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JP4815030B2 - マイクロカプセル型磁気反転表示媒体 - Google Patents

マイクロカプセル型磁気反転表示媒体 Download PDF

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JP4815030B2 JP2005044394A JP2005044394A JP4815030B2 JP 4815030 B2 JP4815030 B2 JP 4815030B2 JP 2005044394 A JP2005044394 A JP 2005044394A JP 2005044394 A JP2005044394 A JP 2005044394A JP 4815030 B2 JP4815030 B2 JP 4815030B2
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Description

本発明はマイクロカプセル型の磁気反転表示媒体に関するものである。
磁気表示媒体としては、微小粒の磁性材を分散液に分散し、磁石を一面から作用させてその面に該磁性材を泳動させて表示を形成し、不要となれば反対面から磁石を作用して磁性材を再度泳動させて表示を消去する、いわゆる泳動型の磁気表示媒体が知られている。この磁気表示媒体においては、表示媒体の表面に磁性材を泳動させ、表示を行う方式であるため、表示面側から不要な表示部分のみを消去させるのは困難であり、繰り返し表示・消去を行う上での課題解決の示唆などないものであった。また、この磁気表示媒体は消去をパネルの裏面から行わなければならないので装置が複雑かつ、大型となる欠点もあった。(特許文献1など)
また、特許文献2には磁極を異なる色に着色して色分けした微小磁性体を反転させて表示を行う磁気反転表示媒体が提案されている。この表示媒体は特定の残留磁気モーメントと保磁力を有する微小磁性体を分散媒に分散した特定降伏値の分散液を用いるものである。ところが、このパネルは磁石で微小磁性体を反転させて表示を行っても、また消去を行ってもコントラストが小さく、鮮明さに欠ける問題があった。
そこで、本出願人はさらに特許文献3等で、磁極を異なる色に着色して色分けした微小磁性体と分散媒と増稠剤を主成分とした降伏値を有する分散液を支持材により保持した反転型の磁気表示媒体を提案した。
この発明の磁気反転表示媒体は、一つのハニカムセルに占める微小磁性体の表示面の一方の面積、いわゆる表示面積率を特定の範囲とする開示であり、この開示による磁気反転表示媒体はコントラスト良く、鮮明な表示を行うことを目的としたものであるが、収容体としてハニカムセルを使用したものであった。
ハニカム型は、内包する微小磁性体の粒子径に対し、ハニカム収容体が比較的大きいので、微小磁性体の粒子径に対する収容体の比が大きくなってしまう。
このような磁気反転表示媒体を使用すると、平置きの場合は良好な表示を行う条件を整えることも可能ではあるが、媒体を縦置きにし、表示、消去を繰り返していくと徐々に微小磁性体が沈降凝集して反転不良になるものが発生するといった不具合がある。その不具合を解消すべく、分散液の粘度を上げ、沈降防止しようと試みたものもあるが、長期間放置するとチクソトロピック性が強くなる傾向があり、経時後の分散液の降伏値や粘度が必要以上に高くなるといった不具合が残っていた。
さらに、ハニカム型は一つのハニカムセル表示面の面積が大きいだけでなく、セルの厚みも一定量必要になる。よって容積が大きくなるので、微小磁性体の沈降とともに粒子不在の領域が広くなってしまう。そこで、セル厚みを狭くしたいが、ハニカム型の性質上、並びに製造工程上、困難である。
一方、マイクロカプセル型の磁気表示媒体は、特許文献4などに開示があるが、いずれも具体的なマイクロカプセルの粒径と反転型の磁性体である微小磁性体の粒径との相関関係により表示を改善しようとした例はなく、より高度な表示の解決手段としては不十分なものであった。
