JP4878691B2 - 積層電気−機械エネルギー変換素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は振動波モータ等の振動波駆動装置に用いられる積層電気―機械エネルギー変換素子に係り、特に、積層化された積層電気―機械エネルギー変換素子の層間の接続を図るスルーホールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気−機械エネルギー変換機能を有する圧電材料は様々な圧電素子や圧電装置として多種多様に用いられている。とりわけ、最近の傾向として、これらの圧電素子や圧電装置は、単一の板状で使うのではなく、薄いシート状で多数枚重ねて積層化した構造が使われるようになってきた。
【0003】
これは、単一の板状の圧電素子と比べ、積層化によって、低い印加電圧で大きな変形歪や大きな力が得られることが大きな理由である。さらに、シート成形法や積層化の製造方法が普及し、一層あたりの厚さを薄くし、小型で高性能な積層化された圧電素子や圧電装置が容易に作られるようになってきたためである。
【0004】
例えば、振動波駆動装置の一つの例である振動波モータ用の積層圧電素子として、特開平6―77550号公報、特開平6―120580号公報、特開平8―213664号公報等が提案されている。その他に振動ジャイロ用、圧電トランス用の積層圧電素子なども数多く提案されている。
【0005】
このような種々の用途に使用される積層化された電気―機械エネルギー変換素子は、電極領域を形成した電気−機械エネルギー変換機能を有する層状の材料を複数重ねた構造であり、つまり、代表的な例としては、電極材料で形成された電極の層(以下、内部電極と呼ぶ)を表面に設けた圧電セラミックスの層(以下、圧電層と呼ぶ)を複数層重ねた構造となっている。
【0006】
そして、最近は、積層化された複数の内部電極を接続するための層間配線として、圧電層の層内に穴を設け電極材料を埋め込んだスルーホール(またはバイヤホールとも言う)を、例えば、特開平6―120580号公報、特開平8−213664号公報等のように用いるのが、より一般的になってきた。(なお、特開平6―77550号公報は外部に層間配線としての外部電極を用いた例である)。
【0007】
これは、製造装置や製造技術の向上により、スルーホールの位置決めが高精度になったために、電気的な接続に対する信頼性が高くなったこと、さらに、スルーホールを用いることで素子の小型化が図れることなどの利点があるためである。
【0008】
図4は特開平8−213664号公報に記載の従来の積層圧電素子を示したもので、積層圧電素子31は内部電極を接続するために、全て黒丸で示すスルーホール36を用いており、図5のように振動波モータ40に組み込まれてカメラ用レンズのオートフォーカスのモータとして既に実用化されている。
【0009】
図4において、中心部に貫通孔が形成された円板形状の積層圧電素子31は、内径側にスルーホール(図中小径の黒丸で示す)36を形成し、積層された圧電層間の導通を得るようにしたものである。積層圧電素子31を構成する2種の圧電層32、33の表面には4分割された内部電極(電極パターン)34−1、34−2、34−3、34−4と35−1、35−2、35−3、35−4が設けられている。
【0010】
そして表面層の第1層以下、第2層から第25層まで圧電層32と33が交互に配置されている。各圧電層の内径側には図中黒丸で示す8個のスルーホール36が形成され、1層おきに重ねられた各圧電層32における斜線で示す各内部電極34の分割された4つの電極部34−1、34−2、34−3、34−4が重ねられた方向で導通するように4本のスルーホールが電極部にある。
【0011】
また、もう一方の各圧電層33においても、同様に各内部電極35の分割された4つの電極部35−1、35−2、35−3、35−4が重ねられた方向で導通するように、さらに4本のスルーホールが電極部に設けられている。ただし、第25層はその下には圧電層がないのでスルーホールは設けられていない。
