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JP6151813B1 - ベーパチャンバーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接合工程を経ても筐体の軟化やクリープによる変形が発生しにくく、十分な強度と伝熱性能を持たせることができるベーパチャンバーの製造方法を提供する。また、接合工程を経ても筐体において結晶粒の過度の粗大化が生じないようにする。【解決手段】複数の部品によりベーパチャンバーを組み立てた後、650℃以上に加熱するプロセスを経て前記部品同士を接合し、ベーパチャンバーを製造する方法において、前記のうちベーパチャンバーの筐体を構成する部品2,3が析出硬化型銅合金からなり、接合後のベーパチャンバーの筐体に塑性加工を加えることなく、前記析出硬化型銅合金を時効処理して析出硬化させる。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の部品を接合してベーパチャンバー(平板状ヒートパイプ)を製造する方法に関する。
デスク型PC、ノート型PC、タブレット端末、スマートフォンに代表される携帯電話等に搭載されるCPUの動作速度の高速化や高密度化が急速に進展し、これらのCPUからの単位面積当たりの発熱量が一段と増大している。CPUの温度が一定以上の温度に上昇すると、誤作動、熱暴走などの原因となるため、CPU等の半導体装置からの効果的な放熱は切実な問題となっている。
半導体装置の熱を吸収し、大気中に放散させる放熱部品としてヒートシンクが使われている。ヒートシンクには高熱伝導性が求められることから、素材として熱伝導率の大きい銅、アルミニウムなどが用いられる。デスク型PCにおいては、CPUの熱をヒートシンクに設置した放熱フィンなどに伝え、デスク型PC筐体内に設置した小型ファンで抜熱する方法が用いられている。
しかし、ファンを設置するスペースのないノート型PC、タブレット端末等においては、限られた面積でより高い熱輸送能力を持つ放熱部品として、ベーパチャンバー(平板状ヒートパイプ)が用いられるようになってきた。ヒートパイプは、内部に封入した冷媒の蒸発(CPUからの吸熱)と凝縮(吸収した熱の放出)が循環的に行われることにより、ヒートシンクに比べて高い放熱特性を発揮する。また、ヒートパイプをヒートシンクやファンといった放熱部品と組合せることにより、半導体装置の発熱問題を解決することが提案されている。
ベーパチャンバーは、管状ヒートパイプの放熱性能を更に向上させたものである(特許文献1〜4参照)。ベーパチャンバーとして、冷媒の凝縮と蒸発を効率的に行うために、管状ヒートパイプと同様に、内面に粗面化加工、溝加工、粉末焼結による微細孔を形成したもの等が提案されている。
また、ベーパチャンバーとして、外部部材(筐体)と、外部部材の内部に収容固定される内部部材とより構成されたものが提案されている。内部部材は、冷媒の凝縮、蒸発、輸送を促進するために、外部部材の内部に一又は複数配置されるもので、種々の形状のフィン、突起、穴、スリット等が加工されている。この形式のベーパチャンバーは、内部部材を外部部材の内部に配置した後、ろう付け、拡散接合等の方法により外部部材同士及び外部部材と内部部材を接合一体化することにより製造される。ベーパチャンバーは、内部に冷媒を入れた後、ろう付け等の方法により封止される。
ベーパチャンパーの製造方法について、矩形の上板部材と下板部材の片面に複数の溝、凹凸等のパターンを形成し、前記パターン形成面を内側にして上板部材と下板部材を接合し、ベーパチャンバーを製造する場合を例に、図1を参照して具体的に説明する。前記上板部材と下板部材はベーパチャンバーの筐体を構成する部品であり、このベーパチャンバーには内部部材が含まれない。
(1)ベーパチャンバーの筐体の素材として、一般に、無酸素銅、りん脱酸銅などの純銅系の条材が用いられている。純銅系条材より切出した矩形の板材(上板部材と下板部材)の片面に複数の溝、凹凸等のパターンを形成する。図1Aに、パターン1(斜線部分)が形成された上板部材2(又は下板部材3)を示す。
(2)パターン1を形成する手段として、エッチング加工又は金型を用いたプレス加工が利用される。エッチング加工の場合、上板部材2又は/及び下板部材3の片面のエッチング予定部分のみ露出させ、塩化第2鉄溶液を含むエッチング液で前記エッチング予定部分の銅を溶解させ、所定のパターンを形成する。プレス加工の場合、上板部材2又は/及び下板部材3の片面に金型の表面性状を転写し、所定形状のパターンを形成する。
(3)上板部材2又は/及び下板部材3のパターン形成面を内側にして、上板部材2と下板部材3を重ね合わせ(図1B)、その状態で接合する。この接合は、拡散接合又はろう付けで行われる。なお、上板部材2と下板部材3の間にノズル(細径管)4が嵌め込まれ、このノズル4も接合される。
(4)拡散接合の場合、図1Cに示すように、上板部材2と下板部材3の間に数Nの荷重を掛けて加圧し(白抜き矢印参照)、真空又は不活性雰囲気下で通常800℃以上の温度に加熱し、その温度に30分以上保持する。このため、材料の軟化、結晶粒の粗大化、加圧によるクリープ変形等による寸法変化が発生する。この材料の強度低下及び寸法変化を見越して、拡散接合前の板厚(パターン1が形成された部分及びその他の部分の両方で)を設定しておく必要がある。拡散接合では、各部材間でCu原子が相互に固相拡散して、各部材(上板部材2、下板部材3及びノズル4)が一体化する。
(5)ろう付けによる接合の場合、還元性雰囲気又は非酸化性雰囲気下で加熱し、銀ろう(BAg)、りん銅ろう(BCuP)などを用いてろう付けする。通常、ろう付け箇所は、銀ろうを用いる場合は650℃以上、りん銅ろうを用いる場合は750℃以上に加熱される。ろう付け方法として、差しろう付け(手ろう付けの一種)又は置きろう付け(炉中ろう付けの一種)が適用されているが、いずれのろう付け方法においても、ベーパチャンバーの内部が酸化しないよう、ろう付け雰囲気を制御する必要がある。なお、手ろう付けの場合、高温に加熱される時間は短いが、ベーパチャンバーは質量が小さく熱伝導性がよいため、全体がろう付け温度まで温度上昇し、軟化してしまう。炉中ろう付けの場合、雰囲気の制御には有利であるが、ベーパチャンバーが高温に保持される時間が長くなり、材料全体の軟化の程度は手ろう付けより大きくなる。
