JP4820989B2 - 電鋳金型の製造方法 - Google Patents
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Description
このような製品として、表面にサブミクロン以下のフレネル形状やマット形状を持った微小レンズ(5mm2以下)などが考えられている。このような微小レンズのフレネル形状やマット形状を迅速にかつ正確に模写するためには、金型製作に模写技術を導入する必要がある。
上記電鋳中間型形成工程を、上記母型の表面を該表面にアルコキシシリルトリアジンジチオール(FASTD)を付与し、活性化剤処理するとともに金属を無電解メッキして導電化処理し、その後、該導電化処理した母型に金属を電着する構成にしている。
尚、電鋳金型としては、多数個取同種同形状、同種同形の連続模様、多種多様形状等どのような形状でも差支えない。
下記の一般式(1):
あるいは、必要に応じ、上記バックアップ材接着工程で用いるバックアップ材を、金属粉及び樹脂配合物で構成し、該金属粉を予め反応性トリアジンチオールの溶液に浸漬して界面結合付与処理後、該樹脂配合物に混合して複合体ペースト状に調製した構成としている。
この場合、上記バックアップ材接着工程で、上記複合体ペースト状のバックアップ材を上記電鋳中間型に注入後加熱硬化させることが有効である。
このように、反応性トリアジンジチオールを用いたので、金属粉と樹脂の間に反応性トリアジンジチオールが介在して両者の接着性が高められ、結合が強固になる。
下記の一般式(2)
この場合、反応性トリアジンチオールとしては、上記一般式(2)で示される少なくとも一種類以上の反応性トリアジンチオールを用いることが有効である。
この界面結合付与処理は、バックアップ材の形成時に電鋳中間型とバックアップ材を結合するために前もって行うが、これにより、両者間の接着強度が増し、金型の耐久性が向上させられる。
これにより、例えば、アルコキシシリルトリアジンジチオール(FASTD)の場合、一般には80℃以上の温度状態で母型にストレスをかけると、母型と金属との接着の役割をしていたFASTDであるコピーペイントが分解反応を起こし、トリアジントリチオールまたはトリアジンジチオール部分が電鋳形表面に、またシリル部分は母型表面に残して離れるようになり、分離が容易に行われる。
下記の一般式(3):
本発明の実施の形態に係る電鋳金型の製造方法は、図1に示すように、(1)電鋳中間型形成工程,(2)バックアップ材接着工程,(3)母型分離工程,(4)仕上げ工程の各工程に従う。以下詳細に説明する。
この工程では、金属、樹脂またはセラミックスからなる母型を、その表面にアルコキシシリルトリアジンジチオールを付与するとともに金属を無電解メッキして導電化処理し、その後、導電化処理した母型の表面に金属を電着して電鋳中間型を形成する。
これらの中で、表面にOH基が含有する金属、樹脂及びセラミックスが特に好ましく、通常酸化された銀、銅、ニッケル、ステンレス、鉄、亜鉛、アルミなどの金属、セルロース、メチル化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、酢酸セルロース、フェノール‐ホルマリン樹脂、ハイドロキノン樹脂、クレゾール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、レゾルシン樹脂、セロファン、メラミン樹脂、グリプタル樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、水酸基含有ポリビニルホルマール樹脂、ポリヒドロキシエチルメタアクリレートとその共重合体、ポリヒドロキシエチルアクリレートとその共重合体、ポリビニルアルコールとその共重合体、ポリ酢酸ビニルの表面加水分解物などOH基を固有の官能基として持つ樹脂、及び金属酸化物を成分として含むセラミックスが該当する。
ポリエチレンやポリプロピレンなど臨界表面張力が25〜35mJ/m2の範囲内の樹脂は以下に記述するアルキル長鎖含有トリアジンジチオールを選択すると可能となる。
Pd‐Sn触媒が担持された母型を無電解めっき浴に浸漬して金属を析出させるが、ここで云う無電解めっき浴とは金属塩と還元剤が主成分であり、これにpH調整剤、緩衝剤、錯化剤、促進剤、安定剤及び改良剤などの補助成分が添加されてなる。
