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JP4839642B2 - 易剥離性フィルムおよび蓋材 - Google Patents

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Description

本発明は、易剥離性フィルムおよび蓋材に関する。
包装材料容器の蓋材には、内容物を保護するため容器に強くシールされると同時に、開封時には容易に開封できることが求められる。このような機能を兼ね備えた蓋材として、例えば異種樹脂をブレンドした樹脂組成物を利用した易剥離性フィルムが用いられている。
ポリエステル系樹脂容器に対して易剥離性を有するフィルムとしては、ヒートシール性ポリエステル樹脂層とオレフィン/無水マレイン酸共重合体層とポリオレフィン層とが順に積層されてなり、ヒートシール性ポリエステル層とオレフィン/無水マレイン酸共重合体層との層間にて剥離する易剥離性フィルムが知られている(特許文献1参照)。しかしながら前記フィルムは、ポリエステル系樹脂容器の熱変形を防ぐために低温で熱シールした場合、易剥離性フィルムと容器との接着強度が不十分であるという問題があった。そこで低温シール性を改良したフィルムとして、シール層と基材からなる易剥離性フィルムであって、前記シール層が、ガラス転移温度が40℃以下の結晶性ポリエステル60〜95重量部とガラス転移温度が70℃以下の非晶性ポリエステル5〜40重量部からなる易剥離性が知られている(特許文献2参照)。
特開平4−94933号公報 特開2001-328221号公報
ところでフィルムの製造方法としては、Tダイによる押出成形法やインフレーション成形法が一般的であり、生産性の観点からインフレーション成形法が好まれている。特許文献2に記載されたようなフィルムをインフレーション成形法により製造する場合には、インフレーションダイから押出されたチューブ状フィルムの内面がシール層となるようにする必要がある。これは、シール層を外面にした場合には、ニップロールでニップされるまでに安全板やチューブの振れ止めといったインフレーション装置に接触すると、チューブ状フィルムにしわや傷が発生するおそれがあるためである。しかしながら特許文献2に記載されたフィルムをシール層がチューブ状フィルムの内面となるようにして成形した場合には、フィルム引取りのためにニップするとフィルム内面同士が互着してしまい、引き取った後チューブ状フィルムを切り開いて一枚のフィルムにすることが困難であることがあった。
本発明の目的は、インフレーション加工でのフィルム製膜が容易であって、ポリエステル系樹脂からなる容器用蓋材として用いるのに良好な低温シール性と易剥離性を有する易剥離性フィルムおよび蓋材を提供することである。
すなわち本発明は、ポリエステル系樹脂組成物からなるシール層を有する易剥離性フィルムであって、該ポリエステル系樹脂組成物が、結晶性ポリエステル(A)100重量部と、前記結晶性ポリエステル(A)100重量部に対し、オレフィン系樹脂(B)5〜45重量部、前記結晶性ポリエステル(A)および前記オレフィン系樹脂(B)とは異なる樹脂からなるワックス(C)5〜25重量部からなる易剥離性フィルムおよび該易剥離性フィルムを用いた蓋材である。
本発明の易剥離性フィルムおよび蓋材は、インフレーション加工でのフィルム製膜が容易であって、ポリエステル系樹脂からなる容器用蓋材として用いるのに良好な低温シール性と易剥離性を有するものである。
本発明の易剥離性フィルムにおけるシール層とは、該易剥離性フィルムを容器の蓋材として用いる場合に容器と熱融着される層である。本発明の易剥離性フィルムにおけるシール層は、結晶性ポリエステル(A)、オレフィン系樹脂(B)、前記結晶性ポリエステル(A)およびオレフィン系樹脂(B)とは異なる樹脂からなるワックスを含むポリエステル系樹脂組成物からなる。前記結晶性ポリエステル(A)とは、二塩基酸と多価アルコールとを重縮合して製造されるものである。二塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸やアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。また、多価アルコールとしては、エチレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ペンタエチレングリコール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等のジオールが挙げられる。