JP4881619B2 - カルボン酸アミド及びその誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、経日後の色調安定性の良好なカルボン酸アミド及びその誘導体(カルボン酸アミド化合物)の製造方法、並びに、このカルボン酸アミド化合物を用いたベタイン、四級アンモニウム塩及びアミン塩誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、カルボン酸アミド化合物は、四級アンモニウム塩のカチオン界面活性剤やベタイン型の両性界面活性剤などの有用な中間体として知られている。また、カルボン酸アミド自体もアミン塩としてリンス、コンディショナーなどに使用されている。
【0003】
このようなカルボン酸アミド、四級アンモニウム塩やベタイン、アミン塩などの誘導体に要求される品質として色調が良好なこと及び臭気が良好であることなどが挙げられる。
このカルボン酸アミド化合物は、通常、脂肪酸又はそのエステルとジアミンとを脱水縮合させることにより製造することができる。一般的に、この縮合反応は、高級脂肪酸又はそのエステルとジアミンとを反応温度80〜200℃、常圧若しくは減圧下で反応させることにより進行するが、一般に原料中に存在する僅かな量の不純物が熱あるいは微量の空気の存在下に着色物質へ転化し、著しい着色及び臭気劣化が起こり、製品の色調及び臭気あるいは最終製品の色調及び臭気に大きく影響を及ぼすものとなる。
【0004】
一般に、長鎖アルキル基を有するカルボン酸アミドは、融点が高く、常温で固体であるため、加熱下、液状状態で保存するか、固体のまま保存し四級アンモニウム塩やベタインなどの誘導体を製造する前に加熱融解する必要がある。
しかしながら、カルボン酸アミドが熱履歴を受けると色調劣化を生じ、四級アンモニウム塩やベタインなど製品の品質に悪影響を及ぼすこととなる。
【0005】
従来において、カルボン酸アミドやその誘導体の色調を改善する方法としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)等の第VIII族金属化合物の添加(10〜1000ppm)による色調改善が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、これらの文献に記載される方法等では、特許請求範囲に規定される下限値(10ppm)では色調改善が十分でなく、また、添加量を100ppm以上に増やすとカルボン酸アミド中に溶解せず、沈殿等が発生し、更に、1000ppm添加し加熱保存すると基材が分解するという課題が発生する。
また、水素化ホウ素ナトリウムは、禁水性物質であり、更に、処理した際には水素が発生するなど安全性の面からも取り扱いにくいという課題もある。
【特許文献1】
特開平8−253446号公報(特許請求の範囲、第3頁〜第4頁等)
【特許文献2】
特開平9−235260号公報(特許請求の範囲、第3頁、実施例等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、脂肪酸又はそのエステルとジアミンとを反応させて、色調及び臭気の良好なカルボン酸アミド及びその誘導体を製造する方法、並びに、このカルボン酸アミド化合物を用いて色調及び臭気の良好なベタイン、四級アンモニウム塩、及びアミン塩を製造する製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために、色調及び臭気の良好な高品質のカルボン酸アミドや、四級アンモニウム塩及びベタインなどを簡単な操作で効率的に製造する方法を鋭意検討した結果、脂肪酸又はそのエステルとジアミンとを反応させる際、特定の化合物の存在下に反応等を行うことにより、上記目的の極めて色調及び臭気が良好なカルボン酸アミド化合物を製造でき、更に、このカルボン酸アミド化合物をハロゲン化アルキルなどの四級化剤、またはモノハロアルキルカルボン酸またはその塩、並びに有機酸及び/又は無機酸と反応させると、極めて色調と臭気が良好な、四級アンモニウム塩、ベタイン、アミン塩が製造できることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0008】
すなわち、本発明は、次の(1)〜(6)に存する。
(1)下記一般式(1)により表される高級脂肪酸又はそのエステルと、下記一般式(2)により表されるジアミンとを、上記高級脂肪酸又はそのエステル全量に対し、有機ホスホン酸化合物0.001〜0.1質量%存在下で反応せしめることを特徴とするカルボン酸アミド及びその誘導体の製造方法。
〔上記式(1)中、R1は炭素数5〜23の直鎖又は分岐のアルキル基、アルケニル基またはヒドロキシアルキル基を示し、R2は水素原子又炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基、またはグリセライドから一つのアシルオキシ基を除いた残基を示す。〕
〔上式(2)中、R3及びR4は同一または異なってもよい、炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは2〜4の数を示す。〕