【0012】
そして、これら8本のスルーホール36は互いに独立し非導通となっており、積層圧電素子31の表面でスルーホール36の端部を露出し表面電極37を形成している。また、各内部電極34、35は圧電体の外形、内径の縁までは形成されておらず、外形、内径の縁には未電極領域がある。
【0013】
このように構成された図4の積層圧電素子31は、以下のような分極処理が施され、振動波駆動装置としての振動波モータに適した振動を起こすようになっている。
【0014】
積層圧電素子31において、素子内部の各圧電層33の内部電極35は4分割された電極部35−1、35−2、35−3、35−4からなり、180度の位置関係にある電極部35−1、35−3の領域と電極部35−2、35−4の領域の2つが互いに分極方向が異なるように、+(プラス)と−(マイナス)に分極している。
【0015】
すなわち、図示したように、電極部35−1、35−3がA+,A−、電極部35−2、35−4がB+,B−として、各々A相、B相とし、これらに対向する圧電層32の内部電極34の4分割された電極部34−1、34−2、343、34−4も同じく180度の位置にある電極部34−1、34−3と電極部34−2、34−4の2つを1組としてAG相、BG相とし、電気的にグランドとしている。
【0016】
図5は、積層圧電素子31を振動体42に組み込んだ振動波駆動装置としての棒状の振動波モータ40の断面図である。積層圧電素子31は、振動体41の弾性体である金属部品42と43の間に、外部電源と接続する配線基板38と直接接触し、ボルト44により挟持されている。
【0017】
そして、積層圧電素子31の8個の表面電極37と配線基板38の電極パターンは電気的に接続される。
【0018】
棒状振動波モータ40の駆動原理は、積層圧電素子31を組み込んだ振動体41に、直交する2つの曲げ振動を発生させ、これと加圧接触するロータ47を摩擦力により駆動するものである。
【0019】
すなわち、A相、B相に対向するAG相、BG相をグランドとし、A相に振動体の固有振動数とほぼ一致した高周波電圧を印加し、さらに、A相と空間位相位置の90度異なるB相に、A相とは電気的に90度位相の異なる同じ振動数の高周波電圧を印加し、振動体41に発生する2つの曲げ振動の合成により駆動振動を得る。
【0020】
そして、振動体41に発生する駆動振動により、金属部品42の一方の面に、バネ45、バネ支持体46を介して加圧接触するロータ47を摩擦駆動し、ロータ47と一体に回転する出力部材としてのギア48により駆動力が出力される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、さらなる小型の振動波モータを開発するために、従来の振動波モータを検討したところ、積層圧電素子には次の課題があることがわかってきた。
【0022】
スルーホールを用いた積層圧電素子は、スルーホールと他の別の内部電極の電極部と非導通にするため、スルーホールの周囲の絶縁部(図4において未電極形成部39の領域)は必要不可欠である。
【0023】
積層圧電素子を、図4の従来の電極の構成のように、内径側にスルーホール36を形成したまま、積層圧電素子の外形を小さくすると、スルーホールの周囲には円形状の絶縁部(図4中の上記した未電極形成部39)があるため、振動波モータを駆動するために必要な圧電活性部(内部電極34、35の各電極部に挟まれた部分)の領域を十分に取ることができない。これでは、小型の振動波モータの性能はほとんど期待できないことがわかった。
【0024】
本出願に係る発明は、今後開発するさらなる小型の振動波モータ等の振動波駆動装置の性能向上に対して有効な積層電気−機械エネルギー変換素子を提供しようとするものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、複数の電極領域を形成した電気−機械エネルギー変換機能を有する材料からなる圧電層を複数層重ね、前記複数層の圧電層に形成された電極領域間をスルーホールを用いて接続した積層電気−機械エネルギー変換素子において、
