JP4786146B2

JP4786146B2 - 製品保管システム

Info

Publication number: JP4786146B2
Application number: JP2004173331A
Authority: JP
Inventors: 俊明井沼; 崇松岡; 泰三木下
Original assignee: Hitachi Ltd; Hitachi Transport System Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd; Logisteed Ltd
Priority date: 2004-06-11
Filing date: 2004-06-11
Publication date: 2011-10-05
Anticipated expiration: 2024-06-11
Also published as: JP2005350222A

Description

本発明は、製品保管システムに係り、特に、所定の保管エリアに製品を保管する製品保管システムに好適なものである。

顧客の製品を預かり保管する保管業務と、保管している製品を顧客の指示に基づいて指定された届け先へ輸送する配送業務とを物流企業が一括して行なう物流サービス業務が広く行なわれている。この物流サービス業務においては、保管されている製品の配送先が決定されると、配送予定日の前日または配送の直前までに、配送先毎あるいは配送方面ルート毎に保管製品をピッキングして荷を纏める出荷ピッキング作業が行なわれる。

この出荷ピッキング作業は、保管されている製品の保管位置情報を手がかりに、探し出すべき製品の製品名称及び製品コードなどの製品個体を作業者が確認して、確実に間違いなく製品をピッキングする事が要求される。すなわち、この確認作業は、外装表示を作業者自身が目視確認するか、または、製品個体を識別する為の情報表示（例えばバーコードラベルが貼付または印刷されている場合には、このバーコードラベル）を読取端末（例えばバーコード読取端末）で確認する等で行なわれる。

従来、製品を探し出す手がかりとなる製品保管位置情報については、製品の入庫時に保管位置まで搬送、搭置した作業者自身が自分の記憶に残すか、または、予め保管位置を示すアドレスを決めて保管時にそのアドレスを在庫管理システムに登録しておく、等の運営方法で対応している。

後者は、固定ロケーションや保管アドレス方式と呼ばれる運営方法であり、保管した作業者以外でも、そのアドレスを手がかりに製品を探すことができるという利点がある。この製品の保管情報は、製品自身が持つ製品名称、製品コード及び数量などの製品情報と、アドレス等の保管位置情報とを組み合わせて一括で情報管理するものであり、これらを総称して在庫管理システムといい、多くの物流企業で運用され普及されている。なお、在庫管理システムに関する特許文献としては、例えば特開２００２−３５６２２７号公報（特許文献１）がある。

特開２００２−３５６２２７号公報

しかし、従来の在庫管理システムでは、作業者自身が保管アドレスを入力しているため、そこで入力ミスが発生する可能性があった。また、従来の在庫管理システムでは、製品を保管位置に載置する作業と保管アドレスを登録及び入力する時期を同期させる必要がないため、保管完了時に同期して保管アドレスを登録及び入力せずに、保管アドレスを保管前に入力することも、保管完了からかなり経過した後に入力することも可能であった。このため、実際に保管した位置や保管時刻と、在庫管理システムに入力された保管位置や保管時刻とに差異が発生するおそれがあった。加えて、製品を保管しているエリア（例えば倉庫内）では、保管製品の整理、整頓や保管効率を上げる目的で、保管製品の軽微な移動や並び替えが頻繁に発生する。完全に保管アドレス管理された倉庫内では、製品の移動や並び替えをする度に保管位置の情報を再入力する事が必要になり、物流企業や保管担当作業者にとって大きな負担となると共に、実際の保管アドレスと在庫管理システムに登録される保管アドレスに差異が発生する原因にもなり、運営上の大きな問題であった。

そこで、これら完全に保管アドレス管理された倉庫の在庫管理システムでは、保管アドレスの広さを若干大きく割り当て、多少の軽微な移動や並び替えでも、同一保管アドレス内の移動として扱える程大きなエリアごとに保管アドレスを割り当てる工夫を取っている場合が多い。しかし、保管アドレスが広くなった分だけ、出荷ピッキング作業の時に製品を探す手がかりとしての情報の意味が薄れてしまい、効率的な作業が行なえないと行った問題が新たに生まれている。

そこで、製品位置を細かく把握することと、実際の倉庫業務に負担とならない保管アドレスの取り方、また、作業者自身の入力によらない製品の保管作業と同期した保管位置の入力が望まれている。すなわち、実際に保管製品を探し出すのに役立つ保管アドレスのエリア割り当てを維持したまま、製品を保管した時点で保管アドレスを登録できる仕組みと、更に、倉庫内で整理・整頓などの理由で発生する軽微な移動での保管アドレス変更にも容易に対応できる柔軟度の高い製品保管システムの構築が望まれている。

また、医療材、薬などのように管理責任が重大な保管製品については、倉庫内におけるわずかな製品移動についても常時監視すると共に、倉庫内作業者や製品管理責任者が倉庫内で当該保管製品に近づく行為自体を監視し、保管製品の安全性を確保することが必要である。すなわち、かかる倉庫内においては、作業者等の動態監視についても十分管理する必要があり、前述の在庫管理システムの機能に、倉庫内の作業者や製品管理責任者の出勤情報と、現在位置を常時把握する勤務管理システムの機能を追加し、在庫管理システムと勤務管理システムとを統合した製品保管システムを構築することが望まれる。