(6)ベーパチャンバー製造後(接合後)、真空又は減圧雰囲気において、ノズル4を通してベーパチャンバーの内部に作動流体(水等)を入れ、ノズル4を封止する。
特開2004−238672号公報 特開2007−315745号公報 特開2014−134347号公報 特開2015−121355号公報
ベーパチャンバ−の製造(接合)において、ベーパチャンバーを構成する部品は最低でも650℃以上の温度に加熱されるため、耐熱性の低い純銅系の材料からなる場合、容易に軟化する。ベーパチャンバーの筐体を構成する部品(先の例では上板部材2と下板部材3)が軟化すると、ベーパチャンバーを輸送し、ハンドリングし、又は半導体装置へ取り付けるときなどに変形しやすい。その場合、ベーパチャンバーの内部に形成したパターンの形状や寸法が変化し、あるいはベーパチャンバーの筐体にできたくぼみ等により半導体装置との間に隙間が発生し、所期の伝熱性能を発揮できなくなる。
また、拡散接合工程において、ベーパチャンバーの筐体が接合部に掛かる加圧力により変形する。具体的には、図2A,2Bに示すように、上板部材2と下板部材3の接合部が加圧力(白抜き矢印参照)によりクリープ変形し、肉厚が減少(t→t)する。また、上板部材2と下板部材3は加熱により膨張して左右方向に伸びようとし、一方、接合部は加圧力により左右方向の動きが拘束されているから、上板部材2と下板部材3の肉厚の薄い部分が内向きにたわんでしまう。その結果、ベーパチャンバーの寸法精度も低下して、軟化による上記問題がより深刻になる。
さらに、純銅系の材料は650℃以上の温度に加熱されたとき結晶粒が粗大化しやすく、板厚を貫通する(板厚より結晶粒径が大きい)ほど結晶粒の粗大化が進むこともある。その場合、はんだ濡れ広がりが阻害されたり、ベーパチャンバーの使用時に、蒸発、凝縮により繰返される内圧変動(筐体に応力が付加される)に伴う疲労現象により粒界割れが生じ、その結果、リークが発生したり、粒界において耐食性が低下することが指摘されている。
本発明は、ベーパチャンバーを製造する際の上記問題を解決し、接合工程を経ても筐体の軟化やクリープ変形等による寸法変化が発生しにくく、十分な強度と伝熱性能を持たせることができるベーパチャンバーの製造方法を提供することを主たる目的とする。また、接合工程を経ても筐体において結晶粒の過度の粗大化が生じないようにすることを他の目的とする。
本発明に係るベーパチャンバーの製造方法は、複数の部品によりベーパチャンバーを組み立てた後、650℃以上に加熱するプロセスを経て前記部品同士を接合し、ベーパチャンバーを製造する方法において、前記部品のうちベーパチャンバーの筐体を構成する部品が析出硬化型銅合金からなり、接合後のベーパチャンバーの筐体に塑性加工を加えることなく、前記析出硬化型銅合金を時効処理して析出硬化させることを特徴とする。なお、本発明には、前記部品がベーパチャンバーの筐体を構成する部品のみからなる場合と、さらに他の部品(前記内部部材)が含まれる場合がある。
析出硬化型銅合金としては、それ自体公知のCu−Ni−Si系、Cu−Fe−P系、Cu−Fe−Ni−P系、Cu−Cr系及びCu−Cr−Zr系等の各銅合金が挙げられる。
本発明によれば、筐体の素材として析出硬化型銅合金を用いることにより、純銅系材料を用いた従来のベーパチャンバーに比べ、接合工程を経ても筐体の軟化やクリープ変形等による寸法変化が発生しにくい。また、接合工程直後は筐体の強度及び導電率が低下しているが、続いて時効処理(析出硬化処理)を行うことで、筐体の強度及び導電率(熱伝導率)が回復(向上)する。このため、伝熱性能の低下を抑え、より高い強度を持つベーパチャンバーを製造することができ、素材のさらなる薄肉化も可能である。
また、本発明によれば、筐体の素材として析出硬化型銅合金を用いることにより、純銅系材料を用いた従来のベーパチャンバーに比べ、筐体の結晶粒の粗大化が抑制される。このため、ベーパチャンバーの使用時の耐リーク性や耐食性が改善され、はんだ濡れ広がり性も改善される。
ベーパチャンバーの製造方法(接合方法)を説明するもので、パターン形成した筐体部品(上板部材又は下板部材)の斜視図(1A)、接合のため重ね合わせた上板部材と下板部材の断面図(1B)、及びベーパチャンバーの拡散接合時の断面図(1C)である。 ベーパチャンバーの拡散接合時の上板部材と下板部材の変形の様子を説明するもので、拡散接合の開始時の断面図(2A)、及び終了時の断面図(2B)である。 代表的な析出硬化型銅合金のFe、Sn含有量の範囲を示す図である。
以下、本発明に係るべーパチャンバーの製造方法について、より詳細に説明する。
ベーパチャンバーの筐体に適用される好ましい析出硬化型銅合金として、それ自体公知のCu−Fe−P系、Cu−(Ni,Co)−Si系、Cu−(Ni,Co)−P系、Cu−Cr系及びCu−Cr−Zr系の各銅合金が挙げられる。これらの析出硬化型銅合金は、高温加熱下(ベーパチャンバーの接合工程)において軟化の程度が従来材である純銅に比べて小さく、高温加熱後の結晶粒の粗大化も従来材である純銅に比べて抑制される。また、これらの析出硬化型銅合金は、高温加熱後に塑性加工を加えることなく(析出サイトとなる塑性歪みを材料中に導入することなく)時効処理した場合でも、強度及び導電率が回復(向上)する。ベーパチャンバーの筐体は接合工程後に塑性加工が加えられることがないが、これらの析出硬化型銅合金を用いることにより、接合工程後に塑性加工を加えなくても、時効処理後に高い強度(50MPa以上)及び導電率(25%IACS以上)を有するようになる。
接合工程後(高温加熱後)の時効処理(析出硬化処理)は、例えば以下の方法で実施できる。時効処理の条件(析出温度範囲、保持時間)については、各合金系ごとに後述する。
(1)接合後のベーパチャンバーが冷却した後、ベーパチャンバー全体を析出硬化型銅合金の析出温度範囲に再加熱し、同温度範囲内に一定時間保持して析出硬化させる。この場合、接合後のベーパチャンバーがまだ高温である間に水冷等で急冷し、あるいは接合後のベーパチャンバーを溶体化温度に再加熱後急冷して、析出硬化型銅合金を予め溶体化しておくことが好ましい。
