JP4916067B2 - 水中回転機械の回転主軸防食装置 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、水中電動ポンプや曝気・攪拌装置など、水中回転機械の回転主軸防食装置に関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】
水中電動ポンプや曝気・攪拌装置など、水中回転機械においては、接液部や回転体部分と静止体部分との隙間付近で特に腐食を生じ易い。腐食の要因が金属表面に形成される腐食電池の作用や、異種金属同士の接触による腐食電池の作用によるものであることは既に解明されており、腐食電池のアノード部とカソード部の電位差を無くすことができたならば、腐食電流が流れなくなって腐食は停止することになる。そこで水中回転機械の接液静止体、例えばヘッドカバーの外表面等に流電陽極を取付けて、電気的に繋がりのある静止体の全域に防食電流を流すことで静止体を防食することは一般に行われている。
【0003】
しかしながら水中電動ポンプや曝気・攪拌装置など、水中回転機械の回転主軸はボールベアリングなどの軸受により支承され、軸受の内外輪の対向面間の空隙部には潤滑用のグリースが充填されており、そのグリースは非導電性であるため、回転主軸の回転時には内外輪とボールとの接触部分に絶縁油膜が形成され、軸受内輪およびそれに連なる回転体部分と軸受外輪およびそれに連なる静止体部分とは完全に絶縁された状態となり、流電陽極からの防食電流が回転体部分へ流入できず、静止体部分との電位差によって回転主軸に腐食を生じることは避けられない。
【0004】
電動機部が陸上へ設置され回転主軸の一部が気中に露出してる軸流や斜流の大型ポンプであれば、図6に見られるよう上記回転主軸101の気中露出部に直接摺動ブラシ108を摺接させることで、電気的な繋がりを確保して回転主軸101の腐食を防止することが可能となる。しかし水中電動ポンプ等の水中回転機械では電動機部が完全に水没するため、摺動ブラシを電動機内部へ装着することになる。具体的には図7に示すよう、ヘッドカバー211の裏面に基部を定着させた摺動ブラシ208の先端部が回転主軸201の反負荷側導出部へ摺接するという構造である。このような従来の構造では、摺動ブラシ208の摩耗粉が電動機の回転子212と固定子213との間隙部や反負荷側軸受214内に入り込んで電動機に障害を及ぼすことになる。そしてメンテナンス時には電動機内部を開放して実施することになり、高度な技術が要求されるものであるため整備工場へ持込んでの修理やメンテナンスが必要で、ポンプ使用現場において簡単にメンテナンスできるものではない。
【0005】
【発明の目的】
本発明の目的は、部品点数を全く増加させることなく、回転体部分と静止体部分との間に確実な電気的導通性を与えて優れた電食防止効果が得られ、かつ、構造簡潔でメンテナンス性にも優れた水中回転機械の回転主軸防食装置を提供することにある。
【0006】
【発明の構成】
本発明に係る水中回転機械の回転主軸防食装置では、回転主軸の導出部外周とハウジングの軸孔周辺部との間に介装されて内部空間と外部空間とを仕切る弾性シール材が、導電性のゴムや樹脂もしくはそれらの複合材料で構成されており、回転主軸およびそれに連なる羽根車等の回転体部分とハウジングおよびそれに連なるヘッドカバー等の静止体部分とが、上記シール材を介して電気的に導通される、水中回転機械の接液する上記静止体部分の外壁と電気的に導通するように電位の低い金属で作られた流電陽極を装着するよう構成したことを特徴とする。そして、上記弾性シール材介装の具体的態様として、ハウジングの軸孔周辺部へ定着させてそのリップ先端部が、回転主軸またはその保護スリーブの外周面に摺接するよう構成する。また、上記弾性シール材介装の他の具体的態様として、ハウジングの軸孔周辺部へ定着させてそのリップ先端部が、回転体のボス部外周面または後端面へ摺接するよう構成する。また、上記弾性シール材介装の他の具体的態様として、ハウジングの軸孔周辺部の環状溝に嵌着させてその内周面が、回転主軸またはその保護スリーブの外周面へ摺接するよう構成する。また、上記弾性シール材介装の他の具体的態様として、回転主軸の外周面または回転体のボス部に定着させてそのリップ先端部が、ハウジングの軸孔周辺部へ摺接するよう構成する。
【0007】
【実施例】
以下実施例の図1ないし図5により説明をする。1は、ステンレス鋼などの鉄材で作られた回転主軸であり、ハウジング5の中央軸孔6を貫通して接液方向へ導出される負荷側導出端には、羽根車等の回転体2が装着されている。8は、回転体2の後方において回転主軸1の負荷側導出部外周とハウジング5の軸孔6の周辺部との間に介装されて内部空間Aと外部空間Bとを仕切る弾性シール材であり、導電性のゴムや樹脂もしくはそれらの複合材料で構成されている。なお、水中回転機械の接液静止体、例えばヘッドカバー等にはアルミニウム合金など電位の低い金属で作られた流電陽極(図示せず)を装着する。
【0008】
