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JP4942364B2 - 静電チャックおよびウェハ保持部材並びにウェハ処理方法 - Google Patents

静電チャックおよびウェハ保持部材並びにウェハ処理方法 Download PDF

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JP4942364B2 JP2006048426A JP2006048426A JP4942364B2 JP 4942364 B2 JP4942364 B2 JP 4942364B2 JP 2006048426 A JP2006048426 A JP 2006048426A JP 2006048426 A JP2006048426 A JP 2006048426A JP 4942364 B2 JP4942364 B2 JP 4942364B2
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Description

本発明は、半導体素子や液晶表示パネルの製造装置における、静電チャック等のウェハ保持部材に関する。当該ウェハ保持部材は、半導体ウェハや液晶用ガラス基板等のウェハWを固定するために使用される。
半導体の製造工程において、シリコンウェハW等のウェハWに精度良く成膜やエッチング等の処理を施すためには、ウェハWの平坦度を保ちながら、これを保持する必要がある。従来、このような保持手段として、機械式、真空チャック式、静電チャック式のウェハ保持部材が提案されている。
これらの保持手段の中で、静電気力によってウェハWを保持する静電チャック式のウェハ保持部材は、成膜やエッチング等の各種処理に求められるウェハWの平坦度を容易に実現することができる。特にこの静電チャックに関しては、真空中や腐食性ガス雰囲気で使用できる。そのため、静電チャック式のウェハ保持部材は、成膜装置やエッチング装置において多用されている。
ところで、半導体素子の集積度の向上に伴って、半導体素子の特性安定化、歩留まり向上、単位時間当たりの処理枚数の増加などが強く求められている。その為、エッチングや成膜処理の際にウェハWをできるだけ早く、目的の温度にまで加熱し、ウェハW表面の全面の均熱性を高めることが求められている。
そこで、ウェハWと静電チャックとの間の熱伝達特性を向上させ、ウェハWの表面温度の均一化を図ることが試みられている。ウェハWと静電チャックとの間の熱伝達特性を向上させるために、ウェハWを載せる載置面に、HeやAr等の不活性ガスを導入するガス供給孔と、このガス供給孔に連通する溝又は凹部とを形成する。そして、上記ガス供給孔より、載置面上にウェハWを吸着した場合にウェハWと溝や凹部とで形成される空間に不活性ガスを充填する。
載置面に形成する溝形状や凹部形状については、例えば、特許文献1、2,3に記載されている。これらの文献には、図6に示すように、円板状をした静電チャック31の上面に、ガス供給孔34と、このガス供給孔34と連通する複数の放射状溝35と、各放射状溝35と連通し、且つ上記ガス供給孔34を中心に略等間隔で同心円状に配置された還状溝36と、を備えてなり、上記ガス供給孔34に13〜133Paのヘリウムガスが導入され、上記放射状溝35や上記環状溝36やガス供給孔34を除く上面をウェハWの載置面33とした静電チャック31が開示されている。
また、特許文献4には、図7(a)に示すように、円板状をした静電チャック41の上面に、ガス供給孔44と、このガス供給孔44と連通する複数の放射状溝45と、各放射状溝45の端部と連通する一つの環状溝46を備えてなり、上記放射状溝45や上記環状溝46やガス供給孔44を除く静電チャック41の上面をウェハWの載置面43とするとともに、該載置面43にはブラスト加工が施され、該載置面43に、図7(b)に示すような凹凸面とした静電チャックが開示されている。
特許文献5、6、7、8には、図8に示すように、円板状をした静電チャック51の上面に、複数の微小凸部52を点在させるとともに、上面周縁に環状凸部57が設けられ、上記微小凸部52及び環状凸部57の頂面がウェハWの載置面53となされ、静電チャック51の上面には複数のガス供給孔54を設けられ、13〜1333Paのヘリウムガスが導入される静電チャックが開示されている。
更に、特許文献9には、ウェハWを載せる載置面の周縁部に環状の凸状が形成され、中央部に凹面が形成された静電チャックが開示されている。
特許第2626618号公報 特開平6−112302号公報 特開平2−119131号公報 特開平10−56054号公報 特開平7−153825号公報 特開平9−213777号公報 特開平7−18438号公報 特開平8−55905号公報 特開2002−261157号公報
ところが、特許文献1〜9に開示された静電チャックを使い、上記ガス導入口よりウェハWと載置面とで形成される空間にヘリウムガス等を充填すると、載置面の外周部とウェハWの周縁との間から漏れるガス流量が部分的に相違することとなり、載置面とウェハWとの間で充填されたガスによる熱伝達量が異なることとなる結果、ウェハW表面の温度差が大きくなる虞があった。
また、図6に示す載置面を有する静電チャック31では、隣り合う2つの放射状溝35と還状溝36とで囲まれる載置面33の面積が、中心部より周縁部の方が大きい。そのため、載置面33からウェハWへ伝わる熱伝達量が中心部より周縁部の方が多くなってウェハWの周縁部の温度が中心部より高くなる。それにより、図6に示す載置面を有する静電チャック31では、ウェハWの面内温度差が大きなり、均熱性が損なわれるといった課題があった。
また、特許文献3に記載の静電チャックにおいては、導入ガスの圧力が数百Pa以上と大きくなると載置面の形状が温度分布に現れ、ウェハ表面の温度差が大きくなるとの問題があった。また、吸着力が高すぎるために、印加電圧を切った時に残留吸着が発生し、被保持物の離脱応答性が悪くなる。それにより、スループットが小さくなって、生産性が低くなるという問題があった。
さらに、特許文献8に記載した静電チャックは、印加電圧を切った時に残留吸着が発生し、被保持物の離脱応答性が悪くなり、スループットが小さくなって、生産性が低くなるという離脱応答性の問題に加えて、さらに不良率が高くなるという問題があった。これは、この静電チャックの表面粗さが均一で、かつ小さいため、温度均一性は高くなるものの、温度上昇によってウェハが反るため、基板の外周エッジに近い微小な隙間からガスのリークが発生し、プラズマ処理の均一性及び再現性に悪影響を及ぼすからである。
また、図7に示す静電チャック41においても、図6の静電チャックと同様にウェハWの面内温度差が大きいとの課題があった。
このように、従来の静電チャックにおいては、均熱性、吸着力及び離脱応答性の全ての特性に優れるものが得られていない。その結果、従来の静電チャックでは、半導体製造工程においてスループットが低下したり、不良率を高くなったりするという問題があった。
従って、本発明は、基板の均熱性と高い吸着力を維持しながら、離脱応答性とガスリークの少ない静電チャック及びそれを用いた処理装置を提供することを目的とする。
本研究者らは、上記の課題に鑑み鋭意研究を行った結果、以下のような知見を得た。
