JP4797150B2 - 走査機構およびこれを用いた機械走査型顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走査機構およびそれを組み込んだ装置に関する。本発明の走査機構は、例えば、走査型顕微鏡の走査機構や、走査型顕微鏡の技術を応用した試料の観察、加工、情報の記録などを行う装置に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
被移動物をXYZ方向に直線的に動かし並進移動させたり、それぞれの軸に対して回転移動させたりするステージ機構は、機械機構の最も基本的な要素の一つである。またモータなどの駆動機構を使いステージ移動を電気信号などの制御信号に応じて移動制御できる自動ステージはあらゆる場面で使われている。このようなステージ機構におけるステージ(可動ステージ)はステージを固定するステージ機構の支持部に保持されるので、ステージは被移動物の支持部に対する位置関係を変化させる機構であると言うことができる。
【0003】
被移動物をくり返し往復させるもしくは回転半回転動作をさせる機械的動作を伴い、比較的短い時間内にその動作をさせることが可能な機械機構の場合、その機械機構は走査機構とも呼ばれる。(以下、断りの無い限りこのような機械的な走査機構を単に走査機構と呼ぶ。)
例えば走査型顕微鏡などには、そのよな走査機構が搭載されている。そのような走査機構が搭載された走査型顕微鏡装置として、走査型プローブ顕微鏡やレーザ走査型顕微鏡、さらには電子ビームを固定したまま試料を走査して画像を得るタイプの電子走査型顕微鏡が例としてあげられる。
【0004】
走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、機械的探針を機械的に走査して試料表面の情報を得る走査型顕微鏡であり、走査型トンネリング顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)、走査型磁気力顕微鏡(MFM)、走査型電気容量顕微鏡(SCaM)、走査型近接場光顕微鏡(SNOM)、走査型熱顕微鏡(SThM)などを含む。最近では試料表面にダイヤモンド製の探針を押しつけて圧痕をつけ、その圧痕のつき具合を解析して試料の固さなどを調べるナノインデンテータ等もこのSPMの一つと位置づけられており、前述の各種の顕微鏡と共に広く普及している。
【0005】
走査型プローブ顕微鏡は、機械的探針と試料とを相対的にXY方向にラスター走査し所望の試料領域の表面情報を機械的探針を介して得て、モニターTV上にマッピング表示することができる。また、SNOMなどは機械的探針先端から発せられる光を被加工物に作用して微細加工を行ったり、光による情報記録を行ったりすることができる。さらには、ナノインデンテータによれば試料表面に凹凸を形成し、やはり微細加工を行ったり、情報記録を行ったりすることができる。
【0006】
このような走査型プローブ顕微鏡においては、XY走査の間、Z方向についても試料と探針との相互作用が一定になるようフィードバック制御してZ方向の移動を担う走査機構を動かしている。このZ方向の動きは規則的な動きをするXY方向の動きとは異なり、試料の表面形状や表面状態を反映するため不規則な動きとなるが、一般にZ方向の走査動作とされている。そしてこのZ方向の走査はXYZ各方向のなかでは最も高い周波数での動きとなる。走査型プローブ顕微鏡のX方向の走査周波数は0.05から200Hz程度であり、Y方向の走査周波数は、X方向走査周波数のY方向走査ライン数分の1程度であって、Y方向走査ライン数は10から1000ラインである。またZ方向の走査周波数はX走査方向周波数に対し、X方向走査1ラインあたりの画素数倍からその100倍程度である。
【0007】
例えば、X方向100画素Y方向100画素の画像を1秒で取り込むとき、X方向の走査周波数は100Hz、Y方向の走査周波数は1Hz、Z方向の走査周波数は10kHz以上となる。なお、この例の走査周波数は走査型プローブ顕微鏡としては今のところ最も高い走査周波数にあたり、通常はX方向走査周波数は数Hz程度に留まっている。例のような高い走査周波数を実現するには、その走査機構は、外部からの振動に対し安定であるのはもちろん、内部の走査動作にともない自分自身で発生する振動が小さく抑えられていることが求められる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
走査機構のステージを動かすとステージを支持する走査機構の支持部にはその反作用力が作用し振動として支持部に伝わる。支持部に伝わった振動は、支持部を揺らしたり、その揺れが再度ステージに作用してステージを揺らしたりするので、高精度で位置制御することを求められるステージでは、この振動を抑えることが必要である。振動の発生を抑えるため、ステージを移動させる際のステージの加速度が小さくなるように、ステージをゆっくり移動させることは一つの有効な方法である。しかし、短い時間内に所望の位置に移動させる必要がある場合、求められる移動速度性能を発揮するには、ゆっくり移動させる方法は採用できない。このような場合は振動を抑えるための別の工夫が必要となる。短い時間内に所望の位置に移動させる必要がある場合とは、走査型プローブ顕微鏡の場合を例に取れば、一つには高速走査し短時間に画像を取り込む場合である。また、試料の凹凸が大きく、Z方向の移動を短時間に行わなければならない場合である。
【0009】
本発明の目的は、振動の発生が抑えられた、これにより安定した高精度な位置制御を可能とする走査機構を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一つの観点においては、移動対象物を複数の軸に沿って移動させるための走査機構である。本発明による走査機構は、移動対象物を第一の軸に沿って移動させるための第一のアクチュエータと、第一のアクチュエータを保持している可動部材と、可動部材を第一の軸と異なる第二の軸に沿って移動させるための第二のアクチュエータと、可動部材の第一の軸に沿った動きを規制する第一の案内機構とを備えている。第一のアクチュエータは、第二のアクチュエータよりも高速に移動対象物を移動させることが可能である。第一のアクチュエータは一対の端部を有し、その一方に移動対象物が取り付けられ、一対の端部が対称的に伸縮される基準となる第一のアクチュエータの中央付近あるいは重心付近が可動部材によって保持されている。
【0012】
