[go: up one dir, main page]

JP4872084B2 - 国産牛と豪州産輸入牛の鑑別方法 - Google Patents

国産牛と豪州産輸入牛の鑑別方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4872084B2
JP4872084B2 JP2006224984A JP2006224984A JP4872084B2 JP 4872084 B2 JP4872084 B2 JP 4872084B2 JP 2006224984 A JP2006224984 A JP 2006224984A JP 2006224984 A JP2006224984 A JP 2006224984A JP 4872084 B2 JP4872084 B2 JP 4872084B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cattle
base sequence
australian
gene
seq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006224984A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008048613A (ja
Inventor
英之 万年
文雄 向井
晋史 笹崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe University NUC
Original Assignee
Kobe University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe University NUC filed Critical Kobe University NUC
Priority to JP2006224984A priority Critical patent/JP4872084B2/ja
Publication of JP2008048613A publication Critical patent/JP2008048613A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4872084B2 publication Critical patent/JP4872084B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

本発明は、DNA多型の検出による国内産牛と豪州産輸入牛を識別する方法に関する。
現在、日本で食肉用として市場に出回っている牛品種は主に黒毛和種、ホルスタイン種、黒毛和種とホルスタイン種の第一代交雑種、及び外国品種である。ここ数年、牛肉の偽装表示に関わる問題が注目されている。BSE感染牛発生の対処として日本政府が行ったBSE未検査の国内産牛肉の買い取り制度を悪用し、外国産牛肉を国内産牛肉と偽装する企業が現れ産地を偽装しての牛肉販売などが取り挙げられるなど、外国産牛肉を国内産牛肉とする偽装表示は後を絶たない。
現在、日本で出回っている輸入牛肉のほとんどは豪州産である。輸入自由化当初、大部分を占めていた米国産牛肉は、2003年12月に米国でBSE感染牛が確認されたことを理由に、日本への輸出が禁止されていた。
正しく品種や産地が表示された牛肉の販売は、倫理的な観点、消費者の受益や信頼、ひいては日本の牛肉生産を左右する問題である。しかし、現在に至るまで、科学的な手法に基づく客観的判定基準による、国内産牛と外国産牛を判定する技術は実用化されていない。
近年、遺伝子工学が飛躍的に発展し、DNA分析に基づく遺伝学的な分析ができるようになってきた。家畜では、多型マーカーの開発が進み、血統登録、個体識別、親子判定、品種の多様性の標識、病原遺伝子のキャリアの除去などに利用されている。多型マーカーの探索方法としては、RAPD (Random Amplification of Polymorphic DNA)法、RFLP (Restriction Fragments Length Polymorphism)法、AFLP(Amplified Fragment Length Polymorphism)法等がある。
AFLP法は、ゲノムDNAの制限酵素処理断片の選択的PCR増幅に基づくフィンガープリント法である(非特許文献1)。AFLP法を用いることで、DNA多型の探索ができる。
従来、ウシの鑑別法としては、黒毛和種とホルスタイン種の鑑別方法(特許文献1)、被験牛が黒毛和種であるか、ホルスタイン種であるか、若しくは黒毛和種とホルスタイン種との第一代交雑種であるか、を鑑別する方法(特許文献2)が開示されている。
特開2002-209581号公報 特開2005-27655号公報 Vos P., Hogers R., Bleeker M., Reijans M., Lee T.V.D., Hornes M., Frijters A., Pot J., Peleman J., Kuiper M., Zabeau M., 1995, Nucleic Acid Research 21, 4407-4414.
本発明が解決すべき課題は、国内産牛肉と輸入牛肉を、実際販売されている牛肉を材料として効率的に鑑別する方法、特に現在、国内産牛肉に対する偽装表示の対象となる可能性の高い豪州産牛肉が、黒毛和種やホルスタイン種などの国内産牛由来の牛肉として販売されているような場合、これを非国産牛由来の牛肉であると鑑別できる方法を提供することにある。
現在のウシの2大系統は、肩峰のないボス・タウラス(Bos taurus)及び肩峰のあるボス・インディカス(Bos indicus)である。国内産牛(黒毛和種及びホルスタイン種)はボス・タウラス系である。一方で、豪州産牛は、ボス・タウラス系、ボス・インディカス系及びこれらの交雑種である。
ボス・タウラスとボス・インディカス間の遺伝子レベルの違いとして、ミトコンドリアゲノムDNA上のNADH脱水素酵素サブユニット4(NADH dehydrogenase subunit 4, ND4)遺伝子多型及びNADH脱水素酵素サブユニット5(NADH dehydrogenase subunit 5, ND5)遺伝子多型(小松ら、 2004、日本畜産学会報 75、363-378)、並びにY染色体上の性決定領域(Sex determining Region Y, SRY) 遺伝子の一塩基変異多型(Tanaka et al., 2000, Report of the Society for Researches on Native Livestock 18, 59-64; 河野、2003、神戸大学大学院修士学位論文)が知られている。
上記のND4遺伝子の多型、ND5遺伝子の多型及びSRY遺伝子の多型は、国内産牛肉とボス・インディカス系のDNAを有する豪州産牛肉の鑑別に有用な多型マーカーとして用いることができる。しかし、これらの多型マーカーのみでは、ボス・タウラス系のDNAを有する豪州産牛を国内産牛と区別することはできない。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、ボス・タウラス系である国内産牛と豪州産牛とを識別することができる多型マーカーをAFLP法により探索した。この探索研究においては、国内産牛としては、黒毛和種、ホルスタイン種を用い、豪州産牛としては、上記のND4、ND5及びSRY上の多型を用いた識別法でボス・インディカス型を示さない個体を使用して、フリークエントカッターとして制限酵素Taq Iを、レアカッターとして制限酵素EcoR Iを用いてAFLP法常法に従って実施した。その結果、豪州産牛でのみ観察される2つのAFLP断片を発見した。これらのAFLP断片の原因となる多型部位を決定し、これらの多型部位が常染色体上にあることを同定した。これらの多型部位をBIMA(Breed Identified Markers derived from AFLP)100マーカー及びBIMA118マーカーとして用いることにした。