板状セラミックス対の載置面の周縁に形成された環状凸部と、被保持物を吸着するための静電吸着用電極と、上記板状セラミックス体を貫通する貫通孔とを備えてなる静電チャックにおいて、上記環状凸部の上面と、上記環状凸部の上面に接触するように配置された被保持物との間から多くのガスがリークし、それとともに多くの熱が放出される。一方、算術平均粗さが小さい部分においては、算術平均粗さが大きい部分よりもガスのリークが少なく、それに伴う熱の放出量が少ない。そのため環状凸部と載置面と被保持物との間に充填されたガスによる熱伝達量が、各部分で相違するようになり、加熱されるべき被保持物、例えば半導体ウェハや液晶用ガラス基板等の面内の温度差が大きくなる。それにしたがって、成膜処理、エッチング処理された被保持物において多くの不良品が発生する。そこで、上記環状凸部の算術平均粗さRaの各部分の差を無くして、環状凸部の上面の粗さを均一にすれば、上記環状凸部の上面と、上記環状凸部の上面と接触するように配置された被保持物との間からリークするガス量を、当該環状凸部の全面に亘って均一にすることができ、それにより均熱性を向上させることができる。そして、それにより半導体ウェハ等を均質に成膜処理、又はエッチング処理することができる。また、上記環状凸部の上面の算術平均粗さRaの差をできるだけ小さくすれば、ガスのリーク量も減少させることができ、被保持物の保持力を高く維持することができる。そこで、本発明者らは、上記知見に基づき、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明は、一方の主面が被保持物を載せる載置面であり、他方の主面あるいは内部に静電吸着用電極を備え、上記載置面の外周端部に設けられた、上記被保持物と接触する環状凸部と、該環状凸部の内側に設けられた貫通孔と、を有する板状セラミックス体を備える静電チャックであって、上記環状凸部の、上記被保持物と接触する面の算術平均粗さRaの最大値をRa(max)、最小値をRa(min)としたときに、{Ra
(max)−Ra(min)}/Ra(max)が0.2以下であり、上記環状凸部の内側に環状凹部が設けられており、上記載置面の中央には、上記環状凹部の内側に、滑らかな凹面を有し、上記環状凸部の、上記被保持物と接触する面が、上記凹面より高く突出しており、上記凹面の中央に向けて算術平均粗さRaが小さくなることを特徴とする静電チャックにある。
ここで、算術平均粗さRaとは、粗さ曲線からその平均線の方向に測定長さの部分を抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にx軸をとり、縦倍率の方向にy軸をとり、粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、
Ra=1/L×∫ |f(x)|dx
により与えられる値をμm(マイクロメートル)で表したものをいう。また、より具体的には、Raの測定方法は、JIS B0601−1994に準ずる。Raの値が0.02μm以下では、カットオフ値(λc)は0.08mmで評価長さ(Ln)は0.4mmである。Raが0.02μmを超え0.1μm以下では、λcは0.25mmでLnは1.25mmである。Raが0.1μmを超え2μm以下では、λcは0.8mmでLnは4mmである。Raが2μmを超え10μm以下では、λcは2.5mmでLnは12.5mmである。さらに、Raが10μmを超えて80μm以下では、λcは8mmでLnは40mmである。
さらに、本発明に係る静電チャックは、上記構成において、上記静電吸着用電極が、上記滑らかな凹面と上記環状凹部とに対向して設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る静電チャックは、上記構成において、上記環状凸部の算術平均粗さRaが0.5〜1.2μmであることを特徴とする。
また、本発明に係る静電チャックは、上記構成において、上記静電チャックの他方の主面側に発熱体シートを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る静電チャックは、上記構成において、上記発熱体シートの下面側に冷却部材を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る静電チャックは、上記構成において、上記静電チャックと発熱体シートと冷却部材とをこの順に有機接着剤で貼り合わせたことを特徴とする。
また、本発明に係る静電チャックは、上記構成において、上記板状セラミックス体の40℃での体積固有抵抗値が、10〜1012Ω・cmであることを特徴とする。
また、本発明に係る静電チャックは、上記構成において、上記板状セラミックス体がアルミナ或いは窒化アルミニウムを主成分とすることを特徴とする。
また、本発明に係る静電チャックは、上記構成において、上記板状セラミックス体がアルミナを主成分とし、微量成分として4族元素化合物を含むことを特徴とする。
また、本発明に係るウェハの処理方法は、一方の主面がウェハを載せる載置面であり、他方の主面あるいは内部に静電吸着用電極を備え、上記載置面の外周端部に設けられた、上記ウェハと接触する環状凸部と、該環状凸部より内側に設けられた貫通孔と、を有する板状セラミックス体を備える静電チャックであって、上記環状凸部の、上記ウェハと接触する面の算術平均粗さRaの最大値をRa(max)、最小値をRa(min)としたときに、
{Ra(max)−Ra(min)}/Ra(max)が0.2以下である静電チャックの載置面にウェハを載せ、上記静電チャックに設けられた上記静電吸着用電極により上記ウェハを吸着する工程と、上記貫通孔にガスを供給する工程と、上記環状凸部とウェハとの間から上記ガスを一定流量放出しながら、上記ウェハに半導体薄膜の成膜処理、エッチング処理およびレジスト膜形成処理の少なくとも1つを行なう工程と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るウェハの処理方法は、一方の主面がウェハを載せる載置面であり、他方の主面あるいは内部に静電吸着用電極を備え、上記載置面の外周端部に設けられた、上記ウェハと接触する環状凸部と、該環状凸部より内側に設けられた貫通孔と、を有する板状セラミックス体を備える静電チャックであって、上記環状凸部の、上記ウェハと接触する面の算術平均粗さRaの最大値をRa(max)、最小値をRa(min)としたときに、
{Ra(max)−Ra(min)}/Ra(max)が0.2以下である静電チャックと、該静電チャックの他方の主面側に発熱体シートを備え、さらに該発熱体シートの下面側に冷却部材を備えるとともに、上記静電チャックと、上記発熱体シートと、上記冷却部材とがこの順に有機接着剤で貼り合わされたウェハ保持部材の載置面にウェハを載せ、上記静電チャックに設けられた上記静電吸着用電極により上記ウェハを吸着する工程と、上記貫通孔にガスを供給する工程と、上記環状凸部とウェハとの間から上記ガスを一定流量放出しながら、上記ウェハに半導体薄膜の成膜処理、エッチング処理およびレジスト膜形成処理の少なくとも1つを行なう工程と、を備えることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、一方の主面が被保持物を載せる載置面であり、他方の主面あるいは内部に静電吸着用電極を備え、上記載置面の外周端部に設けられた、上記被保持物と接触する環状凸部と、該環状凸部の内側に設けられた貫通孔と、を有する板状セラミックス体を備える静電チャックであって、上記環状凸部の、上記被保持物と接触する面の算術平均粗さRaの最大値をRa(max)、最小値をRa(min)としたときに、{Ra(max)−Ra(min)}/Ra(max)が0.2以下とすることで、上記被保持物であるウェハW面内の温度差を小さくするとともに、ウェハW離脱時間を小さくしガスリーク量が小さく、吸着力の大きな静電チャックやウェハ保持部材を提供できる。また、載置面とウェハWの間に供給したガスのガスリーク量が少ないことから各種の成膜工程やエッチング工程等に使用できるウェハ保持部材を提供できる。