本発明は、別の観点においては、探針を用いて試料の表面を観察する機械走査型顕微鏡である。本発明による機械走査型顕微鏡は、試料の表面近くに配置される探針と、探針を支持するためのカンチレバーと、探針と試料を相対的に走査するための走査機構と、探針と試料の相互作用に基づくカンチレバーの変位を検出するための変位検出系とを備えている。走査機構は、探針と試料のいずれか一方である移動対象物を、第一の軸に沿って移動させるための第一のアクチュエータと、第一のアクチュエータを保持している可動部材と、可動部材を第一の軸と異なる第二の軸に沿って移動させるための第二のアクチュエータと、可動部材を第一の軸と第二の軸のいずれとも異なる第三の軸に沿って移動させるための第三のアクチュエータと、可動部材の第一の軸に沿った動きを規制する案内機構とを備えている。第一のアクチュエータは、第二のアクチュエータよりも高速に移動対象物を移動させることが可能である。第一のアクチュエータは一対の端部を有し、その一方に移動対象物が取り付けられ、一対の端部が対称的に伸縮される基準となる第一のアクチュエータの中央付近あるいは重心付近が可動部材によって保持されている。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態の走査機構を備える機械走査型顕微鏡すなわち走査型プローブ顕微鏡を図1に示す。
【0014】
図1において、走査型プローブ顕微鏡100は、大まかに走査型プローブ顕微鏡機能の部分と光学顕微鏡機能の部分とからなる。
【0015】
走査型プローブ顕微鏡機能の部分は、筐体101、光センサーユニット102、センサーユニット用Zステージ103、スライドガラス104、スライドガラス保持部105、カンチレバーチップ106、走査機構保持台107、走査機構200、アクチュエータ駆動回路112、走査制御回路113、フィードバック回路114、AC/DC変換回路115、発振回路116、プリアンプ回路117、半導体レーザ駆動回路118、コンピュータ119、モニターTV120を有している。
【0016】
また光学顕微鏡機能の部分は、光源ランプ139レンズ138を含む顕微鏡観察照明光学系110、接眼レンズ140を含む顕微鏡観察観察光学系111、ハーフプリズム137、顕微鏡照明ランプ電源121、更に走査型プローブ顕微鏡機能の部分と共用する光センサーユニット102の対物レンズ122を有している。
【0017】
走査型プローブ顕微鏡機能の部分について説明を加える。走査機構保持台107は、手動で微小送りができる三本のマイクロメータヘッド135(図1には二本のみが描かれている)により、筐体101上に三点支持されている。また、走査機構200は、走査機構保持台107に支持されており、試料109は、図中下向きに、すなわちカンチレバーチップ106側と対向するように、走査機構200に取り付けられる。走査機構200は、試料109をX、Y、Z方向に微動走査させる。この走査機構200の詳細については後で詳しく説明する。走査機構200は、X、Y、Z方向の各々に関してカンチレバーチップ106の探針132と試料109との位置の粗調整を行う調整機構を備えていてもよい。
【0018】
光センサーユニット102は、カンチレバーチップ106のカンチレバー131の動きを測定する、光てこ方式の光センサーである。光センサーユニット102は、対物レンズ122、対物レンズ支持台123、プリズム124、偏光ビームスプリッター125、コリメートレンズ126、半導体レーザ127、レーザ位置調整ステージ128、二分割フォトダイオード129、フォトダイオード位置調整ステージ130を有している。
【0019】
半導体レーザ127から発せられた光は、コリメートレンズ126で平行光とされた後、偏光ビームスプリッター125で反射された後、プリズム124で更に反射され、対物レンズ122に入る。平行光は、対物レンズ122で集光され、カンチレバーチップ106のカンチレバー131の背面に集光される。カンチレバー131の背面で反射された光は、逆の道をたどり、偏光ビームスプリッター125を通過し、更に直進して二分割フォトダイオード129に至る。カンチレバー131の角度変位は、二分割フォトダイオード129上の光スポットの動きに反映され、電気信号として出力される。
【0020】
光センサーユニット102の対物レンズ122は、顕微鏡観察照明光学系110、顕微鏡観察観察光学系111とともに、光学顕微鏡観察光学系を構成し、試料109の光学顕微鏡観察を可能にする。対物レンズ122は、光学顕微鏡用の対物レンズであり、例えば20倍の倍率を有する。
【0021】
センサーユニット用Zステージ103は、対物レンズ122を含む光センサーユニット102の位置を粗動調整するためのステージであって、光センサーユニット102に含まれる対物レンズ122を上下させ、光センサーの焦点合わせや顕微鏡観察の焦点合わせを行う。
【0022】
スライドガラス保持部105は、スライドガラス104を保持する。スライドガラス保持部105には、カンチレバーチップ106の取り付け部から離れたところに、カンチレバー131を励振させるための励振用圧電体133が固定されている。この励振用圧電体133にはカンチレバー131の共振周波数近傍の交流電圧が印加され、この電圧印加に応じて励振用圧電体133は振動し、その振動はカンチレバーチップ106に伝わりカンチレバー131を振動させる。
【0023】
このようにカンチレバー131を振動させる測定では、光センサーユニット102から出力されるカンチレバーの変位信号は交流的になる。AC/DC変換回路115は、これを直流信号に変換する。カンチレバー131を振動させない測定では、この回路はバイパスされ動作されなくてもよい。
【0024】
また、図1には、液体中での観察の様子が描かれており、走査機構200の試料109の付近からカンチレバーチップ106が固定されたスライドガラス104の近傍に、水134が垂らされており、試料109とカンチレバーチップ106は共に水中に位置している。大気中での測定を行う場合には、この水134は不要である。
【0025】
図1に示されるように、走査型プローブ顕微鏡100は、装置を制御/駆動する電気回路などを含んでいる。これらの回路動作は、従来より提案されている走査型プローブ顕微鏡の回路動作と同様である。
【0026】
走査制御回路113には、コンピュータ119から、XYZ走査の制御信号が与えられる。図1に、Zで記される信号は、走査機構200のZ方向走査用のアクチュエータとカンチレバーチップ106の探針132との距離を調整するための信号である。このZの信号は主に測定前のフォースカーブ測定のときなど測定条件設定時にコンピュータから出力される。またコンピュータ119は発振回路116を制御して、励振用圧電体133を動作させ、カンチレバー131をその共振周波数付近で振動させる。
【0027】
測定に入ると、コンピュータ119から出力されるラスター走査制御信号(図にX、Yで記される)に基づいて、走査機構200のアクチュエータがXY方向に走査される。カンチレバー131の先端にある探針132と試料109の表面との相互作用に基づくカンチレバー131の変位は光センサーユニット102で検出され、光センサーユニット102はその変位信号を出力する。光センサーユニット102からの変位信号出力は、プリアンプ回路117で増幅され、AC/DC変換回路115に入力される。AC/DC変換回路115は、発振回路116からの参照信号の周波数成分の信号を抽出し、交流信号を直流信号に変換する。
【0028】
