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JP4848192B2 - ナトリウム分散体製造方法および該ナトリウム分散体製造方法により製造されるナトリウム分散体 - Google Patents

ナトリウム分散体製造方法および該ナトリウム分散体製造方法により製造されるナトリウム分散体 Download PDF

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Description

本発明は、ナトリウム分散体製造方法および該ナトリウム分散体製造方法により製造されるナトリウム分散体に関し、より詳しくは、液体状態の金属ナトリウム分散媒に分散さて分散媒にナトリウムが粒子状に分散されたナトリウム分散体製造するナトリウム分散体製造方法および該ナトリウム分散体製造方法により製造されるナトリウム分散体に関する。
従来、電気絶縁油、熱媒体、有機性排液等に含有されているポリ塩化ビフェニルなどの有機ハロゲン化合物を脱ハロゲン化して分解処理するような場合や有機化合物や無機化合物の合成試薬などとして使用される場合に、金属ナトリウムを微粒子化して分散媒に分散させたナトリウム分散体が用いられている。
このようなナトリウム分散体の製造方法としては、一般には、融点以上の温度に加温された液体状態の金属ナトリウム(以下単に「ナトリウム」ともいう)と、金属ナトリウムに不活性な溶媒とを攪拌槽内で高速攪拌することによりナトリウムを分散させ、ナトリウムを微粒子化させる方法が多く用いられている。たとえば下記特許文献1では、トランスオイル中に金属ナトリウムを分散して、ナトリウム分散体を製造する方法が記載されている。
このような、ナトリウム分散体の製造においては、攪拌槽など液体状態の金属ナトリウムと分散媒とが攪拌されてナトリウムが分散媒に分散されるナトリウム分散部と、このナトリウム分散部に供給する金属ナトリウムを液体状態で貯留するナトリウム貯留槽などの設備が備えられたナトリウム貯留部と、該ナトリウム貯留部から前記ナトリウム分散部に液体状態の金属ナトリウムを搬送するための配管や搬送動力となるポンプなどが備えられたナトリウム搬送配管部とにより構成された設備が従来用いられたりしている。
このナトリウム分散部では、ナトリウムの粒子を分散媒に分散させるべく、通常、分散媒とナトリウムとを混合してせん断攪拌させることによりナトリウム粒子を分散媒に分散させる攪拌装置(分散装置)が用いられている。
ところで、ナトリウム分散体においては、分散されているナトリウムがより微細化されていることが求められており、ナトリウム分散体製造設備においても、ナトリウムをよりすばやく、より微細化させ得るものが求められている。
しかし、従来のナトリウム分散体製造設備は、ナトリウムをよりすばやく、より微細化させるという要望を十分満足させ得るものではない。
特開平10−110205号公報
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、ナトリウムを従来よりもすばやく、より微細化させて分散媒に分散させ得るナトリウム分散体の製造方法ならびに該ナトリウム分散体の製造方法により製造されるナトリウム分散体の提供を課題としている。
本発明は、液体状態の金属ナトリウムと分散媒との混合物を攪拌することにより金属ナトリウムを微細化させて分散媒に分散させるナトリウム分散体製造方法であって、金属ナトリウムと分散媒との混合物を吸入する吸入孔と該吸入された前記混合物を吐出する排出孔とが形成されているチャンバーと該チャンバー内に収容されているローターとステーターとを有し、しかも、前記吸入孔からチャンバー内に吸入された混合物を前記ステーターと前記ローターとにより攪拌させて前記排出孔より吐出させるべく構成されたローター/ステーター型攪拌装置を複数用いて、該複数のローター/ステーター型攪拌装置を一ローター/ステーター型攪拌装置の排出孔と他ローター/ステーター型攪拌装置の吸入孔とを連結させた状態で前記攪拌を実施して、前記液体状態の金属ナトリウムと分散媒との混合物を一ローター/ステーター型攪拌装置と、他ローター/ステーター型攪拌装置とで連続的に攪拌させ、且つ、一ローター/ステーター型攪拌装置の排出孔と他ローター/ステーター型攪拌装置の吸入孔との連結部を正圧状態にさせて前記攪拌を実施することを特徴とするナトリウム分散体製造方法とその製造方法により製造されるナトリウム分散体を提供する。
なお、本明細書中においてローター/ステーター型攪拌装置とは、通常、中空円筒状に形成され内側の中空領域から外側への液体流路が複数形成されているステーターと、回転して液体を遠心力により中心部から外方に流動させ得る翼部が形成されているローターとが備えられており、しかも、該ローターには、翼部を前記ステーターの中空領域に配して回転させたときに前記円筒状のステーターの内周側と外周側との少なくとも一方において前記液体流路を流通する液体に前記ステーターとともにせん断を与えるせん断部が形成されており、前記ステーターの中空領域に前記ローターの翼部が配され且つ前記ローターが前記ステーターに対して相対回転自在に配されることにより、前記ローターを回転させてステーターの中空領域に流入させた液体を翼部により液体流路を通じてステーターの外側に流動させるとともに、ローターのせん断部でせん断し得るように構成されているものを意図している。