(2)接合後のベーパチャンバーを、高温からの冷却途中で析出温度範囲に一定時間保持し、析出硬化型銅合金を析出硬化させる。ベーパチャンバーは、前記析出温度範囲内の一定温度に保持しても、前記析出温度範囲内で冷却を続けてもよい。
(3)上記(2)の工程後、さらに上記(1)の再加熱を行い、析出硬化型銅合金を析出硬化させる。
次に、各合金系について説明する。
(Cu−Fe−P系)
(1)Cu−Fe−P系の銅合金の例として、Fe:0.07〜0.7質量%、P:0.2質量%以下を含有する銅合金を挙げることができる。この銅合金の基本組成はFe及びP以外はCu及び不可避不純物からなり、必要に応じて後述する合金元素を含む。
この銅合金の場合、高温加熱(ベーパーチャンバーの接合工程)後に時効処理を行うことで、0.2%耐力値が100MPa以上、及び導電率が50%IACS以上(合金元素としてSnを含む場合、45%IACS以上)を達成できる。また、Fe含有量を0.25質量%以上とすることにより、高温加熱(ベーパーチャンバーの接合工程)後の平均結晶粒径を50μm以下に抑えることができる。時効処理は、350〜600℃の温度範囲で5分〜10時間保持する条件が挙げられる。
この銅合金において、FeはFe単体として又はFe−P化合物として析出し、時効処理後の銅合金板の強度及び導電率を向上させる作用を有する。Fe−P化合物として析出しないFeがFe単体として析出し、特にFe含有量が0.4質量%以上のとき、Fe単体として析出するFeの量が増加する。Fe含有量が0.07質量%未満では、高温加熱及び時効処理後の0.2%耐力が不足し、Fe含有量が0.7質量%を超えると、高温加熱及び時効処理後の導電率が向上しない。従って、Fe含有量は0.07〜0.7質量%とする。Fe含有量の下限は好ましくは0.15質量%であり、上限は好ましくは0.65質量%である。
Pは、脱酸作用により銅合金に含まれる酸素量を低減し、ベーパチャンバーを水素を含む還元雰囲気で加熱したときの水素脆性を防止する作用を有する。また、固溶したPは析出温度に加熱することにより、Fe−P化合物を形成して銅合金の強度、耐熱性、及び導電率を向上させる。Fe−P化合物を析出させるには、P含有量は0.005質量%以上必要である。しかし、Pの含有量が0.2質量%を超えると、鋳塊を熱間圧延するときに割れが発生し、その後の加工ができなくなることから、P含有量の上限値は0.2質量%とする。
上記作用のため、Pの含有量はある程度必要とされるが、その一方で、Fe−P化合物の析出に寄与しないPの含有量は、水素脆性を防止できる範囲でなるべく少ないことが好ましい。この点から、Feの含有量(質量%)とPの含有量(質量%)の比[Fe]/[P]が、2〜5の範囲内であることが好ましい。[Fe]/[P]の下限値は、より好ましくは2.5、さらに好ましくは3.0、[Fe]/[P]の上限値は、より好ましくは4.5、さらに好ましくは4.0である。
上記銅合金は、必要に応じて、下記(a)〜(c)に示す合金元素(又は合金元素群)の1種又は2種以上を、高温加熱及び時効処理後の導電率を損なわない範囲内において含む。(a)Sn:0.006〜1.1質量%、(b)Zn:1.5質量%以下、(c)Mn:0.1質量%以下、Mg:0.2質量%以下、Si:0.2質量%以下、Al:0.2質量%以下、Cr:0.2質量%以下、Ti:0.1質量%以下、Zr:0.05質量%以下のうち1種又は2種以上を合計で0.5質量%以下。
Snは、銅合金の強度を向上させる作用を有する。上記銅合金がSnを含む場合、Fe、Sn含有量は、図3に示す点A(0.1,0.006)、点B(0.5,0.006)、点C(0.05,1.1)、点D(0.05,0.05)で囲まれる範囲内(境界線上を含む)とする。この場合のFe含有量の下限値は、好ましくは0.07質量%、より好ましくは0.15質量%である。また、Sn含有量の下限値は、好ましくは0.01質量%、より好ましくは0.02質量%、上限値は、好ましくは0.5質量%、より好ましくは0.4質量%である。
Znは、銅合金のはんだ耐熱剥離性及びSnめっき耐熱剥離性を改善する作用を有する。しかし、Znの含有量が1.5質量%を超えると、はんだ濡れ性が低下し、導電率も低下するため、Znの含有量は1.5質量%以下とする。Znの含有量の上限値は0.7質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましい。一方、耐熱剥離性の改善のためには、Znの含有量の下限値は0.01質量%が好ましく、0.05質量%がより好ましく、0.1質量%がさらに好ましい。
Mn、Mg、Si、Al、Cr、Ti、Zrは、銅合金の強度及び耐熱性を向上させる作用を有する。Mn、Mg、Si、Alは、少量含有させても銅合金の導電率を低下させることから、それぞれ上限値を、Mn:0.1質量%、Mg:0.2質量%、Si:0.2質量%、Al:0.2質量%とする。Cr、Ti、Zrは、数μm〜数10μm程度の酸化物系、硫化物系などの介在物を形成しやすく、冷間圧延により前記介在物と母材の間に隙間ができ、前記介在物が表面に存在したとき銅合金の耐食性を低下させる。従って、Cr、Ti、Zrの上限値は、Cr:0.2質量%、Ti:0.1質量%、Zr:0.05質量%とする。また、Mn、Mg、Si、Al、Cr、Ti、Zrのうち複数種類の元素が銅合金に含まれ、その合計含有量が0.5質量%を超えると、銅合金の導電率が低下する。従って、これらの元素の合計含有量は0.5質量%以下とする。一方、これらの元素の1種又は2種以上の合計含有量の下限値は、好ましくは0.01質量%、より好ましくは0.02質量%、さらに好ましくは0.03質量%である。
上記組成の銅合金(条)は、例えば、鋳塊を熱間圧延した後、冷間圧延と熱処理(時効処理)を1回又は2回以上繰り返すことで製造される。以下の条件で製造した銅合金は、0.2%耐力が150MPa以上、伸びが5%以上、及び優れた曲げ加工性を有する。また、高温加熱(850℃×30分)後に、40MPa以上の0.2%耐力を有し、次いで時効処理した後、100MPa以上の0.2%耐力、50%IACS以上(Snを含む場合は45%IACS以上)の導電率を有するようになる。さらに、高温加熱(850℃×30分)による結晶粒の粗大化が抑制され、高温加熱後の平均結晶粒径が50μm以下に抑えられる。