また、本発明は、上記静電チャックにおいて、上記環状凸部の内側に環状凹部を設けることで、ウェハWの裏面にガスを供給することが容易となる。
さらに上記載置面の中央には上記環状凹部から滑らかな凹面となるガス充填面を有し、上記環状凸部の頂面が上記ガス充填面より突出していると、ウェハWが載置面から離脱する際に、ウェハWの反りによる応力が作用してウェハWが容易に載置面から離脱することができる。
さらに、上記構成において、上記載置面の中央には、上記環状凹部の内側に、滑らかな凹面を有し、上記環状凸部の、上記被保持物と接触する面が、上記凹面より高く突出していると、上記凹面にガスを充填することができるとともに、ウェハWが上記環状凸部と接触しガスリーク量を抑制できる。
さらに、本発明に係る静電チャックは、上記構成において、上記凹面の中央に向けて算術平均粗さRaが小さくなると、上記環状凹部から凹面の中央に向けてガスをスムースに流すことができる。
さらに、本発明に係る静電チャックは、上記構成において、上記静電吸着用電極が、上記滑らかな凹面と上記環状凹部とに対向して設けられていると、上記環状凸部とウェハWとが適度の力で吸着し、上記環状凸部とウェハWとの隙間からガスを所望の量流すことができる。
また、本発明に係る静電チャックは、上記構成において、上記環状凸部の算術平均粗さRaが0.5〜1.2μmであると、上記環状凸部とウェハWとの隙間から流れ出るガス量を小さくすることができる。
また、本発明に係る静電チャックは、上記構成において、上記の静電チャックの他方の主面側に発熱体シートを備えると、ウェハWを所望の温度に加熱することができるとともに、ウェハW面内の温度差を極めて小さくすることができる。
また、本発明に係る静電チャックは、上記構成において、上記発熱体シートの下面側に冷却部材を備えると、ウェハWを加熱することができるとともに、ウェハWを冷却することもできるし、ウェハWの面内温度を急激に変更することができる。
また、本発明に係る静電チャックは、上記構成において、上記静電チャックと発熱体シートと冷却部材をこの順に有機接着剤で貼り合わることで、ウェハWを急速に加熱したり冷却することができるとともに、急激な温度変化が生じても上記張り合わせ面が剥離する虞が少ない。
また、本発明に係る静電チャックは、上記構成において、上記板状セラミックス体の40℃での体積固有抵抗値が、10〜1012Ω・cmであると、ウェハWを載置面に強固に吸着することができる。
また、本発明に係る静電チャックは、上記構成において、上記板状セラミックス体がアルミナ或いは窒化アルミニウムを主成分とすると、載置面が仮にプラズマ雰囲気に晒されても上記載置面が腐食することがなく、上記載置面の表面粗さが変化する虞が少なく、耐久性の優れたウェハ保持部材を提供できる。
また、本発明に係る静電チャックは、上記構成において、上記板状セラミックス体がアルミナを主成分とし、微量成分として4族元素化合物を含むことで、アルミナの体積固有抵抗を低下させることができるとともに、載置面にウェハWを強固に吸着することができる。
また、本発明に係るウェハの処理方法は、一方の主面がウェハを載せる載置面であり、他方の主面あるいは内部に静電吸着用電極を備え、上記載置面の外周端部に設けられた、上記ウェハと接触する環状凸部と、該環状凸部より内側に設けられた貫通孔と、を有する板状セラミックス体を備える静電チャックであって、上記環状凸部の、上記ウェハと接触する面の算術平均粗さRaの最大値をRa(max)、最小値をRa(min)としたときに、{Ra(max)−Ra(min)}/Ra(max)が0.2以下である静電チャックの載置面にウェハを載せ、上記静電チャックに設けられた静電吸着用電極により上記ウェハを吸着する工程と、上記貫通孔にガスを供給する工程と、上記環状凸部とウェハとの間から上記ガスを一定流量放出しながら、上記ウェハに半導体薄膜の成膜処理、エッチング処理およびレジスト膜形成処理の少なくとも1つを行なう工程と、を備えることにより、ウェハWの表面温度を均一にすることができることから、ウェハに成膜処理やエッチング処理およびレジスト膜形成処理を行っても、ウェハWの全面に亘って均一な加工処理を施すことができる。
また、本発明に係るウェハの処理方法は、一方の主面がウェハを載せる載置面であり、他方の主面あるいは内部に静電吸着用電極を備え、上記載置面の外周端部に設けられた、上記ウェハと接触する環状凸部と、該環状凸部より内側に設けられた貫通孔と、を有する板状セラミックス体を備える静電チャックであって、上記環状凸部の、上記ウェハと接触する面の算術平均粗さRaの最大値をRa(max)、最小値をRa(min)としたときに、{Ra(max)−Ra(min)}/Ra(max)が0.2以下である静電チャックと、該静電チャックの他方の主面側に発熱体シートを備え、さらに上記発熱体シートの下面側に冷却部材を備えるとともに、上記静電チャックと、上記発熱体シートと、上記冷却部材とがこの順に有機接着剤で貼り合わされたウェハ保持部材の載置面にウェハを載せ、上記静電チャックに設けられた静電吸着用電極により上記ウェハを吸着する工程と、上記貫通孔にガスを供給する工程と、上記環状凸部とウェハとの間から上記ガスを一定流量放出しながら、上記ウェハに半導体薄膜の成膜処理、エッチング処理およびレジスト膜形成処理の少なくとも1つを行なう工程と、を備えることにより、ウェハWを所望の温度に加熱したり、冷却したりすることができるとともに、ウェハW面内の温度差を小さくすることができることから、ウェハWの全面に亘って均一な加工処理を施すことができる。
本実施の形態に係る静電チャック1は、一方の主面が被保持物を載せる載置面3であり、他方の主面あるいは内部に静電吸着用電極6を備える板状セラミックス体2を有する。さらに、上記板状セラミックス体2は、外周端部から離れて環状凹部4が設けられており、それにより上記環状凹部4の外側が環状凸部3aとなっている。また、上記環状凹部4の内側に、滑らかな凹面3b(滑らかな凹面はガス充填面として用いられる)が形成され、上記環状凸部3aが上記凹面3bより高く突出しており、上記環状凸部3aより内側に貫通孔5(貫通孔5はガス供給孔として用いられる)が設けられている。上記静電チャック1において、上記環状凸部3aの、上記被保持物と接触する面の算術平均粗さRaの最大値をRa(max)、最小値をRa(min)としたときに、{Ra(max)−Ra(min)}/Ra(max)が0.2以下であることを特徴とする。本発明の実施の形態に係る静電チャックを、図面を用いて詳細に説明する。
図1(a)は本発明の静電チャック1の一例を示す断面図であり、図1(b)は図1(a)のA部の断面拡大図である。図2は図1(a)の上面図である。
この静電チャック1は、板状セラミックス体2の一方の主面を被保持物であるウェハWを載せる載置面3とし、他方の主面あるいは内部に静電吸着用電極6を備え、上記載置面3の周縁に環状凸部3aと、該環状凹部4の内側にガス充填面3bと、該ガス充填面3bと連通する貫通孔5とを備えている。そして、必要に応じガス充填面3bには円柱状あるいは角柱状の凸部3cを備えウェハWを保持することができる。
そして、板状セラミックス体2の他方の主面あるいは内部に静電吸着用電極6を備え、該静電吸着用電極6に給電端子8が接続されている。該静電吸着用電極6は単極であっても双曲であっても良い。また、3個以上の複数に分割されていても良い。
なお、10は静電チャック1の温度を測定するための測温素子である。
また、板状セラミックス体2には、複数のリフトピン孔7を備え、リフトピン(不図示)がリフトピン孔7内を上下に移動することができる。
