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JP4918289B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

車両用動力伝達装置 Download PDF

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Description

本発明は、エンジンからの駆動力を車輪に伝達する駆動力伝達機構(例えば、変速機)に駆動力の伝達容量を可変設定可能なクラッチ(例えば、発進クラッチ)を備えてなる動力伝達装置に関する。
このような動力伝達装置は自動車等に多用されており、クラッチを用いて変速制御や動力伝達制御等を行うように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。このクラッチの係合制御を行うことにより伝達トルク(伝達容量)制御が可能であり、例えば、エンジンからの入力トルクが急激に変化するような場合(例えば、アクセルペダルの急操作が行われた場合や、縁石乗り越えのような場合)に、クラッチの伝達容量を低減させることによりクラッチを滑らせて走行ショックの発生を防止するようになっている。
特開2000−9158号公報
しかしながら、クラッチ係合時におけるクラッチの伝達容量(すなわち、クラッチの係合力)が過大の場合には、クラッチの伝達容量を減少させたときに伝達容量の低減が間に合わず走行ショックが発生し、クラッチの伝達容量が過小の場合には、クラッチの過剰な滑りにつながるという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、入力トルクの急激な変化に適切に対応できる車両用動力伝達装置を提供することを目的とする。
このような目的達成のため、本発明に係る車両用動力伝達装置は、エンジンからの回転駆動力を車輪に伝達する駆動力伝達機構(例えば、実施形態におけるベルト式無段変速機CVT)と、駆動力伝達機構における伝達容量を可変設定可能なクラッチ(例えば、実施形態における発進クラッチ5)と、クラッチの係合作動を制御するクラッチ制御器(例えば、実施形態における電子制御ユニットECU)とを備え、緩加速中または車速がほぼ一定となるクルーズ走行中において、クラッチ制御器は、
クラッチが一旦係合状態になると、係合状態のクラッチに微小滑りが生じるのを検出するまでクラッチのクラッチ係合力を減少させ、クラッチの微小滑りを検出したときのクラッチ係合力に所定の係合力を足したクラッチ係合力をクラッチに加えてクラッチを係合状態にし、当該係合状態を維持する制御を行うようになっている。
また、緩加速中またはクルーズ走行中においてエンジンのスロットル開度が所定開度以上変化したとき、微小滑りを検出したときのクラッチ係合力に所定の係合力を足したクラッチ係合力を減少させると所定時間内にクラッチが滑り状態になるように、所定の係合力が設定される。
また、上述の発明において、クラッチ制御器によるクラッチ係合力の制御は、フィードバック制御におけるPI制御を利用して行われており、係合状態のクラッチに微小滑りが生じるのを検出するまでクラッチのクラッチ係合力を減少させる制御は、PI制御における積分項を減少させることにより行われてもよい。
本発明によれば、緩加速中またはクルーズ走行中において、クラッチ制御器は、クラッチが一旦係合状態になると、係合状態のクラッチに微小滑りが生じるのを検出するまでクラッチのクラッチ係合力を減少させ、クラッチの微小滑りを検出したときのクラッチ係合力に所定の係合力を足したクラッチ係合力をクラッチに加えてクラッチを係合状態にし、当該係合状態を維持する制御を行う。そのため、エンジンからの入力トルクが急激に変化した場合に、トルク変化前のクラッチ係合力を維持することで迅速にクラッチを適切な滑り状態にすることができることから、走行ショックやクラッチの過剰な滑りを防止することが可能になり、入力トルクの急激な変化に適切に対応することができる。
またこのとき、所定の係合力が、緩加速中またはクルーズ走行中においてエンジンのスロットル開度が所定開度以上変化したとき、所定の係合力が足されたクラッチ係合力を減少させると所定時間内にクラッチが滑り状態になるように設定されることで、走行ショックやクラッチの過剰な滑りをより確実に防止することが可能になり、入力トルクの急激な変化に対しより適切に対応することができる。
