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JP4845816B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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JP4845816B2
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Description

本発明は、半導体製造に用いられるプラズマ処理装置およびこのプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法に関する。
半導体装置の製造工程において、弱電離プラズマを用いたプラズマエッチング、プラズマCVD、或いはプラズマアッシングが用いられている。半導体製造工程における安定性を向上させるには、これらのプラズマ処理に際して、ラジカル組成の変動やチャンバ壁の経時変化を把握することが求められている。プラズマ処理において、プラズマ中の組成に変動があった場合、エッチング形状の寸法変動を引き起こす恐れがある。したがって、処理時間の進展に伴うプラズマ中の組成変化を把握することは極めて重要である。また、必ずしも経時変化だけではなく、ガス流量比や入力電力等、プロセス条件を積極的に変化させた場合、所望のプラズマ組成比となっているかを確認する上でも重要である。さらに、モニタリングした値に基づいてフィードバックすることで、プラズマの変動を抑制する技術が求められている。
一方、半導体製造装置の微細化の進展に伴い、レジストの薄膜化に伴うエッチング時のレジストの消耗速度低減(選択比向上)や高アスペクト比ホール内部への十分なエッチャント供給等の要求から、堆積性の強い処理ガスがますます多用されることが予想される。しかしながら、堆積性の強い処理ガスを用いると、真空チャンバ内には堆積物が付着する。前記堆積物が真空チャンバ側壁より剥がれ落ちた場合には、この堆積物は異物粒子として半導体の製造ラインを汚染し、歩留まり低下を引き起こすことになる。このため、長期安定性の観点から、真空チャンバ内の堆積膜量を常に把握し、前記堆積物が真空チャンバ側壁より剥がれ落ちる前に全掃するタイミングを見極めることは極めて重要である。
これまでにもプラズマ中のラジカル組成の変動を計測する手段や真空チャンバ側壁の堆積物測定に関するアイデアが考案されている。例えば、フィルタの後段に質量分析器を設置し、フィルタを通過する化学種の同定を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、フィルタ後段に質量分析器を設置する手法においては、測定手法そのものが観測するラジカル種の組成に影響を与えてしまう恐れがある上、コストや長期的安定性の観点から、量産装置に設置して継続的に測定することは困難である。また、フィルタをサセプタ上に設置する場合では、フィルタを通過するのは化学種のみならずイオンも通過するため、フィルタを通過して形成される堆積膜は、イオン照射による膜厚や組成変化の影響を受けてしまう。また、フィルタを真空槽の側壁に設置し、イオン電流測定器によるプラズマからの電子やイオン電流の減衰から堆積物の付着量を計測する場合では、堆積物がある一定値以上に達した場合に、電流を計測することが困難となりメンテナンスが必要となることや、堆積物の膜厚や質量を計測することを目的とするものではない。
また、振動子を用いた膜厚モニタにより真空チャンバ内に堆積した膜厚を測定し、クリーニングの終点検出を行うことが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この手法によれば、クリーニングの終点検出の観点から真空チャンバ内に堆積した膜厚の増減を測定することは可能であるが、堆積物の膜質まで把握するものではない。
さらに、ドライエッチング装置のチャンバ内におけるコンディション変化の要因となるCF系重合物の堆積量を監視し、膜厚を制御するためのフィードバック機能を有するドライエッチング装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)が、堆積物の膜質までは考慮していないことから、今後ますます求められる微細化や寸法精度の向上に対応することができないという問題がある。また、発光に基づいてエッチングチャンバー内の状態を測定する手段が提案されている(例えば、特許文献4参照)が、プラズマの発光からラジカルの変化を測定する手段においても、発光による測定が困難であるラジカル種に関しては、その変化を把握することは難しい。
