[go: up one dir, main page]

JP4873791B2 - 電極式スケール成分の析出抑制装置 - Google Patents

電極式スケール成分の析出抑制装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4873791B2
JP4873791B2 JP2001150865A JP2001150865A JP4873791B2 JP 4873791 B2 JP4873791 B2 JP 4873791B2 JP 2001150865 A JP2001150865 A JP 2001150865A JP 2001150865 A JP2001150865 A JP 2001150865A JP 4873791 B2 JP4873791 B2 JP 4873791B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
water
electrical conductivity
electrodes
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001150865A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002336861A (ja
Inventor
剛 東
Original Assignee
株式会社トウスイ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社トウスイ filed Critical 株式会社トウスイ
Priority to JP2001150865A priority Critical patent/JP4873791B2/ja
Publication of JP2002336861A publication Critical patent/JP2002336861A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4873791B2 publication Critical patent/JP4873791B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クーリングタワー,熱交換器,ボイラー等における水循環系において、通水管を通る循環水からスケール成分が析出するのを抑制するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
様々な水の循環系においては、水中に含まれたカルシウムやマグネシウム等の成分が析出し、通水管の内壁面やこれに接続された各種機器の内壁にスケールとして付着し成長すると、水の流れが悪くなるなどの問題が生じることが知られている。
【0003】
スケール成分が析出するのは、循環する水の一部蒸発などによる水の溶解度の減少や、水中にイオンとして溶解しているカルシウムやマグネシウム等がその活性を失ったり他の成分と反応して析出したり、結晶化するなどの要因が挙げられる。
【0004】
上記の問題を解決するために、従来から種々の装置が開発されているが、例えば、特開平8−299989号や特開平8−332499号、特開平5−309393号などには、電極式の水処理装置が提案されている。
【0005】
電極式水処理装置は、水の循環系内に間隔を介して電極を対向配置し、これらの電極間に一定の電圧を印加して水中のスケール成分の析出を抑制する原理に基づくもので、電極間に流される電流によって、循環する水をイオン的に活性化させその析出を抑制しようとするものである。
【0006】
上記の電極式水処理装置の中で、特開平8−299989号に係る装置は、水中のスケール成分濃縮度と水の電気伝導度とが比例することを実験等により確認した上で、水の電気伝導度を検出することにより水中のスケール成分濃縮度を間接的に検出する溶液濃度検出手段を設け、この検出手段により検出したスケール成分濃縮度が予め設定された濃縮度の上限値に達したとき、補水制御手段によって循環系内に外部の水を補給し、水中のスケール成分濃縮度を低くするようにしたものである。
【0007】
しかし乍ら、上記装置は、循環水の水処理と水の電気伝導度の検出を同じ電極を用いて行っているので、精度の高い制御は難しかった。具体的には、電気伝導度の検出は、対向配置した電極間に流れる電流値の変化を検出して行っているので、電極に異常が生じている場合などは電気伝導度が正確に検出されず、そのため誤って検出された電気伝導度により循環系内に水を補給したり、水の補給の必要があるのに補給されないという問題があった。また、循環水の電気伝導度は外気の温度によっても変化するが、上記装置では、上限値の設定においてこの外気の温度による変化が考慮されていなかった。
【0008】
