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JP4830282B2 - 飛灰の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、飛灰の処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、廃棄物や燃料などを焼却、溶融又は焼成し、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム、NaHCO3)を煙道に添加して酸性ガスを処理する際に発生する飛灰などに含まれる重金属類の溶出量を、少ない量の薬剤の添加により低下させ、飛灰などを埋立処分が可能なまでに無害化することができる飛灰の処理方法に関する。
廃棄物や燃料などを焼却、溶融又は焼成すると、発生する排ガスの中には塩素系、硫黄系などの酸性ガスが含まれるので、従来より煙道に消石灰(Ca(OH)2)を添加して酸性ガスを処理する方法が行われていた。焼却炉などから発生する排ガスには、酸性ガス以外に、Pb、Cd、Hg、Cr(VI)、As、Seなどの有害物質が含まれ、飛灰、ガス処理残渣又はこれらの混合灰に濃縮して含有される。As、Se及びCr(VI)は、消石灰中のカルシウムの効果により溶出しにくいので、酸性ガスの処理に消石灰を用いた場合には、Pb、Cd及びHgを対象として、飛灰などに水とキレート剤やリン酸などを添加、混合することによる有害物質の無害化が一般に行われている。
近年、消石灰に代わり、より効果的な酸性ガス処理剤として、炭酸水素ナトリウムが使用される場合がでてきた。例えば、湿式電気集塵装置を用いることなく、排煙中のSO3量が変動した場合にも、硫酸ミストを高効率で除去することが可能な簡易かつ低コストのSO3分除去装置として、煙道に配置された脱硫装置の上流側に炭酸水素ナトリウム粉末を供給する装置を設置し、所定箇所で検出したSO3分量に応じて、炭酸水素ナトリウム供給量を制御する装置が提案されている(特許文献1)。
酸性ガスの処理に炭酸水素ナトリウムを用いると、カルシウムの含有量が少ないために、従来のPb、Cd及びHgに加えて、As、Se及びやCr(VI)の不溶化処理も行う必要が生ずる。固体廃棄物中のカドミウム及び鉛を広いpH範囲にわたって不溶化する方法として、フライアッシュ又はフライアッシュとボトムアッシュとの混合物からなる乾燥固形体残留物と、水溶性ホスフェート源とを遊離石灰源の存在下で接触させる方法が提案されている(特許文献2)。本出願人は、先に、取り扱い性に優れた処理剤により、pH調整を必要とすることなく、鉛、六価クロム、ヒ素及びセレンを含有する灰を、容易、効率的かつ安全に処理して、処理物からの鉛、六価クロム、ヒ素及びセレンの溶出を確実に防止する方法として、鉛、六価クロム、ヒ素及びセレンを含有する灰に、水、第一鉄化合物及び正リン酸、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム又は縮合リン酸を加えて混練する方法を提案した(特許文献3)。しかし、排ガス処理に炭酸水素ナトリウムを使用する場合に、この方法を適用することが特に効果的であることは明らかではなかった。
一方で、炭酸水素ナトリウムは、排ガスとの反応効率がよいので、リン酸で重金属固定を行う場合に妨害となる未反応のアルカリ分が消石灰の場合と比較して非常に少なく、リン酸の必要量が少なくてよいという利点があり、As、Se及びCr(VI)がもともと溶出しない灰の場合には、リン酸単独での処理が消石灰の場合にくらべ明らかに容易になる。本発明者らは、先に、重金属含有量の変動の大きい中性飛灰を、水酸化カルシウム源不添加にて、重金属の溶出を増加させるpHの上昇や処理物の増量を引き起こすことなく、容易かつ効率的に処理することができる方法として、中性飛灰に対して、アルカリ金属とリン酸のモル比が1〜4のリン酸系化合物を添加してpHを6〜12の範囲に調整する方法を提案した(特許文献4)。この方法は、排ガス処理剤を使用しておらず、pHが5〜9である灰に対する処理方法であり、重金属固定の最適pHが9〜10程度であるという理由から、アルカリ分を有するリン酸塩を用いることが適しており、強い酸性であるリン酸を用いることに利点はなかった。しかし、炭酸水素ナトリウムを用いて処理した飛灰は、pHが8〜12の弱アルカリ性になる場合が多く、したがって、リン酸塩のほかにリン酸を用いることも可能となる。
