JP4888342B2 - 設備機器の装置、設備機器管理システム、方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

Description

本発明は、設備機器の装置、設備機器管理システム、方法及びコンピュータプログラムに関し、特に、設備機器のネットワーク設定を行う技術に関する。

従来、設備機器を外部ネットワークに接続し遠隔管理することが行われている。このネットワーク接続には、アドレス設定や接続設定等種々の設定が必要である（例えば、特許文献１）。

特に設備機器毎に設定されるネットワーク上のアドレス（ＩＰアドレス等）は、まず、工場出荷時等に初期設定がなされており、設備機器の設置後、試運転等を通じてネットワーク設定が行われ、正規のアドレスが付与され、遠隔にある管理センターとの通信が可能になる。
国際公開第２００２／０８０４６７号パンフレット

しかし、設備機器の設置後、ユーザの都合によって或いは誤ってＩＰアドレスの初期設定が変更されてしまう場合がある。このような場合、管理センターとのネットワーク接続ができなくなり、設備機器の適切な運転や管理ができない状態となる。この場合、ＩＰアドレスの設定を初期設定にリセットする必要が生じる。

アドレス設定をリセットする手段として、リセットボタンやリモコン等のユーザインターフェースの利用したリセットがある。しかし、コスト削減等の理由からリセットボタンやリモコン等のユーザインターフェースが設備機器に備えられないこともある。また、リセットする手段があっても、ネットワークカードが取り付けられており容易に設定や操作ができなかったり、設備機器の設置場所によっては操作しにくいところに設けられていたりすることもある。また、安易にリセット手段を設けることは、コスト高となる上、誤ってリセットしてしまう等の不都合が生じる。

そこで、本発明は、確実かつ簡単に設備機器のネットワーク上のアドレスをリセットし、ネットワーク設定を行うことを目的とする。

第１発明に係る装置は、ネットワークに接続される設備機器に設けられ、ネットワークのアドレスを有し、ネットワークと設備機器との設定を行う装置であって、ネットワーク接続部と、監視部と、リセット部とを備える。ネットワーク接続部は、ネットワークの通信信号を送受信する。第１情報格納部は、設備機器の試運転の完了／未完了を示す第１情報を格納する。監視部は、第１情報格納部から第１情報を取得するとともに、ネットワークの接続状態を監視する。リセット部は、監視部からの第１情報及びネットワーク接続状態に基づき、アドレスを所定アドレスにリセットする。

ここで、ネットワークに接続される設備機器に設けられ、ネットワークのアドレスを有し、ネットワークと設備機器との設定を行う装置とは、設備機器に取り付けられ或いは接続される装置であって、例えば設備機器のアダプタ装置として設けられていてもよい。また、ネットワークの接続状態を監視するとは、同装置とネットワークとが接続しているか接続していないかの状態を示す情報を取得することにより行われる。

ここでは、設備機器のネットワーク上のアドレスが変更されネットワーク接続ができなくなった場合に、確実かつ簡単に設備機器のネットワーク上のアドレスをリセットし、ネットワーク設定を行うことができる。また、リセットボタン等のリセット手段を格別に設ける必要がないため、低コストで製造でき、誤ってリセットしてしまう等の事故を防ぐことができる。

第２発明に係る装置は、第１発明に係る装置であって、第１情報が試運転の未完了を示し、かつネットワークの接続状態が、所定時間以上非接続状態になった後に接続された、と監視部が判断した場合に、リセット部は、アドレスを所定アドレスにリセットする。

ここでは、第１情報が試運転の未完了を示し、かつネットワークの接続状態が、所定時間以上非接続状態になった後に接続された場合に限り、リセットを行うため、意図しないリセットを防ぐことができる。

第３発明に係る装置は、第１発明に係る装置であって、所定アドレスは、同装置又は設備機器の工場出荷時に設定されるアドレスである。

第４発明に係る装置は、第１発明に係る装置であって、アドレスの変更の有無を管理するアドレス管理部を更に備える。アドレス管理部は、アドレスが変更されたとき、第１情報を試運転の未完了を示すように変更する。

第５発明に係る設備機器管理システムは、第１発明に係る装置であって、試運転を実行させる実行部を更に備える。実行部は、試運転の完了後に、第１情報を試運転の完了を示すように変更するとともに、所定アドレスを第２のアドレスに設定する。

