍には、さらに、ポリエステル繊維(PEN繊維など)または脂肪族ポリアミド繊維を用いた補助繊維補強層を配設することも好ましい態様である。図2は、該施態様例に関してモデル的に要部を示したものであり、図1の如き空気入りタイヤの子午線方向の断面においてのベルト層6、有機繊維補強カバー層7、上述の補助繊維補強層8の配置を示した概略モデル図であり、有機繊維補強カバー層7は、センターカバー層71とショルダーカバー層72からなり、該センターカバー層7の外周側に、センターカバー層の幅よりも小さい幅の補助繊維補強層8を配設した態様例を示したものである。このように、耐疲労性が比較的良好なポリエステル繊維または脂肪族ポリアミド繊維を最外層に配置することにより、センター部の耐圧縮疲労性をより一層改善することができ、高速耐久性、高速耐疲労性において非常に優れた空気入りラジアルタイヤを実現することができる。該補助繊維補強層8は、特に限定されるものではないが、有機繊維コードをタイヤ周方向に平行になるように配置させたゴム引きの層とすることが好ましい。ただし、周方向と角度をもって交叉する方向に配列するような構成としてもよい。
以下に実施例を示し、本発明の空気入りラジアルタイヤの具体的構成・効果についてさらに説明する。
なお、本発明の説明において使用した、弾性率、撚り数、有機繊維補強繊維カバー層の幅、センターカバー層の幅、ショルダーカバー層の幅は、それぞれ以下の方法によって測定したものである。
(1)ヤーンの弾性率:
JIS L1017−2002「化学繊維タイヤコード試験方法 8.8 初期引張抵抗度」に基づき、撚糸前のヤーンの標準条件下における初期引張抵抗度を算出し、これをヤーンの弾性率とする。
(2)撚り数:
JIS L1017−2002「化学繊維タイヤコード試験方法 8.4 より」に基づき、撚糸コードの上撚り数、および下撚り数を求めた。
(3)センターカバー層の幅:
タイヤ周上2箇所から、タイヤキャップトレッド部をラジアル方向に切断し、ベルト部の断面が観察できるような周方向長さ15〜30mmのカットセクションを採取する。
採取する位置は、タイヤキャップトレッド部の任意の一点A、およびタイヤ中心点を挟んで対向に位置するBとする。A、B2つのカットセクション計4面にてセンターカバー層の幅を測定し、その平均をセンターカバー層の幅とした。個々のセンターカバー層の幅はタイヤ幅方向のそれぞれ最外端に位置する2本のコードによって定められ、その間に位置する他のセンターカバーコードに沿わせるように測定した道のり長さである。
(4)ショルダーカバー層の幅:
センターカバー層同様に採取したA、B2つのカットセクションについて、それぞれ断面観察を行い(計4面×各2箇所)、ショルダーカバー層の幅を測定しその平均をショルダーカバー層の幅とした。個々のショルダーカバー層の幅はタイヤ幅方向のそれぞれ最外端に位置する2本のコードによって定められ、その間に位置する他のショルダーカバーコードに沿わせるように測定した道のり長さである。
(5)有機繊維補強繊維カバー層の幅:
上記(3)、(4)で測定されたセンターカバー層の幅およびショルダーカバー層の幅から、以下の式で算出した値を有機繊維補強繊維カバー層の幅とした。
有機繊維補強繊維カバー層の幅=センターカバー層の幅+(ショルダーカバー層の幅×2)
また、各実施例、比較例においては、空気入りラジアルタイヤ用の有機繊維補強層を、以下の各種コードA〜Gを用いて製造した。各コードを製造するときの下撚り方向はいずれもS方向とし、上撚り方向はいずれもZ方向とした。
(1)コードA:
アラミド繊維1670dtex糸/アラミド繊維1670dtex糸/ナイロン66繊維1400dtex糸の3本撚りハイブリッドコード。
(2)コードB:
アラミド繊維1670dtex糸/ナイロン66繊維1400dtex糸の2本撚りハイブリッドコード。
(3)コードC:
POK繊維1670dtex糸/POK繊維1670dtex糸/ナイロン66繊維1400dtex糸の3本撚りハイブリッドコード。
