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JP4844790B2 - 水素生成触媒 - Google Patents

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Description

本発明は水素生成触媒に関し、詳しくは水蒸気改質反応を利用して炭化水素、酸素及び水蒸気を含むガスから効率よく水素を生成する触媒に関する。
アンモニア合成、メタノール合成、オキソ合成など多くの化学工業プロセスあるいは石油精製において、水素あるいは水素と一酸化炭素との混合ガスは重要な化学原料である。また最近では、燃料電池を始めとするクリーンエネルギー源としての水素の重要性が増大している。さらに内燃機関の排ガス浄化においても、NOx を還元する能力に優れ、かつ硫黄被毒したNOx 吸蔵材から硫黄酸化物を脱離させてNOx 吸蔵還元型触媒を回復させる能力にも優れた水素が注目されつつある。
そして水素を製造する方法として、次式に示す炭化水素の水蒸気改質反応が多用されている。
CnHm+nH2O→ nCO+ (n+m/2)H2 (−ΔH<0)
この水蒸気改質反応は大きな吸熱を伴うので、外部から必要な熱を供給する必要がある。そこで多くの場合には反応ガス中に酸素を添加し、次式に示す部分酸化反応や酸化反応の反応熱を利用して、水蒸気改質反応の進行を促進させることが行われている。
CnHm+n/2O2 → nCO+m/2 H2 (−ΔH>0)
CnHm+(n+m/4)O2 →nCO2+m/2 H2 (−ΔH>0)
また水蒸気改質反応においては、次式に示すCOシフト反応が同時に進行する。
CO+ H2O→ CO2+m/2 H2 (−ΔH>0)
上記した反応を促進するために、各種の触媒が利用されている。例えば特開昭56−091844号公報には、ジルコニアにRhを担持した水素生成触媒が開示されている。しかしジルコニアは耐熱性が低く、使用時の熱により比表面積が減少し、これにより担持されているRhの分散性が低下して水素生成能が低下するという不具合があった。
そこで特公平06−004135号公報や特開平03−080937号公報には、イットリアあるいはセリアなどを添加して部分安定化されたジルコニア担体にRhを担持した水素生成触媒が開示されている。また特開平04−265156号公報にはアルカリ金属、アルカリ土類金属を含有するセリアに貴金属を担持した水素生成触媒が、特開平11−226404号公報にはアルカリ土類金属、希土類元素で安定化されたジルコニアにRhを担持した水素生成触媒が開示されている。
ところで水素生成触媒を内燃機関の排ガス中で用いる場合、あるいは自動車などに搭載する内部改質型燃料電池の燃料改質システムに用いる場合などには、様々な反応条件で使用されるため、始動時での低温活性が要求される一方で、ときには高温雰囲気に曝される。さらにディーゼルエンジンなどの希薄燃焼方式の内燃機関からの排ガス中での反応に用いられる場合は、炭化水素、酸素及び水蒸気との反応が進行する還元雰囲気の他に、高温での酸化雰囲気にも曝される。
一方、内燃機関からの排ガスや内部改質型燃料電池の燃料改質システムにおける反応ガス中には、燃料中の硫黄化合物が燃焼して生成する硫黄酸化物などが含まれるため、水素生成触媒はそれらにも曝されることになる。
しかし上記した従来の水素生成触媒は、このような用途に用いた場合には十分な効果が得られないという問題がある。この原因としては、以下のことが考えられる。
(1)担体上の貴金属が高温下で粒成長し、反応に有効な活性サイトが減少する。
(2)担体上の貴金属が酸化物状態で安定化し、低温域では反応に有効なメタル状態に還元されにくい。
(3)担体上に多く存在する塩基点が硫黄酸化物の触媒への付着を促進し、かつ触媒からの硫黄酸化物の脱離が阻害されるため、硫黄酸化物による担体や貴金属の反応阻害、いわゆる硫黄被毒が起こりやすい。
特開昭56−091844号 特公平06−004135号 特開平03−080937号 特開平04−265156号 特開平11−226404号
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、高温耐久試験後も高い水素生成活性を示し、かつ耐硫黄被毒性にも優れた水素生成触媒とすることを目的とする。
