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JP4853180B2 - 車体構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体パネルに入力される荷重を分散させるための車体構造に関する。
フロントサイドメンバにおけるダッシュパネルの前面に面当たりさせた後端部を、該ダッシュパネルの前面にアーク溶接等によって固定したフロントボデー構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−285766号公報
しかしながら、上記の如き従来の技術では、車両の前面衝突時にフロントサイドメンバを介して入力される荷重によるダッシュパネルの変形を抑制するために設ける補強が、車体の質量を大きくする原因となる。
本発明は、上記事実を考慮して、補強に頼ることなく車体パネルの変形を抑制することができる車体構造を得ることが目的である。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る車体構造は、他の部分よりも高剛性とされた第1高剛性部と第2高剛性部とが車両幅方向に離間して設けられた車体パネルと、前記車体パネルに固定された固定部、前記車体パネルにおける前記第1高剛性部及び第2高剛性部との間の部分と対向するパネル対向部を含む荷重入力部、並びに、前記荷重入力部から前記車体パネルにおける前記第1高剛性部及び第2高剛性部のそれぞれに荷重伝達可能に設けられた荷重伝達部を有する荷重分散部材と、を備え、前記車体パネルは、前記第1高剛性部から第2高剛性部に至るパネル骨格を有しており、前記荷重分散部材の荷重伝達部は、前記荷重入力部における前記パネル対向部を含む部分から前記パネル骨格側に向けて車両上下方向に部分的に突設されると共に、前記荷重入力部側とは反対側の端面が前記車体パネルの前記第1高剛性部及び第2高剛性部の車両上下方向における前記パネル骨格の設置部位に当接している。
請求項1記載の車体構造では、固定部において車体パネルに固定された荷重分散部材の荷重入力部は、車体パネルにおける第1及び第2高剛性部間を含む部分に対向している。この荷重入力部に設けられた荷重伝達部は、該荷重入力部から第1及び第2高剛性部に荷重伝達可能に構成されているため、荷重入力部に入力された車体パネル側を向く荷重は、荷重伝達部を介して車体パネルにおける第1及び第2高剛性部に伝達される。これにより、車体パネルにおける主に第1及び第2高剛性部間の部分に荷重が入力される構成と比較して、車体パネルに作用する曲げ荷重が緩和され、車体パネルは補強に頼ることなく変形が抑制される。
このように、請求項1記載の車体構造では、補強に頼ることなく車体パネルの変形を抑制することができる。
また、請求項1記載の車体構造では、車体パネルにおける第1高剛性部と第2高剛性部との間の部分がパネル骨格にて補強(補剛)されており、車体パネルの所要の剛性、強度が確保されている。荷重分散部材の荷重伝達部は、車体パネルの第1高剛性部及び第2高剛性部におけるパネル骨格の設置部位、すなわち剛性が一層高い部分に荷重伝達可能に当接しているため、車体パネルの変形を効果的に抑制することができる。
請求項2記載の発明に係る車体構造は、請求項1記載の車体構造において、前記パネル骨格は、前記車体パネルの厚み方向に沿って設けられ互いに対向する複数の垂直壁が、前記車体パネルの主面方向に沿った一対の平行壁にて連結された閉断面構造を成しており、前記荷重分散部材の荷重伝達部は、前記複数の垂直壁の対向方向に離間して複数設けられており、それぞれが前記荷重入力部側とは反対側の端面が前記車体パネルの前記第1高剛性部及び第2高剛性部における前記垂直壁の設置部位に当接している。
請求項2記載の車体構造では、パネル骨格における車体パネルの厚み方向に延在する垂直壁の設置部位に荷重分散部材の荷重伝達部が当接しているため、車体パネルの変形を一層効果的に抑制することができる。