前記電極領域は、前記スルーホールと絶縁部とを除き、前記圧電層の外径の縁及び内径の縁まで形成され、
前記スルーホールは、前記積層電気−機械エネルギー変換素子の外径から内側であって、前記積層電気−機械エネルギー変換素子の直径の略1割以下の距離の位置に複数形成され、
前記スルーホールは、その周囲に絶縁部を含み、該絶縁部は少なくとも最上層、最下層を除く層において、前記積層電気−機械エネルギー変換素子の外径の縁を含むように形成され、
前記電極領域に挟まれた部分である圧電活性部の領域を、広く取ることが可能に構成されていることを特徴とする。
【0027】
第2の発明は、上記発明で、前記複数層の各複数の前記電極領域は、直径部分に形成された絶縁部で区画された複数の領域に形成されたことを特徴とする。
【0028】
上記発明で、積層圧電素子の直径の略1割以下の距離とは、例えば、およそ積層圧電素子の直径の1割以下で、直径が5から6mmであれば、外形または内径から0.5mmから0.6mmより近いところである。
【0029】
第3の発明は、上記第2の発明において、前記スルーホールの形状は、略半円形状であることを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態を示す。本実施の形態の積層電気?機械エネルギー変換素子としての積層圧電素子1は、中心部に貫通孔が形成された内径を有し、スルーホールを用いて積層された圧電層間の導通を得るようにしたものである。そして、積層圧電素子1の直径は後述するように、従来例より小型化した。
【0031】
図1に示すように、積層圧電素子1を構成する2種の圧電層2と3の表面には、直径部分を直交するようにして十字形に形成されたスリット(未電極形成部)を介して、内部電極4と5が電極部4−1,4−2,4−3,4−4と、電極部5−1,5−2,5−3,5−4に4分割され、表面層(最上層)である第1層以下で、1層おきに第2層から第25層まで交互に圧電層2と3が配置されている。そして、各内部電極は、各層を構成する円板形状の圧電体の外径および内径の縁まで達している。
【0032】
圧電層2を構成する各圧電層には、外径端にできる限り接近して図中黒丸で示す8個のスルーホール6が形成されている。すなわち、1枚おきの各圧電層2の各内部電極4の4つに分割された各電極部4−1,4−2,4−3,4−4が重ねられた状態で導通するように4本のスルーホール6を設けた。
【0033】
また、各圧電層2の間に配置されたもう一方の各圧電層3の各内部電極5の4つに分割された電極部5−1,5−2,5−3,5−4が重ねられた状態で導通するように、さらに4本のスルーホール6を設けた。これら8本のスルーホール6は互いに独立し非導通とした。ただし、第25層は最下層であり、その下には層がないのでスルーホールは設けていない。
【0034】
また、これら8本の各スルーホール6は積層圧電素子1の表面にスルーホール6の端部を露出しスルーホール径と同じ大きさの8個の表面電極7を形成している。
【0035】
上記のような構成にした後、以下のような従来例と同じように分極処理を行い、振動波モータに適した分極極性を与えた。
【0036】
すなわち、積層圧電素子1において、内部の圧電層3の内部電極5の4分割された電極部5−1,5−2,5−3,5−4を、180度の位置関係にある電極部5−1,5−3の領域と、5−2,5−4の領域の各2つの電極部の領域が互いに分極極性が+(プラス)と−(マイナス)とに異なるように分極した。
【0037】
すなわち、図示したように、電極部5−1と5−3をA+、A−とし、電極部5−2と5−4をB+、B−として各々A相、B相とした。そして、これらに対向する圧電層2の内部電極4の4分割された電極部4−1,4−2,4−3,4−4も同じく180度の位置にある電極部4−1と4−3をAG相、電極部4−2と4−4をBG相とし、夫々電気的にグランドとした。
【0038】
図3は積層圧電素子1を、従来例と構造的にはほぼ同じであるが、直径の小さい棒状の小型振動波モータ20を構成する振動体21に組み込んだ図である。