具体的な金属塩として、AuCN, Ag(NH3)2NO3, AgCN, CuSO4・5H2O, CuEDTA, NiSO4・7H2O, NiCl2, Ni(OCOCH3)2、CoSO4, CoCl2, SnCl2・7H2O、PdCl2などを挙げることができ、主に0.001〜1 mol/Lの濃度範囲で使用される。
触媒が担持された配線模様樹脂基盤を無電解めっき浴に浸漬すると、触媒が担持された部分に金属が析出して導電性金属配線模様が出来上がる。この時、触媒は樹脂と化学結合したSH基とイオン結合で結合しているので、金属膜と樹脂は化学結合で連結され、接着強度を発生する。
無電解電鋳皮膜を厚化する場合は前記の様に母型表面を導電化した後、電気鍍金を行うと短時間で目的が達成される。
この工程では、電鋳中間型に電着された金属の表面にバックアップ材を接着する。その際、バックアップ材を接着する前に、電鋳中間型に電着された金属の表面を反応性トリアジンチオール溶液に浸漬して界面結合付与処理する。界面結合付与処理は、バックアップ材の形成時に電鋳中間型とバックアップ材を結合するために前もって行う。両者間の接着処理は金型の耐久性を左右する重要な処理となる。
反応性トリアジンチオールとしては、下記の一般式(2)で示される少なくとも一種類以上の反応性トリアジンチオールを用いる。
あるいはまた、バックアップ材接着工程で用いるバックアップ材を、金属粉及び樹脂配合物で構成し、この金属粉を予め反応性トリアジンチオールの溶液に浸漬して界面結合付与処理後、樹脂配合物に混合して複合体ペースト状に調製する。
このバックアップ材接着工程では、複合体ペースト状のバックアップ材を電鋳中間型に注入後加熱硬化させる。
界面結合付与処理にはトリアジンジチオール類の場合、電解重合処理[有機メッキ処理金属とアクリルゴムとの直接加硫接着(有機メッキ処理金属とアクリルゴムとの直接加硫接着に関する研究: ゴンペン、森邦夫、平原英俊、大石好行, 日本ゴム協会誌 74, 289‐95 (2001).]などが考えられるが、金型には大小複雑形状のものがあり、設備費の制約を受けない浸漬法が設備のコストや対応能力の点で最も有効である。
反応性トリアジンジチオールは、図5に示すように、金属粉と樹脂の間に介在して両者の接着性を高めるのに有効である。
三者の混合過程において、金属粉の表面と反応性トリアジンジチオールのチオール基またはアルコキシシリル基が反応し、加熱硬化過程において反応性トリアジンジチオールの残りのチオール基またはアルコキシシリル基が樹脂と反応して、バックアップ材においては金属粉と樹脂の間に介在して両者の接着性を高める結果となる。
不飽和ポリエステル樹脂とはイソフタル酸、マレン酸、マロン酸などの2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、デカンジオールなどのジオールからなる不飽和アルキッド樹脂にスチレンを混合または溶解して使用する。
エポキシ硬化剤は通常樹脂100部に対して1〜100部、好ましくは10〜50部である。10部以下では硬化に時間がかかり、かつ硬化物の強度も弱い。50部以上では硬くなりすぎて割れたりする場合が生じるので好ましくない。
不飽和ポリエステル配合物系複合体ペーストを電鋳中間型に20〜30℃で注入後、40〜150℃、10〜300分間、好ましくは80〜140℃、30〜90分間加熱して硬化する。80℃以下では時間がかかりすぎる。また、140℃以上では急激に反応が起こり割れが発生することがある。加熱温度と時間の関係は加熱温度が低いと時間がかかり、加熱温度が高いと時間が短くなる関係がある。
この工程では、図1及び図6に示すように、電鋳中間型にバックアップ材が接着した接着物から母型を分離して、バックアップ材に金属を接着させた電鋳金型を取出す。
この母型分離工程においては、電鋳中間型にバックアップ材が接着した接着物から母型を高温中で分離する。
この工程では、母型分離工程で取出された電鋳金型の表面を機能性トリアジンジチオールを用いて表面処理をする。即ち、最後に、トリアジントリチオールまたはトリアジンジチオール部分が表面に存在する電鋳複合体型の前記分離面を、下記の一般式(3)で示される機能性トリアジンジチオールで電解重合処理をする。
