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JP4915743B2 - ピアノの消音装置、消音装置付きピアノ - Google Patents

ピアノの消音装置、消音装置付きピアノ Download PDF

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Description

この発明は、ハンマーの打弦を阻止することにより弦から音を発生させない代わりに、押鍵に応じて電子的に音を発生させる、グランドピアノ等のアコースティックピアノに取り付け可能なピアノの消音装置及びそのピアノの消音装置を備えた消音装置付きピアノに関する。
まず、図4を参照して、ピアノの消音装置の仕組みについて簡単に説明をする。なお、以下に述べるピアノの消音装置のアーム23の構造は、公知の技術、公然実施されている技術及び文献により公知になっている技術ではない。
弦10とハンマーシャンク11の間の空間に回動軸12が配置され、回動軸12の周面から一方向に消音バー13が突出している。回動軸12は、アーム23によって回動自在に支持されており、図示していない回動機構により回動される。アーム23の構造については後述する。消音バー13は回動軸12の回動に伴い第一の回動位置と第二の回動位置の間で移動する。図4において、実線で示した消音バー13の位置が、回動軸12が第一の回動位置に位置する状態であり、一点鎖線で示した消音バー13の位置が、回動軸12が第二の回動位置に位置する状態である。
消音バー13が第一の回動位置に位置する場合(この場合を「消音モード」とする。)、押鍵によってハンマーシャンク11は跳ね上るが、ハンマーシャンク11の先端に設けられたハンマー14が弦10を叩く前にハンマーシャンク11が消音バー13に当たる。したがって、この場合、ハンマー14が弦10を叩くことはないため、弦10から音は発生しない。図4に、消音バー13との衝突時におけるハンマーシャンク11及びハンマー14を二点鎖線で示す。なお、消音モードにおいては、図示していない押鍵検出スイッチが押鍵の有無及び強弱を検出して、押鍵の態様に応じた音を電子的に発生させる。
一方、消音バー13が第二の回動位置に位置する場合(この場合を「アコースティックモード」とする。)、押鍵によってハンマーシャンク11は跳ね上るが、ハンマーシャンク11が消音バー13に当たることはない。したがって、この場合、ピアノの消音装置が取り付けられていない場合と同様に、ハンマーシャンク11の先端に設けられたハンマー14は弦10を叩き、これにより弦10から音が発生する。
このようにして、消音装置付きピアノの演奏者は、回動軸12の回動位置を切り替える手段により、消音モードとアコースティックモードとを自由に選択することができるのである。
次に、図4及び図6を参照して、アーム23の構造について説明をする。アーム23は、回動軸12を支持し、ピアノの消音装置の取り付け時に回動可能な回動アーム231と、ピアノに取り付けられ、回動アーム231を固定する回動アーム固定具232とからなる。
回動アーム固定具232は、互いに対向する二枚の平板部と、それらの平板部を連結する連結部232bとから構成され、この例では、一枚の金属板をコ字型に折り曲げることにより形成されている。平板部に形成された切欠232cをハンマーレール25に係合する。そして、連結部232bに形成された第一の穴232dに切られた雌ねじに螺合されたねじ232eの先端をハンマーレール25に突き当てることにより、回動アーム固定具232とハンマーレール25が固定される。また、ねじ232eは、ナット232fと連結部232bのダブルナット効果によって固定されてその緩みが防止される。
図7に例示するように、複数のハンマーシャンク11及びハンマー14がハンマーレール25の延伸方向に配列されているが、互いに隣接するハンマーシャンク11の間に少し広めの空間sが空いている場所が数箇所ある。回動アーム固定具232は、これらの空間s及びハンマーレール25の両端にそれぞれ設置される。
再度、図4及び図6を参照して説明をする。回動アーム231のピアノの奥側(ハンマー14側)に位置する後方突出部231aの先端に回動軸12が回動自在に支持される。回動アーム231の中央突出部231bには、回動支持軸231cが回動アーム231の面に対して垂直に突出して設けられている。回動支持軸231cは、その外周にねじが切られており、回動アーム固定具232に形成された穴232aに挿入されて、ナット233により締結される。穴232aの径Dは回動支持軸231cの径dより大とされている。