フィードバック回路114は、コンピュータ119から指示されたセッティング信号とAC/DC変換回路115からの入力信号とを比較し、走査制御回路113にZ方向フィードバック信号Zfbを送る。このZ方向フィードバック信号ZfbがZ方向アクチュエータの走査制御信号となる。走査制御回路113は、Z方向フィードバック信号Zfbに基づいてアクチュエータ駆動回路112を制御し、走査機構200のZ方向走査用のアクチュエータを駆動する。コンピュータ119は、自分自身が発生するXYの走査制御信号とフィードバック回路114からの信号を元に、試料の表面情報を三次元情報として処理し、モニターTV120に表示させる。
【0029】
本実施の形態の走査機構200について、図2を参照しながら、詳しく説明する。図2に示されるように、走査機構200は、走査機構保持台201と、これに固定されたアクチュエータ台座202、203と、アクチュエータ台座202、203に取り付けられたアクチュエータ204、205、206とを有している。
【0030】
アクチュエータ204は、例えばX方向に伸縮可能であり、これはアクチュエータ保持部207を介してアクチュエータ台座202に実質的に保持されている。同様に、アクチュエータ205は、例えばY方向に伸縮可能であり、これはアクチュエータ保持部208を介してアクチュエータ台座203に実質的に保持されている。アクチュエータ206は、Z方向に伸縮可能であり、これはアクチュエータ保持部209と210を介してアクチュエータ台座202と203に実質的に保持されている。
【0031】
アクチュエータ204、205、206は、例えば、積層型圧電体であり、圧電体は、例えば、長さが10mmで断面が5mm×3mmであり、100Vの電圧印加に対して3μm伸び縮みする。アクチュエータ204、205、206は、それぞれ、そこから延びる二本の線を介しての駆動電圧の印加に応じて、X、Y、Z方向に伸縮する。
【0032】
アクチュエータ保持部207は、アクチュエータ204の中央付近あるいは重心付近を保持している。アクチュエータ保持部208は、アクチュエータ205の中央付近あるいは重心付近を保持している。アクチュエータ保持部209と210は、アクチュエータ206の中央付近あるいは重心付近を保持している。
【0033】
アクチュエータ206は、その端部に、移動対象物たとえば試料を保持するための試料保持部211を備えている。試料保持部211は、この端面に試料台ガラスが取り付けられる。
【0034】
X方向に伸縮可能なアクチュエータ204は、Z方向に伸縮可能なアクチュエータ206に面する端面に微小球212を備えており、この微小球212が、アクチュエータ206のX方向を横切る一方の端部側面に当て付けられている。同様に、Y方向に伸縮可能なアクチュエータ205は、アクチュエータ206に面する端面に微小球213を備えており、この微小球213が、アクチュエータ206のY方向を横切る一方の端部側面に当て付けられている。
【0035】
このように、アクチュエータの端面が微小球を介して移動対象物に当て付けられている走査機構は、伸縮しないアクチュエータに設けられた微小球は移動対象物に対して案内として働き、伸縮する別のアクチュエータによる移動対象物の移動を妨げないため、動作特性の線形性が高いという利点を有している。このような走査機構は、例えば、特開平9−89910号に開示されており、その内容は参照によって本明細書に組み込まれるものとする。
【0036】
次に、図2に示される走査機構200のZ方向の動作について、これを模式的に示している図3(a)を参照して説明する。図3(a)には、続く説明に必要な部材のみが示されている。
【0037】
図3(a)において、アクチュエータ206は積層型圧電体であり、その中央付近が、接着効果を持つシリコンゴム製のアクチュエータ保持部210によって、走査機構保持台201に設けられたアクチュエータ台座203に固定されている。積層型圧電体206は、電圧の印加に応じて、アクチュエータ保持部210に固定された中央付近を基準にして、その両側の部分が、矢印で示されるように、両方向に伸縮する。
【0038】
一般に、アクチュエータの動作は、これを保持するアクチュエータ保持部に振動やアクチュエータの動作の反作用による衝撃を与える。このような振動や衝撃は、走査機構を揺らす原因となる。高速での走査や高い周波数での走査では、走査機構の振動は極力抑えられることが望まれる。
【0039】
本実施の形態では、アクチュエータ206の中央付近が保持されているので、図中に×印で示されるアクチュエータ206とアクチュエータ保持部210の界面においては、衝撃がバランスし、アクチュエータ台座203や走査機構保持台201に伝わる振動が抑えられる。これは、後述する図7と図8と図9の比較例と比べることでより良く理解されよう。
【0040】
以上は、Z方向走査用のアクチュエータ206に関する振動発生の抑制の説明であるが、X方向走査用のアクチュエータ204とY方向走査用のアクチュエータ205についても同様に振動の発生が抑制される。
【0041】
従来、このような積層型圧電体等のアクチュエータは、走査範囲を広く取るため、つまり長いストロークを得るため、通常は一方の端部が保持される。このため、アクチュエータの動作の反作用が保持部にかかり、これが走査機構を揺らせてしまっている。
【0042】
これに対して、本実施の形態のようにアクチュエータの中央付近が保持された走査機構では、運動系の重心付近が保持されるため、保持位置でのぶれが抑えられる。その結果、この走査機構は、振動が少なく、高速走査に対しても安定に動作する。
【0043】
図1で示した走査型プローブ顕微鏡では、X方向に100画素/ライン、Y方向に100ライン(10000画素/画面)でのデータの取り込みにおいて、0.5μm×0.5μmの試料表面の観察範囲を、0.5秒/画面という画像取り込み速度で、液体中の試料(150nm径のラテックス球)の測定が行えた。0.5秒/画面という画像取り込み速度の値は、走査型プローブ顕微鏡においては、極めて短時間である。なお、この測定には、液体中での共振周波数が395kHzの、長さ9μm×幅2μm×厚さ0.09μmの窒化シリコン製のカンチレバーを用いた。
【0044】
また、本実施の形態の走査機構は、アクチュエータ206に、市販のアクチュエータを、加工することなく、そのまま使えるので、コストを安く抑えることができるという利点も有している。
【0045】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態について図3(b)を参照して説明する。図3(b)は、図3(a)に相当する図面であり、続く説明に必要な部材のみが示されている。また、これらの図面中、同じ参照符号で示される部材は同等の部材を示している。
【0046】
本実施の形態の走査機構では、Z方向走査用のアクチュエータ305は、例えばアルミニウムのブロックからなるアクチュエータ連結部308と、これに連結された二本の積層型圧電体306、307とを有している。二本の積層型圧電体306、307は、一般に広く市販されているものであり、これらは、アクチュエータ連結部308を間に挟んで直線的に延びるように、接着剤によってアクチュエータ連結部308に固定されている。また、積層型圧電体306の自由端には、試料保持部211が取り付けられている。
【0047】