(2)下記一般式(1)により表される高級脂肪酸又はそのエステルと、下記一般式(2)により表されるジアミンとを反応せしめた後又は反応後に過剰のジアミンを除去した後に、有機ホスホン酸化合物を上記高級脂肪酸又はそのエステル全量に対し、0.001〜0.1質量%添加することを特徴とするカルボン酸アミド及びその誘導体の製造方法。
〔上記式(1)中、R1は炭素数5〜23の直鎖又は分岐のアルキル基、アルケニル基またはヒドロキシアルキル基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基、またはグリセライドから一つのアシルオキシ基を除いた残基を示す。〕
〔上式(2)中、R3及びR4は同一または異なってもよい、炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは2〜4の数を示す。〕
(3)有機ホスホン酸化合物が下記一般式(3)により表される構造のジホスホン酸又はその塩である上記(1)又は(2)に記載のカルボン酸アミド及びその誘導体の製造方法。
〔上記式(3)中、R6は水素原子又は炭素数が1〜3の低級アルキル基を示し、Z1,Z2,Z3及びZ4は、それぞれ他から独立に、水素原子又はアルカリ金属原子を示す。〕
(4)上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の製造方法で得られたカルボン酸アミド化合物を、下記一般式(4)により表されるモノハロアルキルカルボン酸又はその塩と反応させることにより下記一般式(5)により表されるベタインを製造することを特徴とするベタインの製造方法。
〔上記式(4)中、Yはハロゲン原子を示し、R6は、炭素数が1〜3の直鎖または分岐のアルキレン基を示し、Z5は、水素原子又はアルカリ金属原子を示す。〕
〔上記式(5)中、R1、R3、R4、R6及びnは、上記と同様と同様である〕
(5)上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の製造方法で得られたカルボン酸アミド化合物を、下記一般式(6)により表されるハロゲン化アルキル又は下記一般式(7)により表されるジアルキル硫酸と反応させるにより、下記一般式(8)により表される四級アンモニウム塩を製造することを特徴とする四級アンモニウム塩の製造方法。
〔上記式(6)中、Yはハロゲン原子を示し、R7は、炭素数が1〜4のアルキル基を示す。〕
〔上記式(7)中、R8は、炭素数が1〜4のアルキル基を示す。〕
〔式(8)中、R1、R3、R4、及びnは上記と同様の意味を示す。また、R9はR7またはR8を示す。Xは、YまたはR8SO4を示す。)
(6)上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の製造方法で得られたカルボン酸アミド化合物を有機酸、無機酸及び酸性アミノ酸から選ばれる少なくとも1種の中和剤で中和することにより、下記一般式(9)により表されるアミン塩を製造することを特徴とするアミン塩の製造方法。
〔式(9)中、R1、R3、R4、及びnは上記と同様の意味を示す。Aは、有機酸、無機酸、酸性アミノ酸を示す。〕
【発明の効果】
【0009】
本発明では、色調、臭気が良好で、長期保存安定性にも優れたカルボン酸アミド及びその誘導体の製造方法が提供されると共に、更に、このカルボン酸アミドを用いて製造したベタイン、四級アンモニウム塩、アミン塩も、色調、臭気に優れたものであり、これらは、シャンプー、リンス等の香粧品基材として極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態を発明毎に詳しく説明する。
本発明のカルボン酸アミド及びその誘導体の製造方法(以下、「本第1発明」という)は、下記一般式(1)により表される高級脂肪酸又はそのエステルと、下記一般式(2)により表されるジアミンとを、上記高級脂肪酸又はそのエステル全量に対し、有機ホスホン酸化合物0.001〜0.1質量%存在下で反応せしめること、若しくは、下記一般式(1)により表される高級脂肪酸又はそのエステルと、下記一般式(2)により表されるジアミンとを反応せしめた後又は反応後に過剰のジアミンを除去した後に有機ホスホン酸化合物を上記高級脂肪酸又はそのエステル全量に対し、0.001〜0.1質量%添加することを特徴とするものである。
〔上記式(1)中、R1は炭素数5〜23の直鎖又は分岐のアルキル基、アルケニル基またはヒドロキシアルキル基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基、またはグリセライドから一つのアシルオキシ基を除いた残基を示す。〕
【0011】