また、上述の発明において、係合状態のクラッチに微小滑りが生じるのを検出するまでクラッチのクラッチ係合力を減少させる制御は、PI制御における積分項を減少させることにより行われてもよく、このようにすれば、クラッチ係合力の制御を容易に行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1に本発明に係る車両用動力伝達装置の断面図を示し、この装置の動力伝達系構成を図2に示している。これら両図から分かるように、この装置は、エンジンEと、このエンジンEの出力軸Es上に配設された電気モータジェネレータMと、エンジン出力軸Esにカップリング機構CPを介して連結された無段変速機CVTとから構成される。
エンジンEは4気筒レシプロタイプエンジンであり、シリンダブロック50内に形成された四つのシリンダ室51内にそれぞれピストン52(図3を参照)が配設されている。このエンジンEは、各シリンダ室51に対する吸排気を行わせるための吸気バルブ53および排気バルブ54(図3を参照)の作動制御を行う吸排気制御装置55と、各シリンダ室51に対する燃料噴射制御および噴射燃料の点火制御を行う燃料噴射・点火制御装置56とを有している。また、図3に模式的に示すように、エンジンEには、各シリンダ室51内に空気を供給するための吸気管60が配設されており、この吸気管60には、外部空気が吸い込まれるエアクリーナ61、エアクリーナ61で吸い込まれた空気を冷却するインタークーラ62、各シリンダ室51に吸気される空気の空気量を調節するスロットル弁63、スロットル弁63からの気体を各シリンダ室51に送るインテークマニホールド64、吸気管60(インテークマニホールド64)内の圧力を測定する圧力センサ65等が設けられている。
電気モータジェネレータMは、車載のバッテリにより駆動されてエンジン駆動力をアシストすることが可能であり、また、減速走行時には車輪側からの回転駆動により発電を行ってバッテリの充電(エネルギー回生)を行うことができるようになっている。このように本実施形態おける動力伝達装置は、駆動源がハイブリッドタイプ構成となっている。
ベルト式無段変速機CVTは、図1および図2に示すように、入力軸1とカウンタ軸2との間に配設された金属Vベルト機構10と、入力軸1の上に配設された前後進切換機構20と、カウンタ軸2の上に配設された発進クラッチ(メインクラッチ)5とを備えて構成される。この無段変速機CVTは車両用として用いられ、入力軸1はカップリング機構CPを介してエンジン出力軸Esと連結され、発進クラッチ5からの駆動力は、ディファレンシャル機構8から左右のアクスルシャフト8a,8bを介して左右の車輪(図示せず)に伝達される。
金属Vベルト機構10は、入力軸1上に回転自在に配設されたドライブプーリ11と、カウンタ軸2上にこれと一体回転するように配設されたドリブンプーリ16と、両プーリ11,16間に巻き掛けられた金属Vベルト15とから構成される。ドライブプーリ11は、入力軸1上に回転自在に配設された固定プーリ半体12と、固定プーリ半体12に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体13とを有する。可動プーリ半体13の側方にはシリンダ壁12aにより囲まれてドライブ側シリンダ室14が形成されており、このドライブ側シリンダ室14にコントロールバルブCVから油路31を介して供給されるプーリ制御油圧により、可動プーリ半体13を軸方向に移動させるドライブ側圧が発生される。
ドリブンプーリ16は、カウンタ軸2に固定された固定プーリ半体17と、固定プーリ半体17に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体18とからなる。可動プーリ半体18の側方にはシリンダ壁17aにより囲まれてドリブン側シリンダ室19が形成されており、このドリブン側シリンダ室19にコントロールバルブCVから油路32を介して供給されるプーリ制御油圧により、可動プーリ半体18を軸方向に移動させるドリブン側圧が発生される。