また、特許文献5には、いわゆるツイストボールを用いたマイクロカプセル型の磁気表示媒体が提案されており、コントラスト比の高い表示媒体の提供が出来るとされている。
しかしながら、該技術は、回転球状粒子を表示素子として用いるもので、磁極を異なる色に着色して色分けした微小磁性体、すなわち扁平状磁性粒子を表示素子として用いるものではない。コントラスト比を高くするための解決手段はおのずと異なっており、該提案では、コントラスト比を高くするためには最小領域(要するにセル一つ)に2個以上の球状粒子を含有させることが解決手段となっており、更に最小領域の70%以上、との記載があるのみで、粒子径と収容体の相関関係がコントラスト等に直接関係することの示唆はないものであった。
つまり、本出願におけるコントラスト比の課題の解決手段は、表示面積率のような総体的な解決手段だけではなく、微小磁性体の粒子そのもの(磁性粒子一個の能力)が持っている能力、すなわち微小磁性体の粒径と、該微小磁性体の粒径と収容体であるマイクロカプセルの粒径との相関関係についてが主要部であり、そのような点に着目した提案は未だなされていない。
ちなみに、本出願の粒径範囲外である微小磁性体のD50が30μm以下ではたとえ特許文献3でいう表示面積率を300%としても良好なコントラストは得られるものではない。
その他、特許文献6などには、一般的な磁気表示媒体の例が示してあり、その中に、マイクロカプセルを収容体に使用する記載や、反転型の磁性粒子の例示もあるが、カプセル径は100〜1000μm、とりわけ400μm程度、マイクロカプセル型にて使用する場合の磁性粒子径は0.2〜数μmが好ましい、とあり、そのような組合せではコントラストがとれない、などの一連の不具合が生ずる、不十分なものであった。
以上のように、従来の技術には、反転型の微小磁性体(特に扁平微小磁性体)を表示素子として用い、マイクロカプセルを収容体として用いた際、微小磁性粒体の粒子径、及びその粒子径の相関関係がコントラスト等の表示性能に寄与するという開示はないものであった。
特公昭57−27463号公報 特公昭59−32796号公報 特開2001−201772号公報 特開昭60−107689号公報 特開2002−350907号公報 特開平11−249594号公報
反転型の微小磁性体を表示素子として用い、マイクロカプセルを収容体として用いた際、コントラスト等の表示性能の良好なマイクロカプセル型磁気反転表示媒体を提案することを本発明の目的とし、そのような課題の解決手段を提案するものである。
本発明は、上記課題を解決するために、特定の粒径や粒度分布を有する微小磁性体やマイクロカプセル収容体を組み合わせることによって、本発明のマイクロカプセル型磁気反転表示媒体を完成した。
すなわち、本発明は、
「1.マイクロカプセルを収容体とし、磁極を異なる色に着色して色分けした層状体を裁断または粉砕してなる扁平状の微小磁性体を表示素子として少なくとも内包する磁気反転表示媒体であって、微小磁性体の粒径分布がD 10 =30μm以上、D 90 =100μm以下、およびD 50 =50〜70μmであり、マイクロカプセルの外径が100〜800μmであって、マイクロカプセルの粒度分布がD 10 =100μm以上、D 90 =700μm以下、およびD 50 =200〜600μmであり、かつ表示素子である微小磁性体の粒径(D 50 )と収容体であるマイクロカプセルの内径が下記条件を満たすものであることを特徴とするマイクロカプセル型磁気反転表示媒体。
(マイクロカプセルの内径)/(微小磁性体のD 50 の粒径)=1.5〜15」に関する。
上記構成によれば、コントラスト等の表示性能の良好なマイクロカプセル型磁気反転表示媒体を得ることができる優れた効果を奏するものである。さらに、微小磁性体の局在化を防止でき、媒体を縦置きにした際においても粒子沈降等を抑制することができるので、マイクロカプセル中の微小磁性体が片寄ることなどで生ずる、不連続な表示いわゆる線切れの抑制(防止)、見かけ表示濃度低下による外観不良の抑制(防止)、解像度の低下等によるコントラスト低下等の抑制(防止)を図り、表示媒体の表示面の均一性を向上させることができる。