そして、リフトピン孔7から突出したリフトピンに載せられたウェハWは、リフトピンが降下することによって、ウェハWを載置面3に載せることができる。被保持物であるウェハWは環状凸部3aとガス充填面3bとからなる載置面3により保持される。そして、静電吸着用電極6に直流電圧が印加され、ウェハを載置面3に強固に吸着することができる。
また、ウェハWを強固に吸着すると同時に板状セラミックス体を貫通する貫通孔5からヘリウムガスやアルゴンガス等のガスを供給し、ウェハWと環状凸部3aと環状凹部4とガス充填面3bとで形成される空間にガスが充填される。環状凸部3aは、ウェハWの周縁と、その下面において面接触して、それによりガスが漏れる事を制限している。そして、環状凸部3aに囲まれた環状凹部4とガス充填面3bにガスを供給することができる。ガスは貫通孔5から供給され、環状凹部4に一様に広がり、更にウェハWと微小な隙間を形成したガス充填面3bに充填される。また、環状凸部3aとウェハWの接触界面から微量のガスが外部に流れ出る。環状凹部4やガス充填面3bからガスを媒体にして熱を受け取り、この熱がウェハWの裏面に伝えられて、ウェハW面内の温度がより均一にされ、この状態で、例えば成膜ガスを供給すれば、ウェハWの加工表面に均一な膜を被着することができ、また、エッチングガスを供給すれば、ウェハWの加工表面に均一な微細加工を施すことができるようになっている。
図3(a)は本発明の静電チャック1の他の例を示す断面図であり、図3(b)は図3(a)のA部の断面拡大図である。図4は図3(a)の上面図である。
この静電チャック1は、板状セラミックス体2の一方の主面を被保持物であるウェハWを載せる載置面3とし、他方の主面あるいは内部に静電吸着用電極6を備え、上記載置面3の周縁に環状凸部3aと、その内側に環状凹部4と、該環状凹部4の内側にガス充填面3bと、前記環状凹部4と連通する貫通孔5とを備えている。
そして、板状セラミックス体2の他方の主面あるいは内部に静電吸着用電極6を備え、該静電吸着用電極6に給電端子8が接続されている。該静電吸着用電極6は単極であっても双曲であっても良い。また、3個以上の複数に分割されていても良い。
本発明の静電チャック1は、環状凹部4と貫通孔5が連通し、環状凸部3aの頂面の算術平均粗さRaの最大値Ra(max)と最小値Ra(min)との差の比率[= {Ra(max)−Ra(min)}/Ra(max)]が0.2以下であることを特徴とする。上記比率が0.2を越えると、環状凸部3aの算術平均粗さのバラツキが大きくなり環状凸部3aとウェハWとの接触面から漏れるガス量が環状凸部3aの各部で異なり、環状凸部3aのうち、漏れるガス量が多い部分では、ウェハW表面の温度が低下する。一方、環状凸部3aのうち、漏れるガス量の少ない付近では、ウェハW表面の温度が相対的に上昇して、ウェハW面内の温度差が大きくなり、温度均一性が低下するからである。環状凸部3aとウェハWとが接触する接触界面から流れ出るガス量が常に均一であることが必要である。特に、環状凸部3aに囲まれた環状凹部4とガス充填面3bとウェハWとが形成する微小な隙間にガス供給孔5から供給するガスのガス圧が3kPaを越えて大きくなると環状凸部3aと、環状凸部3aとウェハWとの隙間から漏れ出るガス量が相対的に大きくなり、環状凸部3aの算術平均粗さRaの違いにより、当該隙間から漏れるガス量が大きく変化するからである。また、環状凸部3aの幅は1〜10mmであるとガス漏れを制御することが容易となり好ましい。更に好ましくは、この幅は1〜3mmである。
尚、算術平均粗さRaに関しては、環状凸部3aを略等間隔に少なくとも6ポイント測定し、その最大値と最小値から上記比率を算出できる。
また、環状凸部3aの頂面3aは、環状凹部4の内側に形成されたガス充填面3bより高く、上記環状凸3aから上記ガス充填面3bの中央に至り滑らかな凹面が形成されていることが好ましい。載置面3に置かれたウェハWは環状凸部3aに接触しながらガス充填面3bに載せられ、静電吸着力によりウェハWを強固に吸着することができる。環状凸部3aの頂面3aはガス充填面3bより高いと、環状凸部3aとウェハWの周縁の下面とが確実に接触し、ガス漏れを効果的に抑制することができる。また、環状凸部3aからガス充填面3bの中央に至り滑らかな凹面が形成されていると、環状凹部4から供給されたガスはガス充填面3bに流れ易く、そのためウェハWの表面内温度差を小さくすることができる。また、ウェハWを吸着した状態において、ウェハW面が凹面状に僅かに変形されており、静電吸着用電極6の電圧を遮断しウェハWを載置面3から離脱させる際に、ウェハWに残留吸着力が残っても、ウェハWの微妙な反り力で載置面3から離脱する力が作用し、ウェハWを載置面3から容易に離脱することができるからである。
また、ガス充填面3bの算術平均粗さRaは、その周縁で大きく、中央部で小さいことが好ましい。ガス充填面3bの周辺の算術平均粗さRaを大きくすることで、ガスを環状凹部4からガス充填面3bへスムースに流すことができるためである。具体的にはガス充填面3bの周縁の算術平均粗さRaは0.5〜1.2μmが好ましい。より好ましくは0.7〜0.9μmである。また、ガス充填面3bの中央部の算術平均粗さは、上記のガス充填面3bの周縁の算術平均粗さRaより小さいことが好ましい。このような算術平均粗さRaとすることでウェハWと載置面3の隙間にガスを適度に充填させることが可能となり、しかもウェハWが凹面に変形していることから、静電吸着用電極の印加電圧を遮断するとウェハWが反り返り、離脱特性が向上することから好ましい。
また、静電吸着用電極6は、上記板状セラミックス体2の中心付近から環状凹部4の下方(板状セラミックス体2の周縁の内側付近)にまで至り、上記環状凸部の算術平均粗さRaが0.5〜1.2μmであるとともに、上記環状凸部3aの平均高さ(h)は、上記ガス充填面3bの平均高さより高いことが好ましい。そして、ウェハWの外径が300mm以上である場合においては、上記環状凸部3aの平均高さ(h)が、上記ガス充填面3bの中心部の高さより高く、その差が8〜100μmであることが好ましい。より好ましくは、この差は10〜20μmである。静電吸着用電極6が、環状凹部4の下方まで伸びていると、環状凸部3aにおける静電吸着力が大きくなるからである。また、環状凸部3aの算術平均粗さRaが0.5〜1.2μmであれば、充填ガスのリークを適度に抑制することができるからである。なお、静電吸着用電極6が、環状凸部3aの下方まで伸びていると、上記板状セラミックス体の端面から露出してウェハ上方に形成されたプラズマ雰囲気と静電吸着用電極6との間で絶縁が取れなくなる虞がある。また、上記板状セラミックス体の端面から静電吸着用電極6が、露出しなくても上記端面との距離が近くなり上記プラズマ雰囲気と吸着用電極6との間の絶縁耐圧が低下する虞があるので、静電吸着用電極6が、環状凹部4の周縁の下方まで伸びていることが好ましい。特に、静電吸着用電極6を板状セラミックス体の下面に形成する場合に顕著である。静電吸着用電極6を環状凹部4や環状凸部3aの下方まで形成して埋設するには、セラミックス焼結体の収縮精度を詳細に管理することが必要である。また、静電吸着用電極6を板状セラミックス体2の下面に形成することが好ましい。これは、静電吸着用電極を位置精度よく設置することが可能となるからである。なお、静電吸着用電極6が、環状凸部の下方まで伸びていると、上記板状セラミックス体の端面から露出してウェハ上方に形成されたプラズマ雰囲気と静電吸着用電極6との間で絶縁が取れなくなる虞がある。また、上記板状セラミックス体の端面から静電吸着用電極6が、露出しなくても上記端面との距離が近くなり上記プラズマ雰囲気と吸着用電極6との間の絶縁耐圧が低下する虞があるので、静電吸着用電極6が、環状凹部4の周縁の下方まで伸びていることが好ましい。特に、静電吸着用電極6を板状セラミックス体の下面に形成する場合に顕著である。また、ガス充填面3bの平均高さに関しては、ガス充填面3bの最大径方向に5等分した点4箇所の高さの平均値で求める事ができる。