上記課題を解決する本発明の水素生成触媒の特徴は、α型アルミナとθ型アルミナとの混合物を含み比表面積が30m2/g以上の担体と、担体に担持された貴金属と、からなり、担体は、粉末X線回折パターンにおいて最強回折ピークがα型アルミナ相に帰属し、θ型アルミナ相に帰属する少なくとも一つの回折ピークの強度がα型アルミナ相の最強回折ピークの強度の20%以上であることにある。
あるいは担体は、粉末X線回折パターンにおいて最強回折ピークがθ型アルミナ相に帰属し、α型アルミナ相に帰属する少なくとも一つの回折ピークの強度がθ型アルミナ相の最強回折ピークの強度の10%以上であることが望ましい。
また本発明の水素生成触媒は、貴金属は少なくともRhを含むことが好ましく、ディーゼルエンジンからの排ガス中で用いられることができる。
本発明の水素生成触媒によれば、軽油に代表される炭化水素、酸素及び水蒸気を含む反応ガス中において、優れた水素生成活性を示す。また高温雰囲気に曝された場合でも、水素生成活性に優れ、硫黄酸化物を含む反応ガス中で使用しても硫黄被毒が生じにくく、優れた水素生成活性を維持する。
本発明の水素生成触媒では、α型アルミナとθ型アルミナとの混合物を含み比表面積が30m2/g以上の担体を用いている。比表面積が30m2/g以上と大きいため、担持されている貴金属は高分散担持され、有効な活性サイトが多く存在する。したがって炭化水素の水蒸気改質反応が効率よく進行する。
またγ型アルミナ担体に担持された貴金属は、高温下で担体と固相反応することによって酸化状態で安定化し不活性化する。しかしα型アルミナとθ型アルミナとの混合物を担体とすることで、貴金属と担体との固相反応が抑制され、高温雰囲気に曝された場合でも貴金属が酸化状態で安定化されるような不具合がなく、貴金属は容易にメタル状態へと還元され、炭化水素の水蒸気改質反応が効率よく進行する。
さらにθ型アルミナは塩基点を多く有するものの、α型アルミナと混合されているため塩基点が低減され、硫黄酸化物の近接が抑制されるとともに担体に付着した硫黄酸化物は容易に脱離する。したがって硫黄被毒が抑制され、炭化水素の水蒸気改質反応が円滑に進行する。
担体は、α型アルミナとθ型アルミナとの混合物を含み比表面積が30m2/g以上のものである。α型アルミナとθ型アルミナとのみから構成することが望ましいが、特性に影響を与えない範囲でγ型アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリアなどを混合して担体とすることもできる。
α型アルミナとθ型アルミナとの混合割合は、粉末X線回折パターンにおいて最強回折ピークがα型アルミナ相に帰属し、θ型アルミナ相に帰属する少なくとも一つの回折ピークの強度がα型アルミナ相の最強回折ピークの強度の20%以上であることが好ましい。θ型アルミナ相に帰属する少なくとも一つの回折ピークの強度がα型アルミナ相の最強回折ピークの強度の20%未満では、高温耐久試験後及び硫黄被毒耐久試験後の水素生成活性の低下が著しくなる。
またα型アルミナとθ型アルミナとの混合割合は、粉末X線回折パターンにおいて最強回折ピークがθ型アルミナ相に帰属し、α型アルミナ相に帰属する少なくとも一つの回折ピークの強度がθ型アルミナ相の最強回折ピークの強度の10%以上であることも好ましい。α型アルミナ相に帰属する少なくとも一つの回折ピークの強度がθ型アルミナ相の最強回折ピークの強度の10%未満では、耐硫黄被毒性が低下してしまう。
α型アルミナとθ型アルミナとの混合物は、両粉末を混合して調製してもよいし、γ型アルミナ粉末を焼成することで調製することもできる。焼成する場合には、焼成温度が1100〜1175℃であれば最強回折ピークがθ型アルミナ相に帰属し、α型アルミナ相に帰属する少なくとも一つの回折ピークの強度がθ型アルミナ相の最強回折ピークの強度の10%以上であり、かつ比表面積が30m2/g以上である混合物を調製することができる。また焼成温度を1175〜1250℃とすることで、最強回折ピークがα型アルミナ相に帰属し、θ型アルミナ相に帰属する少なくとも一つの回折ピークの強度がα型アルミナ相の最強回折ピークの強度の20%以上であり、かつ比表面積が30m2/g以上である混合物を調製することができる。焼成温度が1250℃以上では、θ型アルミナ相が少なくなるとともに、比表面積も小さくなりすぎてしまう。
担体に担持される貴金属としては、Pt,Rh,Pd,Irなどから選択することができるが、少なくともRhを含むことが望ましい。少なくともRhを担持することにより、水素生成活性が特に向上する。この貴金属の担持量は、担体 100gあたり 0.1〜10gとするのが好ましい。担持量がこれより少ないと水素生成活性が低く、これより多く担持しても水素生成活性が飽和するとともに貴金属どうしの粒成長が生じる場合がある。