また、チャンバー内にローターとステーターとが収容されて、吸入孔からチャンバー内に吸入された混合物がステーターとローターとにより混合攪拌されて前記排出孔より吐出されるべく構成されているとは、本発明のローター/ステーター型攪拌装置が、ローターとステーターがチャンバー内に収容されずに直接液槽に浸漬されて槽全体の攪拌に用いられる一般にホモジナイザーなどと呼ばれているものとは異なり、ローターとステーターとが上記のような吸入孔と排出孔とを備えたチャンバー内に収容されることにより、配管に接続させて液体の流通経路においてインラインで攪拌可能とされ、しかも、ローターを回転させることにより吸入孔からの液体吸引力と、排出孔からの液体吐出力とを発生させ得るものであることを意図している。
本発明によれば、ナトリウム分散体製造設備のナトリウム分散部には、チャンバー内にローターとステーターとが収容されて、吸入孔からチャンバー内に吸入された混合物がステーターとローターとにより混合攪拌されて前記排出孔より吐出されるべく構成されているローター/ステーター型攪拌装置が複数設けられており、しかも、該複数のローター/ステーター型攪拌装置の内の一ローター/ステーター型攪拌装置の排出孔と他ローター/ステーター型攪拌装置の吸入孔とが連結されてナトリウム分散部に設けられていることから、一ローター/ステーター型攪拌装置にて攪拌された液体状態の金属ナトリウムと分散媒との混合物を再び他ローター/ステーター型攪拌装置に導入させて連続的に攪拌することができる。
したがって、単一のローター/ステーター型攪拌装置が用いられる場合に比べて金属ナトリウムをすばやく微細化させて分散媒に分散させることができる。
しかも、チャンバー内にローターとステーターとが収容されて、前記吸入孔からチャンバー内に吸入された前記混合物が前記ステーターと前記ローターとにより混合攪拌されて前記排出孔より吐出されるべく構成されているローター/ステーター型攪拌装置として、それぞれ異なった形状のローター、ステーターを備えたものを採用したり、あるいは、同一のローター/ステーター型攪拌装置を用いる場合でも、それぞれの運転条件を異ならせたりすることができる。
したがって、ローター/ステーター型攪拌装置の前段側のローター/ステーター型攪拌装置と後段側のローター/ステーター型攪拌装置との運転条件を調整してこの前段側のローター/ステーター型攪拌装置と後段側のローター/ステーター型攪拌装置との間の連結部を正圧状態とさせて後段側のローター/ステーター型攪拌装置に背圧を加えて金属ナトリウムと分散媒との混合物に高いシェアストレスを加えて攪拌させたり、前記連結部を負圧状態として後段側のローター/ステーター型攪拌装置に吸入される金属ナトリウムと分散媒との混合物を金属ナトリウムと分散媒との混合物が後段側のローター/ステーター型攪拌装置を通過する時間を、単一のローター/ステーター型攪拌装置を用いる場合よりも増大させてローターとステーターとにより与えられるせん断回数を増大させたりすることができる。
すなわち、従来のナトリウム分散体製造設備よりも金属ナトリウムをすばやくより微細に分散媒に分散させることができる。
(第一実施形態)
本実施形態のナトリウム分散体製造設備においては、分散媒と金属ナトリウムとが用いられる。この分散媒には、密度0.85〜0.87g/cm3、引火点140℃以上、流動点−20℃以下、40℃における動粘度7〜9mm/s、酸価0.01mgKOH/g以下、硫黄分1ppm以下、パラフィン鎖炭素含有率50%以上、芳香族環炭素含有率15%以下のパラフィン系鉱物油からなり危険物第四類第三石油類の電気絶縁油、潤滑油などを好適に用いることができる。
以下に、前記分散媒として、上述したようなパラフィン系鉱物油が用いられてなる電気絶縁油(以下「絶縁油」ともいう)を分散媒として用いた場合のナトリウム分散体製造設備について図1を参照しつつ説明する。
本実施形態のナトリウム分散体製造設備には、分散媒にナトリウムが粒子状に分散されたナトリウム分散体を形成すべく、液体状態の金属ナトリウムが分散媒とともに攪拌されるナトリウム分散部3と、該ナトリウム分散部3に液体状態の金属ナトリウムを供給すべく金属ナトリウムが液体状態で貯留されるナトリウム貯留槽11を有するナトリウム貯留部1と、該ナトリウム貯留部1から前記ナトリウム分散部3に液体状態の金属ナトリウムを搬送するための配管を有するナトリウム搬送配管部L1とが備えられている。
また、本実施形態のナトリウム分散体製造設備には、ナトリウム分散体の分散媒となる絶縁油を貯留する絶縁油貯留槽(分散媒貯留槽)21を有する絶縁油貯留部(分散媒貯留部)2と前記ナトリウム分散部3で形成されたナトリウム分散体を貯留するナトリウム分散体貯留部4が備えられている。
本実施形態においては、これらナトリウム貯留部1、絶縁油貯留部2、ナトリウム分散部3、およびナトリウム分散体貯留部4がそれぞれ別棟の建物に設置され、ナトリウム貯留部1とナトリウム分散部3との間にナトリウム搬送配管部L1が備えられ、絶縁油貯留部2とナトリウム分散部3との間に絶縁油搬送配管部(分散媒搬送配管部)L2が備えられ、ナトリウム分散部3とナトリウム分散体貯留部4との間にナトリウム分散体搬送配管部L3が備えられている。
前記ナトリウム貯留部1には、金属ナトリウムを液体状態で貯留すべく例えば数十m3の容量を有するナトリウム貯留槽11が備えられている。