一方、本発明の発明者は、上記のような電極式水処理装置の試験運転などを通して、循環水のスケール成分(結晶物)が良好に分散されるのは、電極に印加される電圧(V)とその電極から水に流れる電流(A)が、VA≒1〜4VA程度のとき最も良く分散されるという知見を得た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の電極式水処理装置の有する問題点と、発明者が得た知見に鑑み、電極式水処理装置の運転制御を最適に行えるようにした新たなスケール成分の析出抑制装置を提供することを、その主な課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明の構成は、水の循環系に接続される通水管内に間隔を開けて一対の電極を対向配置し、これら電極間に矩形波交流電圧を印加することによって循環水中のスケール成分の析出を抑制する電極式スケール成分の析出抑制装置において、前記一対の電極間の負荷電圧と測定される電流値の積(VA値)を予め設定した1VA〜4VAの範囲で制御する制御装置を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明は、上記構成において、負荷電圧と電流値の積(VA値)の範囲は1VA〜4VAであるとき、循環水のスケール成分が析出せず、また循環水中に析出しているスケール成分が最も効率よく分散することを確認している。即ち、発明者はVA値とスケール成分の分散率の関係については、図3のVA値とスケール成分の分散率との関係を線図に表わし、この線図を解析してみたところ、スケール成分の分散は電極間に電圧が印加されると始まるが、VA値がある程度以上になると、それ以上の分散は望めないことが判ったからである。
【0012】
上記の電極間に印加する電圧は、交流の矩形波であり、この電圧の印加によって水中のマイナスイオンが活性化されてスケール成分の分散が促進されるのであるが、図4に示すようにVA値と酸化還元電位低下をデータにとってみると、3VA近傍で酸化還元電位低下率がピークを示しており、この3VA近くが酸化還元雰囲気のピークでありその前後では酸化還元雰囲気が小さくなっていることが判る。
【0013】
従って、本発明では、スケール成分の水中での分散率が高く、同時に水の酸化還元雰囲気が高まる環境のVA値を1VA〜4VAの範囲に設定し、VA値がこの範囲になるように電極に印加する交流矩形波の電圧と電流を制御すると共に、制御するVA値の範囲内において他の制御要素を検出し、この検出値に基づいて本発明装置全体の制御を行うものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態例を図に拠り説明する。図1は本発明電極式スケール成分の析出抑制装置の一例の概略を模式的に示すブロック図、図2は図1に示した装置の制御装置の詳細を示すブロック図、図3はVA値とスケール成分の分散率との関係を示す線図、図4はVA値と酸化還元電位低下率の関係を示す線図である。
【0015】
図1,図2において、1は水循環系内における通水路に挿入される本発明電極式スケール成分の析出抑制装置の通水管で、この通水管1は、その前,後に設けられた接続フランジ1a,1aにより既設の水循環系内における通水路に挿入される。2,3はこの通水管1内に適宜間隔を開けて対向配置された一対の電極である。これらの電極2,3には、それぞれ通水管1の外部に電気的に接続される接続用端子2a,3aが取付けられている。
【0016】
4は本発明のスケール成分抑制装置における制御装置で、上記の電極2,3間に印加する交流電圧を制御したり、両電極2,3間に流れる電流等を測定し、異常状態の検出や装置に各種の操作を加えるためのものであるが、その詳細は後述する。5は上記通水管1に設けられた電気伝導率センサーで、センサー部分5aは、通水管1内を流れる循環水に常時接するように設けられている。6は同じく通水管1に設けられた温度センサーで、センサー部分6aは、通水管1内を流れる循環水に常時接するように設けられている。これらの電気伝導率センサー5や温度センサー6は、それぞれ上記制御装置4に電気的に接続されている。
【0017】
7は本発明装置が挿入される水循環系(通水路)の適宜箇所に設けられている自動弁で、上記制御装置4に電気的に接続されており、制御装置4からの制御出力により当該水循環系内に水を補給する水補給路の開閉バルブとして、或は、循環系内の水を排出して新たな水を補給する開閉バブルとして機能する。
【0018】
8は上記制御装置4に接続されたパーソナルコンピュータ(以下、パソコン)であり、出力電圧の設定や出力電流などの設定をすると共に、制御装置4に検出された通水管内の水温や電気伝導率等の信号、或は、出力電流や電極等の異常を示す信号が入力され、パソコン8を介して本発明スケール成分析出抑制装置の運転状態や水循環系の異常などを外部に取出し、その表示等ができるようにしている。
【0019】
9は上記制御装置4に前記パソコン8と並列して接続した携帯電話,PHSの電話通信網10、又は、一般電話回線11を介して接続されているホストコンピュータである。