本発明の水素生成触媒は、少なくとも炭化水素と水蒸気を含むガスと接触されることで、水蒸気改質反応により低温域から高温域まで高い活性で水素を生成する。部分酸化反応や酸化反応による反応熱を利用するためには、さらに酸素を含むガスと接触させることが好ましい。そしてこのようなガスとして、ディーゼルエンジンからの排ガスを用いることが特に好ましい。ディーゼルエンジンからの排ガス中には、炭化水素、水蒸気及び酸素が豊富に存在するので、水素を生成するとともにディーゼルエンジンからの排ガスを浄化することができる。
またディーゼルエンジンからの排ガス中には比較的多量の硫黄酸化物が含まれているが、本発明の水素生成触媒は耐硫黄被毒性に優れているので、このような排ガス中でも水素生成活性の耐久性に優れている。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。表1に、実施例及び比較例で用いたアルミナ粉末を示す。表1におけるR1、R2及びR3の各アルミナ粉末は、それぞれ市販品を用いた。またS1粉末はR1粉末を大気中1150℃で焼成することで調製し、S2粉末はR1粉末を大気中1200℃で焼成することで調製し、R4粉末はR1粉末を1300℃で焼成することで調製した。それぞれのアルミナ粉末のX線回折パターンを解析し、各結晶相で最も強度の高い回折ピークの相対強度を表1に示している。
Figure 0004844790
(実施例1)
R1粉末を大気中1150℃で焼成することで調製されたS1粉末を所定量秤量し、所定濃度の硝酸ロジウム水溶液の所定量を吸水させ、大気中 300℃で3時間焼成してRhを担持した。Rhの担持量は2重量%である。これを定法によって粒径 0.5〜 1.0mmのペレットに成形し、ペレット触媒を調製した。用いたS1粉末では、最強回折ピークがθ型アルミナ相に帰属し、α型アルミナ相に帰属する最強回折ピークの強度がθ型アルミナ相の最強回折ピークの強度の36%である。
(実施例2)
S1粉末に代えてR1粉末を大気中1150℃で焼成することで調製されたS2粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様である。用いたS2粉末では、最強回折ピークがα型アルミナ相に帰属し、θ型アルミナ相に帰属する最強回折ピークの強度がα型アルミナ相の最強回折ピークの強度の74%である。
(比較例1)
S1粉末に代えてR1粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様である。用いたR1粉末では、回折ピークの全てがγ型アルミナ相に帰属している。
(比較例2)
S1粉末に代えてR2粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様である。用いたR2粉末では、回折ピークの全てがθ型アルミナ相に帰属している。
(比較例3)
S1粉末に代えてR3粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様である。用いたR3粉末では、回折ピークの全てがα型アルミナ相に帰属している。
(比較例4)
S1粉末に代えてR1粉末を大気中1300℃で焼成することで調製されたR4粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様である。用いたR4粉末では、最強回折ピークがα型アルミナ相に帰属し、θ型アルミナ相に帰属する最強回折ピークの強度がα型アルミナ相の最強回折ピークの強度の10%である。
(比較例5)
S1粉末に代えて、市販のイットリア含有安定化ジルコニア粉末(イットリア含有率5モル%、比表面積50m2/g)を用いたこと以外は、実施例1と同様である。
(比較例6)
S1粉末に代えて、市販のカルシウム含有セリア粉末(カルシウム含有率1モル%、比表面積67m2/g)を用いたこと以外は、実施例1と同様である。
<試験・評価>
上記した各ペレット触媒について、先ず、高温耐久試験と硫黄被毒耐久試験の2種類の耐久試験を行った。
高温耐久試験は、表2に示すリーン雰囲気のモデルガスとリッチ雰囲気のモデルガスを4分/1分で交互に切り換えながら、ともに入ガス温度 700℃で5時間加熱した。
Figure 0004844790