本発明の目的は、保管製品の現在位置と保管場所における作業者及び製品管理責任者の動態とを正確に効率よく認識でき、効率よく確実に出荷ピッキング作業が可能で安全性の高い保管が可能な製品保管システムを提供することにある。

前記目的を達成するために、本発明は、薬を含む保管製品の搬入作業及び出荷ピッキング作業を行なう作業者に保持される作業端末と、前記保管製品に取付けられ製品情報が記録された無線タグと、薬剤師である製品管理責任者に保持される責任者携帯端末と、製品保管エリア内の前記作業端末、前記責任者携帯端末及び前記無線タグと情報を送受信する複数の中継装置と、前記中継装置を介して前記作業端末、前記責任者携帯端末及び前記無線タグと情報を送受信する管理サーバーとを備え、前記管理サーバーは、前記中継装置を通して送信される前記製品保管エリア内の前記無線タグの情報に基づいて前記保管製品の位置を認識し、前記中継装置を通して送信される前記製品保管エリア内の前記作業端末の情報に基づいてその作業端末の位置を認識し、前記中継装置を通して送信される前記製品保管エリア内の前記責任者携帯端末の情報に基づいてその責任者携帯端末の位置を認識し、前記作業端末、前記責任者携帯端末及び前記保管製品の位置情報を、前記製品保管エリアを細分化した保管アドレスの情報と関連付けて、前記中継装置を通して前記作業端末及び前記責任者携帯端末へ送信し、前記製品保管エリア内の前記無線タグの情報に基づいて前記製品情報と前記保管製品の位置情報と現在日時とを同時に記録すると共に、前記製品保管エリア内の前記作業端末及び前記責任者携帯端末からの情報に基づいて前記作業者の位置情報と前記製品管理責任者の位置情報と現在日時を同時に記録し、前記製品管理責任者の勤務情報及び所在情報を前記保管製品の在庫管理情報に組み合わせて前記保管製品の所在情報と前記製品管理者の所在情報とを一元的に管理し、前記作業端末は前記管理サーバーから前記中継装置を通して送信された受信内容を表示し、前記責任者携帯端末は前記管理サーバーから前記中継装置を通して送信された受信内容を表示する構成にしたことにある。

係る本発明のより好ましい具体的な構成は次の通りである。
（１）前記出荷ピッキング作業で前記保管製品を探し出す際に、作業者が携帯する無線通信機能付き作業端末の画面上に、前記保管製品の保管位置と前記作業端末の現在位置とを表示すること。

本発明によれば、保管製品の現在位置と保管場所における作業者及び製品管理責任者の動態とを正確に効率よく認識でき、効率よく確実に出荷ピッキング作業が可能で安全性の高い保管が可能な製品保管システムが得られる。

以下、本発明の一実施例に係る製品保管システムについて図１〜図９を用いて説明する。

図１は本実施例の製品保管システムの構成図である。製品保管システム１００は、作業者や荷役搬送設備等に保持される作業端末２Ａ、２Ｂと、製品保管エリア７０（図６参照）の製品管理責任者に保持される責任者携帯端末３と、保管される製品４ａに取付けられ製品情報が記録された無線タグ４と、製品保管エリア７０内の作業端末２Ａ、２Ｂ及び無線タグ４に対してその情報を送受信する中継装置５と、中継装置５を介して作業端末２Ａ、２Ｂ及び無線タグ４と送受信する管理サーバー６とを備えて構成されている。

また、製品保管システム１００は、入室管理ゲート７及び制御装置８を備えて構成されている。

さらには、製品保管システム１００は、製品保管エリア７０外の位置情報システム１１０と連動するようになっている。すなわち、管理サーバー６は、製品保管エリア７０外の位置情報システム１１０の位置情報及び関連情報を製品保管エリア７０内の位置情報及び関連情報と同じ仕組みで管理し、製品保管エリア７０外の位置情報システム１１０と製品保管エリア７０内の保管管理システム１００とを座標変換を行なって連動するようになっている。

位置情報システム１１０は、ＧＰＳ衛星１１１、通信事業者１１２、位置情報センタ１１３、輸送車両１１４に保持された端末等が無線やインターネット網１Ａを介して接続されることにより構成される。

作業端末２Ａは作業者が携帯する無線通信機能付き端末であり、作業端末２Ｂはフォークリフト等の移動可能な荷役搬送設備に装着された無線通信機能付き端末である。ここで、作業者は、例えば、製品を直接運搬して保管したり、荷役搬送設備を用いて製品を搬送して保管したり、保管されている製品から出荷する製品をピッキングしたりする作業者である。作業端末２Ａは保管製品４ａの製品情報をバーコード等から読み取り、その製品情報を中継装置５に送信して管理サーバー６へ登録する機能を有している。