また、上記静電チャック1の他方の主面側に発熱体シート21を備えていることが好ましい。図5に示すように発熱体シート21は、抵抗発熱体22を絶縁性シートで覆うことにより作製されている。また、抵抗発熱体22には給電端子23が接続されている。そして、給電端子23から電力を供給することにより、抵抗発熱体22を発熱することができる。そして静電チャック1を介して抵抗発熱体により、ウェハWを所望の温度に加熱することができる。特に、前記ガスとしてヘリウムを使いガス圧を300Pa以上とすると、発熱体シート21からの熱が載置面3に伝わり、載置面3から効率よくウェハWに熱を伝える事ができる。これによりウェハW面内の温度差を小さくすることができる。
また、上記発熱体シート21の下面側に冷却部材24を備えることが好ましい。冷却部材24には冷却媒体を流す流路29が形成され、発熱体シート21や載置面3からの熱を奪い、これを系外に排出することができる。このように冷却部材24を備えていると、載置面3を所望の温度に設定することができることから好ましい。冷却媒体の温度と発熱体シート21の温度を調整することにより、所望の温度に、特に室温より低い温度にも設定することができる。そして、環状凸部3aによりガスが載置面3に充填されていることから、ウェハW面内の温度差を小さくできて好ましい。冷却部材24の材質は熱伝導率の大きな金属が好ましく、Al、Al合金や、Al−Cu複合材料、やSiCやAlNと金属との複合部材を使用することが好ましい。
また、上記静電チャック1と発熱体シート21と冷却部材24をこの順に有機接着剤層
26、28で貼り合わせたことが好ましい。有機接着剤層26、28は、静電チャック1と発熱体シートとの間の熱膨張差や発熱体シート21と冷却部材24との間の熱膨張差、そして板状セラミックス体と冷却部材24との間の熱膨張差を緩和する作用があり、加熱冷却の熱サイクルが加わっても接着面でクラックが発生したり剥離したりする虞が少なく好ましい。接着剤としてはイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂といった柔らかい樹脂が好ましく、特にシリコン樹脂が好ましい。
また、図には記載していないが、上記有機接着剤層26、28の周りは耐食性の優れたテフロン(登録商標)樹脂等で外周を覆い、プラズマ等に対する耐食性を高める事ができる。
また、板状セラミックス体2の40℃での体積固有抵抗値が10〜1012Ω・cmであることが好ましく、特に、10〜1011Ω・cmであることが好ましい。体積固有抵抗が10Ω・cmより小さいと、板状セラミックス体2から被保持物へのもれ電流が大きくなり、ウェハ等の保持物にダメージを与える虞がある。また、体積固有抵抗が1012Ω・cmより大きいと、ジョンソン−ラーベック吸着力が低下し、十分な吸着力を得られない虞がある。
また、板状セラミックス体2が、アルミナ或いは窒化アルミニウム(AlN)を主成分とすることが好ましい。アルミナやAlNは、フッ素や塩素等を含む腐食性ガスやプラズマによる腐食に強く、パーテイクルの発生を抑制し、製品寿命を延ばすことができる。
特に、AlNの含有する金属不純物は2質量%以下、特に1質量%以下、更には0.5質量%以下であることが好ましい。
また、上記板状セラミックス体2が、アルミナを主成分として、4族元素化合物を微量成分として含むことが好ましい。アルミナに4族元素化合物を含ませることで、板状セラミックス体2の体積固有抵抗が10〜1012Ω・cmとすることができるからである。4族元素としてはTi、Zr、Hfが好ましく、これらの元素の酸化物や炭化物、窒化物が好ましい。上記微量成分である4族元素の酸化物の量は0.5質量%から15質量%であることが好ましい。より好ましくは3〜8質量%である。0.5質量%を下回ると体積固有抵抗が1012Ω・cmを越える虞があり、14質量%を越えると10Ω・cmを下回る虞がある。
このようなアルミナ質セラミックス体は、平均粒径が1μm以下のアルミナ粉末を使い、4族元素酸化物粉末を添加し、混合粉砕後に非酸化雰囲気で焼成することにより得ることができる。焼成温度は1300℃以下であることが好ましい。1300℃を越えると4族元素酸化物がアルミナと反応することにより、これらが複合酸化物を形成する。これにより、複合酸化物の熱膨張係数の異方性からセラミックス体にクラックが入り易くなる。より好ましくは1200〜1250℃である。そして、上記焼成が常圧雰囲気で焼成した場合は、焼結体の密度を高めるために熱間加圧処理して、相対密度が99%以上となるように緻密化することがより好ましい。
或いは、非酸化雰囲気で加圧焼結することが好ましい。
次に本発明のその他の構成について説明する。
アルミナや窒化アルミニウムからなる上記静電チャック1の静電吸着用電極6を構成する金属としては、W、Mo、Pt、Au、Ag、Ni、TiN、WC、WC、TiC、TiB、Ti等を用いる事ができるが、載置面3を有する基板の内部に静電吸着用電極6を形成する場合は(以下電極内蔵と略する。)、導電率とセラミックスの焼成温度が高いことを考慮すると、上記金属としてはW、WC、Moであることが好ましい。また、載置面3の裏面に静電吸着用電極6を形成する場合には、W、Mo、Pt、Au、Ag、Ni、TiN、WC、WC、TiC、TiB、Tiの金属のいずれでもよい。
また、静電吸着用電極4の相対密度は90%以上特に95%以上、さらには97%以上であることが好ましい。このことにより、静電吸着用電極4に大きな気孔の発生することを抑制でき、その結果、吸着力の面内分布を均一化しやすくなる。
さらに、前記板状セラミックス体2の相対密度が98%以上、特に99%以上であることが好ましく、最大気孔径が2μm以下、特に1μm以下であることが好ましい。表面に存在する気孔の大きさが2μm未満と小さく、表面に存在する気孔の数も少ないため、算術平均粗さRaを1.2μm以下に制御することが容易となる。
次に、本発明の静電チャックの製造方法を、板状セラミックス体としてアルミナとAlN焼結体を用いて、図5のウェハ保持部材100を作製する場合を例にとって説明する。
先ず、出発原料としてアルミナ(Al)粉末を準備する。アルミナ粉末は平均粒径が1.2μm以下であって、1300℃以下の焼結温度で焼結できる易焼結アルミナが好ましい。上記アルミナ粉末に平均粒径が1μm以下の微粒の酸化チタンを微量成分として添加する。酸化チタンは体積固有抵抗を容易に制御する点からルチル構造が好ましい。そして、アルミナ粉末と酸化チタン粉末とを振動ミルやボールミルを用いて粉砕混合しスラリーを作製する。作製したスラリーに有機バインダーを添加し混合した後、スプレードライ法等で造粒乾燥し複合材料となる原料を得る。
上記原料を金型に充填し、基板を成形する。静電吸着用電極を埋設したい場合には、印刷法により静電吸着用電極を生形体に形成し、該静電吸着用電極を囲むように成形基板を重ねて再度加圧成形し、それにより静電吸着用電極を埋設した成形体を得ることができる。
そして、窒素ガス雰囲気炉で1200〜1300℃で焼結することができる。アルミナ原料の焼結性が低いものは、上記方法で得られた焼結体を熱間加圧装置により2000気圧1200℃で1時間加圧加熱処理して、相対密度が99%以上である焼結体からなる板状セラミックス体を得ることができる。