図3(a)との類似性から理解されるように、本実施の形態の走査機構も、アクチュエータ305の中央付近が保持されているため、振動が少なく、高速走査に対しても安定に動作する。
【0048】
さらに、本実施の形態の走査機構では、二本の積層型圧電体306、307の間に挟まれたアクチュエータ連結部308が、例えばシリコンゴムからなるアクチュエータ保持部210によって保持される。このため、本実施の形態の走査機構は、第1の実施の形態の走査機構に比べて、アクチュエータ305の取り付けの際のシリコンゴムの盛りつけ量などにばらつきに対しても、走査機構の個体差(性能差)が出にくいという利点を有している。
【0049】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態について図4を参照して説明する。本実施の形態の走査機構は、図4に示されるように、走査機構保持台401と、これに固定されたL字形状のアクチュエータ台座402と、このアクチュエータ台座402に取り付けられた二本のアクチュエータ403、404と、これらの二本のアクチュエータ403、404によって保持されたアクチュエータ405とを有している。
【0050】
アクチュエータ403、404、405は、例えば積層型圧電体であり、それぞれ、X方向、Y方向、Z方向に伸縮し得る。X方向走査用のアクチュエータ403とY方向走査用のアクチュエータ404は、それぞれ、一方の端部がアクチュエータ台座402に固定されている。Z方向走査用のアクチュエータ405は、一番速い走査速度が要求され、その中央付近が、X方向走査用のアクチュエータ403とY方向走査用のアクチュエータ404の他方の端部に接着により固定されている。
【0051】
速い走査速度が要求されるZ方向走査用のアクチュエーターすなわち積層型圧電体405は、電圧の印加に応じて、X方向走査用のアクチュエータ403とY方向走査用のアクチュエータ404に固定された中央付近を基準にして、その両側の部分が、矢印で示されるように、両方向に対称的に伸縮する。このため、積層型圧電体405の伸縮動作により発生する衝撃が抑えられる。従って、本実施の形態の走査機構は、振動が少なく、高速走査に対しても安定に動作する。
【0052】
また、本実施形態の走査機構は、第1の実施の形態の走査機構に比べて、以下に述べる利点を有している。第1の実施の形態の走査機構では、X、Y方向走査用のアクチュエータが微小ボールを介してZ方向走査用のアクチュエータに当て付けられているため、長時間の使用の間に、与圧不足となって、X、Y方向の走査が不安定になることもある。これに対して、本実施の形態の走査機構では、Z方向走査用のアクチュエータ405は接着によってX、Y方向走査用のアクチュエータ403、404に固定されているので、X、Y方向の走査が不安定になり難い。
【0053】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態について図5を参照して説明する。本実施の形態の走査機構は、図5に示されるように、走査機構保持台501と、これに固定された円筒型のアクチュエータ502と、このアクチュエータ502の自由端に固定された別の円筒型のアクチュエータ503とを有している。
【0054】
円筒型のアクチュエータ502は、例えば円筒型圧電体であり、このような円筒型圧電体は市販されている走査型プローブ顕微鏡においてよく用いられている。円筒型圧電体502は、その外周面に設けられた四つの分割電極504と、内周面に設けられた対向電極とを有しており、これらの電極間に適宜電圧を印加することにより、その自由端をX方向とY方向に走査し得る。
【0055】
円筒型のアクチュエータ503もまた、例えば円筒型圧電体であり、これは円筒型圧電体502より小型であり、円筒型圧電体502よりも高い共振周波数を有している。円筒型圧電体503は、その外周面に設けられた一つの電極と、内周面に設けられた一つの電極とを有しており、両電極間に適宜電圧を印加することにより、その自由端をZ方向に走査し得る。
【0056】
円筒型圧電体503は、その中央付近が円筒型圧電体502の自由端に固定されている。このため、円筒型圧電体503は、その電極間の電圧印加に応じて、円筒型圧電体502に固定された中央付近を基準にして、その両側の部分が、矢印で示されるように、両方向に対称的に伸縮する。このため、高速のZ方向の走査を担う円筒型圧電体503の伸縮動作により発生する衝撃が抑えられる。従って、本実施の形態の走査機構は、振動が少なく、高速走査に対しても安定に動作する。
【0057】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態について図6を参照して説明する。本実施の形態の走査機構は、図6に示されるように、XY方向走査のための平行ばねステージ構造のXYステージと、これに取り付けられたZ方向走査のためのアクチュエータ606を有している。平行ばねステージ構造のXYステージは、特開平11−126110号に開示されており、その内容は参照によって本明細書に組み込まれるものとする。
【0058】
XYステージは、固定テーブル601と可動テーブル607を有しており、可動テーブル607のY方向の両側に設けられた一対の弾性部材608、609と、可動テーブル607のX方向の両側に設けられた一対の弾性部材610、611と、可動テーブル607をX方向に移動させるための変位を発生する一対のX方向用アクチュエータ602、603と、可動テーブル607をY方向に移動させるための変位を発生する一対のY方向用アクチュエータ604、605とを有している。
【0059】
弾性部材608、609は、例えば、X方向に延びるスリットを持つX方向に長い矩形ばねであり、それぞれ、X方向に関して比較的高い剛性を有し、反対に、Y方向に関して比較的低い剛性を有している。弾性部材610、611は、例えば、Y方向に延びるスリットを持つY方向に長い矩形ばねであり、それぞれ、Y方向に関して比較的高い剛性を有し、反対に、X方向に関して比較的低い剛性を有している。
【0060】
高速走査が要求されるZ方向走査を担うアクチュエータ606は、例えば積層型圧電体であり、これはその中央付近が可動テーブル607に例えば接着により固定されている。Z方向走査用の積層型圧電体606は、電圧の印加に応じて、可動テーブル607に固定された中央付近を基準にして、その両側の部分が、矢印で示されるように、両方向に対称的に伸縮する。このため、積層型圧電体606の伸縮動作により発生する衝撃が抑えられる。従って、本実施の形態の走査機構は、振動が少なく、高速走査に対しても安定に動作する。
【0061】
以下、本発明の走査機構の利点の理解を助けるための比較例について説明する。以下に述べる比較例はいずれも従来例に従う走査機構である。
【0062】
(第1の比較例)
第1の比較例について図7を参照して説明する。本比較例の走査機構は、図7に示されるように、走査機構保持台701と、これに固定されたL字形状のアクチュエータ台座702と、このアクチュエータ台座702に取り付けられた二本のアクチュエータ703、704と、これらの二本のアクチュエータ703、704によって保持されたアクチュエータ705とを有している。