回動アーム固定具232の連結部232bに形成された第二の穴232d’には雌ねじが切られている。ねじ234dは、固定板234の穴234eに挿入され、その雌ねじである穴234d’に螺合される。これにより、固定板234は、回動アーム固定具232に固定される。
回動アーム231の前方突出部231dには折曲部231eが形成され、その折曲部231eにはねじ231fが突出して設けられている。ねじ231fは、固定板234の裏側に位置するナット234bに螺合されて、固定板234に形成された穴234aに挿入される。回動アーム231は、自重、回動軸12及び消音バー13の重みにより、回動支持軸231cを中心として、図7の紙面における時計回りに回動しようとする。しかし、ねじ231fに螺合されたナット234bが固定板234に当たり、回動アーム231の回動が阻止される。
この構成により、ナット234bのねじ231fへの取り付け位置を変えると、回動アーム231の回動阻止位置を変えることが可能となり、その結果として回動軸12及び消音バー13の高さ方向の位置を調整することが可能となる。消音バー13の位置が決まったら、固定板234の表裏を、ナット234b及び固定板の表側に位置するナット234cで挟みつけて固定する。これにより、回動アーム231及び消音バー13の位置が固定される。
ねじ231f、固定板234、ナット234b,c及びねじ234dからなる消音バー支持位置微調手段は、このように回動軸12及び消音バー13の位置を微調整する機能を有する。
このように、回動アーム231は、回動支持軸231c及び固定板234を介して、回動アーム固定具232に固定される。一方、回動支持軸231cに締結されたナット233(図6、図7参照)を緩めると共に、固定板234による回動アーム231と回動アーム固定具232との固定を解除することにより、回動支持軸231cを中心にして、回動アーム231を回動することが可能である。これにより、ピアノの消音装置の取り付け作業及び取り外し作業が容易になるというメリットがある。
ピアノの消音装置が取り付けられた状態においては、図4に例示するように、ピン板28と消音バー13の高さがほぼ一致する。この場合、ピアノの手前側に引き出す方向に移動させようとするとピン板28と消音バー13とがぶつかるため、ハンマーレール25を固定するブラケット26が設置された基台27を図4の紙面における左右方向に移動することはできない。
ここで、ピアノの消音装置の取り付け・取り外し作業時及び調律の際の整音作業時には、図5に例示するように、後方突出部231aが基台27に近づく方向に回動アーム231を回動させる。これにより、ピン板28と消音バー13とがぶつかることなく、ハンマーレール25を固定するブラケット26が設置された基台27を図5の紙面における左右方向に移動することができる。これにより、ハンマーレール25にアーム23を取り付け・取り外す作業及び調律の際の整音作業を、ピン板28と基台27の間という狭い空間ではなく、より広い空間ですることが可能となる。
背景技術のピアノの消音装置では、穴232aの径Dの方が、回動支持軸231cの径dよりも大きくされており、回動支持軸231cがその径方向にずれる可能性、及び、これに起因して回動アーム231がその板面方向にずれる可能性があった。
この場合、図4に示すように、ハンマーシャンク11と消音バー13との衝突により生じた衝撃により、回動アーム231は、位置調整後に固定された固定具234の穴234aを支点として回動する。ここで、その支点から回動軸12までの距離は、その支点から回動支持軸231cまでの距離よりも長い。このため、回動支持軸231cと回動アーム固定具232の穴232aとの間で発生したずれは、回動軸12の位置では拡大されることになり、消音バー14の位置が不安定となる。よって、背景技術のピアノの消音装置では、レットオフ寸法が広くなってしまい、その分、自然な押鍵感触が損なわれるという問題があった。
レットオフ寸法とは、ハンマー14及びハンマーシャンク11がウィペンにより発射されるときの弦10とハンマー14との間の距離、言い換えると、鍵をゆっくりと下ろしていくとハンマー14は弦10に当たる直前で弦10から離れるがこのときの弦10とハンマー14との間の距離のことである。
この発明は、自然な押鍵感触を得ることができるピアノの消音装置、消音装置付きピアノを提供することを目的とする。