本発明のマイクロカプセル型磁気反転表示媒体は、少なくとも、表示素子として用いる磁極を異なる色に着色して色分けした微小磁性体と、それを内包するマイクロカプセルから構成される。
本発明で用いる微小磁性体はN極とS極の二磁極を各々異なる色に着色して色分けした磁性体であり、この磁性体が磁気により反転して表示を形成するのである。例えば、磁石のS極で表示媒体の表示面を走査すると、磁性体のN極面が表示媒体表面に並びN極面の色となる。この面を磁気ペンのN極で書くと、磁性体は反転してS極面が表われ、その色で表示が形成される。再び磁石のS極で走査すると、反転し表示は消える。
前記微小磁性体を内包するマイクロカプセルは収容体として作用すれば、各種マイクロカプセルが使用可能である。
例えば、界面重合法、in situ重合法、液中乾燥法、オリフィス法、コアセルベーション法など、公知の方法で製造されたマイクロカプセルが適宜使用できる。
本発明の微小磁性体の粒径分布は10=30μm以上、D90=100μm以下、およびD50=50〜70μmが最適である。
また、その際、マイクロカプセルの粒径が、下記条件を満たすものであることが好ましい。
(マイクロカプセルの内径)/(微小磁性体のD50の粒径)=1.5〜15
粒子(微小磁性体またはマイクロカプセル)の粒径分布の示し方としては、種々の方法が提案されている。本発明においては、一般的な積算粒径分布を採用する。D50とは粒径分布の中央値(median径)であり、積算粒径分布50%相当の粒子径を指す。また、積算粒径分布10%相当の粒子径をD10、90%相当の粒子径をD90で示す。D10/D90の値が大きいほど分布の幅が狭く、その分布図はシャープな形状であることを意味し、また、小さいとブロード形状となる。
微小磁性体の粒径分布が上記範囲より外れると、コントラストや解像度が低下し、ひいては表示そのものができなくなる。また、得られるマイクロカプセルが所望の性能に達しない、などの不具合が生じやすくなる。具体的には以下のとおりである。
50=50μm未満では微小磁性体の反転は可能であるがコントラストが著しく低下する傾向がある。
50=50μm以上では良好なコントラスト、解像度が得られる。
50=70μmを超えると解像度が低下する傾向がある。
50=75μmを超えると調製後のマイクロカプセル中に含有される微小磁性体の含有量が不均一になる傾向があり、マイクロカプセルごとに含有する磁性粒子の粗密が生じやすくなる。
50=50〜70μmではコントラストと解像度が両立でき、且つ均一に微小磁性体を内包したマイクロカプセル型磁気反転表示媒体を得ることができる。
90=100μmを超えるとマイクロカプセル作製時の乳化の際に液滴から漏洩する微小磁性体の量が多くなり、目的とするマイクロカプセルを得ることが困難になる傾向がある。
90=120μmを超えると、その傾向が強くなり、
90=150μmを超えた場合には、目的とするマイクロカプセルをほとんど得ることができない。
10=30μmより小さいと扁平構造をもった磁極を異なる色に着色して色分けした微小磁性体として作用しにくくなり、表示素子としてのコントラストを形成する能力が低下する。このため、用いる微小磁性体の粒径分布としては、30μmより小さいものを実質的に含まないことが望ましい。
さらに、D10=20μmより小さいと、反転できない素子が多くなり、表示素子として機能しない。また、その形状が適正でなかったり、磁性粉を含有していない確率が高くなる。結果、微小磁性体として機能し得ないものの存在確率が上がり、使用できない
この傾向は、収容体として使用するマイクロカプセルの粒径100〜800μmであるときにより顕著に現れる。
マイクロカプセル型の収容体はハニカムセル型に比べて容積を小さくできるので、収容体に対する微小磁性体の粒径比を大きく設計しやすい。
上述したように、マイクロカプセル型の磁気表示媒体としては、特許文献4などがあるが、具体的なマイクロカプセルの粒径の開示がなく、そのままでは性能を十分に満足する表示媒体は得られるものではない。
