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JP4936284B2 - 保湿不織布包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、保湿成分を含有させることで保湿性を付与した保湿不織布を収納した包装体に関する。
ウェットティシュとは、不織布に水やアルコールなどの含浸液を含有させた製品である。従来、このウェットティシュの包装体としては、樹脂製の円筒状や箱状のものがあり、または袋状のフィルム包装がある。そして、このウェットティシュ包装体は、含浸液を不織布質量の2〜3倍程度収容し、この大量の水分やアルコールの揮発を防止するために完全な密閉性を必要とし、防湿性の高い樹脂容器やフィルムで包装している。また、前記ウェットティシュ包装体内には、カビなどの発生を防止するために防カビ剤などの保存料を配合しているものがある(特許文献1)。
また従来、ティシュペーパー包装体としては、ドライなティシュペーパーを収納するもので、紙製のカートンにしたものや、またはフィルム包装のポケットティシュと一般に呼ばれているものがある(特許文献2)。
さらに、保湿ティシュとは、保湿した繊維ウェブ製品として、ティシュペーパーに保湿成分と水分を含有させたものである。この保湿ティシュの包装体としては、前記ティシュペーパー包装体と同様である。
特開2003−79530号公報 特開平9−48477号公報
保湿不織布製品は家庭用途や衛生用途など、家庭内や事務所など一般の人々が居住生活する環境下で使用されるものであり、温度や湿度の変化にさらされる。また、長期間保管されたり、開封後も長期間に亘って使用されることも多い。さらに、基材となるシートにはパルプやレーヨンなどが配合されていることが多く、吸湿性を有している。また、パルプ、レーヨンなどはセルロースであり、水分が多いとカビの発生など生物的攻撃を受けやすい。カビの発生を抑制する方法として防カビ剤など保存料を配合するものもあるが、人によっては肌に刺激性を与えることがあり、好ましくない。
また、ウェットティシュのように大量の水分を含む製品は、水分の揮発を防止するために完全な密閉性を必要とし、防湿性の高い容器やフィルムが必要であり、包装容器が高価になる。さらに、使用中にも乾燥を防ぐために密栓やシールをする必要があることなど使用性が劣っていた。
従来のティシュペーパーおよび保湿ティシュの箱状の包装容器は、透湿性の高い紙製の材質が使用されていた。しかし、保湿不織布製品は、保湿ティシュと比べて保湿成分の含有量が多く、吸湿性が高いため、これらの容器に収納すると、長期間保管した時にカビが発生する懸念がある。
また、保湿不織布に含まれる水分は、保湿成分と不織布が吸湿して保持している水分であるからその包装容器の完全な密閉性は必要としない。しかし、保湿不織布の水分量は、環境の水分量の影響を受け、環境が高湿度であれば水分量も増加し、乾燥状態になれば水分量も減少する。
そこで、本発明は、一定の条件を備えた包装容器によって水分変化を緩衝することにより、使用性が良好で、実用上カビ等の発生の危険性が少なく、保存料を配合する必要性も少ないため安全性が高く、また安価な保湿不織布包装体を提供することを目的とする。
また、保湿不織布の保湿処理液中に油分が含まれるとフィルムの材質を侵食するおそれがあるので、本発明は、フィルムを包装容器に用いる場合には油分の影響を受け難い材質のフィルムを使用した保湿不織布包装体を提供することを目的とする。
保湿不織布に含まれる水分は、環境中の水分と行き来をしており、この水分量は環境の湿度の影響を受ける。水分活性値とは、物質が含有する水分中の自由水であり、生物が生育するのに利用できる水分である。この水分活性値は物質に接触する大気の相対湿度を測定することで得られ、水分活性値(aw)=相対湿度RH(%)×0.01の関係にある。時間、栄養源、温度、菌糸の存在、酸素量などの他の因子も影響するが、この水分活性値が0.80以上でカビの発生の可能性が高く、0.90以上では細菌の発生する可能性があるとされている。
本発明では、以下の試験条件で3時間静置したときの内容物の保湿不織布の水分活性値を0.70以下に抑える包装容器であれば、実用上カビの発生の可能性が少ないことを見出した。包装容器に収納された保湿不織布製品の水分活性値は、保湿不織布の吸湿性、容器の透湿性、容器の密閉性、温度変化による結露現象などによって影響を受ける。このためカビの発生の直接的な指標として包装容器内に収納された保湿不織布の水分活性値を判断基準として用いることが有効である。
そのため、本発明にかかる保湿不織布包装体は、保湿不織布を包装容器に収納してなる保湿不織布包装体であって、温度23℃、相対湿度50%の標準状態で24時間静置した後、温度23℃、相対湿度85%の環境に3時間静置したとき、前記保湿不織布の水分活性値を0.70以下に保持するようにしたものとしている。なお、前記保湿不織布の水分活性値は、より好ましくは0.65以下、さらに好ましくは0.60以下に保持するようにしたものとすることができる。なお、本試験条件で密閉性の高い包装容器に収納された製品は試験の前後で水分活性値の変化はほとんどなく、試験前の水分活性値が0.70以下である必要がある。一般的なウェットティシュ製品の水分活性値は0.98程度であり、この範囲ではない。