この発明のピアノの消音装置は、弦とハンマーシャンクとの間に配置される回動軸と、回動軸の周面から一方向に突出され、回動軸の第一の回動位置においてハンマーシャンクの先端に設けられたハンマーが弦を叩くのを阻止し、回動軸の第二の回動位置においてハンマーが弦を叩くのを阻止しない消音バーと、回動軸を支持するアームと、を備える。アームは、回動軸を支持し、ピアノの消音装置の取り付け時に回動可能な回動アームと、ピアノに取り付けられ、その回動アームを固定する回動アーム固定具とからなる。回動アームと回動アーム固定具とはねじとナットを用いて固定されている。回動アームに設けられたねじが挿通する穴の回動アーム固定具側又は回動アーム固定具に設けられたねじが挿通する穴の回動アーム側は、皿穴とされている。その皿穴に(該皿穴に)合致する形状のテーパブッシュがはめ込まれている。そのテーパブッシュによりねじの周面とその皿穴の周面とが隔てられている。テーパブッシュは、その周の一部に切れ込みが入っており、径方向の断面がc字型になっている。
この発明の消音装置付きピアノは、上記ピアノの消音装置を備える。
断面がc字型のテーパブッシュにより、回動アームと回動アーム固定具とを固定するねじ(回動支持軸)の径方向のずれが生じなくなる。これにより、消音バーを弦に近い位置に配置することができ、レットオフ寸法を狭くすることができる。よって、より自然な押鍵感触を得ることができる。
この発明によるピアノの消音装置は、回動アーム231と回動アーム固定具232とが回動支持軸231cによって結合される部分の構造(以下、回動支持軸による支持構造とする。)のみが背景技術の欄に記載したピアノの消音装置とは異なる。したがって、以下では、回動支持軸による支持構造を中心に説明をする。他の部分は背景技術の欄に記載したピアノの消音装置と同じであるため説明を省略する。
図1及び図2Aを参照してこの発明によるピアノの消音装置の一実施例の要部について説明をする。図1は回動支持軸の支持構造を分解して示した分解斜視図であり、図2Aはその支持構造の断面図である。
回動アーム固定具232の回動アーム231と対向する面に皿穴232gを形成する。皿穴232gは、テーパ状の穴、すなわち回動アーム固定具232の板面から内部に行くに従って径が小さくなる穴のことである。例えば、皿穴232gの周面の傾斜角度は45度とされる。この例では、回動アーム固定具232の板面から所定の深さまでが皿穴232gとなっており、その深さ以降は径が一定の穴232hとなっている。なお、穴232hをなしとし、皿穴232gのみとしてもよい。
皿穴232gにテーパブッシュ30をはめ込む。テーパブッシュ30は、図3に示すように、略円錐台形状であり、その中心に貫通孔30aが形成されている。また、テーパブッシュ30は、その周の一部に切れ込み30bが入っており、径方向の断面がc字型となっている。テーパブッシュ30の周面の形状は、はめ込まれたときに皿穴232gの周面の形状に合致するように形成される。図3Aはテーパブッシュ30の底面図であり、図3Bはそのb−b断面図であり、図3Cはその平面図である。テーパブッシュ30は、例えばジュラコン(登録商標)等のポリアセタール樹脂からなる。この例では、皿穴232gにテーパブッシュ30がはめ込まれたときに、皿穴232gからテーパブッシュ30の頭が出るように、テーパブッシュ30を皿穴232gよりも若干大きくしている。
回動アーム231の中央突出部231bに形成された貫通孔にセルフクリンチングスタッド(圧入式のねじ)を圧入することにより、回動アーム231の中央突出部231bに回動支持軸231cが突出して設けられる。セルフクリンチングスタッドを回動支持軸231cとして用いることにより、回動アーム231の板面からねじ頭が突出しないため、アーム23を狭い場所に配置することができる。
また、回動アーム231と回動アーム固定具232の互いに対向する面にポリアセタール等の樹脂からなる緩衝材31が設けられる。
テーパブッシュ30が装着された回動支持軸231cを、皿穴232gに挿入してナット233と締結する。回動支持軸231cとナット233を締結すると、図2Aに示したように、回動アーム231の板面に押されて、互いに近づく方向の力がテーパブッシュ30と皿穴232gとに働くため、テーパブッシュ30が皿穴232gにはまり込み、テーパブッシュ30と皿穴232gとの間のガタがなくなる。同時に、切れ込み30bを有するテーパブッシュ30が皿穴232gにはまり込むことにより、その径が狭められるため、回動支持軸231cとテーパブッシュ30とにも径方向の力であり互いに近づく方向の力が働き、回動支持軸231cとテーパブッシュ30との間のガタもなくなる。
これにより、回動支持軸231cと回動アーム固定具232との間で生じる恐れがあった径方向のずれを防止することができ、消音バー13を弦10の近くに配置することが可能となる。したがって、レットオフ寸法を狭くすることができ、これにより自然な押鍵感触及び演奏感触を得ることができる。