【0020】
次に、図2により、制御装置4について、その詳細を説明する。図2において破線で囲まれた部分が制御装置4である。41は制御装置4内の交流波発振回路で、交流の矩形波を出力する。42は発振回路41に電力を供給する電源部、43は交流波発振回路41から出力される交流矩形波の電極2,3への印加電圧(V)を設定する出力電圧設定部、44は交流波発振回路41の交流矩形波の周波数を設定する出力周波数設定部である。
【0021】
交流波発振回路41から設定した周波数と電圧により電極2,3に交流矩形波を印加すると、電極2,3間に電流が流れ、この電流が、出力電流表示部45において検出される。46は、出力電圧設定部43に設定した出力電圧(V)と出力電流表示部45において検出された電流(A)とを、適宜のサンプリングインターバルで積算するVA値演算部、47はこのVA値演算部46において適宜のサンプリング周期で演算されるVA値を検出し、検出されるVA値が所定の範囲内にあるか否かを、前記サンプリング周期でチェックし、ここでは1VA〜4VAの範囲外になったとき、それを異常として検出するように設定したVA値異常検出回路である。
【0022】
次に、上記の構成部分による本発明スケール成分析出抑制装置の制御内容について説明する。本発明では、出力電流表示部45において検出される電流(A)とVA値演算部46に設定したVA値との関係で、出力電圧設定部43における電圧(V)を制御し、VA値が上記VA値演算部46に設定した1VA〜4VAの範囲内にあるように制御する。例えば、出力電圧設定部43において、制御し得る電圧(V)の範囲を約0〜30Vに設定し、10Vの出力電圧を印加したとき、出力電流部45に100mAの電流が検出されると、このときのVA値は1VAである。
【0023】
通水管1においては、電極2,3に交流矩形波が印加され、通水系内のスケールが分散されるなどして、水が濃縮を始めると電流値が上昇するが、負荷電圧は下がる。例えば、上記の初期値状態から電流値が200mAに上昇したとき、電圧が5Vに下がっても、VA値は1VAのままであるので、水処理を行える環境は維持される。しかし、このとき何らかの原因で電圧が4Vまで下がったときは、VA値は0.8VAとなるので、VA値異常検出部47では水処理効率が低下した環境になったと判断し、VA値異常として検出する。なお、上記では制御し得る電圧(V)の範囲を約0〜30Vに設定したが、30V以下に設定してもよく、また、30Vより大きい電圧に設定することもできる。
【0024】
本発明スケール成分析出抑制装置は、上記の構成に、以下に説明する構成を付加して本発明析出抑制装置における制御装置を形成しているので、以下、この点について説明する。
【0025】
図2において、48は出力電流異常検出部で、電極間の負荷電圧の変化が、急激な電流値の変化に追随しきれない場合や、電極間に印加する電圧を一定電圧に固定する場合、或は、印加する電圧を狭い範囲に設定する必要がある場合などに対処するため、予め電極間に流れる電流の許容範囲を設定しておき、その電流値の許容範囲外になったとき、異常として検出するためのものである。
【0026】
なお、本発明においては、電極2,3間に一定の電流を流したときの電極2,3間の負荷電圧を測定し、この測定した電圧に対応して電極2,3間に流す電流値を上下に制御して上記VA値の範囲内になるように制御するようにしてもよい。
【0027】
49は電気伝導率検出部であり、この検出部49においては、上記の通水管1に設けられた電気伝導率センサー5からの信号を、同じく通水管1に設けられた水温センサー6からの信号を加味して処理することにより、通水管1における一定温度時の電気伝導率を検出する。50は電極診断部であり、この診断部50において、上記の電気伝導率検出部49で検出した一定温度下の数値に換算された電気伝導率と、電極2,3に流れる電流値から得られる電気伝導率を比較して、電極面への不動態成分の付着、或は、電極の摩耗又は損耗など、電極に異常があるか否かを診断する。この電極の診断は、電極2,3によるスケール成分の析出を抑制する操作とは別に、この抑制操作の合間に適宜間隔で行われる。具体的には、定電圧回路部51から一定の電圧を電極2,3に印加し、そのとき流れる電流値を電気伝導率換算部52において電気伝導率に換算して、上記のように比較して行う。
【0028】
53は自動弁動作設定部であり、上記電気伝導率検出部49において検出する電気伝導率の許容し得る上限値と下限値を設定し、検出した電気伝導率が上限値に達したときを、電気伝導率検出部49で検出し、この検出に基づく信号により自動弁7を作動させて、循環水の排出,入れ替え或は補給水の供給をする。実施例では、前記設定部53に予め設定する電気伝導率の上限値と下限値を、季節設定部54を設けて、各季節毎、その季節における平均温度を考慮して予め決定した上限値と下限値がそれぞれ自動設定されるようにしている。