さらに、本発明にかかる保湿不織布包装体は、包装容器が蓋を閉じられる構造としており、この蓋はいったん開封した後、閉じた状態にしておけるものとしている。
さらに、本発明にかかる保湿不織布包装体は、包装容器の取出し口を合成樹脂フィルムまたはシートによるスリット構造または重ね合わせ構造としており、この取出し口から容器内に収納した前記保湿不織布を取り出せるものとしている。
さらに、本発明にかかる保湿不織布包装体は、包装容器の材質のJIS−L 1099(A−2法)による透湿度が、42g/m2 ・h以下であるものとしている。なお、前記透湿度は、より好ましくは20g/m2 ・h以下、さらに好ましくは10g/m2 ・h以下であるものとすることができる。このような透湿度であれば、保湿不織布の水分活性値の増加をより充分に抑制することがきる。
さらに、本発明にかかる保湿不織布包装体は、包装容器が合成樹脂フィルムまたはシートと紙を張り合わせたものからなり、その包装容器の形状が箱状であるものとしている。
さらに、本発明にかかる保湿不織布包装体は、包装容器が合成樹脂フィルムまたはシートと紙の二重構造からなり、その包装容器の形状が箱状であるものとしている。
さらに、本発明にかかる保湿不織布包装体は、包装容器の合成樹脂フィルムまたはシートの材質が、延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンのいずれかの一種以上を含むものとしている。ポリエチレンとしてはLDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)を挙げることができる。なかでも梨地エンボス加工をしたフィルムが好ましい。このようにすると、油分の影響を受け難く、透湿度を低下させることもできる。これらのフィルムにヒートシール性を付与する目的や耐油性を向上させ、透湿度を低下させるために積層したフィルムを用いることもできる。例えばVMPET(アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート)、PET/LLDPE、OP/CPP、PET/VMPET/LLDPEのような構成を挙げることができる。
さらに、本発明にかかる保湿不織布包装体は、保湿不織布に含有する水分が保湿成分または不織布繊維によって吸湿・保持された水分であるものとしている。
さらに、本発明にかかる保湿不織布包装体は、不織布原紙の重量に対して水溶性成分を1%以上含有し、当該保湿不織布の平衡水分率と当該保湿不織布から水溶性成分を除去した際の平衡水分率とを比較した場合の平衡水分率増加率が0.5%以上としている。
さらに、本発明にかかる保湿不織布包装体は、保湿不織布を構成する繊維が、パルプまたはレーヨンの少なくとも何れか一方を含むものとしている。
保湿不織布とは保湿成分を含有する不織布である。水溶性成分とは保湿不織布を60℃の蒸留水で洗浄したときに流失する成分(脱落繊維は除く)とする。水溶性成分には、保湿成分、保湿成分が大気と平衡状態にあるときに保持する水分、親油性物質を界面活性剤で可溶化や乳化するなどして水溶解性や水分散性とした成分などが含まれる。
水溶性成分含有量は、不織布原紙の重量に対して1〜250%、好ましくは5〜150%、更に好ましくは10〜100%である。水溶性成分含有量は不織布原紙に塗布する保湿液の塗工量によりコントロールすることができる。水溶性成分含有量が1%より少ないと不織布が硬く感じられる。250%より多いとべたつき感がある。保湿不織布に柔らかさ、サラッとした滑らかな肌触りの良さを求める場合には10〜50%が最も好ましい。保湿不織布にしっとり感や肌への保湿効果を求める場合には50〜100%が最も好ましい。
保湿不織布の平衡水分率と当該保湿不織布から水溶性成分を除去した際の平衡水分率とを比較した場合の平衡水分率増加率は好ましくは0.5〜40%、更に好ましくは1.0〜20%である。保湿不織布に柔らかさ、サラッとした滑らかな肌触りの良さを求める場合には1.0〜3.0%が最も好ましい。保湿不織布にしっとり感や肌への保湿効果を求める場合には3.0〜10%が最も好ましい。平衡水分率増加率が0.5%以下であると、保湿不織布の柔らかさ、しっとり感等の特性の発現が不十分となる。平衡水分率増加率が40%以上であるとベタツキ感が強くなり好ましくない。
さらに、本発明にかかる保湿不織布は、最も強い方向の単位目付あたりのF5値が0.40N・m2 /g以下で、最も弱い方向の強度が1.0N以上とすることができる。この条件を満たす保湿不織布は触感が柔らかく、使用時に手に馴染んで変形するため使用感が良いが、使用に耐えられる十分な強度をもつ。