【0063】
アクチュエータ703、704、705は、例えば積層型圧電体であり、それぞれ、X方向、Y方向、Z方向に伸縮し得る。X方向走査用の積層型圧電体703とY方向走査用の積層型圧電体704は、それぞれ、一方の端部がアクチュエータ台座702に固定されている。Z方向走査用の積層型圧電体705は、長いストロークすなわち走査範囲を得るために、一方の端部が、X方向走査用の積層型圧電体703とY方向走査用の積層型圧電体704の他方の端部に接着により固定されている。
【0064】
この走査機構では、Z方向走査用の積層型圧電体705の伸縮動作は、X、Y方向走査用の積層型圧電体703、704にモーメントを発生させる。これは振動を発生させ、発生した振動はアクチュエータ台座702や走査機構保持台701に伝わり、走査機構を揺らす。
【0065】
上述した実施形態の走査機構はいずれも、この比較例の走査機構に比べて、振動ノイズが低減されている。
【0066】
(第2の比較例)
第2の比較例について図8を参照して説明する。本比較例の走査機構は、図8に示されるように、走査機構保持台801と、これに固定されたL字形状のアクチュエータ台座802と、このアクチュエータ台座802に固定されたX走査用のアクチュエータ803と、X走査用のアクチュエータ803の自由端部に固定されたY走査用のアクチュエータ804と、Y走査用のアクチュエータ804の自由端部に固定されたZ走査用のアクチュエータ805とを有している。
【0067】
アクチュエータ803、804、805は、例えば積層型圧電体であり、これらは、長いストロークすなわち走査範囲を得るために、互いに直列に90度方向を変えて連結されている。
【0068】
この走査機構では、Z方向走査用の積層型圧電体805の伸縮動作は、第1の比較例と同様に、Y方向走査用の積層型圧電体804やX方向走査用の積層型圧電体803にモーメントを発生させる。これは振動を発生させ、発生した振動はアクチュエータ台座802や走査機構保持台801に伝わり、走査機構を揺らす。
【0069】
上述した実施形態の走査機構はいずれも、この比較例の走査機構に比べて、振動ノイズが低減されている。
【0070】
(第3の比較例)
第3の比較例について図9を参照して説明する。本比較例の走査機構は、図9に示されるように、走査機構保持台901と、これに固定されたL字形状のアクチュエータ台座902と、X方向走査用のアクチュエータ903と、Y方向走査用のアクチュエータ904と、Z方向走査用のアクチュエータ905とを有している。アクチュエータ903、904、905は、例えば積層型圧電体であり、それぞれ、X方向、Y方向、Z方向に伸縮し得る。
【0071】
X方向走査用のアクチュエータ903とY方向走査用のアクチュエータ904の一方の端部はアクチュエータ台座902に固定され、Z方向走査用のアクチュエータ905の一方の端部は走査機構保持台901に固定されている。三本の積層型圧電体903、904、905の他方の端部は互いに連結されている。つまり、本比較例の走査機構は、走査型トンネリング顕微鏡の走査機構として最も一般的な構造の一つである、いわゆるトライポッド型の走査機構である。
【0072】
この走査機構では、Z方向走査用の積層型圧電体905の伸縮動作は、その反作用が走査機構保持台901に直接伝わって走査機構を揺らしたり、XY方向走査用の積層型圧電体903、904を歪ませ、その振動がアクチュエータ台座902に伝わって走査機構を揺らしたりする。
【0073】
上述した実施形態の走査機構はいずれも、この比較例の走査機構に比べて、振動ノイズが低減されている。
【0074】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態について図10を参照して説明する。図10(a)は本実施の形態の走査機構の斜視図であり、図10(b)は、図10(a)を矢印Aの方向から見た図であり、図10(c)は図10(a)を矢印Bの方向から見た図である。
【0075】
本実施の形態の走査機構は、走査機構保持台1001と、これに固定された第1のアクチュエータ保持部1006と、このアクチュエータ保持部1006に取り付けられたY方向に伸縮可能なY方向走査用アクチュエータ1002と、Y方向走査用アクチュエータ1002の他端に取り付けられたブロック1008と、ブロック1008に固定された第2のアクチュエータ保持部1009と、このアクチュエータ保持部に取り付けられたX方向に伸縮可能なX方向走査用アクチュエータ1003と、X方向走査用アクチュエータ1003の他端に取り付けられたアクチュエータ連結部1011と、アクチュエータ連結部1011に固定されたZ方向に伸縮可能な二本のアクチュエータ1004、1005とを有している。
【0076】
二本のアクチュエータ1004、1005とアクチュエータ連結部1011は、Z方向走査用アクチュエータを構成している。Z方向走査用アクチュエータを構成するアクチュエータ1004の自由端側1013には、必要に応じて、(図2の試料保持部211と同様の)試料保持部が取り付けられる。第1のアクチュエータ保持部1006はねじ1007によって走査機構保持台1001に固定されており、第2のアクチュエータ保持部1009はねじ1010によってブロック1008に固定されている。
【0077】
アクチュエータ1002、1003、1004、1005は、例えば積層型圧電体であり、長さが5mmで断面が2mm×3mmであり、100Vの電圧印加に対して2.7μm伸び縮みする。これらのアクチュエータは、積層型圧電体の代わりに、円筒型圧電体が用いられてもよい。
【0078】
図10(b)や図10(c)から理解されるように、ブロック1008は走査機構保持台1001とは接触しておらず、Y方向走査用アクチュエータ1002の駆動に従ってY方向に動く。また図10(b)から理解されるように、アクチュエータ連結部1011は、ブロック1008とは接触しておらず、X方向走査用アクチュエータ1003の駆動に従ってX方向に動く。
【0079】
走査周波数の速いZ方向の走査に伴い発生する振動のX走査用アクチュエータ1003などへの伝達を抑えるため、Z走査用アクチュエータを構成する二本のアクチュエータ1004、1005は、アクチュエータ連結部1011を中心に互いに逆方向に同期しながら駆動される。
【0080】
走査機構の小型化のため、Z走査用アクチュエータの下側のアクチュエータ1005は、ブロック1008に形成された貫通穴(にげ穴)1012の中に、ブロック1008に接触することなく延びている。
【0081】
本実施の形態の走査機構は、図3(b)を用いて説明した第2の実施の形態と同様、Z方向走査用アクチュエータを構成する二本のアクチュエータ1004、1005がZ方向に対称的に伸縮するので、高速のZ方向の走査により発生する衝撃がバランスするため、二本のアクチュエータ1004、1005を連結しているアクチュエータ連結部1011に生じる振動が少ない。従って、アクチュエータ連結部1011を保持しているX方向走査用アクチュエータ1003や、さらにこれを保持しているY方向走査用アクチュエータ1002が受ける振動が少ない。その結果、この走査機構は、高速走査に対しても安定して動作する。