(4)コードD:
POK繊維1670dtex糸/ナイロン66繊維1400dtex糸の2本撚りハイブリッドコード。
(5)コードE:
PEN繊維1670dtex糸/PEN繊維1670dtex糸/ナイロン66繊維1400dtex糸の3本撚りハイブリッドコード。
(6)コードF:
PEN繊維1670dtex糸/ナイロン66繊維1400dtex糸の2本撚りハイブリッドコード。
(7)コードG:
PEN繊維1670dtex糸/PEN繊維1670dtex糸/PEN繊維1670dtex糸の3本撚りコード。
実施例1〜16、比較例1〜10
表1〜表4に示したヤーンの各種組合せ構造で、センターカバー層とショルダーカバー層とからなる有機繊維補強カバー層7を用いて乗用車用タイヤを製造した。
表中、補強カバー層全幅に対するショルダーカバー層の幅の比率は、ショルダーカバーの片側幅で示している。センターカバー層のコードの打込み本数とショルダーカバー層のもコードの打込み本数は、いずれも45本/50mm幅とした。
こうして得られた乗用車用タイヤについて、高速走行タイヤ耐久性に関する試験を行い、タイヤの破壊に至るまでのトータル時間で評価した。
比較例1のものは、従来のコードAのみからなる補強層をセンター域からショルダー域にかけて使用したものであり(全幅200mm)、該比較例1のものが破壊に至るまでの時間を100とし、他のものは指数評価で示したものであり、数値が大きい方が破壊に至るまでの時間が長いものであり、高速走行タイヤ耐久性が良好なものである。
表1の実施例1〜3に示すように本発明によれば良好な高速耐久性が得られる。
表1の比較例1、2のように、補強層を全幅(センター部およびショルダー部)にわたり同一のカバー層で構成した場合には、本発明による場合よりも劣る。また、比較例3に示したように、3本撚りコードをショルダーに用いて、2本撚りコードをセンターに用いた本発明と逆の場合には、高速耐久性にかなり劣る。比較例4に示したように、3本撚りコードをセンターに用いた場合でも、幅が広すぎると改善効果はほとんど得られず比較例1と同様のレベルである。また、比較例5に示したように、3本撚りコードをセンターに用いた場合でも、幅が狭すぎると高速耐久性はかなり劣る。
表2に示した実施例4〜11はいずれも本発明によるもので良好な結果を有するものだが、中では、撚り係数が小さめのもの(実施例4)は撚りピッチが大きいがセンターコードの疲労破断発生からトレッドの剥離が発生し、本発明の効果は明らかに認められるものの、他の実施例と比べて小さめであった(指数105)。
また、撚り係数が大きめのもの(実施例11)は撚りピッチが小さいが剛性が小さくショルダー部(エッジ部)での抑えが効かずショルダー部での剥離が発生し、本発明の効果は明らかに認められるものの、他の実施例と比べて小さめであった(指数105)。
表3に示した実施例12〜14は、POK繊維をハイブリッドコードの構成ヤーン(高弾性側)を用いたいずれも本発明によるもので良好な結果を有する。
表3に示した比較例6〜10は、POK繊維をハイブリッドコードの構成ヤーン(高弾性側)を用いたものであるが、比較例1〜5と同様に、補強カバー層を100%使い(センター部とショルダーが同一)としたり、使用比率が不適切であるときは本発明の効果が得られないことを示している。
表4の実施例15は、高弾性ヤーンとしてPEN繊維糸を用いたものであり、ヤーン構成・コード構成は実施例13とほぼ同様なものであるが、糸の発熱が高く、本発明の効果は明らかに認められるものの、実施例13と比べて小さかった(指数110)。
実施例16は、実施例13のものに対して、PEN繊維からなる補助繊維補強層(図2の8の態様)を更に追加使用して耐久性の強化を図ったものであるが、該態様では接地変形による発熱がより抑制されており、高速耐久性は非常に良好であった(指数130)。
Figure 0004946086
