JP4831869B2 - 伝送回路及び半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置の駆動回路、及び該駆動回路を用いた半導体装置に関する。中でもマトリクス状に配置されたTFTを駆動することによって画素部に画像の表示を行なう半導体表示装置の駆動回路に関する。また、これらの駆動回路を用いた半導体表示装置、特に液晶表示装置、EL表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、安価なガラス基板上に半導体薄膜を形成した半導体装置、例えば薄膜トランジスタ(TFT)を作製する技術が急速に発達してきている。
【0003】
薄膜トランジスタの中でも特に、多結晶シリコン薄膜トランジスタ(poly−Si TFT)はアモルファス薄膜トランジスタと比べて、高速で動作することが可能である。そのため、多結晶シリコン薄膜トランジスタを用いた半導体表示装置は、アモルファス薄膜トランジスタを用いる場合と異なり、駆動回路を画素部と同じ基板上に直接形成することができる。なお本明細書において、表面に半導体素子が形成された絶縁性基板をアクティブマトリクス基板と呼ぶ。
【0004】
今現在は、駆動回路に入力されるビデオ信号自体は、パネルに外付けされたICにおいて作り出されたアナログ信号をそのまま画素へ書き込む方式(点順次アナログ方式)が主流である。
【0005】
しかし、今後インターフェイスがデジタル化されていくのに伴い、poly−Si TFTを用いた半導体装置では、アナログ値にデコードされていないデジタル形式のビデオ信号を直に基板上の駆動回路に取り込み、駆動回路においてデジタル形式のビデオ信号をアナログ形式のビデオ信号に変換する方式(デジタル方式)がより強く求められるようになっていくとみられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図24に点順次アナログ方式で駆動するアクティブマトリクス型液晶表示装置の概略図の一例を示す。
【0007】
ソース側駆動回路1301とゲート側駆動回路1302は、駆動回路の一部である。画素部1308では、ソース側駆動回路1301に接続されたソース信号線1303と、ゲート側駆動回路1302に接続されたゲート信号線1304が交差している。そのソース信号線1303とゲート信号線1304を備えた領域に、画素の薄膜トランジスタ(画素TFT)1305と、対向電極と画素電極の間に液晶を挟んだ液晶セル1306と、保持容量1307が設けられている。
【0008】
ソース信号線1303に入力されたアナログのビデオ信号(画像情報を有するアナログの信号)は、画素TFT1305により選択され、所定の画素電極に書き込まれる。
【0009】
ソース側駆動回路1301から出力されたタイミング信号によりサンプリングされたアナログのビデオ信号が、ソース信号線1303に供給される。
【0010】
画素TFT1305は、ゲート側駆動回路1302からゲート信号線1304を介して入力される選択信号により動作する。
【0011】
次に、デジタル駆動方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置の構造の概略図を図25に示す。ここでは、4ビットのデジタル駆動方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置を例にとっている。デジタル駆動方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置は、図25に示すように、ソース側駆動回路1412、ゲート側駆動回路1409及び画素部1413が設けられている。
【0012】
ソース側駆動回路1412は、シフトレジスタ1401、ラッチ1(LAT1)1403、ラッチ2(LAT2)1404及びD/A変換回路1406が設けられている。そして外部から入力されるデジタルビデオ信号(画像情報を有するデジタルの信号)のアドレス線1402(a〜d)がラッチ1(LAT1)1403に接続されている。またラッチパルス線1405がラッチ2(LAT2)1404に接続されている。階調電圧線1407がD/A変換回路1406に接続されている。なお、ラッチ1 1403およびラッチ2 1404(LAT1およびLAT2)は、それぞれ4個のラッチが便宜上一まとめに示されている。
【0013】
そしてソース側駆動回路1412のD/A変換回路1406に接続されたソース信号線(データ線とも呼ぶ)1408と、ゲート側駆動回路1409に接続されたゲート信号線(走査線とも呼ぶ)1410が画素部1413に設けられている。
【0014】
画素部1413において、ソース信号線1408と、ゲート信号線1410とが交差した部分に、画素TFT1411及び液晶セル1414が設けられている。
【0015】
シフトレジスタ1401からのタイミング信号により、アドレス線1402(a〜d)に供給されたデジタルビデオ信号が、全てのLAT1 1403に順次書き込まれる。なお、本明細書において、全てのLAT1 1403をLAT1群と総称する。
【0016】
LAT1群へのデジタルビデオ信号の書き込みが一通り終了するまでの期間は、1ライン期間と呼ばれる。すなわち、一番左側のLAT1へのデジタルビデオ信号の書き込みが開始されてから、一番右側のLAT1へのデジタルビデオ信号の書き込みが終了する時点までの期間が1ライン期間である。なお、LAT1群へのデジタルビデオ信号の書き込みが一通り終了するまでの期間と、水平帰線期間とを合わせて、1つのライン期間としても良い。
【0017】
LAT1群に対するデジタルビデオ信号の書き込みが終了した後、LAT1群に書き込まれたデジタルビデオ信号は、ラッチパルス線1405に入力されるラッチシグナルによって、全てのLAT2 1404に一斉に伝送され、書き込まれる。なお、本明細書において、全てのLAT2をLAT2群と総称する。
【0018】
デジタルビデオ信号をLAT2群に伝送した後、2順目のライン期間が開始される。よって、シフトレジスタ1401からのタイミング信号により、再びLAT1群に、アドレス線1402(a〜d)に供給されるデジタルビデオ信号の書き込みが順次行なわれる。
【0019】
この2順目の1ライン期間の開始に合わせて、LAT2群に書き込まれたデジタルビデオ信号がD/A変換回路1406に一斉に入力される。そして入力されたデジタルビデオ信号は、D/A変換回路1406において、そのデジタルビデオ信号の有する画像情報に応じた電圧を有するアナログ信号(アナログの階調電圧信号)に変換され、ソース信号線1408に供給される。
【0020】
アナログの階調電圧信号は、1ライン期間の間、対応するソース信号線1408に供給される。ゲート側駆動回路1409から出力される選択信号によって、対応する画素TFT1411のスイッチングが行われ、ソース信号線1408からのアナログの階調電圧信号によって液晶分子が駆動される。
【0021】
上述した動作をゲート信号線の数だけ繰り返すことによって1画面(1フレーム)が形成される。一般に、アクティブマトリクス型液晶表示装置では、1秒間に60フレームの画像の書き換えが行われている。
【0022】
上述したように、点順次アナログ方式では1つのアナログ階調信号からなるアナログのビデオ信号の電圧に応じた階調表示を行う。一方、デジタル駆動方式の場合、例えば16階調の表示を行うのに、4ビットのデジタルビデオ信号を駆動回路内において処理する必要がある。そのためデジタル駆動方式では、1つのアナログ信号を処理する点順次アナログ方式に比べ、駆動回路内にデジタルビデオ信号を処理する回路がデジタルビデオ信号のビット数に応じた数だけ必要になる。例えば、上述した4ビットのデジタルビデオ信号に対応したデジタル駆動方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置の場合、ラッチ1(LAT1)が4つ、ラッチ2(LAT2)が4つ必要になる。
【0023】
また表示する画像の階調数を高くするためには、駆動回路に入力するデジタルビデオ信号のビット数を増やす必要がある。デジタルビデオ信号のビット数を増やすと、駆動回路内においてデジタルビデオ信号を処理するための回路の数も増加し、駆動回路が大規模になって複雑化してしまう。そのため、点順次アナログ方式に比べてデジタル駆動方式では、駆動回路が有するTFTの個数が大幅に増加する。
【0024】
点順次アナログ方式ではソース側駆動回路は単一のクロック信号に同期して動作させることが容易であった。しかしデジタル駆動方式では、点順次アナログ方式の場合に比べて駆動回路が大規模になって複雑化し、駆動回路が有するTFTの個数が大幅に増加する。そのため、配線等の抵抗や、TFTのゲート電極と活性層の間に形成される容量(ゲート容量)が点順次アナログ方式の場合に比べて大きくなる。そのため、駆動回路に単一のクロック信号を入力しても、駆動回路内でクロック信号の遅延が起こり、同じ駆動回路内の複数の回路がそれぞれ位相の異なるクロック信号に同期して動作することになる。このため該複数の回路間における信号の伝送が十分に行われないということが起こり、単一のクロック信号による駆動回路の駆動が困難になる可能性が大きくなる。
【0025】
このため、デジタル駆動方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、同じクロック信号を複数の系統に分割して駆動回路に入力したり、クロック信号が入力される配線にバッファ回路を設けたりし、クロック信号の遅延を駆動回路の駆動が困難にならない程度に防いでいた。
【0026】
しかし厳密には、単一のクロック信号を複数の系統に分割して駆動回路に入力しても、複数の系統に分割されたクロック信号が目的とする複数の回路にそれぞれ入力される前に、配線容量によって信号が遅延し、各クロック信号に位相のずれが生じる。また駆動回路内の複数の回路を構成しているTFTの有するゲート容量が各回路によって異なっていると、クロック信号は各回路に入力する際に遅延し、その位相にずれが生じる。
【0027】
またクロック信号が入力される配線にバッファ回路を設ける場合でも、配線容量やバッファ回路を構成しているTFTが有するゲート容量によって、駆動回路内の各回路に入力されるクロック信号の遅延が起こり、クロック信号に位相のずれが生じる。
【0028】
近年、アクティブマトリクス型液晶表示装置を含む半導体表示装置の高精細化によって画素数が増加するのに伴い、ソース側駆動回路をより高い周波数で駆動する必要が出てきている。そのためには、ソース側駆動回路に入力するクロック信号の周波数も高くすることが必要となる。
【0029】
クロック信号の周波数が高くなると、クロック信号の、一周期に対する位相のずれの割合が大きくなってしまう。各回路に入力されるクロック信号間の一周期に対する位相のずれの割合が大きくなると、回路間でデータの伝送が行われなかったり、伝送されてもデータを読み込む期間が短いために、伝送後のデジタルデータの位相がずれてしまったりする。
【0030】
上述したことに鑑み、本発明は、周波数が同じ2つのクロック信号にそれぞれ同期して動作する2つの回路間において、2つのクロック信号間に位相のずれが生じても、データ伝送が行われなかったり、伝送後にデータの位相がずれたりすることなく、確実にデジタル形式のデータの伝送を行うことを課題とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明人は、単一のクロック信号により駆動する駆動回路において、駆動回路が有する複数の回路に入力されるクロック信号は、互いにその位相にずれを有している、つまり複数の回路は互いに位相がずれているクロック信号にそれぞれ同期して動作していることを前提とした。