ここで、第２のアドレスとは、例えば設備機器のネットワーク上のアドレスであり、正規のアドレスである。

ここでは、試運転完了後であってもユーザ等によってアドレスが変更された場合に試運転を未完了としておくことによって、より確実にリセットを行うことができる。

第６発明に係る設備機器管理システムは、第１発明に係る装置と、設備機器と、同装置及び設備機器と通信可能に接続され、設備機器の集中管理を行う管理装置と、を備える。管理装置は、第１発明に係る装置を介して送信される、設備機器のアドレスの登録情報及び前記試運転の完了情報を含む第２情報を格納する。

本発明によれば、設備機器のネットワーク上のアドレスが変更されネットワーク接続ができなくなった場合に、確実かつ簡単に設備機器のネットワーク上のアドレスをリセットし、ネットワーク設定を行うことができる。

１．実施形態
１．１．空調管理システムの概略構成
本発明の一実施形態に係る空調管理システム１を、図１に示す。

空調管理システム１は、建物内に設置される空調機５０の室内機等に設置されたアダプタ装置１０と、遠隔に設置され、アダプタ装置１０にネットワーク６０を介して通信可能に設けられた管理装置２０とを備える。ネットワーク６０はインターネット等の外部ネットワークである。

アダプタ装置１０は、建物内の空調機のローカルネットワークの一ノードである空調機に取り付けられる。アダプタ装置１０は、本発明に係るネットワーク設定の他にも、空調機５０の制御情報、運転情報等を管理装置２０に送信し、管理装置２０からの情報を受信する。管理装置２０は、空調機５０の制御情報、運転情報等を収集し集中的に管理する。

なお、図示は省略しているが、空調管理システム１は複数の建物における設備機器の管理制御を行っている。また、建物内の複数の空調機５０の制御情報、運転情報等は、コントローラによって収集され、管理装置２０に送信されてもよい。

１．２．アダプタ装置
図１に示すように、アダプタ装置１０は、ネットワーク接続部１１と、情報格納部１２と、監視部１３と、リセット部１４と、実行部１５と、アドレス管理部１６とを備える。

ネットワーク接続部１１は、アダプタ装置１０及び管理装置２０間の通信を行うともに、ネットワーク接続状態を監視部１３に送信する。なお、ネットワーク接続部１１と監視部１３との通信方法には次のようなものが含まれる。例えば、監視部１３が所定の時間間隔でネットワーク接続部１１に問い合わせるのに対しネットワーク接続部１１が現在の接続状態を送信するようにしてもよい（ポーリング通信）。或いは、ネットワーク接続部１１において接続／非接続が生じた場合に、ネットワーク接続部１１は、その情報を監視部１３に送信するようにしてもよい。

ここで、ネットワーク接続状態とは、アダプタ装置１０がネットワーク６０と接続しているか接続していないかの状態を示す。具体的には、アダプタ装置１０よりネットワークケーブルが引き抜かれた場合を非接続状態とする。このネットワーク非接続状態は、リセットをかけるため人によって故意に創出される。

情報格納部１２は、試運転情報１２ａ及びアダプタ装置１０のＩＰアドレスを格納する。ここで、試運転情報とは、その空調機５０について試運転が完了しているか完了であるかを示す情報である。具体的には、試運転完了の場合は完了フラグを有にする。

監視部１３は、ネットワーク接続部１１から上述したネットワーク接続状態を示す情報を受信するとともに、情報格納部１２より試運転情報１２ａを取得する。監視部１３はまた、非接続状態の情報を得た場合、次の接続までの時間を図示せぬ計測手段により計測する。そして、その非接続時間が所定時間（ここでは、１０分）を超えたかどうかを判断する。非接続時間がこの所定時間を超えない場合は、人によって故意に非接続状態が創出されていない、すなわちリセットの要請がないとして、リセットがかからないようにする。この所定時間の長さは任意であるが、短すぎると意図しないリセットがかかるおそれがあり、長すぎるとリセット作業の時間がかかりすぎる等するため、そのような不便を考慮した上で設定する。

リセット部１４は、監視部１３からの指令により情報格納部１２のＩＰアドレス１２ｂを所定のＩＰアドレスにリセットする。ここで、所定のＩＰアドレスとは、アダプタ装置１０の工場出荷時に設定された初期設定のＩＰアドレスであり、空調機５０の試運転が行われるまでのアドレスとなる。

実行部１５は、後述する試運転プログラムを実行する。試運転においては、リセットされた初期設定のＩＰアドレスによって通信が行われる。また、実行部１５は、試運転完了後、試運転情報１２ａにおいて試運転完了のフラグを有にするとともに、正規のＩＰアドレスを取得し、情報格納部１２のＩＰアドレス１２ｂを更新する。