【0029】
上記の自動弁動作設定部53には、予め定めた時間内に電気伝導率がその上限値に達せず自動弁7が作動されない場合、強制的に自動弁7を作動させて循環水を加えたり、入れ替える設定もできる。
【0030】
なお、強制的に自動弁7を作動させても循環水が希釈されないことが、電気伝導率検出部49に検出される電気伝導率が下限値に達しないことにより検出された場合は、自動弁7の異常か又は補給水の供給がされていないと判断して、その旨の出力をするように、自動弁動作設定部53や電気伝導率検出部49に設定できる。
【0031】
55は制御装置4に設けた入出力部で、制御装置4に上述したパソコン8などを接続するためのものである。56はこの入出力部55に接続されているモデムで、このモデム56により携帯電話,PHSの電話通信網10、又は一般電話回線11を介してホストコンピュータ9に制御装置4が自動的に接続されることとなり、このホストコンピュータ9により、制御装置4の各種の異常報告,設定値の変更指示,異常の解除ができる。また、このホストコンピュータ9には、電気伝導率,水温,電極間の電流値等のデータを蓄積することができるので、各循環系内に設けられて各析出抑制装置の運転状態や運転の履歴を個々に把握することができ、その結果に基づき、制御装置4の各種設定や操作内容をより好ましい方向に変更することができるようになる。
【0032】
次に、以上のように構成される本発明装置の作用、或は、機能について説明する。本発明装置では水の電気伝導率を、水処理用の電極2,3間の電流値や負荷電圧の変化により検出するのではなく、上記のように通水管1内に電気伝導率センサー5を配設し、循環水の電気抵抗値を電気伝導率として継続的に測定することにより検出するように構成している。この構成にしたのは、従来のように、水処理用の電極による電気伝導率の検出では、電極に異常が生じたときなどは正確な伝導率の検出ができないからである。
【0033】
また、上記の本発明装置では、上記電気伝導率の測定形態においてその測定値と電極2,3間の電流値の対応関係を監視し、電極面への不動態成分の付着、或は、電極の摩耗又は損耗など、電極の異常を検出する手段を設けている。この電極異常の検出は、電極2,3による循環水中のスケール成分析出の抑制の合間に、適宜間隔で行う。例えば、電極間に定電圧回路51から10KHz、5Vの定電圧を印加したときに流れる電流を測定し、測定した電流値から伝導率換算部52に記憶させてある予め求めた電流値−電気伝導率換算表(通水管1の径により換算表の内容は異なる)により電気伝導率を求め、この求めた電気伝導率と上記の電気伝導率センサー5により測定した電気伝導率を比較して行う。比較の一例として、次のように判断できる。
・センサーにより求めた電気伝導率=電極板から求めた電気伝導率…正常
・センサーにより求めた電気伝導率>電極板から求めた電気伝導率…電極異常
【0034】
本発明装置では、また水の通水管1内に水温センサー6を配設して循環水の温度を測定し、測定温度における電気伝導率を、一定の水温における電気伝導率に換算して検出する手段を設ける構成を採用している。これは電気伝導率は水の溶解度に関連するが、水の溶解度は温度により変化するので、電気伝導率も温度により変動する。そこで、電気伝導率の上限値と下限値の設定を一定の温度に換算した値で設定する必要があるなどの理由からである。
【0035】
更に、本発明装置では、電気伝導率の上限値と下限値を予め設定し、検出する電気伝導率が上限値に達したとき、循環系内に設けた自動弁7を作動させ、循環水を循環系内から排出して入れ替えるか或は補給水を供給する手段を設ける構成を採用している。これは、スケール成分が析出せずに水中に最も効率よく分散する処理を、水処理用の電極2,3により最適なVA値の範囲内で行うと共に、このVA値の範囲内で電気伝導率センサー5により電極2,3による水処理の状態を監視し、自動弁7の制御を行えるようにするためである。因みに、水処理用の電極で電気伝導率の検出を行う従来技術では、精度の高い自動弁等の制御が行えなかった。本発明装置では、上記のように電極2,3の診断もできる。なお、本発明装置では、予め設定する電気伝導率の上限値と下限値は、季節毎、その季節に対応した値にそれぞれ自動設定される構成にすることができるので、従来装置のように、季節の変更に伴い、その都度設定を変更しなければならないという煩わしさがない。
【0036】
また、予め定めた時間内に電気伝導率がその上限値に達せず、自動弁7が作動されないとき、強制的に自動弁7を作動させ、循環水を入れ替えるようにした構成を設けてもよい。強制的に自動弁7を作動させても循環水が希釈されないことが、電気伝導率が設定された下限値に達しないことなどにより検出された場合は、自動弁7の異常か又は補給水の供給がされていないこととして検出する構成を設けることもできる。これは析出抑制装置を長時間運転していると、様々な要因で異常状態になることがあるが、異常状態が生じたときその状態でそのまま運転が継続がされてしまうと、装置に与えるダメージが大きく、修復に手間が掛かることから、異常状態が生じたとき、直ぐにその状態を検出し、知らせることができるようにするためである。