溶解、鋳造は、連続鋳造、半連続鋳造などの通常の方法によって行うことができる。なお、銅溶解原料として、S、Pb、Bi、Se、Asの含有量の少ないものを使用することが好ましい。また、銅合金溶湯に被覆する木炭の赤熱化(水分除去)、地金、スクラップ原料、樋、鋳型の乾燥及び溶湯の脱酸等に注意し、O、Hを低減することが好ましい。
鋳塊に対し均質化処理を行うことが好ましく、均質化処理は、鋳塊内部の温度が800℃到達後、30分以上保持することが好ましい。均質化処理の保持時間は1時間以上がより好ましく、2時間以上がさらに好ましい。
均質化処理後、熱間圧延を800℃以上の温度で開始する。熱間圧延材に粗大なFe、又はFe−P析出物が形成されないように、熱間圧延は600℃以上の温度で終了し、その温度から水冷等の方法により急冷することが好ましい。熱間圧延後の急冷開始温度が600℃より低いと、粗大なFe−P析出物が形成され、組織が不均一になりやすく、銅合金板(製品板)の強度が低下する。
熱間圧延後は、(a)熱間圧延材を製品厚さまで冷間圧延し、時効処理する、(b)熱間圧延材を冷間圧延及び時効処理し、さらに製品厚さまで冷間圧延する、又は(c)前記(b)の後に低温焼鈍(延性の回復)を行う。
時効処理(析出処理)は、加熱温度300〜600℃程度で0.5〜10時間保持する条件で行う。この加熱温度が300℃未満では析出量が少なく、600℃を超えると析出物が粗大化しやすい。加熱温度の下限は、好ましくは350℃とし、上限は好ましくは580℃とする。時効処理の保持時間は、加熱温度により適宜選択し、0.5〜10時間の範囲内で行う。この保持時間が0.5時間以下では析出が不十分となり、10時間を越えても析出量が飽和し、生産性が低下する。保持時間の下限は、好ましくは1時間、より好ましくは2時間とする。
(2)Cu−Fe−P系の別の例として、Fe:1.0〜2.4質量%、P:0.005〜0.1質量%以下を含有する銅合金を挙げることができる。この銅合金の基本組成はFe及びP以外はCu及び不可避不純物からなり、必要に応じて後述する合金元素を含む。
この銅合金の場合、高温加熱(ベーパーチャンバーの接合工程)後に時効処理を行うことで、0.2%耐力値が110MPa以上、及び導電率が50%IACS以上を達成できる。また、高温加熱(ベーパーチャンバーの接合工程)後の平均結晶粒径を50μm以下に抑えることができる。時効処理は、350〜600℃の温度範囲で5分〜10時間保持する条件が挙げられる。
この銅合金において、Feは、Fe単体又はPと化合物を形成して析出し、時効処理後の銅合金板の強度及び導電率を向上させる作用を有する。しかし、Fe含有量が1.0質量%未満では、高温加熱及び時効処理後の0.2%耐力が不足する。一方、Fe含有量が2.4質量%を超えると、高温加熱及び時効処理後の強度の向上割合が飽和し、また、溶解鋳造工程で粗大なFe晶出物が形成され、その後の加工工程で消滅させることが難しい。粗大なFe晶出物は耐食性、曲げ加工性、めっき性等を低下させる。従って、Fe含有量は1.0〜2.4質量%とする。Fe含有量の下限は好ましくは1.2質量%であり、上限は好ましくは2.2質量%である。
Pは、脱酸作用により銅合金に含まれる酸素量を低減し、放熱部品を水素を含む還元雰囲気で加熱したときの水素脆性を防止する作用を有する。水素脆化防止のために必要なP含有量は0.005質量%以上である。また、固溶したPは銅合金の導電率を低下させるが、析出温度に加熱することによりFe−P化合物を形成し、これにより銅合金の強度、耐熱性、及び導電率が向上する。しかし、Pの含有量が0.1質量%を超えると固溶するPの量が増加し、導電率が低下する。このため、Pの含有量は0.005〜0.1質量%とする。
上記銅合金は、必要に応じて、下記(a)〜(c)に示す合金元素(又は合金元素群)の1種又は2種以上を、高温加熱及び時効処理後の導電率を損なわない範囲内において含む。(a)Zn:2.0質量%以下、(b)Sn:0.005〜0.5質量%、(c)Mn、Mg、Si、Al、Cr、Ti、Zr、Ni、Coのうち1種又は2種以上を合計で0.5質量%以下。
Znは、前記(1)に記載した銅合金におけるZnと同じ理由で、必要に応じて添加される。Znの含有量の上限値は0.7質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましい。また、一方、Zn含有量の下限値は0.01質量%が好ましく、0.05質量%がより好ましく、0.1質量%がさらに好ましい。
Snは銅合金母相に固溶して銅合金の強度を向上させる作用を有する。また、Snの添加は耐応力緩和特性の向上にも有効である。ベーパチャンバーの使用環境が80℃又はそれ以上となると、筐体にクリ−プ変形が生じてCPU等の熱源との接触面が小さくなり、放熱性が低下するが、耐応力緩和特性を向上させることで、この現象を抑制できる。強度及び耐応力緩和特性の向上の効果を得るため、Sn含有量は0.005質量%以上とし、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上とする。一方、Snの含有量が0.5質量%を超えると、高温加熱及び時効処理後の銅合金板の導電率が低下する。従って、Snの含有量は0.5質量%以下とする。
Mn、Mg、Si、Al、Cr、Ti、Zr、Ni、Coは、銅合金の強度及び耐熱性を向上させる作用を有するため、これらの1種又は2種以上が必要に応じて添加される。しかし、これらの元素の1種又は2種以上の合計含有量が0.5質量%を超えると導電率が低下する。これらの元素の1種又は2種以上の合計含有量の下限値は、好ましくは0.01質量%、より好ましくは0.02質量%、さらに好ましくは0.03質量%である。
上記組成の銅合金(条)は、例えば、前記(1)の銅合金と同じ製造方法で製造することができる。この製造方法で製造した銅合金は、0.2%耐力が150MPa以上、伸びが5%以上、及び優れた曲げ加工性を有する。また、高温加熱(850℃×30分)後に、40MPa以上の0.2%耐力を有し、次いで時効処理した後、110MPa以上の0.2%耐力、50%IACS以上の導電率を有するようになる。また、高温加熱(850℃×30分)による結晶粒の粗大化が抑制され、高温加熱後の平均結晶粒径が50μm以下に抑えられる。
(Cu−(Ni,Co)−Si系)