この例では、テーパブッシュ30が皿穴232gよりも大きいため、皿穴232gにテーパブッシュ30がはめ込まれたときに、皿穴232gからテーパブッシュ30の頭が出る。また、回動アーム231と回動アーム固定具232の互いに対向する面に緩衝材31が設けられている。このため、回動支持軸231cとナット233を締結しても、回動アーム231と回動アーム固定具232は、テーパブッシュ30及び緩衝材31により隔てられるため接触しない。
これにより、消音バー13がハンマーシャンク11から受ける衝撃により回動アーム231と回動アーム固定具232とが接触して生じるおそれがある異音を防ぐことができる。
なお、回動軸12とねじ231fとの距離は、回動軸12と回動支持軸231cとの距離よりも離れている。また、ねじ231fと固定板234との間でずれを生じさせる可能性があるのは、消音バー13がハンマーシャンク11から受ける衝撃により発生する力のすべてではなく、その力のうちねじ231fの径方向の成分の力のみである。一方、回動支持軸231cには、消音バー13がハンマーシャンク11から受ける衝撃により発生する力のすべてが働く。
したがって、ねじ231fと固定板234とには、消音バー13がハンマーシャンク11から受ける衝撃により、ねじ231fと固定板234との間でずれが生じるほど大きな力は働かない。したがって、ねじ231fと固定板234との間には上記のテーパブッシュ30と皿穴232gと同様の構造をこの例では設けていない。
[変形例]
上記例では、回動アーム231に回動支持軸231cを設けたが、図2Bに例示するように、回動アーム固定具232に回動支持軸232iを設けてもよい。この場合には、回動アーム231の回動アーム固定具232と対向する面に皿穴231gを形成する。テーパブッシュ30が装着された回動支持軸232iが、皿穴231gに挿入されて、ナット233と締結される。
上記例では、回動支持軸231cとしてセルフクリンチングスタッドを用いたが、セルフクリンチングスタッド以外の任意のねじを用いてもよい。
例えば、図2Cに例示するように、回動支持軸231cとして皿ねじを用いる。この場合、回動アーム231にその皿ねじの形状に合致する皿穴231hを設けて、その皿穴231hに皿ねじである回動支持軸231cを挿入する。この場合、皿穴231hの径は回動支持軸231cの径よりも大きいが、回動支持軸231cとナット233を締結することにより、皿穴231h及び回動支持軸231cにも互いに近づく方向の力が働き、皿穴231h及び回動支持軸231cの径方向の位置が固定されるため、回動支持軸231cと回動アーム231との間にガタが生じることはない。
また、回動支持軸231cとして、図2Dに例示するように、なべねじ等の頭ねじを用いてもよい。この場合、回動アーム固定具232だけではなく、回動アーム231にも皿穴231hを形成する。テーパブッシュ30’が装着された回動支持軸231cが皿穴231hに挿入され、その回動支持軸231cにテーパブッシュ30が挿入され、さらに皿穴232gに挿入される。この結果、皿穴231hにもその皿穴231hの形状に合致したテーパブッシュ30’がはめ込まれることになる。
回動支持軸231cとナット233とを締結することにより、上述した回動支持軸231cと回動アーム固定具232との間のガタを防止することができる理由と同様の理由により、回動支持軸231cと回動アーム231との間のガタを防止することができる。
上記例では、テーパブッシュ30の形状を皿穴232gよりも大きくすることにより皿穴232gからテーパブッシュ30の頭を出すと共に、回動アーム231と回動アーム固定具232の互いに対向する面に緩衝材31を設けることにより、回動アーム231と回動アーム固定具232とを非接触とした。しかし、回動アーム231と回動アーム固定具232とを必ずしも非接触とする必要はない。
上記例では、回動アーム固定具232は、金属板をコの字型に折り曲げることにより形成された互いに対向する二枚の平板部を有していたが、回動アーム固定具232の形状はこれに限られない。例えば、厚みが十分にある一枚の金属板により回動アーム固定具232を形成してもよい。
上記例では、ハンマーレール25に回動アーム固定具232を取り付けたが、ブラケット26に回動アーム固定具232を取り付けてもよい。
[回動軸12の支持機構]
なお、アーム23が回動軸12を支持する支持機構として、下記の支持機構22を用いてもよい。以下、図8を参照して、支持機構22について説明をする。支持機構22は、アーム23と軸受24から構成される。
アーム23に形成された穴23aの内周面には雌ねじが切ってある。