最も強い方向の単位目付あたりのF5値は0.40N・m2 /g以下、好ましくは0.20N・m2 /g以下、更に好ましくは0.15N・m2 /g以下である。最も強い方向の単位目付あたりのF5値が0.40N・m2 /g以上であると、保湿不織布が硬く感じられ、ゴワゴワ感があり、使い心地が悪い。
最も弱い方向の強度は1.0N以上、好ましくは2.0N以上、さらに好ましくは3.0N以上である。最も弱い方向の強度が1.0N以上でないと、使用時に破れてしまい、使い勝手が悪い。
さらに、本発明にかかる保湿不織布は、ラローズ法における測定開始から5秒経過時における保湿不織布1gあたりの吸水量が0.03〜2.50ml/gで、保水率が3.0以上とすることができる。この条件を満たす不織布を使用して濡れた肌を拭くと、肌にある水分によって保湿不織布に含まれる保湿成分が溶け出し、適度な量の保湿成分が水分とともに肌に残るため、肌にしっとり感、保湿感が強く感じられる。
ラローズ法における測定開始から5秒経過時における保湿不織布1gあたりの吸水量は0.03〜2.50ml/gである。使用時の肌への保湿性を重視する場合には0.03〜0.30ml/gが好ましく、使用時の吸水性を重視する場合には0.30〜2.50ml/gが好ましい。吸水量が0.03ml/g以下であると、濡れた肌を拭くときに拭き残しが多く、使用感が悪い。吸水量が2.50ml/g以上であると、拭き残しが少なくなりすぎて、保湿不織布の保持する保湿成分が肌に転写しにくくなり、肌にしっとり感、保湿感が残らない。
保水率は好ましくは3.0以上、更に好ましくは4.0以上である。保水率が3.0以下であると、濡れた肌を拭くとすぐに水分が飽和状態になり、拭き取りシートとしての役目を果たさなくなる。
さらに、本発明にかかる保湿不織布は、ハンドルOメーターにおける最も剛軟度が大きい方向の単位目付あたりの剛軟度が5.0mN・m2 /g以下とすることができる。また、カンチレバー法における最も剛軟度が大きい方向の単位目付あたりの剛軟度が1.5mm・m2 /g以下とすることができる。この条件を満たす保湿不織布はしなやかで、曲げ柔らかく、ドレープ性が良い。
ハンドルOメーターにおける最も剛軟度が大きい方向の単位目付あたりの剛軟度は5.0mN・m2 /g以下、好ましくは4.0mN・m2 /g以下である。カンチレバー法における最も剛軟度が大きい方向の単位目付あたりの剛軟度は好ましくは1.5mm・m2 /g以下である。これらの条件を満たさない保湿不織布は曲げ硬く、使用時にゴワゴワ感を感じる。
ドレープ係数は68%以下、好ましくは65%以下、更に好ましくは60%以下であることが望ましい。ドレープ係数が68%以下であるとしなやかで、肌沿い性が良く、ワイパーとして使用すると手に沿って変形しやすいため、細かい部分を拭くときに好適に用いられる。
KES曲げ剛性B値は最もB値が大きい方向の値が0.20gf・cm/cm以下、好ましくは0.15gf・cm/cm以下、更に好ましくは0.10gf・cm/cm以下であることが望ましい。最も大きい方向のKES曲げ剛性B値が0.20gf・cm/cm以下であると、保湿不織布が曲げ柔らかく感じる。ワイパーとして使用した場合にもゴワゴワ感を感じることがない。
KESせん断剛性G値は最もG値が大きい方向の値が2.00g/cm・degree以下、好ましくは1.50g/cm・degree以下、さらに好ましくは1.30g/cm・degree以下である。KESせん断剛性G値は不織布にずりの力が加わったときの応力を示す値であり、G値が小さいと曲げ柔らかさ、肌沿い性の良さにつながる。最も大きい方向のKESせん断剛性G値が2.00g/cm・degree以下であると、保湿不織布が柔らかく感じ、ワイパーとして使用した場合にもゴワゴワ感を感じることがない。
さらに、本発明にかかる保湿不織布は、摩擦感テスターによるMIU値が0.45以下とすることができる。この条件を満たす保湿不織布に触ると滑らかさを感じる。MIU値が0.45以上である保湿不織布は表面を触った時に滑らかさを感じない。
さらに、本発明にかかる保湿不織布は、初期熱流束最大値Qmaxが0.08〜0.30J/cm2 /secとすることができる。
初期熱流束最大値Qmaxは好ましくは0.09〜0.20J/cm2 /secである。保湿不織布に柔らかさ、サラッとした滑らかな肌触りの良さを求める場合には0.09〜0.115J/cm2 /secが最も好ましい。保湿不織布にしっとり感や肌への保湿効果を求める場合には0.115〜0.20が最も好ましい。Qmaxが0.08J/cm2 /sec以下であるとしっとり感を感じない。Qmaxが0.30J/cm2 /sec以上であると触れたときに冷たく感じる。
水溶性成分を担持させる前の不織布、すなわち、不織布原紙の製造は、通常の不織布製造技術を採用することができる。
具体的には、スパンレース法、スパンボンド法、湿式法、エアーレイド法、ケミカルボンド法、メルトブロー法などが挙げられる。これらの製造法を組み合わせて製造することもできる。水流で繊維を交絡して、繊維がルーズに結合しているスパンレース法が好ましい製造技術である。なかでもパルプやレーヨンなどのセルロース系繊維を含有するスパンレース不織布は吸水性がよく、しっとり感が増すためより好ましい。