【0032】
各回路にそれぞれ入力されるクロック信号間の位相のずれの大きさ(本明細書において位相差と呼ぶ)は、マイナス半周期分からプラス半周期分までランダムである。そこで本発明人は、あるクロック信号CK1(第1のクロック信号)に同期している回路Aから、別のクロック信号CK2(第2のクロック信号)に同期している回路Bにデジタル形式のデータ(デジタルデータ)を伝送するために、CK1とCK2の位相差を認識し、回路間のデジタルデータの伝送のタイミングをその位相差に対応して調節を行う伝送回路を、回路Aと回路Bとの間に設けた。
【0033】
なお本明細書においてデジタルデータとは、半導体装置の駆動に関わる全てのデジタル形式の信号を意味する。よってデジタルビデオ信号はデジタルデータに含まれる。
【0034】
上記構成により、同じ周波数を有する2つのクロック信号にそれぞれ同期している2つの回路間において、クロック信号の位相差に関わらずデジタルデータの伝送を誤りなく行うことができる。具体的には、デジタルデータの伝送が行われなかったり、伝送してもデジタルデータを読み込む期間が短いために伝送後のデジタルデータの位相がずれてしまったりすることがなくなる。
【0035】
以下、本発明の伝送回路の構成について示す。
【0036】
本発明によって、
第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路から、前記第1のクロック信号と周波数が同じ第2のクロック信号に同期して動作する第2の回路へデジタルデータを伝送する伝送回路であって、
前記第1のクロック信号に対して前記第2のクロック信号がゼロ以上半周期以下位相が遅れている場合、前記第1の回路から前記伝送回路に入力された前記第1のクロック信号に同期しているデジタルデータは、前記第2のクロック信号に同期したデジタルデータに変換されて前記伝送回路から出力され、前記伝送回路から出力されたデジタルデータは前記第2の回路において前記第2のクロック信号に同期してサンプリングされて保持され、
前記第1のクロック信号に対して前記第2のクロック信号がゼロ以上半周期以下位相が進んでいる場合、前記第1の回路から前記伝送回路に入力された前記第1のクロック信号に同期しているデジタルデータは、そのまま若しくは反転して、前記伝送回路から出力され、前記伝送回路から出力されたデジタルデータは前記第2の回路において前記第2のクロック信号に同期してサンプリングされて保持されることを特徴とする伝送回路が提供される。
【0037】
本発明によって、
第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路から、前記第1のクロック信号と周波数が同じ第2のクロック信号に同期して動作する第2の回路へデジタルデータを伝送する伝送回路であって、
前記第1のクロック信号及び前記第2のクロック信号は前記伝送回路に入力されており、
前記第1のクロック信号に対して前記第2のクロック信号がゼロ以上半周期以下位相が遅れている場合、前記第1の回路から前記伝送回路に入力された前記第1のクロック信号に同期しているデジタルデータは、前記第2のクロック信号に同期したデジタルデータに変換されて前記伝送回路から出力され、前記伝送回路から出力されたデジタルデータは前記第2の回路において前記第2のクロック信号に同期してサンプリングされて保持され、
前記第1のクロック信号に対して前記第2のクロック信号がゼロ以上半周期以下位相が進んでいる場合、前記第1の回路から前記伝送回路に入力された前記第1のクロック信号に同期しているデジタルデータは、そのまま若しくは反転して、前記伝送回路から出力され、前記伝送回路から出力されたデジタルデータは前記第2の回路において前記第2のクロック信号に同期してサンプリングされて保持されることを特徴とする伝送回路が提供される。
【0038】
本発明によって、
第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路から、前記第1のクロック信号と周波数が同じ第2のクロック信号に同期して動作する第2の回路へデジタルデータを伝送する伝送回路であって、
前記伝送回路は複数の論理回路を有しており、
前記伝送回路は、前記第1のクロック信号と前記第2のクロック信号の位相差によって、前記伝送回路に入力されたデジタルデータをそのまま若しくは反転させて出力するか、または前記伝送回路に入力されたデジタルデータを前記第2のクロック信号に同期してサンプリングしそのまま若しくは反転させて出力するかを選択し、前記伝送回路から出力されたデジタルデータは前記第2の回路において前記第2のクロック信号に同期してサンプリングされ保持されることを特徴とする伝送回路が提供される。
【0039】
前記論理回路とは、クロックドインバータ、インバータ、NOR、NAND、OR、AND及びアナログスイッチを含む。
【0040】
前記第2の回路において前記伝送回路から出力されたデジタルデータの1ビット分がサンプリングされる期間の長さが、前記第1のクロック信号または前記第2のクロック信号の半周期の長さと同じであっても良い。
【0041】
前記伝送回路を有することを特徴とする半導体装置。
【0042】
前記半導体装置とは液晶表示装置であっても良い。
【0043】
前記半導体装置とはEL表示装置であっても良い。
【0044】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の伝送回路を有する駆動回路の一部をブロック図で示す。伝送回路101は回路A102と回路B103の間に設けられている。回路A102はラッチであるラッチR104を有している。また回路B103はラッチであるラッチT105を有している。なお、回路A102と回路B103はそれぞれ少なくとも1つラッチを有している。
【0045】
なお本発明において、デジタルデータを送る側の回路と受け取る側の回路は、ラッチに限られず、それぞれデータをサンプリングして一時的に保持する機能を有していれば良い
【0046】
回路A102はクロック信号CK1に同期して動作しており、回路A102が有するラッチR104もクロック信号CK1に同期して動作する。そして、回路B103はクロック信号CK2に同期して動作しており、回路B103が有するラッチT105もクロック信号CK2に同期して動作する。
【0047】
なおクロック信号CK1とクロック信号CK2は、周波数が同じである。
【0048】
ラッチR104は、回路A102に入力されたデジタルデータをクロック信号CK1に同期してサンプリングし、保持する。そしてラッチR104はサンプリングされたデジタルデータを、クロック信号CK1に同期して伝送回路101に入力する。本明細書において、伝送回路101に入力されるデジタルデータを、伝送前デジタルデータと呼ぶ。
【0049】
伝送回路101にはクロック信号CK1とクロック信号CK2とが入力されており、クロック信号CK1とクロック信号CK2の位相のずれを認識する。
【0050】
そしてクロック信号CK1の位相に対してクロック信号CK2の位相が、ゼロ以上半周期以下だけ遅れている場合、伝送回路101はクロック信号CK2に同期して開閉するスイッチとして働く。よって、伝送回路101に入力された伝送前デジタルデータは、伝送後デジタルデータに変換されてクロック信号CK2に同期して出力される。伝送回路101から出力された伝送後デジタルデータは、クロック信号CK2に同期して回路B103が有するラッチT105にサンプリングされて、保持される。
【0051】
逆にクロック信号CK1の位相に対してクロック信号CK2の位相が、ゼロ以上半周期以下だけ進んでいる場合、伝送回路101は常に開の状態にあるスイッチとして働く。よって、伝送回路101に入力された伝送前デジタルデータは、そのまま伝送後デジタルデータとして出力される。伝送回路101から出力された伝送後デジタルデータは、クロック信号CK2に同期して回路B103が有するラッチT105にサンプリングされて保持される。
【0052】
上述した本発明の伝送回路の動作を、図2及び図3に示したタイミングチャートを用いて詳しく説明する。
【0053】
図2に、クロック信号CK1の位相に対してクロック信号CK2の位相がゼロ以上半周期以下だけ遅れている場合のタイミングチャートを示す。
【0054】
ラッチR104はクロック信号CK1に同期して動作している。クロック信号CK1がHi(High)のとき、ラッチR104は、ラッチR104の外部から入力されたデジタルデータの1ビット分の読み込み(サンプリング)を行うサンプルモード(S)となる。またクロック信号CK1がLo(Low)のとき、ラッチR104は、読み込んだ1ビット分のデジタルデータを保持するホールドモード(H)となる。
【0055】
伝送回路101は、クロック信号CK1の位相に対してクロック信号CK2の位相がゼロ以上半周期分以下だけ遅れていることを認識する。よって伝送回路101はクロック信号CK2に同期して、サンプリングとサンプリングしたデジタルデータを保持する動作を繰り返す。
【0056】
伝送回路101に保持された伝送前デジタルデータは、伝送後デジタルデータとして伝送回路101から出力される。
【0057】
回路B103の有するラッチT105は、クロック信号CK1の位相に対してクロック信号CK2の位相がゼロ以上半周期以下だけ遅れている場合と同様に、クロック信号CK2に同期して動作している。具体的には、ラッチT105は、クロック信号CK2がLoのとき、伝送後デジタルデータの1ビット分の読み込みを行うサンプルモード(S)となる。逆にクロック信号CK2がHiのとき、ラッチT105は、読み込んだ1ビット分の伝送後デジタルデータを保持するホールドモード(H)となる。
【0058】
伝送回路101から出力された伝送後デジタルデータは、CK2に同期してラッチT105にサンプリングされ、保持される。
【0059】
次に、図3に、クロック信号CK1の位相に対してクロック信号CK2の位相がゼロ以上半周期以下だけ進んでいる場合のタイミングチャートを示す。
【0060】
ラッチR104はクロック信号CK1に同期して動作している。クロック信号CK1がHiのとき、ラッチR104は、ラッチR104の外部から入力されたデジタルデータの1ビット分の読み込み(サンプリング)を行うサンプルモード(S)となる。またクロック信号CK1がLoのとき、ラッチR104は、読み込んだ1ビット分のデジタルデータを保持するホールドモード(H)となる。
【0061】
伝送回路101は、クロック信号CK1の位相に対してクロック信号CK2の位相がゼロ以上半周期分以下だけ進んでいることを認識する。よって伝送回路101は常に開状態のスイッチとして働く。具体的には、伝送回路101は常にラッチR104が出力する伝送前デジタルデータの読み込み(サンプリング)を行うサンプルモード(S)になっている。
【0062】
このように、伝送回路101に入力された伝送前デジタルデータは、そのまま伝送後デジタルデータとして伝送回路101から出力される。
【0063】
回路B103の有するラッチT105は、クロック信号CK1の位相に対してクロック信号CK2の位相がゼロ以上半周期以下だけ遅れている場合と同様に、クロック信号CK2に同期して動作している。具体的には、ラッチT105は、クロック信号CK2がLoのとき伝送後デジタルデータの1ビット分の読み込みを行うサンプルモード(S)となる。逆にクロック信号CK2がHiのとき、ラッチT105は、読み込んだ1ビット分の伝送後デジタルデータを保持するホールドモード(H)となる。