上記に述べたこれまでの発明は、いずれも、クリーニングの終点検出の観点から真空チャンバ内に堆積した膜厚の増減を測定することは可能であるが、主に堆積膜の増減に主眼を置いたものであり、堆積物の膜質まで把握するものではない。また、チャンバ内の堆積膜厚の測定結果からフィードバックする手法についても、堆積物の膜質までは考慮していないことから、今後ますます求められる微細化や寸法精度の向上対応することができないという問題がある。さらに、プラズマの発光からラジカルの変化を測定する手段においても、発光による測定が困難であるラジカル種に関しては、その変化を把握することは難しい。
特開平8−138887号公報 特開2000−293829号公報 特開平10−64886号公報 特開2002−367958号公報
本発明は、このような従来の事情に対処したもので、特殊な測定装置やプラズマからの発光を利用することもなく、実際のプラズマ処理条件において、プラズマ中のラジカル種を分離して直接測定することが可能であり、真空チャンバ内のコンディションの変化を正確に把握することができるプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、処理室と、前記処理室に処理ガスを供給する手段と、前記処理室を減圧する真空排気手段と、被処理体を載置する被処理体戴置台と、プラズマ生成手段と、プラズマ処理を制御する制御系を有するプラズマ処理装置において、前記処理室側壁に、複数の膜厚モニタが設置され、前記複数の膜厚モニタのそれぞれは、孔径と深さの比が0以上30以下の範囲内で特定のアスペクト比の微細孔を有するフィルタと前記フィルタのそれぞれの後段に薄膜膜厚または堆積物の質量を計測する薄膜膜厚計測手段を有し、前記フィルタのアスペクト比がそれぞれ異なるようにした。
本発明は、上記プラズマ処理装置において、薄膜膜厚計測手段が水晶振動子の振動周波数、またはその変化量により堆積膜厚または堆積膜厚速度の測定を行うようにした。
本発明は、上記プラズマ処理装置において、微細孔を有するフィルタの後段にガラス基板を載置し、そのガラスに堆積した膜厚を光学的手法により測定するようにした。
本発明は、上記プラズマ処理装置において、前記制御系を、薄膜膜厚計測手段および微細孔を有するフィルタの温度を制御する制御系とした。
本発明は、上記プラズマ処理装置において、前記制御系を、薄膜膜厚計測手段および微細孔を有するフィルタの電位を制御する制御系とした。
本発明は、上記プラズマ処理装置において、前記フィルタ部材の材質を、SUS、Si、SiC、SiO、Al、Cのいずれか一つから構成した。
本発明は、上記プラズマ処理装置において、前記制御系を、微細孔を有するフィルタ後段の薄膜膜厚計測手段にて計測される膜厚情報に従い、処理ガス供給条件を制御する制御系とした。
本発明は、上記プラズマ処理装置において、前記制御系を、微細孔を有するフィルタ後段の薄膜膜厚計測手段にて計測される膜厚情報に従い、プラズマ生成手段におけるプラズマ生成条件を制御する制御系とした。
本発明は、上記プラズマ処理装置において、前記制御系を、微細孔を有するフィルタ後段の薄膜膜厚計測手段にて計測される膜厚情報に従い、処理室内のクリーニング時期を警告または告知する制御系とした。
本発明は、上記プラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法において、エッチングに用いる絶縁膜は、該プラズマ処理装置を用いて被処理体であるシリコン基板上のSiO、SiC、SiOC、SiOCH、SiN、Siのいずれか一種類を主成分とする単一の膜または二種類以上の膜によって構成される多層膜をエッチング処理する。
本発明は、上記プラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法において、プラズマの原料ガスにフロロカーボン系ガスを主成分とするプロセスにおいて、被処理体であるシリコン基板上のSiO、SiC、SiOC、SiOCH、SiN、Siのいずれか一種類を主成分とする単一の膜または二種類以上の膜によって構成される多層膜をエッチング処理する。
以上説明したように、本発明では、微細孔のアスペクト比が異なる複数のフィルタを介して堆積する膜厚を測定することにより、エッチング処理中にプラズマ中のラジカル種を分離して直接測定することができる。