【0039】
積層圧電素子1は、振動体21の弾性体である金属部品22,23とボルト24により、配線基板8が積層圧電素子1と機械的に密着するようにして締め付けた。
【0040】
配線基板8は配線用に電極パターンが設けられており、積層圧電素子1の各々の表面電極7と電気的に導通し外部電源と接続が図られている。配線基板8は通常使用されている厚さ25μmのポリイミドからなるシートに厚さ35μmの銅箔を配線用のパターニングしたものである。
【0041】
そして、従来例と同じように、A相、B相に対向するAG相、BG相をグランドとして、A相に振動体の固有振動数とほぼ一致した高周波電圧を印加、さらに、A相と空間位相位置の90度異なるB相に、A相とは電気的に90度位相の異なる同一振動数の高周波電圧を印加した。こうして、振動体21の2つの曲げ振動の合成により得られる駆動振動により、バネ25、バネ支持体26を介して、弾性体である金属部品22の一方の面に加圧接触したロータ27を摩擦力により駆動し、ロータ27と一体に回転する出力部材としてのギア28により駆動力が出力される。
【0042】
本実施の形態の積層圧電素子は、外径が6mm、内径が1.7mm、厚さが約1.6mm、圧電層の厚さが約60μm、内部電極の厚さが2から3μmとし、圧電層の全層数は25層、内部電極は24層とした。また、スルーホールの直径は0.1mmである。弾性体である金属部品22,23の外径も同じ6mmである。
【0043】
前述の従来例の積層圧電素子は、外形が10mm、内径が2.8mm、厚さが2.3mm、圧電層の厚さが約90μm、内部電極の厚さが2から3μmで、圧電層の全層数は25層であった。
【0044】
本実施の積層圧電素子は従来例より外形を小さくし、さらに、一層あたりの厚さも薄くしている。
【0045】
本実施の形態の積層圧電素子の製造法は、圧電層となる、圧電セラミックス粉末と有機バインダーからなるグリーシート上に、内部電極となる銀・パラジウム粉末ペーストをスクリーン印刷で形成し、次に、スルーホール部には同じく銀・パラジウム粉末を充填、各々を重ね、加熱しながら加圧し積層化した。そして、焼成前に内径部を機械加工で開けた。その後、鉛雰囲気中で、約1100℃で焼成し、焼成後、分極した後、両面ラップ加工を行い、最後に外径部を機械加工を行い製作した。
【0046】
現状、製造上のスルーホールの外径に対する位置精度は、最終的に、機械加工後で±0.1mmであり、本実施例では外形から内側に0.25mmのところをねらってスルーホールを形成した。この条件であれば、スルーホールは最小0.1mmの余裕をもって、外径外周部に露出することはない。
【0047】
このように、このスルーホールの周囲の絶縁部はできるだけ面積を少なくするために、スルーホールを外径の縁にできるだけ接近させ、スルーホールの周囲の絶縁部(非電極部)は外径の縁を含み、ほぼ半円形状にしている。スルーホールの中心からの半径は約0.5mmとした。ちなみに、複数の電極層を分けるスリットも約4ミリである。
【0048】
これらの値は使用時に確実に絶縁が取れる寸法であり、積層圧電素子の製造上の各電極部やスルーホールの位置ずれや使用条件などを考慮して決める値である。将来には、製造技術の改良などにより、さらに小さくしたい。
【0049】
このように、本実施の形態の積層圧電素子1は、スルーホール6と表面電極7を素子の外径側のごく近傍に寄せ、スルーホールの周囲の絶縁部の面積を減少させている。さらに、内部電極は外径部と内径部までの領域(図1のハッチングした領域)まで広げている。
【0050】
この結果、振動波モータの性能(回転数とトルク)や効率を予想通り向上させることができた。
【0051】
(第2の実施の形態)
図2は本発明の第2の実施の形態を示す。本実施の形態の積層圧電素子11は、スルーホールを内径部と外径部にそれぞれ形成したものである。その他の形態や製造法、駆動法などはすべて第1の実施の形態と同じである。
【0052】