さらに、マイクロカプセル型磁気反転表示媒体の表示性能としては、微小磁性体の性能だけでなく、その収容体であるマイクロカプセルの粒径との相関関係により性能が左右される。
微小磁性体自体の表示能力が十分な場合、コントラストそのものは収容体に対する微小磁性体の占有面積に大きく影響を受けることとなる。収容体に対する占有率を高くするには、
(1)大きな微小磁性体を少数、収容体に内包したものを使用する
(2)小さな微小磁性体を多数、収容体に内包したものを使用する
のどちらかで達成ができる。
但し、
(1)の場合、微小磁性体の粒子径が大きすぎると粒子間の隙間が生じてしまう問題が生ずる。その解決のために微小磁性体を多く入れると相互干渉し、反転阻害を起こす。更に表示素子である微小磁性体に大きなものを使うと表示の解像度が低下する、という好ましくない傾向があり、その解決には、十分大きなスペースを持った収容体としてハニカムセルを用いるという手法をとっており、小型化・薄型化が出来なかった。(従来技術)
(2)の場合、隙間なく微小磁性体が存在し、ある程度の量添加しても反転阻害は生じにくく、表示素子が細かいため解像度も良い。但し、小さくなりすぎると、微小磁性体そのものの表示能力、すなわち表示色の面の光反射性能が低下し、コントラストが確保できなくなる傾向となってしまう。また、セル収容体と微小磁性体の粒径差が大きくなりすぎると、微小磁性体の沈降・片寄りの発生とともに局在化が進むので好ましくない。
従って、それらの課題解決には、微小磁性体の粒径と収容体であるマイクロカプセルの粒径およびそれらの比などが本発明の表示媒体を得る上で重要であることが判った。
そこで、本発明においては、上記のような特定範囲の微小磁性体を用いつつ、その微小磁性体と下記のような特定の相関関係にあるマイクロカプセルを収容体として用いる。
微小磁性体と収容体の粒径比を適正とすることで、収容体内の微小磁性体の局在化を防止する、または局在化が生じたとしても視認することが実質的に不可能な程度に留めることが可能となる。このため、表示面に対して筆記、消去を繰り返しても微小磁性体の沈降、凝集などの不具合が観察されず、均一な表示面を維持することができる。また、微小磁性体として扁平状ないし箔片状の磁性体は重なった状態でずれながら反転するため、必要最小限度の空間を確保することで良好な表示が可能となる。
(マイクロカプセルの内径)/(微小磁性体のD50の粒径)=1〜20
の範囲であれば筆記、消去後も十分な表示が可能であり、
さらに、
(マイクロカプセルの内径)/(微小磁性体のD50の粒径)=1.5〜15
の範囲であれば表示の劣化はほとんど認められないため、より好ましい。
また、マイクロカプセルの粒径は上記相関関係を満たし、さらに、マイクロカプセルの外径が50〜3000μmであると好ましい。
マイクロカプセルの外径が50μm未満であると、製造すること自体は可能であるものの、微小磁性体を内包できにくくなったり、反転不良を生じるという好ましくない傾向がある。
3000μmを超えると、マイクロカプセル製造時等の際に、安定なエマルジョンを形成することが困難な傾向があり、その結果、マイクロカプセルの安定的製造が難しくなる傾向になる。
マイクロカプセルの外径は、さらに100〜1100μmであると好ましく、100〜800μmであるとより好適である。
マイクロカプセルの外径が1100μmを超えると安定したマイクロカプセルの製造を行うことには困難を伴うとともに、マイクロカプセル自体の強度低下、マイクロカプセルを配列させるときの層構造を構成する場合に薄膜化することが困難になるなどの不具合が生じる。
マイクロカプセルの外径が100μ〜800μmの範囲であれば、微小磁性体の良好な反転を維持し、繰り返し使用しても粒子の沈降・片寄りが無く、且つマイクロカプセルの製造も安定して行うことができるため最適である。
前記マイクロカプセルについても、その粒度分布がD10=100μm以上、D90=700μm以下、およびD50=200〜600μmであるとより好ましい。