アドレス管理部１６は、ユーザ等によるＩＰアドレスの変更の有無を管理し、ＩＰアドレスの変更があった場合は試運転情報１２ａを書き換える。具体的には、ユーザ等によりＩＰアドレスが変更された場合は、試運転情報１２ａの試運転完了フラグを無にして、試運転未完了の状態にする。

なお、アダプタ装置１０のハードウエア上の構成には例えば次のようなものである。ネットワーク接続部１１は、いわゆるネットワークカード等であり、情報格納部１２は情報を記憶するメモリであり、監視部１３、リセット部１４及び実行部１５は各機能を実行するプログラム（図示省略）とその処理を実行するＣＰＵである。

１．３．管理装置
管理装置２０は、図１に示すように、アダプタ装置１０からの情報を通報受信プログラム２１により受信する。具体的には、試運転とそれに伴う正規のＩＰアドレスの設定を終了したアダプタ装置１０より、試運転完了情報と登録のためのＩＰアドレスを受信し、これらの情報を空調機５０の識別情報等と関連させて格納部２２に格納する。

１．４．試運転プログラム
試運転プログラム３１は、アダプタ装置１０に接続されたＰＣで起動する。試運転プログラムの実行により、アダプタ装置１０の実行部１５を介して空調機５０の試運転が実行される。

１．５．空調管理システムの処理
図２は、空調管理システム１による第１の処理動作をフローチャートで示したものである。

Ｓ１０１ステップ：アダプタ装置１０の監視部１３は、ネットワーク接続部１１からの情報により、ネットワークが接続から非接続状態となったかどうかを判断処理する。

Ｓ１０２ステップ：ネットワークが非接続状態となった場合は、図示せぬ時間計測手段により非接続時間を計測する。非接続状態になっていなければ処理を終了する。

Ｓ１０３ステップ：監視部１３により、ネットワークの非接続時間が１０分を超えたかどうか、かつその後に接続が有ったかどうかを判断処理する。是の場合はＳ１０４ステップに進み、否の場合は処理を終了する。

Ｓ１０４ステップ：監視部１３により、試運転情報１２ａの試運転完了フラグが有るかどうかを判断処理する。完了フラグが無い場合は、Ｓ１０５ステップに進み、有る場合は、リセットは行わず、終了する。

Ｓ１０５ステップ：ＩＰアドレスを上記の所定のＩＰアドレスにリセットする。

Ｓ１０６ステップ：試運転プログラム３１を起動させ、実行部１５を介して空調機５０の試運転を実行する。

Ｓ１０７ステップ：実行部１５により試運転情報１２ａの試運転完了フラグを有にする。

Ｓ１０８ステップ：実行部１５により、正規のＩＰアドレスを設定し、情報格納部１２に格納する。

Ｓ１０９ステップ：ネットワーク接続部１１を介して、登録されたＩＰアドレスと試運転完了情報を管理装置２０に送信し、同管理装置２０により登録する。

図３は、図２の第１の処理の前又は後に行われる第２の処理であり、ユーザ等によりＩＰアドレスを変更されてしまった場合の処理である。

Ｓ１１０ステップ：アドレス管理部１６により、ユーザ等によりＩＰアドレスの変更があったかどうかを判断処理する。変更があった場合はＳ１１１ステップに進み、変更がない場合は処理を終了する。

Ｓ１１１ステップ：アドレス管理部１６により、試運転完了フラグを無にする。

ユーザ等によりＩＰアドレスの変更があった場合は、常に試運転完了フラグを無にしておくことにより、第１の処理において、試運転未完了の条件（Ｓ１０４ステップ）を満たすことになる。したがって、非接続状態の条件（Ｓ１０３ステップ）を満たすことにより、リセット処理を行うことが可能となる。

なお、上記第１及び第２の処理は一例であり、その処理手順は上記のものに限定されるものではない。

１．６．本実施形態の効果
本実施形態に係るアダプタ装置１０によれば、ユーザ等がアダプタ装置１０のＩＰアドレスを変更してしまっても、ユーザ等が所定の非接続状態を創出することにより、簡単かつ確実にＩＰアドレスのリセットを行うことができる。

また、ＩＰアドレスがリセットされた場合は、試運転を行うため、ＩＰアドレスに関する管理装置２０の登録情報とローカルのアダプタ装置１０の保有する情報とに齟齬が生じないようにすることができる。

更に、アダプタ装置１０や空調機５０にはリセットボタン等を設ける必要がないため、低コストで製造でき、また誤ってリセットしてしまう等の事故を防ぐことができる。

２．変形例
２．１．
上記実施形態においては、所定の非接続状態が創出されても試運転が完了状態であればリセットは行われない。この場合、図４に示すように、管理装置２０に設けた、プログラム等によるリセット指示部２３からアダプタ装置１０のリセット部にリセット指示を出すようにしてもよい。