図2に示すように、積層圧電素子11を構成する2種の圧電層12と13の表面にはスリット(未電極形成部)を介して、内部電極部14と15が4分割され、第1層以下、1層おきに交互に圧電層12と13が配置されている。そして、内部電極は外径部、内径部まで達している。
【0053】
各圧電層の外径および内径のごく近傍には図中黒丸で示すスルーホール16が形成されている。本実施例では、スルーホールは外形の内側0.25mm、内径の外側0.25mmのところをねらって形成した。これであれば外周にスルーホールは露出しない。そして、絶縁部(非電極部)はスルーホールを中心にし、
外径または内径の縁にできるだけ接近させ、ほぼ半円形状とし、絶縁部の面積を極力少なくしている。
【0054】
図3は、積層圧電素子11を棒状振動波モータ20を構成する振動体21に組み込んだ図である。積層圧電素子11は配線基板18を挟み、振動体21の金属部品22、23と全面で接触し、ボルト23により締め付けられている。
【0055】
図2は図1と違い、内径部にもスルーホールを有している。これは、複数のスルーホールを外径側と内径側に分散させることで、配線基板18上の、配線用の電極パターンのスペースに余裕ができ、設計が簡単になる利点がある。小型振動波モータを開発する上で、これらの実用上の効果は大きい。
【0056】
以上の結果、小型の振動波モータの性能(回転数とトルク)、さらに、モータ効率も向上した。
【0057】
以上の例以外に、全スルーホールを内径のごく近傍に設けても良い。しかし、前述したように、更なる小型化でも内径近傍はかなり面積が小さくなり、配線基盤の配線用の電極パターンの設計はやや難しくなる。よって、好ましくは、スルーホールは外径のごく近傍、または、外径と内径のごく近傍に分散させた方が良い。
【0058】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、積層圧電素子の小型化に際し、従来のスルーホールの信頼性を確保したまま、積層圧電素子の、有効な圧電活性部の面積を広く取ることが可能であり、小型の振動波モータの性能や効率の向上に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による積層圧電素子の第1の実施例を示す図
【図2】本発明による積層圧電素子の第2の実施例を示す図
【図3】第1と第2の実施の形態の積層圧電素子を組み込んだ振動波モータの断面図
【図4】従来の他の積層圧電素子を示す図
【図5】従来の積層圧電素子を組み込んだ振動波モータの断面図
【符号の説明】
1、11 積層圧電素子
2、3、12、13 圧電層
4、5、14、15 内部電極
6、16 スルーホール
7、17 表面電極
8、18 配線基板
20 振動波モータ
21 振動子
Claims (3)
- 複数の電極領域を形成した電気−機械エネルギー変換機能を有する材料からなる圧電層を複数層重ね、前記複数層の圧電層に形成された電極領域間をスルーホールを用いて接続した積層電気−機械エネルギー変換素子において、
前記電極領域は、前記スルーホールと絶縁部とを除き、前記圧電層の外径の縁及び内径の縁まで形成され、
前記スルーホールは、前記積層電気−機械エネルギー変換素子の外径から内側であって、前記積層電気−機械エネルギー変換素子の直径の略1割以下の距離の位置に複数形成され、
前記スルーホールは、その周囲に絶縁部を含み、該絶縁部は少なくとも最上層、最下層を除く層において、前記積層電気−機械エネルギー変換素子の外径の縁を含むように形成され、
前記電極領域に挟まれた部分である圧電活性部の領域を、広く取ることが可能に構成されていることを特徴とする積層電気−機械エネルギー変換素子。 - 請求項1において、前記電極領域は、直径部分に形成された絶縁部で区画された複数の領域に形成されたことを特徴とする積層電気−機械エネルギー変換素子。
- 請求項2において、前記スルーホールの形状は、略半円形状であることを特徴とする積層電気−機械エネルギー変換素子。
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