トリアジンジチオールの電解重合に使用される電解液は主として、トリアジンチオール誘導体、電解質及び溶剤からなる。トリアジンチオール誘導体は一種または二種以上を混合して目的の機能を発揮させることができるが、その濃度はそれぞれ0.01mmol/L〜100mmol/L,望ましくは0.1mmol/L〜50 mmol/Lである。0.01mmol/L以下では有機メッキ速度が遅く、被膜の特性を制御することが困難である。また、100mmol/L以上では溶解しがたい場合が多々あり、有機メッキ液の調製が困難となる。
<実施例1〜4>と<比較例1〜4>
SUS304板(株式会社ニラコジャパン、SUS‐304 753323、0.1x40x50mm)、エポキシ樹脂基板(味の素ファインテック株式会社 ABF‐GX、40x80x1mm)、ポリエチレン板(アズワン株式会社、Al‐1069、0.1x40x50mm)およびガラス板(株式会社成瀬理工、スライドガラス、863‐14)などの母型固体としての材料板はそれぞれ市販から調達した。エポキシ樹脂基板(40x80x1mm、味の素ファインテック株式会社 ABF‐GX)は鏡面仕上げのSUS304(ニコレ性、Ra:10nm)と重ねて、1kgf/cm2の圧力下で150℃で2分間プレスした後、石鹸水で洗浄、水洗、アルコール洗浄して表面の汚れを除去して使用した。SUS304板とポリエチレン板は石鹸水で洗浄、水洗、アルコール洗浄して表面の汚れを除去した。ガラス板は高圧水銀ランプ(出力:1.5kW,照射エネルギー:2800mJ/cm2, アイグラフィック株式会社製アイミニグランテイジ)を用いて40℃で20分間紫外線を照射後、アルコール洗浄して表面の汚れを除去した。
材料基板は図9に示される機能性トリアジンジチオール(FTD)のアルコール溶液5wt%に40℃で5分間浸漬する。実施例1,2及び4の材料板を150℃で10分間加熱乾燥後、アルコールでよく洗浄してチオール基含有材料基板を作製した。実施例3の材料板はそのままである。これらの結果を図9に示す。表面の元素組成はXPS分析によった。XPS分析はPHI製ESCA‐5600(Al 出力:350W,取込角: 45°、30nm厚さ)で測定した。
従って、実施例1のようにSUS304板がトリエトキシシリルプロピルチオウレイルトリアジンジチオール[(C2H5O)3SiC3H6NHCOSC3N3(SH)2、ESTTD]で処理されると、SUS304板表面にはS2p, N1s, C1s, Si2などが観察され、ジチオールトリアジニルチオウレイルプロピルシリル基が導入されていることが理解できる。O1sが減少しているのはESTTDの皮膜がSUS304板表面が一層程度積層していることを示唆する。従って、図2に示されるアルコキシシリルトリアジンジチオール(FASTD)が母型表面に形成されていることがわかる。
次に、Pd‐Sn触媒処理液NP‐8 150ml/lとHCl 150ml/l(上村工業株式会社製)に25℃で1分間浸漬して、Pd‐Sn触媒を担持し、その後5%硫酸水溶液、次いで純水でよく洗浄し、乾燥した後XPSで表面分析した。さらに、触媒担持材料基板は板はカニゼン株式会社のシュマー無電解ニッケル‐リン浴(硫酸ニッケル20g/dm3, ジ亜燐酸ソーダー24g/dm3, 乳酸27g/dm3, プロピオン酸2g/dm3,)に65℃で10分間浸漬すると、ニッケルめっきしたエポキシ樹脂基板が得られた。乾燥後のニッケルめっき析出量は210〜260 mg/cm2(膜厚:0.25〜35μm)であり、100%被覆率が得られた。無電解めっき量は重量測定から計算した。結果を図10に示す。
エポキシ樹脂(エピコート828、130ポイズ/25℃、)380g、ニッケル粉(二コラ株式会社製、Ni‐314013,平均粒子径:7.2μm、フレイク状)380g及びTASTD(実施例9)またはトリアジントリチオール(TT)(比較例10)などの界面結合剤それぞれ0.7gまたは0g(比較例9)を50℃で20分間よく混合した物を調製する。これらにキシレンジアミン68gを30以下で20分間よく混合後、脱気すると複合体ペーストがそれぞれ得られる。次に上記の条件で別途作製した電鋳中間型箔(0.02x50x60 mm)はTASTDまたはトリアジントリチオール(TT)のアルコール溶液(1wt%)に40℃で20分間浸漬処理または処理しないものを調製する。これらの電鋳中間型箔にテフロン(登録商標)製の型枠(5x30x50 mm)をのせて、再度減圧下で脱気した複合体ペーストを注入する。これを50℃で2時間、80℃で2時間及び120℃で2時間の温風乾燥機に入れて加熱するとニッケル箔と硬化複合体ペーストが接着した電鋳中間型接合バックアップ材が得られる。電鋳中間型接合バックアップ材のニッケル箔に1cm間隔の切身を入れた後、島津オートグラフにより20℃で、5 mm/minの剥離速度で剥離試験を行い、剥離強度(PS)を求めた。また、バックアップ材を旋盤で切削し、ダンペル(1x10x100mm)を作製し、島津オートグラフにより3点曲げ試験を行った。ロックウエル硬さ試験機(スケールM)により硬度を測定した。結果を図11に示す。