更に、本発明者らは、牛の毛色を支配する遺伝子に着目した。牛の毛色を支配する遺伝子に関する研究はこれまでのところわずかしか報告されていないが、品種ごとに特徴的な毛色がみられるため、牛の品種を識別するための方法の一つとして有効だと考えられる。
MC1Rは七つの膜貫通領域をもつGタンパク質結合レセプターであり、E遺伝子(extension gene)によってコードされる。最近の分子レベルの研究から、牛のE遺伝子座には、ED(dominant, producing dominant black)、E+(intermediate, producing recessive black)、e(recessive, producing red)の三つの対立遺伝子があることが報告されている(Klungland et al., 1995, Mammalian Genome 6, 636-639)。EDがコードするMC1Rは、レセプター自体が常時活性化されている状態となるので、ユーメラニンが形成され、毛色は常に黒くなる。一方、eがコードするMC1Rは不完全なものになるので、レセプターとしての機能が失われる。したがって、チロシナーゼの活性化が起こらず、フェオメラニンが形成され、毛色は赤、又は黄となるといわれている。また、E+によりコードされるMC1Rは、基本的に毛色は黒色を示すが、この黒色はアグーチタンパクの影響を受けると考えられている。国内産牛と輸入牛肉は、共に複数の品種からなっているために、毛色遺伝子のみでは品種の識別が困難である。しかしながら、我国で飼育されている黒毛和種とホルスタイン種は、基本毛色が黒色である。国内の黒毛和種が黒毛色に関与する対立遺伝子E+及びEDを持つことが明らかとなっている(Sasazaki et al., 2005, Animal Science Journal 76, 129-132)。輸入牛肉の基になる品種には、基本毛色が黒、茶、白色と様々であるが、茶毛色を示す一部の輸入牛に対しては、この遺伝子による判別の可能性が考えられる。MC1R遺伝子に関して、発明者らが、国内産牛及び国内で入手した豪州産牛肉を解析した結果、上記の黒毛和種と同様にホルスタイン種において、黒毛を示す対立遺伝子E+又はEDの遺伝子頻度が高く、対立遺伝子eの遺伝子頻度は極めて低いことが判明した。一方で、豪州産牛肉では、対立遺伝子eの遺伝子頻度が高いことが判明し、MC1R遺伝子の多型を国内産牛と輸入豪州産牛の識別に利用できることが明らかとなった。
これらの多型をボス・インディカスとボス・タウラスを識別し得る他の多型、好ましくは、ND4遺伝子の多型、ND5遺伝子の多型、及びSRY遺伝子の多型と共に使用することによって豪州産牛と国産牛とを明瞭に識別できることを見出し、本発明を完成させた。
従って、本発明は、ウシ由来試料のDNAについて、BIMA100遺伝子、BIMA118遺伝子、MC1R遺伝子、SRY遺伝子、及び、ND4遺伝子(又はND5遺伝子)の豪州産牛に特異的な塩基配列の対立遺伝子の有無を検出することを特徴とする豪州産牛と国内産牛を識別する方法を提供する。
本明細書において、「豪州産牛に特異的な塩基配列」とは、国内産牛には存在しないか、あるいは、例外的に極めて低い頻度でのみ存在するが、豪州産牛には存在する塩基配列を意味する。
具体的には、検査対象のウシ由来試料のDNAについて、(1)配列番号2に示す塩基配列の137番目の塩基が「T」である豪州産牛に特異的な塩基配列のBIMA100遺伝子、(2)配列番号3に示す塩基配列の152〜156番目の5塩基が欠失した豪州産牛に特異的な塩基配列のBIMA118遺伝子、(3)配列番号11に示す塩基配列の109番目の塩基「G」が欠失した豪州産牛に特異的な塩基配列のMC1R遺伝子、(4)配列番号10に示す705番目の塩基が「T」である豪州産牛に特異的な塩基配列のSRY遺伝子、及び、(5)配列番号6に示す塩基配列の109番目の塩基が「A」である豪州産牛に特異的な塩基配列のND4遺伝子か又は配列番号8に示す塩基配列の417番目の塩基が「T」である豪州産牛に特異的な塩基配列のND5遺伝子の有無を検出し、これらの豪州産牛に特異的な塩基配列の遺伝子が1又は2以上検出された試料を豪州産牛由来であると判定することを特徴とする検査対象試料が国内産牛由来であるか豪州産牛由来であるかを識別する方法を提供する。
たとえば、豪州産牛に特異的な塩基配列の(1)BIMA100遺伝子、(2)BIMA118遺伝子、及び、(3)MC1R遺伝子からなる群から選ばれる1又は2以上の遺伝子(好ましくは3つすべての遺伝子)が検出された試料を豪州産牛由来であると判定してもよいし、当該試料について更に、豪州産牛に特異的な塩基配列のSRY遺伝子又はND4遺伝子(もしくはND5遺伝子)の少なくとも一方(好ましくは双方)が検出された試料を豪州産牛由来であると判定してもよい。本発明において好ましい方法は、豪州産牛に特異的な塩基配列の(1)BIMA100遺伝子、(2)BIMA118遺伝子、(3)MC1R遺伝子、(4)SRY遺伝子、及び、(5)ND4遺伝子か又はND5遺伝子の5種類の遺伝子の全ての存在が検出された試料を豪州産牛由来であると判定する方法である。
また、本発明は、検査対象の牛由来試料のDNAについて、配列番号2に示す塩基配列の137番目の塩基が「T」である豪州産牛に特異的な塩基配列のBIMA100遺伝子の存在を検出することを特徴とする豪州産牛の検出方法、検査対象の牛由来試料のDNAについて、配列番号3に示す塩基配列の152〜156番目の5塩基が欠失した豪州産牛に特異的な塩基配列のBIMA118遺伝子の存在を検出することを特徴とする豪州産牛の検出方法、及び検査対象の牛由来試料のDNAについて、配列番号11に示す塩基配列の109番目の塩基「G」が欠失した豪州産牛に特異的な塩基配列のMC1R遺伝子の存在を検出することを特徴とする豪州産牛の検出方法を提供する。
また、本発明は、配列番号2に示す塩基配列の133〜138番目の塩基配列を含むDNA断片からなる豪州産牛の検出用遺伝子マーカー及び配列番号4に示す塩基配列のDNAからなる豪州産牛の検出用遺伝子マーカーを提供する。更に、配列番号2に示す塩基配列の137番目の塩基を含む10〜460の連続した塩基配列からなるDNA、及び配列番号4に示す塩基配列の151〜152番目の塩基を含む10〜279の連続した塩基配列からなるDNAを提供する。
本発明により、国内産牛と豪州産牛とを、簡便に、かつ、高精度で識別することが可能な鑑別方法が提供される。
本発明の方法は、牛肉等のウシ由来の試料から採取したDNA多型を判別することによって、国内産牛と豪州産牛とを鑑別する。
本鑑別方法の試験対象
本発明の鑑別方法では、市場に出回っている肉などのウシ由来の試料を検査対象として、当該試料が由来するウシが、国内で飼育された黒毛和種、又はホルスタイン種であるのか、あるいは、豪州産牛であるかを鑑別することができる。鑑別に使用するものとしては、ウシのDNAを採取することができる部分であれば、肉のみには限定されず、その他の組織より得ることができ、好ましくは、体細胞組織、例えば、肉(もも肉、肩肉、ロース肉等)、肝臓組織、リンパ節及び血液などを用いることができる。これらの試料からのDNAの抽出・精製は、公知のいずれかの方法や市販のDNA抽出キットにより行うことができる。