上記の二塩基酸と多価アルコールは、任意の組み合わせにより用いられる。具体的には、テレフタル酸/エチレングリコール共重合体やテレフタル酸/エチレングリコール/1,4−シクロヘキサンジメタノール三元共重合体、2,6−ナフタレンジカルボン酸/エチレングリコール共重合体、テルフタル酸/イソフタル酸/ブタンジオール3元共重合体などが挙げられる。本発明において用いられる結晶性ポリエステル(A)は、融点が100〜180℃であり、かつガラス転移温度が10℃以下であることがインフレーション成形性の観点から好ましい。このような結晶性ポリエステルとしては、例えば商品名「バイロン」(東洋紡績(株))製で市販されている樹脂が挙げられる。
なお本発明における結晶性ポリエステルとは、以下の方法によって結晶化ピークおよび/または融解ピークが観測される樹脂である。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製DSC220C)を用い以下の条件で樹脂の融解挙動を測定する。各工程において横軸に時間、縦軸に融解熱量をプロットして融解曲線を得、(ii)の工程において観測されるピークを結晶化ピーク、(iii)の工程において観測されるピークを融解ピークとする。
(i)試料約5mgを室温から30℃/分の速度で200℃まで昇温し、昇温完了後、5分間保持する。
(ii)次いで、200℃から10℃/分の速度で−100℃まで降温し、降温完了後、5分間、保持する。
(iii)次いで、−100℃から10℃/分の速度で200℃まで昇温する。
オレフィン系樹脂(B)としては、プロピレン単独重合体、プロピレン/α−オレフィンブロック共重合体、プロピレン/α−オレフィンランダム共重合体などのプロピレン系樹脂や、低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレン等のポリエチレン、エチレン/ブテン−1共重合体やエチレン/ヘキセン−1共重合体等のエチレン/α−オレフィン共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/メチルメタクリレート共重合体やエチレン/酢酸ビニル共重合体などの一種以上のビニルモノマー由来の構成単位とエチレン由来の構成単位からなるエチレン共重合体などのエチレン系樹脂等が挙げられる。
オレフィン系樹脂(B)としては、2種類以上の樹脂を用いてもよいが、その場合には同じ種類の樹脂、例えばプロピレン系樹脂から2種類以上選択することが好ましい。本発明におけるα−オレフィンとしては、例えばブテン−1、オクテン−1等の炭素原子数4〜10のα−オレフィンが挙げられる。オレフィン系樹脂(B)としてはプロピレン系樹脂を用いることが好ましく、剥離性および耐熱性の観点から、プロピレン単独重合体またはα−オレフィン単位含量が50重量%以下のプロピレン/α−オレフィンランダム共重合体を用いることが好ましい。
前記ビニルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸無水物などが挙げられる。シール層を構成するオレフィン系樹脂(B)として一種以上のビニルモノマー由来の構成単位とエチレン由来の構成単位からなるエチレン共重合体を用いる場合には、該エチレン共重合体中のエチレン由来の構成成分の含有量は、80〜95重量%であることが好ましい。
本発明におけるワックス(C)は、前記結晶性ポリエステル(A)および前記オレフィン系樹脂(B)とは異なる樹脂からなる。ワックス(C)の例としては、エチレン樹脂ワックス、プロピレン樹脂ワックス、フィッシャー・トロプシュワックスなどの合成ワックス、パラフィンワックス、マイクロワックスなどの石油ワックス、木ロウ、カルナパワックス、ミツロウなどの天然ワックス等が挙げられる。ワックス(C)は、GPC法により求められる重量平均分子量が500〜5000であることがフィルム加工性と得られるフィルムの剥離性の観点から好ましく、重量平均分子量が500〜5000のポリエチレンであることがより好ましい。ポリエステル系樹脂組成物に含まれるオレフィン系樹脂(B)がプロピレン系樹脂であり、ワックス(C)が重量平均分子量500〜5000のポリエチレンであることがさらに好ましい。