【0037】
更に、本発明装置は、制御装置4に入出力部55を設けてパソコン8を接続できるようにし、このパソコン8によって、出力電圧の設定,出力電流の設定,出力周波数の設定,出力周波数の切り替え時間の設定,電気伝導率の上限値と下限値の設定,季節設定等の設定をできるようにすると共に、パソコン8に水温や電気伝導率の信号、出力電流異常,電極異常,自動弁作動異常等の信号を入力し、かつ、パソコン8を介して本発明制御装置の運転状態や水循環系の異常状態を外部に表示できるようした構成を採用している。このようにパソコン8で制御装置4における出力電圧等の設定、水温や電気伝導率等の検出、異常状態の検出が行えるようにしたのは、本発明装置は1箇所の水循環系内の通水管に設けられるばかりではなく(1箇所の水循環系内の数ヶ所に設けられる場合もあるが)、通常は数ヶ所の水循環系にそれぞれ設けられるので、管理者がパソコン8を携帯して各スケール成分の析出抑制装置に接続し、各装置ごと個々に出力電圧等の設定を行い、水温や電気伝導率等の検出や異常状態の検出をすることができれば、便利だからである。なお、異常状態がその装置で発生したとき、出力電流異常検出部48やVA値異常検出部47等から直接、警報音を発して外部に通報できる構成を設けてもよい。
【0038】
本発明装置では、上記構成に加え、電話回線用モデム56を制御装置4に設け、このモデム56を介して、一般電話回線11や携帯電話,PHSの電話通信網10を予め登録されたホストコンピュータ9に自動接続し、本発明装置における各種の異常状態や設定値の設定や変更の指示などができるようにすると共に、電気伝導率,水温,電極間の電流値などのデータの蓄積ができるようにした構成を採用することができる。これは上記パソコン8により複数の本発明装置ごとに個別に異常状態の検出や各種の制御操作をすることのほか、複数の本発明装置を1箇所において集中的な管理を行うと共に、遠隔操作を行うようにするためである。更には、本発明装置の運転状況や各種の検出信号、設定内容等のデータを蓄積することにより、本発明スケール成分の析出抑制装置の動作内容の解析ができるようにして、該装置の維持管理を行うことも可能にしている。
【0039】
本発明の電極式スケール成分析出抑制装置の主な構成並びにその機能は、上述した通りであるが、本発明装置は、循環水中におけるスケール成分の析出を抑制するためだけのものではなく、循環する水を常時清潔に保つ、即ち、循環水中の塩化物イオンを活性化させることにより循環系に生息する細菌や微生物の繁殖や増殖を阻害する構成を採用している。
【0040】
具体的には、出力周波数設定部44において、電極2,3間に印加する交流矩形波の周波数を変更することにより、細菌や微生物の繁殖や増殖を阻害することもできる。即ち、電極2,3間に印加する交流矩形波の周波数を、スケール成分の析出を抑制するときの周波数より低い周波数にすることによって、循環水中の塩化物イオンに電位がチャージされ活性化する。このとき、次亜塩素検出用の試薬であるオルトトリジンにて循環水が反応することが知られているが、この電位チャージされた塩化物イオンを用いて循環系に生息するバクテリア(細菌)や微生物の生殖を阻害することができる。このようにすることによって循環系内が清潔に維持されるばかりでなく、水を入れ替えたときなどにおいても廃棄する水が周辺環境に悪い影響を与えないという効果が得られる。
【0041】
また、上記の出力周波数設定部44において、電極2,3間に印加する交流矩形波の周波数を目的別に設定できるようにし、循環水中のスケール成分の析出を抑制するときの周波数と、細菌や微生物の繁殖や増殖を阻害するための周波数を、任意の時間毎、繰り返して設定することもできる。電極2,3間に印加する交流矩形波の周波数は、ここでは、スケール成分の析出を抑制するときの周波数を0.1kHz〜10kHzにし、細菌や微生物の繁殖や増殖を阻害するための周波数は、相対的にスケール成分の析出を抑制するときの周波数より低い周波数に設定するようにしている。設定する周波数は、装置を運転効率との関係で適宜変更可能である。
【0042】
【発明の効果】
本発明は以上の通りであって、本発明装置は、通水管に配設した電極に交流矩形波を印加することによりスケール成分の析出を抑止し、また、析出したスケール成分を分散させる水処理において、その処理を効率よく行うための制御を、所定のVA値の範囲内において制御することにより、スケール成分の析出を効果的に抑制すると共に、水の電気伝導率の検出を水処理用の電極とは別に設けた電気伝導率センサーで行うようにしたので、電極異常などによる誤作動はほとんどなく、しかも、電極に異常があるか否かの診断をすることもできるので、スケール成分の析出抑制装置としての極めて完成度の高い装置である。