PCR法による多型マーカーを含むDNA断片の増幅
分析対象の多型マーカーを含むDNA断片は、PCR法で増幅することが好ましい。PCRプライマーは、対象遺伝子の塩基配列に基づいて設計・合成され、好ましくは表1記載のPCRプライマー配列に基づいて合成される。増幅の条件は、特に限定されず、通常のPCR法において使用される条件で実施できる。例えば、90℃〜98℃で5秒〜4分、好ましくは94℃で2分の熱変性の後、90℃〜98℃で5秒〜4分、好ましく94℃で30秒の変性反応、40℃〜80℃で5秒〜4分、好ましくは55〜65℃で30秒のアニーリング反応、及び68℃〜74℃で30秒〜2分、好ましくは72℃で1分の伸長反応を1サイクルとしてこれを25〜50サイクル、好ましくは30〜35サイクル行い、その後68℃〜74℃で30秒〜10分、好ましくは72℃で 7分の伸長反応を行う。
DNA多型の検出方法
DNA多型を検出する方法は、後述のPCR法及びPCR-RFLP法に限定されず、例えば、RFLP法、 AFLP法、PCR-SSCP(Single Strand Conformation Polymorphism)法、インベーダーアッセイ(Invader assay)法等が挙げられる。また、DNAシーケンサーを用いて塩基配列を決定することで、遺伝子多型を検出してもよい。
多型マーカー、多型の検出方法、及び国内産牛と豪州産牛との識別方法
本発明では、牛肉等の試料について、それらのBIMA100遺伝子の多型、BIMA118遺伝子の多型、ND4遺伝子の多型、ND5遺伝子の多型、SRY遺伝子の多型及びMC1R遺伝子の多型を判別することによって、国内産牛と豪州産牛を識別できる。これらの多型の判別方法は、次に説明するが、これらのみに限定されるものではなく、上記の多型を判別しえる方法であれば、いずれの方法でも使用できる。
常染色体上のBIMA100マーカー
常染色体上のBIMA100マーカーを含むDNA断片は、試料から採取したDNAを鋳型とし、表1に示したPCRプライマー(配列番号14及び15)を用いてPCR法で増幅することによって得ることができる。
BIMA100マーカーは、図1に示す多型部位である。図1 (1)は、国内産牛及び豪州産牛に共通する塩基配列のBIMA100遺伝子のDNA断片(配列番号1)であり、図1 (2)は、豪州産牛に特異的な塩基配列のBIMA100遺伝子のDNA断片(配列番号2)である。図1より、配列番号1に示す137番目の塩基が多型部位であって、国内産牛及び豪州産牛に共通する塩基配列のDNA断片では「G」であり、豪州産牛に特異的な塩基配列のDNA断片では「T」であることがわかる。図1 (1)に示すように、国内産牛及び豪州産牛に共通する塩基配列のDNA断片では、BIMA100マーカーを含む133〜138番目の塩基配列が「GAATGC」であり、これは制限酵素EcoR Iによって切断されない。一方で、図1 (2)に示すように、豪州産牛に特異的な塩基配列のDNA断片では、BIMA100マーカーを含む133〜138番目の塩基配列が「GAATTC」であり、これは制限酵素EcoR Iによって切断される。
この多型は、例えば、次のようにPCR-RFLP法によって検出することができる。試料から採取したDNAを表1に示したPCRプライマー(配列番号14及び15)を用いてPCR法で増幅し、BIMA100マーカーを含むDNA断片を得る。BIMA100マーカーを含むDNA断片を制限酵素EcoR Iで処理し、アガロースゲル電気泳動で133〜138番目の塩基配列の切断の有無を解析する。133〜138番目の塩基配列が切断されなかったDNA断片は、国内産牛及び豪州産牛に共通であるので、国内産牛又は豪州産牛由来であり、一方で、切断されたDNA断片は、豪州産牛に特異的であるので、豪州産牛由来であると判別できる。
常染色体上のBIMA118マーカー
常染色体上のBIMA118マーカーを含むDNA断片は、試料から採取したDNAを鋳型とし、表1に示したPCRプライマー(配列番号16及び17)を用いてPCR法で増幅することによって得ることができる。
BIMA118マーカーは、図2に示す多型部位である。図2 (1)は、国内産牛及び豪州産牛に共通する塩基配列のBIMA118遺伝子のDNA断片(配列番号3)であり、図2 (2)は、豪州産牛に特異的な塩基配列のBIMA118遺伝子のDNA断片(配列番号4)である。図2より、配列番号3に示す152〜156番目の塩基が多型部位であって、国内産牛及び豪州産牛に共通する塩基配列のDNA断片では「AACTA」であり、豪州産牛に特異的な塩基配列のDNA断片では当該5塩基が欠失していることがわかる。下記表3に示したとおり、国内産の黒毛和種及びホルスタイン種では、この部分が欠失した遺伝子の頻度は、極めて低い。他方、豪州産牛では、欠失した遺伝子の遺伝子頻度は、0.216であり、この部分の欠失がある試料は、豪州産である確率が高い。
この多型は、次のようにPCR法によって検出することができる。試料から採取したDNAを表1に示したPCRプライマーを用いてPCR法で増幅し、BIMA118マーカーを含むDNA断片を得る。BIMA118マーカーを含むDNA断片をアクリルアミドゲル電気泳動で解析する。153bpと148bpの2つのDNA断片が観察され、5 bp短い148bpのDNA断片は、豪州産由来であると判別できる。
ミトコンドリアゲノムDNA上のND4マーカー
ミトコンドリアゲノムDNA上のND4マーカーを含むDNA断片は、試料から採取したDNAを鋳型とし、表1に示したPCRプライマー(配列番号18及び19)を用いてPCR法で増幅することによって得ることができる。
ND4マーカーは、図3に示すND4遺伝子上の多型部位である。図3 (1)は、ボス・タウラス型のND4遺伝子のDNA断片(配列番号5)であり、図3 (2)は、ボス・インディカス型のND4遺伝子のDNA断片(配列番号6)である。図3より、配列番号5に示す109番目の塩基が多型部位であって、ボス・タウラス型のDNA断片では「G」であり、ボス・インディカス型のDNA断片では「A」であることがわかる。図3 (1)に示すように、ボス・タウラス型のDNA断片では、ND4マーカーを含む106〜110番目の塩基配列が「ACAGT」であり、これは制限酵素HpyCH4 IIIによって切断される。一方で、図3 (2)に示すように、ボス・インディカス型のDNA断片では、ND4マーカーを含む106〜110番目の塩基配列が「ACAAT」であり、これは制限酵素HpyCH4 IIIによって切断されない。
この多型は、次のようにPCR-RFLP法によって検出することができる。試料から採取したDNAを表1に示したPCRプライマーを用いてPCR法で増幅し、ND4マーカーを含むDNA断片を得る。ND4マーカーを含むDNA断片を制限酵素HpyCH4 IIIで処理し、アガロースゲル電気泳動で106〜110番目の塩基配列の切断の有無を解析する。106〜110番目の塩基配列が切断されたDNA断片は、ボス・タウラス型である。一方で、切断されなかったDNA断片は、ボス・インディカス型である。表4から明らかなように国内産牛では、ボス・インディカス型を示す例は殆どなく、ボス・インディカス型の遺伝子型を示した試料は、豪州産牛由来である確率が高い。
ミトコンドリアゲノムDNA上のND5マーカー
ミトコンドリアゲノムDNA上のND5マーカーを含むDNA断片は、試料から採取したDNAを鋳型とし、表1に示したPCRプライマー(配列番号20及び21)を用いてPCR法で増幅することによって得ることができる。