シール層を構成するポリエステル系樹脂組成物は、結晶性ポリエステル(A)100重量部と、前記結晶性ポリエステル(A)100重量部に対し、オレフィン系樹脂(B)5〜45重量部、ワックス(C)5〜25重量部からなることが好ましい。ポリエステル系樹脂組成物におけるオレフィン系樹脂(B)の割合が前記範囲外であると、該易剥離性フィルムをポリエステル系樹脂からなる容器の蓋材として用いた場合に易剥離性に劣るものとなる。またポリエステル系樹脂組成物におけるワックス(C)の割合が5重量部より少ないとフィルム表面のベトツキがひどくなり、特にインフレーション成形によるフィルム製膜が困難となる。ポリエステル系樹脂組成物中の結晶性ポリエステル(A)、オレフィン系樹脂(B)およびワックス(C)の合計重量が占める割合は、通常90重量%以上である。ポリエステル系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記(A)、(B)、(C)以外の樹脂、相溶化剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、防曇剤などを含んでいてもよい。
ポリエステル系組成物からなるシール層を有する易剥離性フィルムは、前記シール層のみからなる単層フィルムであってもよいが、フィルム加工安定性の観点から積層フィルムであることが好ましい。積層フィルムとする場合には、前記シール層に隣接する隣接層が1種または2種以上のオレフィン系樹脂から構成されることが好ましい。オレフィン系樹脂としては、シール層におけるオレフィン系樹脂(B)として例示した樹脂を用いることができる。隣接層を構成する樹脂としては、エチレン系樹脂を用いることがより好ましい。ただし一種以上のビニルモノマー由来の構成単位とエチレン由来の構成単位からなるエチレン共重合体を隣接層に用いる場合には、該エチレン共重合体中のエチレン由来の構成成分の含有量は、60〜95重量%であることが好ましい。
本発明の易剥離性フィルムが積層フィルムである場合には、該易剥離性フィルムの全厚みにおけるシール層の厚みが3〜70%であることが好ましく、5〜50%であることがより好ましい。シール層の厚みが薄すぎると、該易剥離性フィルムを容器の蓋材として用いた場合に容器とのシール強度が不十分となる傾向があり、厚すぎると蓋材を剥離する際にシール層を構成する樹脂が伸びて剥離後の外観を損なうことがある。
本発明における隣接層には、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂などが含まれていてもよい。また、相溶化剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、防曇剤などが含まれていてもよい。
本発明の易剥離性フィルムは公知の方法によって製造することができる。例えばシール層のみからなる単層のフィルムである場合には、インフレーション成形法や、Tダイキャスト成形法等によって製造することができ、積層フィルムである場合には、共押出インフレーション成形法、共押出Tダイキャスト成形法、共押出ラミネート成形法等によって製造することができる。生産性の観点から、インフレーション成形法、または共押出インフレーション成形法により製造することが好ましい。易剥離性フィルムの厚みは特に限定されないが、通常、単層の場合は10〜100μmであり、積層フィルムの場合はシール層が3−80μmである。
本発明の易剥離性フィルムは、隣接層のシール層と隣接しない面に、基材層を1層以上有していてもよい。基材層を構成する材料としては、熱可塑性樹脂、アルミ箔、紙などが挙げられる。
基材層を構成する熱可塑性樹脂としては、シール層において用いられるオレフィン系樹脂や、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。オレフィン系樹脂としては、シール層におけるオレフィン系樹脂(B)として例示した樹脂を用いることができる。ただし基材層を構成する樹脂として一種以上のビニルモノマー由来の構成単位とエチレン由来の構成単位からなるエチレン共重合体を用いる場合には、該エチレン共重合体中のエチレン由来の構成成分の含有量は、80〜95重量%であることが好ましい。このような一種以上のビニルモノマー由来の構成単位とエチレン由来の構成単位からなるエチレン共重合体からなる基材層を有する易剥離性フィルムは、基材層と隣接層との接着力が優れるため、該易剥離性フィルムを容器から剥離した後の外観をより良好にすることができる。