Cu−(Ni,Co)−Si系の銅合金の例として、NiとCoの1種又は2種を1.0〜4.0質量%、及びSiを0.2〜1.2質量%含有し、NiとCoの合計含有量とSiの含有量の比[Ni+Co]/[Si]が3.5〜5の範囲の銅合金を挙げることができる。この銅合金の基本組成はNi又は/及びCoとSi以外はCu及び不可避不純物からなり、必要に応じて後述する合金元素を含む。
この銅合金の場合、高温加熱(ベーパチャンバーの接合工程)後に時効処理を行うことで、0.2%耐力値が300MPa以上、及び導電率が25%IACS以上を達成できる。時効処理は、350〜600℃の温度範囲で5分〜10時間保持する条件が挙げられる。
この銅合金において、Ni及びSiは、NiSi析出物を生成し、銅合金の強度を向上させる。しかし、Ni含有量が1.0質量%未満又はSi含有量が0.2質量%未満では、その効果が少ない。一方、Ni含有量が4.0質量%を超え又はSi含有量が1.2質量%を超えると、鋳造時にNi又はSiが晶出又は析出し、熱間加工性が低下する。従って、Ni含有量は1.0〜4.0質量%、Si含有量は0.2〜1.2質量%とする。Ni含有量の下限値は、好ましくは1.1質量%、上限値は好ましくは3.9質量%である。
この銅合金において、Niの一部又は全部をCoに代えることができる。
いずれにしても、NiとCoの合計含有量[Ni+Co]とSi含有量[Si]の比[Ni+Co]/[Si]が3.5未満又は5を超える場合、過剰となったNi(及び/又はCo)又はSiが固溶して、導電率が低下する。従って、前記含有量比[Ni+Co]/[Si]は3.5〜5とする。
上記銅合金は、必要に応じて、下記(a)〜(c)に示す合金元素(又は合金元素群)の1種又は2種以上を、高温加熱及び時効処理後の導電率を損なわない範囲内において含む。(a)Sn:0.005〜1.0質量%又は/及びMg:0.005〜0.2質量%、(b)Zn:2.0質量%、(c)Al、Mn、Cr、Ti、Zr、Fe、P、Agのうち1種又は2種以上を合計で0.5質量%以下。
Snは銅合金母相に固溶して銅合金の強度を向上させる作用を有する。また、Snの添加は耐応力緩和特性の向上にも有効である。ベーパチャンバーの使用環境が80℃又はそれ以上となると、筐体にクリ−プ変形が生じてCPU等の熱源との接触面が小さくなり、放熱性が低下するが、耐応力緩和特性を向上させることで、この現象を抑制できる。強度及び耐応力緩和特性の向上の効果を得るため、Sn含有量は0.005質量%以上とし、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上とする。一方、Sn含有量が1.0質量%を超えると、銅合金板の曲げ加工性を低下させ、かつ時効処理後の導電率を低下させる。従って、Sn含有量は1.0質量%以下とし、好ましくは0.6質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下とする。
Mgは、Snと同様に、銅合金母相に固溶して銅合金の強度及び耐応力緩和特性を向上させる作用を有する。強度及び耐応力緩和特性の向上の効果を得るため、Mg含有量は0.005質量%以上とする。一方、Mg含有量が0.2質量%を超えると、銅合金の曲げ加工性を低下させ、かつ時効処理後の導電率を低下させる。従って、Mg含有量は0.2質量%以下とし、好ましくは0.15質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下とする。
Znは、銅合金のはんだ耐熱剥離性及びSnめっき耐熱剥離性を改善する作用を有する。しかし、Znの含有量が2.0質量%を越えると、はんだ濡れ性が低下するため、Znの含有量は2.0質量%以下とする。Znの含有量の上限値は0.7質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。一方、Zn含有量が0.01質量%未満では、耐熱剥離性の改善には不十分であり、Znの含有量は0.01質量%以上であることが好ましい。Zn含有量の下限値は0.05質量%がより好ましく、0.1質量%がさらに好ましい。
Al、Mn、Cr、Ti、Zr、Fe、P、Agは、銅合金の強度及び耐熱性を向上させる作用を有する。しかし、これらの元素の1種又は2種以上の合計含有量が0.5質量%を超えると導電率が低下する。これらの元素の1種又は2種以上の合計含有量の下限値は、好ましくは0.01質量%、より好ましくは0.02質量%、さらに好ましくは0.03質量%である。
上記組成の銅合金(条)は、標準的な製造方法として、鋳塊を均熱処理し、熱間圧延した後、冷間圧延、溶体化を伴う再結晶処理、冷間圧延、析出処理の工程で製造される。以下の条件で製造した銅合金は、0.2%耐力が300MPa以上で、優れた曲げ加工性を有する。また、高温加熱(850℃×30分)後に時効処理を行うことで、300MPa以上の0.2%耐力、25%IACS以上の導電率を有するようになる。
溶解、鋳造及び均質化処理は、Cu−Fe−P系の銅合金と同様に行われる。
均質化処理後、熱間圧延を800℃以上の温度で開始する。熱間圧延材に粗大な(Ni,Co)−Si析出物が形成されないように、熱間圧延は600℃以上の温度で終了し、その温度から水冷等の方法により急冷することが好ましい。熱間圧延後の急冷開始温度が600℃より低いと、粗大な(Ni,Co)−Si析出物が形成され、組織が不均一になりやすく、銅合金(製品条)の強度が低下する。
熱間圧延後の冷間圧延により、銅合金に一定の歪みを加えることで、続く再結晶処理後に、所望の再結晶組織(微細な再結晶組織)を有する銅合金が得られる。この冷間圧延の加工率は、5〜35%とすることが好ましい。
溶体化を伴う再結晶処理は、650〜950℃、好ましくは670〜900℃で3分以下の保持の条件で行う。銅合金中のNi、Co、Siの含有量が少ない場合は,上記温度範囲内のより低温領域で、Ni、Co、Siの含有量が多い場合は、上記温度範囲内のより高温領域で行うことが好ましい。この再結晶処理により、Ni、Co、Siを銅合金母材に固溶させると共に、曲げ加工性が良好となる再結晶組織(結晶粒径が1〜20μm)を形成することができる。この再結晶処理の温度が650℃より低いと、Ni、Co、Siの固溶量が少なくなり、強度が低下する。一方、再結晶処理の温度が950℃を超え又は処理時間が3分を超えると、再結晶粒が粗大化する。