Figure 0004946086
Figure 0004946086
Figure 0004946086
図1は、本発明の空気入りラジアルタイヤの一実施態様例を示すものであり、空気入りタイヤの子午線方向にとった概略断面図である。 図2は、本発明の空気入りラジアルタイヤの他の好ましい一実施態様例を示すものであり、図1の如き空気入りタイヤの子午線方向の断面におけるベルト層、有機繊維補強層、補助繊維補強層の配置を概念的に示した概略モデル図である。
符号の説明
1:トレッド部
2:サイドウォール部
3:ビード部
4:カーカス層
5:ビードコア
6:ベルト層
7:有機繊維補強カバー層
71:センターカバー層
72:ショルダーカバー層
8:補助繊維補強層

Claims (4)

  1. ベルト層の径方向外側に、タイヤ周方向に対して略0度に巻き回した有機繊維補強カバー層を有する空気入りラジアルタイヤにおいて、該有機繊維補強カバー層は、下記Aのセンターカバー層と、下記Bのショルダーカバー層とからなり、該AとBの高弾性ヤーンと低弾性ヤーンは、それぞれ下記Cのものであり、該有機繊維補強カバー層の全幅に対する前記センターカバー層の幅の比率が30%以上90%未満であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
    (A)センターカバー層:タイヤ軸方向中央付近に配置され、2本の高弾性ヤーンと1本の低弾性ヤーンをそれぞれ同一方向に下撚りしたものを、該下撚り方向と逆方向に撚り合せてなる3本撚り複合コードを用いて構成されているカバー層。
    (B)ショルダーカバー層:前記ベルト層のエッジ付近に配置され、1本の高弾性ヤーンと1本の低弾性ヤーンをそれぞれ同一方向に下撚りしたものを撚り合せてなる2本撚り複合コードを用いて構成されているカバー層。
    (C)前記高弾性ヤーンは、弾性率200cN/dtex以上のものであり、かつアラミド繊維、ポリオレフィンケトン(POK)繊維およびポリベンゾオキサゾール(PBO)繊維のうちのいずれか1種からなるヤーンであり、前記低弾性ヤーンは、弾性率150cN/dtex以下のものであり、かつ脂肪族ポリアミド繊維からなるヤーンである。
  2. センターカバー層のコードの上撚り係数Kcと、ショルダーカバー層のコードの上撚り係数Kshが、それぞれ下記(a)式と(b)式を満足するものであることを特徴とする請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
    センターカバー層のコードの上撚り係数Kc≧1600 ………式(a)
    ショルダーカバー層のコードの上撚り係数Ksh≦2250 ………式(b)
    ここで、
    センターカバー層のコードの上撚り係数Kc=Tc×√Dc
    ショルダーカバー層のコードの上撚り係数Ksh=Tsh×√Dsh
    Tc:センターカバー層のコードの上撚り数(回/10cm)
    Dc:センターカバー層のコードの総公称繊度(dtex)
    Tsh:ショルダーカバー層のコードの上撚り数(回/10cm)
    Dsh:ショルダーカバー層のコードの総公称繊度(dtex)
  3. センターカバー層のコードの上撚り係数Kcと、ショルダーカバー層のコードの上撚り係数Kshが、それぞれ下記(c)式と(d)式を満足するものであることを特徴とする請求項1または2記載の空気入りラジアルタイヤ。
    1600≦Kc≦2250 ………式(c)
    1600≦Ksh≦2250 ………式(d)
  4. 前記有機繊維補強カバー層のタイヤ径方向外側でかつタイヤ軸方向中心近傍に、さらに、ポリエステル繊維または脂肪族ポリアミド繊維を用いた補助繊維補強層を配設してなることを特徴とする請求項1、2または3記載の空気入りラジアルタイヤ。
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