本発明によれば、半導体製造工程において歩留りを向上させることができる。
[実施例1] 以下、本発明の第1の実施例について図面を参照して説明する。図1に本発明の膜厚モニタの概略図を示す。膜厚モニタは、微細孔を有するフィルタ101と、水晶振動子支持体103に支持された水晶振動子102と、水晶振動子支持体103に温度制御媒体を供給する導入路104と、通信線105と、水晶振動子支持体103にバイアス電圧を印加するDCバイアス電源106が接続されている。
微細孔を有するフィルタ101の後段には、膜厚または質量を測定するための水晶振動子102が設置されている。フィルタ101は、プラズマ中のラジカルの付着係数の違いを利用し、付着性ラジカルの組成を分離できるように、フィルタの厚さHを微細孔の穴径Dで除した値(アスペクト比)を選択する。水晶振動子102は、発振回路、電源、通信線等と接続されており、振動周波数を真空チャンバ外部から通信線105を介してモニタできるようになっている。
フィルタ101は、水晶振動子102に直接固定せず、水晶振動子支持体103と接合することで、水晶振動子102の発振周波数に影響を与えない構造とする。また、フィルタ101を通過せずに到達するラジカルの堆積を避けるために、フィルタ101と支持体103との間隔Lは、限りなく小さいことが望ましい。さらに、フィルタ101と水晶振動子支持体103は、物理的な接触だけではなく、電気的に接触していることが望ましい。
水晶振動子支持体103の内部には温度制御用媒体の流路が設けてあり、導入路104を通じてフロリナートなどの温度制御用媒体を流すことができる構造となっており、水晶振動子支持体103の温度を制御することが可能である。流路に流す温度制御用媒体は、水、空気等であっても良いのは勿論である。また、水晶振動子支持体103を昇温するために、水晶振動子支持体103自体をヒーターによって加熱しても構わない。さらに、ペルチェ素子を用いることにより、水晶振動子支持体103自体の加熱または冷却の温度制御をしても良いのは勿論である。以上のように水晶振動子支持体103を温度制御することにより、該水晶振動子支持体103と密着しているフィルタ101の温度も同時に制御できることは勿論である。
堆積性ラジカルの付着係数は温度に依存するため、フィルタ101の温度を制御することにより水晶振動子102に到達するラジカル種や堆積量をコントロールすることができる。さらに、水晶振動子支持体103およびフィルタ101にはDCバイアス電圧をDCバイアス電源106から印加することが可能にされている。特に、水晶振動子支持体103およびフィルタ102に正バイアスを印加することにより、プラズマからフィルタ102に入射する正イオンを減少させることが可能になる。このことによって正イオン入射の影響を極力低減した状態でラジカルの堆積膜の測定が可能になる。また、DCバイアス電源106からのDCバイアス電圧の極性を変化させて負バイアスを印加すれば、負イオンの入射を抑制することができる。
図2は、主にエッチング処理で用いることを想定したプラズマ処理装置において本発明を適用した実施例を示している。プラズマ処理装置は、処理室201と、アンテナ203と、被処理体202とフォーカスリング210とを戴置するための被処理体戴置台204と、静電チャック用電極205と、高周波電源206と、整合器207と、排気手段208と、シャワープレート209と、膜厚モニタ211とを有している。
処理室201には、電磁波放射のためのアンテナ203が設置されている。アンテナ203にはプラズマ生成のための高周波電源206が整合器207を介して接続されている。アンテナの下にはシャワープレート209が設置されており、処理ガスがシャワープレートに設けられたガス孔を介して処理室201内に導入される。また、処理室201内を所定の圧力に減圧するため、例えば、ターボ分子ポンプなどの排気手段208と、処理室内を所定の圧力値に調節するためのバルブなど(図示せず)が排気手段208の前段に設置されている。処理室201内には被処理体202およびフォーカスリング210を戴置するための被処理体戴置台204が設置されている。該戴置台には被処理体202を吸着するための静電チャック用電極205と被処理体を上に持ち上げるためのプッシャーピン(図示せず)が設置されている。膜厚モニタ211は、真空チャンバ内部の側壁に設置している。