請求項3記載の発明に係る車体構造は、請求項1又は請求項2記載の車体構造において、前記第1高剛性部は、前記車体パネルの厚み方向に張り出した張出壁部を設けて構成されており、前記荷重分散部材の前記固定部は、前記荷重入力部から連続し前記張出壁部に固定された張出固定部を含んで構成されている。
請求項3記載の車体構造では、例えば車体パネルの一部を屈曲又は湾曲させることで張出壁部が形成されており、この張出壁部に荷重分散部材の固定部に設けられた張出固定部が固定されている。このため、荷重入力部から車体パネル側に向く荷重の一部は、張出固定部と張出壁部との固定部分のせん断荷重として作用し(支持され)、車体パネルに作用する曲げ荷重が一層緩和される。これにより、車体パネルの変形を効果的に抑制することができる。
請求項4記載の発明に係る車体構造は、請求項3記載の車体構造において、前記張出壁部と張出固定部とは、該張出壁部及び張出固定部を貫通した貫通部材を含む締結手段にて固定されている。
請求項4記載の車体構造では、張出固定部と張出壁部とが締結手段にて固定されているため、荷重入力部から車体パネル側に向く荷重の一部は張出固定部と張出壁部とを貫通する貫通部材のせん断荷重として、確実に支持される。
請求項5記載の発明に係る車体構造は、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の車体構造において、前記車体パネルは、前記第1高剛性部が車幅方向の外端におけるフロントピラーとの連結部とされると共に、前記第2高剛性部が車幅方向中央に配置されたフロアトンネル部の車体前後方向の前側開口端部とされたダッシュパネルであり、前記荷重分散部材の前記荷重入力部には、前記ダッシュパネルに対し車体前後方向の前側で車体前後方向に延在する車体骨格の車体前後方向の後端部が固定されている。
請求項5記載の車体構造では、車体骨格の前端に入力された車体上下方向後向きの荷重は、荷重文武材の荷重入力部、荷重伝達部(及び固定部)を介して、主にダッシュパネルにおけるピラーとの連結部(第1高剛性部)、フロアトンネルの車体前後方向の前側開口端の周縁部(第2高剛性部)に伝達、分散される。これにより、車体骨格からの後向き荷重によるダッシュパネルの変形が効果的に抑制される。
以上説明したように本発明に係る車体構造は、補強に頼ることなく車体パネルの変形を抑制することができるという優れた効果を有する。
本発明の実施形態に係る車体構造が適用された車体前部構造10について、図1乃至図7に基づいて説明する。先ず、車体前部構造10の全体構成を説明し、次いで、本発明の要部であるフロントサイドメンバ12とダッシュパネル18との結合構造について詳細に説明することとする。なお、図中矢印FRは車体前後方向の前方向を、矢印UPは車体上下方向の上方向を、矢印INは車幅方向内側を、矢印OUTは車幅方向外側をそれぞれ示す。
(車体前部構造の全体構成)
図6には、車体前部構造10の概略全体構成が斜視図にて示されている。この図に示される如く、車体前部構造10は、それぞれ車体前後方向に長手とされ車幅方向に並列して配置された左右一対のフロントサイドメンバ12を備えている。それぞれ本発明における車体骨格としての各フロントサイドメンバ12は、図示しない前端間がフロントバンパを構成する図示しないバンパリインフォースメントにて架け渡されている。一方、各フロントサイドメンバ12の後端部には、図5にも示される如く、平面視で車体前後方向の後方ほど車幅方向に幅広になる台形状に形成されたフロントサイドメンバリヤ14が連結されている。フロントサイドメンバリヤ14は、フロントサイドメンバ12の長手方向に作用する所定値以上の荷重によって圧縮変形(塑性変形)するように構成されている。
各フロントサイドメンバリヤ14すなわちフロントサイドメンバ12の車体前後方向の後端は、それぞれ後に詳述するフロントサイドメンバブラケット16を介して、車体パネルとしてのダッシュパネル18に結合されている。左右一対のフロントサイドメンバ12、フロントサイドメンバリヤ14、フロントサイドメンバブラケット16は、それぞれアルミニウム合金等の金属材にて構成されており、ダッシュパネル18は、主要部が炭素繊維強化プラスチック(CFRP)にて構成されている。
