JP4887506B2 - フェライト系耐熱鋼の製造方法 - Google Patents
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Description
Feを主成分とし、Crを含有する鋼材料を、AC3変態点以上の温度に加熱する加熱工程と、
前記加熱工程で加熱した前記鋼材料を、パーライト変態が起こらない速度で、マルテンサイト変態開始温度以下で室温よりも高い所定温度範囲まで冷却する冷却工程と、
前記冷却工程で冷却した前記鋼材料を室温まで冷却せずに焼戻し処理を行なう焼き戻し工程とを有し、
前記所定温度範囲をTとし、マルテンサイト変態開始温度をMsとしたとき、前記Tが50℃≦T≦Ms−20℃であり、
前記所定温度範囲で出来たマルテンサイトが焼戻された組織と、未変態のオーステナイトが焼戻し温度から冷却されるときに形成される組織とを最終形態として含むフェライト系耐熱鋼を成すことを特徴とする。
本実施の形態で最も基本となる鋼は、主成分のFeの他に、下記のものを含有する。なお、下記以外に製鋼上不可避の不純物元素も含有する。
・C(炭素):質量%で0<C≦0.5。炭素はマルテンサイト組織を作るために質量%で通常0.05以上0.2以下程度添加される。ただし、0.5質量%を超えると炭化物の多量析出により靭性が低下する。なお、炭素無添加の材料でもマルテンサイトに似た組織が形成されるので、変形例では炭素は0としてもよい。
・Si(ケイ素):質量%で0<Si≦2。ケイ素は耐食性の向上および脱酸剤として必要である。ただし、2質量%を超えると靭性を害する。
・Mn(マンガン):質量%で0<Mn≦2。マンガンは脱硫剤および脱酸剤として必要であるが、2質量%を超えると組織が不安定に成る。
・Cr(クロム):質量%で5≦Cr≦13。クロムは耐酸化性を確保するために5質量%以上の添加は必要であるが、13質量%を超えると、マルテンサイト組織を形成することが困難になる。
・N(窒素):質量%で0<N≦0.1。窒素は炭素と同じくマルテンサイトを安定化させるために必要な元素であるが、真空溶解や大気溶解では0.1質量%を超える添加は困難となり、経済性を損なう。
・Al(アルミニウム):質量%で0<Al≦0.05。アルミニウムは脱酸剤として添加することも出来るが、高温強度を害するので0.05%を上限とする。
図1は、本発明の実施の形態に係るフェライト系耐熱鋼の製造方法における熱処理の説明図である。本図において、横軸は時間を示し、縦軸は温度を示している。本実施の形態の熱処理は下記の工程を有するものである。
・加熱工程:鋼材料をAC3変態点以上の温度に加熱する。なお、加熱後は所定時間(例えば30分〜2時間程度)だけその温度を保持する(均熱する)。
・冷却工程:加熱工程で加熱した鋼材料を、パーライト変態が起こらない速度で、マルテンサイト変態開始温度以下で室温よりも高い所定温度範囲まで冷却する。所定温度範囲については後述する。
・焼き戻し工程:冷却工程で冷却した鋼材料を室温まで冷却せずに焼戻し処理を行なう。すなわち、前記所定温度範囲からAC1変態点以下の所定温度まで加熱し、所定時間(例えば30分〜2時間程度)だけその温度を保持した後、室温まで冷却する。
上記の基本鋼の組成に加えて、下記の添加物を含有させてもよい。
・Mo(モリブデン)およびW(タングステン):通常MoおよびWは高温強度を高める目的で単独または組み合わせて質量%で0.2以上4以下添加される。これらの元素は多量に添加するとデルタフェライトを生成するが、デルタフェライトの量が20質量%を超えない範囲であれば、本実施の形態の熱処理の効果は消失しない。
・V(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル):通常V、Nb、Taは炭素および窒素と化合して微細な析出物を形成し、高温強度を高めるので、これらの元素は単独または組み合わせて質量%で0.02以上0.6以下添加される。これらの元素は多量に添加するとデルタフェライトを生成するが、基本鋼にこれらの元素が含まれていても、デルタフェライトの量が20質量%を超えない範囲であれば、本実施の形態の熱処理の効果は消失しない。
・B(ホウ素):Bは0.002質量%以上添加しないと高温強度を高める効果は期待できず、また0.02%を超えて添加すると化合物を形成して靭性を害する。
・Ni(ニッケル)、Co(コバルト)およびCu(銅):通常Ni、CoおよびCuはオーステナイトを安定化させ、靭性を確保する目的のために、これらの元素は単独または組み合わせて質量%で0.05以上4以下添加される。
Claims (6)
- Feを主成分とし、Crを含有する鋼材料を、AC3変態点以上の温度に加熱する加熱工程と、
前記加熱工程で加熱した前記鋼材料を、パーライト変態が起こらない速度で、マルテンサイト変態開始温度以下で室温よりも高い所定温度範囲まで冷却する冷却工程と、
前記冷却工程で冷却した前記鋼材料を室温まで冷却せずに焼戻し処理を行なう焼き戻し工程とを有し、
前記所定温度範囲をTとし、マルテンサイト変態開始温度をMsとしたとき、前記Tが50℃≦T≦Ms−20℃であり、
前記所定温度範囲で出来たマルテンサイトが焼戻された組織と、未変態のオーステナイトが焼戻し温度から冷却されるときに形成される組織とを最終形態として含むフェライト系耐熱鋼を成すことを特徴とする、フェライト系耐熱鋼の製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法において、前記鋼材料が質量%で0<C≦0.5;0<Si≦2;0<Mn≦2;5≦Cr≦13;0<N≦0.1;0<Al≦0.05を含有するものである、フェライト系耐熱鋼の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の製造方法において、前記鋼材料がMo、W又はMo+Wを質量%で0.2以上4以下含有するものである、フェライト系耐熱鋼の製造方法。
- 請求項1から3のいずれかに記載の製造方法において、前記鋼材料がV、Nb、Ta又はこれらの複合添加物を質量%で0.02以上0.6以下含有するものである、フェライト系耐熱鋼の製造方法。
- 請求項1から4のいずれかに記載の製造方法において、前記鋼材料がBを質量%で0.002以上0.02以下含有するものである、フェライト系耐熱鋼の製造方法。
- 請求項1から5のいずれかに記載の製造方法において、前記鋼材料がNi、Co、Cu又はこれらの複合添加物を質量%で0.05以上4以下含有するものである、フェライト系耐熱鋼の製造方法。
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