【0043】
また、本発明装置は、スケール成分の析出抑制ばかりでなく、循環系内のバクテリアや微生物の繁殖や増殖を阻害できるので、循環水を清潔に維持することができるという効果が得られる。
【0044】
更に、本発明装置は、パソコンで、各装置毎、個々に制御管理ができると共に、各装置をホストコンピュータで一括管理することもでき、また、これを電話回線などを使用して遠隔制御,管理をすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明電極式スケール成分の析出抑制装置の一例の概略を模式的に示すブロック図。
【図2】図1に示した装置の制御装置の詳細を示すブロック図。
【図3】 VA値とスケール成分の分散率との関係を示す線図。
【図4】 VA値と酸化還元電位低下率の関係を示す線図。
【符号の説明】
1 通水管
2,3 電極
4 制御装置
5 電気伝導率センサー
6 水温センサー
7 自動弁
8 パソコン
9 ホストコンピュータ
10 電話通信網
11 一般電話回線
41 交流波発振回路
42 電源部
43 出力電圧設定部
44 出力周波数設定部
45 出力電流表示部
46 VA値演算部
47 VA値異常検出回路
48 出力電流異常検出部
49 電気伝導率検出部
50 電極診断部
51 定電圧回路部
52 伝導率換算部
53 自動弁動作設定部
54 季節設定部
55 入出力部
56 モデム

Claims (11)

  1. 水の循環系に接続される通水管内に間隔を開けて一対の電極を対向配置し、これら電極間に交流矩形波電圧を印加することによって循環水中のスケール成分の析出を抑制する電極式スケール成分の析出抑制装置において、前記一対の電極間の負荷電圧と測定される電流値の積(VA値)を予め設定した1VA〜4VAの範囲で制御する制御装置を設けたことを特徴とする電極式スケール成分の析出抑制装置。
  2. 通水管内に電気伝導率センサーを配設して循環水の電気抵抗値を電気伝導率として継続的に測定すると共に、その測定値と電極間の電流値の対応関係を監視し、電極面への不動態成分の付着、或は、電極の摩耗又は損耗による当該電極の異常を検出する手段を制御装置に具備した請求項1の電極式スケール成分の析出抑制装置。
  3. 通水管内に水温センサーを配設して循環水の温度を測定し、測定温度における電気伝導率を、一定の水温における電気伝導率に換算して検出する検出手段を制御装置に具備した請求項2の電極式スケール成分の析出抑制装置。
  4. 電気伝導率の上限値と下限値を予め設定し、検出する電気伝導率が上限値に達したとき、水の循環系内に設けた自動弁を作動させ、循環水を循環系内から排出して入れ替えるか或は補給水を供給する手段を制御装置に具備した請求項2又は3の電極式スケール成分の析出抑制装置。
  5. 予め設定する電気伝導率の上限値と下限値は、季節毎、各季節の平均温度を考慮して決定した値にそれぞれ自動設定されるようにした手段を制御装置に具備した請求項4の電極式スケール成分の析出抑制装置。
  6. 予め定めた時間内に電気伝導率がその上限値に達せず、自動弁が作動されないとき、強制的に自動弁を作動させ、循環水を入れ替える手段を制御装置に具備した請求項のいずれかの電極式スケール成分の析出抑制装置。
  7. 強制的に自動弁を作動させても循環水が希釈されないことが電気伝導率が設定された下限値に達しないことにより検出された場合は、自動弁の異常か又は補給水の供給がされていないこととして検出する手段を制御装置に具備した請求項6の電極式スケール成分の析出抑制装置。
  8. 循環水中の塩化物イオンを活性化させることにより循環系に生息する細菌や微生物の繁殖や増殖を阻害するため、電極間に印加する交流電圧の周波数を変更する手段を制御装置に具備した請求項1〜7のいずれかの電極式スケール成分の析出抑制装置。
  9. 電極間に印加する交流電圧の周波数を目的別に設定できるようにし、循環水中のスケール成分の析出を抑制するときの周波数と、細菌や微生物の繁殖や増殖を阻害するための周波数を、任意の時間毎、繰り返して設定する手段を制御装置に具備した請求項1〜8のいずれかの電極式スケール成分の析出抑制装置。
  10. 信号の入出力部を制御装置内に設け、該入出力部に接続したパーソナルコンピュータに、水温異常,電気伝導率異常,出力電流異常,電極異常,自動弁作動異常の各種異常信号を入力すると共に、該コンピュータにより、出力電圧の設定,出力電流の設定,出力周波数の設定,出力周波数の切り替え時間の設定,電気伝導率の上限値と下限値の設定,季節設定の各種設定をできるようにし、必要に応じ異常状態を外部に通報できるようにした請求項1〜9のいずれかの電極式スケール成分の析出抑制装置。
  11. 電話回線用モデムを制御装置内に設け、該モデムにより、一般電話回線や携帯電話,PHS電話通信網を介して予め登録されたホストコンピュータに自動接続し、各種の異常報告,設定値の変更指示,異常の解除ができるようにすると共に、電気伝導率,水温,電極間の電流値のデータの蓄積ができるようにした請求項1〜10のいずれかの電極式スケール成分の析出抑制装置。