また、前記ナトリウム貯留部1には、前記ナトリウム貯留槽11内に貯留されている液体状態の金属ナトリウムを加圧する加圧機構として加圧窒素供給装置12と該加圧窒素供給装置から前記ナトリウム貯留槽11に加圧窒素を搬送する窒素供給配管が備えられている。
前記加圧機構の加圧窒素供給装置12としては、例えば、加圧状態の窒素ガスを発生させる窒素発生装置と、該窒素発生装置により発生させた窒素を加圧状態で貯留する窒素タンクなどにより構成することができる。また、要すれば、窒素発生装置以外に窒素ガスボンベを前記窒素供給配管に接続させて用いることで前記窒素発生装置のバックアップを実施させることも可能である。また、前記窒素ガス発生装置には、例えば、いわゆる、PressureSwingAdsorption(以下PSAともいう)方式とよばれる分離対象物質を高圧状態で吸着し低圧状態で放出する吸着剤を用いた方式により、酸素など空気中に窒素以外に含有される気体を吸着剤に吸着させて高純度化された窒素を取り出し得るように構成されたものを用いることができる。このPSA方式窒素発生装置としては、吸着塔が2台以上備えられ、一吸着塔を高圧状態として窒素以外の気体を吸着剤に吸着させてこの吸着塔から高圧状態の窒素を排出させつつ、他吸着塔を低圧状態として吸着剤に吸着させた酸素などを排出させることにより、連続的に加圧状態の窒素を取り出し得るものが好適である。また、PSA方式窒素発生装置としては、排出する(窒素タンクに貯留される)窒素の圧力を、例えば、数百kPaの圧力とさせ得るものを用いることができる。
さらに、この加圧機構には、ナトリウム貯留槽11からナトリウム分散部3に供給されたナトリウムの量によりナトリウム貯留槽への加圧窒素の供給を制御する機構が設けられており、例えば、PID制御などによりナトリウム貯留槽11への加圧窒素の流量を調整する流量調整弁などが用いられる。
前記ナトリウム貯留槽11は、槽本体が蓋部と本体部により構成されて内容物の圧力状態を維持した状態で内容物を貯留し得るように形成されている。
前記蓋部には、タンクローリーなどで搬入された金属ナトリウムをこのナトリウム貯留槽に導入するためのナトリウム導入口と、前記加圧窒素供給装置からの加圧窒素が導入される窒素導入口とが開口され、前記ナトリウム導入口は、配管を通じてタンクローリーなどに連通され、前記窒素導入口は配管を通じて加圧窒素供給装置12に連通されている。
また前記本体部の壁は、二重に形成されてジャケット構造が形成され、ナトリウム貯留槽11内に貯留される金属ナトリウムを例えば120℃に加熱して液体状態を維持すべく、このジャケット構造部分にオイルなどの熱媒を流通可能なように形成されている。
さらに、この本体部の底面付近において前記ナトリウム搬送配管部の配管の一端部が開口されている。
このナトリウム搬送配管部L1の配管は、このナトリウム貯留部1が配された建物からナトリウム分散部3が配された建物まで配設され、前記ナトリウム貯留槽11から前記ナトリウム分散部3まで金属ナトリウムを液体状態に維持したまま搬送すべく断熱材により断熱されている。
このナトリウム搬送配管部L1には、このナトリウムの搬送に用いられる配管を流れるナトリウムの流量を測定する流量測定装置(図示せず)が備えられているが、このナトリウム搬送配管部L1にはナトリウムを搬送するためのポンプなどの搬送動力は設けられていない。
このことにより、このナトリウム搬送配管部L1での接合個所の形成を抑制させることができ、ナトリウムの漏洩を抑制し得るとともに、設備のメンテナンスに要する手間も軽減させることができる。
前記絶縁油貯留部2には、絶縁油を貯留すべく例えば数十m3の容量を有する絶縁油貯留槽21が備えられている。
この絶縁油貯留槽21には、前記絶縁油搬送配管部L2の配管の一端部が開口されている。
この絶縁油貯留槽21に一端部が開口された絶縁油搬送配管部L2の配管は、この絶縁油貯留部2が配された建物からナトリウム分散部3が配された建物まで配設されている。
また、この絶縁油搬送配管部L2にはこの絶縁油の搬送に用いられる配管を流れる絶縁油の流量を測定する流量測定装置(図示せず)と絶縁油を搬送するための絶縁油搬送ポンプ(分散媒搬送ポンプ)P1と、この絶縁油を加温するための熱交換器EXとが備えられている。
前記ナトリウム分散部3には、ナトリウムが例えば平均粒径20μm程度の大きさに一次分散させる一次分散装置と、この一次分散装置で分散されたナトリウム一次分散体をナトリウムの平均粒径が5μm程度のナトリウム二次分散体となるようにさらに分散させる二次分散装置とがそれぞれ複数台ずつ備えられている。そして、前記ナトリウム搬送配管部L1の他端部と前記絶縁油搬送配管部L2の他端部とは、前記一次分散装置31に金属ナトリウムと絶縁油とを供給可能となるように接続されている。
また、このナトリウム分散部3には、一次分散装置31で分散されたナトリウム一次分散体の貯留あるいは、このナトリウム一次分散体を前記二次分散装置32に繰り返して通過させてナトリウム二次分散体を得る場合に一旦二次分散装置を通過させたナトリウム分散体を貯留するための、例えば、2〜3m3程度の容量を備えたバッファータンク33が複数台備えられている。
さらに、ナトリウム分散部3には、前記二次分散装置32にてナトリウムの平均粒径が5μm程度に形成されたナトリウム二次分散体をナトリウムの融点以下に冷却するナトリウム分散体冷却槽34が備えられており、このナトリウム分散体冷却槽34は十m3程度の容量を備え、槽壁が2重に形成されてジャケット構造が形成されている。そして、このジャケット構造部分にオイルなどの冷媒を流通可能なように形成されている。