ND5マーカーは、図4に示すND5遺伝子上の多型部位である。図4 (1)は、ボス・タウラス型のND5遺伝子のDNA断片(配列番号7)であり、図4 (2)は、ボス・インディカス型のND5遺伝子のDNA断片(配列番号8)である。図4より、配列番号7に示す417番目の塩基が多型部位であって、ボス・タウラス型のDNA断片では「A」であり、ボス・インディカス型のDNA断片では「T」であることがわかる。図4 (1)に示すように、ボス・タウラス型のDNA断片では、ND5マーカーを含む414〜417番目の塩基配列が「AATA」であり、これは制限酵素Tsp509 Iによって切断されない。一方で、図4 (2)に示すように、ボス・インディカス型のDNA断片では、ND5マーカーを含む414〜417番目の塩基配列が「AATT」であり、これは制限酵素Tsp509 Iによって切断される。
この多型は、次のようにPCR-RFLP法によって検出することができる。試料から採取したDNAを表1に示したPCRプライマーを用いてPCR法で増幅し、ND5マーカーを含むDNA断片を得る。ND5マーカーを含むDNA断片を制限酵素Tsp509 Iで処理し、アガロースゲル電気泳動で414〜417番目の塩基配列の切断の有無を解析する。414〜417番目の塩基配列が切断されなかったDNA断片は、ボス・タウラス型である。一方で、切断されたDNA断片は、ボス・インディカス型である。ND5マーカーについて、ボス・インディカス型を示す試料は、豪州産牛由来であると判別できる。
Y染色体上のSRYマーカー
Y染色体上のSRYマーカーを含むDNA断片は、試料から採取したDNAを鋳型とし、表1に示したPCRプライマー(配列番号22及び23)を用いてPCR法で増幅することによって得ることができる。
SRYマーカーは、図5に示すSRY遺伝子上の多型部位である。図5 (1)は、ボス・タウラス型のSRY遺伝子のDNA断片(配列番号9)であり、図5(2)は、ボス・インディカス型のSRY遺伝子のDNA断片(配列番号10)である。図5より、配列番号9に示す705番目の塩基が多型部位であって、ボス・タウラス型のDNA断片では「G」であり、ボス・インディカス型のDNA断片では「T」である。図5 (1)に示すように、ボス・タウラス型のDNA断片では、SRYマーカーを含む705〜708番目の塩基配列が「GTAA」であり、これは制限酵素Mse Iによって切断されない。一方で、図5(2)に示すように、ボス・インディカス型のDNA断片では、SRYマーカーを含む705〜708番目の塩基配列が「TTAA」であり、これは制限酵素Mse Iによって切断される。
この多型は、次のようにPCR-RFLP法によって検出できる。試料から採取したDNAを表1に示したPCRプライマーを用いてPCR法で増幅し、SRYマーカーを含むDNA断片を得る。SRYマーカーを含むDNA断片を制限酵素Mse Iで処理し、アガロースゲル電気泳動で705〜708番目の塩基配列の切断の有無を解析する。705〜708番目の塩基配列が切断されなかったDNA断片は、ボス・タウラス型である。一方で、切断されたDNA断片は、ボス・インディカス型である。SRYマーカーについて、ボス・インディカス型を示す試料は、豪州産牛由来であると判別できる。
常染色体上のMC1Rマーカー
常染色体上のMC1Rマーカーを含むDNA断片は、試料から採取したDNAを鋳型とし、表1に示したPCRプライマー(配列番号24及び25)を用いてPCR法で増幅することによって得ることができる。
MC1Rマーカーは、図6に示すMC1R遺伝子上の多型部位である。図6 (1)は対立遺伝子E+のDNA断片(配列番号11)、図6 (2)は対立遺伝子EDのDNA断片(配列番号12)、及び図6 (3)は対立遺伝子eのDNA断片(配列番号13)である。図6より、配列番号11に示す109番目の塩基が多型部位であって、対立遺伝子E+及びEDのDNA断片では「G」であり、対立遺伝子eのDNA断片では当該1塩基の欠失であることがわかる。図6 (1)及び(2)に示すように、対立遺伝子E+及びEDのDNA断片では、MC1Rマーカーを含む107〜110番目の塩基配列が「CCGG」であり、これは制限酵素Msp Iによって切断される。一方で、図6 (3)に示すように、対立遺伝子eのDNA断片では、MC1Rマーカーを含む107〜110番目の塩基配列が「CC-G」(-は欠失を示す)であり、これは制限酵素Msp Iによって切断されない。
この多型は、次のようにPCR-RFLP法によって検出することができる。まず、試料から採取したDNAを表1に示したPCRプライマーを用いてPCR法で増幅し、MC1Rマーカーを含むDNA断片を得る。MC1Rマーカーを含むDNA断片を制限酵素Msp Iで処理し、アガロースゲル電気泳動で107〜110番目の塩基配列の切断の有無を解析する。107〜110番目の塩基配列が切断されたDNA断片は、対立遺伝子E+又はED由来である。一方で、切断されなかったDNA断片は、対立遺伝子e由来である。下記表7に示したとおり、国内産牛では、対立遺伝子eを有する頻度は極めて低く、豪州産牛では高いので、対立遺伝子eを検出した試料は、豪州産牛由来である確率が高い。
Figure 0004872084
多型マーカーを組み合わせる鑑別方法
上記の多型マーカーを組み合わせて用いることで、好ましくは、BIMA100、BIMA118、MC1R、SRY、及びND4又はND5マーカーの5つを組み合わせて用いることで、検出率を高め、高精度の鑑別を行うことができる。組み合わせに用いる多型マーカーは、上記多型マーカーに限定されるものではなく、上記以外の国内産牛及び豪州産牛を識別できる多型マーカーを上記多型マーカーと組み合わせて使用することもできる。
多型マーカーを組み合わせて用いる場合、それらの全ての多型マーカーをある被験牛に対して使用し、いずれか一つの多型マーカーで当該被験牛が豪州産牛であると判別できれば、当該被験牛は豪州産牛であると判別する。また、それぞれの多型マーカーを用いる順番を決めてもよい。それぞれの多型マーカーを用いるごとに豪州産牛であると判別された被験試料を除けば、試験回数を減らすことができる。
鑑別能力の評価(検出率、誤判別率及び信頼度)
表8は、BIMA100、BIMA118、ND4、ND5、SRY及びMC1Rマーカーの検出率と誤判別率、及びND4を除いた5つのマーカーを組み合わせた場合の組み合わせ検出率及び誤判別率を示している。BIMA100、ND5及びSRYマーカーでは、誤判別率は、0.000であり、これらの多型において、豪州産牛に特異的な塩基配列の対立遺伝子を検出した場合には、試料は豪州産牛由来であると判定することができる。他の多型については、国内産牛でも低い頻度ではあるが検出されるが、複数の多型を組み合わせて判定することにより精度を高めることができる。BIMA100、BIMA118、ND5、SRY及びMC1Rマーカーの5つのマーカーを組み合わせた場合、組み合わせの検出率は92.1%であり,誤判別率は1.5%(信頼度98.5%)である。
以下、本発明の実施例を説明する。この実施例により、本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
ウシのDNAの抽出・精製
ウシのDNAを常法により、黒毛和種、ホルスタイン種、及び豪州産牛の肝臓組織、リンパ節、血液、又は牛肉より、抽出・精製して得た。
BIMA100マーカーによる国内産牛と豪州産牛との鑑別