本第1発明に用いる高級脂肪酸又はそのエステルは、上記一般式(1)で表されるものであれば、特に限定されるものではない。具体的には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸、12−ヒドロキシステアリン酸や、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、とうもろこし油脂肪酸、牛脂脂肪酸、ババス油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、鯨油脂肪酸等の植物油または動物油脂肪酸、または、これらのメチルエステル、エチルエステル、グリセライドや、これらの混合物が挙げられる。また、これらは、各単独(1種)で、又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも、ハンドリング性に優れる点から、R2が、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である高級脂肪酸またはその低級アルキルエステルが好ましく、特に好ましいものは、R1が炭素数9〜21の直鎖アルキル基で、R2が水素原子又はメチル基であるものが望ましい。
【0012】
また、本第1発明で用いるジアミンは、上記一般式(2)で表されるものであれば、特に限定されるものではない。具体的には、ジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン、ジプロピルアミノエチルアミンが挙げられ、これらは、各単独(1種)で、又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも、原料入手のし易さの点から、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノエチルアミンが好ましい。
【0013】
本第1発明において、有機ホスホン酸化合物は、上記一般式(1)により表される高級脂肪酸又はそのエステルと、上記一般式(2)により表されるジアミンとを反応させる際、若しくは、反応後又は反応後に過剰のジアミンを除去した後に添加するものである。
この有機ホスホン酸化合物を用いることにより、色調、臭気が良好で、長期保存安定性にも優れたカルボン酸アミド及びその誘導体(カルボン酸アミド化合物)が得られることとなる。
【0014】
用いることができる有機ホスホン酸化合物としては、特に限定されるものでないが、処理した際に水素等のガスを発生することもなく、工業的にも扱いやすいため、下記一般式(3)により表される構造のジホスホン酸又はその塩の使用が望ましい。
〔上記式(3)中、R5は水素原子又は炭素数が1〜3の低級アルキル基を示し、Z1,Z2,Z3及びZ4は、それぞれ他から独立に、水素原子又はアルカリ金属原子を示す。〕
上記一般式(3)のジホスホン酸又はその塩としては、具体的には、ヒドロキシエタンジホスホン酸、ヒドロキシプロパンジホスホン酸、ヒドロキシブタンジホスホン酸、及びこれらの塩などが挙げられる。更に好ましくは、水溶性であり、ハンドリング性に優れる点から、ヒドロキシエタンジホスホン酸又はその塩が望ましい。
【0015】
これらの有機ホスホン酸化合物を添加する時期は、カルボン酸アミド化合物のアミド化反応前に添加してもよいし、アミド化反応後、または、アミド化反応後に過剰の未反応ジアミンを除去した後に添加してもよい。好ましくは、色調の劣化抑制効果の点から、アミド化反応前に添加する方法が望ましい。
【0016】
また、この有機ホスホン酸化合物(有機ホスホン酸類及び/又はその塩)の使用量は、上記高級脂肪酸又はそのエステル(脂肪酸誘導体)全量に対し、0.001〜0.1質量%(以下、「質量%」を単に「%」という)、好ましくは、0.003〜0.1%、より好ましくは、0.005〜0.01%とすることが望ましい。
この有機ホスホン酸化合物の使用量が0.001%未満では、色相・臭気の安定性の満足なカルボン酸アミド化合物及びその誘導体を得ることができないものとなる。また、この量が1.0%を超えて過剰に添加された場合には、色相及び臭気の良好なカルボン酸アミド化合物及びその誘導体が得られるが、有機ホスホン酸化合物が組成物中に過剰に存在することになるため、コスト的にも不利であり、また、沈殿等の原因にもなりうる。
【0017】
本第1発明において、上記脂肪酸又はそのエステルと、上記ジアミンとの反応温度は、80〜220℃、好ましくは、90〜200℃の範囲とすることが望ましく、反応時間は、3〜20時間、好ましくは5〜10時間である。
また、ジアミンと上記脂肪酸又はそのエステルとのモル比は、通常、1.0〜2.0であり、好ましくは1.05〜1.5とすることが望ましい。
また、脂肪酸エステルを用いた場合には、ナトリウムメトキサイド等のアルカリ触媒の存在下に反応させると反応時間を短縮できる。反応後、末反応のジアミンは減圧または窒素ブローで留去することが望ましい。
更に、カルボン酸アミド化合物は、室温下固体で保存しても加温して液状で保存してよい。このとき、更なる保存安定性を発揮せしめる点から、窒素シールすることが好ましい。窒素シール(後述する実施例等を含む)としては、例えば、保管容器のヘッドスペースに窒素を流す、液状の場合は窒素バブリングする、また、減圧後、窒素で常圧に戻すなどの方法を挙げることができる。
【0018】