弾性シール材8の介装態様の具体的例としては、図1に示すよう、弾性シール材8をハウジング5の軸孔6の周辺部へ定着させてそのリップ先端部が、回転主軸1またはその保護スリーブ1sの外周面に摺接するよう構成し、或いは図2に示すよう、弾性シール材8をハウジング5の軸孔6の周辺部へ定着させてそのリップ先端部が、回転体1のボス部2bの外周面へ摺接し、または図示はしないがボス部2bの後端面へ摺接するよう構成し、或いは図3に示すよう、弾性シール材8をハウジング5の軸孔6の周辺部の環状溝4内へ嵌着させてその内周面が、回転主軸1またはその保護スリーブ1sの外周面へ摺接するよう構成し、或いは図4に示すよう、弾性シール材8を回転主軸1の外周面に定着させてそのリップ先端部が、ハウジング5の軸孔6の周辺部へ摺接するよう構成し、或いは図5に示すよう、弾性シール材8を回転体2のボス部2bに定着させてそのリップ先端部が、ハウジング5の軸孔6の周辺部へ摺接するよう構成する。
【0009】
【作用】
このようにして導電性を有する弾性シール材8が介在することにより、水中回転機械の駆動中において回転主軸1およびそれに連なる回転体部分と、ハウジング5およびそれに連なる静止体部分との間に生じる電位差を減少し、腐食電流が流れなくなると共に流電陽極の溶出による腐食電流の流れが形成されて防食作用を生じることになる。そして弾性シール材8の介装位置というのが、本来オイルシールやダストシールなどが装着されていた場所であり、弾性シール材8が従来のオイルシールやダストシールの役割をも兼ねることになる。
【0010】
【発明の効果】
本発明装置によれば、水中電動ポンプなど水中回転機械の回転体部分と静止体部分との間に確実な電気的導通性が与えられて回転主軸の優れた電食防止効果が得られ、しかもそれらが何ら部品点数の増加を伴うことなく体現せられ、かつ、メンテナンス時には電動機内部を開放することを必要とせず、ポンプ等使用現場において簡単にメンテナンスを実施し得るという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明防食装置を施した水中回転機械の要部縦断側面図であって、弾性シール材をハウジングの軸孔周辺部へ定着させてそのリップ先端部が、回転主軸の保護スリーブの外周面に摺接するよう構成した事例を示す。
【図2】 本発明防食装置を施した水中回転機械の要部縦断側面図であって、弾性シール材をハウジングの軸孔周辺部へ定着させてそのリップ先端部が、回転体のボス部外周面へ摺接するよう構成した事例を示す。
【図3】 本発明防食装置を施した水中回転機械の要部縦断側面図であって、弾性シール材をハウジングの軸孔周辺部の環状溝へ嵌着させてその内周面が、回転主軸の保護スリーブの外周面へ摺接するよう構成した事例を示す。
【図4】 本発明防食装置を施した水中回転機械の要部縦断側面図であって、弾性シール材を回転主軸の外周面に定着させてそのリップ先端部が、ハウジングの軸孔周辺部へ摺接するよう構成した事例を示す。
【図5】 本発明防食装置を施した水中回転機械の要部縦断側面図であって、弾性シール材を回転体のボス部に定着させてそのリップ先端部が、ハウジングの軸孔周辺部へ摺接するよう構成した事例を示す。
【図6】 回転主軸の気中露出部に摺動ブラシを直接摺接させた大型斜流ポンプの外側面図である。
【図7】 ヘッドカバーの裏面に基部を定着させた摺動ブラシの先端部を回転主軸の反負荷側へ摺接させた水中回転機械の要部縦断側面図である。
【符号の説明】
1 回転主軸
1s 保護スリーブ
2 羽根車等の回転体
4 環状溝
5 ハウジング
6 軸孔
8 弾性シール材
A 内部空間
B 外部空間
Claims (5)
- 回転主軸の導出部外周とハウジングの軸孔周辺部との間に介装されて内部空間と外部空間とを仕切る弾性シール材が、導電性のゴムや樹脂もしくはそれらの複合材料で構成されており、回転主軸およびそれに連なる羽根車等の回転体部分とハウジングおよびそれに連なるヘッドカバー等の静止体部分とが、上記シール材を介して電気的に導通される、水中回転機械の接液する上記静止体部分の外壁と電気的に導通するように電位の低い金属で作られた流電陽極を装着するよう構成したことを特徴とする、水中回転機械の回転主軸防食装置。
- 弾性シール材をハウジングの軸孔周辺部へ定着させてそのリップ先端部が、回転主軸またはその保護スリーブの外周面に摺接するよう構成したことを特徴とする、請求項1記載の水中回転機械の回転主軸防食装置。
- 弾性シール材をハウジングの軸孔周辺部へ定着させてそのリップ先端部が、回転体のボス部外周面または後端面へ摺接するよう構成したことを特徴とする、請求項1記載の水中回転機械の回転主軸防食装置。
- 弾性シール材をハウジングの軸孔周辺部の環状溝に嵌着させてその内周面が、回転主軸またはその保護スリーブの外周面へ摺接するよう構成したことを特徴とする、請求項1記載の水中回転機械の回転主軸防食装置。
- 弾性シール材を回転主軸の外周面または回転体のボス部に定着させてそのリップ先端部が、ハウジングの軸孔周辺部へ摺接するよう構成したことを特徴とする、請求項1記載の水中回転機械の回転主軸防食装置。
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JP2001277973A JP4916067B2 (ja) | 2001-09-13 | 2001-09-13 | 水中回転機械の回転主軸防食装置 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001277973A Expired - Lifetime JP4916067B2 (ja) | 2001-09-13 | 2001-09-13 | 水中回転機械の回転主軸防食装置 |
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