上記構成から分かるように、上記両シリンダ室14,19への供給油圧(ドライブおよびドリブン側圧)をコントロールバルブCVにより制御し、ベルト15の滑りの発生することのない側圧を与える。さらに、ドライブおよびドリブン側圧を相違させる制御を行い、両プーリのプーリ幅を変化させて金属Vベルト15の巻き掛け半径を変化させ、変速比を無段階に変化させる制御が行われる。このように変速比制御を行うためのドライブおよびドリブン側圧は、エンジンEにより駆動される油圧ポンプ(図示せず)からの油圧をレギュレータバルブにより調圧して得られるライン圧を用いて設定される。具体的には、ドライブおよびドリブン側圧のうち高圧側の側圧がライン圧を用いて設定される。
前後進切換機構20は、遊星歯車機構からなり、入力軸1に結合されたサンギヤ21と、固定プーリ半体12に結合されたリングギヤ22と、後進用ブレーキ27により固定保持可能なキャリア23と、サンギヤ21とリングギヤ22とを連結可能な前進用クラッチ25とを備える。この機構20において、前進用クラッチ25が係合されると全ギヤ21,22,23が入力軸1と一体に回転し、エンジンEの駆動によりドライブ側プーリ11は入力軸1と同方向(前進方向)に回転駆動される。一方、後進用ブレーキ27が係合されると、キャリア23が固定保持されるため、リングギヤ22はサンギヤ21と逆の方向に駆動され、エンジンEの駆動によりドライブ側プーリ11は入力軸1と逆方向(後進方向)に回転駆動される。なお、これら前進用クラッチ25および後進用ブレーキ27の係合作動は、コントロールバルブCVにおいてライン圧を用いて設定される前後進制御油圧により制御される。
発進クラッチ5は、カウンタ軸2と出力側部材すなわち動力伝達ギヤ6a,6b,7a,7bとの動力伝達(トルクの伝達)を制御する摩擦係合式の油圧クラッチであり、これが係合されると両者間での動力伝達が可能となる。このため、発進クラッチ5が係合されているときには、金属Vベルト機構10により変速されたエンジン出力が動力伝達ギヤ6a,6b,7a,7bを介してディファレンシャル機構8に伝達され、ディファレンシャル機構8により分割されて左右のアクスルシャフト8a,8bを介して左右の車輪に伝達される。発進クラッチ5が解放されると、このような動力伝達は行えず、変速機は中立状態となる。このような発進クラッチ5の係合制御は、コントロールバルブCVにおいてライン圧を用いて設定されるクラッチ制御油圧を、油路33を介して供給して行われる。
以上のように構成された無段変速機CVTにおいては、上述のように、コントロールバルブCVから油路31,32を介して供給されるドライブおよびドリブン側圧により変速制御が行われ、図示しない油路を介して前進クラッチ25および後進ブレーキ27に供給される前後進制御油圧により前後進切換制御が行われ、油路33を介して供給されるクラッチ制御油圧により発進クラッチ係合制御が行われる。このコントロールバルブCVは電子制御ユニットECUからの制御信号に基づいて作動が制御される。
以上のような構成の動力伝達装置は車両上に搭載されて作動されるが、電気モータジェネレータMはエンジンEの駆動力をアシストし、エンジンEをできる限り燃費の良い範囲で運転して、車両駆動時の燃費を向上させる。このため、電気モータジェネレータMは電子制御ユニットECUから制御ライン36を介した制御信号に基づいて作動制御が行われる。これと同時に、エンジンEをできる限り燃費の良い範囲で運転させることができるような変速比を設定するような変速制御も行われるが、この制御は、電子制御ユニットECUにより制御ライン35を介してコントロールバルブCVに送られる制御信号によりなされる。
さらに、エンジンEにおいて、四つの気筒(シリンダ室51)の一部もしくは全部を所定の運転状態(例えば、アイドリング状態や減速運転状態)で休筒させ、休筒状態で車両走行を行うことができるようになっている。すなわち、電子制御ユニットECUにより、制御ライン37を介して吸排気制御装置22の作動を制御するとともに制御ライン38を介して燃料噴射・点火制御装置23の作動を制御し、一部もしくは全部のシリンダ室21における吸排気バルブを閉止保持するとともに燃料噴射および点火を行わせず、休筒状態にすることができるようになっている。これにより、減速走行時等における燃費向上を図ることができる。