次に、窒化アルミニウムからなる板状セラミックス体を例に説明する。出発原料としてAlN粉末を用意する。このAlN粉末に関しては、還元窒化法による製造方法で作製した粉末が、焼結性が高く好ましい。また、AlN焼結体の体積固有抵抗を所望の範囲とするには、酸化セリウムを1〜15質量%含むことが好ましい。また、吸着力に影響のない範囲で、これらの原料中に含まれる金属不純物を含んでいても差し支えないが、耐腐食性に優れた焼結体を得るために、Al以外の金属が2質量%以下、特に1質量%以下、さらには0.5質量%以下にすることが好ましい。
なお、炭素は焼結性に影響するため、1質量%以下、特に0.5質量%以下、更には0.3質量%以下であることが好ましい。また、焼結体の酸素量は、3質量%以下、特に2質量%以下、更には1質量%以下であることが好ましい。これにより、耐腐食性に優れた板状セラミックス体となる焼結体を得ることができる。
上記の窒化アルミニウム粉末を、必要に応じ内部に静電吸着用電極を設けた所望の形状にする。成形は、金型プレス、CIP、テープ成形、鋳込み等の成型方法を用いてもよい。成形体は、成形の時に必要なバインダー成分を除去した後、仮焼を行うことができる。
静電吸着用電極が埋設された静電チャックを作製する場合は、例えば、相対密度差が5%以下の一対の成形体及び/又は仮焼体を用意し、その一方に印刷法により、WやMo等の金属及び/又はTiN等の金属化合物と、主成分をなすセラミック焼結体と、有機バインダと、溶剤とを混合してなるペーストを塗布して電極を形成した後、当該電極を上記成形体及び/又は仮焼体で挟むように、これらを重ねることにより、静電吸着用電極を形成することができる。また、他の方法として、テープ成形体上に電極を印刷し、仮焼後に一対のプレス仮焼体間に挿入してもよい。
この時、金型プレスで成形し、仮焼したプレス仮焼体とテープ仮焼体との相対密度差を10%以下、特に5%以下にしておくことが好ましい。これにより、剥離やクラックの発生を効果的に抑制することができる。
また、静電吸着用電極の形成の際には、あらかじめ焼成後の収縮を確認し、焼結後に静電吸着用電極厚みが7μm以上に形成されるように、形成時の静電吸着用電極厚みを決めることが望ましい。例えば、電極形成用ペーストの組成、濃度、粘度やプレス圧等にもよるが、静電吸着用電極厚みが10μm以上、特に20μm以上、さらには30μm以上に形成しておくことが好ましい。
なお、静電吸着用電極ペーストを塗布する成形体又は仮焼体の平面度を200μm以下、特に100μm以下、更には50μm以下にすることが好ましい。これにより、前記載置面から前記静電吸着用電極までの平均距離のばらつきを制御することが容易となる。
次に、内部に静電吸着用電極を設けた成形体からなる構造体を焼成するが、焼成の前に所望によりバインダー成分を除去してもよい。また、焼成はホットプレス法、常圧焼成法、ガス圧焼成を用いることができる。場合によってはHIPや熱処理を施しても良い。
焼成は、ホットプレス法を例として説明する。まず、上記の構造体をホットプレス装置のカーボン型に装填し、構造体の強度未満の圧力を加えてから昇温することが重要である。圧力を加えないと昇温により収縮や変形が生じ、また、圧力が構造体強度以上では、加圧で試料が割れ、電極形成部の断線や大きな変形が起こるためであり、上述のようにすれば、当該断線や変形を防ぐことができる。
次に、焼成温度未満の温度で保持することが好ましい。この温度保持工程は、構造体の温度を均一にする効果を有し、保持温度は1300〜1700℃と収縮開始温度に近いことが好ましい。また、保持時の圧力は、構造体の強度未満の圧力、特に0.1〜3MPaに設定することが好ましい。また、上記温度保持は、構造体の温度を均一にするため、20分以上、特に1時間以上が好ましい。
上記温度保持工程を終了した後、再度昇温を開始し、収縮開始温度から±100℃の温度範囲において加圧圧力を構造体の強度以上の圧力に設定する。この圧力は、電極の変形を矯正しながら一次元の収縮を行わせ、電極を平坦に保つことができる。上記の加圧開始温度は、特に、収縮開始温度から±50℃の温度範囲であることが好ましい。なお、上記温度保持が終了した時点で昇温を再開すると同時に、加圧を行ってもよい。
ここで、収縮開始温度とは、一定の昇温速度における寸法収縮曲線において、未収縮時の直線の外挿線と、収縮時の曲線の接線の外挿線との交点を示す。
そして、1750〜1900℃の温度で焼成し、電極を内蔵したセラミック焼結体を得ることができる。この焼成は、上記の温度で20分以上、特に1時間以上保持することが好ましく、これにより、緻密体を安定して得ることができる。
さらに、構造体の収縮量の90%が収縮した時点以降において、焼成圧力より高い圧力を加えて、さらに電極の変形を矯正することが好ましい。これにより、焼結体表面から電極までの距離のばらつきを更に小さくすることができる。
また、焼成圧力は0.1MPa以上であることが、相対密度99%以上を達成するために好ましい。なお、圧力をかけるスピードは、特に限定されない。
従って、例えば、初期圧力として0.1〜0.2MPaを印加し、1600℃で1時間保持後、昇温を再開し、1700℃で30MPaの圧力を加え、1850℃で2時間の焼成を行う。
なお、セラミック焼結体が窒化アルミニウム結晶相を主体とする場合、局部的な変形や部位による収縮量の相異、あるいは焼結助剤の不均一分散による応力変形を防ぐため、Al以外の金属の含有量が1質量%以下であることが好ましい。
次に、上記アルミナや窒化アルミニウムからなる板状セラミックス体を用いた本発明の載置面の形成法について説明する。まず、載置面を有するセラミック基板を平面研削加工装置で平面形状に加工する。そして、研削加工、ドリル加工によってガス孔、載置面及びガス溝を形成する。
その後、板状セラミックス体2に静電吸着用電極を埋設しない場合においては、板状セラミックス体2の他方の主面にメッキ法やスパッタ法、蒸着法等により金属薄膜層を静電吸着用電極として成膜し、エッチング加工等で所望の形状の静電吸着用電極を形成して、静電チャック1を作製できる。静電吸着用電極の露出面にはポリイミドフィルム等の絶縁性フィルムで覆い絶縁を保つ事ができる。
そして、上記静電吸着用電極6を形成した面に発熱体シートを接着層26を介して接着する。接着層26は、イミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂といった柔らかい樹脂が用いられる。また、この中に、適宜に金属やセラミックを粉末やバルクとして混入して熱伝導率を高めることができる。なお、接着後に載置面の加工を行っても良い。発熱体シート21は抵抗発熱体22を絶縁体で覆ったもので絶縁体としては上記接着層26と同様にイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂を用いることができる。
また、静電吸着用電極6を埋設した板状セラミックス体2においても同様に発熱体シート21を取り付けることができる。
次に、上記静電チャック1に発熱体シート21を接着した後、該発熱体シート21に接着層28を介して冷却部材24を接着固定する。接着層はイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂を用いることができる。