基材層は、シール層および隣接層と共に共押出によって設けてもよいし、押出ラミネート成形法によって隣接層上に積層してもよく、予め成形されたフィルムをドライラミネート成形法などの方法で隣接層上に積層してもよい。基材層として用いることができる予め成形されたフィルムとしては、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムなどの熱可塑性樹脂からなるフィルムや、熱可塑性樹脂からなるフィルムに印刷層、塗工層、蒸着層を設けたフィルム、アルミ箔、紙などが挙げられる。例えばアルミ箔を隣接層に積層する場合には、隣接層とシール層とが積層されてなる積層フィルムの隣接層面にコロナ処理などの表面処理を施しておき、アルミ箔の片面には接着剤を塗布しておく。そして積層フィルムのコロナ処理面とアルミ箔の接着剤面とをドライラミネーターにて圧着した後、エージングすることにより、基材層、隣接層、シール層が順に積層されてなる易剥離性フィルムを得ることができる。
本発明の易剥離性フィルムにおけるシール層は、透明性に優れるものである。したがって、隣接層および基材層を構成する樹脂として透明性に優れる樹脂を選択することにより、透明性に優れる易剥離性フィルムを得ることができる。易剥離性フィルムの透明性の観点から、隣接層を構成する樹脂は、エチレン由来の構成成分の含有量が60〜95重量%であるエチレン共重合体であることが好ましく、基材層を構成する樹脂は隣接層と同種の樹脂、例えば、隣接層がエチレン系樹脂であれば基材層もエチレン系樹脂を用いることが好ましい。
本発明の易剥離性フィルムは、容器、とりわけポリエステル系樹脂からなる容器の蓋材として好適に用いられる。また本発明の易剥離性フィルムにおけるシール層は、透明性に優れるものである。よって本発明の易剥離性フィルムが単層である場合や、隣接層および基材層を構成する樹脂として透明性に優れる樹脂を選択して得られた積層フィルムである場合には、透明性に優れる易剥離性フィルムであり、ゼリー用容器の蓋材や冷菓用容器の蓋材等、透明性が求められる容器の蓋材として好適に使用できる。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
まず、オレフィン系樹脂(B)としてポリプロピレン(商品名「ノーブレンFL6412」(住友化学(株)製、MI=6g/10min))100重量部と、該ポリプロピレン100重量部に対し、ワックス(C)としてポリエチレンワックス(商品名「ネオワックスL」(ヤスハラケミカル(株)製、重量平均分子量750、融点110℃))67重量部を、シリンダー温度およびダイス温度を190℃に設定した同方向45mmΦ2軸押出機を用いて溶融混合し、樹脂組成物(1)のペレットを得た。結晶性ポリエステル(A)として商品名「バイロンGM913」(東洋紡績(株)、融点126℃、ガラス転移温度−70℃)100重量部と、該結晶性ポリエステル100重量部に対し、前記樹脂組成物(1)のペレット43重量部とをペレットブレンドしてシール層を構成するためのポリエステル系樹脂組成物を得た。該ポリエステル系樹脂組成物中の組成は、結晶性ポリエステル100重量部と、該結晶性ポリエステル(A)100重量部に対し、オレフィン系樹脂(B)26重量部、ワックス(C)17重量部であった。また隣接層には商品名「アクリフトCG4002」(住友化学(株)製、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン由来の構成単位の含有量69重量%)を用いた。さらに基材層には、線状低密度ポリエチレン(商品名「エボリューFV202」(住友化学(株)製、d=0.925))を用いた。上記材料を用い、3種3層共押出インフレ-ション加工機(押出機A:50mmφ、押出機B:50mmφ、押出機C:50mmφ、層構成:チューブ状フィルム外面/中面/内面=押出機A/押出機B/押出機C)を用い、押出機Aに基材層用樹脂、押出機Bに隣接層用樹脂、押出機Cにシール層用ポリエステル系樹脂組成物を投入し、押出温度180℃で成形し、基材層、隣接層、シール層が順に積層されてなる積層フィルムを製造した。さらに該積層フィルムの基材層側に、濡れ張力45dyn/cmとなるようにコロナ放電処理を行った。得られた積層フィルムのシール層厚みは5μm、隣接層厚みは15μm、基材層厚みは15μm、全体厚みは35μmであった。
[比較例1]
シール層を構成するポリエステル系樹脂組成物として、実施例1で用いた結晶性ポリエステル100重量部とポリプロピレン43重量部の混合物を用いた以外は実施例1と同様にして、3種3層の積層フィルムを得た。
[比較例2]
シール層を構成するポリエステル系樹脂組成物として、実施例1で用いた結晶性ポリエステル100重量部と、線状低密度ポリエチレン(商品名「エボリューFV403」(住友化学(株)製、d=0.919)43重量部)の混合物を用いた以外は実施例1と同様にして、3種3層の積層フィルムを得た。
[比較例3]