図4に正面図にて示される如く、ダッシュパネル18は、主に車幅方向及び車体上下方向に延在する正面視で略矩形板状に形成されている。図5及び図6に示される如く、ダッシュパネル18の下端部にはフロアパネル20の前端部が接続されている。ダッシュパネル18の車幅方向中央部には、下向きに開口する略コ字状(段付きコ字状)の縁部に沿って切り欠かれた切欠部18Aが形成されており、該切欠部18Aは、フロアパネル20の車幅方向中央部に車体上下方向の下向きに開口して形成されたフロアトンネル22の車体前後方向の前向き開口端を成している。
また、ダッシュパネル18の車幅方向外端からは、車体前後方向の後側にピラー部24が延設されている。この実施形態では、ピラー部24は、張出壁部としての外壁部24Aが該ダッシュパネル18の車体前後方向の前側を向く主面Sに対し鈍角を成すように、換言すれば、車体前後方向の前側及び車幅方向外側を共に向くように、車体前後方向及び車幅方向に対し傾斜している。左右のピラー部24の車体前後方向の後面には、柱状部材26が固定されており、該車体前後方向の後側にピラー部24と柱状部材26とでフロントピラー28(の下部)を構成している。
左右の柱状部材26の下端は、それぞれ車体前後方向に長手されフロアパネル20の車幅方向端部に結合されて車幅方向外端の骨格を成すロッカ30の前端に連続している。また、図示は省略するが、柱状部材26は、ダッシュパネル18の上縁18Bよりも車体上下方向の上側に延出する部分を有し、該部分の上端がルーフ骨格部に連続している。なお、フロアパネル20(フロアトンネル22)、柱状部材26、ロッカ30は、ダッシュパネル18と同様に、主要部がCFRPにて構成されている。
以上説明した車体前部構造10では、フロントピラー28(ピラー部24)がダッシュパネル18の第1高剛性部に相当し、フロアトンネル22のトンネル立壁22Aの近傍(切欠部18Aの周縁部)がダッシュパネル18の第2高剛性部に相当する。
以下、CFRP製のダッシュパネル18の構造について補足する。図1及び図2に示される如く、ダッシュパネル18は、ダッシュフロントパネル32と、ダッシュリヤパネル34とを含んで構成されている。ダッシュパネル18では、ダッシュフロントパネル32の上部32Aを除く部分を車体前後方向の前側に膨出させた膨出部32Bの後向き開口端が、ダッシュリヤパネル34にて閉止されて閉断面部36を構成している。また、ダッシュフロントパネル32の上部32Aは、ダッシュリヤパネル34に重ね合わされており、該ダッシュフロントパネル32の上端32Cは、ダッシュリヤパネル34の上端から延設されたフランジ34Aとで、ダッシュパネル18の上端に閉断面部38を構成している。
そして、図2、及びダッシュフロントパネル32を取り除いて見た正面図である図4に示される如く、ダッシュパネル18の閉断面部36内には、パネル骨格部としての内部骨格部材40、42が配設されている。図7に示される如く、内部骨格部材40は、車幅方向に長手とされ、閉断面部36におけるピラー部24からフロアトンネル22にかけて延在する左右一対のクロス部44と、フロアトンネル22の上部を跨ぐようにして左右のクロス部44を連結する中央連結部46とを主要部として構成されている。また、内部骨格部材42は、それぞれ車幅方向に長手とされ、内部骨格部材40の左右のクロス部44の下方に配置されるように左右一対設けられている。
図2に示される如く、内部骨格部材40の各クロス部44は、車体上下方向に対向する上壁44A及び下壁44Bの前後端が、車体前後方向に対向する前壁44C、後壁44Dにてそれぞれ連結されることで、それぞれ矩形枠状の閉断面を成している。同様に、各内部骨格部材42は、車体上下方向に対向する上壁42A及び下壁42Bの前後端が、車体前後方向に対向する前壁42C、後壁42Dにてそれぞれ連結されることで、それぞれ矩形枠状の閉断面を成している。図示は省略するが、内部骨格部材40の中央連結部46についても矩形枠状の閉断面構造を成している。この実施形態では、ダッシュフロントパネル32、ダッシュリヤパネル34、内部骨格部材40、内部骨格部材42は、それぞれCFRPにて構成されている。