硫黄被毒耐久試験は、各触媒2gに対して、表3に示す含硫黄ガスを1000ml/分で供給しながら入りガス温度 400℃で3時間加熱して、各触媒にそれぞれ硫黄成分を付着させた。次いで表3に示す無硫黄ガスを 10000ml/分で供給しながら、10℃/分の昇温速度で 600℃まで昇温し、さらに 600℃で15分保持することによって、弱く付着している硫黄成分を脱離させた。
Figure 0004844790
そして高温耐久試験後の各触媒、及び硫黄被毒耐久試験後の各触媒2gを常圧固定床流通型反応装置にそれぞれ装填し、表4に示すモデル排ガスを 15000ml/分で供給しながら、10℃/分の昇温速度で 600℃まで昇温した。このモデル排ガスでは、触媒上で前述の水蒸気改質反応、部分酸化反応、酸化反応及びCOシフト反応が進行する。
Figure 0004844790
そこで反応前後のC、H及びO原子の物質収支が一致すると仮定して、以下の(1)〜(3)式より(4)式を導き、昇温中に測定した触媒出ガス中の CO2、CO及びO2の各濃度を(4)式に代入して生成した水素濃度[H2]を算出した。
C:16 [n-C16H34]0=16[n-C16H34]+ [CO2]+[CO] ・・(1)
H:34 [n-C16H34]0+ 2[H2O]0=34[n-C16H34]+ 2 [H2O]+ 2[H2] ・・(2)
O: 2[O2]0+[H2O]0= 2[O2]+ [H2O]+ 2 [CO2]+[CO] ・・(3)
(ここで [x]0は反応前のxの濃度、[x]は反応後のxの濃度を示す)
[H2](%)=(49/16)[CO2] +(33/16)[CO]− 2([O2]0−[O2]) ・・(4)
この反応条件では、水素生成濃度の最大値は0.93%である。(4)式より算出した水素生成濃度のこの最大値に対する割合を水素生成率と表記し、この水素生成率を活性の指標とする。
高温耐久試験後の各触媒の水素生成率を図1、2に示す。図1、2より、各実施例の触媒は各比較例の触媒に比べて各温度で高い水素生成率を示していることがわかる。
また硫黄被毒耐久試験後の各触媒の水素生成率を図3、4に示す。図3、4より、各実施例の触媒は比較例1〜5の触媒に比べて低温域から高温域まで高い水素生成率を示し、比較例6の触媒に対しても高温域において高い水素生成率を示している。
すなわち、α型アルミナとθ型アルミナとの混合物を含み比表面積が30m2/g以上の担体にRhを担持した各実施例の触媒を用いることで、各比較例の触媒と比べて、高温耐久試験後と硫黄被毒耐久試験後のいずれの場合においても、高い水素生成活性が得られることが明らかである。
次に、実施例1、2の触媒が高い水素生成活性を示す原因を明らかにすべく、以下の実験を行った。先ず高温耐久試験後の各実施例及び各比較例の触媒について、Rh分散度をCOパルス吸着法で測定した。この値が高いほどRhが微細に、すなわち高分散状態で担持されていることを示す。結果を図5に示す。
各実施例の触媒のRh分散度は比較例1、2の触媒とは同等であるが、比較例3〜6の触媒に比べて著しく高い。したがって比較例3〜6の触媒では、高温耐久試験時にRhに粒成長が生じたと考えられる。
次に、高温耐久試験後の各実施例及び各比較例の触媒に、O2を10%含むArガスを供給しながら 500℃で10分間加熱し、次いでH2を1%含むArガスを供給しながら室温から 800℃まで20℃/分の速度で昇温した時のH2-TPRスペクトルを測定した。結果を図6に示す。このH2-TPRスペクトルは、触媒出ガス中のH2濃度の温度変化を示す。H2濃度の低下はRhが次式のように還元されたことを示し、H2濃度の低下が起きる温度が低いほどRhが還元され易いことを示す。
Rh2O3+ 3/2H2 → 2Rh+3/2H2O
図6では、約 370℃を境界として低温側と高温側にそれぞれH2濃度低下のピークが示されていることから、これらの触媒では、低温側ピークに相当する還元され易いRhと、高温側ピークに相当する還元されにくいRhの2種類が存在すると考えられる。そこで低温側ピークの面積がピークの全面積に占める割合を算出し、それをRh易還元性として図7に示す。
図7から各実施例の触媒のRh易還元性は、比較例3〜6の触媒と比べると僅かに劣るものの、比較例1、2の触媒と比べると著しく高いことがわかる。
以上の結果より、各実施例の触媒では、高温耐久試験後でもRh分散度及びRh易還元性の両方が高いため、水蒸気改質反応の活性サイトと考えられるメタル状のRhが多く存在し、炭化水素の水蒸気改質反応が効率良く進行した結果、図1、2に示すように高い水素生成活性を示したと考えられる。