次に、微細孔のアスペクト比が異なる複数のフィルタ101を用いることにより、フルオロカーボンプラズマ中のラジカル種を分離計測する原理について説明する。フルオロカーボンガスを用いたプラズマ中にはC、CF、CF、CF等の堆積性ラジカルが発生する。エッチングにおいて、これらのラジカルの役割は大きく異なる。ここで、対象とする堆積性ラジカルは付着係数がそれぞれ異なる点を利用し、ラジカル種を分離することが可能になる。
図3は、ホールのアスペクト比とホール側壁での堆積量の関係を堆積性ラジカルの輸送に基づきシミュレーションした結果である。アスペクト比は、フィルタの厚さHを穴径Dで除した値である。ここでは、付着確率の高い炭素の付着係数を0.1、炭素に比べ付着確率の低いCFの付着係数を0.02としたラジカルについて考える。
図3に示すシミュレーション結果より、アスペクト比が高くなればなるほど側壁に到達するフラックスは指数関数的に減少する。また、付着係数の高いラジカルほど低アスペクト比部で堆積し、高アスペクト比部へ輸送されるラジカル量は急激に減衰する。一方、付着係数の低いラジカルでは、低アスペクト比部での堆積量から大きく減衰することなく、高アスペクト比部に輸送される。したがって、低アスペクト比部においては付着確率の高いCを主に測定することが可能になり、また高アスペクト比部ではFの含有率の高いCF等のラジカルを測定することができる。
また、図3より、アスペクト比が30以上になると、ラジカルの多くはフィルタ101に堆積してしまい、孔底まで到達するラジカルは僅かとなり、誤差による影響が大きくなるため、微細孔のアスペクト比はラジカルが孔底まで達する量が誤差の影響を受けず計測可能である量となる30以下であることが望ましい。
図4は、フルオロカーボンプラズマ中に微細孔のアスペクト比が異なる複数のフィルタを設置し、フィルタを通過して堆積した膜を分析した例である。フィルタは、直径100μmの穴を有し、厚さが1mmおよび2mmの2種類を使用した場合と、フィルタ未使用(アスペクト比が0)の3条件で行った。堆積膜の分析には、X線光電子分光(XPS)を用いた。この結果、シミュレーションで得られた結果と同様に、フィルタ101の微細孔のアスペクト比が高くなるほど、堆積膜に含有するフッ素の比率が高くなり、アスペクト比が低いほど堆積膜に含有する炭素の比率が高くなることを確認した。
したがって、処理室201を上から見た断面図である図5に示すように、複数の図1に示す膜厚モニタ211a〜cを被処理体202とその外側に位置するフォーカスリング210のさらに外周の処理室の周壁201に設置し、それぞれの膜厚モニタ211a〜211cのラジカルの堆積する水晶振動子の前面に、それぞれアスペクト比の異なるフィルタを設置することで、F/C比の異なるラジカル毎の膜厚を同時に測定することも可能となる。使用するフィルタ101のアスペクト比は、0から50の範囲においては、如何なる値をとることも可能である。また、フィルタ101の厚さを一定とした場合には、微細孔の直径を変化させることでアスペクト比を変化させることができる。さらに、微細孔の数を調整してフィルタ101の開口面積を一定にすることによって、アスペクト比の違いによる効果を簡単に比較することができる。但し、フィルタ101の開口面積が異なる場合でも、その面積により規格化することにより、同様な比較ができることは勿論である。さらに、この膜厚モニタは、発光を利用せずに直接堆積する量を測定するので、発光を伴わないラジカルについてもラジカルの堆積量(膜厚)を測定することが可能である。図5の例では、膜厚モニタ211aは、アスペクト比が0のフィルタを用い(フィルタなし)、膜厚モニタ211bは、アスペクト比が10のフィルタを用い、膜厚モニタ211cは、アスペクト比が20のフィルタを用いている。
なお、上記の実施形態では、膜厚モニタの構造および機構について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更にも適用できることは勿論である。
また、上記の実施形態では、プラズマの生成手段が被処理体の対面に配置された電極に被処理体と別の高周波電力を印加してプラズマを生成する手段について説明したが、プラズマの生成が被処理体の載置台に高周波電力を印加することでプラズマを生成する手段あるいはプラズマ生成手段が誘導結合方式または磁場と高周波電界の相互作用によってプラズマが生成されることを特徴とするプラズマ処理装置であっても同様の効果が得られることは言うまでも無い。