また、このナトリウム分散体冷却槽34には、槽内の温度を均一化させつつ、ナトリウムの沈降を抑制させるべく攪拌機構が設けられている。
前記一次分散装置31としては、例えば、パドル翼やディスクタービン翼などを備えた攪拌装置を用いることができる。
また、この攪拌装置には、一次分散の時にナトリウム分散体の温度を適度に維持して、例えば、ナトリウム分散体の温度が上がりすぎて絶縁油の引火点を超えてしまうことを防止すべくオイルなどの熱媒を流通可能なジャケット構造が形成された攪拌槽を用いることが好ましい。特に、ナトリウムがジャケット部に漏洩した場合においてもナトリウムが反応することを抑制し得る点において、このオイルとしてはナトリウムに対して不活性な合成熱媒油などを好適に用いることができる。
また、このジャケット構造ならびに使用する合成熱媒油としては、一次分散装置31に収容される分散媒や金属ナトリウムを105〜140℃の温度に保持させ得るものから選ばれることが好ましい。
また、前記二次分散装置32として、ローター/ステーター型攪拌装置が2台備えられている。また、この2台のローター/ステーター型攪拌装置は、いずれもローターとステーターとが攪拌前の金属ナトリウムと分散媒との混合物を吸入する吸入孔と攪拌後の金属ナトリウムと分散媒との混合物を吐出する排出孔とが形成されているチャンバー内に収容されている。そして、前記吸入孔からチャンバー内に吸入された前記混合物が前記ステーターと前記ローターとにより混合攪拌されて前記排出孔より吐出されるべく構成されている。
また、この2台のローター/ステーター型攪拌装置は、金属ナトリウムと分散媒との混合物の流通方向上流側と下流側とに直列に配されており、上流側のローター/ステーター型攪拌装置の排出孔と下流側のローター/ステーター型攪拌装置の吸入孔とが連結されている。
この連結されているローター/ステーター型攪拌装置の前段側、すなわち金属ナトリウムと分散媒との混合物の流通方向の上流側に配されるローター/ステーター型攪拌装置には高吐出型のローター/ステーター型攪拌装置(以下「高吐出型二次分散装置」ともいう)が用いられ、後段側となる下流側には高せん断型のローター/ステーター型攪拌装置(以下「高せん断型二次分散装置」ともいう)が用いられている。
この高吐出型二次分散装置32Aとしては、例えば、図2、図3に示すような、円周方向に液体流路となる間隙を設けつつ複数の刃が立設されて全体中空円筒形に形成された円周刃を同心円状に複数列形成されたステーターと、このステーターと同様に同心円状に複数列形成された刃(せん断部)を有するローターとが互いの刃を噛み合わせて対向配置されているものを用いることができる。
このローターは、円盤状の本体の表面側に上記のような同心円状に複数列形成された刃(せん断部)が形成され、裏面側の中心部にこのローターを回転させる回転軸が固定されている。
また、このローターは、その中心部に後退翼(翼部)が形成されており前記ステーターと互いの刃を噛み合わせて対向配置させたときにステーターの中空領域にこの後退翼が位置すべく同心円状の刃と後退翼とが配されている。
このローターの後退翼は、回転によりナトリウム一次分散体に遠心力を作用させ、この遠心力を受けたナトリウム一次分散体は、ステーターの液体流路を通じてステーターの外周側に流動されることとなる。
また、このときこの後退翼の外周側に配されている多数の刃とステーターの刃とで液体流路を通過するナトリウム一次分散体がせん断されることとなる。
そして、このローターは、前記円盤状本体よりも僅かに径大で、ローターよりも僅かに厚さの厚い円柱状の空間が形成されたチャンバー内に収容されている。このローターを収容するチャンバーは、円柱状空間の一方に開口面が形成され、他方に閉塞面が形成されており、この閉塞面には中心部に前記回転軸が挿通される貫通孔が形成され、開口面はその開口部の外周にフランジが形成されている。また、このチャンバーの側面には、このチャンバー内で分散されたナトリウム分散体をチャンバー外に排出すべくチャンバー内と外部とを連通させる排出孔が形成されている。
そして、このローターは、円盤状の本体の裏面側を、前記閉塞面に当接させてチャンバー内に収容されている。
前記ローターはこのようなチャンバー内に収容されてチャンバーとの相対回転が自在とされており、前記回転軸によりチャンバー内において回転可能とされている。
前記ステーターには、ローターの開口面外周部に形成されたフランジと係止可能に形成されたフランジが外縁部に形成された板状体の一面側に、前述したような複数の刃が円周方向に液体流路となる間隙を設けつつ立設されている。
そして、このステーターとローターとのフランジが当接された場合にこのフランジ当接面よりもローター側に突出して、ローター表面に同心円状に配された刃の間に位置して噛み合いを形成しステーターの中空領域にローターの後退翼が位置するように同心円状の刃が配されてステーターの円筒形状が形成されている。
このステーターには、その中空領域に一次分散されたナトリウム分散体を導入させ得るように、ステーターの中心部に、同心円状の刃が形成された表面側から裏面側に貫通する貫通孔(吸入孔)が形成されている。
したがって、このステーターとローターとのフランジが当接されて互いに係止されることにより前記チャンバーは、この吸入孔と前述の排出孔とにおいて外部との連通状態を形成する以外は閉塞されることとなる。