本発明で使用可能な前記微小磁性体を内包するマイクロカプセルは上述の通り、収容体として作用すれば、各種マイクロカプセルが使用可能である。
例えば、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンなどのゼラチン皮膜を有するマイクロカプセル、アルギン酸塩皮膜を有するマイクロカプセル、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂皮膜、及び尿素−ホルムアルデヒド樹脂等の樹脂皮膜を有するマイクロカプセルなどが使用できる。
その製造方法は、例えば、コンプレックスコアセルベーション法、シンプルコアセルベーション法、オリフィス法、in situ重合法などが挙げられる。とりわけコンプレックスコアセルベーション法を用いた例として説明すると、皮膜物質であるゼラチンを含む水溶液中に、少なくとも微小磁性体と分散媒とからなる分散液を投入・攪拌し、O/Wエマルジョンを形成させ、これをコンプレックスコアセルベーション法により皮膜物質を形成後、さらにトランスグルタミナーゼなどの硬化剤により皮膜を硬化させてマイクロカプセルを製造するものなどが挙げられる。
微小磁性体の粒径分布測定は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定法により測定し、面積基準分布とした値を用いる。微小磁性体は不定形のもの、好ましくは扁平状のものを使用する。従って、レーザー回折・散乱式粒度分布測定においては、その性質上、微小磁性体の粒径は球相当径として換算した値となる。
また、マイクロカプセルの粒径測定は、マイクロスコープ(175倍)による目視の測定によって、その内径測定を行う。外径を測定したのでは内包する微小磁性体との相関関係が導出できないからであり、本発明において、マイクロカプセルの粒径とは、マイクロカプセルの隔壁内径のことをいう。測定対象は目視により著しく大きさの異なる大小のマイクロカプセルを除き、n=10にてサンプリングしたものを用い、測定値はそれらの平均値を用いた。
マイクロカプセルの粒度分布(外径)測定についても、微小磁性体と同様にレーザー回折・散乱式粒度分布測定により測定し、体積基準分布とした値を用いる。この際は外径測定になるが、目視測定により粒度分布を測定するのは現実的ではなく、マイクロカプセルの粒径(内径)の偏在度を把握すれば足り、近似的に上記の値を用いる。
本発明のマイクロカプセル型磁気反転表示媒体は、主として、上記微小磁性体とマイクロカプセルから構成されるが、所望により、分散媒、増稠剤、着色材、界面活性剤、粘度調整剤、帯電防止剤などを使用することができる。
本発明のマイクロカプセル型磁気反転表示媒体の構成の一例を挙げると微小磁性体を分散媒に分散した分散液をマイクロカプセルに内包し、該マイクロカプセルを複数個並べて固着することにより、所望の面積の表示面を有する磁気反転表示媒体を得ることができる。
微小磁性体を分散した分散液は特定の降伏値と粘度を持つものが好ましい。降伏値は、分散液体中の微小磁性体が適正に分散されるためと、表面付近に保持されている必要があるので、その沈降防止に作用するもので、粘度は、磁気をかけたときに磁気をかけた部分のみ反転するのに重要なものである。その降伏値と粘度は、微小磁性体の材質や形状、大きさなどに大きく関与するので、上記作用を満たすものであれば適宜設計可能である。設計思想外の降伏値および粘度になると、形成した表示の維持安定性が劣化したり、磁気ペンで書いたときに周辺の磁性体が集まるので、磁性体の分布が不均一になり反転して表示を形成する付近と、その周縁部で反転しない磁性体で形成される表示の背景の色が変化するので全体としてボケた表示となり、鮮明性が劣化する傾向となる。
しかし、特定粒径を有する本発明の微小磁性体とマイクロカプセルの組合せを用いれば、これらの設計自由度が上がるという特有の効果を奏する。