軸受24は、略円筒形状のブッシュ241と、そのブッシュ241の内周面に設けられた緩衝材242とから構成される。ブッシュ241は、例えば金属やナイロン等の樹脂よりなる。図9AからCに、ブッシュ241の平面図、α−α断面図、底面図をそれぞれ例示する。ブッシュ241の外周面241aには、穴23aの内周面に切られた雌ねじに対応する雄ねじが切ってある。ブッシュ241の一方の端部にはフランジ241bが形成され、そのフランジ241bには互いに180度をなす位置に溝241cが形成されている。
緩衝材242は、例えばフェルト等の繊維質材からなり、両面テープや、酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤等の接着剤によりブッシュ241の内周面に貼付される。これにより、緩衝材242は略円筒形状をなす。緩衝材242は、消音モードにおいて消音バー13及び回動軸12が押鍵によって跳ね上がるハンマーシャンク11から受ける衝撃を吸収する。また、緩衝材242は、ブッシュ241と回動軸12との中心ずれ等の位置誤差を吸収する。
軸受24は、アーム23の穴23aに螺合される。溝241cに例えばマイナスドライバー等の工具を係合させて軸受24を回転させることにより、軸受24をアーム23へ容易に螺合することができる。また、回動軸12の一端が軸受24に挿入される。これにより、回動軸12は、軸受24を介してアーム23に回動自在に支持されることになる。回動軸12の他端についても同様の支持機構により支持される。
回動軸12の支持機構22は、アーム23、ブッシュ241及び緩衝材242の3つの部品から構成される。このため、回動軸12の支持機構22の部品点数を少なくすることができ、これにより取付工数を少なくすることができる。また、部品点数を少なくすることにより、部品の製造コストを削減することができる。
また、回動軸12の支持機構22は、軸受24をアーム23に直接螺合しているため、回動軸12を支持する部分の衝撃による変形が生じ難い。したがって、消音バー13を弦10のより近くに設置することができる。これにより、レットオフ寸法を狭く調整することができ、より自然な押鍵感触を得ることができる。
緩衝材242のブッシュ241への取り付けを容易にするために、ブッシュ241を2つの部品から構成してもよい。例えば、図10に例示するように、ブッシュ241を、樹脂からなる2つの略半円筒体241d,eで構成する。図10は、ブッシュ241を2つの部品で構成する場合の形状を例示する図である。図10Aは2つの部品から構成されるブッシュ241の平面図であり、図10Bは略半円筒体241eのβ−β断面図であり、図10Cは略半円筒体241dのα−α断面図である。この例では、略半円筒体241d,eは、肉薄部241fを介してつながっており、これらの略半円筒体241d,e及び肉薄部241fは一体形成される。
略半円筒体241d,eの内周面に緩衝材がそれぞれ貼付される。貼付の方法は上述した方法と同様である。略半円筒体241d,eのそれぞれの内周面に緩衝材を貼付する場合には、略円筒形状のブッシュ241の内周面に緩衝材242を貼付する場合に比べて、貼付する際の作業スペースを広く取ることができるため、容易に緩衝材を貼付することができる。
略半円筒体241d,eが互いに組み合わされて一体化された場合に、その一体化された略半円筒体241d,eがブッシュ241を構成し、略半円筒体241d,eにそれぞれ貼付された緩衝材が緩衝材242を構成する。略半円筒体241d,eの互いの当接面、言い換えると、略半円筒体241d,eの周方向の端面に接着剤を塗布することにより、略半円筒体241d,eを接着固定してもよい。
略半円筒体241d,eを容易に組み合わせることができるように、一方の略半円筒体241dの当接面に凸部241gを形成し、他方の略半円筒体241eの当接面には凸部241gに対応する凹部241hを形成してもよい。凸部241gと凹部241hを係合させることにより、組み合わせる際の位置決めが容易となり、組み合わせた後は略半円筒体241d,eがずれ難くなる。
なお、略半円筒体241d,eのフランジの外周面に、平面241i,241jをそれぞれ形成してもよい。これにより、略半円筒体241d,eが互いに組み合わされて一体化された場合に、図11Cに例示するように、ブッシュ241のフランジ241bの外周面の互いに180度をなす位置に平面241i,241jが形成されることになる。
このように、溝241cに代えて平面241i,241jを形成した場合には、ペンチ等の工具で平面241i,241jを挟持して軸受24を回転させることにより、軸受24をアーム23へ容易に螺合することができる。この例では、平面241i,241jを形成したが、もちろん組み合わされた状態において、ブッシュ241のフランジ241bの互いに180度をなす位置に溝241cが形成されるように、略半円筒体241d,eのフランジに溝をそれぞれ形成してもよい。