ニッケル粉(二コラ株式会社社製、Ni‐314013,平均粒子径:7.2μm、フレイク状)380gはアセトン脱脂後、ASTD(実施例10)またはTT(比較例11)の1Wt%アルコール溶液1000mlで30℃で20分間攪拌処理する。これをアルコール洗浄後乾燥すると、表面処理ニッケル粉が得られる。表面処理ニッケル粉380gはエポキシ樹脂(エピコート828、130ポイズ/25℃、)380gと60℃で20分間加熱後、30以下に冷却してから硬化剤アミキュアPN‐40(味の素ファインテクノ株式会社)70gを混合し、脱気すると複合体ペーストが得られる。次にASTDまたはTTの1Wt%アルコール溶液中で30℃、10分間浸漬処理した電鋳中間型箔(0.02x50x60 mm)にテフロン(登録商標)製の型枠(5x30x50 mm)をのせて、再度減圧下で脱気した複合体ペーストを注入する。これを50℃で2時間、80℃で2時間及び120℃で2時間の温風乾燥機に入れて加熱するとニッケル箔と硬化複合体ペーストが接着した電鋳中間型接合バックアップ材が得られる。電鋳中間型接合バックアップ材のニッケル箔に1cm間隔の切身を入れた後、島津オートグラフにより20℃で、5 mm/minの剥離速度で剥離試験を行い、剥離強度(PS)を求めた。また、バックアップ材を旋盤で切削し、ダンペル(1x10x100mm)を作製し、島津オートグラフにより3点曲げ試験を行った。ロックウエル硬さ試験機(スケールM)により硬度を測定した。結果を図11に示す。
実施例10と比較例11で得た表面処理ニッケル粉または未処理ニッケル粉100gは不飽和ポリエステル溶液(日本ユピカ株式会社製ユピカ4516P、イソフタル酸系不飽和樹脂‐スチレン混合液)100gに80℃20分間加熱混合し、さらに過酸化物硬化剤パーメック(日本油脂製)添加した後脱気すると複合体ペーストが得られる。ASTDまたはTTの1Wt%アルコール溶液中で30℃、10分間浸漬処理した電鋳中間型箔(0.02x50x60 mm)にテフロン(登録商標)製の型枠(5x30x50 mm)をのせて、再度減圧下で脱気した複合体ペーストを注入する。これを50℃で2時間、80℃で2時間及び120℃で2時間の温風乾燥機に入れて加熱するとニッケル箔と硬化複合体ペーストが接着した電鋳中間型接合バックアップ材が得られる。電鋳中間型接合バックアップ材のニッケル箔に1cm間隔の切身を入れた後、島津オートグラフにより20℃で、5 mm/minの剥離速度で剥離試験を行い、剥離強度(PS)を求めた。また、バックアップ材を旋盤で切削し、ダンペル(1x10x100mm)を作製し、島津オートグラフにより3点曲げ試験を行った。ロックウエル硬さ試験機(スケールM)により硬度を測定した。結果を図11に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜4の母型から実施例5〜8及び比較例5〜8の無電解ニッケルめっき、電解ニッケルめっきをおこない、それぞれの母型上に厚さおよそ50μmの電鋳中間型を作製する。TASTDのアルコール溶液(1wt%)で30℃、10分間浸漬処理した電鋳中間型に対して、複合体ペースト(エポキシ樹脂(エピコート828、130ポイズ/25℃、)380g、ニッケル粉(二コラ株式会社社製、Ni‐314013,平均粒子径:7.2μm、フレイク状)380g及びTASTD0.7gを50℃で20分間よく混合した物を調製する。これらにキシレンジアミン68gを30以下で20分間よく混合後、脱気すると複合体ペーストがそれぞれ得られる)を注入する。これを50℃で2時間、80℃で2時間及び120℃で2時間の温風乾燥機に入れて加熱するとニッケル箔と硬化複合体ペーストが接着した母型‐電鋳中間型接合バックアップ材が得られる。これを1cm2角に切取り、図6のように瞬間接着剤を使用してSUS304の補助材を母型と電鋳中間型接合バックアップ材に取り付け、20℃と80℃で引張り試験を行った。結果を図12に示す。