特定の降伏値と粘度を分散液に与えるためには増稠剤を配合するとよい。大きく分けて無機増稠剤と有機増稠剤とに区別されるが、有機増稠剤の方が比較的安定である。例えば、シリカなどの無機物でも降伏値を付与することはできるが、無機増稠剤は時間の経過とともに粘度と降伏値が大きく変化する欠点がある。ところが、脂肪酸ビスアマイド、水添ヒマシ油、N−アシルアミノ酸アマイドなどから選んだ有機増稠剤は時間が経過しても粘度と降伏値が変化しにくい利点があるので好ましい。
本発明で使用する微小磁性体は、S極面とN極面を異なる色で着色されており磁気ペンで書いたときの表示形成性と形成された表示の鮮明性等から、扁平状であると好ましい。本発明者らの研究によると微小磁性体は反対極の磁力を作用させると反転するが、扁平状ないし箔片状の磁性体は重なった状態でずれながら反転するので、表示の形成速度が大きいだけでなく、反転しないもの、不完全な反転のものが混在することが少なく、鮮明な表示が形成される。
さらに、色分けした微小粒子状の微小磁性体が、特定の色の合成樹脂及び/または合成ゴム組成物に磁性粒子を分散した層の片面に、他の色の着色組成物を塗布した層状体を裁断または粉砕してなる微小磁性体または、微小磁性体が特定の色の合成樹脂及び/または合成ゴム組成物に礎性粒子を分散した層の片面に他の色の着色シートをラミネートした層状体を裁断または粉砕してなる微小磁性体が好ましい。
微小磁性体は反転時に互いに擦れ静電気が帯電する傾向があり、特に扁平状や箔片状の微小磁性体の場合は、重なってずれながら反転するので帯電し易い。微小磁性体が帯電すると微小磁性体が凝集し、偏在(局在)化してしまい、磁気ペンで磁気をかけてもスムーズに反転しなくなったり、また反転しないものも出てくる。これが原因で、色分けした微小磁性体の鮮明な表示が得られなくなる場合があるので好ましくない。微小磁性体の分散液に帯電防止剤を配合すると良好な表示が得られる。
帯電防止剤としては、ポリブテン硫酸化物、脂肪族アルキル第4級アンモニウム塩、アミノエタノール・エピクロルヒドリン重縮合物、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルサリチル酸金属塩、スルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸金属塩から1種または2種以上を選択して用いられるが、特にポリブテン硫酸化物、脂肪族アルキル第4級アンモニウム塩、アミノエタノール・エピクロルヒドリン重縮合物、アルキルベンゼンスルホン酸の混合物やアルキルサリチル酸クロム塩、スルホコハク酸カルシウム塩、ポリマーの混合物が好ましい。
本発明において微小磁性体を分散する分散媒としては、水系、油系のいずれも使用可能で、油系の場合は、油類、脂肪族炭化水素等の無極性溶剤、グリコ−ル類やアルコ−ル類等の極性溶剤などの一種または二種以上を選択して、単独または組み合わせて用いることができる。具体的には、イソパラフィン、スピンドル油、エチレングリコ−ル等が使用され、さらに配合する成分との観点からイソパラフィンが好適である。
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
実施例1
<マイクロカプセル内包液の調製>
厚さ25μmのPETフィルム上に緑色に着色した磁性インキを塗工乾燥し、緑色の磁性層を得た。この時緑色磁性層の厚みは7μmであった。次に、該緑色磁性層上に白色インキを塗工乾燥し、緑色磁性層に積層した。この白色層の厚みは10μmであった。このようにして先に塗工した緑色磁性層と合わせ、厚さ17μmの二色塗工層をベースフィルム上に形成した。引き続いて、この二色塗工シートを着磁して、緑色側をN極、白色側がS極とした後にベースフィルムより二色塗工層を剥離、粉砕後、空気分級機にて分級して所望の微小磁性体を得た。得られた微小磁性体の粒径分布をレーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製:SALD3000S)を用いて測定した。測定には循環溶媒としてイソパラフィン(エクソンモービル化学社製:アイソパーM)を用い、解析条件として屈折率1.70−0.20i、面積基準分布を用いて粒径分布とした。得られた微小磁性体はD10=33.7μm、D50=53.3μm、D90=74.6μmの粒径分布を有していた。