本第1発明では、上記一般式(1)により表される高級脂肪酸又はそのエステルと、上記一般式(2)により表されるジアミンとを、上記高級脂肪酸又はそのエステル全量に対し、有機ホスホン酸化合物0.001〜0.1質量%存在下で反応せしめること、若しくは、上記一般式(1)により表される高級脂肪酸又はそのエステルと、上記一般式(2)により表されるジアミンとを反応せしめた後又は反応後に過剰のジアミンを除去した後に有機ホスホン酸化合物を上記高級脂肪酸又はそのエステル全量に対し、0.001〜0.1質量%添加することにより、色調、臭気が良好で、長期保存安定性にも優れたカルボン酸アミド及びその誘導体が得られるものである。
本第1発明で得られるカルボン酸アミド化合物の具体例を挙げると、デカン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノプロピルアミド、硬化牛脂ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、イソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、オレイン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジブチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジブチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミドが挙げられる。
【0019】
次に、本発明のベタインの製造方法(以下、「本第2発明」という)では、上述の製造方法(本第1発明)で得られたカルボン酸アミド化合物を、下記一般式(4)により表されるモノハロアルキルカルボン酸又はその塩と反応させることにより、下記一般式(5)により表される著しく色調が良好なベタインを得ることができる。
〔上記式(4)中、Yはハロゲン原子を示し、R6は、炭素数が1〜3の直鎖または分岐のアルキレン基を示し、Z5は、水素原子又はアルカリ金属原子を示す。〕
〔上記式(5)中、R1、R3、R4、R6及びnは、上記と同様と同様である〕
【0020】
本第2発明において、カルボン酸アミド化合物と、上記モノハロアルキルカルボン酸又はその塩との反応は、従来公知の方法で行うことができる。例えば、カルボン酸アミドとモノハロアルキルカルボン酸又はその塩とを、ベタイン化が終了するまではpHを8〜10に保持し、その後は、残存するモノハロアルキルカルボン酸塩の加水分解を促進するために、pH11.5〜13の範囲に保持して反応させることが好ましく、反応温度は、50〜100℃の範囲が更に好ましい。また、反応は、常圧でも加圧下で行ってもよい。
【0021】
用いることができる上記モノハロアルキルカルボン酸又はその塩としては、例えば、モノクロロ酢酸、モノブロモ酢酸、モノクロロプロピオン酸、モノブロモプロピオン酸またはそれらのナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられ、原料入手の容易さ及びハンドリング性の点で、モノクロロ酢酸またはその塩が特に好ましい。
カルボン酸アミド化合物に対するモノハロアルキルカルボン酸又はその塩の量は、1〜3モル比が好ましく、1〜1.15モル比が更に好ましい。
このモノハロアルキルカルボン酸又はその塩のモル比が1未満であると、未反応のカルボン酸アミド化合物が残存し、また、1.15を超えると、過剰のモノハロアルキルカルボン酸又はその塩、または、その分解物が残存するため、好ましくない。
【0022】
本第2発明においては、カルボン酸アミド化合物を上記一般式(8)で表されるモノハロアルキルカルボン酸又はその塩と反応させる際に、上記一般式(3)で表される有機ホスホン酸又はその塩を上記添加量の範囲で存在させることが好ましい。有機ホスホン酸又はその塩を存在させることにより、更に色調が良好なベタインを得ることができるものとなる。
【0023】
本発明の四級アンモニウム塩の製造方法(以下、「本第3発明」という)では、上記製造方法で得られたカルボン酸アミド化合物を、下記一般式(6)により表されるハロゲン化アルキル又は下記一般式(7)により表されるジアルキル硫酸と反応させるにより、下記一般式(8)により表される著しく色相が良好な四級アンモニウム塩を得ることができる。
〔上記式(6)中、Yはハロゲン原子を示し、R7は、炭素数が1〜4のアルキル基を示す。〕
〔上記式(7)中、R8は、炭素数が1〜4のアルキル基を示す。〕
〔式(8)中、R1、R3、R4、及びnは上記と同様の意味を示す。また、R9はR7またはR8を示す。Xは、YまたはR8SO4を示す。)
【0024】
本第3発明において、上記カルボン酸アミド化合物と上記一般式(6)又は上記一般式(7)で表される四級化剤、例えば、メチルクロライド等の低級アルキルハライド、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸等との四級化反応は、公知の方法で行うことができる。