【0064】
伝送回路101から出力された伝送後デジタルデータは、CK2に同期してラッチT105にサンプリングされ、保持される。
【0065】
このように、クロック信号CK1とクロック信号CK2の位相差に関わらず、伝送回路101がラッチR104から出力される伝送前デジタルデータの1ビット分を読み込むサンプルモードの期間を、クロック信号の半周期分以上確保することができる。また、ラッチT105が伝送回路101から出力される伝送後デジタルデータの1ビット分を読み込むサンプルモードの期間も、クロック信号CK1とクロック信号CK2の位相差に関わらず、クロック信号の半周期分確保することができる。
【0066】
なお、クロック信号CK1とクロック信号CK2の位相差がない場合、または位相差がちょうどクロック信号の半周期分だけ存在している場合、伝送回路は、クロック信号CK2に同期して動作していても良いし、常に開状態のスイッチとして動作していても良い。
【0067】
上記構成により、同じ周波数を有する2つのクロック信号にそれぞれ同期している2つの回路間において、クロック信号の位相差に関わらずデジタルデータの伝送を誤りなく行うことができる。具体的には、デジタルデータが伝送される回路において、1ビット分のデジタルデータを読み込む期間がクロック信号の半周期分より少ないために、デジタルデータの伝送が行われなかったり、伝送してもデジタルデータを読み込む期間が短いために伝送後のデジタルデータの位相がずれてしまったりすることがなくなる。
【0068】
なお、本発明の伝送回路が有する論理回路の種類と個数、及びその組み合わせは様々である。伝送回路は、以下3つの機能を有する。▲1▼クロック信号CK1とクロック信号CK2の位相差を認識する機能。▲2▼入力された伝送前デジタルデータを、そのまま若しくは反転させて出力するか、クロック信号CK2に同期してサンプリングしてそのまま若しくは反転させて出力するか、のいずれかの動作を該位相差により選択する機能。▲3▼選択された該動作を行う機能とを有していれば良い。
【0069】
なお本明細書で論理回路とは、入力に加えられた1と0の組み合わせに対し、論理的な判断を行い、それぞれに対応した1と0の組み合わせを出力する基本回路のことを指す。例えば、論理回路としてクロックドインバータ、インバータ、NOR、NAND、OR、AND及びアナログスイッチが挙げられる。
【0070】
また、本実施の形態では、ラッチR104はクロック信号CK1がHiのときサンプルモード(S)、クロック信号CK1がLoのときホールドモード(H)とした。またラッチT105はクロック信号CK2がLoのときサンプルモード(S)、クロック信号CK2がHiのときホールドモード(H)とした。しかし本発明はこの構成に限定されない。逆に、ラッチR104をクロック信号CK1がLoのときサンプルモード(S)、クロック信号CK1がHiのときホールドモード(H)となるようにしても良い。また、ラッチT105をクロック信号CK2がHiのときサンプルモード(S)、クロック信号CK2がLoのときホールドモード(H)となるようにしても良い。伝送回路において、伝送前デジタルデータの1ビット分がサンプリングされる際、そのサンプリングの期間がクロック信号の半周期分の長さであれば、ラッチR104をどのようなモードで動作させても良い。また、ラッチT105において、伝送後デジタルデータの1ビット分がサンプリングされる際、そのサンプリングの期間がクロック信号の半周期分の長さであれば、ラッチT105をどのようなモードで動作させても良い。
【0071】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を説明する。
【0072】
(実施例1)
本実施例では、図1で示した本発明の伝送回路の具体的な回路図の一例について、図4を用いて説明する。
【0073】
第1クロックドインバータ301、第2クロックドインバータ302、第1インバータ303、第2インバータ304、NOR305、NAND306、アナログスイッチ307が図4に示すように設けられている。
【0074】
本実施例において、第1クロックドインバータ301と第2クロックドインバータ302の組み合わせは、クロック信号CK1とクロック信号CK2の位相差を認識する機能を有する。また、第1インバータ303と、第2インバータ304と、NOR305と、NAND306の組み合わせは、伝送回路に入力された伝送前デジタルデータを、そのまま若しくは反転させて出力するか、クロック信号CK2に同期してサンプリングして出力するか、のいずれかの動作を該位相差により選択する機能を有する。また、アナログスイッチ307は、選択された該動作を行う機能を有する。
【0075】
クロック信号CK1、クロック信号CK2は図4に示す配線から伝送回路に入力される。また伝送前デジタルデータは図4に示す配線から入力され、同じく図4に示す配線から伝送後デジタルデータとして出力される。
【0076】
図5(A)に本発明で用いられるクロックドインバータの一例を等価回路図で示す。クロックドインバータは、入力されるクロック信号CK及びCKbに同期して、inから入力される信号を読み込み、読み込んだ信号の極性を反転させてoutから出力する。なお本明細書においてクロック信号CKの極性を反転させた信号を反転クロック信号CKbと呼ぶ。
【0077】
図5(A)に示したクロックドインバータの場合、クロック信号がHiの時、inから入力される信号は極性が反転されてoutから出力される。逆にクロック信号がLoの時、inから入力された信号はoutから出力されない。
【0078】
なお、図5(A)に示したクロックドインバータにおいて、クロック信号CK及びCKbが入力される位置を入れ替えた場合、クロックドインバータは逆の動作を行う。つまり、クロック信号がLoの時、inから入力される信号は極性が反転されてoutから出力される。逆にクロック信号がHiの時、inから信号が入力されても、outからは出力が行われない。
【0079】
本発明で用いられるクロックドインバータは、図5(A)に示した構成に限定されない。
【0080】
図5(B)に本発明において用いられるアナログスイッチの一例を、等価回路図で示す。アナログスイッチはVin及びVinbから入力される信号に同期して動作する。なおVinbに入力される信号は、Vinに入力される信号の極性を反転させた信号である。
【0081】
具体的に説明すると、VinからHiの信号が入力されると、inから入力された信号がそのままoutから出力される。VinからLoの信号が入力されると、inから信号が入力されてもoutからは出力が行われない。なお本発明で用いられるアナログスイッチは、図5(B)に示した構成に限定されない。
【0082】
図6及び図7を用いて、図4に示した伝送回路の動作について説明する。
【0083】
伝送回路は、クロック信号CK1のダウンエッジにおいてクロック信号CK2がHiかLoかを判別する。ダウンエッジとは、タイミングチャートにおいて信号がHiからLoに変わりはじめるポイントを指す。
【0084】
クロック信号CK1のダウンエッジにおいて、クロック信号CK2がHiであれば、クロック信号CK1の位相に対してクロック信号CK2の位相が、ゼロ以上半周期分以下だけ遅れていることを意味する。逆にクロック信号CK1のダウンエッジにおいて、クロック信号CK2がLoであれば、クロック信号CK1の位相に対してクロック信号CK2の位相が、ゼロ以上半周期分以下だけ進んでいることを意味する。
【0085】
クロック信号CK1の位相に対してクロック信号CK2の位相が、ゼロ以上半周期分以下だけ遅れている場合、図6に示すようにNOR305から出力される信号は、クロック信号CK2の極性を反転させたものとなる。よってNAND306から出力される信号は、クロック信号CK2に同期して、クロック信号CK2がHiの時にはHiに、クロック信号CK2がLoの時はLoになる。
【0086】
NAND306から出力される信号はアナログスイッチ307に入力される。
【0087】
伝送前デジタルデータを送る側の回路が有するラッチ(図1の場合はラッチR104)は、クロック信号CK1に同期して動作している。ラッチR104は、クロック信号CK1がHiのときラッチR104に入力されるデジタルデータをサンプリングし、クロック信号CK1がLoのときサンプリングしたデジタルデータを保持している。そしてラッチR104に保持されているデジタルデータは、アナログスイッチ307に入力される。
【0088】
アナログスイッチ307はNAND306から入力される信号に同期して動作する。具体的にはNAND306からアナログスイッチ307に入力される信号がHiのときに、アナログスイッチ307はラッチR104から入力された伝送前デジタルデータをサンプリングして、そのまま出力する。そしてNAND306からアナログスイッチ307に入力される信号がLoのときに、アナログスイッチ307はラッチR104から伝送前デジタルデータが入力されても出力を行わない。
【0089】
アナログスイッチ307から出力された信号は、伝送後デジタルデータとして出力される。
【0090】
上記動作によって、伝送回路に入力された伝送前デジタルデータは伝送後デジタルデータに変換されて、伝送回路から出力される。
【0091】
伝送後デジタルデータを受け取る側の回路において、該回路が有するラッチ(図1の場合はラッチT105)は、クロック信号CK2に同期して伝送後デジタルデータをサンプリングし、保持する。具体的には、クロック信号CK2がLoのときに伝送後デジタルデータの1ビット分の読み込みを行うサンプルモードとなり、Hiのときに読み込んだ1ビット分の伝送後デジタルデータを保持するホールドモードとなる。
【0092】
次に、クロック信号CK1の位相に対して、クロック信号CK2の位相がゼロ以上半周期分以下だけ進んでいる場合について説明する。この場合、図7に示すようにNOR305から出力される信号は常にLoとなる。よってNAND306から出力される信号は常にHiになる。
【0093】
NAND306から出力される信号はアナログスイッチ307に入力される。
【0094】
伝送前デジタルデータを送る側の回路が有するラッチ(図1の場合はラッチR104)は、クロック信号CK1に同期して動作している。ラッチR104は、クロック信号CK1がHiのときラッチR104に入力されるデジタルデータをサンプリングし、クロック信号CK1がLoのときサンプリングしたデジタルデータを保持している。そしてラッチR104に保持されているデジタルデータは、アナログスイッチ307に入力される。
【0095】
NAND306から入力される信号が常にHiであるので、アナログスイッチ307は、ラッチR104からNAND306に入力された伝送前デジタルデータをそのまま出力する。
【0096】
アナログスイッチ307から出力された信号は、伝送後デジタルデータとして出力される。
【0097】
上記動作によって伝送回路に入力された伝送前デジタルデータは、伝送後デジタルデータとして伝送回路から出力される。
【0098】
伝送後デジタルデータを受け取る側の回路において、該回路が有するラッチ(図1の場合はラッチT105)は、クロック信号CK2に同期して、伝送後デジタルデータをサンプリングして、保持する。具体的には、クロック信号CK2がLoのときに伝送後デジタルデータの1ビット分の読み込みを行うサンプルモードとなり、クロック信号CK2がHiのとき、読み込んだ1ビット分の伝送後デジタルデータを保持するホールドモードとなる。