次に、載置面3の形状を精密に研削加工する。ロータリー研削加工によって、板状セラミックス体2の中心を軸に回転しながら環状凸部3aを研削加工することで環状凸部3aの算術平均粗さを所望のばらつきの小さな範囲内に加工することができる。環状凸部3aの算術平均粗さRaを1.2μm以下、好ましくは0.5〜1.2μm、最大粗さRyを2以下に仕上げる。そして、ガス充填面3bを環状凹部4に隣接する外周から板状セラミックス体2の中心に向けて板状セラミックス体2を回転させながら加工することが好ましい。この際に、環状凸部の高さは、ガス充填面3bの中心の高さより10〜100μm程度高いことが好ましい。そしてガス充填面3bの中心の高さが低くなるように、板状セラミックス体の直径方向への砥石移動速度を一定とし、相対的に板状セラミックス体の中心部でワークの移動速度を小さくして板状セラミックス体の中心部の加工面の表面粗さを小さくするとともに、砥石移動速度を低下させてガス充填面3bの中心部で表面粗さが小さく、周辺で表面粗さを大きくする事ができる。また、ガス充填面3bの中心部の実質的な研削代が大きくなり凹面を形成することができる。
尚、上記冷却部材24を接着固定したウェハ保持部材100を作製した後、載置面3の形状を精密に加工することが好ましが、上記接着工程で板状セラミックス体2の変形が小さければ、板状セラミックス体2の単品あるいは、静電吸着用電極6を形成した後に載置面3の形状を精密に加工することもできる。
以上抵抗発熱体6を備えたウェハ保持部材100の作製方法について説明したが、発熱体シート21を除いて冷却部材2のみを接着固定したウェハ保持部材もその用途に応じ同様に使える。
また、本発明のウェハ保持部材100は、特に液晶用基板を含む半導体の製造用装置として好適に用いられる。即ち、そのような製造工程において、本発明の静電チャック1の載置面3にウェハW等の被保持物を固定し、搬送、エッチング、成膜等の処理を効率よく行うことができ、生産性が高く、低コストで信頼性の高い半導体を実現できる。
原料として平均粒子径1μmの窒化アルミニウム粉末であって、還元窒化法により生成された窒化アルミニウム粉末を用いた。また、平均粒子径1μmの炭素粉末及び平均粒子径1μmのCeO粉末を10質量%添加し、Al以外の金属が1質量%以下になるように混合した。
この混合粉末にエタノールとバインダーを加えて混合し、成形用粉末を作製した。この成形用粉末をプレス成形により直径400mm、厚み6mmの円板に成形した。また、測定用試料として直径80mm、厚み4mmの形状に成形した。WCとAlNと有機バインダーとからなるペーストを用いて電極を形成した。電極を挟むように一対の円板を重ね、さらに、このように重ねられた一対の円板に対してプレス加工を行い、この成形体を脱脂して構造体とした。この構造体をAlN鉢内に入れ、焼成炉内で焼成した。焼成は、予め収縮開始温度付近の1650℃で1時間保持した後、1850℃で2時間焼成した。
次に、上記円板の焼結体の外径加工を行い、直径300mmとした。また、ドリル加工によりガス孔、載置面及びガス溝を形成した。
そして、上記円板に発熱体シートをシリコン接着剤で接着し、さらに円板に接着された発熱体シート上に、アルミニウム合金からなる冷却部材をシリコン接着剤により接着した。
本発明の試料の載置面は、厚み研削を平面研削盤で加工した後、ロータリー研削盤を使い、環状凸部の表面粗さが表1に示すRaになるように載置面全面を仕上げた。この際に、環状凸部の高さは、溝から中心にいたる載置面の中心部の高さより10μm程高くした。その後、ガス充填面の加工をロータリ研削盤を使い同様に研削加工し、図5に示した構造を有する静電チャックを作製した。その試料はNo.1〜6とした。
また、比較例の試料については、静電チャックの載置面を平面研削盤を用いて研削加工することにより得た。また、ダイヤモンド砥石の砥粒を#80、#120、#320と変えて表面粗さを調整した。
そして、これらの試料を真空容器にセットし、成膜容器内の圧力を0.1Paに減圧した後、20℃の冷却水を冷却部材に流しながら、載置面にウェハWを載せて、静電吸着用電極に500Vの電圧を加え、ガス供給孔に2.6kPaのヘリウムガスを供給し、ウェハW表面の平均温度が100℃となるように抵抗発熱体に電力を供給した。
そして、ウェハWの表面温度を、ウェハWの表面に取り付けた32個の熱電対で温度を測定した。32個の熱電対の平均温度が100℃となってから10分後の温度を測定し最大温度と最小温度の差をウェハ面内の温度差とした。その結果を表1に示す。
Figure 0004942364
環状凸部の算術平均粗さの最大値と最小値の差をその最大値で割った比率が0.2以下である本発明の実施例(試料No.1〜6)においては、ウェハ面内の温度差が1.8℃以下と小さく、これらの試料は優れた特性を示すことが分かった。
一方、比較例の試料No.7〜9は、上記比率が0.25、0.30、0.32と大きく、ウェハ面内の温度差が2.5℃以上と大きいため、これらの試料の特性が劣ることが分かった。
実施例1と同様に静電チャックと発熱体シートと冷却部材とを接着した。そして、環状
凸部をロータリ研削盤を使い同様に研削加工した試料をNo.21〜23とした。
試料No.21、22については、ガス充填面が凹面となるように加工した。そしてガス充填面の中心部の高さが低く、環状凸部の5点平均高さ(h)の差を10μmとした。
尚、試料No.23については、ガス充填面をフラットとした。そしてガス充填面の中心部の高さを低くし、環状凸部の5点平均高さ(h)の差を10μmとした。
また、載置面をロータリー研削盤を使い、載置面の環状凸部とガス充填面が同じ高さになるように加工したものを試料No.24とした。
残留吸着力に関しては、載置面に300mmのウェハWを載せ、実施例1と同様に500V(双極電圧250V)を印加し、これを100℃に加熱し10分後に印加電圧を0Vとしてから、ガス供給孔の圧力が急低下するまでの時間をウェハWの離脱時間として測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0004942364
環状凸部の頂面がガス充填面の高さより高く、ガス充填面が滑らかな凹面状に形成された試料No.21、22は、離脱時間が7.4秒以下と小さいため好ましいことが分かった。
また、試料No.23は、離脱時間が9.5秒であるため、試料No.21、22よりやや大きかった。
一方、載置面がフラットな試料No.24に関しては、離脱時間が15.3秒と大きかった。
実施例1と同様に板状セラミックス体を作製し、板状セラミックス体の下面に金属Ti膜を形成し、これを静電吸着用電極とした。環状凸部の幅を1.5mmとし、その内側に1mm幅の環状凹部を形成した。そして、静電吸着用電極は櫛歯形状の双曲型として外形は円形とした。そして静電吸着用電極の外径円の大きさを環状凹部の外径円と同じものを試料No.31〜33、35〜37とした。また、静電吸着用電極の外径を環状凹部の内径とおなじものとしたものを試料No.34とした。
そして、真空容器に実施例1と同様にセットし、同様に100℃に加熱した。10分後のウェハ面内の温度差を測定した。また、供給ガス量からガスリーク量を算出した。その結果を表3に示す。
Figure 0004942364
静電吸着用電極が、環状凹部の下方にまで伸び、環状凸部の算術平均粗さRaが0.5〜1.2である試料No.32,33、35、36は、ウェハの面内温度差が1℃未満と小さく、ガスリーク量も1.4sccm以下と小さいため、好ましいことが分かった。
一方、試料No.31は算術平均粗さが0.32と小さ過ぎることからウェハW面内の温度差が1.92℃と大きくなり好ましくなかった。
また、試料No.37は環状凸部の算術平均粗さの平均値が1.5と大きく、ガスリーク量が4.5sccmと大きいため好ましくなかった。
また、試料No.34に関しては、静電吸着用電極が環状凹部の下方にまでないことから、ガスリーク量が3.6sccmと大きかった。
板状セラミックス体の材質をアルミナと窒化アルミニウムとして、夫々に表4の組成となる添加物を加えた板状セラミックス体を作製した。