これらの四級化剤は、カルボン酸アミドに対して、0.95〜1.5当量が好ましく、より好ましくは0.98〜1.3当量である。この四級化剤の量が0.95当量未満であると、反応時間が長くなり熱履歴による色調及び臭気の劣化が生じやすく、また、1.5当量を超えると、余剰の四級化剤が色調及び臭気劣化を促進させ、高品質な四級アンモニウム塩が得られにくくなり、さらにコスト面でも不利である。
また、四級化反応の温度は、カルボン酸アミド、または、カルボン酸アミドと反応溶媒との混合物の融点以上で、かつ、品質面から、65〜120℃が好ましく、より好ましくは70〜100℃、さらに好ましくは80〜90℃とすることが望ましい。
【0025】
更に、本発明のアミン塩の製造方法(本第4発明)は、上述の製造方法で得られたカルボン酸アミド化合物を有機酸、無機酸及び酸性アミノ酸から選ばれる少なくとも1種の中和剤で中和することにより、下記一般式(9)により表される色調が良好なアミン塩を得ることができる。
〔式(9)中、R1、R3、R4、及びnは上記と同様の意味を示す。Aは,有機酸、無機酸、酸性アミノ酸を示す。〕
【0026】
用いることができる中和剤としては、有機酸、無機酸、酸性アミノ酸から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、具体的には、乳酸、グリコール酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸、ホウ酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等が挙げられ、これらの中でも、腐食性がなく、香粧品用原料として用いられることから、乳酸、クエン酸が特に好適に用いられる。また、これらの中和剤は、1種または2種以上を任意に用いることができる。
本発明における中和剤の添加量は、カルボン酸アミド化合物に対して、0.5〜1.5当量であり、好ましくは、0.6〜1.4当量である。この中和剤の添加量が0.5当量未満であると、中和反応が未完結となり、また、1.4当量を超えると、過剰の中和剤が残存してしまい、好ましくない。
【0027】
本第4発明において、カルボン酸アミド化合物を中和する方法は、従来公知の方法で行うことができる。例えば、カルボン酸アミド化合物と水に溶解させた中和剤を混合後、水分を留去することによってアミン塩が得られる。また、カルボン酸アミド化合物を温水中に溶解または分散させ、中和剤を添加して中和することによって、アミン塩水溶液が得られる。
また、中和する際にエタノールや2−プロパノール等の溶媒を添加することにより、カルボン酸アミド塩の溶解量を向上させることができる。中和温度は、カルボン酸アミド化合物の融点以上が好ましく、一般的に、40〜90℃である。
【0028】
以上のように、本第1発明では、色調、臭気が良好で、長期保存安定性にも優れたカルボン酸アミド及びその誘導体が得られるものであり、また、この得られたカルボン酸アミド化合物を用いる本第2発明〜本第4発明では、色調、臭気に優れたベタイン、四級アンモニウム塩、アミン塩が得られるものである。
本第1発明〜本第4発明で得られる各化合物(カルボン酸アミド化合物、ベタイン、四級アンモニウム塩、アミン塩)は、衣料用洗剤、台所用洗剤、シャンプー、ボディシャンプー、洗顔剤などの洗浄剤、リンス、コンディショナー、トリートメント、スタイリングフォームなどの毛髪処理剤、及び衣料用柔軟剤など繊維処理剤等として好適に用いることができ、使用目的により、更に各化合物に任意成分を含有することができる。
【0029】
例えば、本発明(本第1発明〜本第4発明)の各化合物を毛髪処理剤として用いる場合には、本第1発明のカルボン酸アミドや本第4発明のカルボン酸アミド塩、及び本第2発明の四級塩が好適に用いられるが、毛髪処理剤に従来使われている各種添加成分(任意成分)を、所望に応じ、配合することができる。この添加成分としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高重合シリコーン化合物、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸またはその塩、グリシンやアラニン等のアミノ酸、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、両性ポリマー、ノニオン性ポリマー、殺菌剤、高級アルコール、炭化水素、天然油脂、エステル油、酸化防止剤、金属封鎖剤、着色料、香料、溶剤(例えばエタノール、カルビトール誘導体など)、多価アルコール、脂肪酸等が挙げられる。これらの添加成分は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また毛髪処理剤調製の適当な段階で配合してもよい。
【0030】