溶体化を伴う再結晶処理後は、(a)冷間圧延及び時効処理する、(b)冷間圧延及び時効処理後、さらに製品厚さまで冷間圧延する、又は(c)前記(b)の後に低温焼鈍(延性の回復)を行う。時効処理(析出処理)は、Cu−Fe−P系の銅合金と同様の条件で行えばよい。
(Cu−(Ni,Co)−P系)
Cu−(Ni,Co)−P系の銅合金の例として、Ni:0.2〜1.0質量%又は/及びCo:0.05〜1.0質量%と、P:0.03〜0.2質量%を含有する銅合金を挙げることができる。この銅合金の基本組成はNi又は/及びCoとP以外はCu及び不可避不純物からなり、必要に応じてFe及び後述するその他の合金元素を含む。この銅合金において、Ni、Co及びFeの合計含有量[Ni+Co+Fe]は0.3〜1.0質量%の範囲であり、Ni、Co及びFeの合計含有量とPの含有量との比[Ni+Co+Fe]/[P]が2〜10の範囲である。
この銅合金の場合、高温加熱(ベーパチャンバーの接合工程)後に時効処理を行うことで、0.2%耐力値が120MPa以上、導電率が40%IACS以上を達成できる。時効処理は、350〜600℃の温度範囲で5分〜10時間保持する条件が挙げられる。
Ni、Co、Feは、Pとの間にP化合物((Ni,Co,Fe)−P化合物)を生成し、銅合金の強度や耐応力緩和特性を向上させる。なお、上記(Ni,Co,Fe)−P化合物には、Ni−P、Co−P、Fe−P、及びFe,Ni、Coのうち2種以上を含むM−P化合物が含まれる。
Ni、Co、Feの合計含有量[Ni+Co+Fe]が0.3質量%未満、又はP含有量が0.03質量%未満では、P化合物の析出量が少なく、銅合金の強度や耐応力緩和特性を向上させる効果が少ない。一方、[Ni+Co+Fe]が1.0質量%を超え又はP含有量[P]が0.2質量%を超えると、粗大な酸化物、晶出物、析出物などが生成して熱間加工性が低下し、かつ銅合金の強度、耐応力緩和特性、曲げ加工性が低下する。また、Ni、Co、Fe、Pの固溶量が増え、銅合金の導電率が低下する。従って、[Ni+Co+Fe]は0.3〜1.0質量%、P含有量は0.03〜0.2質量%とする
また、Ni、Co、Feの個々の含有量が、それぞれ0.2質量%未満、0.05質量%未満、0.05質量%未満の場合、銅合金板の強度や耐応力緩和特性を向上させる効果が少ない。従って、Ni、Co、Feの含有量の下限値は、それぞれ0.2質量%、0.05質量%、0.05質量%とする。
Ni、Co及びFeの合計含有量とP含有量の比[Ni+Co+Fe]/[P]が、2未満又は10を超える場合、過剰となったNi、Co、Fe又はPが固溶して、導電率が低下する。従って、含有量比[Ni+Co+Fe]/[P]は2〜10とする。[Ni+Co+Fe]/[P]の下限値は好ましくは2.2、上限値は好ましくは9.5である。
上記銅合金は、必要に応じて、下記(a)〜(c)に示す合金元素(又は合金元素群)の1種又は2種以上を、高温加熱及び時効処理後の導電率を損なわない範囲内において含む。(a)Sn:0.005〜1.0質量%又は/及びMg:0.005〜0.2質量%、(b)Zn:1.0質量%以下、(c)Si、Al、Mn、Cr、Ti、Zr、Agのうち1種又は2種以上を合計で0.5質量%以下。
Snは銅合金母相に固溶して銅合金の強度を向上させる作用を有する。また、Snの添加は耐応力緩和特性の向上にも有効である。ベーパーチャンバーの使用環境が80℃又はそれ以上となると、筐体にクリ−プ変形が生じてCPU等の熱源との接触面が小さくなり、放熱性が低下するが、耐応力緩和特性を向上させることで、この現象を抑制できる。強度及び耐応力緩和特性の向上の効果を得るため、Sn含有量は0.005質量%以上とし、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上とする。一方、Sn含有量が1.0質量%を超えると、銅合金板の曲げ加工性を低下させ、かつ時効処理後の導電率を低下させる。従って、Sn含有量は1.0質量%以下とし、好ましくは0.6質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下とする。
Mgは、Snと同様に、銅合金母相に固溶して銅合金の強度及び耐応力緩和特性を向上させる作用を有する。強度及び耐応力緩和特性の向上の効果を得るため、Mg含有量は0.005質量%以上とする。一方、Mg含有量が0.2質量%を超えると、銅合金板の曲げ加工性を低下させ、かつ時効処理後の導電率を低下させる。従って、Mg含有量は0.2質量%以下とし、好ましくは0.15質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下とする。
Znは、銅合金のはんだ耐熱剥離性及びSnめっき耐熱剥離性を改善する作用を有する。しかし、Znの含有量が1.0質量%を越えると、はんだ濡れ性が低下するため、Znの含有量は1.0質量%以下とする。Znの含有量は0.7質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。一方、Zn含有量が0.01質量%未満では、耐熱剥離性の改善には不十分であり、Znの含有量は0.01質量%以上であることが好ましい。Zn含有量は0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましい。
Si、Al、Mn、Cr、Ti、Zr、Agは、銅合金の強度及び耐熱性を向上させる作用を有する。しかし、これらの元素の含有量が多いと銅合金の導電率が低下するため、これらの元素の1種又は2種以上の合計含有量は0.5質量%以下に制限される。これらの元素の1種又は2種以上の合計含有量の下限値は、好ましくは0.01質量%、より好ましくは0.02質量%、さらに好ましくは0.03質量%である。
上記組成の銅合金(条)は、標準的な製造方法として、鋳塊を均熱処理し、熱間圧延した後、冷間圧延、溶体化を伴う再結晶処理、冷間圧延、析出処理の工程で製造される。各工程の条件は、Cu−(Ni,Co)−Si系の銅合金と同様の条件で行えばよい。この条件で製造した銅合金は、0.2%耐力が300MPa以上で、優れた曲げ加工性を有する。また、高温加熱(850℃×30分)後に時効処理を行うことで、120MPa以上の0.2%耐力、40%IACS以上の導電率を有するようになる。