【0099】
このように、伝送回路101がラッチR104から出力される伝送前デジタルデータの1ビット分を読み込むサンプルモードの期間を、クロック信号CK1とクロック信号CK2の位相差に関わらず、クロック信号(CK1、CK2)の半周期分以上確保することができる。また、ラッチT105が伝送回路101から出力される伝送後デジタルデータの1ビット分を読み込むサンプルモードの期間も、クロック信号CK1とクロック信号CK2の位相差に関わらず、クロック信号(CK1、CK2)の半周期分確保することができる。
【0100】
上記構成により、同じ周波数を有する2つのクロック信号にそれぞれ同期して動作している2つの回路間において、クロック信号の位相差に関わらずデジタルデータの伝送を誤りなく行うことができる。具体的には、デジタルデータの伝送が行われなかったり、伝送してもデジタルデータを読み込む期間が短いために伝送後のデジタルデータの位相がずれてしまったりすることがなくなる。
【0101】
なお本発明の伝送回路は、図4に示した論理回路の種類、個数、組み合わせに限られない。
【0102】
図4に示した伝送回路は構成が簡単であり、またTFTを用いてアクティブマトリクス基板上に形成することが可能である。その場合、半導体表示装置の画素部に用いられるTFTと同時に形成することが可能であり、その場合、工程数を新たに増やす必要がない。
【0103】
(実施例2)
本実施例では、本発明の伝送回路の実施例1とは異なる構成について説明する。図1に示した伝送回路の一例を、具体的な回路図で図8に示す。
【0104】
第1クロックドインバータ601、第2クロックドインバータ602、インバータ603、NAND604、NOR605、第3クロックドインバータ606が図8に示すように設けられている。
【0105】
本実施例において、第1クロックドインバータ601と第2クロックドインバータ602の組み合わせは、クロック信号CK1とクロック信号CK2の位相差を認識する機能を有する。また、インバータ603とNAND604とNOR605の組み合わせは、伝送回路に入力された伝送前デジタルデータを、そのまま若しくは反転させて出力するか、クロック信号CK2に同期してサンプリングしそのまま若しくは反転させて出力するか、のいずれかの動作を該位相差により選択する機能を有する。また、第3クロックドインバータ606は、選択された該動作を行う機能を有する。
【0106】
クロック信号CK1、クロック信号CK2は図8に示す配線から伝送回路に入力される。また伝送前デジタルデータは図8に示す配線から入力され、同じく図8に示す配線から伝送後デジタルデータとして出力される。
【0107】
本実施例で用いられるクロックドインバータは図5(A)に示したものを用いることができるが、本発明はこの構成に限定されない。図5(A)に示した以外の構成を有するクロックドインバータを用いても良い。
【0108】
図9及び図10を用いて、図8に示した伝送回路の動作について説明する。
【0109】
伝送回路は、クロック信号CK1のダウンエッジにおいてクロック信号CK2がHiかLoかを判別する。
【0110】
クロック信号CK1のダウンエッジにおいて、クロック信号CK2がHiであれば、クロック信号CK1の位相に対してクロック信号CK2の位相が、ゼロ以上半周期分以下だけ遅れていることを意味する。逆にクロック信号CK1のダウンエッジにおいて、クロック信号CK2がLoであれば、クロック信号CK1の位相に対してクロック信号CK2の位相が、ゼロ以上半周期分以下だけ進んでいることを意味する。
【0111】
クロック信号CK1の位相に対してクロック信号CK2の位相が、ゼロ以上半周期分以下だけ遅れている場合、図9に示すようにNAND604から出力される信号は、クロック信号CK2の極性を反転させたものとなる。よってNOR605から出力される信号は、クロック信号CK2に同期して、クロック信号CK2がHiの時にはHiに、クロック信号CK2がLoの時はLoになる。
【0112】
NOR605から出力される信号は第3クロックドインバータ606に入力される。
【0113】
伝送前デジタルデータを送る側の回路が有するラッチ(図1の場合はラッチR104)は、クロック信号CK1に同期して動作している。ラッチR104は、クロック信号CK1がLoのときラッチR104に入力されるデジタルデータをサンプリングし、クロック信号CK1がHiのときサンプリングしたデジタルデータを保持している。そしてラッチR104に保持されているデジタルデータは、第3クロックドインバータ606に入力される。
【0114】
第3クロックドインバータ606はNOR605から入力される信号に同期して動作する。具体的にはNOR605から第3クロックドインバータ606に入力される信号がLoのときに、第3クロックドインバータ606は、ラッチR104から入力される伝送前デジタルデータをサンプリングし、その極性を反転させて出力する。
【0115】
そして逆にNOR605から第3クロックドインバータ606に入力される信号がHiのときに、第3クロックドインバータ606に伝送前デジタルデータが入力されても、第3クロックドインバータ606は出力を行わない。上記構成によって第3クロックドインバータ606に入力された伝送前デジタルデータは、伝送後デジタルデータとして伝送回路から出力される。
【0116】
伝送後デジタルデータを受け取る側の回路において、該回路が有するラッチ(図1の場合はラッチT105)は、クロック信号CK2に同期して伝送後デジタルデータをサンプリングし、保持する。具体的には、クロック信号CK2がHiのときに伝送後デジタルデータの1ビット分の読み込みを行うサンプルモードとなり、Loのときに読み込んだ1ビット分の伝送後デジタルデータを保持するホールドモードとなる。
【0117】
次に、クロック信号CK1の位相に対して、クロック信号CK2の位相がゼロ以上半周期分以下だけ進んでいる場合について説明する。この場合、図10に示すようにNAND604から出力される信号は常にHiとなる。よってNOR605から出力される信号は常にLoになる。
【0118】
NOR605から出力される信号は第3クロックドインバータ606に入力される。
【0119】
伝送前デジタルデータを送る側の回路が有するラッチ(図1の場合はラッチR104)は、クロック信号CK1に同期して動作している。ラッチR104は、クロック信号CK1がLoのときラッチR104に入力されるデジタルデータをサンプリングし、クロック信号CK1がHiのときサンプリングしたデジタルデータを保持している。そしてラッチR104に保持されているデジタルデータは、第3クロックドインバータ606に入力される。
【0120】
第3クロックドインバータ606は、NOR605から入力される信号が常にLoなので、ラッチR104からNOR605に入力された伝送前デジタルデータの極性を反転させて、そのまま伝送後デジタルデータとして伝送回路から出力する。
【0121】
伝送後デジタルデータを受け取る側の回路において、該回路が有するラッチ(図1の場合はラッチT105)は、クロック信号CK2に同期して、伝送後デジタルデータを読み込んで保持する。具体的には、クロック信号CK2がHiのときに伝送後デジタルデータの1ビット分の読み込みを行うサンプルモードとなり、クロック信号CK2がLoのとき、読み込んだ1ビット分の伝送後デジタルデータを保持するホールドモードとなる。
【0122】
このように、伝送回路101がラッチR104から出力される伝送前デジタルデータの1ビット分を読み込むサンプルモードの期間を、クロック信号CK1とクロック信号CK2の位相差に関わらず、クロック信号(CK1、CK2)の半周期分以上確保することができる。また、ラッチT105が伝送回路101から出力される伝送後デジタルデータの1ビット分を読み込むサンプルモードの期間も、クロック信号CK1とクロック信号CK2の位相差に関わらず、クロック信号(CK1、CK2)の半周期分確保することができる。
【0123】
上記構成により、同じ周波数を有する2つのクロック信号にそれぞれ同期して動作している2つの回路間において、クロック信号の位相差に関わらずデジタルデータの伝送を誤りなく行うことができる。具体的には、デジタルデータの伝送が行われなかったり、伝送してもデジタルデータを読み込む期間が短いために伝送後のデジタルデータの位相がずれてしまったりすることがなくなる。
【0124】
図8に示した伝送回路は構成が簡単であり、またTFTを用いてアクティブマトリクス基板上に形成することが可能である。その場合、半導体表示装置の画素部に用いられるTFTと同時に形成することが可能であり、工程数を新たに増やす必要がない。
【0125】
なお本発明の伝送回路は、図8に示した論理回路の種類、個数、組み合わせに限られない。
【0126】
(実施例3)
本実施例では、図1で示した本発明の伝送回路の具体的な回路図の、実施例1と実施例2で示した構成とは異なる例について、図11を用いて説明する。
【0127】
第1クロックドインバータ801、第2クロックドインバータ802、NAND803、アナログスイッチ804、インバータで構成されているバッファ805が図11に示すように設けられている。
【0128】
本実施例において、第1クロックドインバータ801と第2クロックドインバータ802の組み合わせは、クロック信号CK1とクロック信号CK2の位相差を認識する機能を有する。また、NAND803は、伝送回路に入力された伝送前デジタルデータを、そのまま若しくは反転させて出力するか、クロック信号CK2に同期してサンプリングしそのまま若しくは反転させて出力するか、のいずれかの動作を該位相差により選択する機能を有する。また、アナログスイッチ804とバッファ805の組み合わせは、選択された該動作を行う機能を有する。
【0129】
クロック信号CK1、クロック信号CK2は図11に示す配線から伝送回路に入力される。また伝送前デジタルデータは図11に示す配線から入力され、同じく図11に示す配線から伝送後デジタルデータとして出力される。
【0130】
本実施例で用いられるクロックドインバータは図5(A)に示したものを用いることができるが、本発明はこの構成に限定されない。図5(A)に示した以外の構成を有するクロックドインバータを用いても良い。
【0131】
また、本実施例で用いられるアナログスイッチは図5(B)に示したものを用いることができるが、本発明はこの構成に限定されない。図5(B)に示した以外の構成を有するアナログスイッチを用いても良い。
【0132】
図12及び図13を用いて、図11に示した伝送回路の動作について説明する。
【0133】
伝送回路は、クロック信号CK1のダウンエッジにおいてクロック信号CK2がHiかLoかを判別する。
【0134】
クロック信号CK1のダウンエッジにおいて、クロック信号CK2がHiであれば、クロック信号CK1の位相に対してクロック信号CK2の位相が、ゼロ以上半周期分以下だけ遅れていることを意味する。逆にクロック信号CK1のダウンエッジにおいて、クロック信号CK2がLoであれば、クロック信号CK1の位相に対してクロック信号CK2の位相が、ゼロ以上半周期分以下だけ進んでいることを意味する。
【0135】
クロック信号CK1の位相に対してクロック信号CK2の位相が、ゼロ以上半周期分以下だけ遅れている場合、図12に示すようにNAND803から出力される信号は、クロック信号CK2の極性を反転させたものとなる。つまりNAND803から出力される信号は、クロック信号CK2に同期して、クロック信号CK2がHiの時にはLoに、クロック信号CK2がLoの時はHiになる。
【0136】