以上のように構成される車両用動力伝達装置において、車両が緩加速中または車速がほぼ一定となるクルーズ走行中のときにおいても、電子制御ユニットECUによりコントロールバルブCVを作動させて、油路33を介してクラッチ制御油圧を発進クラッチ5に供給し、この発進クラッチ5の係合制御(すなわち、発進クラッチ5でのトルク伝達容量の設定制御)を行う。このときにおける発進クラッチ5の係合制御内容について、図4のフローチャートおよび、図5のタイムチャートを参照して説明する。
この制御では、まず、図4に示すように、車両が緩加速中またはクルーズ走行中であるか否か、具体的には、例えば、発進クラッチ5のスリップ率ESCが98%を超える状態で、かつスロットル弁63の開度THが所定の開度でほぼ一定の状態であるか否かが判断される(ステップS101)。なお、このときのスロットル弁63の開度THは、アクセルペダルの踏み込み量が少量の状態(TIPINの状態)に対応した比較的少量の開度である。
車両が緩加速中またはクルーズ走行中でない場合には、ステップS109に進んで所定のトルクサーボ制御による発進クラッチ5の係合制御が行われ、その後、制御が終了する。例えば、図5における時間帯t1において、スロットル弁63の開度THが零から所定の開度に変化すると、トルクサーボ制御によりクラッチ制御油圧PCCMDが増加するのに伴って発進クラッチ5のスリップ率ESCが増加する。なお、トルクサーボ制御は、エンジン出力軸Esの回転数等から算出される推定駆動トルクに応じた2自由度制御である。
一方、車両が緩加速中またはクルーズ走行中である場合には、ステップS102〜S104においてクラッチ容量最適制御が行われる。このクラッチ容量最適制御では、スリップ率ESCを目標値としたクラッチ制御油圧(すなわち、クラッチ係合力)のフィードバック制御が行われ、フィードバック制御において、いわゆるPI制御(比例−積分制御)が行われる。ステップS102では、スリップ率ESCの目標値を100%に設定し、発進クラッチ5を係合状態にする。例えば、図5における時間帯t2において、発進クラッチ5のスリップ率ESCが98%を超えると、クラッチ制御油圧PCCMDがさらに増加してスリップ率ESCが100%に達する。なおこのとき、クラッチ制御油圧PCCMDは、フィードフォワード制御における所定のフィードフォワード項に加えて、PI制御における比例項(P項)および積分項(I項)が加算された制御出力となるが、スリップ率ESCが100%となった時点で比例項が0になる。
スリップ率ESCが100%に達して発進クラッチ5が一旦係合状態になると、次のステップS103では、係合状態の発進クラッチ5に微小滑りが生じるのを(スリップ率ESC<99%となるのを)検出するまで、クラッチ制御油圧を減少させる。すなわち、発進クラッチ5のクラッチ係合力を減少させて発進クラッチ5の伝達容量を小さくする。例えば、図5における時間帯t3において、クラッチ制御油圧PCCMDが減少するのに伴って発進クラッチ5のスリップ率ESCが(100%から)99%未満に減少する。なおこのとき、クラッチ制御油圧PCCMDは、フィードフォワード制御における所定のフィードフォワード項に加えて、PI制御における積分項が加算された制御出力となるが、積分項(積分ゲイン)を減少させることによりクラッチ制御油圧(すなわち、クラッチ係合力)を減少させている。
発進クラッチ5に微小滑りが生じると、次のステップS104では、クラッチ滑り防止のため、発進クラッチ5の微小滑りを検出したときのクラッチ制御油圧に所定のマージン油圧を加算したクラッチ制御油圧を発進クラッチ5に供給する。すなわち、発進クラッチ5の微小滑りを検出したときのクラッチ係合力に(マージン油圧に応じた)所定の係合力を足して、発進クラッチ5の伝達容量を大きくすることになる。例えば、図5における時間帯t4において、発進クラッチ5に微小滑りが生じたとき(スリップ率ESC<99%となったとき)のクラッチ制御油圧PCCMDにマージン油圧が上乗せされ、発進クラッチ5のスリップ率ESCが再び100%になって発進クラッチ5が係合状態になる。なおこのとき、クラッチ制御油圧PCCMDは、フィードフォワード制御における所定のフィードフォワード項に加えて、PI制御における比例項および積分項が加算された制御出力となるが、このときの積分項はステップS103において減少した積分項であり、比例項がマージン油圧(所定の係合力)に相当する。