JP2001150865A 2001-05-21 2001-05-21 電極式スケール成分の析出抑制装置 Expired - Lifetime JP4873791B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001150865A JP4873791B2 (ja) 2001-05-21 2001-05-21 電極式スケール成分の析出抑制装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001150865A JP4873791B2 (ja) 2001-05-21 2001-05-21 電極式スケール成分の析出抑制装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002336861A JP2002336861A (ja) 2002-11-26
JP4873791B2 true JP4873791B2 (ja) 2012-02-08

Family

ID=18995815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001150865A Expired - Lifetime JP4873791B2 (ja) 2001-05-21 2001-05-21 電極式スケール成分の析出抑制装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4873791B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106556002A (zh) * 2016-11-23 2017-04-05 美的集团股份有限公司 蒸汽发生器及其除垢控制方法、除垢控制装置和电器

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4508623B2 (ja) * 2003-12-15 2010-07-21 シャープ株式会社 スケール付着防止装置及びスケール付着防止方法
JP4617778B2 (ja) * 2004-08-27 2011-01-26 ぺんてる株式会社 状態通知手段を有する電子制菌装置
JP4625884B2 (ja) * 2005-06-27 2011-02-02 株式会社デンソー スケール析出抑制装置および方法
CN103052847B (zh) * 2010-07-22 2015-06-10 皇家飞利浦电子股份有限公司 防止或者减少热水器的加热器元件上的水垢化
JP5799717B2 (ja) * 2011-09-29 2015-10-28 三浦工業株式会社 水処理システム
JP5928096B2 (ja) * 2012-03-30 2016-06-01 栗田工業株式会社 水中のスケールモニタリング法
BR112014029682A2 (pt) * 2012-05-29 2017-06-27 Jmy Invest Aps dispositivo para tratar um líquido
JP6499156B2 (ja) * 2013-04-02 2019-04-10 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. パルス信号反転による電気化学的スケール除去
JP6471785B1 (ja) * 2017-09-07 2019-02-20 栗田工業株式会社 発電ボイラ用水処理設備の管理システム
CN114159978B (zh) * 2021-05-21 2024-10-29 佛山市美的清湖净水设备有限公司 电渗析膜堆电极检测方法、装置和净水设备

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03127686A (ja) * 1989-10-13 1991-05-30 Iig Netsuto:Kk 電極式スケール付着防止装置
JPH0568961A (ja) * 1991-09-18 1993-03-23 Masanori Tashiro 冷却水の水質管理法
JPH05131194A (ja) * 1991-10-04 1993-05-28 Mitsubishi Materials Corp 水溶液中のシリカ回収法
JPH05309393A (ja) * 1992-05-08 1993-11-22 Gastar Corp 電極式水処理装置
JP3602886B2 (ja) * 1995-05-08 2004-12-15 株式会社ガスター 溶液濃縮度検出機能付電極式水処理装置
JP3834345B2 (ja) * 1995-06-08 2006-10-18 株式会社ガスター 電極式水処理装置