NAND803から出力される信号はアナログスイッチ804に入力される。
【0137】
伝送前デジタルデータを送る側の回路が有するラッチ(図1の場合はラッチR104)は、クロック信号CK1に同期して動作している。ラッチR104は、クロック信号CK1がLoのときラッチR104に入力されるデジタルデータをサンプリングし、クロック信号CK1がHiのときサンプリングしたデジタルデータを保持している。そしてラッチR104に保持されているデジタルデータは、アナログスイッチ804に入力される。
【0138】
アナログスイッチ804はNAND803から入力される信号に同期して動作する。具体的にはNAND803からアナログスイッチ804に入力される信号がHiのときに、アナログスイッチ804はラッチR104から入力された伝送前デジタルデータをサンプリングして、そのまま出力する。逆にNAND803からアナログスイッチ804に入力される信号がLoのときに、アナログスイッチ804はラッチR104から伝送前デジタルデータが入力されても出力を行わない。
【0139】
アナログスイッチ804から出力された信号は、インバータで構成されているバッファ805に入力され、その極性が反転されて、伝送後デジタルデータとして出力される。
【0140】
上記動作によって、伝送回路に入力された伝送前デジタルデータは伝送後デジタルデータに変換されて、伝送回路から出力される。
【0141】
伝送後デジタルデータを受け取る側の回路において、該回路が有するラッチ(図1の場合はラッチT105)は、クロック信号CK2に同期して伝送後デジタルデータをサンプリングし、保持する。具体的には、クロック信号CK2がHiのときに伝送後デジタルデータの1ビット分の読み込みを行うサンプルモードとなり、Loのときに読み込んだ1ビット分の伝送後デジタルデータを保持するホールドモードとなる。
【0142】
次に、クロック信号CK1の位相に対して、クロック信号CK2の位相がゼロ以上半周期分以下だけ進んでいる場合について説明する。この場合、図13に示すようにNAND803から出力される信号は常にHiになる。
【0143】
NAND803から出力される信号はアナログスイッチ804に入力される。
【0144】
伝送前デジタルデータを送る側の回路が有するラッチ(図1の場合はラッチR104)は、クロック信号CK1に同期して動作している。ラッチR104は、クロック信号CK1がLoのときラッチR104に入力されるデジタルデータをサンプリングし、クロック信号CK1がHiのときサンプリングしたデジタルデータを保持している。そしてラッチR104に保持されているデジタルデータは、アナログスイッチ804に入力される。
【0145】
NAND803からアナログスイッチ804入力される信号が常にHiであるので、アナログスイッチ804は、ラッチR104からNAND803に入力された伝送前デジタルデータをそのまま出力する。
【0146】
アナログスイッチ804から出力された信号はバッファ805に入力され、その極性が反転されて、伝送後デジタルデータとして出力される。
【0147】
上記動作によって伝送回路に入力された伝送前デジタルデータは、伝送後デジタルデータとして伝送回路から出力される。
【0148】
伝送後デジタルデータを受け取る側の回路において、該回路が有するラッチ(図1の場合はラッチT105)は、クロック信号CK2に同期して、伝送後デジタルデータをサンプリングして、保持する。具体的には、クロック信号CK2がHiのときに伝送後デジタルデータの1ビット分の読み込みを行うサンプルモードとなり、クロック信号CK2がLoのとき、読み込んだ1ビット分の伝送後デジタルデータを保持するホールドモードとなる。
【0149】
このように、伝送回路101がラッチR104から出力される伝送前デジタルデータの1ビット分を読み込むサンプルモードの期間を、クロック信号CK1とクロック信号CK2の位相差に関わらず、クロック信号(CK1、CK2)の半周期分以上確保することができる。また、ラッチT105が伝送回路101から出力される伝送後デジタルデータの1ビット分を読み込むサンプルモードの期間も、クロック信号CK1とクロック信号CK2の位相差に関わらず、クロック信号(CK1、CK2)の半周期分確保することができる。
【0150】
上記構成により、同じ周波数を有する2つのクロック信号にそれぞれ同期して動作している2つの回路間において、クロック信号の位相差に関わらずデジタルデータの伝送を誤りなく行うことができる。具体的には、デジタルデータの伝送が行われなかったり、伝送してもデジタルデータを読み込む期間が短いために伝送後のデジタルデータの位相がずれてしまったりすることがなくなる。
【0151】
なお本発明の伝送回路は、図11に示した論理回路の種類、個数、組み合わせに限られない。
【0152】
図11に示した伝送回路は構成が簡単であり、またTFTを用いてアクティブマトリクス基板上に形成することが可能である。その場合、半導体表示装置の画素部に用いられるTFTと同時に形成することが可能であり、その場合、工程数を新たに増やす必要がない。
【0153】
(実施例4)
本発明の伝送回路は、その駆動回路内において、デジタル方式の信号の伝送を行っている半導体表示装置(液晶表示装置、EL表示装置等)に用いることが可能である。なお本明細書において駆動回路とは、画像の表示に関与する信号を生成するための回路を意味する。本実施例では、半導体表示装置の駆動回路内に伝送回路を設けている半導体表示装置の一例を示す。
【0154】
図14に、本実施例の半導体表示装置の上面図を示す。基板(アクティブマトリクス基板)700上に、ソース側駆動回路701、ゲート側駆動回路702、画素部703、第1伝送回路704、第2伝送回路705、第1メモリ706、第2メモリ707、マイクロプロセッサ708が設けられている。なお本実施例ではゲート側駆動回路を2つ設けたが、ゲート側駆動回路を1つだけ設ける構成にしても良い。またソース側駆動回路も1つに限定されず、2つ設ける構成にしても良い。
【0155】
第1メモリ706、第2メモリ707はそれぞれラッチを有している。またソース側駆動回路701はラッチを有しており、該ラッチはデータを一時的に保持する機能を有している。
【0156】
第1メモリ706はクロック信号CK1、第2メモリはクロック信号CK2、ソース側駆動回路が有するラッチはクロック信号CK3に同期して動作しているとする。なおクロック信号CK1、CK2、CK3は全て周波数が同じである。
【0157】
マイクロプロセッサ708から、第1メモリ706と第2メモリ707にそれぞれデジタルデータが入力される。第1メモリ706はクロック信号CK1に同期して、マイクロプロセッサ708から入力されるデジタルデータをサンプリングし、保持する。第2メモリ707はクロック信号CK2に同期して、マイクロプロセッサ708から入力されるデジタルデータをサンプリングし、保持する。
【0158】
第1伝送回路704は、第1メモリ706から出力される伝送前のデジタルデータを、伝送後のデジタルデータとしてソース側駆動回路701が有するラッチに入力する。第2伝送回路705は、第2メモリ707から出力される伝送前のデジタルデータを、伝送後のデジタルデータとしてソース側駆動回路701が有するラッチに入力する。
【0159】
ソース側駆動回路701が有するラッチは、第1伝送回路704及び第2伝送回路705からソース側駆動回路701に入力された伝送後デジタルデータを、クロック信号CK3に同期してサンプリングし、保持する。
【0160】
上記構成によって、ソース側駆動回路をより高い周波数で駆動して、クロック信号の周波数を高くし、クロック信号の一周期に対する位相のずれの割合が大きくなっても、回路間でデータの伝送が行われなかったり、伝送されてもデータを読み込む期間が短いために伝送後のデジタルデータの位相がずれてしまったりすることを防ぐことが可能になる
【0161】
また本発明の伝送回路は、TFTを用いてアクティブマトリクス基板上に形成することが可能である。そのため半導体表示装置の画素部に用いられるTFTと同時に形成することが可能であり、その場合、工程数を新たに増やす必要がない。
【0162】
なお本実施例は、実施例1から実施例3のいずれの実施例とも組み合わせることが可能である。
【0163】
(実施例5)
本実施例においては、本発明の半導体表示装置の1つである液晶表示装置が有する、液晶パネルの作製方法の例を、図15〜図19を用いて説明する。ここでは画素部の画素TFTと、画素部の周辺に設けられる駆動回路の一部(ソース側駆動回路、ゲート側駆動回路、D/A変換回路等)のTFTを同一基板上に作製する方法について工程に従って詳細に説明する。但し、説明を簡単にするために、駆動回路ではシフトレジスタ回路、バッファ回路、D/A変換回路などの基本回路であるCMOS回路と、nチャネル型TFTとを図示することにする。
【0164】
図15(A)において、基板(アクティブマトリクス基板)6001には低アルカリガラス基板や石英基板を用いることができる。本実施例では低アルカリガラス基板を用いた。この場合、ガラス歪み点よりも10〜20℃程度低い温度であらかじめ熱処理しておいても良い。この基板6001のTFTを形成する表面には、基板6001からの不純物拡散を防ぐために、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの下地膜6002を形成する。例えば、プラズマCVD法でSiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜を100nm、同様にSiH4、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜を200nmの厚さに積層形成する。
【0165】
次に、20〜150nm(好ましくは30〜80nm)の厚さで非晶質構造を有する半導体膜6003aを、プラズマCVD法やスパッタ法などの公知の方法で形成する。本実施例では、プラズマCVD法で非晶質シリコン膜を55nmの厚さに形成した。非晶質構造を有する半導体膜としては、非晶質半導体膜や微結晶半導体膜があり、非晶質シリコンゲルマニウム膜などの非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用しても良い。また、下地膜6002と非晶質シリコン膜6003aとは同じ成膜法で形成することが可能であるので、両者を連続形成しても良い。下地膜を形成した後、一旦大気雰囲気に晒さないことでその表面の汚染を防ぐことが可能となり、作製するTFTの特性バラツキやしきい値電圧の変動を低減させることができる。(図15(A))
【0166】
そして、公知の結晶化技術を使用して非晶質シリコン膜6003aから結晶質シリコン膜6003bを形成する。例えば、レーザー結晶化法や熱結晶化法(固相成長法)を適用すれば良い。レーザー結晶化の際に、連続発光エキシマレーザーを用いても良い。ここでは、特開平7−130652号公報で開示された技術に従って、触媒元素を用いる結晶化法で結晶質シリコン膜6003bを形成した。結晶化の工程に先立って、非晶質シリコン膜の含有水素量にもよるが、400〜500℃で1時間程度の熱処理を行い、含有水素量を5atom%以下にしてから結晶化させることが望ましい。非晶質シリコン膜を結晶化させると原子の再配列が起こり緻密化するので、作製される結晶質シリコン膜の厚さは当初の非晶質シリコン膜の厚さ(本実施例では55nm)よりも1〜15%程度減少した。(図15(B))
【0167】