このようにして、緩加速中またはクルーズ走行中における発進クラッチ5の係合制御が行われる。これにより、エンジンEからの入力トルクが急激に変化した場合に、トルク変化前のクラッチ制御油圧(すなわち、クラッチ係合力)を維持することで迅速に発進クラッチ5を適切な滑り状態にすることができることから、走行ショックやクラッチの過剰な滑りを防止することが可能になり、入力トルクの急激な変化に適切に対応することができる。
なお、所定のマージン油圧は、緩加速中またはクルーズ走行中においてスロットル弁63の開度THが所定開度以上変化したとき、例えば、スロットル弁63の開度THが所定の開度から零に変化したとき、マージン油圧が加えられたクラッチ制御油圧を減少させると所定時間内(スロットル弁63の開度THの変化による走行ショックが発生するまでの時間内)に発進クラッチ5が滑り状態になる値に設定される。このようにすれば、走行ショックやクラッチの過剰な滑りをより確実に防止することが可能になり、入力トルクの急激な変化に対しより適切に対応することができる。
続いて、スロットル弁63の開度THが所定の開度でほぼ一定であるか否かが判断される(ステップS105)。スロットル弁63の開度THが所定の開度でほぼ一定の間は、クラッチ制御油圧がほぼ一定に保たれて発進クラッチ5の係合状態が維持される。一方、アクセルペダルの踏み込み量が零(TIPOUTの状態)になって、スロットル弁63の開度THが所定の開度から零に変化したとき、ステップS106に進んでTIPOUT制御が行われる。
ステップS106におけるTIPOUT制御では、クラッチ制御油圧を(発進クラッチ無効ストローク学習圧まで)一定の傾きで所定時間減少させて発進クラッチ5を滑り状態にし、スロットル弁63の開度THの変化(TIPOUT)による走行ショックを吸収する。例えば、図5における時間帯t5において、クラッチ制御油圧PCCMDが一定の傾きで所定時間減少するのに伴って、発進クラッチ5のスリップ率ESCが100%を超えて(例えば、103%程度になって)発進クラッチ5が滑り状態になる。なお、スリップ率ESCが100%を超える状態は、車輪側からの駆動により発進クラッチ5がスリップしていることを示し、エンジンE側からの駆動により発進クラッチ5がスリップするときにはスリップ率ESCは100%未満の値で表される。
ステップS106においてTIPOUT制御が行われた後、ステップS107に進んで減速フィードバック制御が行われる。ステップS107における減速フィードバック制御では、発進クラッチ5のスリップ率ESCを101.5%に設定し、発進クラッチ5を微小滑り状態にする制御が行われる。例えば、図5における時間帯t6において、発進クラッチ5のスリップ率ESCが101.5%となるように、クラッチ制御油圧PCCMDが増減する。
なおこのとき、発進クラッチ5のスリップ率ESCが85%以上であるか否かが判断される(ステップS108)。発進クラッチ5のスリップ率ESCが85%以上の場合には、ステップS107における減速フィードバック制御が継続して行われる。一方、スリップ率ESCが85%未満になると、ステップS109に進んでトルクサーボ制御による発進クラッチ5の係合制御が行われ、その後、制御が終了する。例えば、図5における時間帯t7において、スリップ率ESCが85%未満になると、トルクサーボ制御によりクラッチ制御油圧PCCMDが緩やかに減少するとともに、スリップ率ESCが減少して0%になる。
なお、ステップS106におけるTIPOUT制御および、ステップS107における減速フィードバック制御が行われているときに、アクセルペダルが再び少しだけ踏み込まれて、スロットル弁63の開度THが再び所定の開度になっている場合、すなわち、車両が再び緩加速中またはクルーズ走行中となった場合には、ステップS102に戻り、再びクラッチ容量最適制御が行われる。