特開2002−263442号公報(第2頁) 特公平4−61710号公報(第1、3頁) 特開平10−128273号公報(第2頁) 特開平7−155725号公報(第2頁)
本発明は、廃棄物や燃料などを焼却、溶融又は焼成し、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム、NaHCO3)を煙道に添加して酸性ガスを処理する際に発生する飛灰などに含まれる重金属類の溶出量を、少ない量の薬剤の添加により低下させ、飛灰などを埋立処分が可能なまでに無害化することができる飛灰の処理方法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、炭酸水素ナトリウムを煙道に添加する排ガス処理施設から発生する飛灰などに対しては、リン酸、リン酸塩、鉄(II)塩又はこれらを組み合わせた薬剤が、特異的な重金属類の溶出防止効果を発揮することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)炭酸水素ナトリウムを煙道に添加して酸性ガスを処理する排ガス処理施設から発生する飛灰、ガス処理残渣又はこれらの混合灰100重量部に対して、鉄(II)塩及びリン酸を含む薬剤1〜20重量部を添加、混合する飛灰の処理方法であって、薬剤添加後の飛灰、ガス処理残渣又はこれらの混合灰のpHを9以上とすることを特徴とする飛灰の処理方法、
を提供するものである。
本発明の飛灰の処理方法によれば、炭酸水素ナトリウムを煙道に添加して酸性ガスを処理する排ガス処理施設から発生する飛灰、ガス処理残渣又はこれらの混合灰に対して、リン酸、リン酸塩及び鉄(II)塩より選ばれる1種以上を含む薬剤を添加、混合することにより、少ない量の薬剤の添加により、飛灰などからの重金属の溶出を効果的に防止することができる。
本発明の飛灰の処理方法においては、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム、NaHCO3)を煙道に添加して酸性ガスを処理する排ガス処理施設から発生する飛灰、ガス処理残渣又はこれらの混合灰に対して、リン酸、リン酸塩及び鉄(II)塩より選ばれる1種以上を含む薬剤を添加、混合する。
産業廃棄物、都市ごみ、燃料などを焼却、溶融又は焼成する燃焼炉においては、被燃焼物中に含まれる硫黄化合物や塩素化合物などに由来する三酸化硫黄、二酸化硫黄、塩化水素などの酸性ガスが発生する。これらの酸性ガスは、燃焼炉の設備を腐食させるのみならず、そのまま大気中に排出されると環境汚染をもたらすので、焼却炉の煙道に粉末状の塩基性物質を添加して酸性ガスを中和する処理がなされている。従来、塩基性物質として、消石灰が広く用いられていたが、近年、より効果的な酸性ガス処理剤として、炭酸水素ナトリウムが用いられるようになった。本発明方法は、塩基性物質として炭酸水素ナトリウムを用いる燃焼炉の飛灰、ガス処理残渣又はこれらの混合灰の処理に適用する。飛灰は、燃焼炉、溶融炉等においてバグフィルター、電気集塵機などにより捕集される灰であり、ガス処理残渣は、HClやSOx等のガスとCa(OH)2やNaHCO3等のガス処理剤の反応生成物である。ガス処理残渣は、ごみ等の燃焼物由来のばいじん(灰)は含まない。
本発明方法に用いるリン酸としては、例えば、オルトリン酸H3PO4、二リン酸、三リン酸、四リン酸などの直鎖状のポリリン酸、環状リン酸と直鎖状のポリリン酸の混合物であるメタリン酸などを挙げることができる。本発明方法に用いるリン酸塩としては、例えば、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素バリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、ポリリン酸ナトリウム、ポレレン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウムなどを挙げることができる。本発明方法に用いる鉄(II)塩としては、例えば、フッ化鉄(II)、塩化鉄(II)、臭化鉄(II)、ヨウ化鉄(II)、硫酸鉄(II)、チオシアン酸鉄(II)、リン酸鉄(II)、グルコン酸鉄(II)などを挙げることができる。本発明方法において、リン酸、リン酸塩及び鉄(II)塩は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明方法において、飛灰、ガス処理残渣又はこれらの混合物に対するリン酸、リン酸塩及び鉄(II)塩より選ばれる1種以上を含む薬剤の添加量に特に制限はないが、飛灰などの100重量部に対して、薬剤0.1〜20重量部であることが好ましく、薬剤0.5〜15重量部であることがより好ましい。燃焼炉などから発生する飛灰、ガス処理残渣又はこれらの混合物の成分含有量は、被燃焼物により大きく変動するので、処理する飛灰などを対象として、あらかじめ環境庁告示第13号にしたがって溶出試験を行い、薬剤の適正な添加量を定めることが好ましい。