不織布原紙の目付を20〜100g/m2 に設定できる。目の周りなど細かい部分を拭く用途など、しなやかさ、ドレープ性などが重視される場合は好ましくは30〜60g/m2 、さらに好ましくは40〜50g/m2 である。一方、体全体を拭く用途など大きな吸水量、強度などが重視される場合は40〜100g/m2 、さらに好ましくは50〜80g/m2 である。
水溶性成分は不織布原紙に保湿液を塗工することにより不織布に担持させることができる。保湿液は保湿成分、水、油類、油類を保湿液に分散させるための界面活性剤などを含むことができる。保湿液中の水分量を保湿液の平衡水分率付近に調整した状態で塗工すると、塗工後の乾燥や調湿工程を省略することができ、経済的である。
保湿成分とは水分の保持能力が高い物質で、その具体例としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビット、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ラクチトール、オリゴ糖アルコール、マルチトール、還元澱粉加水分解物、果糖、ブドウ糖、オリゴ糖、トレハロース、グリシンベタイン、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸塩、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、乳酸、乳酸塩、尿素などが挙げられる。
グリセリンは、吸湿力、コスト、安全性の面で好適である。また、ソルビトールは、グリセリンより吸湿力は低いが、一旦取り込んだ水分を保持する能力が高く、グリセリンと併用することにより環境湿度の変化に伴う保湿不織布の水分の変化を緩衝する効果が得られる。
油類の具体例としては、流動パラフィン、スクワランなどの炭化水素類、オリーブ油、ツバキ油、ヒマシ油、大豆油、やし油、牛脂、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン、トリカプリル酸グリセリンなどの油脂類、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オクタン酸セチルなどのエステル油類が挙げられる。
油類が多くなれば、肌への転移性に優れたものとなる。
保湿不織布に含まれる水分は、保湿成分や不織布原紙の吸湿力により保持されている水分である。すなわち保湿不織布が置かれている環境の空気中に含まれる水分と平衡状態にある水分である。ウェットティシュのような不織布重量に対し200%以上の水分を含み、乾燥を防止する包装が必須である製品とは本質的に異なる。ただし、衛生的に保つ目的や、よりしっとり感が高い状態を保つ目的のために、密封した包装をすることや、さらには水分率が高い状態または低い状態で包装することもできる。この包装された保湿不織布の水分率は、23℃50%RHにおける平衡水分率+40%以下であることが好ましく、23℃50%RHにおける平衡水分率+20%以下であることがさらに好ましく、23℃50%RHにおける平衡水分率+10%以下であることが最も好ましい。
保湿液の不織布原紙への塗工方法はグラビア塗工、スプレー塗工、ダイ塗工、ディッピング法など通常の塗工方法から選ぶことができる。片面塗工だけでもよいが、不織布の表裏の肌触りを揃えるためには両面塗工が好ましい。
本発明にかかる保湿不織布包装体は、環境中からの吸湿性および吸湿時間を抑制することで、内容物の保湿不織布の水分活性値の上昇を抑え、カビの好む環境が出現することを防止し、実用上、カビ等の発生の無い製品とすることができる。これによって、本発明にかかる保湿不織布包装体は、防カビ剤などの保存料を配合することなく、人体に対して安全な製品とすることができる。また、フィルムの材質を特定することで、本発明にかかる保湿不織布包装体の安定性を高めることができる。
以下、本発明にかかる保湿不織布包装体の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
先ず、包装容器に収納する保湿不織布について説明する。
(不織布の製造)
針葉樹クラフトパルプ(キャンフォー社製ハウサンド400)をパルパーで離解し、円網式抄紙機により坪量30g/m2 のパルプ紙を作製した。レーヨン繊維(1.1dtex38mm)を2台のカード機で解繊し、目付10g/m2 の1対の繊維ウェブを作製した。上記のパルプシートを1対の繊維ウェブの間に挟み、搬送ベルトに供給した。搬送ベルトの走行経路に配置されたウォータージェット処理装置で交絡一体化処理を行い、目付52.4g/m2 のパルプ入りスパンレース不織布を得た。ウォータージェット処理は孔径80μmのノズルを使用し、水圧4.5MPaで処理した。
(保湿加工)
こうして得られた不織布にグラビア塗工法により保湿処理液を塗工した。塗工後、温度23℃、湿度50%の標準状態に24時間放置して調湿した。その後、保湿不織布の目付を測定すると74.4g/m2 であった。すなわち保湿加工率は41.9%である。