なお、上記の調査の対象とした具体的なプロセスは、絶縁膜にコンタクトホール等を形成するプロセスであり、ガス系がC/O/Ar=30/30/500ccm、圧力が約2Pa、半導体ウエハの設定温度が−20℃、ウエハバイアスが約1800Wの条件で行なった。ガス種、ガス流量、圧力、ウエハの設定温度およびウエハバイアスがこの条件から大きく逸脱しない範囲において、同様の効果が得られることは言うまでも無い。また、プラズマの原料ガスにフルオロカーボン系ガスを主成分とするプロセスにおいて、被処理体であるシリコン基板上のSiO、SiC、SiOC、SiOCH、SiN、Siのいずれか一つを主原料とする膜をエッチング処理するプロセスに適用できることは勿論である。なお、エッチングに用いる絶縁膜は、該プラズマ処理装置を用いて被処理体であるシリコン基板上のSiO、SiC、SiOC、SiOCH、SiN、Siの二種類以上の多層構造をエッチング処理することにも適用できることは勿論である。
[実施例2] 本発明の第2の実施例にかかる膜厚モニタの構造を、図6を用いて説明する。この実施例は、膜厚モニタに光学式測定を用いた場合である。この実施例の膜厚モニタは、フィルタ101と、窓301と、光学センサシステム302とから構成される。フィルタ101の後段にはフィルタ101を介してラジカルが堆積する窓301が設けてある。また、窓301の後段には従来から用いられている光学センサシステム302が設置されており、プラズマの発光あるいは光学センサシステム302から照射された光の反射、吸収、干渉等により膜厚を測定することが可能である。窓301の材料は、石英等、光の透過率の高い材質を使用することが望ましい。また、窓301の表面には、プラズマ耐性のある保護膜によりコーティングされている。窓301の前面には実施例1と同様に、微細孔のアスペクト比が異なる複数のフィルタ101を設置することにより、フルオロカーボンプラズマ中のラジカル種を分類することが可能である。
[実施例3] 実施例1または実施例2に記載したフィルタを複数(但し、アスペクト比0の場合は、フィルタ未使用を意味する)用いて、それぞれの堆積性ラジカルの堆積速度の変化を観測し、堆積性ラジカル種の変動を測定するシステムについて説明する。
例えば、プラズマ処理中のラジカル組成が変化し、時間と共に付着係数の大きな低F/C比のCF系ラジカルが増加し、付着係数の小さな高F/C比のCF系ラジカルが減少した場合を考える。
図7に複数の膜厚モニタを適用した場合のアスペクト比毎の堆積性ラジカルが堆積していく様子を示す。図7(a)は、Δt秒後の堆積膜の様子である。低アスペクト比フィルタfL101aを使用した場合、付着係数の小さな高F/C比のCF系ラジカルは前記フィルタを通過することが出来る。また、付着係数の大きな低F/C比のCF系ラジカルであっても,低アスペクト比フィルタfL101aを使用した場合、前記フィルタを通過することができる。従って、低アスペクト比フィルタfL101aを通過して形成される堆積膜は,高F/C比および低F/C比の堆積性ラジカルによって形成される。一方、高アスペクト比フィルタfH101bを使用した場合、付着係数の大きな低F/C比のCF系ラジカルは、フィルタをほとんど通過することができず、前記フィルタを通過して形成される堆積膜は、主に付着係数の小さな高F/C比のCF系ラジカルからなる。
今、測定開始からΔt秒後にフィルタfL101aを通過し、堆積した膜厚をDfL_Δt、Δt秒後にフィルタfH101bを通過し堆積した膜厚をDfH_Δtとすると、それぞれの堆積速度は、下記(1)式および(2)式となる。
fL_Δt = DfL_Δt/Δt …(1)
fH_Δt=DfH_Δt/Δt …(2)
図7(b)は、さらにΔt秒後経過した場合、つまり測定開始から2Δt秒後の堆積膜の様子である.ここで,2Δt秒後に低アスペクト比のフィルタfL101aを通過し堆積したトータルの膜厚をDfL_2Δt、高アスペクト比のフィルタfH101bを通過し堆積したトータルの膜厚をDfH_2Δtとすると、堆積速度は、それぞれ、下記(3)式および(4)式となる。
fL_2Δt=(DfL_2Δt−DfL_Δt)/Δt …(3)
fH_2Δt=(DfH_2Δt−DfH_Δt)/Δt …(4)
ここで、時間とともに付着係数の大きな低F/C比のCF系ラジカルが増加し、付着係数の小さなFリッチのCF系ラジカルが減少した場合、低アスペクト比のフィルタを用いた時の堆積速度は、下記(5)式となり、一方、高アスペクト比のフィルタを用いた時の堆積速度は、下記(6)式となる。
fl_Δt<Rfl_2Δt …(5)
fh_Δt>Rfh_2Δt …(6)