また、ステップS102〜S104におけるクラッチ容量最適制御では、前述したように、スリップ率ESCを目標値としたPI制御(フィードバック制御)が行われ、PI制御における比例項(P項)に関しては、発進クラッチ5に微小滑りが生じる直前のスリップ率ESCである100%に対して、例えば2%分を上乗せしたスリップ率の上乗せ容量を示す102%という目標値が与えられる。そこで、スリップ率の上乗せ容量の決定方法について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ステップS201において、スリップ率ESCが100%であるか否かが判断される。スリップ率ESCが100%でない場合、ステップS207に進み、以前に決定したスリップ率の上乗せ容量をリセットして(所定の初期状態に戻して)処理を終了する。
一方、スリップ率ESCが100%である場合、ステップS202に進み、スリップ率の上乗せ容量が決定されているか否かが判断される。スリップ率の上乗せ容量が決定されている場合、処理を終了し、上乗せ容量が決定されてない場合、ステップS203に進む。
ステップS203では、次のステップS204で発進クラッチ5に微小滑りが生じたと判断されるまで、クラッチ制御油圧を減少させる。ステップS204において、発進クラッチ5に微小滑りが生じた場合、ステップS205に進む。
ステップS205では、発進クラッチ5に微小滑りが生じるまでのクラッチ制御油圧の減少分を、PI制御における積分項(I項)から減算し、ステップS206に進む。
そして、ステップS206では、ステップS205において減算した積分項(I項)に、スリップ率の目標値を102%に設定した比例項(P項)をマージン油圧の上乗せ分として加算し、処理を終了する。このように、クラッチ容量最適制御(PI制御)における制御パラメータ(P項およびI項)が変更されてスリップ率の上乗せ容量が決定される。なお、102%のスリップ率は、演算上設定される値であって、実際のスリップ率ESCとは異なる。これにより、スリップ率の目標値を102%に設定した比例項をマージン油圧の上乗せ分として加算することで、実際のスリップ率ESCが100%になっても比例項による一定の制御出力を行うことが可能になることから、発進クラッチ5の微小滑りを検出したときのクラッチ制御油圧に所定のマージン油圧を加算したクラッチ制御油圧を、容易に維持することが可能になる。
以上のような構成の車両用動力伝達装置によれば、緩加速中またはクルーズ走行中において、クラッチ制御器としての電子制御ユニットECUは、発進クラッチ5が一旦係合状態になると、係合状態の発進クラッチ5に微小滑りが生じるのを検出するまで発進クラッチ5に供給するクラッチ制御油圧を減少させてクラッチ係合力を減少させ、発進クラッチ5の微小滑りを検出したときのクラッチ制御油圧に所定のマージン油圧を加えたクラッチ制御油圧を発進クラッチ5に供給して発進クラッチ5を係合状態にし、当該係合状態を維持する制御を行う。そのため、エンジンEからの入力トルクが急激に変化した場合に、トルク変化前のクラッチ制御油圧(クラッチ係合力)を維持することで迅速に発進クラッチ5を適切な滑り状態にすることができることから、走行ショックやクラッチの過剰な滑りを防止することが可能になり、入力トルクの急激な変化に適切に対応することができる。
またこのとき、所定のマージン油圧が、緩加速中またはクルーズ走行中においてスロットル弁63の開度THが所定開度以上変化したとき、マージン油圧が加えられたクラッチ制御油圧を減少させると所定時間内に発進クラッチ5が滑り状態になる値に設定されことで、走行ショックやクラッチの過剰な滑りをより確実に防止することが可能になり、入力トルクの急激な変化に対しより適切に対応することができる。
また、係合状態の発進クラッチ5に微小滑りが生じるのを検出するまで発進クラッチ5に供給するクラッチ制御油圧(クラッチ係合力)を減少させる制御を、PI制御における積分項を減少させることにより行うことで、クラッチ制御油圧(クラッチ係合力)の制御を容易に行うことができる。
なお、上述の実施形態において、発進クラッチ5の係合制御を例にしたが、発進クラッチ5に代えて、前進クラッチ25の係合制御を上記と同様に行っても良い。また、金属Vベルト機構10を用いた無段変速機の場合を例にしたが、これに代えてその他の形式の無段変速機や、ギヤ式自動変速機を用いても良い。