JP4015719B2 (ja) * 1996-10-14 2007-11-28 株式会社ガスター 水の循環系システムおよびその管理制御装置
JPH11179362A (ja) * 1997-12-25 1999-07-06 Marukou Kogyo Kk 電解イオン水生成装置
JPH11290856A (ja) * 1998-04-10 1999-10-26 Trp:Kk 殺菌洗浄水の生成装置
JP2000236858A (ja) * 1999-02-24 2000-09-05 Three Bond Co Ltd 液状食品取り扱い装置の洗浄殺菌方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106556002A (zh) * 2016-11-23 2017-04-05 美的集团股份有限公司 蒸汽发生器及其除垢控制方法、除垢控制装置和电器
CN106556002B (zh) * 2016-11-23 2018-12-21 广东美的白色家电技术创新中心有限公司 蒸汽发生器及其除垢控制方法、除垢控制装置和电器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002336861A (ja) 2002-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4873791B2 (ja) 電極式スケール成分の析出抑制装置
AU2024201413A1 (en) Multi-functional water quality sensor
WO2011143736A1 (en) Method and system for sanitizing water in a bathing unit providing diagnostic capabilities and control interface for use in connection with same
CN111678246A (zh) 空调设备、控制方法、诊断方法、控制装置和存储介质
CN205530462U (zh) 一种一拖多型智能变频控制柜及含有其的恒压供水系统
CN118587857A (zh) 一种电气柜防水漏电警报系统
WO2025025931A1 (zh) 液流电池清理装置、清理方法及系统
CN117404305A (zh) 一种水泵智能控制及运维系统
JP2021051527A (ja) 浄化槽用ブロワー及びポンプ、制御盤の保守・点検システム
CN217027354U (zh) 一种建筑排污泵控制系统
CN102955469B (zh) 真空排水泵站的控制装置及控制方法
CN110043803A (zh) 一种管道异常探测装置及系统
KR101672169B1 (ko) 폭기조 원격 감시 시스템
KR20180113939A (ko) 스마트 단말을 통한 개인하수처리시설 모니터링 시스템 및 장치
JPH08162138A (ja) 燃料電池発電システム制御方法および制御装置
JP7284634B2 (ja) 冷却塔水の水質管理装置及びその水質管理方法
CN202870597U (zh) 真空排水泵站的控制装置
CN113050488A (zh) 一种基于5g网络的水处理远程监控系统
JPH0440350A (ja) 水質監視計
JP3235584U (ja) 浄化槽用ブロワー及びポンプ及び制御盤の保守点検システム
CA2774111A1 (en) Device for disinfecting water by means of anodic oxidation
CN104803452A (zh) 一种用于电化学重金属污水处理系统的自动控制方法
KR102348674B1 (ko) Edi 시스템을 위한 통합 콘트롤러 장치
CN214504238U (zh) 一种循环水全自动加药排污系统
CN113713624B (zh) 一种污水处理的双陶瓷膜一体化装置及压力故障判断方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080430

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110419

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111025

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111122

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141202

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4873791

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term