そして、結晶質シリコン膜6003bを島状に分割して、島状半導体層6004〜6007を形成する。その後、プラズマCVD法またはスパッタ法により50〜100nmの厚さの酸化シリコン膜によるマスク層6008を形成する。(図15(C))
【0168】
そしてレジストマスク6009を設け、nチャネル型TFTを形成する島状半導体層6005〜6007の全面にしきい値電圧を制御する目的で1×1016〜5×1017atoms/cm3程度の濃度でp型を付与する不純物元素としてボロン(B)を添加した。ボロン(B)の添加はイオンドープ法で実施しても良いし、非晶質シリコン膜を成膜するときに同時に添加しておくこともできる。ここでのボロン(B)添加は必ずしも必要ではないが、ボロン(B)を添加した半導体層6010〜6012はnチャネル型TFTのしきい値電圧を所定の範囲内に収めるために形成することが好ましかった。(図15(D))
【0169】
駆動回路のnチャネル型TFTのLDD領域を形成するために、n型を付与する不純物元素を島状半導体層6010、6011に選択的に添加する。そのため、あらかじめレジストマスク6013〜6016を形成した。n型を付与する不純物元素としては、リン(P)や砒素(As)を用いれば良く、ここではリン(P)を添加すべく、フォスフィン(PH3)を用いたイオンドープ法を適用した。形成された不純物領域6017、6018のリン(P)濃度は2×1016〜5×1019atoms/cm3の範囲とすれば良い。本明細書中では、ここで形成された不純物領域6017〜6019に含まれるn型を付与する不純物元素の濃度を(n-)と表す。また、不純物領域6019は、画素部の保持容量を形成するための半導体層であり、この領域にも同じ濃度でリン(P)を添加した。(図16(A))
【0170】
次に、マスク層6008をフッ酸などにより除去して、図15(D)と図16(A)で添加した不純物元素を活性化させる工程を行う。活性化は、窒素雰囲気中で500〜600℃で1〜4時間の熱処理や、レーザー活性化の方法により行うことができる。また、両者を併用して行っても良い。本実施例では、レーザー活性化の方法を用い、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)を用い、線状ビームを形成して、発振周波数5〜50Hz、エネルギー密度100〜500mJ/cm2として線状ビームのオーバーラップ割合を80〜98%として走査して、島状半導体層が形成された基板全面を処理した。尚、レーザー光の照射条件には何ら限定される事項はなく、実施者が適宣決定すれば良い。また連続発光エキシマレーザーを用いて活性化を行っても良い。
【0171】
そして、ゲート絶縁膜6020をプラズマCVD法またはスパッタ法を用いて10〜150nmの厚さでシリコンを含む絶縁膜で形成する。例えば、120nmの厚さで酸化窒化シリコン膜を形成する。ゲート絶縁膜には、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。(図16(B))
【0172】
次に、ゲート電極を形成するために第1の導電層を成膜する。この第1の導電層は単層で形成しても良いが、必要に応じて二層あるいは三層といった積層構造としても良い。本実施例では、導電性の窒化物金属膜から成る導電層(A)6021と金属膜から成る導電層(B)6022とを積層させた。導電層(B)6022はタンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金か、前記元素を組み合わせた合金膜(代表的にはMo−W合金膜、Mo−Ta合金膜)で形成すれば良く、導電層(A)6021は窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、窒化チタン(TiN)膜、窒化モリブデン(MoN)で形成する。また、導電層(A)6021は代替材料として、タングステンシリサイド、チタンシリサイド、モリブデンシリサイドを適用しても良い。導電層(B)は低抵抗化を図るために含有する不純物濃度を低減させると良く、特に酸素濃度に関しては30ppm以下とすると良かった。例えば、タングステン(W)は酸素濃度を30ppm以下とすることで20μΩcm以下の比抵抗値を実現することができた。
【0173】
導電層(A)6021は10〜50nm(好ましくは20〜30nm)とし、導電層(B)6022は200〜400nm(好ましくは250〜350nm)とすれば良い。本実施例では、導電層(A)6021に30nmの厚さの窒化タンタル膜を、導電層(B)6022には350nmのTa膜を用い、いずれもスパッタ法で形成した。このスパッタ法による成膜では、スパッタ用のガスのArに適量のXeやKrを加えておくと、形成する膜の内部応力を緩和して膜の剥離を防止することができる。尚、図示しないが、導電層(A)6021の下に2〜20nm程度の厚さでリン(P)をドープしたシリコン膜を形成しておくことは有効である。これにより、その上に形成される導電膜の密着性向上と酸化防止を図ると同時に、導電層(A)または導電層(B)が微量に含有するアルカリ金属元素がゲート絶縁膜6020に拡散するのを防ぐことができる。(図16(C))
【0174】
次に、レジストマスク6023〜6027を形成し、導電層(A)6021と導電層(B)6022とを一括でエッチングしてゲート電極6028〜6031と容量配線6032を形成する。ゲート電極6028〜6031と容量配線6032は、導電層(A)から成る6028a〜6032aと、導電層(B)から成る6028b〜6032bとが一体として形成されている。この時、駆動回路に形成するゲート電極6029、6030は不純物領域6017、6018の一部と、ゲート絶縁膜6020を介して重なるように形成する。(図16(D))
【0175】
次いで、駆動回路のpチャネル型TFTのソース領域およびドレイン領域を形成するために、p型を付与する不純物元素を添加する工程を行う。ここでは、ゲート電極6028をマスクとして、自己整合的に不純物領域を形成する。このとき、nチャネル型TFTが形成される領域はレジストマスク6033で被覆しておく。そして、ジボラン(B2H6)を用いたイオンドープ法で不純物領域6034を形成した。この領域のボロン(B)濃度は3×1020〜3×1021atoms/cm3となるようにする。本明細書中では、ここで形成された不純物領域6034に含まれるp型を付与する不純物元素の濃度を(p+)と表す。(図17(A))
【0176】
次に、nチャネル型TFTにおいて、ソース領域またはドレイン領域として機能する不純物領域の形成を行った。レジストのマスク6035〜6037を形成し、n型を付与する不純物元素が添加されて不純物領域6038〜6042を形成した。これは、フォスフィン(PH3)を用いたイオンドープ法で行い、この領域のリン(P)濃度を1×1020〜1×1021atoms/cm3とした。本明細書中では、ここで形成された不純物領域6038〜6042に含まれるn型を付与する不純物元素の濃度を(n+)と表す。(図17(B))
【0177】
不純物領域6038〜6042には、既に前工程で添加されたリン(P)またはボロン(B)が含まれているが、それに比して十分に高い濃度でリン(P)が添加されるので、前工程で添加されたリン(P)またはボロン(B)の影響は考えなくても良い。また、不純物領域6038に添加されたリン(P)濃度は図17(A)で添加されたボロン(B)濃度の1/2〜1/3なのでp型の導電性が確保され、TFTの特性に何ら影響を与えることはなかった。
【0178】
そして、画素部のnチャネル型TFTのLDD領域を形成するためのn型を付与する不純物添加の工程を行った。ここではゲート電極6031をマスクとして自己整合的にn型を付与する不純物元素をイオンドープ法で添加した。添加するリン(P)の濃度は1×1016〜5×1018atoms/cm3であり、図16(A)および図17(A)と図17(B)で添加する不純物元素の濃度よりも低濃度で添加することで、実質的には不純物領域6043、6044のみが形成される。本明細書中では、この不純物領域6043、6044に含まれるn型を付与する不純物元素の濃度を(n--)と表す。(図17(C))
【0179】
その後、それぞれの濃度で添加されたn型またはp型を付与する不純物元素を活性化するために熱処理工程を行う。この工程はファーネスアニール法、レーザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)で行うことができる。ここではファーネスアニール法で活性化工程を行った。熱処理は酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素雰囲気中で400〜800℃、代表的には500〜600℃で行うものであり、本実施例では550℃で4時間の熱処理を行った。また、基板6001に石英基板のような耐熱性を有するものを使用した場合には、800℃で1時間の熱処理としても良く、不純物元素の活性化と、該不純物元素が添加された不純物領域とチャネル形成領域との接合を良好に形成することができた。
【0180】
この熱処理において、ゲート電極6028〜6031と容量配線6032を形成する金属膜6028b〜6032bは、表面から5〜80nmの厚さで導電層(C)6028c〜6032cが形成される。例えば、導電層(B)6028b〜6032bがタングステン(W)の場合には窒化タングステン(WN)が形成され、タンタル(Ta)の場合には窒化タンタル(TaN)を形成することができる。本発明では、シリコン(Si)膜とWN膜とW膜とを積層したもの、W膜とSiを有するW膜とを積層したもの、W膜とSiを有するW膜とSiとを積層したもの、Moを有するWの膜、またはMoを有するTaの膜を用いてゲート電極としても良い。また、導電層(C)6028c〜6032cは、窒素またはアンモニアなどを用いた窒素を含むプラズマ雰囲気にゲート電極6028〜6031を晒しても同様に形成することができる。さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行い、島状半導体層を水素化する工程を行った。この工程は熱的に励起された水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素、プラズマ化した水素を用いる)を行っても良い。
【0181】
島状半導体層が、非晶質シリコン膜から触媒元素を用いる結晶化の方法で作製された場合、島状半導体層中には微量の触媒元素が残留した。勿論、そのような状態でもTFTを完成させることが可能であるが、残留する触媒元素を少なくともチャネル形成領域から除去する方がより好ましかった。この触媒元素を除去する手段の一つにリン(P)によるゲッタリング作用を利用する手段があった。ゲッタリングに必要なリン(P)の濃度は図17(B)で形成した不純物領域(n+)と同程度であり、ここで実施される活性化工程の熱処理により、nチャネル型TFTおよびpチャネル型TFTのチャネル形成領域から触媒元素をゲッタリングをすることができた。(図17(D))
【0182】
活性化および水素化の工程が終了したら、ゲート配線とする第2の導電膜を形成する。この第2の導電膜は低抵抗材料であるアルミニウム(Al)や銅(Cu)を主成分とする導電層(D)と、にチタン(Ti)やタンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)から成る導電層(E)とで形成すると良い。本実施例では、チタン(Ti)を0.1〜2重量%含むアルミニウム(Al)膜を導電層(D)6045とし、チタン(Ti)膜を導電層(E)6046として形成した。導電層(D)6045は200〜400nm(好ましくは250〜350nm)とすれば良く、導電層(E)6046は50〜200(好ましくは100〜150nm)で形成すれば良い。(図18(A))