２．２．
上記実施形態においては、アダプタ装置１０を取り付ける対象の機器として空調機５０を例に挙げているがこれに限定されない。他の設備機器であってネットワークのノードとなり得るものであれば全て含まれる。

２．３．
上記実施形態においては、ＩＰアドレスはアダプタ装置１０に付与されているが、空調機５０にＩＰアドレスを付与してもよい。アダプタ装置１０は空調機５０内に設置されるため、アダプタ装置１０自身はＩＰアドレスを持たず空調機５０のＩＰアドレスを使用してもよい。

２．４．
上記実施形態においては、ＩＰアドレスは工場出荷時に初期設定されているが、工場出荷時にはＩＰアドレス設定はされず、空調機５０の設置後にＤＨＣＰなどにより自動的に付与されるものであってもよい。この場合、上記実施形態によるリセット処理後、ＩＰアドレスが付与され、試運転が行われる。

２．５．
上記実施形態においては、アダプタ装置１０によって本発明によるネットワークの設定を行っているが、これに限定されない。設備機器に取り付けられ或いは接続される装置であれば、どのような態様であってもよい。

本発明は、確実かつ簡単に設備機器のネットワーク上のアドレスをリセットし、ネットワーク設定を行うことができるという効果を有し、設備機器の装置、設備機器管理システム、方法及びコンピュータプログラムとして有用である。

本発明の実施形態に係る設備機器管理システムの概略図 本発明の実施形態に係るアダプタ装置の第１の処理の流れを示すフローチャート 本発明の実施形態に係るアダプタ装置の第２の処理の流れを示すフローチャート 本発明の実施形態の変形例を示す図

１ 空調管理システム（設備機器管理システム）
１０ アダプタ装置（装置）
１１ ネットワーク接続部
１２ 情報格納部
１２ａ 試運転情報
１２ｂ ＩＰアドレス（アドレス）
１３ 監視部
１４ リセット部
１５ 実行部
１６ アドレス管理部
２０ 管理装置
２１ 通報受信プログラム
２２ 情報格納部
２３ リセット指示部
３１ 試運転プログラム
５０ 空調機
６０ ネットワーク

Claims (6)

1. ネットワーク（６０）に接続される設備機器（５０）に設けられ、前記ネットワーク（６０）のアドレスを有し、前記ネットワーク（６０）と前記設備機器（５０）との設定を行う装置（１０）であって、
   前記ネットワークの通信信号を送受信するネットワーク接続部（１１）と、
   前記設備機器の試運転の完了／未完了を示す第１情報を格納する第１情報格納部（１２）と、
   前記第１情報格納部（１２）から前記第１情報を取得するとともに、前記ネットワークの接続状態を監視する監視部（１３）と、
   前記監視部（１３）からの前記第１情報及び前記ネットワーク接続状態に基づき、前記アドレスを所定アドレスにリセットするリセット部（１４）と、
   を備える装置。
2. 前記第１情報が前記試運転の未完了を示し、かつ前記ネットワークの接続状態が、所定時間以上非接続状態になった後に接続された、と前記監視部（１３）が判断した場合に、 前記リセット部（１４）は、前記アドレスを前記所定アドレスにリセットする、
   請求項１に記載の装置。
3. 前記所定アドレスは、前記装置（１０）又は前記設備機器（５０）の工場出荷時に設定されるアドレスである、
   請求項１に記載の装置。
4. 前記アドレスの変更の有無を管理するアドレス管理部（１６）を更に備え、
   前記アドレス管理部（１６）は、前記アドレスが変更されたとき、前記第１情報を前記試運転の未完了を示すように変更する、
   請求項１に記載の装置。
5. 前記試運転を実行させる実行部（１５）を更に備え、
   前記実行部（１５）は、前記試運転の完了後に、前記第１情報を前記試運転の完了を示すように変更するとともに、前記所定アドレスを第２のアドレスに設定する、
   請求項１に記載の装置。
6. 請求項１に記載の装置（１０）と、
   前記設備機器（５０）と、
   前記装置（１０）及び前記設備機器（５０）と通信可能に接続され、前記設備機器（５０）の集中管理を行う管理装置（２０）と、
   を備え、
   前記管理装置（２０）は、
   前記装置（１０）を介して送信される、前記設備機器（５０）の前記アドレスの登録情報及び前記試運転の完了情報を含む第２情報を格納する、
   設備機器管理システム。