体積固有抵抗に関しては、JIS C2141に準拠した3端子法により、40℃で測定した。
そして各板状セラミックス体の体積固有抵抗を測定し、これを実施例1と同様に真空容器にセットし、100℃に加熱した。ウェハ面内の温度差とガスリーク量を測定した。
また、1インチ角のシリコンウェハを載置面に載せ、静電吸着用電極に500Vの電圧を加え100℃に加熱した状態でシリコンウェハを引っ張り上げ、ウェハが離脱した時の最大力を静電吸着力として測定した。その結果を表4に示す。
Figure 0004942364
体積固有抵抗が10〜1012Ω・cmである試料No.42〜52については、ウェハ面内の温度差も1℃未満と小さく、ガスリーク量も3sccm未満と小さく好ましいことが分かった。
一方、体積固有抵抗が2.2×1013Ω・cmである試料No.41については、ウェハ面内の温度差も1.92℃とやや大きく、ガスリーク量も5sccmとやや大きかった。
また、板状セラミックス体がアルミナまたは窒化アルミニウムを主成分とする試料No.42〜52については、ウェハ面内の温度差を1℃未満と小さくしガスリーク量2.3sccm以下と小さくすることができることが分かった。
特に、試料No.42〜49のように、アルミナを主成分にTiO、ZrO、HfO、TiC、ZrC等の4族元素化合物を含む板状セラミックス体からなるウェハ保持部材は、静電吸着力が28kPa以上と大きいため、優れた特性を示すことが分かった。
更に、酸化チタンを3〜8質量%含む板状セラミックス体或いは窒化アルミニウムに酸化セリウムを含む板状セラミックス体からなるウェハ保持部材は、静電吸着力が36kPa以上と大きく、ガスリーク量も1.1sccm以下と小さいため、好ましいことが分かった。
(a)は、本発明の静電チャックの概略断面図であり、(b)はそのA部の概略の断面拡大図である。 図1に示す本発明の静電チャックの載置面の概略の上面図である。 (a)は、本発明の静電チャックの概略断面図であり、(b)はそのA部の概略の断面拡大図である。 図3に示す本発明の静電チャックの載置面の概略の上面図である。 本発明の静電チャックを使ったウェハ保持部材に断面図である。 従来の静電チャックの載置面の上面図である。 従来の静電チャックの載置面の上面図である。 従来の静電チャックの載置面の上面図である。
符号の説明
1・・・静電チャック
2・・・板状セラミックス体
3・・・載置面
3a・・・環状凸部
3b・・・ガス充填面
4・・・環状凹部
5・・・ガス供給孔
6・・・静電吸着用電極
8・・・給電端子
9・・・測温素子用凹部
10・・・測温素子(熱電対)
21・・・発熱体シート
22・・・抵抗発熱体
23・・・給電端子
24・・・冷却部材
26・・・接着層
28・・・接着層
29・・・冷却媒体流路
100・・・ウェハ保持部材
W・・・ウェハ

Claims (11)

  1. 一方の主面が被保持物を載せる載置面であり、他方の主面あるいは内部に静電吸着用電極を備え、上記載置面の外周端部に設けられた、上記被保持物と接触する環状凸部と、該環状凸部の内側に設けられた貫通孔と、を有する板状セラミックス体を備える静電チャックであって、
    上記環状凸部の、上記被保持物と接触する面の算術平均粗さRaの最大値をRa(max)、最小値をRa(min)としたときに、{Ra(max)−Ra(min)}/Ra(max)が0.2以下であり、
    上記環状凸部の内側に環状凹部が設けられており、
    上記載置面の中央には、上記環状凹部の内側に、滑らかな凹面を有し、上記環状凸部の、上記被保持物と接触する面が、上記凹面より高く突出しており、
    上記凹面の中央に向けて算術平均粗さRaが小さくなることを特徴とする静電チャック。
  2. 上記静電吸着用電極が、上記滑らかな凹面と上記環状凹部とに対向して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
  3. 上記環状凸部の算術平均粗さRaが0.5〜1.2μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の静電チャック。
  4. 上記請求項1乃至3のいずれかに記載の静電チャックの他方の主面側に発熱体シートを備えたことを特徴とするウェハ保持部材。
  5. 上記発熱体シートの下面側に冷却部材を備えたことを特徴とする請求項4記載のウェハ保持部材。
  6. 上記静電チャックと発熱体シートと冷却部材とをこの順に有機接着剤で貼り合わせたことを特徴とする請求項5に記載のウェハ保持部材。
  7. 上記板状セラミックス体の40℃での体積固有抵抗値が、10〜1012Ω・cmであることを特徴とする請求項6に記載のウェハ保持部材。
  8. 上記板状セラミックス体がアルミナ或いは窒化アルミニウムを主成分とすることを特徴とする請求項7に記載のウェハ保持部材。
  9. 上記板状セラミックス体がアルミナを主成分とし、微量成分として4族元素化合物を含むことを特徴とする請求項8に記載のウェハ保持部材。
  10. 一方の主面がウェハを載せる載置面であり、他方の主面あるいは内部に静電吸着用電極を備え、上記載置面の外周端部に設けられた、上記ウェハと接触する環状凸部と、該環状凸部より内側に設けられた貫通孔と、を有する板状セラミックス体を備える静電チャックであって、上記環状凸部の、上記ウェハと接触する面の算術平均粗さRaの最大値をRa(max)、最小値をRa(min)としたときに、{Ra(max)−Ra(min)}/Ra(max)が0.2以下であり、上記環状凸部の内側に環状凹部が設けられており、上記載置面の中央には、上記環状凹部の内側に、滑らかな凹面を有し、上記環状凸部の、上記被保持物と接触する面が、上記凹面より高く突出しており、上記凹面の中央に向けて算術平均粗さRaが小さくなる静電チャックの載置面にウェハを載せ、上記静電チャックに設けられた上記静電吸着用電極により上記ウェハを吸着する工程と、上記貫通孔にガスを供給する工程と、上記環状凸部とウェハとの間から上記ガスを一定流量放出しながら、上記ウェハに半導体薄膜の成膜処理、エッチング処理およびレジスト膜形成処理の少なくとも1つを行なう工程と、を備えるウェハ処理方法。
  11. 一方の主面がウェハを載せる載置面であり、他方の主面あるいは内部に静電吸着用電極を備え、上記載置面の外周端部に設けられた、上記ウェハと接触する環状凸部と、該環状凸部より内側に設けられた貫通孔と、を有する板状セラミックス体を備える静電チャックであって、上記環状凸部の、上記ウェハと接触する面の算術平均粗さRaの最大値をRa(max)、最小値をRa(min)としたときに、{Ra(max)−Ra(min)}/Ra(max)が0.2以下であり、上記環状凸部の内側に環状凹部が設けられており、上記載置面の中央には、上記環状凹部の内側に、滑らかな凹面を有し、上記環状凸部の、上記被保持物と接触する面が、上記凹面より高く突出しており、上記凹面の中央に向けて算術平均粗さRaが小さくなる静電チャックと、該静電チャックの他方の主面側に発熱体シートを備え、さらに該発熱体シートの下面側に冷却部材を備えるとともに、上記静電チャックと、上記発熱体シートと、上記冷却部材とがこの順に有機接着剤で貼り合わされたウェハ保持部材の載置面にウェハを載せ、上記静電チャックに設けられた上記静電吸着用電極により上記ウェハを吸着する工程と、上記貫通孔にガスを供給する工程と、上記環状凸部とウェハとの間から上記ガスを一定流量放出しながら、上記ウェハに半導体薄膜の成膜処理、エッチング処理およびレジスト膜形成処理の少なくとも1つを行なう工程と、を備えるウェハ処理方法。
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