(Cu−Cr系)
Cu−Cr系の銅合金の例として、Cr:0.15〜0.6質量%を含み、Si:0.005〜0.15質量%とTi:0.005〜0.15質量%の1種又は2種を合計で0.01〜0.3質量%含む銅合金を挙げることができる。この銅合金の基本組成はCrと、Si又は/及びTi以外はCu及び不可避不純物からなり、必要に応じて後述する合金元素を含む。
この銅合金は、高温加熱(ベーパーチャンバーの接合工程)後に塑性加工を行うことなく時効処理を行った場合、強度と導電率を回復させることができるが、その回復量は前述の析出硬化型銅合金より小さい。それでも、0.2%耐力値が60MPa以上、及び導電率が45%IACS以上を達成できる。一方、Cr、Si、Ti等を含む析出粒子は高温加熱において残存するものがあり、これが2次再結晶による結晶粒の粗大化を抑制し、結晶粒の粗大化が抑えられる。このため、この銅合金は、高温加熱(ベーパーチャンバーの接合工程)後の平均結晶粒径を50μm以下に抑えることができる。なお、高温加熱後は急冷(水冷等)することが好ましい。時効処理は、350〜550℃の温度範囲で5分〜10時間保持する条件が挙げられる。
この銅合金において、Crは銅合金母相中にCr、Cr−Si化合物又はCr−Ti−Si化合物として析出し、時効処理後の銅合金の強度と導電率を向上させる。また、Crは、700℃以上の温度においてもCu中への固溶量が小さく、高温加熱(ベーパチャンバの接合工程)において結晶粒の粗大化を防止することができる。しかし、Cr含有量が0.15質量%未満では前記効果が不足する。一方、Cr含有量が0.6質量%を超えると、粗大なCrやCr化合物が発生し、銅合金の曲げ加工性を低下させる。従って、Cr含有量は0.15〜0.6質量%とする。Crの下限値は好ましくは0.2質量%であり、より好ましくは0.25質量%である。また、Crの上限値は好ましくは0.5%であり、より好ましくは0.45質量%である。なお、850℃以上の高温で結晶粒の粗大化を有効に防止するには、Crの含有量は0.25質量%以上であることが好ましい。
SiとTiは、銅合金母相中にCr−Si化合物又はCr−Ti−Si化合物として析出し、銅合金の強度と導電率を向上させる。また、銅合金の耐熱性を向上させ、高温加熱(ベーパチャンバの接合工程)時の結晶粒の粗大化を防止することができる。しかし、Si含有量が0.005質量%未満、Ti含有量が0.005質量%未満、又はSiとTiの合計含有量が0.01質量%未満では前記効果が少ない。一方、Si又はTiの含有量が0.15質量%を超え、又はSiとTiの合計含有量が0.3質量%を超えると、銅合金母材中に粗大なCr−Si化合物又はCr−Ti−Si化合物が増加し、曲げ加工性を低下させる。従って、Si含有量は0.005〜0.15質量%、Ti含有量は0.005〜0.15質量%、SiとTiの合計含有量は0.01〜0.3質量%の範囲とする。Si含有量とTi含有量の下限値はそれぞれ0.01%が好ましく、上限値はそれぞれ0.1質量%が好ましい。
上記銅合金は、必要に応じて、Zn、Mg、Mn、Al、Ag、Ni、Fe、Co、Pの1種又は2種以上を、0.01〜0.3質量%の範囲で含む。これらの元素は銅合金の強度を向上させるが、合計含有量が0.01質量%未満ではその効果が十分でなく、また0.3質量%を超えると導電率が低下する。従って、これらの元素の1種又は2種以上の合計含有量は0.01〜0.3質量%とする。
上記組成の銅合金(条)は、鋳塊を均質化処理及び熱間圧延後、冷間圧延、さらに時効処理を行うことで製造される。以下の条件で製造した銅合金は、0.2%耐力が300MPa以上、伸びが5%以上、及び優れた曲げ加工性を有する。また、高温加熱(850℃×30分)後に、40MPa以上の0.2%耐力を有し、次いで時効処理した後、60MPa以上の0.2%耐力、45%IACS以上の導電率を有するようになる。さらに、高温加熱(850℃×30分)による結晶粒の粗大化が抑制され、高温加熱後の平均結晶粒径が50μm以下に抑えられる。
均質化処理は、800〜1000℃の温度に1〜10時間保持する条件で行う。
均質化処理後、熱間圧延を800℃以上の温度で開始し、加工率は50〜90%程度とし、700℃以上から水冷等の方法により急冷する。
熱間圧延後の冷間圧延は、加工率50〜99%で行う。
時効処理は350〜550℃の温度に30分〜10時間保持する条件で行う。
時効処理後、必要に応じて、加工率5〜30%の冷間圧延、続いて歪み取り焼鈍を行ってもよい。
また、上記工程の熱間圧延後の冷間圧延と時効処理の間に、必要に応じて、溶体化処理と冷間圧延を挟むことができる。この場合、熱間圧延後の冷間圧延は加工率50〜95%で行い、溶体化処理は700〜900℃の温度に5秒〜3分保持する条件で行い、続く冷間圧延を加工率50〜95%で行うことが好ましい。
(Cu−Cr−Zr系)
Cu−Cr−Zr系の銅合金の例として、Cr:0.15〜0.6質量%及びZr:0.005〜0.15質量%を含む銅合金を挙げることができる。この銅合金の基本組成はCrとZr以外はCu及び不可避不純物からなり、必要に応じて後述する合金元素を含む。
この銅合金は、先に挙げたCu−Cr系の銅合金と同様に、高温加熱(ベーパーチャンバーの接合工程)後に塑性加工を行うことなく時効処理を行った場合、強度と導電率を回復させることができるが、その回復量は前述の他の析出硬化型銅合金より小さい。それでも、0.2%耐力値が60MPa以上、及び導電率が45%IACS以上を達成できる。一方、Cr、Zr等を含む析出粒子は高温加熱において残存するものがあり、これが2次再結晶による結晶粒の粗大化を抑制し、結晶粒の粗大化が抑えられる。このため、この銅合金は、高温加熱(ベーパーチャンバーの接合工程)後の平均結晶粒径を50μm以下に抑えることができる。なお、高温加熱後は急冷(水冷等)することが好ましい。時効処理は、350〜550℃の温度範囲で5分〜10時間保持する条件が挙げられる。
この銅合金において、Crの添加理由は、先に挙げたCu−Cr系の銅合金と同様である。