次に、硫黄被毒耐久試験後の各実施例及び各比較例の触媒について、S付着量を測定し、結果を図8に示す。なおS付着量は、濃硝酸により触媒を溶解した後、ICP(誘電結合高周波プラズマ)発光分光分析法を用いて測定した。
各実施例の触媒のS付着量は、比較例1、2、5及び6の触媒に比べて少なく、これは、各実施例の触媒は硫黄成分が付着しにくい、あるいは付着しても脱離しやすいことを示している。酸化雰囲気で付着した硫黄成分は、通常、硫酸イオンあるいは亜硫酸イオンなどの酸性物質として存在することが知られている。そこでS付着量が少なかった原因を調査するため、硫黄被毒耐久試験後の各実施例及び各比較例の触媒について塩基点量を測定した。
先ず各触媒にそれぞれ CO2を2%含むHeガスを 100℃で20分間供給して CO2を吸着させ、次いでHeガスを 100℃で20分間供給することによって物理的に吸着していた CO2を除去した後、Heガスを供給しながら室温から 600℃まで20℃/分の速度で昇温したときの CO2脱離量を測定し、その値から塩基点量を算出した。結果を図9に示す。
各実施例の触媒は、比較例1、2、5及び6の触媒と比べて塩基点量が少なく、この結果は図6の結果と一致している。したがって各実施例の触媒では、触媒表面の塩基点量が少ないため、硫黄被毒耐久試験後においてもS付着量が少なくなり、硫黄成分によってRh及び担体の機能が阻害されることが少なく、図3、4に示すように高い水素生成活性を示したと考えられる。なお比較例3、4の触媒は、塩基点が少ないにもかかわらず硫黄被毒耐久試験後の水素生成活性が低いが、これらの触媒は担体の比表面積が30m2/g未満ときわめて低いため、図5に示す高温耐久試験の結果と同様に、硫黄被毒耐久試験後においてもRh分散度が低いことが影響していると推察される。
以上のことから、本実施例の触媒は、高温耐久試験後及び硫黄被毒耐久試験後のいずれの場合においても、優れた水素生成活性を示すことが明らかであり、内燃機関の排ガスの浄化あるいは自動車などに搭載する内部改質型燃料電池の燃料改質システムなどに、きわめて有用であることがわかる。
実施例及び比較例の触媒における高温耐久試験後の温度と水素生成率との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例の触媒における高温耐久試験後の温度と水素生成率との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例の触媒における硫黄被毒耐久試験後の温度と水素生成率との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例の触媒における硫黄被毒耐久試験後の温度と水素生成率との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例の触媒における高温耐久試験後のRh分散度を示すグラフである。 実施例及び比較例の触媒における高温耐久試験後のH2-TPRスペクトルを示すグラフである。 実施例及び比較例の触媒における高温耐久試験後のRh易還元性を示すグラフである。 実施例及び比較例の触媒における硫黄被毒耐久試験後のS付着量を示すグラフである。 実施例及び比較例の触媒における硫黄被毒耐久試験後の塩基点量を示すグラフである。

Claims (4)

  1. α型アルミナとθ型アルミナとの混合物を含み比表面積が30m2/g以上の担体と、該担体に担持された貴金属と、からなり、該担体は、粉末X線回折パターンにおいて最強回折ピークがα型アルミナ相に帰属し、θ型アルミナ相に帰属する少なくとも一つの回折ピークの強度が該α型アルミナ相の該最強回折ピークの強度の20%以上であることを特徴とする水素生成触媒。
  2. α型アルミナとθ型アルミナとの混合物を含み比表面積が30m 2 /g以上の担体と、該担体に担持された貴金属と、からなり、該担体は、粉末X線回折パターンにおいて最強回折ピークがθ型アルミナ相に帰属し、α型アルミナ相に帰属する少なくとも一つの回折ピークの強度が該θ型アルミナ相の該最強回折ピークの強度の10%以上であることを特徴とする水素生成触媒。
  3. 前記貴金属は少なくともRhを含む請求項1又は請求項2に記載の水素生成触媒。
  4. ディーゼルエンジンからの排ガス中で用いられる請求項1〜3のいずれかに記載の水素生成触媒。
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