そして、図2及び図4に示される如く、内部骨格部材40の各クロス部44と内部骨格部材42とは、閉断面部36の車体上下方向の中央部(車体上下方向におけるフロントサイドメンバ12の設置位置)で、前壁42C、44Cがダッシュフロントパネル32に重ね合わされると共に、後壁42D、44Dがダッシュリヤパネル34に重ね合わされた状態で、互いに車体上下方向に重ね合わされて配置されている。すなわち、ダッシュフロントパネル32とダッシュリヤパネル34とによって車体前後方向に挟まれた左右のクロス部44の下壁44Bと内部骨格部材42の上壁42Aとが、略全面に亘り接触している。また、ダッシュパネル18では、閉断面部36、閉断面部38、内部骨格部材40、内部骨格部材42内に発泡ウレタンフォームUが充填されている。
さらに、上記の通り主要部であるダッシュフロントパネル32、ダッシュリヤパネル34、内部骨格部材40、内部骨格部材42がCFRP製とされたダッシュパネル18は、金属製のフロントサイドメンバブラケット16を結合するための金属製のカラー48を複数有している。図1及び図2に示される如く、各カラー48は、それぞれ締結具としてのボルト50が螺合するようになっており、ボルト50と共に本発明における締結手段を構成している。
図4及び図7に示される如く、カラー48は、内部骨格部材40の左右のクロス部44、内部骨格部材42の車幅方向内端(切欠部18Aの周縁)及び車幅方向外端でピラー部24を構成する部分にそれぞれ固定的に設けられている。また、カラー48は、ピラー部24を構成する閉断面部36内における内部骨格部材40、42の上下両側、及びピラー部24とフロアトンネル22との間を構成する閉断面部36内における内部骨格部材40、42の上下両側にそれぞれ固定的に設けられている。ピラー部24を構成する閉断面部36、内部骨格部材40、42に設けられたカラー48は、上記の通り傾斜した外壁部24A(との直角方向)からボルト50の螺合を可能とするように、外壁部24Aとの直角方向に沿って配設されている。
(フロントサイドメンバとダッシュパネルとの結合構造)
上記した通り、左右のフロントサイドメンバ12のフロントサイドメンバリヤ14とダッシュパネル18とは、それぞれ荷重分散部材としてのフロントサイドメンバブラケット16を介して結合されている。図3に斜視図にて示される如く、フロントサイドメンバブラケット16は、フロントサイドメンバリヤ14の後端が溶接等によって接合された荷重入力部としての平板状の平板部52と、平板状の平板部52の周縁から車体前後方向の後向きに延設された周壁部54と、周壁部54の車体前後方向の後端から周壁部54の外側張り出した固定部としてのフランジ部56と、平板状の平板部52から車体前後方向の後向きに突設(立設)された複数(この実施形態では3つ)の中リブ58、60、62とを主要部として構成されている。
このフロントサイドメンバブラケット16は、フランジ部56をダッシュパネル18のダッシュフロントパネル32に車体前後方向に重ね合わせた状態で、フランジ部56に形成した取付孔64を貫通したボルト50を対応するカラー48に螺合することで、ダッシュパネル18に固定される構成である。フランジ部56における車幅方向外側部分を構成する張出固定部としての傾斜フランジ56Aは、ピラー部24の外壁部24Aに重ね合わされるようになっている。また、この実施形態では、平板部52の車幅方向外端が外壁部24Aに沿って傾斜した傾斜板部52Aとされている。
図3に示される如く、それぞれ荷重伝達部としての3つの中リブ58、60、62は、それぞれ車幅方向に長手とされ、長手方向両端のみがダッシュフロントパネル32に当接するように長手方向中央部に切欠部58A、60A、62Aを有している。