【0082】
また、本実施の形態の走査機構1000は、ブロック1008の左端からX方向走査用アクチュエータを右側に折り返した構造になっており、ブロック1008の上に載る部分(例えばX方向走査用アクチュエータ1003などを含む)の機構の重心が、Y方向走査用アクチュエータの中心軸(伸縮方向に平行で、アクチュエータの断面の中心を通る線)付近に位置するので、Y方向走査に対してヨーイングが起き難いX方向に関してバランスの取れた構造となっている。この点も高速走査時の安定性の向上に貢献している。
【0083】
(第7の実施の形態)
本発明の第7の実施の形態について図11を参照して説明する。本実施の形態の走査機構は、その基本的な構成は図10を用いて説明した第6の実施の形態の走査機構1000と類似している。
【0084】
本実施の形態の走査機構1100は、走査機構保持台1101と、これに固定された第1のアクチュエータ保持部1106と、このアクチュエータ保持部1106に取り付けられたY方向に伸縮可能なY方向走査用アクチュエータ1102と、Y方向走査用アクチュエータ1102の他端に取り付けられたブロック1108と、ブロック1108に固定された第2のアクチュエータ保持部1109と、このアクチュエータ保持部1109に取り付けられたX方向に伸縮可能なX方向走査用アクチュエータ1103と、X方向走査用アクチュエータ1103の他端に取り付けられたアクチュエータ連結部1111と、アクチュエータ連結部1111に固定されZ方向に伸縮可能な二本のアクチュエータ1104、1105とを有している。
【0085】
二本のアクチュエータ1104、1105とアクチュエータ連結部1111は、Z方向走査用アクチュエータを構成している。Z方向走査用アクチュエータを構成するアクチュエータ1104の自由端側1121には、必要に応じて、(図2の試料保持部211と同様の)試料保持部が取り付けられる。アクチュエータ保持部1006はねじ1007によって走査機構保持台1001に固定されている。
【0086】
ブロック1108は、弾性ヒンジ機構1117、1118およびブロック保持部1113、1114を有している。ブロック保持部1113、1114は、ねじ1115、1116によって走査機構保持台1101に固定されている。弾性ヒンジ機構1117、1118は、貫通穴1120とそれにつながる切り込み溝1119を交互に配置して形成されるバネ性を持つ機構であり、Y方向走査用アクチュエータ1102のY方向の移動を制約することなく、Y方向走査用アクチュエータ1102のZ方向のたわみを制限する。
【0087】
図10に示される第6の実施の形態の走査機構1000では、試料保持部がZ方向走査用アクチュエータ1004の端部1013に必要に応じて取り付けられ、試料が試料保持部に取り外し可能に固定される。試料の取り替えの際、試料固定のために−Z方向に押しつける力が試料保持部に加わる。X方向走査用アクチュエータ1003、Y方向走査用アクチュエータ1002はそれぞれ実質的に片持ち支持される梁構造なので、その固定端に、試料交換の際に試料保持部に加わる力のモーメントによる応力が働いて折れる可能性がある。特に、Y方向走査用アクチュエータ1002とアクチュエータ保持部1006との接合部が折れ易い。このため、試料の取り替え作業は慎重に行う必要がある。
【0088】
これに対して図11に示される本実施の形態の走査機構1100では、Y方向走査用アクチュエータ1102は、ブロック1108とアクチュエータ保持部1107とによって両持ち支持されている。これにより、第6の実施の形態の走査機構1000では最も折れ易かったY方向走査用アクチュエータ1102とアクチュエータ保持部1106の接合部での折れは発生し難い。両持ち支持は、また、Y方向走査用アクチュエータ1102がその上に設けられた機構の重さにより重力方向(−Z方向)にたわむのを防止し、たわみによるXYZ走査方向の直交性が崩れるのを防いでいる。
【0089】
これらの観点からすると本実施の形態のY方向走査機構は、弾性ヒンジ機構を使った案内機構を有していると見ることもできる。あるいは折り畳まれたヒンジ機構を延ばして考えれば、板バネ機構を使った案内機構を有していると見ることもできる。また、案内機構は、アクチュエータのたわみおよび振動の低減機構を構成していると言える。
【0090】
本実施の形態の走査機構は、前述の実施の形態同様、Z方向走査用アクチュエータを構成する二本のアクチュエータ1104、1105がZ方向に対称的に伸縮するので、高速のZ方向の走査により発生する衝撃がバランスするため、走査動作に伴い発生する振動が少なく、高速走査に対しても安定して動作する。
【0091】
本実施の形態では、Y方向走査用アクチュエータ1102の可動端側に対して案内機構すなわち弾性ヒンジが設けられているが、X方向走査用アクチュエータ1103の可動端側に対して案内機構を設けて、X方向走査用アクチュエータ1103の重力方向へのたわみや折れを防いで振動を低減するようにしてもよい。
【0092】
(第8の実施の形態)
本発明の第8の実施の形態について図12を参照して説明する。図12(a)は、本実施の形態の走査機構の斜視図であり、図12(b)は、図12(a)を矢印Cの方向から見た側面図である。
【0093】
本実施の形態の走査機構1200は、走査機構保持台1201と、これに固定された第1のアクチュエータ保持部1206と、このアクチュエータ保持部1206に取り付けられたY方向に伸縮可能なY方向走査用アクチュエータ1202と、Y方向走査用アクチュエータ1202の他端に取り付けられたブロック1208と、ブロック1208に固定された第2のアクチュエータ保持部1209と、このアクチュエータ保持部1209に取り付けられたX方向に伸縮可能なX方向走査用アクチュエータ1203と、X方向走査用アクチュエータ1203の他端に取り付けられたアクチュエータ連結部1211と、アクチュエータ連結部1211に固定されたZ方向に伸縮可能な二本のアクチュエータ1204、1205とを有している。
【0094】
二本のアクチュエータ1204、1205とアクチュエータ連結部1211は、Z方向走査用アクチュエータを構成している。Z方向走査用アクチュエータを構成するアクチュエータ1204の自由端側1226には、必要に応じて、(図2の試料保持部211と同様の)試料保持部が取り付けられる。第1のアクチュエータ保持部1206はねじ1207によって走査機構保持台1201に固定されており、第2のアクチュエータ保持部1209はねじ1210によってブロック1208に固定されている。
【0095】
図12(b)に示されるように、Y方向走査用アクチュエータ1202の駆動に従ってY方向に移動されるブロック1208は、走査機構保持台1201と第1の抑え部材1212との間に位置しており、微小球1216、1222、1224、1225、1215(図12(a)参照)によって挟み込まれ、ブロック1208はZ方向への動きが制限されている。走査機構保持台1201と抑え部材1212は、互いに平行に固定されるように、ねじ1213、1214によって間隔が調整されている。これにより、Y方向走査用アクチュエータ1202は、Y方向への動きに関しては大きな制約を受けないが、Z方向への動きが制限される。