また、上述の実施形態において、油圧クラッチである発進クラッチ5の係合制御を例にしたが、これに限られるものではい。例えば、いわゆる電磁式クラッチを用いるようにしてもよく、緩加速中またはクルーズ走行中において、クラッチが一旦係合状態になると、係合状態のクラッチに微小滑りが生じるのを検出するまでクラッチのクラッチ係合力を減少させ、クラッチの微小滑りを検出したときのクラッチ係合力に所定の係合力を足したクラッチ係合力をクラッチに加えてクラッチを係合状態にし、当該係合状態を維持する制御を行うようにすればよい。このようにすれば、エンジンからの入力トルクが急激に変化した場合に、トルク変化前のクラッチ係合力を維持することで迅速にクラッチを適切な滑り状態にすることができることから、走行ショックやクラッチの過剰な滑りを防止することが可能になり、入力トルクの急激な変化に適切に対応することができる。
なおこのとき、所定の係合力は、緩加速中またはクルーズ走行中においてエンジンのスロットル開度が所定開度以上変化したとき、所定の係合力が足されたクラッチ係合力を減少させると所定時間内にクラッチが滑り状態になるように設定されることが好ましく、このようにすれば、走行ショックやクラッチの過剰な滑りをより確実に防止することが可能になり、入力トルクの急激な変化に対しより適切に対応することができる。
また、上述の実施形態において、所定のマージン油圧は、緩加速中またはクルーズ走行中においてスロットル弁63の開度THが所定の開度から零に変化したとき、マージン油圧が加えられたクラッチ制御油圧を減少させると所定時間内に発進クラッチ5が滑り状態になる値に設定されているが、さらには、急加速によりスロットル弁63の開度THが所定開度以上増大したときに、(所定時間内に)発進クラッチ5が滑り状態になる値に設定されることが好ましい。
本発明に係る車両用動力伝達装置の構成を示す断面図である。 上記動力伝達装置の動力伝達系を示す概略図である。 エンジンの吸気系を示す模式図である。 上記動力伝達装置における発進クラッチの係合制御を示すフローチャートである。 図4の係合制御を行ったときにおける、スロットル弁の開度、クラッチ制御油圧、およびスリップ率の変化を示すタイムチャートである。 スリップ率の上乗せ容量の決定方法を示すフローチャートである。
符号の説明
E エンジン
CVT ベルト式無段変速機(駆動力伝達機構)
CV コントロールバルブ
ECU 電子制御ユニット(クラッチ制御器)
5 発進クラッチ(クラッチ)
63 スロットル弁

Claims (2)

  1. エンジンからの回転駆動力を車輪に伝達する駆動力伝達機構と、前記駆動力伝達機構における伝達容量を可変設定可能なクラッチと、前記クラッチの係合作動を制御するクラッチ制御器とを備え、
    緩加速中または車速がほぼ一定となるクルーズ走行中において、前記クラッチ制御器は、前記クラッチが一旦係合状態になると、係合状態の前記クラッチに微小滑りが生じるのを検出するまで前記クラッチのクラッチ係合力を減少させ、前記クラッチの前記微小滑りを検出したときのクラッチ係合力に所定の係合力を足したクラッチ係合力を前記クラッチに加えて前記クラッチを係合状態にし、当該係合状態を維持する制御を行い、
    前記緩加速中または前記クルーズ走行中において前記エンジンのスロットル開度が所定開度以上変化したとき、前記微小滑りを検出したときのクラッチ係合力に前記所定の係合力を足したクラッチ係合力を減少させると所定時間内に前記クラッチが滑り状態になるように、前記所定の係合力が設定されることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記クラッチ制御器による前記クラッチ係合力の制御は、フィードバック制御におけるPI制御を利用して行われており、
    係合状態の前記クラッチに微小滑りが生じるのを検出するまで前記クラッチのクラッチ係合力を減少させる制御は、前記PI制御における積分項を減少させることにより行われることを特徴とする請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
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