【0183】
そして、ゲート電極に接続するゲート配線を形成するために導電層(E)6046と導電層(D)6045とをエッチング処理して、ゲート配線6047、6048と容量配線6049を形成した。エッチング処理は最初にSiCl4とCl2とBCl3との混合ガスを用いたドライエッチング法で導電層(E)の表面から導電層(D)の途中まで除去し、その後リン酸系のエッチング溶液によるウエットエッチングで導電層(D)を除去することにより、下地との選択加工性を保ってゲート配線を形成することができた。(図18(B))
【0184】
第1の層間絶縁膜6050は500〜1500nmの厚さで酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜で形成され、その後、それぞれの島状半導体層に形成されたソース領域またはドレイン領域に達するコンタクトホールを形成し、ソース配線6051〜6054と、ドレイン配線6055〜6058を形成する。図示していないが、本実施例ではこの電極を、Ti膜を100nm、Tiを含むアルミニウム膜300nm、Ti膜150nmをスパッタ法で連続して形成した3層構造の積層膜とした。
【0185】
次に、パッシベーション膜6059として、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、または窒化酸化シリコン膜を50〜500nm(代表的には100〜300nm)の厚さで形成する。この状態で水素化処理を行うとTFTの特性向上に対して好ましい結果が得られた。例えば、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行うと良く、あるいはプラズマ水素化法を用いても同様の効果が得られた。なお、ここで後に画素電極とドレイン配線を接続するためのコンタクトホールを形成する位置において、パッシベーション膜6059に開口部を形成しておいても良い。(図18(C))
【0186】
その後、有機樹脂からなる第2の層間絶縁膜6060を1.0〜1.5μmの厚さに形成する。有機樹脂としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)等を使用することができる。ここでは、基板に塗布後、熱重合するタイプのポリイミドを用い、300℃で焼成して形成した。そして、第2の層間絶縁膜6060にドレイン配線6058に達するコンタクトホールを形成し、画素電極6061、6062を形成する。画素電極は、透過型液晶表示装置とする場合には透明導電膜を用いれば良く、反射型の液晶表示装置とする場合には金属膜を用いれば良い。本実施例では透過型の液晶表示装置とするために、酸化インジウム・スズ(ITO)膜を100nmの厚さにスパッタ法で形成した。(図19)
【0187】
こうして同一基板上に、駆動回路のTFTと画素部の画素TFTとを有した基板を完成させることができた。駆動回路にはpチャネル型TFT6101、第1のnチャネル型TFT6102、第2のnチャネル型TFT6103、画素部には画素TFT6104、保持容量6105が形成した。本明細書では便宜上このような基板をアクティブマトリクス基板と呼ぶ。
【0188】
駆動回路のpチャネル型TFT6101には、島状半導体層6004にチャネル形成領域6106、ソース領域6107a、6107b、ドレイン領域6108a,6108bを有している。第1のnチャネル型TFT6102には、島状半導体層6005にチャネル形成領域6109、ゲート電極6029と重なるLDD領域6110(以降、このようなLDD領域をLovと記す)、ソース領域6111、ドレイン領域6112を有している。このLov領域のチャネル長方向の長さは0.5〜3.0μm、好ましくは1.0〜1.5μmとした。第2のnチャネル型TFT6103には、島状半導体層6006にチャネル形成領域6113、LDD領域6114,6115、ソース領域6116、ドレイン領域6117を有している。このLDD領域はLov領域とゲート電極6030と重ならないLDD領域(以降、このようなLDD領域をLoffと記す)とが形成され、このLoff領域のチャネル長方向の長さは0.3〜2.0μm、好ましくは0.5〜1.5μmである。画素TFT6104には、島状半導体層6007にチャネル形成領域6118、6119、Loff領域6120〜6123、ソースまたはドレイン領域6124〜6126を有している。Loff領域のチャネル長方向の長さは0.5〜3.0μm、好ましくは1.5〜2.5μmである。さらに、容量配線6032、6049と、ゲート絶縁膜と同じ材料から成る絶縁膜と、画素TFT6104のドレイン領域6126に接続し、n型を付与する不純物元素が添加された半導体層6127とから保持容量6105が形成されている。図19では画素TFT6104をダブルゲート構造としたが、シングルゲート構造でも良いし、複数のゲート電極を設けたマルチゲート構造としても差し支えない。
【0189】
以上の様に本実施例では、画素TFTおよび駆動回路が要求する仕様に応じて各回路を構成するTFTの構造を最適化し、半導体表示装置の動作性能と信頼性を向上させることを可能とすることができる。さらにゲート電極を耐熱性を有する導電性材料で形成することによりLDD領域やソース領域およびドレイン領域の活性化を容易とし、ゲート配線を低抵抗材料で形成することにより、配線抵抗を十分低減できる。従って、画素部のサイズ(画面サイズ)が4インチクラス以上の半導体表示装置にも適用することができる。
【0190】
なお、本実施例においては透過型の液晶パネルについて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるわけではなく、反射型の液晶パネルにも用いることができる。
【0191】
なお本実施例は、実施例1から実施例4のいずれの実施例とも組み合わせることが可能である。
【0192】
(実施例6)
上述の本発明の半導体表示装置の1つである液晶表示装置には、ネマチック液晶以外にも様々な液晶を用いることが可能である。例えば、1998, SID, "Characteristics and Driving Scheme of Polymer-Stabilized Monostable FLCD Exhibiting Fast Response Time and High Contrast Ratio with Gray-Scale Capability" by H. Furue et al.や、1997, SID DIGEST, 841, "A Full-Color Thresholdless Antiferroelectric LCD Exhibiting Wide Viewing Angle with Fast Response Time" by T. Yoshida et al.や、1996, J. Mater. Chem. 6(4), 671-673, "Thresholdless antiferroelectricity in liquid crystals and its application to displays" by S. Inui et al.や、米国特許第5594569 号に開示された液晶を用いることが可能である。
【0193】
等方相−コレステリック相−カイラルスメクティックC相転移系列を示す強誘電性液晶(FLC)を用い、DC電圧を印加しながらコレステリック相−カイラルスメクティックC相転移をさせ、かつコーンエッジをほぼラビング方向に一致させた単安定FLCの電気光学特性を図20に示す。図20に示すような強誘電性液晶による表示モードは「Half−V字スイッチングモード」と呼ばれている。図20に示すグラフの縦軸は透過率(任意単位)、横軸は印加電圧である。「Half−V字スイッチングモード」については、寺田らの”Half−V字スイッチングモードFLCD”、第46回応用物理学関係連合講演会講演予稿集、1999年3月、第1316頁、および吉原らの”強誘電性液晶による時分割フルカラーLCD”、液晶第3巻第3号第190頁に詳しい。
【0194】
図20に示されるように、このような強誘電性混合液晶を用いると、低電圧駆動かつ階調表示が可能となることがわかる。本発明の液晶表示装置には、このような電気光学特性を示す強誘電性液晶も用いることができる。
【0195】
また、ある温度域において反強誘電相を示す液晶を反強誘電性液晶(AFLC)という。反強誘電性液晶を有する混合液晶には、電場に対して透過率が連続的に変化する電気光学応答特性を示す、無しきい値反強誘電性混合液晶と呼ばれるものがある。この無しきい値反強誘電性混合液晶は、いわゆるV字型の電気光学応答特性を示すものがあり、その駆動電圧が約±2.5V程度(セル厚約1μm〜2μm)のものも見出されている。
【0196】
また、一般に、無しきい値反強誘電性混合液晶は自発分極が大きく、液晶自体の誘電率が高い。このため、無しきい値反強誘電性混合液晶を液晶表示装置に用いる場合には、画素に比較的大きな保持容量が必要となってくる。よって、自発分極が小さな無しきい値反強誘電性混合液晶を用いるのが好ましい。
【0197】
なお、このような無しきい値反強誘電性混合液晶を本発明の液晶表示装置に用いることによって低電圧駆動が実現されるので、低消費電力化が実現される。
【0198】
なお本実施例は、実施例1から実施例5のいずれの実施例とも組み合わせることが可能である。
【0199】
(実施例7)
本発明の伝送回路は様々な半導体表示装置(アクティブマトリクス型液晶表示装置、アクティブマトリクス型EL表示装置、アクティブマトリクス型EC表示装置)に用いることができる。即ち、それら半導体表示装置を表示媒体として組み込んだ電子機器全てに本発明の伝送回路を適用できる。
【0200】
その様な電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター(リア型またはフロント型)、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、ゲーム機、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図21、図22及び図23に示す。
【0201】
図21(A)はパーソナルコンピュータであり、本体7001、映像入力部7002、表示装置7003、キーボード7004で構成される。本発明を映像入力部7002、表示装置7003やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0202】
図21(B)はビデオカメラであり、本体7101、表示装置7102、音声入力部7103、操作スイッチ7104、バッテリー7105、受像部7106で構成される。本発明を表示装置7102、音声入力部7103やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0203】
図21(C)はモバイルコンピュータ(モービルコンピュータ)であり、本体7201、カメラ部7202、受像部7203、操作スイッチ7204、表示装置7205で構成される。本発明は表示装置7205やその他の信号制御回路に適用できる。
【0204】
図21(D)はゴーグル型ディスプレイであり、本体7301、表示装置7302、アーム部7303で構成される。本発明は表示装置7302やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0205】