本発明の各化合物を洗浄剤として用いる場合には、本第2発明のベタインや本第1発明のカルボン酸アミドが好適に用いられるが、洗浄剤に従来使われている各種添加成分(任意成分)を、所望に応じ、配合することができる。この添加成分としては、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高重合シリコーン化合物、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸またはその塩、グリシンやアラニン等のアミノ酸、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、両性ポリマー、ノニオン性ポリマー、殺菌剤、高級アルコール、炭化水素、天然油脂、エステル油、酸化防止剤、金属封鎖剤、着色料、香料、溶剤(例えばエタノール、カルビトール誘導体など)、多価アルコール、脂肪酸等が挙げられる。これらの添加成分は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【実施例】
【0031】
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
【0032】
(実施例1)
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた1リットル四ツ口フラスコに、ステアリン酸350g〔日本油脂(株)製、NAA173K、分子量285、1.23モル〕、ヒドロキシエタンジホスホン酸60%水溶液 0.058g〔東京化成工業(株)製、0.01%対ステアリン酸〕を仕込み、80℃に加熱しステアリン酸を融解した。
その後、窒素置換(減圧6.7kPa→常圧・窒素戻し)を2回行った後、185℃に昇温し、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン151g〔東京化成工業(株)製、分子量102、以下、「DMAPA」と略記〕を4時間かけて滴下した。滴下中は、190〜200℃に保持し、その後5時間熟成を行った。酸価を測定した結果、2.1mg−KOH/gで、未反応脂肪酸量1.5%以下になったのを確認後、190℃で2.0kPaに減圧し、1時間トッピングを行い、未反応のN,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパンを留去した。
トッピング後、90℃まで冷却した後、反応混合物を取り出した。この反応混合物のアミン価をタイトレーターで測定した結果、152mg−KOH/gであった。また、色差分析計〔日本電色工業(株)製“OME−200”〕にて色調を測定した結果、色調はAPHA100であった。
【0033】
(実施例2)
上記実施例1と同様の攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた1リットル四ツ口フラスコに、パルミチン酸256.5g〔日本油脂(株)製、NAA160、分子量256.5、1.0モル〕を仕込み、80℃に加熱し、パルミチン酸を融解した。その後、窒素置換(減圧6.7kPa→常圧・窒素戻し)を2回行った後、185℃に昇温し、N,N−ジエチルアミノエチルアミン〔東京化成工業(株)製、分子量116、以下、「DEAEA」と略記〕139gを4時間かけて滴下した。滴下中は190〜200℃に保持し、その後8時間熟成を行った。酸価を測定した結果、3mg−KOH/gで、未反応脂肪酸量1.5%以下になったのを確認後、190℃で2.0kPaに減圧し、1時間トッピングを行い、未反応のN,N−ジエチルアミノエチルアミンを留去した。
トッピング後、110℃まで冷却し、ヒドロキシエタンジホスホン酸60%水溶液0.021g(対パルミチン酸0.005%)を添加し混合した。そして,反応混合物を取り出し反応混合物のアミン価をタイトレーターで測定した結果、144mg−KOH/gであった。また、色差分析計にて色調を測定した結果、色調はAPHA120であった。
【0034】
(実施例3)
上記実施例1と同様の攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた1リットル四ツ口フラスコに、ラウリン酸メチルエステル350g〔ライオンオレオケミカル(株)製、パステルM12、分子量214、1.64モル〕、ヒドロキシエタンジホスホン酸60%水溶液0.29g〔東京化成工業(株)製、対ラウリン酸メチル0.05%〕を仕込み、80℃に加熱し、窒素置換(減圧6.7kPa→常圧・窒素戻し)を2回行った後、185℃に昇温し、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン201g〔東京化成工業(株)製、分子量102〕を4時間かけて滴下した。滴下中は190〜200℃に保持し、その後8時間熟成を行った。ガスクロマトグラフィーで未反応メチルエステル量を測定した結果、0.3%であったので、190℃で2.0kPaに減圧し、1時間トッピングを行い、未反応のN,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパンを留去した。
トッピング後、90℃まで冷却した後、反応混合物を取り出した。この反応混合物のアミン価をタイトレーターで測定した結果、193mg−KOH/gであった。また、色差分析計にて色調を測定した結果、色調はAPHA30であった。
【0035】
(比較例1)