図1及び図4(想像線参照)に示される如く、車体上下方向の最も下側に位置する中リブ58及び上下方向中間に位置する中リブ60は、それぞれ切欠部58A、60Aに対する車幅方向内側部分がダッシュフロントパネル32におけるフロアトンネル22の周縁部(第2高剛性部)に当接する内側荷重伝達部58B、60Bとされると共に、切欠部58A、60Aに対する車幅方向外側部分がダッシュフロントパネル32におけるピラー部24(第1高剛性部)に当接する外側荷重伝達部58C、60Cとされている。外側荷重伝達部58C、60Cは、ダッシュフロントパネル32の主面S及び外壁部24Aの両者に当接するように車幅方向中間部に屈曲部58D、60Dが形成されている。
図4に想像線にて示される如く、3つの中リブ58、60、62のうち、車体上下方向の最も上側に位置する中リブ62は、切欠部62Aに対する車幅方向内側部分がダッシュフロントパネル32におけるフロアトンネル22(第2高剛性部)の近傍に当接する内側荷重伝達部62Bとされると共に、切欠部62Aに対する車幅方向外側部分がダッシュフロントパネル32におけるピラー部24(第1高剛性部)に当接する外側荷重伝達部62Cとされている。外側荷重伝達部62Cは、ダッシュフロントパネル32の主面S及び外壁部24Aの両者に当接するように車幅方向中間部に屈曲部62Dが形成されている。
また、図2に示される如く、フロントサイドメンバブラケット16は、中リブ58、60、62の内側荷重伝達部58B、60B、62B、外側荷重伝達部58C、60C、62Cを、それぞれダッシュフロントパネル32における車体上下方向で内部骨格部材40の左右のクロス部44、内部骨格部材42の設置部位に当接させている。より具体的には、中リブ58の内側荷重伝達部58B、58Cは、ダッシュフロントパネル32における内部骨格部材42の下壁42Bの設置部位に当接され、中リブ60の内側荷重伝達部60B、60Cは、ダッシュフロントパネル32における内部骨格部材42の上壁42A及びクロス部44の下壁44Bの設置部位に当接され、中リブ62の内側荷重伝達部62B、62Cは、ダッシュフロントパネル32におけるクロス部44の上壁44Aの設置部位に当接されている。
すなわち、この実施形態では、ダッシュフロントパネル32との直角方向に延在する上壁42A、44A、下壁42B、44Bが本発明における垂直壁又は補強体に相当する。また、これら上壁42A、44A、下壁42B、44Bを連結する前壁42C、44C、後壁42D、44Dが本発明における平行壁に相当する。
なお、中リブ58、60、62の切欠部58A、60A、62Aは、それぞれ車体前後方向の前端すなわち平板部52側を頂部(鈍角部)58E、60E、62Eとする平面視で鈍角三角形状に形成されており、頂部58E、60E、62Eに対する車幅方向内側の内側切欠縁58F、60F、62Fは、平面視で直線状にフロアトンネル22側に延在しており、頂部58E、60E、62Eに対する車幅方向外側の外側切欠縁58G、60G、62Gは、直線状にピラー部24側に延在している。また、平板部52における車幅方向に切欠部58A、60Aが形成された範囲は、ダッシュフロントパネル32におけるフロアトンネル22とピラー部24との間の部分(低剛性部)に対向し、本発明におけるパネル対向部に相当する。
次に、本実施形態の作用を説明する。
上記構成の車体前部構造10では、ダッシュパネル18、フロアパネル20(フロアトンネル22)、柱状部材26、ロッカ30等の主要部がCFRPにて構成されているため、適用された車両の軽量化に寄与する。この車体前部構造10が適用された車両に前面衝突が生じた場合、バンパリインフォースメントに入力した衝突荷重は、フロントサイドメンバ12、フロントサイドメンバリヤ14、フロントサイドメンバブラケット16を経由してダッシュパネル18に入力される。
ここで、車体前部構造10では、フロントサイドメンバ12の後端であるフロントサイドメンバリヤ14とダッシュパネル18とを結合するフロントサイドメンバブラケット16が、中リブ58、60、62を有するため、フロントサイドメンバリヤ14から平板状の平板部52に入力された荷重は、中リブ58、60、62を経由して、それぞれダッシュパネル18の高剛性部であるフロアトンネル22の周縁部とピラー部24(ロッカ30)とに主に分散される。これにより、衝突荷重が車体全体で効果的に支持される。