BIMA100マーカーを用いたPCR-RFLP法により、国内産牛肉及び豪州産牛肉の多型解析を行い、国内産牛と豪州産牛とを鑑別した。PCR法によって、BIMA100マーカーを含むDNA断片を増幅した。PCRプライマーの塩基配列を表1並びに配列番号14及び15に示す。また、当該PCRプライマーの結合部位を図1に下線で示す。黒毛和種、ホルスタイン種及び豪州産牛肉のDNAを10ng/μlに調整してPCR反応の鋳型DNAとした。PCR増幅反応には、DNA(10 ng/μl)2.5μl、10×Ex Taq 緩衝液 1.0μl、dNTPs 混合液 0.8μl、フォワードプライマー(10 pmol/μl)0.25μl、リバースプライマー(10 pmol/μl)0.25μl、TaKaRa Ex TaqTM Hot Start Version(TaKaRa)0.05μl及び超純水5.15μl加えて全量を10μlとして反応を行った。反応はサーマルサイクラーを用い、以下の条件で行った。まず94℃で2分の熱変性の後、94℃で30秒、60℃で30秒、72℃で1分を30サイクル行い、最後に72℃で7分の伸長反応を行った。
増幅されたDNA断片を制限酵素処理した。反応はDNA断片5.0μl、10×制限酵素緩衝液 1.5μl、制限酵素EcoR I(10 unit/μl)(New England BioLabs, Inc.)0.25μl、及び滅菌超純水8.5μlを加えて全量15.0μlで行い、ウォーターバスを用い、37℃で8時間以上インキュベートした。
制限酵素処理後のDNA断片を、エチジウムブロマイドを加え作成した3.0%アガロースゲル(Bio-Rad Laboratories)にて、1×TBE緩衝液を満たした電気泳動装置を用いて100 Vで30分間電気泳動した。制限酵素処理したDNA断片15μlには40%グリセロール液5μlを加えて全量20μlずつアプライし、断片の大きさの指標としてはpBR322 DNA-Msp I Digestマーカー(Bio-Rad Laboratories)を用いた。泳動後、紫外線照射してDNAバンドを検出し、電気泳動像を解析した。
BIMA100マーカーを含むDNA断片の133〜138番目の塩基配列が制限酵素EcoR Iによって切断されれば、そのDNA断片は、豪州産牛に特異的な塩基配列の対立遺伝子由来であって、豪州産牛由来であると判別できる。黒毛和種及びホルスタイン種由来のDNA断片の133〜138番目の塩基配列は、制限酵素EcoR Iによって切断されなかった。一方で、豪州産牛肉由来のDNA断片では、133〜138番目の塩基配列が切断されたもの、切断されなかったもの、又はこれらが混ざったものが観察された。つまり、豪州産牛に特異的な塩基配列の対立遺伝子をA、豪州産牛であると判別できない対立遺伝子をBとすると、黒毛和種及びホルスタイン種では、B/Bの遺伝子型、豪州産牛肉では、A/A、A/B、及びB/Bの遺伝子型が観察された。それらの遺伝子型の頻度を表2に示す。278個体分の豪州産牛肉のうち、A/A又はA/Bの遺伝子型を示す48個体分を豪州産牛であると判別できた。国内産牛肉では、豪州産牛に特異的な塩基配列の対立遺伝子Aの頻度(p)が0であった。
Figure 0004872084
BIMA118マーカーによる国内産牛と豪州産牛との鑑別
BIMA118マーカーを用いたPCR法により、国内産牛肉及び豪州産牛肉の多型解析を行い、国内産牛と豪州産牛とを鑑別した。PCR法によって、BIMA118マーカーを含むDNA断片を増幅した。PCRプライマーの塩基配列を表1並びに配列番号16及び17に示す。また、当該PCRプライマーの結合部位を図2に下線で示す。黒毛和種、ホルスタイン種及び豪州産牛肉のDNAを10ng/μlに調整してPCR反応の鋳型DNAとした。PCR増幅反応には、DNA(10 ng/μl)2.5μl、10×Ex Taq 緩衝液1.0μl、dNTPs 混合液 0.8μl、フォワードプライマー(10 pmol/μl)0.25μl、リバースプライマー(10 pmol/μl)0.25μl、TaKaRa Ex TaqTM Hot Start Version(TaKaRa)0.05μl及び超純水5.15μl加えて全量を10μlとして反応を行った。反応はサーマルサイクラーを用い、以下の条件で行った。まず94℃で2分の熱変性の後、94℃で30秒、60℃で30秒、72℃で1分を30サイクル行い、最後に72℃で7分の伸長反応を行った。
増幅したDNA断片をアクリルアミドゲルで電気泳動した。ゲル溶液の作成は、尿素 35g、10×TBE (1 L中にTris 108g, ホウ酸 55g, Na3EDTA・2H2O 9.3g) 8.4 ml、Long RangerTM Gel Solution 8.4 ml、これに超純水を加えてよく撹拌し、尿素が完全に溶けた後、超純水を加えて全量を70mlにした。これに10%APS 350μl、TEMED 35μlを加え、ゲル板にゆっくり流し込み、上部にコームを差し込み2時間以上放置した。電気泳動は、スラブ型電気泳動装置を用いた。緩衝液には0.6×TBEを使用し、1,800 Vで2時間半行った。
電気泳動後、ゲル板をはがし、染色した。染色には、10%酢酸溶液 2 L (停止液)、2 g AgNO3・37% ホルムアルデヒド 2 L (染色液)、6g NaCO3 2 L (現像液)を用いた。また現像液は氷上に保存し、使用する直前に37% ホルムアルデヒド 3mlとチオ硫酸ナトリウム400μlを加えた。
ゲル板をトレイに入れ、停止液 1Lを加え、20分間振とうした。その後、超純水で3回洗浄し、染色液にゲル板を浸し、30分間振とうした。染色が終わったゲル板は、銀が落ちすぎない程度に超純水に軽く浸し、すばやく現像液に浸し、バンドが現れるまで振とうした。その後、適度なところで停止液を加えて反応を止めた後、超純水で再び洗浄し、DNAバンドを検出し、電気泳動像を解析した。
PCR法で増幅されたDNA断片には、153bpと148bpの2種類があり、5bp短い148bpのDNA断片は豪州産牛に特異的な塩基配列の対立遺伝子由来であって、豪州産牛由来であると判別できる。黒毛和種及びホルスタイン種由来のDNA断片では、4例を除いて、153bpのDNA断片が観察された。豪州産牛肉由来のDNA断片では、153bpのDNA断片、148bpのDNA断片、又はこれらが混ざったものが観察された。つまり、豪州産牛に特異的な塩基配列の対立遺伝子をA、国内産牛及び豪州産牛に共通する塩基配列の対立遺伝子をBとすると、黒毛和種及びホルスタイン種では、A/B及びB/Bの遺伝子型、豪州産牛肉では、A/A、A/B、及びB/Bの遺伝子型が観察された。それらの遺伝子型の頻度を表3に示す。278個体分の豪州産牛肉のうち、A/A又はA/Bの遺伝子型を示す104個体分を豪州産牛であると判別できた。黒毛和種及びホルスタイン種では、豪州産牛に特異的な塩基配列の対立遺伝子Aの頻度(p)が著しく低かった。
Figure 0004872084
ND4マーカー又はND5マーカーによる国内産牛と豪州産牛との鑑別
ND4マーカー又はND5マーカーを用いたPCR-RFLP法によって、黒毛和種、ホルスタイン種及び豪州産牛の多型解析を行い、被験牛をボス・タウラス型とボス・インディカス型に分類することで、国内産牛と豪州産牛とを鑑別した。
PCR法でND4マーカーを含むDNA断片を増幅した。ND4マーカー用のPCRプライマーの塩基配列を表1並びに配列番号18及び19に示す。当該PCRプライマーの結合部位を図3に下線で示す。ND4マーカー用のPCRプライマーの塩基配列を表1並びに配列番号19及び20に示す。当該PCRプライマーの結合部位を図4に下線で示す。黒毛和種、ホルスタイン種及び豪州産牛肉のDNAを10ng/μlに調整してPCR反応の鋳型DNAとした。PCR増幅反応には、鋳型DNA (10ng/μl) 5.0μl、10×PCR 緩衝液 2μl、dNTPs 混合液 1.6μl、 フォワードプライマー(10μM) 1μl、リバースプライマー (10μM) 1μl、TaKaRa Ex TaqTM Hot Start Version 0.2μl、及び超純水9.2μl加えて全量を20μlとして反応を行った。反応はサーマルサイクラーを用い、以下の条件で行った。まず94℃で2分の後、94℃で30秒、60℃で30秒、72℃で1分を30サイクル行い、その後72℃で7分の伸長反応を行った。