本発明方法において、飛灰、ガス処理残渣又はこれらの混合物に薬剤を添加、混合する方法に特に制限はなく、バッチ式混練機、連続的混練機などを用い、飛灰などに薬剤とともに少量の水を添加して混練することができる。図1は、本発明方法の実施の一態様の説明図である。本態様においては、飛灰、ガス処理残渣又はこれらの混合物からなる原灰がホッパー1に投入され、二軸式混練機2のバレルの中で薬剤と水が添加され、混練される。少量の水を添加し、二軸式混練機を用いて混練することにより、灰と薬剤を均一に混合して、薬剤による処理効果を十分に高めることができる。図1に示す態様においては、二軸式混練機で薬剤と混合された処理灰は、造粒機3へ送られ、高圧で押出成形されて粒状化する。処理灰を造粒することにより、容積を減少し、処理灰搬出用のトラックの台数を減少するとともに、最終処分場を延命することができる。
消石灰を煙道に添加して酸性ガスを処理する排ガス処理施設から発生する飛灰、ガス処理残渣又はこれらの混合灰に対しては、キレート剤を添加することにより、効率的に重金属類を不溶化し、溶出濃度を低下させることが可能である。しかし、消石灰の代わりに炭酸水素ナトリウムを煙道に添加して酸性ガスを処理する排ガス処理施設から発生する飛灰、ガス処理残渣又はこれらの混合灰に対してキレート剤を添加すると、重金属類を不溶化して溶出濃度を低下させるためには、多量のキレート剤の添加が必要である。本発明方法によれば、炭酸水素ナトリウムを煙道に添加して酸性ガスを処理する排ガス処理施設から発生する飛灰、ガス処理残渣又はこれらの混合灰にリン酸、リン酸塩及び鉄(II)より選ばれる1種以上を含む薬剤を添加、混合することにより、少量の薬剤で効率的に重金属類を不溶化し、溶出濃度を低下させることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、灰の重金属類溶出試験は、環境庁告示第13号にしたがって行った。
実施例及び比較例で用いた飛灰とガス処理残渣の混合灰A、B、C及びDの成分含有量を、第1表に示す。灰Aは、産業廃棄物焼却炉の煙道に炭酸水素ナトリウムを添加して処理した灰であり、灰Bは、都市ごみ焼却炉の煙道に炭酸水素ナトリウムを添加して処理した灰であり、灰Cは、産業廃棄物焼却炉の煙道に消石灰を添加して処理した灰であり、灰Dは、都市ごみ焼却炉の煙道に消石灰を添加して処理した灰である。
Figure 0004830282
比較例1
炭酸水素ナトリウム処理灰Aについて、溶出試験を行った。pH11.0、Pb3.5mg/L、Cd0.3mg/L未満、Hg0.052mg/L、Cr(VI)5.0mg/L、As0.92mg/L、Se0.4mg/Lであった。
比較例2
炭酸水素ナトリウム処理灰A100重量部に、水20重量部及びキレート剤[栗田工業(株)、アッシュナイトS803]5重量部を添加し、乳鉢で10分間混練したのち、溶出試験を行った。Pb3.2mg/L、Cr(VI)5.0mg/L、As0.91mg/L、Se0.4mg/Lであった。
比較例3
キレート剤の添加量を10重量部とした以外は、比較例2と同じ操作を行った。Pb0.32mg/L、Cr(VI)4.8mg/L、As0.92mg/L、Se0.4mg/Lであった。
実施例1
炭酸水素ナトリウム処理灰A100重量部に、水20重量部及び75重量%リン酸(H3PO4)水溶液と30重量%塩化鉄(II)(FeCl2)水溶液との重量比5:5混合液9.5重量部を添加し、乳鉢で10分間混練したのち、溶出試験を行った。pH10.5、Pb0.3mg/L未満、Cd0.3mg/L未満、Hg0.005mg/L未満、Cr(VI)0.2mg/L未満、As0.3mg/L未満、Se0.3mg/Lであった。
実施例2