図8に処理時間と堆積膜厚の関係を示す。プラズマ中の堆積性ラジカルの組成変化のない場合、フィルタのアスペクト比に依存することなく、堆積膜厚は時間に対して線形に増加し、堆積速度は一定となる(破線)。これに対し,プラズマ処理中のラジカル組成が変化し、時間と共に付着係数の大きな低F/C比のCF系ラジカルが増加し、付着係数の小さな高F/C比のCF系ラジカルが減少した場合、低アスペクト比フィルタfL101aを通過する堆積膜の堆積速度は増加していくのに対し、高アスペクト比フィルタfH101bを通過する堆積膜の堆積速度は減少する(実線)。このように、微細孔のアスペクト比が異なる複数のフィルタを使用することで、F/C比の異なる堆積性ラジカルの変化を分離して測定することができる。
図9は、微細孔のアスペクト比が異なる複数のフィルタを介して堆積する膜厚の速度とプラズマ中の堆積性ラジカルの組成変化の関係を示したものである。微細孔のアスペクト比が異なる二種類のフィルタを使用した場合であり、低アスペクト比フィルタおよび高アスペクト比フィルタそれぞれでの堆積速度の変化の組み合わせにより、プラズマ中の堆積性ラジカルの組成変化を判断することができる。
さらに、ここで得られた堆積性ラジカルの変動を基に、適宜、処理条件を設定することによって精度の高い加工が可能になる。例えば、寸法変動を抑制するためのフィードバックを行うプラズマ処理装置の構成の概要を、図10を用いて説明する。このプラズマ処理装置は、図2に示したと同様に、処理室201と、アンテナ203と、被処理体202とフォーカスリング210とを戴置するための被処理体戴置台204と、静電チャック用電極205と、高周波電源206と、整合器207と、排気手段208と、シャワープレート209と、膜厚モニタ211とを有している。さらに、この実施例のプラズマ処理装置は、ガス流量制御用フィードバック手段401a、高周波電源制御用フィードバック手段401b、ウエハバイアス制御用フィードバック手段401cと、ガスコントローラ402と、ガス配管403と、ウエハバイアス電源404と、整合器405と、警報装置406を備えている。
このプラズマ装置では、ガス配管403を通じて真空チャンバ内にガスが供給される。また、ガス流量は、ガスコントローラ402により制御されている。今、微細孔のアスペクト比が異なる複数のフィルタを使用した複数の膜厚計測システム211により、プラズマ中のラジカルの変動を測定する。この測定値に基づきガス流量制御用フィードバック手段401aを用いて、被処理基板の処理における寸法変動を抑制するようにガス流量の供給を変化させるように、ガスコントローラ402に指令を与えることができる。例えば、絶縁膜にコンタクトホール等を形成するプロセスでガス系にC、O、Arを使用した場合、エッチングの進展とともに低アスペクト比での堆積速度が増加した時には低F/C比のラジカルが増加しているため、エッチングレートの低下やエッチストップが発生するようになる。この時、膜厚モニタ211での測定値に基づき、ガス流量制御用フィードバック手段401aよりガスコントローラ402へ酸素流量を増加するよう制御されるように設定されている。また、エッチングレートの低下やエッチストップを抑制するだけでなく、プラズマ中のラジカル種の比率が一定となるように、様々なガス流量をフィードバック制御できることは勿論である。
また、微細孔のアスペクト比が異なる複数のフィルタを使用した複数の膜厚モニタ211により、プラズマ中のラジカルの変動を測定し、この測定値に基づき高周波電源制御用フィードバック手段401bを用いて、寸法変動を抑制するように高周波電源206を制御し、ウエハバイアス制御用フィードバック手段401cを用いて、寸法変動を抑制するようにウエハバイアス電源404を制御することができる。ここでは、主に寸法変動を抑制するための制御手法を述べたが、積極的にプラズマ中の堆積性ラジカル組成比を制御し、加工形状をコントロールすることができるのは勿論である。
さらに、膜厚モニタ211により測定した堆積膜厚が、ある閾値を超えた場合に警告を発する警報装置406が接続されている。この機能により、チャンバ内を酸素プラズマ等によるクリーニングやチャンバ内を全掃するタイミングを知ることができる。
上記実施例では、Cを用いたSiOエッチングの例を示したが、プラズマの原料ガスにフルオロカーボン系ガスを主成分とするプロセスにおいて、被処理体であるシリコン基板上のSiO、SiC、SiOC、SiOCH、SiN、Siのいずれか一つを主原料とする膜をエッチング処理するプロセスに適用できることは勿論である。なお、エッチングに用いる絶縁膜は、該プラズマ処理装置を用いて被処理体であるシリコン基板上のSiO、SiC、SiOC、SiOCH、SiN、Siの二種類以上の多層構造をエッチング処理することにも適用できることは勿論である。さらには、フルオロカーボン以外の堆積性を持つガスを用いても同様の効果が得られることは勿論である。