さらに、このステーターとローターとのフランジが当接されて互いに係止されることによりこの閉塞されたチャンバー内でステーターに対してローターが相対回転自在に配置され、ローターを回転させて、吸入孔からの液体吸引力と排出孔からの液体吐出力とを発生させることができる。
また、この高吐出型二次分散装置32Aは、このように構成されることにより、吸入孔と排出孔とに配管を接続させてインラインで攪拌を実施させることができる。
このような高吐出型のローター/ステーター型攪拌装置としては、通常、単独で用いた場合において、液体状態の金属ナトリウムと絶縁油との混合物を10時間以内の時間にナトリウムの平均粒子径を10μm以下にすることができてしかも最大吐出量が15m3/h以上得られるものを用いることができ、液体状態の金属ナトリウムと絶縁油との混合物を10時間以内の時間にナトリウムの平均粒子径を5μm以下にすることができてしかも最大吐出量が18m3/h以上のものが好適である。
また、高せん断型二次分散装置32Bには、例えば、ローターの中央部に形成された後退翼の翼面積が減少されるかあるいは備えられておらずローターの同心円状に複数列形成された刃が回転することによる僅かな吐出力しか有していない一方でこの同心円状に配された刃数、あるいは、列数が増大されるなどして高吐出型二次分散装置よりもナトリウム分散体に対するせん断性能が向上されたものを用いることができる。
このような、高せん断型二次分散装置としては、通常、高吐出型のローター/ステーター型攪拌装置よりもせん断力の高いものであればどのようなローター/ステーター型攪拌装置でもよく、このせん断力が高いとは、本明細書中においては、液体状態の金属ナトリウムと絶縁油との混合物を同一流量で通過させたときの金属ナトリウムの平均粒子径がより微細化されることを意図している。
この高せん断型二次分散装置に用いるローター/ステーター型攪拌装置が高吐出型のローター/ステーター型攪拌装置よりもせん断力が高いかどうかは、同等の状態とされ且つ同量の金属ナトリウムと絶縁油との混合物を2つ用意して、それぞれを、高せん断型二次分散装置に用いるローター/ステーター型攪拌装置と高吐出型二次分散装置に用いるローター/ステーター型攪拌装置とに別々に同一流量で循環させていずれの混合物のナトリウム粒子が先に所定の平均粒子径となるかを比較するなどして判定することができる。
このとき、例えば、高吐出型二次分散装置に用いるローター/ステーター型攪拌装置をほぼ最大の回転数で運転させて、高せん断型二次分散装置側の流量を高吐出型二次分散装置にあわせるべく高せん断型二次分散装置に用いるローター/ステーター型攪拌装置を、ナトリウムのせん断にあまり影響を与えることのない、例えば、渦巻きポンプなどを用いて附勢させて上記の判定をすればよい。
これらの二次分散装置にも前述の一次分散装置と同様に装置外部にジャケット構造が形成されている。
このナトリウム分散部3には、形成されたナトリウム分散体をナトリウム分散体搬送配管部L3の配管を通じてナトリウム分散体貯留部4に供給すべく、前記配管の一端部が前記ナトリウム分散体冷却槽34に接続されている。
ナトリウム分散体貯留部4には、例えば、数十m3の容量を備えたナトリウム分散体貯留槽41が複数備えられており、このナトリウム分散体貯留槽41に前記ナトリウム分散体搬送配管部L3の配管の他端部が接続されている。
またこのナトリウム分散体貯留槽41には、ナトリウム分散体の排出を行う排出配管が接続されており、この排出配管を通じてタンクローリーなどへの供給が適宜可能となるようにされている。
また、このナトリウム分散体貯留槽41にも、ナトリウムの沈降を抑制させるべく攪拌機構が設けられている。
また、ここでは詳述しないが、本実施形態のナトリウム分散設備には、電熱ヒーター、スチームなどの温度制御のための装置や、バルブ、弁などの流通を制御する機構などといった一般的なナトリウム分散体製造設備に用いられる装置、機構を本発明の効果を損ねない範囲において採用することができる。
次いで、このようなナトリウム分散体製造設備を用いたナトリウム分散体製造方法について説明する。
まず前記ナトリウム貯留部1のナトリウム貯留槽11に貯留する金属ナトリウムを、該ナトリウム貯留槽11のジャケット部に熱媒を流通させることにより、例えば、120℃の温度に加熱し、保温して十分な流動性を備えた液体状態とさせ、このナトリウム貯留槽11を密封状態とさせて、前記加圧機構の加圧窒素供給装置12からナトリウム貯留槽11に加圧窒素を供給して、槽内の金属ナトリウムの加圧を行う。
この加圧窒素による金属ナトリウムの加圧により、ナトリウム貯留槽の金属ナトリウムをナトリウム搬送配管部L1を通じて前記一次分散装置31に圧送する。
このとき、ナトリウム搬送配管部L1の配管長、配管径、始点と終点との高低差などにもよるが、例えば、ナトリウム貯留槽に加圧窒素を供給して、ナトリウム貯留槽内の窒素の圧力を50〜100kPa(例えば、70kPa)などにすることにより、例えば、2Bの配管が用いられたナトリウム搬送配管部L1を通じて、数十m以上の距離の地点にまでナトリウムを圧送することができる。
一方、前記絶縁油貯留部2からは、前記絶縁油搬送ポンプP1の搬送動力により絶縁油搬送配管部L2の配管を通じて前記一次分散装置31に絶縁油が供給される。このとき、絶縁油搬送配管部L2に備えられた熱交換器EXにより、絶縁油は、例えば、120℃の温度に加熱されて一次分散装置31に供給される。