【0096】
X方向走査用アクチュエータ1203の駆動に従ってX方向に移動されるアクチュエータ連結部1211は、ブロック1208と第2の抑え部材1217との間に位置しており、微小球1219、1220により上から、また微小球1221により下から支えられて、Z方向への動きが制限されている。ブロック1208と抑え部材1217は、互いに平行に固定されるように、ねじ1218、1227によって間隔が調整されている。これにより、X方向走査用アクチュエータ1203は、X方向への動きに関しては大きな制約を受けないが、Z方向への動きが制限される。
【0097】
このように本実施の形態の走査機構1200では、抑え部材1212とねじ1213、1214と微小球1216、1215、1222、1224、1225を含むねじ機構によってY方向走査用アクチュエータ1202のたわみと振動が抑えられており、また、抑え部材1217とねじ1218、1227と微小球1219、1220を含むねじ機構によってX方向走査用アクチュエータ1203のたわみと振動が抑えられている。言い換えれば、抑え部材とねじと微小球を含むねじ機構は、微小球と案内板(面)を用いた微小球の滑り案内機構もしくは転がり案内機構を構成しており、この案内機構は、アクチュエータのたわみおよび振動の低減機構を構成している。
【0098】
特開平9−89910には、微小球の滑り案内機構もしくは転がり案内機構を有している走査型プローブ顕微鏡のプローブ走査機構が開示されている。この走査機構では、走査される部材である移動体と各アクチュエータの可動端の端面との間に微小球が配置されており、アクチュエータの変位は微小球を介して間接的に移動体に伝えられる。また、移動体と各アクチュエータは、磁石やバネによって、微小球を間に挟んで互いに引き付けられている。
【0099】
これに対して、本実施の形態の走査機構1200は、微小球の滑り案内機構もしくは転がり案内機構を利用してはいるが、移動される部材(例えばブロック1208)は、これを駆動するアクチュエータ(例えばY方向走査用アクチュエータ1202)に直接連結されており、微小球の滑り案内機構もしくは転がり案内機構は、このアクチュエータの走査方向の動きを制約しないように、移動される部材を案内する。
【0100】
本実施の形態の走査機構と特開平9−89910号の走査機構は共に微小球の滑り案内機構もしくは転がり案内機構を有しているが、この点において両者は構造的に異なっている。本実施の形態の走査機構の方が、高い機械的剛性を持ち、直接的な駆動を行なっているため、振動がより少なく、より高速の走査を行なうことができる。
【0101】
また、特開平9−89910のプローブ走査機構では、走査される部材である移動体を保持するための機構(すなわち磁石やバネ)を走査を担う部分に内蔵させているために形状が大きくなる傾向にあり、本発明の走査機構の目指す高速走査の用途には適していない。また、磁石を用いた構成においては、移動体が不用意に外れて落下してしまう可能性が否定できず、使用に際し慎重に扱う必要があり、使い勝手の面でやや問題がある。
【0102】
これに対して、本実施の形態の走査機構では、走査される部材であるブロック1208とアクチュエータ連結部1211は共に、Z方向の両側の側面に微小球が接して配置され、外側から抑えられている。すなわち、走査される部材を保持するための機構が、走査を担う部分の外部に設けられている。従って、走査周波数の低下を招く被走査部の重量の増加や形状の大型化などを最小限に抑えることができ、高速走査の用途に適している。また、走査される部材の落下の心配もなく、安定して使用することができる。
【0103】
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0104】
従って、本明細書には以下の各項に記す発明が含まれている。
【0105】
1.走査のために移動対象物を移動させるためのアクチュエータと、これを保持する保持部とを含んでおり、アクチュエータはその中央付近が保持部によって保持されていることを特徴とする走査機構。
【0106】
2.走査のために移動対象物を移動させるためのアクチュエータと、これを保持する保持部とを含んでおり、アクチュエータはその重心付近が保持部によって保持されていることを特徴とする走査機構。
【0107】
3.走査のために移動対象物を移動させるための駆動体を更に含んでおり、この駆動体は、アクチュエータによる移動方向とは異なる方向に移動対象物を移動させ、アクチュエータによる移動方向に関する走査は、他の移動方向に関する走査よりも高い走査周波数を有している、第1項または第2項に記載の走査機構。
【0108】
4.アクチュエータが圧電体である、第1項ないし第3項のいずれかひとつに記載の走査機構。
【0109】
5.圧電体が積層型の圧電体である、第4項に記載の走査機構。
【0110】
6.圧電体が円筒型の圧電体である、第4項に記載の走査機構。
【0111】
7.駆動体は、別の二本のアクチュエータを含んでいる、第3項に記載の走査機構。
【0112】
8.駆動体は、平行ばねステージ構造のXYステージを含んでいる、第3項に記載の走査機構。
【0113】
9.たわみおよび振動の低減機構を有している、第3項に記載の走査機構。
【0114】
10.たわみおよび振動の低減機構は案内機構を有している、第9項に記載の走査機構。
【0115】
11.案内機構は、弾性ヒンジ機構を有している、第10項に記載の走査機構。
【0116】
12.案内機構は、微小球の滑り案内を有している、第10項に記載の走査機構。
【0117】
13.案内機構は、微小球の転がり案内を有している、第10項に記載の走査機構。
【0118】
14.上記各項のいずれかひとつに記載の走査機構を含んでいる機械走査型顕微鏡。
【0119】
15.上記各項のいずれかひとつに記載の走査機構を含んでいる走査型プローブ顕微鏡。
【0120】
また、上述した実施の形態では、圧電体のアクチュエータを例にあげて説明したが、駆動部の運動系の重心付近を保持することにより振動の発想を抑えるという技術思想は他のアクチュエータにも適用できる。例えば、ボイスコイル方式のアクチュエータに対しても適用可能であり、その運動系の重心付近を保持することにより同様の利点を得ることができる。
【0121】
さらに本発明の走査機構は、振動を抑えて高速動作を可能にする利点のほかに、走査ノイズ音を低減する利点も有しており、これにより不快な駆動音を低減することができる。
【0122】
【発明の効果】
本発明によれば、機械的な走査機構において、走査動作に伴う振動の発生を抑え、振動ノイズの少ない安定した走査機構を提供することができる。本発明によれば、走査方向が複数ある機械的な走査機構において、最も走査の周波数が高い可動方向の動作を担う駆動部からの振動を抑え、振動ノイズの少ない安定した走査機構を提供することができる。
【0123】
本発明によれば、走査機構の振動を抑えて、振動ノイズが少なく高速走査ができる機械走査型顕微鏡提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の走査機構を備える走査型プローブ顕微鏡を示している。