次に、分散媒として20℃における粘度が3.2mPa・sであるイソパラフィン(エクソンモービル化学社製:商品名アイソパーM)に帯電防止剤及び増稠剤を加え、粘度と降伏値を有する塑性分散液を調製した。
この塑性分散液100質量部をプロペラで撹拌しながら微小磁性体0.18質量部を加え、均一になるまで撹拌を行い、マイクロカプセル内包液を調製した。
<マイクロカプセルの調製>
系の温度を40℃に保ち、10質量%酸処理ゼラチン水溶液(株式会社ニッピ製 AP200)90質量部を撹拌しながら、40℃の温水(イオン交換水)120質量部を添加し、さらにポリアニオンとして1.25質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液(第一工業製薬株式会社製 セロゲンF−7A)90質量部を混合して均一にした。次に調製済みのマイクロカプセル内包液132質量部を添加して乳化・分散を行い、S/O/Wエマルジョンを形成させた。そして、酢酸(和光純薬工業株式会社製 試薬)を添加してpHを4.6に調整し、コアセルベート皮膜を形成させた。このエマルジョンを撹拌しながら5℃まで徐々に冷却して皮膜をゲル化させ、30分間、5℃に保ち安定化させた。その後、再び系の温度を20℃まで昇温させ、スルホン酸変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製 ゴーセランL3266)を12質量部添加した。次に、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを7.0に調整し、トランスグルタミナーゼ(味の素株式会社製 アクティバTG−S)を0.90質量部添加した。そして最後に、系の温度を20℃に保ったまま16h撹拌を継続し、皮膜が硬化したマイクロカプセル分散液を得た。
得られたマイクロカプセルの内径はマイクロスコープ(175倍)による目視の測定で463μmであった。
また、得られたマイクロカプセルの粒径分布をレーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製:SALD3000S)を用いて測定したところ、D10=382.0μm、D50=504.6μm、D90=643.2μmの粒径分布を有していた。。測定には循環溶媒として水を用い、解析条件として屈折率1.70−0.20i、体積基準分布を用いて粒径分布とした。
<表示媒体の作製>
得られたマイクロカプセルに水系バインダーを混合し、厚さ125μmPETフィルムに塗布、乾燥を行い、マイクロカプセルが配列した磁気反転表示媒体を得た。
この表示媒体のPETフィルム側に多極ゴム磁石を接触させ、着磁ピッチに直行するように左右に動かすことによりマイクロカプセル内の二色に塗り分けられた微小磁性体を個々に分散させた後、磁石のS極を接触させ微小磁性体どうしが一部重なりつつ整列するように並べながら緑色の表示面を形成させた。次に、この表示面に対し、表面のPETフィルムの上から磁石のN極で筆記操作を行い、緑色の表示面に磁石のN極が通過した部位だけ白色の鮮明な表示を得ることができた。
次に、再び磁石のS極を用いて白色の表示部分を上から擦るように操作したところ白色面を表面に向けていた磁性表示体が反転し、再び緑色の表示面に戻すことができた。その際の評価は表1に示す。
実施例2〜4、参考例1〜5、比較例1〜5
微小磁性体とマイクロカプセルを表1に記載のものとした以外は実施例1と同様にしてマイクロプセルおよび表示媒体を得た。
実施例10〜14、参考例6〜16、比較例6〜9
実施例1並びに参考例2に示した微小磁性体を用い、収容体としてのマイクロカプセルを表2に記載の粒径のものとした以外は実施例1と同様にしてマイクロプセルおよび表示媒体を得た。
各例における微小磁性体およびマイクロカプセルの粒径、粒径分布、それらの粒径比、評価結果等は表1および表2に示した。