リン酸水溶液と塩化鉄(II)水溶液の混合液の添加量を19重量部とした以外は、実施例1と同じ操作を行った。pH10.2、Pb0.3mg/L未満、Cd0.3mg/L未満、Hg0.005mg/L未満、Cr(VI)0.2mg/L未満、As0.3mg/L未満、Se0.3mg/L未満であった。
比較例1〜3及び実施例1〜2の結果を、第2表に示す。
Figure 0004830282
第2表に見られるように、炭酸水素ナトリウム処理灰Aに、キレート剤を添加し、混練した比較例2〜3では、Cr(VI)、As及びSeの溶出濃度は、比較例1の無処理灰と比べてほとんど低下しないが、リン酸と塩化鉄(II)を添加し、混練した実施例1〜2では、すべての重金属の溶出濃度が、埋立基準値以下となている。
比較例4
炭酸水素ナトリウム処理灰Bについて、溶出試験を行った。pH11.8、Pb1.1mg/L、Cd0.3mg/L未満、Hg0.005mg/L未満、Cr(VI)0.2mg/L未満、As0.3mg/L未満、Se0.3mg/L未満であった。
参考例
炭酸水素ナトリウム処理灰B100重量部に、水20重量部及び75重量%リン酸(H3PO4)水溶液1.3重量部を添加し、乳鉢で10分間混練したのち、溶出試験を行った。pH11.0、Pb0.3mg/L未満、Cd0.3mg/L未満、Hg0.005mg/L未満、Cr(VI)0.2mg/L未満、As0.3mg/L未満、Se0.3mg/L未満であった。
参考例
炭酸水素ナトリウム処理灰B100重量部に、水20重量部及びリン酸水素二ナトリウム(Na2HPO4)1重量部を添加し、乳鉢で10分間混練したのち、溶出試験を行った。pH11.5、Pb0.3mg/L、Cd0.3mg/L未満、Hg0.005mg/L未満、Cr(VI)0.2mg/L未満、As0.3mg/L未満、Se0.3mg/L未満であった。
参考例
リン酸水素二ナトリウムの添加量を2重量部とした以外は、参考例4と同じ操作を行った。pH11.3、Pb0.3mg/L未満、Cd0.3mg/L未満、Hg0.005mg/L未満、Cr(VI)0.2mg/L未満、As0.3mg/L未満、Se0.3mg/L未満であった。
比較例5
炭酸水素ナトリウム処理灰B100重量部に、水20重量部及びキレート剤[栗田工業(株)、アッシュナイトS803]1重量部を添加し、乳鉢で10分間混練したのち、溶出試験を行った。Pb1.0mg/Lであった。
比較例6
キレート剤の添加量を2重量部とした以外は、比較例5と同じ操作を行った。Pb0.4mg/Lであった。
比較例7
キレート剤の添加量を3重量部とした以外は、比較例5と同じ操作を行った。Pb0.3mg/L未満であった。
参考例3〜及び比較例4〜7の結果を、第3表に示す。
Figure 0004830282
第3表に見られるように、炭酸水素ナトリウム処理灰Bに、リン酸又はリン酸水素二ナトリウムを添加し、混練した参考例3〜5では、リン酸は灰100重量部に対して1重量部の添加によりPbの溶出濃度0.3mg/L未満となり、リン酸水素二ナトリウムは灰100重量部に対して1重量部では、Pbはちょうど埋立基準値の0.3mg/Lとなり、灰100重量部に対して2重量部の添加で、Pb0.3mg/L未満となる。炭酸水素ナトリウム処理灰Bに、キレート剤を添加し、混練した比較例5〜7では、キレート剤の添加量を灰100重量部に対して3重量部まで増やさないと、Pb0.3mg/L未満とならない。
比較例8
消石灰処理灰Cについて、溶出試験を行った。pH12.5、Pb100mg/L、Cd0.3mg/L未満、Hg0.03mg/L、Cr(VI)2.0mg/L、As0.3mg/L未満、Se0.3mg/L未満であった。
比較例9
消石灰処理灰C100重量部に、水20重量部及びキレート剤[栗田工業(株)、アッシュナイトS803]5重量部を添加し、乳鉢で10分間混練したのち、溶出試験を行った。Pb40mg/L、Cr(VI)1.8mg/Lであった。
比較例10
キレート剤の添加量を10重量部とした以外は、比較例9と同じ操作を行った。Cr(VI)1.8mg/Lであった。
比較例11
消石灰処理灰C100重量部に、水20重量部及び75重量%リン酸(H3PO4)水溶液と30重量%塩化鉄(II)(FeCl2)水溶液との重量比5:5混合液9.5重量部を添加し、乳鉢で10分間混練したのち、溶出試験を行った。Pb22mg/L、Hg0.009mg/Lであった。
比較例12