本発明の第1実施形態に係る、水晶振動子を用いた膜厚モニタの構成を示す概略図。 本発明をプラズマ処理装置に適用した実施例を示す概略図(断面図)。 本発明の膜厚モニタを適用した時のアスペクト比と堆積膜厚の関係をシミュレーションにより求めた図。 本発明の第1実施形態に係る膜厚モニタの効果を説明するための、堆積膜の組成を分析した結果を示す図。 本発明の第1実施形態に係る、複数の膜厚モニタを適用した場合の装置構成を説明する図。 本発明の第2実施形態に係る、光学センサシステムを用いた膜厚モニタの構成を示す概略図。 本発明の第3実施形態に係る、複数の膜厚モニタを適用した場合のアスペクト比毎の堆積膜厚の時間変化を示すグラフ。 本発明の第3実施形態に係る、複数の膜厚モニタを適用した場合のアスペクト比毎の堆積性ラジカルが堆積していく様子を示す模式図。 本発明の第3実施形態に係る、複数の膜厚モニタを用いて、堆積速度の変化からプラズマ中の堆積性ラジカル組成比の変化を判別するための表。 本発明をプラズマ処理装置に適用した第3実施形態を示す概略図(断面図)。
符号の説明
D…フィルタ101の穴の直径、
H…フィルタ101の厚さ、
L…フィルタ101と支持体103との間隔、
101…フィルタ、
102…水晶振動子、
103…支持体、
104…導入路、
105…通信線
106…DCバイアス電源
201…処理室、
202…被処理体、
203…アンテナ、
204…被処理体載置台、
205…静電チャック用電極、
206…高周波電源、
207…整合器、
208…排気手段、
209…シャワープレート、
210…フォーカスリング、
211…膜厚モニタ、
211a…アスペクト比が0のフィルタを用いた膜厚モニタ、
211b…アスペクト比が10のフィルタを用いた膜厚モニタ、
211c…アスペクト比が20のフィルタを用いた膜厚モニタ、
301…石英窓、
302…光学センサシステム、
401…低アスペクト比フィルタfL、
402…高アスペクト比フィルタfH、
501a…フィードバック手段(ガス流量制御)、
501b…フィードバック手段(高周波電源制御)、
501c…フィードバック手段(ウエハバイアス制御)、
502…ガスコントローラ、
503…ガス配管、
504…ウエハバイアス、
505…整合器、
505…警報装置

Claims (5)

  1. 処理室と、前記処理室に処理ガスを供給する手段と、前記処理室を減圧する真空排気手段と、被処理体を載置する被処理体戴置台と、プラズマ生成手段と、プラズマ処理を制御する制御系を有するプラズマ処理装置において、
    前記処理室側壁に、複数の膜厚モニタが設置され、前記複数の膜厚モニタのそれぞれは、孔径と深さの比が0以上30以下の範囲内で特定のアスペクト比の微細孔を有するフィルタと前記フィルタのそれぞれの後段に薄膜膜厚または堆積物の質量を計測する手段を有し、前記フィルタのアスペクト比がそれぞれ異なる
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
    前記薄膜膜厚計測手段が水晶振動子の振動周波数またはその変化量により堆積膜厚または堆積膜厚速度の測定を行う
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
    前記フィルタの後段に光の透過率の高い材質からなる窓を載置し、その窓に堆積した膜厚を光学的手法により測定する
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
    前記制御系が、薄膜膜厚計測手段および微細孔を有するフィルタの温度を制御する制御系である
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 請求項1または請求項2記載のプラズマ処理装置において、
    前記制御系が、薄膜膜厚計測手段および微細孔を有するフィルタの電位を制御する制御系である
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
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