シール層を構成するポリエステル系樹脂組成物として、実施例1で用いた結晶性ポリエステル100重量部とワックス17重量部、比較例2で用いた線状低密度ポリエチレンを26重量部の混合物を用いた以外は実施例1と同様にして、3種3層の積層フィルムを得た。
[比較例4]
シール層を構成するポリエステル系樹脂組成物として、実施例1で用いた結晶性ポリエステル100重量部、比較例2で用いた線状低密度ポリエチレン17重量部、非晶性ポリエステルである商品名「PETG6763」(イーストマン・ケミカル製,ガラス転移温度81℃)50重量部の混合物を用いた以外は実施例1と同様にして、3種3層の積層フィルムを得た。
[比較例5]
シール層を構成する樹脂として、比較例4で用いた非晶性ポリエステル100重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、3種3層の積層フィルムを得た。
実施例1および比較例1〜5で得られたフィルムを、下記の方法により評価した。結果を表1に示した。
(1)易剥離性
康井精機(株)製コーターを用い、脂肪族エステル系コート剤(主剤=三井武田ケミカル(株)「タケラックXA−525」、硬化剤=三井武田ケミカル(株)「タケネートXA−52」、酢酸エチルをそれぞれ10対1対15の重量比で配合し十分に混合したもの)をポリエステルフィルム(ユニチカ(株)製、商品名「PTMX」、厚さ25μm、幅330mm)に塗布し、上記実施例および比較例で得られた各積層フィルムのコロナ処理面と圧着させた後、40℃のオーブンにて24時間加熱し、易剥離性フィルムを得た。被着体として、非晶性ポリエステルシート(東洋紡績(株)製:A560GE0R、厚み=300μm)を70×90mmに切り出したものを用い、該被着体と得られた易剥離性フィルムのシール層とを密着させ、圧力3kg/cm2、時間1秒及び表1に示した各温度条件にて巾20mmの帯状(被着体の90mm長さと平行方向に)にヒートシールした。この帯状のシール部分と垂直に、該シール部分を含むように15mm巾間隔に切り出し15mm×70mmの試験片を作製した。東洋精機(株)オートグラフAGS500D型引張試験機を使用し、23℃雰囲気下、300mm/分の引張速度で180度剥離させたときの剥離強度を測定した。剥離強度が5〜15N/15mm幅であれば、容器とのシール強度と剥離時の易剥離性のバランスに優れるといえる。
(2)チューブ状フィルムの口開き性
チューブ状フィルムの口開き性は、インフレーション加工で得られたチューブ状フィルム、すなわちシール層同士が接した状態のチューブ状フィルムから試験片を切出し、チューブ状フィルムの内面(シール層)同士を素手又は粘着テープで開くことができるかどうかを評価した。シール層同士を容易に剥がすことができた場合を○、剥がせなかった場合を×とした。
(3)透明性
JIS K7105に従い、前記(1)の易剥離性試験の際に作製した各易剥離性フィルムの全光線透過率、拡散光透過率を測定し、HAZE値(=(拡散光透過率/全光線透過率)×100)を算出した。HAZE値が20以下である場合を○、20を越える場合を×とした。
Figure 0004839642

Claims (6)

  1. ポリエステル系樹脂組成物からなるシール層を有する易剥離性フィルムであって、該ポリエステル系樹脂組成物が、結晶性ポリエステル(A)100重量部と、前記結晶性ポリエステル(A)100重量部に対し、プロピレン系樹脂(B)5〜45重量部、前記結晶性ポリエステル(A)および前記プロピレン系樹脂(B)とは異なる樹脂からなるワックス(C)5〜25重量部からなる易剥離性フィルム。
  2. ポリエステル系樹脂組成物に含まれる前記結晶性ポリエステル(A)の融点が100〜180℃であり、かつガラス転移温度が10℃以下である請求項1に記載の易剥離性フィルム。
  3. ポリエステル系樹脂組成物に含まれるワックス(C)が重量平均分子量500〜5000のポリエチレンである請求項1または2に記載の易剥離性フィルム。
  4. ポリエステル系樹脂組成物からなるシール層と、該シール層に隣接するオレフィン系樹脂からなる隣接層を有する請求項1〜のいずれか一項に記載の易剥離性フィルム。
  5. 易剥離性フィルムの全厚みにおけるシール層の厚みが3〜70%である請求項に記載の易剥離性フィルム。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の易剥離性フィルムを用いた蓋材。
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