実施例12〜15に従って調整した電鋳中間型表面をアルカリ洗浄し、これを機能性トリアジンジチオール[(HS)2C3N3N(CH2CH=CH2)C2H4CF2CF2CF2CF2CF(CF3)2;F14]の0.2%水溶液(NaNO2; 0.1mol/dm3)中で、0.02mA/cm2の電流密度で40℃、40秒間電解重合して、離型処理を行った。また、比較例18として、ニッケル箔に電鋳Niめっきした電鋳箔を使用して同様の条件で電解重合して離型処理をした。離型性の目安として表面張力[Kunio MORI: Rubber Chem.& Techno. 67, 799(1994)]の測定を行った。また、皮膜の耐久性の目安として、スガ摩擦試験機を用いローラーにキムワイプを巻き、200gの荷重をかけて20回回転してこれを摩擦回数1回として摩擦し、膜厚をエリプソメーターにより測定して膜厚変化から評価した。結果を図13に示す。
Claims (12)
- 金属、樹脂またはセラミックスからなる母型の表面に金属を電着して電鋳中間型を形成する電鋳中間型形成工程と、該電鋳中間型に電着された金属の表面にバックアップ材を接着するバックアップ材接着工程と、該電鋳中間型にバックアップ材が接着した接着物から上記母型を分離してバックアップ材に金属を接着させた電鋳金型を取出す母型分離工程とを備えた電鋳金型の製造方法において、
上記電鋳中間型形成工程を、上記母型の表面を該表面にアルコキシシリルトリアジンジチオールを付与し、活性化剤処理するとともに金属を無電解メッキして導電化処理し、その後、該導電化処理した母型に金属を電着する構成にしたことを特徴とする電鋳金型の製造方法。 - 上記アルコキシシリルトリアジンジチオール付与において、上記母型表面を、
下記の一般式(1):
- 上記活性化剤処理が、パラジウム塩、白金塩、銀塩、塩化スズ、アミン錯体の少なくともいずれかで構成される活性化剤水溶液で処理することを特徴とする請求項1または2記載の電鋳金型の製造方法。
- 上記バックアップ材接着工程で用いるバックアップ材を、金属粉及び樹脂配合物で構成し、該金属粉及び樹脂配合物に反応性トリアジンチオールを直接混合して複合体ペースト状に調製したことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の電鋳金型の製造方法。
- 上記バックアップ材接着工程で用いるバックアップ材を、金属粉及び樹脂配合物で構成し、該金属粉を予め反応性トリアジンチオールの溶液に浸漬して界面結合付与処理後、該樹脂配合物に混合して複合体ペースト状に調製したことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の電鋳金型の製造方法。
- 上記バックアップ材接着工程で、上記複合体ペースト状のバックアップ材を上記電鋳中間型に注入後加熱硬化させることを特徴とする請求項4または5記載の電鋳金型の製造方法。
- 上記反応性トリアジンチオールとして、
下記の一般式(2)
- 上記バックアップ材接着工程において、上記バックアップ材を接着する前に電鋳中間型に電着された金属の表面を反応性トリアジンチオールにより界面結合付与処理することを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の電鋳金型の製造方法。
- 上記反応性トリアジンチオールとして、上記一般式(2)で示される少なくとも一種類以上の反応性トリアジンチオールを用いることを特徴とする請求項8記載の電鋳金型の製造方法。
- 上記母型分離工程において、上記電鋳中間型にバックアップ材が接着した接着物から上記母型を高温中で分離することを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の電鋳金型の製造方法。
- 上記母型分離工程で取出された電鋳金型の表面を機能性トリアジンジチオールを用いて表面処理をすることを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載の電鋳金型の製造方法。
- 上記機能性トリアジンジチオールとして、
下記の一般式(3):
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