(保湿処理液)
保湿処理液は、グリセリン60重量部、ソルビトール10重量部、デカグリセリンモノステアリン酸エステル1重量部、流動パラフィン5重量部、ポリオキシエチレン(20EO)ソルビタンモノステアレート1重量部、ソルビタンモノステアレート0.4重量部、水22.6重量部の配合処方とした。
(保湿不織布包装体)
上記のようにして得られた保湿不織布を、図1〜7に示したような各包装容器に収納し、温度23℃、相対湿度50%の標準状態で24時間静置した後、温度23℃、相対湿度85%の環境に3時間静置したとき、前記保湿不織布の水分活性値が0.70以下に保持するようにしたものとしている。
図1、2に示した包装容器1は、合成樹脂フィルム2とボール紙などの紙3の二重構造にしており、その容器形状を箱状にしており、紙3のミシン目とした切取り部4を切り取ることにより蓋5を開封できるようにしている。そして、この蓋5の下方に位置する合成樹脂フィルム2には、スリット構造とした取出し口6が設けられており、この取出し口6から容器内に収納した保湿不織布7を取り出せるようにしている。
図3、4に示した包装容器1は、合成樹脂フィルム2と紙3を張り合わせた(紙3に合成樹脂フィルムをラミネート加工した)ものにしており、その容器形状を箱状にしており、ミシン目とした切取り部4を切り取ることにより蓋5を開封できるようにしている。そして、この蓋5を開放した状態にすることにより、容器内に収納した保湿不織布7を取り出せるようにしている。さらに、前記蓋5は、閉じた状態でその端部5aを包装容器1に設けた差込み部8に差し込むことができる構造としている。したがって、この包装容器1は、蓋5をいったん開封した後に、閉じた状態にしておけるものとしている。
参考例として図5に示した包装容器1は、ボール紙などの紙3からなるものにしており、その容器形状を箱状にしており、容器上部に開口9を設けたものとしている。そして、この開口9には、合成樹脂フィルム2を重ね合わせた構造とした取出し口6が設けられており、この取出し口6から容器内に収納した保湿不織布7を取り出せるようにしている。
参考例として図6に示した包装容器1は、合成樹脂フィルム2からなるものとしており、その容器形状を袋状にしており、上部のミシン目とした切取り部4を切り取ることにより開封できるようにしている。そして、この包装容器1の開封口から容器内に収納した保湿不織布7を取り出せるようにしている。
図7に示した包装容器1は、ボール紙などの紙3からなるものにしており、その容器形状を箱状にしており、ミシン目とした切取り部4を切り取ることにより蓋5を開封できるようにしている。
参考例1、実施例2、参考例3〜7
参考例1は、図1、2に示したような包装容器1において、その包装容器1を合成樹脂フィルム(厚さ40μのポリエチレンフィルム)と紙(360g/m2 のノーコート白ボール紙)の二重構造にしており、その透湿度を0g/m2 ・hにしている。そして、未開封の状態において、前記包装容器1に収納された保湿不織布7の前記水分活性値を0.50に保持するようにしたものとしている。
実施例2は、図3、4に示したような包装容器1において、その包装容器1を合成樹脂フィルム(厚さ25μのPETフィルム)と紙(360g/m2 のノーコート白ボール紙)を張り合わせた(紙に合成樹脂フィルムをラミネート加工した)ものにしており、その透湿度を3g/m2 ・hにしている。そして、未開封の状態において、前記包装容器1に収納された保湿不織布7の前記水分活性値を0.53に保持するようにしたものとしている。
参考例3は、図7に示したような包装容器1において、その包装容器1を紙(860g/m2 のノーコートの白ボール紙)からなるものにしており、その透湿度を10g/m2 ・hにしている。そして、未開封の状態において、前記包装容器1に収納された保湿不織布7の前記水分活性値を0.60に保持するようにしたものとしている。
参考例4は、図7に示したような包装容器1において、その包装容器1を紙(580g/m2 のノーコートの白ボール紙)からなるものにしており、その透湿度を20g/m2 ・hにしている。そして、未開封の状態において、前記包装容器1に収納された保湿不織布7の前記水分活性値を0.66に保持するようにしたものとしている。
参考例5は、図7に示したような包装容器1において、その包装容器1を紙(450g/m2 のコート白ボール紙)からなるものにしており、その透湿度を42g/m2 ・hにしている。そして、未開封の状態において、前記包装容器1に収納された保湿不織布7の前記水分活性値を0.69に保持するようにしたものとしている。
参考例6は、図6に示したような包装容器1において、その包装容器1を厚さ40μのポリエチレンフィルムからなるものにしており、その透湿度を0g/m2 ・hにしている。そして、未開封の状態において、前記包装容器1に収納された保湿不織布7の前記水分活性値を0.50に保持するようにしたものとしている。