一次分散装置31においては、導入された絶縁油と金属ナトリウムとの混合攪拌を実施してナトリウムの平均粒子径が20μm以下のナトリウム一次分散体を形成させる。このとき、通常、絶縁油と金属ナトリウムとに摩擦熱が発生して温度が上昇することから、上記に説明したようなジャケット構造が形成された攪拌槽を用いて、オイルなどの熱媒をジャケットに流通させて温度を例えば120℃に維持させつつナトリウム一次分散体を形成させことが好ましい。
なお、本明細書中におけるナトリウムの粒子径とは、特に規定しない限りにおいては、ナトリウム分散体を光学顕微鏡などを用いて測定されるナトリウム粒子の投影面積と同じ面積を有する真円の直径を意図しており、ナトリウムの平均粒子径とは、特に規定しない限りにおいては、ナトリウム分散体を200倍に拡大して観察したときに目視にて視認可能な粒子について粒子径を求めて得られた粒子径を算術平均した値を意図している。
次いで、この一次分散装置31で得られたナトリウム一次分散体を前記バッファー槽33に一旦貯留し、バッファー槽33からナトリウム一次分散体を前記高吐出型二次分散装置32Aに供給しナトリウムをさらに微細化させて分散させ、ついで、この高吐出型二次分散装置32Aの次段に配された高せん断型二次分散装置32Bでナトリウムをさらに微細化させて分散させる。
より詳しくは、前記バッファー槽33からナトリウム一次分散体を高吐出型二次分散装置32Aの吸入孔から吸入させ、ローターを回転させることで、前記吸入孔からチャンバー内のステーター中空領域に吸入されたナトリウム分散体をこのローターの中央部に備えられた後退翼により遠心力を加えてステーターの液体流路を通過させて外方に移動させつつ、ローターとステーターとの刃によりせん断を与える。そして、前記排出孔からナトリウム分散体を排出させて高せん断型二次分散装置32Bの吸入孔から高せん断型二次分散装置32Bのチャンバー内に導入し、ナトリウム粒子をさらに微細化させる。ついで、この高せん断型二次分散装置32Bから吐出させたナトリウム分散体を前記バッファー槽33に還流させる。
このように、高吐出型二次分散装置32Aと高せん断型二次分散装置32Bとを組み合わせて用いることでナトリウム粒子を効率良く微細化させることができしかもポンプなどのナトリウム分散体の搬送のための設備を省略させることができるという効果を得ることができる。
また、このようにせん断力、吐出力の異なる複数の二次分散装置(ローター/ステーター型攪拌装置)を用いることでナトリウム分散体のナトリウム粒子をよりすばやく、より微細にさせることができる。
さらに、連結部の前段側に高吐出型二次分散装置を、後段側に高せん断型二次分散装置を配置して、前段側に後段側よりも吐出量の大きなローター/ステーター型攪拌装置を配してナトリウム分散体の二次分散を実施することにより、ナトリウム分散体搬送のための設備を省略させることができるのみならず、前段側の高吐出型二次分散装置により、連結部を正圧状態にして、後段側の高せん断型二次分散装置において背圧が加えられた状態での攪拌(二次分散)を実施させることができる。したがって、後段側の高せん断型二次分散装置にローター、ステーターの刃と刃の間隙が狭められたよりせん断性能の向上されたものを用いることも可能となる。このようなことから、よりすばやく、より微細化されたナトリウム分散体の製造を実施させることができる。しかも、この二次分散においてナトリウム分散体の分散媒の温度が上昇した場合においても、この連結部が正圧にされることにより、前記分散媒から揮発成分が揮発して気泡を生じ、後段側の二次分散装置にこの気泡が巻き込まれてせん断性能(分散性能)が低下してしまうことを抑制させる効果も奏する。
分散媒として、密度0.85〜0.87g/cm3、引火点140℃以上、流動点−20℃以下、40℃における動粘度7〜9mm/s、酸価0.01mgKOH/g以下、硫黄分1ppm以下、パラフィン鎖炭素含有率50%以上、芳香族環炭素含有率15%以下のパラフィン系鉱物油からなり危険物第四類第三石油類の電気絶縁油、潤滑油が用いられている場合には、上記のような効果を十分得られる点においてこの連結部を、100Pa以上の正圧状態にして二次分散を実施することが好ましい。
このようにしてナトリウム分散体のナトリウム粒子が所望の粒子径、例えば、5μm以下の粒子径となるまでナトリウム分散体をバッファー槽33から高せん断型二次分散装置32Aと高吐出型二次分散装置32Bとを経由してバッファー槽33に還流させる。
ナトリウム粒子が所望の粒子径になった場合には、この高吐出型二次分散装置32Bからバッファー槽33へのナトリウム分散体の流路を前記ナトリウム分散体冷却槽34に切り替えて、ナトリウム分散体をナトリウム分散体冷却槽34に貯留させる。
このときバッファー槽33に窒素などの加圧気体を導入させて、ナトリウム粒子が所望の粒子径になったナトリウム分散体をナトリウム分散体冷却槽34に圧送するようにしてもよい。このようにバッファー槽33に窒素などの加圧気体を導入させてナトリウム分散体をナトリウム分散体冷却槽34に圧送することにより、二次分散装置の吐出力による流動させる場合に比べて、すばやくナトリウム分散体をナトリウム分散体冷却槽34に移動させることができるとともに、所望の粒子径になったナトリウム分散体が系内に残留することを抑制させることができより効率の高い運転方法とさせ得る。
このときナトリウム分散体冷却槽34のジャケット部に冷媒を流通させてナトリウム分散体を例えば25℃程度に冷却させる。