例えばフロントサイドメンバリヤ14からの荷重がダッシュパネル18におけるフロアトンネル22とピラー部24との間の相対的に低剛性である部分に主に入力される構成(比較例)では、ダッシュフロントパネル32の曲げ(曲げ荷重)によって主に衝突荷重を支持することになるが、CFRP製のダッシュフロントパネル32は、鋼製のものと比較して靭性が低く小さな変位で割れ等を生じるので、該ダッシュパネル18におけるフロアトンネル22とピラー部24との間の剛性を高める(変形を抑制する)ための補強が必要であり、車体質量が増大する原因となる。
これに対して車体前部構造10では、ダッシュフロントパネル32における既存の高剛性部(この実施形態では車体骨格)に衝突荷重を分散させる構成であるため、ダッシュパネル18におけるフロアトンネル22とピラー部24との間に補強に頼ることなく、ダッシュパネル18の曲げを抑制することができ、補強によるダッシュパネル18の質量増加を防止又は抑制すること、すなわち比較例に対する軽量化を図ることができる。
さらに、車体前部構造10では、フロントサイドメンバブラケット16の中リブ58、60、62が、ダッシュフロントパネル32における内部骨格部材40の左右のクロス部44、内部骨格部材42の設置部位であって、特に下壁42B、上壁42A、下壁44B、上壁44Aの設置部位に当接する構成であるため、衝突荷重を一層効果的にフロアトンネル22、ピラー部24(ロッカ30)に分散させることができる。
しかも、車体前部構造10では、フロントサイドメンバブラケット16の車幅方向外端に位置する傾斜フランジ56Aが、フロントピラー28を構成する外壁部24Aにボルト50を含む締結手段にて固定されているため、前面衝突に伴う衝突荷重の一部をボルト50のせん断荷重として支持する(柱状部材26、ロッカ30に伝える)ことができる。これにより、ダッシュフロントパネル32すなわちダッシュパネル18が一層曲げを受け難い構成が実現された。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る車体前部構造10では、強に頼ることなく車体パネルの変形を抑制することができ、それによりCFRPを主要部に用いた車体の軽量化を図ることが可能になる。
なお、上記実施形態では、ダッシュパネル18がCFRP製の内部骨格部材40、42を有する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、内部骨格部材40、42に代えて金属製の骨格部材(パイプ等でも良い)設けたり、内部骨格部材40、42に代えてダッシュフロントパネル32とダッシュリヤパネル34との間に介在(連結)する平板状のリブや横壁(材質は何でも良い)を設けたりしても良く、内部骨格部材40、42に相当する部材を設けない構成としても良い。
また、上記実施形態では、フロントピラー28がピラー部24を有する構成すなわちダッシュパネル18がフロントピラー28の一部を構成する例を示したが、本発明はこれに現芸されず、例えば、ダッシュパネル18の幅方向端部を柱状部材26に連結し、主面Sに対し略直角を成す傾斜フランジ56Aを、柱状部材26における車幅方向外側を向く外側壁にボルト50によって結合するようにしても良い。
さらに、上記実施形態では、ダッシュパネル18を含む車体の主要部がCFRP製である例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば炭素繊維以外の繊維を含む強化プラスチックにて車体の主要部を構成しても良く、アルミニウム合金や鉄鋼等の金属にて車体の主要部を構成しても良い。
さらにまた、上記実施形態では、本発明が車体前部に適用された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば車体後部や車体側部等において、高剛性部が離間して配置されている車体パネルの変形(曲げ)を抑制するための各部分に本発明を適用することができる。