参考例7は、参考例1の包装容器1をいったん開封し、その後蓋を閉じた状態にしたものであり、この包装容器1に収納された保湿不織布7の前記水分活性値を未開封状態の0.50から0.58にしたものとしている。
実施例8は、実施例2の包装容器1をいったん開封し、その後蓋を閉じた状態にしたものであり、この包装容器1に収納された保湿不織布7の前記水分活性値を未開封状態の0.53から0.62にしたものとしている。
(比較例1〜6)
比較例1は、図7のような包装容器で市販のティッシュペーパーのカートンに使用されている材質の紙(360g/m2 のノーコート白ボール紙)からなるものにしており、その透湿度を67g/m2 ・hにしている。そして、未開封の状態において、前記包装容器に収納された保湿不織布の前記水分活性値を0.76に保持するようにしたものとしている。
比較例2は、図7のような包装容器の材質を紙(230g/m2 の図画用紙)からなるものにしており、その透湿度を148g/m2 ・hにしている。そして、未開封の状態において、前記包装容器に収納された保湿不織布の前記水分活性値を0.84に保持するようにしたものとしている。
比較例3は、保湿不織布を包装容器に収納せず、そのまま静置したものである。そして、その静置状態の保湿不織布の前記水分活性値を0.85にしたものとしている。
比較例4は、比較例1の包装容器に防カビ剤(パラオキシ安息香酸イソプロピル0.05重量部を前記実施例の保湿液100重量部に配合したもの)を添加させたものであり、その透湿度および保湿不織布の水分活性値も比較例1と同様にしている。
比較例5は、参考例5の包装容器を開封状態にしたものであり、この包装容器に収納された保湿不織布の前記水分活性値を未開封状態の0.69から0.77にしたものとしている。
比較例6は、比較例1の包装容器の蓋を切り取って開封状態にしたものであり、この包装容器に収納された保湿不織布の前記水分活性値を未開封状態の0.76から0.81にしたものとしている。
前記包装容器の透湿度および保湿不織布の水分活性値は、以下のようにして測定した。さらに、前記包装容器に収納された保湿不織布のカビの発生試験についても、以下のようにして行った。
<測定方法>
1.透湿度
包装容器の透湿度は、繊維製品の透湿度試験方法 JIS L 1099 (ウォーター法 A−2)による。
2.水分活性値
1)包装容器に収納された保湿不織布を、温度23℃、相対湿度50%の標準状態に24時間静置する。
2)温度23℃、相対湿度85%に調整した恒温恒湿機に3時間静置する。このとき保湿不織布の上部約1cmの風速が0.8m/sを超えない位置に置く。
3)内容物の包装容器に面する保湿不織布の水分活性値を、水分活性測定器:ポータブル水分活性計、Pawkit(アイネクス社) により測定する。
<カビの発生試験>
下記条件に保湿不織布を同時に静置し、保湿不織布の表面にカビの発生が観察されるまでの日数を調べた。
1)加速試験:温度20±5℃、湿度95±2%、日数80日までの条件下で、密閉容器内に試料を静置し、10日毎に内容物を観察した。
2)長期保管試験:温度5〜36℃、湿度20〜86%、日数12ヶ月までの条件下で
、温度、湿度の調整設備のない屋内に試料を静置し、1ヶ月毎に内容物を観察した。
<フィルム材質への薬液の影響試験>
1)試験方法 :フィルムに上記保湿処理液を0.1g置き、その上に同じフィルムを重ねて放置し、一定期間後のフィルムの表面を観察する。
侵食が見られるものを「×」、やや侵食が見られるものを「△」、 侵食が見られないものを「○」とした。
2) 試験条件 :温度40℃、相対湿度75%で9日放置した。
3)薬液 :上記保湿処理液 、 流動パラフィン
<性能試験>
サンプルはJIS P8111(紙、板紙及びパルプ−調湿及び試験のための標準状態)に従って23℃、50%RHの環境で調湿して試験を行った。
(目付)
JIS L1913(一般短繊維不織布試験方法)単位面積あたりの質量を目付とした。
(水溶性成分含有率)
以下の手順により測定した。
100mm×100mmの大きさに裁断したサンプル5枚を標準状態(23℃、50%)で調湿して重量を測定する(その重量をAとする。すなわち、A=(不織布繊維の重量)+(不織布繊維の平衡水分重量)+(保湿成分重量)+(保湿成分の平衡水分重量)となる)。そのサンプルを60℃の蒸留水2L中で攪拌しながら10分間洗浄し、サンプルの水を充分に切る。(脱落繊維があるときはろ紙を用いてろ過し、得られた脱落繊維を不織布サンプルと同様に操作して不織布サンプルの重量Bに加える。)105℃の熱風乾燥器を用いて3時間乾燥させ、再び標準状態(23℃、50%)で調湿して重量を測定する(その重量をBとする。すなわち、B=(不織布繊維の重量)+(不織布繊維の平衡水分重量)となる)。このとき次式により水溶性成分含有率を計算する。
水溶性成分含有率(%)=(A−B)÷B×100
(平衡水分率)
JIS P8127(紙及び板紙−水分試験方法−乾燥器による方法)を参考に、以下の手順により測定した。