上記の例では、軸受24をアーム23へ螺合したが、軸受24をアーム23へ圧入してもよい。この場合には、軸受24の外周面241a及びアーム23の穴23aの内周面にねじを切る必要はない。また、軸受24を穴23aに挿入した後に、軸受24をナット、スピードナット等の締結部品と締結させることにより、軸受24とアーム23とを固定してもよい。
上記の例では、軸受24の周方向への回転を容易にすることにより、軸受24のアーム23への羅合を容易にするために、フランジ241bに溝241cや平面241i,241jを設けたが、軸受24の周方向への回転を容易にするためにブッシュ241を他の形状にしてもよい。例えば、図11Aに例示するように、ブッシュ241のフランジ241bの形状を六角形にしてもよいし、図11Bに例示するように、ブッシュ241の端面に穴を設けてもよい。図11は、ブッシュ241の変形例の平面図である。
緩衝材242は、繊維質材ではなくゴムやスポンジ等の任意の弾性体により形成してもよい。また、緩衝材242は、必ずしもブッシュ241の内周面の全体に貼付される必要はない。
アーム23は必ずしも平板によって構成される必要はない。上記の例では、アーム23の穴23aが形成される部分の厚みは平板の厚みとなっているが、穴23aが形成される部分の厚みを板厚方向に増やす絞り加工を行ってもよい。これにより、軸受24がより安定してアーム23に固定される。
この発明のピアノの消音装置の一実施例における回動支持軸の支持構造の分解斜視図。 Aはこの発明のピアノの消音装置の一実施例の要部構造を説明する断面図、Bはその第一変形例の断面図、Cはその第二変形例の断面図、Dはその第三変形例の断面図。 Aはテーパブッシュの底面図、Bはそのb−b断面図、Cはその平面図。 回動アームが固定されている状態のピアノの消音装置を横から見た模式図。 回動アームが回動した状態のピアノの消音装置を横から見た模式図。 背景技術による回動軸の支持機構の分解斜視図。 ピアノの消音装置の概略を示す平面図。 消音バーが取り付けられる回動軸の支持機構の分解斜視図。 Aは図8におけるブッシュの平面図、Bはそのα−α断面図、Cはその底面図。 Aは2つの部品で構成する場合のブッシュの平面図、Bはそのβ−β断面図、Cはそのα−α断面図。 Aはブッシュの第一変形例の平面図、Bはブッシュの第二変形例の平面図、Cはブッシュの第三変形例の平面図。
符号の説明
10 弦、11 ハンマーシャンク、12 回動軸、13 消音バー、14 ハンマー、23 アーム、30 テーパブッシュ、30a 貫通孔、30b 切れ込み、31 緩衝材、231 回動アーム、231a 後方突出部、231c 回動支持軸、232 回動アーム固定具、232g 皿穴、233 ナット

Claims (3)

  1. 弦とハンマーシャンクとの間に配置される回動軸と、
    上記回動軸の周面から一方向に突出され、上記回動軸の第一の回動位置において上記ハンマーシャンクの先端に設けられたハンマーが上記弦を叩くのを阻止し、上記回動軸の第二の回動位置において上記ハンマーが上記弦を叩くのを阻止しない消音バーと、
    上記回動軸を支持するアームと、
    を備えるピアノの消音装置であって、
    上記アームは、上記回動軸を支持し、ピアノの消音装置の取り付け時に回動可能な回動アームと、ピアノに取り付けられ、その回動アームを固定する回動アーム固定具とからなり、
    上記回動アームと上記回動アーム固定具とはねじとナットを用いて固定されており、
    上記回動アームに設けられた上記ねじが挿通する穴の上記回動アーム固定具側又は上記回動アーム固定具に設けられた上記ねじが挿通する穴の上記回動アーム側は、皿穴とされており、
    上記皿穴にその皿穴に合致する形状のテーパブッシュがはめ込まれており、そのテーパブッシュにより上記ねじの周面とその皿穴の周面とが隔てられており、
    上記テーパブッシュは、その周の一部に切れ込みが入っており、径方向の断面がc字型になっている、
    ことを特徴とするピアノの消音装置。
  2. 請求項1に記載されたピアノの消音装置において、
    上記回動アームと上記回動アーム固定具の互いに対向する面に緩衝材が設けられ、
    上記回動アームと上記回動アーム固定具は上記緩衝材によって隔てられて固定されている、
    ことを特徴とするピアノの消音装置。
  3. 請求項1又は2に記載のピアノの消音装置を備える消音装置付きピアノ。
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