本発明の実施形態に係る車体前部構造の要部を示す平面断面図である。 本発明の実施形態に係る車体前部構造の要部を示す側断面図である。 本発明の実施形態に係る車体前部構造を構成するフロントサイドメンバブラケットの斜視図である。 本発明の実施形態に係る車体前部構造を構成するダッシュパネルを主に示す正面図である。 本発明の実施形態に係る車体前部構造の概略全体構成を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る車体前部構造の概略全体構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る車体前部構造を構成する内部骨格部材を示す斜視図である。
符号の説明
10 車体前部構造(車体構造)
12 フロントサイドメンバ(車体骨格)
14 フロントサイドメンバリヤ(車体骨格の後端部)
16 フロントサイドメンバブラケット(荷重分散部材)
18 ダッシュパネル(車体パネル)
22 フロアトンネル(フロアトンネル部、第2高剛性部)
24 ピラー部(第1高剛性部)
24A 外壁部(張出壁部)
28 フロントピラー
40・42 内部骨格部材(パネル骨格)
42A・44A 上壁(垂直壁・補強体)
42B・44B 下壁(垂直壁・補強体)
42C・44C 前壁(平行壁)
42D・44D 後壁(平行壁)
50 ボルト(貫通部材、締結手段)
52 平板部(荷重入力部)
56 フランジ部(固定部)
56A 傾斜フランジ(張出固定部)
58・60・62 中リブ(荷重伝達部)

Claims (5)

  1. 他の部分よりも高剛性とされた第1高剛性部と第2高剛性部とが車両幅方向に離間して設けられた車体パネルと、
    前記車体パネルに固定された固定部、前記車体パネルにおける前記第1高剛性部及び第2高剛性部との間の部分と対向するパネル対向部を含む荷重入力部、並びに、前記荷重入力部から前記車体パネルにおける前記第1高剛性部及び第2高剛性部のそれぞれに荷重伝達可能に設けられた荷重伝達部を有する荷重分散部材と、
    を備え、
    前記車体パネルは、前記第1高剛性部から第2高剛性部に至るパネル骨格を有しており、
    前記荷重分散部材の荷重伝達部は、前記荷重入力部における前記パネル対向部を含む部分から前記パネル骨格側に向けて車両上下方向に部分的に突設されると共に、前記荷重入力部側とは反対側の端面が前記車体パネルの前記第1高剛性部及び第2高剛性部の車両上下方向における前記パネル骨格の設置部位に当接している車体構造。
  2. 前記パネル骨格は、前記車体パネルの厚み方向に沿って設けられ互いに対向する複数の垂直壁が、前記車体パネルの主面方向に沿った一対の平行壁にて連結された閉断面構造を成しており、
    前記荷重分散部材の荷重伝達部は、前記複数の垂直壁の対向方向に離間して複数設けられており、それぞれが前記荷重入力部側とは反対側の端面が前記車体パネルの前記第1高剛性部及び第2高剛性部における前記垂直壁の設置部位に当接している請求項1記載の車体構造。
  3. 前記第1高剛性部は、前記車体パネルの厚み方向に張り出した張出壁部を設けて構成されており、
    前記荷重分散部材の前記固定部は、前記荷重入力部から連続し前記張出壁部に固定された張出固定部を含んで構成されている請求項1又は請求項2記載の車体構造。
  4. 前記張出壁部と張出固定部とは、該張出壁部及び張出固定部を貫通した貫通部材を含む締結手段にて固定されている請求項3記載の車体構造。
  5. 前記車体パネルは、前記第1高剛性部が車幅方向の外端におけるフロントピラーとの連結部とされると共に、前記第2高剛性部が車幅方向中央に配置されたフロアトンネル部の車体前後方向の前側開口端部とされたダッシュパネルであり、
    前記荷重分散部材の前記荷重入力部には、前記ダッシュパネルに対し車体前後方向の前側で車体前後方向に延在する車体骨格の車体前後方向の後端部が固定されている請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の車体構造。
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