Figure 0004815030
Figure 0004815030

試験および評価
前記各実施例および比較例におけるマイクロカプセル型磁気反転表示媒体において、下記の項目について試験を行い、評価を行った。尚、表示媒体の評価における筆記と消去の操作の説明は、次の通りである。
a)表示面緑色形成
表示媒体の表示面側に消去具のS極を接触させ消去操作を行い、表示媒体内の2色に塗り分けられた微小磁性体のN極面(緑色)を表示面側に片寄せて粒子同士が一部重なりつつ整列するように並べながら表示媒体の全表示面をN極面(緑色)で形成させる。
b)表示(筆記)操作
表示媒体の表示面側に筆記具である磁気ペンのN極を接触して筆記操作を行い、表示媒体内の微小磁性体のN極面(緑色)を反転させ、S極面(白色)を表示することで筆記線を形成する。
c)消去操作
表示媒体に表示されている筆記線を消去具のS極で消去操作を行い、微小磁性体のS極面で形成されている筆記線をN極面(緑色)に反転させ消去する。
(1)コントラスト
分光測色計(コニカミノルタホールディングス株式会社製CM-512 m2)により、表示媒体のN極面(緑色)及びS極面(白色)におけるL*(45°)値を測定してその差(ΔL* 45°)よりコントラスト評価を行った。
(2)解像度
筆記した時の筆記線の状態を、目視観察した。
◎・・・筆記部分の幅が一定で、非常に鮮明に表示されている。
○・・・筆記部分の幅が一定で、鮮明に表示されている。
△・・・筆記部分の幅が一定でない部分があり、全体にややぼけた状態で
表示されている。
×・・・筆記部分の幅が一定でなく、全体にぼけた状態で表示されている。
または反転しないものである場合。
(3)マイクロカプセル化
○・・・良好にマイクロカプセルを作製できた。
×・・・良好にマイクロカプセルを作製できなかった。
(4)粒子内包量
○・・・マイクロカプセル中に微小磁性体が均等量含有されている。
×・・・含有されている微小磁性体の含有量がマイクロカプセルごとに異なる。
(5)沈降・片寄り評価
○・・・多極磁石を一方方向にのみ作用させても、マイクロカプセル内における
微小磁性体の局在化が視認されず、良好な表示を維持する。
△・・・多極磁石を一方方向にのみ作用させると、マイクロカプセル内における
微小磁性体の局在化がやや視認され、表示もやや不鮮明になる。
×・・・多極磁石を一方方向にのみ作用させると、マイクロカプセル内における
微小磁性体の局在化が視認され、表示が不鮮明になる。
(6)初期評価
上記、試験・評価を行うにあたって、表示媒体作製後、最初にa)表示面緑色形成、b)表示(筆記)操作、c)消去操作の各操作が問題なく行えるかについて評価を行った。
(7)総合評価
上記、試験・評価を通じ、表示媒体として総合的に良いか否かを判断した。
以上説明したように、本発明は、反転型の微小磁性体を表示素子として用い、マイクロカプセルを収容体として用いた際、コントラスト等の表示性能の良好なマイクロカプセル型磁気反転表示媒体として利用できる。

Claims (1)

  1. マイクロカプセルを収容体とし、磁極を異なる色に着色して色分けした層状体を裁断または粉砕してなる扁平状の微小磁性体を表示素子として少なくとも内包する磁気反転表示媒体であって、微小磁性体の粒径分布がD 10 =30μm以上、D 90 =100μm以下、およびD 50 =50〜70μmであり、マイクロカプセルの外径が100〜800μmであって、マイクロカプセルの粒度分布がD 10 =100μm以上、D 90 =700μm以下、およびD 50 =200〜600μmであり、かつ表示素子である微小磁性体の粒径(D 50 )と収容体であるマイクロカプセルの内径が下記条件を満たすものであることを特徴とするマイクロカプセル型磁気反転表示媒体。
    (マイクロカプセルの内径)/(微小磁性体のD 50 の粒径)=1.5〜15
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