制限酵素にはND4遺伝子のDNA断片に対してHpyCH4 III、及びND5遺伝子のDNA断片に対してTsp509 Iを使用し、反応はDNA断片10μl、10×緩衝液3μl、制限酵素0.5μl、滅菌超純水16.5μlを加えて全量30μlで行い、37℃のウォーターバスで8時間以上インキュベートした。
制限酵素処理後のDNA断片に40%グリセロール液を加えて3%アガロースゲルにて、100 Vで30分間電気泳動した。エチジウムブロマイドで染色後、紫外線照射して、DNAバンドを検出し、電気泳動像を解析した。
ND4マーカーを含むDNA断片の106〜110番目の塩基配列が制限酵素HpyCH4 IIIによって切断されなければ、そのDNA断片はボス・インディカス型のND4遺伝子由来、つまり、豪州産牛由来であると判別できる。黒毛和種及びホルスタイン種由来のDNA断片の106〜110番目の塩基配列は、1例を除き、制限酵素HpyCH4 IIIによって切断された。豪州産牛肉由来のDNA断片では、106〜110番目の塩基配列が切断されたもの、又は切断されなかったものが観察された。つまり、黒毛和種及びホルスタイン種では、ボス・タウラス型(T)の遺伝子型、豪州産牛肉では、T又はボス・インディカス型(I)の遺伝子型が検出された。それらの遺伝子型の頻度を表4に示す。277個体分の豪州産牛肉のうち、Iの遺伝子型を示す129個体分を豪州産牛であると判別できた。黒毛和種及びホルスタイン種では、Iの遺伝子頻度(p)が著しく低かった。
Figure 0004872084
ND5マーカーを含むDNA断片の414〜417番目の塩基配列が制限酵素Tsp509 Iによって切断されれば、そのDNA断片はボス・インディカス型のND5遺伝子由来、つまり、豪州産牛由来であると判別できる。黒毛和種及びホルスタイン種由来のDNA断片414〜417番目の塩基配列は、制限酵素Tsp509 Iによって切断されていなかった。豪州産牛肉由来のDNA断片では、414〜417番目の塩基配列が切断されたもの、又は切断されなかったものが観察された。つまり、黒毛和種及びホルスタイン種では、ボス・タウラス型(T)の遺伝子型、豪州産牛肉では、T又はボス・インディカス型(I)の遺伝子型が検出された。それらの遺伝子型の頻度を表5に示す。278個体分の豪州産牛肉のうち、Iの遺伝子型を示す131個体分を豪州産牛であると判別できた。黒毛和種及びホルスタイン種では、Iの遺伝子頻度(p)が0であった。
Figure 0004872084
SRYマーカーによる国内産牛と豪州産牛との鑑別
SRYマーカーを用いたPCR-RFLP法により、黒毛和種、ホルスタイン種及び豪州産牛の多型解析を行い、被験牛をボス・タウラス型とボス・インディカス型に分類することで、国内産牛と豪州産牛とを鑑別した。
PCR法によって、SRYマーカーを含むDNA断片を増幅した。PCRプライマーの塩基配列を表1並びに配列番号22及び23に示す。また、当該PCRプライマーの結合部位を図5に下線で示す。次に黒毛和種、ホルスタイン種、豪州産牛肉のDNAを10 ng/μlに調整してPCR反応の鋳型DNAとした。PCR増幅反応には、鋳型DNA (10ng/μl) 5.0μl、10×PCR 緩衝液2μl、dNTPs混合液1.6μl、 フォワードプライマー(10μM) 1μl、リバースプライマー (10μM)1μl、TaKaRa Ex TaqTM Hot Start Version 0.2μl、及び超純水9.2μl加えて全量を20μlとして反応を行った。反応はサーマルサイクラーを用い、以下の条件で行った。まず94℃で2分の後、94℃で30秒、65℃で30秒、72℃で1分を35サイクル行い、その後72℃で7分の伸長反応を行った。
増幅されたDNA断片を制限酵素処理した。反応はDNA断片10μl、10×緩衝液3μl、BSA 0.3μl、制限酵素Mse I 0.5μl、滅菌超純水16.2μlを加えて全量30μlで行い、37℃のウォーターバスで8時間以上インキュベートした。
制限酵素処理後のDNA断片に40%グリセロール液を加えて3%メタフォアアガロースゲル (FMC BioProducts) にて、50 Vで50分間電気泳動した。エチジウムブロマイドで染色後、紫外線照射して、DNAバンドを検出し、電気泳動像を解析した。
SRYマーカーを含むDNA断片の705〜708番目の塩基配列が制限酵素Mse Iによって切断されれば、そのDNA断片はボス・インディカス型のSRY遺伝子由来、つまり、豪州産牛由来であると判別できる。黒毛和種及びホルスタイン種由来のDNA断片の705〜708番目の塩基配列は、制限酵素Mse Iによって切断されなかった。豪州産牛肉由来のDNA断片では、705〜708番目の塩基配列が切断されたもの、及び切断されなかったものが観察された。つまり、黒毛和種及びホルスタイン種では、ボス・タウラス型(T)の遺伝子型、豪州産牛肉では、T又はボス・インディカス型(I)の遺伝子型が観察された。それらの遺伝子型の頻度を表6に示す。オス及びメスを含む278個体分、又は217個体分のオスの豪州産牛肉のうち、Iの遺伝子型を示す42個体分を豪州産牛であると判別できた。黒毛和種及びホルスタイン種では、Iの遺伝子頻度(p)が0であった。
Figure 0004872084
MC1Rマーカーによる国内産牛と豪州産牛との鑑別
MC1Rマーカーを用いたPCR-RFLP法によって、黒毛和種、ホルスタイン種及び豪州産牛の多型解析を行い、被験牛の遺伝子型をE/E、E/e又はe/eに分類することで、国内産牛と豪州産牛とを鑑別した。
PCR法によって、MC1Rマーカーを含むDNA断片を増幅した。PCRプライマーの塩基配列を表1並びに配列番号24及び25に示す。また、当該PCRプライマーの結合部位を図6に下線で示す。黒毛和種、ホルスタイン種及び豪州産牛肉のDNAを20ng/μlに調整してPCR反応の鋳型DNAとした。PCR増幅反応には20ngのDNAに、2.0μlの10×PCR緩衝液(100mM Tris-HCl、15mM MgCl、500mM KCl)、1.6μl dNTP Mix(2.5mM)、0.5μlフォワードプライマー(10pmol)、0.5μlリバースプライマー(10pmol)、及び1.0unitのTaKaRa EX Taq polymerase(TaKaRa)を加え、滅菌超純水で全量を20μlとして反応を行った。反応はサーマルサイクラーを用いた。増幅反応サイクルは、94℃で5分間のDNA変性反応の後、94℃で1分、65℃で1分、72℃で1分を1サイクルとして30サイクル繰り返した後、72℃で7分の伸長反応を行った。
増幅されたDNA断片を制限酵素Msp Iで処理した。10μlのDNA断片にそれぞれ5.0unitの制限酵素Msp Iと3.0μlの付属緩衝液を加え、滅菌超純水で全量30μlとしたものを37℃、3時間でインキュベートした。
アガロースゲルはエチジウムブロマイドを添加した3.0%のものを作成し、1×TBE緩衝液を用いて電気泳動を行った。泳動には、Mupid小型電気泳動装置を用い、100V、20分間泳動を行った。
