JP4861151B2 - 銅合金板の冷間調質圧延方法 - Google Patents
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つまり放熱板は、セラミックスを主体とする基板(たとえばDBA基板)と同等の低い熱膨張率を有する素材を使用する必要がある。さらに、熱を放散する機能を果たすために高い熱伝導率を有することが求められる。したがって放熱板の素材は、低熱膨張率と高熱伝導率とを両立させなければならない。
特許文献2には、SiC−Al,Cu2O−Cu等のセラミックス−金属系複合材料が開示されている。これらは熱膨張率が低いセラミックスと、熱伝導率が高い金属とを併用したものである。しかしながらセラミックスは変形し難く切削加工も難しいので、放熱板を所定の形状に加工するのは困難である。
Cr−Cu系の銅合金板の熱膨張率αALLOYは、下記の(1)式に示す複合則で算出される(特許文献3参照)。この(1)式によれば、Cr−Cu系の銅合金板にて放熱板として使用する際に要求される低い熱膨張率(すなわち13×10-6K-1以下)を得るためのCr含有量がVCR値から算出でき、その計算値は40質量%以上となる。そのようなCrを40質量%以上含有する銅合金を製造するにあたって、従来のようなアーク溶解法を採用すると、銅合金板の製造コストの上昇を招く。
αALLOY:銅合金板の熱膨張率
αCR :Crの熱膨張率
αCU :Cuの熱膨張率
VCR :Cr相の体積分率
そこで本発明では粉末冶金法を採用する。その粉末冶金法の原料粉は、
(a)Cr粉
(b)Cr粉とCu粉の混合粉
に大別される。いずれの原料粉も型枠に充填して成形するが、加圧成形は行なわなくても良い。
不可避的不純物は、銅合金板の加工性改善の観点から、可能な限り低減することが好ましい。特にOが銅合金板の加工性に多大な影響を及ぼすので、O含有量は0.01質量%以下が好ましい。
第1圧下スケジュールに引き続き、圧延ロールのロール間隔を第1圧下スケジュールより減少して銅合金板に圧下をかけて減厚する冷間圧延を1回行なう。これを第2冷間圧延と記す。第2冷間圧延が終了した後、ロール間隔を変更せず、銅合金板の表層部に軽度の圧下をかける調質圧延を1回行なう。これを第2調質圧延と記す。第2調質圧延は2回以上繰り返しても良い。ただし第2調質圧延を2回以上繰り返す場合は、ロール間隔を変更せず、第2冷間圧延と同じロール間隔で行なう。
これらの第1圧下スケジュールと第2圧下スケジュールを行なった後、さらに第3圧下スケジュールを行なっても良い。
第3圧下スケジュールを行なう場合は、第2圧下スケジュールに引き続き、圧延ロールのロール間隔を第2圧下スケジュールより減少して銅合金板に圧下をかけて減厚する冷間圧延を1回行なう。これを第3冷間圧延と記す。第3冷間圧延が終了した後、ロール間隔を変更せず、銅合金板の表層部に軽度の圧下をかける調質圧延を1回行なう。これを第3調質圧延と記す。第3調質圧延は2回以上繰り返しても良い。ただし第3調質圧延を2回以上繰り返す場合は、ロール間隔を変更せず、第3冷間圧延と同じロール間隔で行なう。
第1圧下スケジュールでは、ロール間隔を4.8mmに設定して第1冷間圧延(1回)を行ない、さらにロール間隔を変更せず第1調質圧延(1回)を行なった。引き続き、ロール間隔を4.6mmに変更して第2冷間圧延(1回)と第2調質圧延(1回)を行なった(すなわち第2圧下スケジュール)。
次に、ロール間隔を1.9mmに設定して第N冷間圧延(1回)を行ない、さらにロール間隔を変更せず第N調質圧延(2回)を行なった(すなわち第N圧下スケジュール)。引き続き、ロール間隔を1.8mmに変更して第N+1冷間圧延(1回)と第N+1調質圧延(2回)を行なった(すなわち第N+1圧下スケジュール)。なお、Nは整数である。
以上を発明例とする。
一方、比較例として、発明例と同じ方法で銅合金板を作製し、発明例と同じ2ロール圧延機を用いて冷間圧延のみを行なった。すなわち、ロール間隔を4.8mmに設定して第1冷間圧延(1回)を行ない、引き続きロール間隔を4.6mmに変更して第2冷間圧延(1回)を行なった。その後、ロール間隔が2mmになるまで、ロール間隔を0.2mmずつ減少して第3冷間圧延以降の冷間圧延を1回ずつ行なった。ロール間隔を2mmとした圧下スケジュールを終了した後の銅合金板の板厚は2.5mmであった。
発明例で得られた銅合金板(板厚0.8mm)の写真を図1に示し、比較例で得られた銅合金板(板厚0.8mm)の写真を図2に示す。図1から明らかなように、発明例では平坦かつ平滑な表面を有する銅合金板が得られた。図1は冷間調質圧延が終了した状態を撮影したものであり、そのまま放熱板の製造工程へ供給して切断加工やプレス加工を支障なく行なうことが可能である。
図1と図3を比べて見ると、発明例(すなわち図1)の表面性状は、比較例(すなわち図3)より優れている。
Claims (2)
- 圧延ロールのロール間隔を所定の値に設定して、Cr:30質量%超え80質量%以下を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金板に減厚を施す第1冷間圧延を1回行なった後、前記第1冷間圧延と同じロール間隔で第1調質圧延を1回以上行なう第1圧下スケジュールと、次にロール間隔を減少して前記銅合金板に減厚を施す第2冷間圧延を1回行なった後、前記第2冷間圧延と同じロール間隔で第2調質圧延を1回以上行なう第2圧下スケジュールとを行なうことを特徴とする銅合金板の冷間調質圧延方法。
- 前記ロール間隔が同一である冷間圧延と調質圧延とを組み合わせた圧下スケジュールを、3組以上行なうことを特徴とする請求項1に記載の銅合金板の冷間調質圧延方法。
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