このナトリウム分散体冷却槽34で冷却されたナトリウム分散体は、前記ナトリウム分散体搬送配管部L3の配管を通じてナトリウム分散体貯留部4のナトリウム分散体貯留槽41にて貯留させる。
なお、本実施形態においては、上記のごとく構成されたナトリウム分散体製造設備を用いて、上記のごとくナトリウム分散体を製造する場合を例に説明したが本発明においてはナトリウム分散体製造設備を上記のようなものに限定するものではない。
また、本実施形態においては、ナトリウム貯留槽の金属ナトリウムをナトリウム搬送配管部を通じて前記一次分散装置に圧送する際に、ナトリウム貯留槽内の圧力の変動を緩やかなものとすることができ、流量の調整などが容易となる点においてナトリウム貯留槽内に加圧気体を供給して金属ナトリウムを加圧する場合を例に説明したが、本発明においては、ナトリウム貯留槽内の金属ナトリウムを加圧する手段が加圧気体の供給に限定されるものではない。
さらに、本実施形態においては、ナトリウムに対して不活性であり、安全であるとともにナトリウム分散体の品質を低下させるおそれがなく、しかも、安価であることからナトリウム貯留槽内に加圧気体として窒素を供給する場合を例に説明したが、本発明においては、加圧気体を窒素に限定するものではない。
また、本実施形態においては、ナトリウム分散体の分散媒として絶縁油を例に説明したが、本発明においては、分散媒を絶縁油に限定するものではない。
また、本実施形態においては、ポンプの設置によるナトリウム搬送配管部の接続個所の増大を抑制でき、ナトリウムの漏洩を抑制できてメンテナンスの手間を削減させ得る点において、ナトリウム貯留部からナトリウム分散部までの液体状態のナトリウムの搬送のために、ナトリウム貯留槽に加圧機構を設けてナトリウム搬送配管部を通じてナトリウムを圧送させる場合を例に説明したが本発明のナトリウム分散体製造設備においては、ナトリウム貯留槽を加圧機構が設けられたものに限定するものではない。
また本実施形態においては、ローター/ステーター型攪拌装置として、ステーターとローターに円周方向に間隙を設けつつ複数の刃が立設されている円周刃を備えたものを例に説明したが、本発明においては、このような円周刃に代えて、例えば、側面にスリットや丸穴など多数の貫通孔が形成された円筒体を用いることも可能である。また、ステーターやローターの同心円状に配置されたこれらの円周刃の列数も適宜変更できる。また、ローターにおいてはこのような円周刃でせん断部を形成することに代えて、例えば、中央の後退翼の外端部をステーターの円周刃の内周近傍にまで延長してこの後退翼の外端部をせん断部として機能させることも可能である。
また、本実施形態においては、ローターの翼部を後退翼を例に説明したが本発明においては、ナトリウムと分散媒との混合物に遠心力を与えて、ステーターの液体流路を通じてステーターの外方に流動させるべく構成されているものであればその形態を後退翼に限定するものではない。
(第二実施形態)
本実施形態においては、一次分散装置31が用いられておらず、ナトリウム貯留槽から供給される液体状態のナトリウムと、絶縁油貯留槽21から供給される絶縁油とが直接バッファー槽33に導入されて貯留されるべく構成されている点を除けば第一実施形態と同様である。
また、この第二実施形態のバッファー槽33には、要すれば、二次分散装置に供給する分散媒とナトリウムとの割合に偏りが生じない程度に分散媒とナトリウムとを混合攪拌させる攪拌手段を設けることもできる。
この第二実施形態においても、第一実施形態と同様にナトリウムの粒子径が所望の値となるまでバッファー槽33から二次分散装置32を流通させて再びバッファー槽33に還流させ、ナトリウムの粒子径が所望の値となった時点でナトリウム分散体冷却槽34に導入するようにすればよい。
この第二実施形態においても、第一実施形態において説明した各設備の構成や運転方法に関する種々の変更点を採用することが可能である。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
一次分散体の調整:
分散媒:密度0.86g/cm3、引火点140℃以上、流動点−20℃以下、40℃における動粘度8mm/s、酸価0.01mgKOH/g以下、硫黄分1ppm以下のパラフィン系鉱物油からなる電気絶縁油14880kgとナトリウム5120kgとを用いナトリウムの平均粒子径が約20μmの一次分散体を準備した。
二次分散機器(ローター/ステーター型攪拌装置):
高吐出型二次分散装置:
大平洋機工社製、商品名「キャビトロン」(単独運転による最大吐出量約25m3/h)
高せん断型二次分散装置:
ROSS社製、商品名「X−Series」(単独運転による最大吐出量1m3/h以下)
構成:
上記の高吐出型二次分散装置の排出孔と高せん断型二次分散装置の吸入孔とを内管80mm、外管100mmの二重管で連結し、しかも、高せん断型二次分散装置の排出孔から吐出されるナトリウム分散体が高吐出型二次分散装置に還流されるように分散装置の構成を行った。
評価:
二次分散機器へのナトリウム分散体供給温度を120〜140℃に保持しつつ、高吐出型二次分散装置を4800rpm、高せん断型二次分散装置を5800rpmとして運転した。
このとき、ナトリウム分散体の流通量は15000kg/hであった。
また、このとき、高吐出型二次分散装置と高せん断型二次分散装置との連結部では、ナトリウム分散体に500Paの正圧が発生していた。