リン酸水溶液と塩化鉄(II)水溶液の混合液の添加量を19重量部とした以外は、比較例11と同じ操作を行った。Pb0.3mg/L未満、Hg0.005mg/L未満であった。
比較例8〜12の結果を、第4表に示す。
Figure 0004830282
第4表に見られるように、消石灰処理灰Cに、キレート剤を添加し、混練した比較例9〜10では、Cr(VI)の溶出濃度が埋立基準値の1.5mg/Lまで低下しない。リン酸と塩化鉄(II)を添加し、混練した比較例11〜12では、灰100重量部に対する添加量が5重量部ではPbとHgの溶出濃度が高く、添加量を10重量部にしてはじめて全ての重金属の溶出濃度が埋立基準値を満たす。
比較例13
消石灰処理灰Dについて、溶出試験を行った。pH12.6、Pb27mg/L、Cd0.3mg/L未満、Hg0.005mg/L未満、Cr(VI)0.2mg/L未満、As0.3mg/L未満、Se0.3mg/L未満であった。
比較例14
消石灰処理灰D100重量部に、水20重量部及び75重量%リン酸(H3PO4)水溶液4重量部を添加し、乳鉢で10分間混練したのち、溶出試験を行った。Pb3.1mg/Lであった。
比較例15
75重量%リン酸水溶液の添加量を6.7重量部とした以外は、比較例14と同じ操作を行った。Pb0.34mg/Lであった。
比較例16
消石灰処理灰D100重量部に、水20重量部及びキレート剤[栗田工業(株)、アッシュナイトS803]2重量部を添加し、乳鉢で10分間混練したのち、溶出試験を行った。pH12.6、Pb0.3mg/L未満、Cd0.3mg/L未満、Hg0.005mg/L未満、Cr(VI)0.2mg/L未満、As0.3mg/L未満、Se0.3mg/L未満であった。
比較例13〜16の結果を、第5表に示す。
Figure 0004830282
第5表に見られるように、消石灰処理灰Dにリン酸を添加し、混練した比較例14〜15では、リン酸の添加量を灰100重量部に対して5重量部としても、Pbの溶出濃度が0.34mg/Lまでしか低下しない。これに対して、灰100重量部に対してキレート剤2重量部を添加した比較例16では、全ての重金属の溶出濃度が埋立基準値を満たしている。
第1表に見られるように、炭酸水素ナトリウム処理灰Bと消石灰処理灰Dの成分含有量は、ほぼ同程度である。しかし、第3表の参考例3に見られるように、炭酸水素ナトリウム処理灰B100重量部に対してリン酸1重量部を添加することにより、全ての重金属の溶出濃度が埋立基準値を満たすのに対して、第5表の比較例15に見られるように、消石灰処理灰D100重量部に対してリン酸5重量部を添加しても、Pbの溶出濃度の埋立基準値が満たされない。この結果から、炭酸水素ナトリウムを煙道に添加して酸性ガスを処理する排ガス処理施設から発生する灰に対しては、リン酸が特異的に重金属の溶出防止効果を発揮することが分かる。
第5表の比較例16に見られるように、消石灰処理灰D100重量部に対してキレート剤2重量部を添加することにより、全ての重金属の溶出濃度が埋立基準値を満たすのに対して、第3表の比較例6〜7に見られるように、炭酸水素ナトリウム処理灰Bでは、灰100重量部に対してキレート剤2重量部では不十分で、全ての重金属の溶出濃度が埋立基準値を満たすためには、キレート剤3重量部の添加が必要である。この結果からも、炭酸水素ナトリウム処理灰と消石灰処理灰の間には、重金属溶出防止処理の効果において相違があることが分かる。
本発明の飛灰の処理方法によれば、炭酸水素ナトリウムを煙道に添加して酸性ガスを処理する排ガス処理施設から発生する飛灰、ガス処理残渣又はこれらの混合灰に対して、リン酸、リン酸塩及び鉄(II)塩より選ばれる1種以上を含む薬剤を添加、混合することにより、少ない量の薬剤の添加により、飛灰などからの重金属の溶出を効果的に防止することができる。
本発明方法の実施の一態様の説明図である。
符号の説明
1 ホッパー
2 二軸式混練機
3 造粒機

Claims (1)

  1. 炭酸水素ナトリウムを煙道に添加して酸性ガスを処理する排ガス処理施設から発生する飛灰、ガス処理残渣又はこれらの混合灰100重量部に対して、鉄(II)塩及びリン酸を含む薬剤1〜20重量部を添加、混合する飛灰の処理方法であって、薬剤添加後の飛灰、ガス処理残渣又はこれらの混合灰のpHを9以上とすることを特徴とする飛灰の処理方法。
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