図21(E)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体7401、表示装置7402、スピーカ部7403、記録媒体7404、操作スイッチ7405で構成される。なお、この装置は記録媒体としてDVD(Digital Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。本発明は表示装置7402やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0206】
図22(A)はフロント型プロジェクターであり、光源光学系及び表示装置7601、スクリーン7602で構成される。本発明は表示装置7601やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0207】
図22(B)はリア型プロジェクターであり、本体7701、光源光学系及び表示装置7702、ミラー7703、ミラー7704、スクリーン7705で構成される。本発明は表示装置7702やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0208】
なお、図22(C)は、図22(A)及び図22(B)中における光源光学系及び表示装置7601、7702の構造の一例を示した図である。光源光学系及び表示装置7601、7702は、光源光学系7801、ミラー7802、7804〜7806、ダイクロイックミラー7803、光学系7807、表示装置7808、位相差板7809、投射光学系7810で構成される。投射光学系7810は、投射レンズを備えた複数の光学レンズで構成される。この構成は、表示装置7808を三つ使用しているため三板式と呼ばれている。また、図22(C)中において矢印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィルム、IRフィルム等を設けてもよい。
【0209】
また、図22(D)は、図22(C)中における光源光学系7801の構造の一例を示した図である。本実施例では、光源光学系7801は、リフレクター7811、光源7812、レンズアレイ7813、7814、偏光変換素子7815、集光レンズ7816で構成される。なお、図22(D)に示した光源光学系は一例であって、この構成に限定されない。例えば、光源光学系に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等を設けてもよい。
【0210】
図22(C)は三板式の例を示したが、図23(A)は単板式の一例を示した図である。図23(A)に示した光源光学系及び表示装置は、光源光学系7901、表示装置7902、投射光学系7903、位相差板7904で構成される。投射光学系7903は、投射レンズを備えた複数の光学レンズで構成される。図23(A)に示した光源光学系及び表示装置は図22(A)及び図22(B)中における光源光学系及び表示装置7601、7702に適用できる。また、光源光学系7901は図22(D)に示した光源光学系を用いればよい。なお、表示装置7902にはカラーフィルター(図示しない)が設けられており、表示映像をカラー化している。
【0211】
また、図23(B)に示した光源光学系及び表示装置は、図23(A)の応用例であり、カラーフィルターを設ける代わりに、RGBの回転カラーフィルター円板7905を用いて表示映像をカラー化している。図23(B)に示した光源光学系及び表示装置は図22(A)及び図22(B)中における光源光学系及び表示装置7601、7702に適用できる。
【0212】
また、図23(C)に示した光源光学系及び表示装置は、カラーフィルターレス単板式と呼ばれている。この方式は、表示装置7916にマイクロレンズアレイ7915を設け、ダイクロイックミラー(緑)7912、ダイクロイックミラー(赤)7913、ダイクロイックミラー(青)7914を用いて表示映像をカラー化している。投射光学系7917は、投射レンズを備えた複数の光学レンズで構成される。図23(C)に示した光源光学系及び表示装置は図22(A)及び図22(B)中における光源光学系及び表示装置7601、7702に適用できる。また、光源光学系7911としては、光源の他に結合レンズ、コリメータレンズを用いた光学系を用いればよい。
【0213】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。なお本実施例は、実施例1から実施例6のいずれの実施例とも組み合わせることが可能である。
【0214】
【発明の効果】
本発明は、上記構成を有する伝送回路を、周波数が同じ2つのクロック信号にそれぞれ同期してデジタルデータの伝送を行っている回路間に設けることで、該クロック信号が位相差を有していても、デジタルデータを受け取る側の回路のサンプルモードの期間の長さを、クロック信号の半周期分以上確保することができる。
【0215】
これによってクロック信号の位相差に関わらず、同じ周波数を有する2つのクロック信号にそれぞれ同期して動作している2つの回路間において、デジタルデータの伝送を誤りなく行うことができる。具体的には、デジタルデータの伝送が行われなかったり、伝送してもデジタルデータを読み込む期間が短いために伝送後のデジタルデータの位相がずれてしまったりすることがなくなる。
【0216】
さらに、ソース側駆動回路をより高い周波数で駆動して、クロック信号の周波数を高くし、クロック信号の一周期に対する位相のずれの割合が大きくなっても、回路間でデータの伝送が行われなかったり、伝送されてもデータを読み込む期間が短いために伝送後のデジタルデータの位相がずれてしまったりすることを防ぐことが可能になる
【0217】
また本発明の伝送回路は構成が簡単であり、TFTを用いてアクティブマトリクス基板上に形成することが可能である。そのため半導体表示装置の画素部に用いられるTFTと同時に形成することが可能であり、その場合、工程数を新たに増やす必要がない。
【0218】
なお本発明は、デジタル駆動の半導体表示装置だけではなく、駆動回路内でデジタルデータの処理を行っているアナログ駆動の半導体表示装置にも適用することは可能である。
【0219】
またさらに本発明の伝送回路は、表示を行う半導体表示装置のみではなく、あらゆる半導体装置に用いることが可能である。本発明の伝送回路は、同じ周波数のクロック信号で同期して動作する、デジタルデータの伝送を行う回路間において設けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の伝送回路を用いた駆動回路の一部。
【図2】 本発明の伝送回路の駆動方法を示すタイミングチャート。
【図3】 本発明の伝送回路の駆動方法を示すタイミングチャート。
【図4】 本発明の伝送回路の回路図。
【図5】 本発明の伝送回路に用いられるクロックドインバータ及びアナログスイッチの等価回路図。
【図6】 本発明の伝送回路の駆動方法を示すタイミングチャート。
【図7】 本発明の伝送回路の駆動方法を示すタイミングチャート。
【図8】 本発明の伝送回路の回路図。
【図9】 本発明の伝送回路の駆動方法を示すタイミングチャート。
【図10】 本発明の伝送回路の駆動方法を示すタイミングチャート。
【図11】 本発明の伝送回路を有するアクティブマトリクス基板の上面図。
【図12】 本発明の伝送回路の駆動方法を示すタイミングチャート。
【図13】 本発明の伝送回路の駆動方法を示すタイミングチャート。
【図14】 本発明の伝送回路を有するアクティブマトリクス基板の上面図。
【図15】 本発明の半導体表示装置の一例である液晶表示装置の作製方法を示す図。
【図16】 本発明の半導体表示装置の一例である液晶表示装置の作製方法を示す図。
【図17】 本発明の半導体表示装置の一例である液晶表示装置の作製方法を示す図。
【図18】 本発明の半導体表示装置の一例である液晶表示装置の作製方法を示す図。
【図19】 本発明の半導体表示装置の一例である液晶表示装置の作製方法を示す図。
【図20】 無しきい値反強誘電性混合液晶の印加電圧に対する光透過率の特性を示す図。
【図21】 本発明を用いた電子機器の図。
【図22】 本発明の半導体表示装置の一例である液晶表示装置を用いたプロジェクターの図。
【図23】 本発明の半導体表示装置の一例である液晶表示装置を用いたプロジェクターの図。
【図24】 アナログ駆動のアクティブマトリクス型液晶表示装置の回路図。
【図25】 デジタル駆動のアクティブマトリクス型液晶表示装置の回路図。
【符号の説明】
101 伝送回路
102 回路A
103 回路B
104 ラッチR
105 ラッチT
Claims (7)
- 第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路から、前記第1のクロック信号と周波数が同じ第2のクロック信号に同期して動作する第2の回路へデジタルデータを伝送する伝送回路であって、
前記伝送回路は複数の論理回路を有しており、
前記伝送回路は、前記伝送回路に入力されたデジタルデータをそのまま若しくは反転させて出力するか、または前記伝送回路に入力されたデジタルデータを前記第2のクロック信号に同期してサンプリングしそのまま若しくは反転させて出力するかを前記第1のクロック信号と前記第2のクロック信号の位相差によって、選択し、前記伝送回路から出力されたデジタルデータは前記第2の回路において前記第2のクロック信号に同期してサンプリングされ保持されることを特徴とする伝送回路。 - 請求項1において、前記論理回路とは、クロックドインバータ、インバータ、NOR、NAND、及びアナログスイッチを含むことを特徴とする伝送回路。
- 第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路から、前記第1のクロック信号と周波数が同じ第2のクロック信号に同期して動作する第2の回路へデジタルデータを伝送する伝送回路であって、
前記第1のクロック信号と前記第2のクロック信号の位相差によってHighまたはLowの信号を出力する論理回路と、
前記HighまたはLowの信号によって、前記伝送回路に入力されたデジタルデータをそのまま若しくは反転させて出力する第1の動作、または前記伝送回路に入力されたデジタルデータを前記第2のクロック信号に同期してサンプリングしそのまま若しくは反転させて出力する第2の動作を選択する論理回路と、
前記選択された第1の動作または第2の動作を行う論理回路とを有し、
前記伝送回路から出力されたデジタルデータは前記第2の回路において前記第2のクロック信号に同期してサンプリングされ保持されることを特徴とする伝送回路。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記第2の回路において前記伝送回路から出力されたデジタルデータの1ビット分がサンプリングされる期間の長さが、前記第1のクロック信号または前記第2のクロック信号の半周期の長さと同じであることを特徴とする伝送回路。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の前記伝送回路を有することを特徴とする半導体装置。
- 請求項5に記載の前記半導体装置とは液晶表示装置であることを特徴とする半導体装置。
- 請求項5に記載の前記半導体装置とはEL表示装置であることを特徴とする半導体装置。
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