100mm×100mmの大きさに裁断したサンプル5枚を標準状態(23℃、50%)で調湿して重量を測定する(その重量をAとする)。そのサンプルを秤量瓶(筒型で胴径60mm、高さ80mmの大きさの秤量瓶を使用)に入れふたを閉じて重量を測定する(その重量をBとする)。秤量瓶のふたを開けて105℃の熱風乾燥器に3時間入れて乾燥させ、秤量瓶のふたを閉めてデシケーター中で、23℃になるまで冷却して重量を測定する(その重量をCとする)。このとき次式により平衡水分率を計算する。
平衡水分率(%)=(B−C)÷A×100
(平衡水分率増加率)
上記の方法で、保湿不織布の平衡水分率と保湿不織布から水溶性成分を除去した際の不織布(保湿加工前の不織布)の平衡水分率を測定し、その差を取って平衡水分率増加率とした。
平衡水分率増加率(%)=(保湿不織布の平衡水分率)−(保湿不織布から水溶性成分を除去した際の平衡水分率)
(強伸度測定)
JIS L1913(一般短繊維不織布試験方法)に従って測定した。ただし、サンプル幅50mm、つかみ間隔を100mm、引張速度300mm/minで試験を行った。F5値は、サンプルが5%伸張した時点の応力を測定した。
(吸水量)
ラローズ法により試験開始より5秒時点、10秒時点、飽和時点の吸水量を測定した。サンプル重量で吸水量を割ることによりサンプル1gあたりの吸水量を計算した。
(保水率)
保水率は次の方法で測定した。
100mm×100mmの大きさに裁断したサンプルを標準状態(23℃、50%)で調湿したあとの重量を測定する(その重量をAとする)。そのサンプルをバットに入れた蒸留水の中に60秒間浸漬した後、傾斜角度30°の金網上に60秒間放置し、すばやくはかりにのせて重量を測定する(その重量をBとする)。このとき次式により保水率を計算する。
保水率=(B−A)÷A
(剛軟度)
JIS L1096(一般織物試験方法)剛軟性 A法(45°カンチレバー法)、E法(ハンドルOメーター法)、G法(ドレープ係数)のそれぞれに従って測定した。ただし、E法においては、サンプルサイズを100mm×100mmとし、サンプルの中央位置で測定した。スリット幅は10mmとした。
(KES 表面試験)
カトーテック株式会社KES SE摩擦感テスターにより測定した。摩擦子表面にシリコーンラバーを貼った摩擦子(カトーテック株式会社製KES SE用シリコーンセンサー)を使用した。摩擦子接触面積1cm2 、荷重25gf/cm2 、試料台移動速度1mm/secで測定した。各試料の裏面と表面について、たて方向、よこ方向の測定を行い、すべてのデータを平均した。
(KES 純曲げ試験)
カトーテック株式会社KES FB2純曲げ試験機により曲げ剛性B、曲げヒステリシス幅2HBを測定した。試料幅200mm、標準高感度条件で測定した。試料の大きさが200mmよりも小さいときには試料幅100mmで測定しても良い。
(KES せん断試験)
カトーテック株式会社KES FB1せん断試験機によりせん断剛性G、せん断0.5°におけるヒステリシス幅2HGを測定した。試料幅200mm、標準高感度条件で測定した。
(初期熱流束最大値Qmax)
カトーテック株式会社KES F7 THERMO LABO によりQmaxを測定した。サンプル温度は20℃、銅板初期温度は30℃、接触圧は10gf/cm2 で測定した。測定は表面と裏面について測定を行い、データを平均した。
<結果>
以下の表1、表2、表3に示す通りである。
Figure 0004936284
Figure 0004936284
Figure 0004936284
<評価>
(未開封の場合)
参考例1、実施例2、参考例3〜6のいずれにも、80日間の加速試験、および12ヶ月間の長期保存試験で、カビの発生は認められなかった。
参考例4では、加速試験で70日目にカビの発生が認められ、参考例5では、加速試験で60日目にカビの発生が認められたが、参考例4、5のいずれにも、長期保存試験ではカビの発生は認められなかった。
比較例1では、加速試験で40日、長期保存試験では12ヶ月目でカビの発生が認められた。
比較例2は、比較例1より透湿度の高い材質であったため、加速試験で30日、長期保存試験では10ヶ月目でカビの発生が認められ、比較例1と比べてカビの発生も早かった。
比較例3は、包装容器に収納せず保湿不織布をそのまま静置したものであるが、加速試験で20日、長期保存試験では8ヶ月目でカビの発生が認められ、環境の湿度の影響を直接受けるためカビの発生が最も早かった。
比較例4は、比較例1に防カビ剤を含有させたものであるため、加速試験で50日目にカビの発生が認められたが、長期保存試験ではカビの発生が認められず、比較例1と比べてカビの発生は抑制されていた。この比較例4と参考例1、実施例2、参考例3〜6とを比べてみても、保湿不織布の水分活性値を抑制することが防カビ剤の添加と同等以上の効果があることがわかった。
(開封後、再封した場合)
参考例7は、参考例1の包装容器を開封後、蓋をして再封したものであるが、密封性が低下するため、保湿不織布の水分活性値は未開封時の0.50から0.58に増加した。しかし、加速試験、長期保存試験ともにカビの発生は認められなかった。