MC1Rマーカーを含むDNA断片の107〜110番目の塩基配列が制限酵素Msp Iによって切断されなければ、そのDNA断片は対立遺伝子e由来、つまり、豪州産由来であると判別できる。黒毛和種及びホルスタイン種由来のDNA断片の107〜110番目の塩基配列は、2例を除き、制限酵素Msp Iによって切断された。豪州産牛肉由来のDNA断片では、107〜110番目の塩基配列が切断されたもの、切断されなかったもの、又はこれらが混ざったものが観察された。つまり、MC1R遺伝子の対立遺伝子立遺伝子E+及びEDをEとすると、黒毛和種及びホルスタイン種では、E/Eの遺伝子型、豪州産牛肉では、e/e、e/E、及びE/Eの遺伝子型が観察された。それらの遺伝子型頻度を表7に示す。278個体分の豪州産牛肉のうち、e/e又はe/E の遺伝子型を示す164個体分を豪州産牛であると判別できた。黒毛和種及びホルスタイン種では、対立遺伝子eの頻度(p)が著しく低かった。
Figure 0004872084
表8にBIMA100、BIMA118、ND4、ND5、SRY及びMC1Rマーカーの検出率と誤判別率、及びND4を除いた5つのマーカーを組み合わせた場合の検出率及び誤判別率を示す。
Figure 0004872084
検出率とは、国内産牛と豪州産牛とを鑑別する場合において、被験牛が豪州産牛であるとき、豪州産牛に特異的な遺伝子型を検出し、当該被験牛が豪州産牛であると推定できる確率を示す。
本明細書において、「豪州産牛に特異的な遺伝子型」とは、国内産牛には存在しないか、あるいは、例外的に極めて低い頻度でのみ存在するが、豪州産牛には存在する遺伝子型を意味する。
常染色体上の多型マーカーを用いる場合の検出率は、ホモとヘテロを考慮して、豪州産牛における豪州産牛に特異的な塩基配列の対立遺伝子の頻度から推定される豪州産牛に特異的な遺伝子型の頻度である。対立遺伝子として「AA、AB、BB」を仮定する場合において、豪州産牛に特異的な塩基配列の対立遺伝子をAとすると、AAとABの遺伝子型を持つ個体は豪州産牛であると判定される。Aの遺伝子頻度をpとすると、AAの遺伝子型を持つ確率はp2、ABの遺伝子型を持つ確率は2p(1-p)である。したがって、検出率はp2+2p(1-p)= p(2- p)となる。
また、Y染色体及びミトコンドリアゲノムDNA上の多型マーカーを用いる場合の検出率は、ホモとヘテロを考慮する必要がなく、豪州産牛における豪州産牛に特異的な遺伝子型の頻度である。ただし、Y染色体上の多型マーカーを用いる場合の検出率は、メスとオスを区別せずに、検査個体中何頭で検出されたかの割合となる。
BIMA100、BIMA118、ND5、SRY及びMC1Rマーカーの5つの多型マーカーの組み合わせの検出率は、以下のとおり算出される。
1-(1-0.179)(1-0.385)(1-0.471)(1-0.151)(1-0.652)=0.921
よって、表8より、5つの多型マーカーを組み合わせることで、個別の多型マーカーと比べて、検出率が著しく高くなることがわかる。
誤判別率とは、国内産牛と豪州産牛とを鑑別する場合において、被験牛が国内産牛(黒毛和種及びホルスタイン種)であるとき、豪州産牛に特異的な遺伝子型を検出し、当該被験牛が豪州産牛であると推定してしまう確率を示す。
組み合わせの誤判別率は、国内産牛である被験牛が5つの多型マーカーすべてで豪州産牛であると判定される確率である。以下のとおり算出される。
1-(1-0.000)(1-0.010)(1-0.000)(1-0.000)(1-0.005)=0.015
信頼度は、鑑別によって国内産牛から豪州産牛に特異的な遺伝子型が検出されない確率であり、1-(誤判別率)で算出され、0.985である。
BIMA100、BIMA118、ND5、SRY及びMC1Rマーカーのいずれかで豪州産牛である被験牛が豪州産牛であると判定される場合に、当該被験牛は豪州産牛であると判別すると、豪州産牛肉278頭分中258頭分を豪州産牛として検出できた。その検出割合(92.8%)は、BIMA100、BIMA118、ND5、SRY及びMC1Rマーカーを組み合わせた場合の理論値である上記の検出率(92.1%)とほぼ同じであった。したがって、これらの多型マーカーの組み合わせの検出率は豪州産牛である被験牛から豪州産牛を実際に検出できる割合を反映することがわかる。
BIMA100遺伝子上の多型を含むDNA断片の塩基配列を示した図面である。 BIMA118遺伝子上の多型を含むDNA断片の塩基配列を示した図面である。 ND4遺伝子上の多型を含むDNA断片の塩基配列を示した図面である。 ND5遺伝子上の多型を含むDNA断片の塩基配列を示した図面である。 SRY遺伝子上の多型を含むDNA断片の塩基配列を示した図面である。 MC1R遺伝子上の多型を含むDNA断片の塩基配列を示した図面である。

Claims (11)

  1. 検査対象のウシ由来試料のDNAについて、
    (1)配列番号2に示す塩基配列の137番目の塩基が「T」である豪州産牛に特異的な塩基配列のBIMA100遺伝子、
    (2)配列番号3に示す塩基配列の152〜156番目の5塩基が欠失した豪州産牛に特異的な塩基配列のBIMA118遺伝子、
    (3)配列番号11に示す塩基配列の109番目の塩基「G」が欠失した豪州産牛に特異的な塩基配列のMC1R遺伝子、
    (4)配列番号10に示す705番目の塩基が「T」である豪州産牛に特異的な塩基配列のSRY遺伝子、及び、
    (5)配列番号6に示す塩基配列の109番目の塩基が「A」である豪州産牛に特異的な塩基配列のND4遺伝子又は配列番号8に示す塩基配列の417番目の塩基が「T」である豪州産牛に特異的な塩基配列のND5遺伝子の有無を検出し、これらの豪州産牛に特異的な塩基配列の遺伝子が1又は2以上検出された試料を豪州産牛由来であると判定することを特徴とする検査対象試料が国内産牛由来であるか豪州産牛由来であるかを識別する方法。
  2. 豪州産牛に特異的な塩基配列の(1)BIMA100遺伝子、(2)BIMA118遺伝子、(3)MC1R遺伝子、(4)SRY遺伝子、及び、(5)ND4遺伝子か又はND5遺伝子の5種類の遺伝子の全ての存在が検出された試料を豪州産牛由来であると判定することを特徴とする請求項1に記載の検出方法。
  3. 検査対象の牛由来試料のDNAについて、配列番号2に示す塩基配列の137番目の塩基が「T」である豪州産牛に特異的な塩基配列のBIMA100遺伝子の存在を検出することを特徴とする豪州産牛の検出方法。
  4. 検査対象の牛由来試料のDNAについて、配列番号3に示す塩基配列の152〜156番目の5塩基が欠失した豪州産牛に特異的な塩基配列のBIMA118遺伝子の存在を検出することを特徴とする豪州産牛の検出方法。
  5. 検査対象の牛由来試料のDNAについて、
    (1) 配列番号2に示す塩基配列の137番目の塩基が「T」である豪州産牛に特異的な塩基配列のBIMA100遺伝子、又は、
    (2) 配列番号3に示す塩基配列の152〜156番目の5塩基が欠失した豪州産牛に特異的な塩基配列のBIMA118遺伝子、並びに、
    (3)配列番号11に示す塩基配列の109番目の塩基「G」が欠失した豪州産牛に特異的な塩基配列のMC1R遺伝子の存在を検出することを特徴とする豪州産牛の検出方法。
  6. 配列番号2に示す塩基配列の133〜138番目の塩基配列を含むDNA断片からなる豪州産牛の検出用遺伝子マーカー。
  7. 配列番号4に示す塩基配列のDNAからなる豪州産牛の検出用遺伝子マーカー。
  8. 配列番号2に示す塩基配列の137番目の塩基を含む10〜460の連続した塩基配列DNAからなる豪州産牛の検出用遺伝子マーカー
  9. 配列番号4に示す塩基配列の151〜152番目の塩基を含む10〜279の連続した塩基配列DNA断片からなる豪州産牛の検出用遺伝子マーカー
  10. 検査対象の牛由来試料のDNAについて、
    (1)配列番号2に示す塩基配列の137番目の塩基が「T」である豪州産牛に特異的な塩基配列のBIMA100遺伝子、