Zrは、銅合金母相中にZr−Cu化合物として析出し、銅合金の強度と導電率を向上させる。また、ZrのCuへの固溶量は非常に小さいことから、高温加熱(ベーパチャンバの接合工程)時の結晶粒の粗大化を防止することができる。しかし、Zr含有量が0.005質量%未満では前記効果が少ない。一方、Zrの含有量が0.15質量%を超えると、粗大なZr化合物が発生し、曲げ加工性を低下させる。従って、Zrの含有量は0.005〜0.15質量%とする。Zrの下限値は好ましくは0.01質量%、より好ましくは0.015質量%である。Zrの上限値は好ましくは0.1質量%、より好ましくは0.08質量%である。なお、850℃以上の温度で結晶粒の粗大化を有効に防止するには、Zrの含有量を0.015質量%以上とすることが望ましい。
上記銅合金は、必要に応じて、下記(a),(b)に示す合金元素(又は合金元素群)の1種又は2種以上を、高温加熱及び時効処理後の導電率を損なわない範囲内において含む。(a)Si:0.005〜0.15質量%とTi:0.005〜0.15質量%の1種又は2種を合計で0.01〜0.3質量%、(b)Zn、Mg、Mn、Al、Ag、Ni、Fe、Co、Si、Pより選択する1種又は2種以上の元素を合計0.01〜0.3質量%。
上記組成の銅合金(条)は、先に挙げたCu−Cr系の銅合金と同様の工程及び条件でで製造することができ、0.2%耐力が300MPa以上、伸びが5%以上、及び優れた曲げ加工性を有する。また、高温加熱(850℃×30分)後に、40MPa以上の0.2%耐力を有し、次いで時効処理した後、60MPa以上の0.2%耐力、45%IACS以上の導電率を有するようになる。さらに、高温加熱(850℃×30分)による結晶粒の粗大化が抑制され、高温加熱後の平均結晶粒径が50μm以下に抑えられる。
表1に示す銅合金を鋳造し、それぞれ先に説明した製造方法で厚さ0.40mmの銅合金条を製造した。表1において、No.1,2はCu−Fe−P系、No.3〜5はCu−(Ni,Co)−Si系、No.6はCu−(Ni,Co)−P系、No.7はCu−Cr系、No.8はCu−Cr−Zr系、No.9は従来例のOFC(Oxygen−Free Copper)である。
製造した各銅合金条を供試材として、下記要領で0.2%耐力、伸び及び導電率を測定した。
製造した各銅合金条から採取した板に対し、ベーパチャンバーの接合工程における加熱に相当する850℃×30分間の加熱後水冷した。水冷後の板を供試材として、同じ要領で0.2%耐力及び導電率を測定した。
また、製造した各銅合金条から採取した板に対し、ベーパチャンバーの接合工程における加熱に相当する850℃×30分間の加熱後水冷し、続いて500℃×2時間の時効処理(析出硬化処理)を施した。時効処理後の板を供試材として、同じ要領で0.2%耐力及び導電率を測定し、また下記要領で平均結晶粒径を測定した。
以上の結果を表2に示す。
(0.2%耐力、伸びの測定)
各供試材から、長手方向が圧延平行方向となるようにJIS5号引張り試験片を切り出し、JIS−Z2241に準拠して引張り試験を実施して、耐力と伸びを測定した。耐力は永久伸び0.2%に相当する引張強さである。
(導電率の測定)
導電率の測定は,JIS−H0505に規定されている非鉄金属材料導電率測定法に準拠し,ダブルブリッジを用いた四端子法で行った。
(平均結晶粒径の測定)
供試材の板表面を観察し、光学顕微鏡で組織写真を取得した。平均結晶粒径の測定は切断法を用い、線分の方向を圧延方向に平行方向とし、1本あたりの長さ250μmの線分を組織写真上に4本引き、それぞれの線分に対して求めた結晶粒度の加算平均を平均結晶粒径とした。
Figure 0006151813
Figure 0006151813
表1,2をみると、従来例のOFCであるNo.9は、ベーパチャンバーの接合工程に相当する850℃×30分の加熱後の0.2%耐力が38MPaとなり、軟化が激しい。また、時効処理に相当する500℃×2時間の加熱後の0.2%耐力も38MPaであり、0.2%耐力が回復していない。さらに結晶粒が粗大化しており、板厚を貫通する粒界が存在する可能性が推測できる。
これに対し、No.1〜8は析出硬化型銅合金であり、850℃×30分の加熱により軟化したが、それでも0.2%耐力はいずれも50MPaを超えている。また、500℃×2時間の加熱により0.2%耐力及び導電率が回復し、特に0.2%耐力はNo.9の2倍以上の値を示す。結晶粒の粗大化も抑制され、平均結晶粒径はいずれもNo.9より小さく、特にNo.1,2,7,8は、平均結晶粒径が顕著に小さい。
表1のNo.1,3,6,9に示す組成の銅合金を鋳造し、それぞれ先に説明した製造方法で厚さ1.0mmの銅合金条を製造した。製造した銅合金条を供試材とし、下記要領で高温時の0.2%耐力を測定した。その結果を表3に示す。なお、表3のNo.1A,3A,6A,9Aは、板厚1.0mmで、合金組成がそれぞれ表1のNo.1,3,6,9の組成と一致する銅合金条を意味する。
(高温時の0.2%耐力の測定)
供試材から長手方向が圧延平行方向となるようにJIS5号引張り試験片を切り出し、表3に示す各温度に30分保持後、同温度においてJISZ2241の規定に準拠して引張試験を行い、0.2%耐力を測定した。試験雰囲気はAr気流中とし、試験片の酸化を防止した。
Figure 0006151813
表3をみると、従来例のNo.9Aの0.2%耐力は、700℃以上で非常に低くなっている。これに対し、析出硬化型銅合金のNo.1A,3A,6Aの0.2%耐力は、700℃でNo.9の5倍以上、800℃でNo.9の2倍以上、900℃でもNo.9より大きく、高温において強度が比較的高く、ベーパチャンバーの接合工程における加熱で変形しにくいことが分かる。
2 上板部材
3 下板部材

Claims (1)

  1. 複数の部品によりベーパチャンバーを組み立てた後、650℃以上に加熱するプロセスを経て前記部品同士を接合し、ベーパチャンバーを製造する方法において、前記部品のうちベーパチャンバーの筐体を構成する部品が析出硬化型銅合金からなり、接合後のベーパチャンバーの筐体に塑性加工を加えることなく、前記析出硬化型銅合金を時効処理して析出硬化させることを特徴とするベーパチャンバーの製造方法。
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