実施例8は、実施例2の包装容器を開封後、蓋をして再封したものであるが、密封性が低下するため、保湿不織布の水分活性値は未開封時の0.53から0.62に増加した。しかし、加速試験、長期保存試験ともにカビの発生は認められなかった。
比較例5は、参考例5の包装容器を開封後、蓋をして再封したものであるが、保湿不織布の水分活性値は未開封時の0.69から0.77に増加したので、加速試験では30日目で、長期保存試験では12ヶ月目でカビの発生が認められた。
比較例6は、比較例1の包装容器を開封後、蓋をして再封したものであるが、保湿不織布の水分活性値は未開封時の0.76から0.81に増加し、加速試験では30日目で、長期保存試験では11ヶ月でカビの発生が認められ、未開封と比べて早かった。
以上の評価により、未開封の包装容器、開封後に再封した包装容器のいずれであっても、保湿不織布の水分活性値を0.70以下に抑制すれば、防カビ剤などの保存料を添加しないでも、実用上カビの発生の可能性を低下させることができるのは、明らかである。
包装容器に用いるフィルムとしては油分の影響を受け難い、LDPE(低密度ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、OP(延伸ポリプロピレン)、VMPET(アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート)が良好であり、PET/LLDPE、OP/CPP、PET/VMPET/LLDPEの積層フィルムがさらに良好である。
この発明の保湿不織布包装体の第一参考形態を示しており、未開封の状態の斜視図である。 この発明の保湿不織布包装体の第一参考形態を示しており、開封した状態の斜視図である。 この発明の保湿不織布包装体の第二実施形態を示しており、未開封の状態の斜視図である。 この発明の保湿不織布包装体の第二実施形態を示しており、開封した状態の斜視図である。 この発明の保湿不織布包装体の第三参考形態を示す斜視図である。 この発明の保湿不織布包装体の第四参考形態を示す斜視図である。 この発明の保湿不織布包装体の第五参考形態を示す斜視図である。
符号の説明
1 包装容器
2 合成樹脂フィルム
3 紙製シート
6 取出し口
7 保湿不織布

Claims (8)

  1. 不織布に保湿処理液を塗工した保湿不織布を包装容器に収納してなる保湿不織布包装体であって、温度23℃、相対湿度50%の標準状態で24時間静置した後、温度23℃、相対湿度85%の環境に3時間静置したとき、水溶性成分を不織布原紙の重量に対して5〜150%含有させ、前記包装容器に収納された前記保湿不織布の水分活性値を0.53〜0.70に保持するようにし、前記包装容器は箱状で、前記保湿処理液に対する耐浸食性を有する合成樹脂フィルムまたはシートを、紙と張り合わせたもの、あるいは紙との二重構造としたものであり、透湿性を有することを特徴とする保湿不織布包装体。
  2. 前記包装容器が蓋を閉じられる構造としており、この蓋はいったん開封した後、閉じた状態にしておけるものとしていることを特徴とする請求項1記載の保湿不織布包装体。
  3. 前記包装容器の取出し口を合成樹脂フィルムまたはシートによるスリット構造または重ね合わせ構造としており、この取出し口から容器内に収納した前記保湿不織布を取り出せるものとしていることを特徴とする請求項1記載の保湿不織布包装体。
  4. 前記包装容器の材質のJIS−L 1099(A−2法)による透湿度が、42g/m2 ・h以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の保湿不織布包装体。
  5. 前記合成樹脂フィルムまたはシートの材質が、延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンのいずれかを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の保湿不織布包装体。
  6. 前記保湿不織布に含有する水分が保湿成分または不織布繊維によって吸湿・保持された水分であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の保湿不織布包装体。
  7. 不織布原紙の重量に対して水溶性成分を5〜150%含有する保湿不織布であて、当該保湿不織布の平衡水分率と当該保湿不織布から水溶性成を除去した際の平衡水分率とを比較した場合の平衡水分率増加率が0.5〜40%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の保湿不織布包装体。
  8. 前記保湿不織布を構成する繊維が、パルプまたはレーヨンの少なくとも何れか一方を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の保湿不織布包装体。
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