ヒドロキシエタンジホスホン酸を使用しない以外は、上記実施例1と同様の反応条件で反応させた。酸価を測定した結果、2.2mg−KOH/gで、未反応脂肪酸量1.5%以下になったのを確認後、190℃で2.0kPaに減圧し、1時間トッピングを行い、未反応のN,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパンを留去した。
トッピング後、90℃まで冷却した後、反応混合物を取り出した。この反応混合物のアミン価をタイトレーターで測定した結果、152mg−KOH/gであった。また、色差分析計にて色調を測定した結果、色調はAPHA250であった。
【0036】
(比較例2)
ヒドロキシエタンジホスホン酸を使用しない以外は、上記実施例3と同様の反応条件で反応させた。ガスクロマトグラフィーで未反応メチルエステル量を測定し0.3%であったので、190℃で2.0kPaに減圧し、1時間トッピングを行い、未反応のN,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパンを留去した。
トッピング後、90℃まで冷却した後、反応混合物を取り出した。この反応混合物のアミン価をタイトレーターで測定した結果、193mg−KOH/gであった。また、色差分析計にて色調を測定した結果、色調はAPHA150であった。
【0037】
(実施例4)
上記実施例1と同様の攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた1リットル四ツ口フラスコに、ステアリン酸メチルエステル350g〔ライオンオレオケミカル(株)製、パステルM180、分子量299、1.17モル〕、ヒドロキシエタンジホスホン酸60%水溶液0.058g〔東京化成工業(株)製、対ステアリン酸メチル0.01%〕を仕込み、80〜100℃に加熱し、窒素置換(減圧6.7kPa→常圧・窒素戻し)を2回行った後、185℃に昇温し、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン144g〔東京化成工業(株)製、分子量102〕を4時間かけて滴下した。滴下中は190〜200℃に保持し、その後8時間熟成を行った。ガスクロマトグラフィーで未反応メチルエステル量を測定した結果、0.4%になったのを確認できたので、190℃で2.0kPaに減圧し、1時間トッピングを行い、未反応のN,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパンを留去した。
トッピング後、90℃まで冷却した後、反応混合物を取り出した。この反応混合物のアミン価をタイトレーターで測定した結果、152mg−KOH/gであった。また、色差分析計にて色調を測定した結果、色調はAPHA50であった。
このカルボン酸アミド化合物を窒素シール後、100℃で7日間保存安定性試験を行った。色差分析計にて色調を測定した結果、色調はガードナー1と色調安定性が良好であった。
【0038】
(実施例5)
ステアリン酸のかわりにラウリン酸(アシッドケム社製、分子量200)を用い、ヒドロキシエタンジホスホン酸0.005%存在下で反応を行う以外は、上記実施例1と同じ方法で10時間反応した。色差分析計にて色調を測定した結果、色調はAPHA100であった。このカルボン酸アミド化合物を窒素シール後、100℃で7日間保存安定性試験を行った。色差分析計にて色調を測定した結果、色調はガードナー1と色調安定性が良好であった。
【0039】
(実施例6)
反応前にヒドロキシエタンジホスホン酸を添加する以外は、上記実施例1と同様の方法で、ステアリン酸を用いて反応を10時間行い、トッピング後にヒドロキシエタンジホスホン酸0.1%を添加した。色差分析計にて色調を測定した結果、色調はAPHA120であった。このカルボン酸アミド化合物を窒素シールせずに、100℃で1日間保存安定性試験を行った。色差分析計にて色調を測定した結果、色調はガードナー1であった。
【0040】
(比較例3)
上記実施例4と同様の条件で、ヒドロキシエタンジホスホン酸を添加せずに反応を行った。このカルボン酸アミド化合物を窒素シール後、100℃で7日間保存安定性試験を行った。色差分析計にて色調を測定した結果、色調はガードナー4であった。
【0041】
(比較例4)
上記実施例5と同様の条件で、ヒドロキシエタンジホスホン酸を添加せずに反応を行った。このカルボン酸アミド化合物を窒素シール後、100℃で7日間保存安定性試験を行った。色差分析計にて色調を測定した結果、色調はガードナー5であった。
【0042】
(比較例5)
上記実施例6と同様の条件で、ヒドロキシエタンジホスホン酸を添加せずに反応を行った。このカルボン酸アミド化合物を窒素シールせずに、100℃で1日間保存安定性試験を行った。色差分析計にて色調を測定した結果、色調はガードナー6であった。
【0043】
(実施例7)