【図2】図1に示される走査機構を説明するための図面であり、(a)はこの走査機構の斜視図であり、理解を容易にするために上下逆に描かれている。(b)はこの走査機構のZ方向から見た側面図、(c)はこの走査機構のY方向から見た側面図、(d)はこの走査機構のX方向から見た側面図である。
【図3】 (a)は、図2に示される走査機構の動作を説明するための模式図である。(b)は、本発明の第2の実施の形態の走査機構の動作を説明するための模式図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の走査機構の動作を説明するための図面であり、(a)はこの走査機構の斜視図であり、理解を容易にするために上下逆に描かれている。(b)はこの走査機構のX方向から見た側面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態の走査機構の動作を説明するための図面であり、(a)はこの走査機構の斜視図であり、理解を容易にするために上下逆に描かれている。(b)はこの走査機構の部分断面側面図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態の走査機構の動作を説明するための図面であり、(a)はこの走査機構の平面図であり、(b)はこの走査機構のLx線に沿った断面図である。
【図7】本発明の走査機構の理解を助けるために、従来例に従う比較例1の走査機構を説明するための図面であり、(a)はこの走査機構の斜視図であり、(b)はこの走査機構の部分断面側面図である。
【図8】本発明の走査機構の理解を助けるために、従来例に従う比較例2の走査機構を説明するための図面であり、(a)はこの走査機構の斜視図であり、(b)はこの走査機構の部分断面側面図である。
【図9】本発明の走査機構の理解を助けるために、従来例に従う比較例3の走査機構を説明するための図面であり、(a)はこの走査機構の斜視図であり、(b)はこの走査機構の部分断面側面図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態の走査機構の動作を説明するための図面であり、(a)はこの走査機構の斜視図であり、(b)はこの走査機構を矢印A方向からみた図、(c)はこの走査機構を矢印Bからみた図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態の走査機構の動作を説明するための図面である。
【図12】本発明の第8の実施の形態の走査機構の動作を説明するための図面であり、(a)はこの走査機構の斜視図であり、(b)はこの走査機構を矢印C方向からみた図である。
【符号の説明】
200 走査機構
201 走査機構保持台
202、203 アクチュエータ台座
204、205、206 アクチュエータ
207、208、209、210 アクチュエータ保持部
Claims (12)
- 移動対象物を複数の軸に沿って移動させるための走査機構であって、
移動対象物を第一の軸に沿って移動させるための第一のアクチュエータと、
第一のアクチュエータを保持している可動部材と、
可動部材を第一の軸と異なる第二の軸に沿って移動させるための第二のアクチュエータと、
可動部材の第一の軸に沿った動きを規制する第一の案内機構とを備えており、
第一のアクチュエータは、第二のアクチュエータよりも高速に移動対象物を移動させることが可能であり、
第一のアクチュエータは一対の端部を有し、その一方に移動対象物が取り付けられ、一対の端部が対称的に伸縮される基準となる第一のアクチュエータの中央付近あるいは重心付近が可動部材によって保持されている走査機構。 - 第一のアクチュエータは、一対の積層型圧電アクチュエータと、これらを直列的に連結している連結部材とを備えており、連結部材が可動部材によって保持されている請求項1記載の走査機構。
- 第二のアクチュエータは、第二の軸に沿って伸縮し得る積層型圧電アクチュエータを備えており、積層型圧電アクチュエータは一対の端部を有し、一方の端部は可動部材に連結され、他方の端部は固定されている請求項1に記載の走査機構。
- 第一の案内機構は、可動部材に設けられた弾性部材を有している請求項1に記載の走査機構。
- 可動部材を、第一の軸と第二の軸の何れとも異なる第三の軸に沿って移動させるための第三のアクチュエータと、可動部材の第一の軸に沿った動きを規制する第二の案内機構とを更に備えている請求項1または請求項4に記載の走査機構。
- 第二の案内機構は、可動部材に設けられた弾性部材を有している請求項5に記載の走査機構。
- 第二のアクチュエータの端部は、第三の弾性部材を介して可動部材に連結され、第三のアクチュエータの端部は、第二の弾性部材を介して可動部材に連結されている請求項6に記載の走査機構。
- 第一の案内機構の弾性部材は、第二の軸に沿った剛性が、第三の軸に沿った剛性よりも高く、これとは反対に、第二の案内機構の弾性部材は、第三の軸に沿った剛性が、第三の軸第二の軸に沿った剛性よりも高い、請求項6に記載の走査機構。
- 第一の案内機構の弾性部材は、第二の軸に沿って延びる細長いスリットを有する矩形バネを備えており、第二の案内機構の弾性部材は、第三の軸に沿って延びる細長いスリットを有する矩形バネを備えている請求項8に記載の走査機構。
- 第三のアクチュエータは、第三の軸に沿って伸縮し得る積層型圧電アクチュエータを備えており、積層型圧電アクチュエータは一対の端部を有し、一方の端部は可動部材に連結され、他方の端部は固定されている請求項1または請求項3に記載の走査機構。
- 探針を用いて試料の表面を観察する機械走査型顕微鏡であり、試料の表面近くに配置される探針と、探針を支持するためのカンチレバーと、探針と試料を相対的に走査するための走査機構と、探針と試料の相互作用に基づくカンチレバーの変位を検出するための変位検出系とを備えており、走査機構は、探針と試料のいずれか一方である移動対象物を、第一の軸に沿って移動させるための第一のアクチュエータと、第一のアクチュエータを保持している可動部材と、可動部材を第一の軸と異なる第二の軸に沿って移動させるための第二のアクチュエータと、可動部材を第一の軸と第二の軸のいずれとも異なる第三の軸に沿って移動させるための第三のアクチュエータと、可動部材の第一の軸に沿った動きを規制する案内機構とを備えており、
第一のアクチュエータは、第二のアクチュエータよりも高速に移動対象物を移動させることが可能であり、
第一のアクチュエータは一対の端部を有し、その一方に移動対象物が取り付けられ、一対の端部が対称的に伸縮される基準となる第一のアクチュエータの中央付近あるいは重心付近が可動部材によって保持されている機械走査型顕微鏡。 - 第一のアクチュエータは、一対の積層型圧電アクチュエータと、これらを直列的に連結している連結部材とを備えており、連結部材が可動部材によって保持されている請求項11に記載の機械走査型顕微鏡。
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