    (2)配列番号3に示す塩基配列の152〜156番目の5塩基が欠失した豪州産牛に特異的な塩基配列のBIMA118遺伝子、及び、
    (3)配列番号11に示す塩基配列の109番目の塩基「G」が欠失した豪州産牛に特異的な塩基配列のMC1R遺伝子の3種類の遺伝子の存在を検出することを特徴とする豪州産牛の検出方法。
  11. 検査対象の牛由来試料のDNAについて、
    (1)配列番号2に示す塩基配列の137番目の塩基が「T」である豪州産牛に特異的な塩基配列のBIMA100遺伝子、
    (2)配列番号3に示す塩基配列の152〜156番目の5塩基が欠失した豪州産牛に特異的な塩基配列のBIMA118遺伝子、及び、
    (3)配列番号11に示す塩基配列の109番目の塩基「G」が欠失した豪州産牛に特異的な塩基配列のMC1R遺伝子の3種類の遺伝子の存在、並びに、
    配列番号10に示す705番目の塩基が「T」である豪州産牛に特異的な塩基配列のSRY遺伝子、
    配列番号6に示す塩基配列の109番目の塩基が「A」である豪州産牛に特異的な塩基配列のND4遺伝子又は
    配列番号8に示す塩基配列の417番目の塩基が「T」である豪州産牛に特異的な塩基配列のND5遺伝子のいずれか一の遺伝子の存在を検出することを特徴とする豪州産牛の検出方法。
JP2006224984A 2006-08-22 2006-08-22 国産牛と豪州産輸入牛の鑑別方法 Active JP4872084B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006224984A JP4872084B2 (ja) 2006-08-22 2006-08-22 国産牛と豪州産輸入牛の鑑別方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006224984A JP4872084B2 (ja) 2006-08-22 2006-08-22 国産牛と豪州産輸入牛の鑑別方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008048613A JP2008048613A (ja) 2008-03-06
JP4872084B2 true JP4872084B2 (ja) 2012-02-08

Family

ID=39233245

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006224984A Active JP4872084B2 (ja) 2006-08-22 2006-08-22 国産牛と豪州産輸入牛の鑑別方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4872084B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5800307B2 (ja) * 2009-04-17 2015-10-28 国立大学法人神戸大学 ウシ由来試料を鑑定する方法及びキット
CN103088125B (zh) * 2012-12-22 2014-06-04 安徽师范大学 一种臂尾轮属轮虫的线粒体nd5基因的部分dna测序及鉴定臂尾轮属轮虫的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008048613A (ja) 2008-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5729897B2 (ja) 非黒毛和種か否かを鑑定する方法及びキット
CN101432442B (zh) 虾和对虾的性别特异性标记
KR101823372B1 (ko) 우리흑돈 품종 식별용 snp 마커 및 이를 이용한 우리흑돈 품종 식별 방법
JP4872084B2 (ja) 国産牛と豪州産輸入牛の鑑別方法
CN111269994B (zh) 一种利用普通牛y染色体单核苷酸遗传标记鉴定公牛品种的方法
CN111073983B (zh) 与大口黑鲈北方亚种和佛罗里达亚种鉴定相关的snp标记及其应用
KR101624342B1 (ko) 흑돈육과 비흑돈육 판별에 유용한 단일염기다형성 마커 및 이의 용도
JP2009219451A (ja) 一塩基多型を用いた牛の個体識別法と親子鑑別法
Forlani et al. Isolation of microsatellite loci from the endemic and endangered Adriatic sturgeon (Acipenser naccarii)
JP5800307B2 (ja) ウシ由来試料を鑑定する方法及びキット
KR100898721B1 (ko) 한우육과 외래도입우육의 판별 방법
KR101099628B1 (ko) 소의 품종을 판별하기 위한 신규 프라이머
Hristova et al. Analysis of DNA polymorphism of CAST gene in Local Karnobat and Stara Zagora sheep breeds.
Sevane et al. A Primer-Extension Assay for simultaneous use in cattle Genotype Assisted Selection, parentage and traceability analysis
JP4394969B2 (ja) ウシの品種の鑑別方法
JP6683642B2 (ja) ウシ個体における屠畜後の肉中イノシン酸含量の判定方法
KR100913941B1 (ko) 한국재래돼지 특이 디엔에이 마커 및 이를 이용한한국재래돼지 판별방법
KR100874378B1 (ko) 단일염기다형성을 이용한 한우육 판별방법
JP4943472B2 (ja) ウシの品種の鑑別方法
KR101278268B1 (ko) 염기특이-중합효소연쇄반응을 이용한 황우, 비황우 및 이들의 교잡우의 판별방법
KR101953840B1 (ko) 서양종꿀벌 계통 판별을 위한 rflp 분석용 프라이머 세트
KR101740634B1 (ko) 와규의 친자 감별을 위한 유전자 조성물
CN113832239B (zh) 牛mc1r基因型快速鉴定方法及其应用
KR101972107B1 (ko) Ap1ar 유전자 유래의 유전체 각인 판별용 snp 마커 및 이를 이용한 유전체 각인 판별 방법
KR101929340B1 (ko) 단일염기다형성 분석을 이용한 서양종꿀벌 계통 판별용 프라이머 세트 또는 이를 함유하는 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20080307

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080321

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110823

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111004

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111025

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4872084

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150