高吐出型二次分散装置と高せん断型二次分散装置の間でナトリウム分散体を循環させ、80分後、ナトリウム分散体を冷却してこのナトリウム分散体に分散されているナトリウム粒子の平均粒子径を測定した。
このナトリウム粒子の平均粒子径の測定においては、まず、ナトリウム分散体から無作為に選定した縦0.29mm×横0.38mmの範囲を光学顕微鏡を用いて200倍に拡大して観察したときに目視にて視認可能な粒子すべてについて、その投影面積を測定した。この測定された投影面積と同じ投影面積となる真球の体積を求め、すべての粒子の真球換算体積の和を粒子数で除した平均体積を求め、この平均体積と同じ体積となる真球の直径を平均体積粒子径として求めた。
また粒子の投影面積と同じ面積を持つ真円の直径を計算により求め、得られた直径を粒子数で除して数平均粒子径として求めた。
上記により、得られたナトリウム分散体のナトリウム粒子の平均体積粒子径は4.5μmであり、数平均粒子径は3.27μm、標本数は3111、標準偏差は1.25μmであった。
(実施例2)
実施例1で利用した高吐出型二次分散装置を2台直列に並べ、上流を4800rpmで、下流を5800rpmで運転し、運転時間300分間とした以外は、実施例1と同様にナトリウム分散体を作製した。
得られたナトリウム粒子は、平均体積粒子径5.14μm、数平均粒子径3.83μm、標準偏差1.40μmであった。
(比較例1)
実施例1で利用した高吐出型二次分散装置を1台のみを用いて、回転速度を4800rpmとした以外は、実施例1と同様の条件でナトリウム分散体を作製したところ、600分間循環させても得られたナトリウム分散体のナトリウム粒子は、平均体積粒子径が5μm、数平均粒子径が3.73μm、標準偏差1.35μmであった。
以上のことからも、一ローター/ステーター型攪拌装置の排出孔と他ローター/ステーター型攪拌装置の吸入孔とが連結されて複数のローター/ステーター型攪拌装置がナトリウム分散部に設けられていることにより、単一のローター/ステーター型攪拌装置が用いられる場合に比べて金属ナトリウムをすばやく微細化させて分散媒に分散させ得ることがわかる。
第一実施形態のナトリウム分散体製造設備を示すフロー図。 ローター/ステーター型攪拌装置を示す部分断面図。 図2のローター/ステーター型攪拌装置のステーターとローターとを示す正面図。 第二実施形態のナトリウム分散体製造設備を示すフロー図。
符号の説明
1:ナトリウム貯留部、2:絶縁油貯留部、3:ナトリウム分散部、11:ナトリウム貯留槽、12:加圧窒素供給装置(加圧機構)、32:二次分散装置(ローター/ステーター型攪拌装置)、L1:ナトリウム搬送配管部

Claims (5)

  1. 液体状態の金属ナトリウムと分散媒との混合物を攪拌することにより金属ナトリウムを微細化させて分散媒に分散させるナトリウム分散体製造方法であって、
    金属ナトリウムと分散媒との混合物を吸入する吸入孔と該吸入された前記混合物を吐出する排出孔とが形成されているチャンバーと該チャンバー内に収容されているローターとステーターとを有し、しかも、前記吸入孔からチャンバー内に吸入された混合物を前記ステーターと前記ローターとにより攪拌させて前記排出孔より吐出させるべく構成されたローター/ステーター型攪拌装置を複数用いて、該複数のローター/ステーター型攪拌装置を一ローター/ステーター型攪拌装置の排出孔と他ローター/ステーター型攪拌装置の吸入孔とを連結させた状態で前記攪拌を実施して、前記液体状態の金属ナトリウムと分散媒との混合物を一ローター/ステーター型攪拌装置と、他ローター/ステーター型攪拌装置とで連続的に攪拌させ、且つ、一ローター/ステーター型攪拌装置の排出孔と他ローター/ステーター型攪拌装置の吸入孔との連結部を正圧状態にさせて前記攪拌を実施することを特徴とするナトリウム分散体製造方法。
  2. 前記分散媒として、密度0.85〜0.87g/cm 3 、引火点140℃以上、流動点−20℃以下、40℃における動粘度7〜9mm/s、酸価0.01mgKOH/g以下、硫黄分1ppm以下、パラフィン鎖炭素含有率50%以上、芳香族環炭素含有率15%以下のパラフィン系鉱物油を使用し、前記連結部を100Pa以上の正圧にして前記攪拌を実施する請求項1に記載のナトリウム分散体製造方法。
  3. 前記連結させたローター/ステーター型攪拌装置の内の前記一ローター/ステーター型撹拌装置には、該ローター/ステーター型撹拌装置に連結されている前記他ローター/ステーター型撹拌装置に比べて大きい最大吐出量を有しているローター/ステーター型撹拌装置を用いる請求項1または2に記載のナトリウム分散体製造方法。
  4. 前記連結されているローター/ステーター型攪拌装置の内の前記他ローター/ステーター型撹拌装置には、該ローター/ステーター型撹拌装置の前段側に連結されている前記一ローター/ステーター型撹拌装置に比べて高いせん断力を有しているローター/ステーター型撹拌装置を用いる請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナトリウム分散体製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のナトリウム分散体製造方法によって製造されていることを特徴とするナトリウム分散体。
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