上記実施例4と同様に合成したカルボン酸アミド250g(アミン価152)、ステアリルアルコール〔関東化学(株)製〕128g、セチルアルコール〔関東化学(株)製〕128g、エタノール〔関東化学(株)製〕18.4g、炭酸水素ナトリウム〔旭硝子(株)〕1.4gを1リットルガラスオートクレーブに仕込み、攪拌しながら加温し溶解させた後、窒素置換(0.2MPa→常圧)を3回行った。65℃到達後、塩化メチル〔住友精化(株)製〕をアミンに対し1.03倍モル量仕込み、85〜100℃で2.5時間熟成した。遊離アミンとアミン塩酸塩の合計が1%以下であることを確認して反応を終了し、脱圧し、室温下で冷却・固化させて、フレーク状の四級アンモニウム塩を得た。2−プロパノールに対し、50質量%となるよう四級アンモニウム塩を溶解させた後、色差分析計にて色調を測定した結果、APHA30であった。また、四級アンモニウム塩の臭気判定を官能評価で行ったところ、良好であった。
【0044】
(実施例8)
上記実施例5と同様に合成したカルボン酸アミド181g、イオン交換水480g、モノクロロ酢酸ナトリウム〔関東化学(株)製、分子量116.5〕79g、水酸化ナトリウム水溶液〔関東化学(株)製、30%に希釈〕6.9gを攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管を備えた2リットル四ツ口フラスコに仕込んだ後、90℃へ昇温した。その後、5時間熟成を行った後に冷却し、AI30%のラウリン酸アミドプロピルベタインを得た。この生成物の色調を色差分析計にて測定した結果、色調はAPHA40であった。また、得られたベタインの臭気判定を行ったところ、良好であった。
【0045】
(実施例9)
上記実施例1と同様に合成したカルボン酸アミド250g(アミン価152)を1リットル四つ口フラスコに仕込み、70〜80℃で攪拌しながら融解させた。そして、p−トルエンスルホン酸一水和物〔関東化学(株)製〕116gを水117gに溶解させて調製したp−トルエンスルホン酸水溶液を徐々に添加し、中和した。70〜80℃に保ちつつ減圧下で水分を留去し、室温下で冷却・固化させて、フレーク状のアミン塩を得た。2−プロパノールに対し、50質量%となるようにアミン塩を溶解させた後、色差分析計にて色調を測定した結果、APHA60であった。また、アミン塩の臭気判定を行ったところ、良好であった。
【0046】
(比較例6)
比較例3と同様に合成したカルボン酸アミド250gを用いて、実施例6と同様の反応条件で四級アンモニウム塩を合成した。2−プロパノールに対し、50質量%となるよう四級アンモニウム塩を溶解させた後、色差分析計にて色調を測定した結果、色調はAPHA150であった。また、四級アンモニウム塩の臭気判定を行ったところ、臭気が強く、臭気が劣っていた。
【0047】
(比較例7)
上記比較例4と同様に合成したカルボン酸アミドを用いて、実施例8と同様の反応条件でベタインを合成した。この生成物の色調を色差分析計にて測定した結果、色調はAPHA250であった。また得られたベタインの臭気判定を行ったところ、臭気が強く、臭気が劣っていた。
【0048】
(比較例8)
上記比較例1と同様に合成したカルボン酸アミドを用いて、実施例9と同様の反応条件でアミン塩を調製した。アミン塩を2−プロパノールに対し、50質量%となるように溶解させた後、色差分析計にて色調を測定した結果、色調はAPHA140であった。また、アミン塩の臭気判定を行ったところ、臭気が強く、臭気が劣っていた。
【0049】
上記実施例1〜3及び比較例1〜2の試験結果等を下記表1に、上記実施例4〜6及び比較例3〜5の試験結果等を下記表2に、上記実施例7〜9及び比較例6〜8の試験結果等を下記表3に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
上記表1及び表2の結果から明らかなように、本発明の範囲となる実施例1〜6は、本発明の範囲外となる比較例1〜5に比べて、色調の良好なカルボン酸アミド化合物が得られることが判明した。
また、上記表3の結果から明らかなように、本発明の範囲となる実施例7〜9は、本発明の範囲外となる比較例6〜8に比べて、色調及び臭気の良好なベタイン、四級アンモニウム塩、及びアミン塩が得られることが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明により得られる経日後の色調安定性の良好となるカルボン酸アミド化合物は、四級アンモニウム塩のカチオン界面活性剤やベタイン型の両性界面活性剤などの中間体として有用であり、また、カルボン酸アミド自体もアミン塩としてリンス、コンディショナーなどに好適に用いられる。
Claims (5)
- 下記一般式(1)により表される高級脂肪酸又はそのエステルと、下記一般式(2)により表されるジアミンとを、上記高級脂肪酸又はそのエステル全量に対し、有機ホスホン酸化合物0.001〜0.1質量%存在下で反応せしめることを特徴とするカルボン酸アミドの製造方法。
- 請求項1〜2の何れか一つに記載の製造方法でカルボン酸アミドを製造し、該カルボン酸アミド化合物を、下記一般式(6)により表されるハロゲン化アルキル又は下記一般式(7)により表されるジアルキル硫酸と反応させるにより、下記一般式(8)により表される四級アンモニウム塩を製造することを特徴とする四級アンモニウム塩の製造方法。
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