図２は本実施例の作業端末２Ａ、２Ｂの構成図である。この作業端末２Ａ、２Ｂは、入力部２１、制御部２２、表示部２３、記憶部２４、通信部２５を有して構成されている。

かかる入力部２１は、テンキーなどからなる文字入力部を有し、その入力結果を制御部２２に入力するように制御部２２に接続される。制御部２２は、マイコンなどにより構成され、入力データおよび管理サーバー６から送信されたデータに基づいて所定の処理を行ない、処理結果を記憶部２４に記憶する共に、表示部２３に出力し、さらには通信部２５を介して外部に無線で出力する機能を有している。表示部２３は、液晶表示部などにより構成され、制御部２２に接続されると共に、入力内容や受信内容や処理内容などが表示される。記憶部２４は、作業者に係る社員コードや社員氏名、または荷役搬送設備に係る設備コードや運転者などの固有の情報を記憶し、制御部２２に接続されている。通信部２５は、作業端末２Ａ、２Ｂを中継装置５に対して送受信を可能にする機能を有し、制御部２２に接続される。

責任者携帯端末３は、製品管理責任者が携帯する無線通信機能付き端末である。この製品管理責任者は、保管製品が薬の場合には、例えば薬剤師が製品管理責任者となる。

図３は本実施例の責任者携帯端末３の構成図である。この責任者携帯端末３は、入力部３１、制御部３２、表示部３３、記憶部３４、および通信部３５を有して構成されている。

かかる入力部３１は、テンキーなどからなる文字入力部を有し、その入力結果を制御部３２に入力するように制御部３２に接続される。制御部３２は、マイコンなどにより構成され、その入力データおよび管理サーバー６から送信されるデータ等に基づいて所定の処理を行ない、処理結果を記憶部３４に記憶する共に、表示部３３に出力し、さらには通信部３５を介して外部に無線で出力する機能を有している。表示部３３は、液晶表示部などにより構成され、制御部３２に接続されると共に、入力内容や受信内容や処理内容などが表示される。記憶部３４は、製品管理責任者に係る社員コードや社員氏名や資格などの固有の情報を記憶し、制御部３２に接続されている。通信部３５は、責任者携帯端末３を中継装置５に対して送受信を可能にする機能を有し、制御部３２に接続される。

無線タグ４は、製品情報が記録されており、保管される製品４ａに取付けられている。ここで、保管される製品４ａには、製品の包装材、梱包材、及び収納かご等を含むものである。無線タグ４から中継装置５への情報の送信手段は、中継装置５から発信される送信要求により無線タグ４が自身の位置を情報として送信する手段、作業者が携帯する無線通信機能付き作業端末２Ａおよびフォークリフト等の移動可能な荷役搬送設備に装着された無線端末２Ｂ等より発信される送信要求により無線タグ４が自身の位置を情報として送信する手段、無線タグ４自身の内部設定に基づき所定時間間隔で無線タグ自身の位置を情報として送信する手段、の何れか１つ、またはそれらの組み合わせで構成される。

中継装置５は、無線中継器及び基地局で構成され、製品保管エリア７０内の作業端末２Ａ、２Ｂ、責任者携帯端末３及び無線タグ４と情報を送受信するように複数設置され、ネットワーク通信網１に接続されている。ネットワーク通信網１には管理サーバー６が連結されており、中継装置５と管理サーバー６との間で情報の送受信を行なわれる。

図４は本実施例の管理サーバー６の構成図である。この管理サーバー６は、ネットワーク通信網１に接続されて、中継装置５を介して作業端末２Ａ、２Ｂ、責任者携帯端末３及び無線タグ４と送受信することができるようになっている。

また、この管理サーバー６は、入力部６１、制御部６２、表示部６３、記憶部６４、通信部６５、およびプリンタ６６を有して構成されている。

かかる入力装置６１は、キーボードなどの入力部を有し、制御部６２に接続される。制御部６２は、マイコンなどにより構成され、この製品保管システムにおける主要な処理を行なう。表示部６３は、ＣＲＴ表示部、液晶表示部などにより構成され、制御部６２に接続され、製品保管システムの運営に必要な送受信画面および入力画面などを表示する。記憶部６４は、制御部６２の処理に必要な情報を記憶するもので、制御部６２に接続される。通信部６５は、制御部６２をネットワーク通信網１に送受信を可能にする機能を有する。

図５は本実施例の管理サーバー６の記憶部６４のファイル構成図である。この記憶部６４内のファイル構造は、サーバー制御用ソフトウエア６４ａ、位置計測システムソフトウエア６４ｂ、保管位置認識システムソフトウエア６４ｃ、在庫管理システムソフトウエア６４ｄ、勤務管理システムソフトウエア６４ｅ、動態管理データベース６４ｆ、在庫管理データベース６４ｇ、及び勤務管理データベース６４ｈを有して構成されている。

サーバー制御用ソフトウエア６４ａは管理サーバー６自身の制御を司るソフトウエアである。

位置計測システムソフトウエア６４ｂは、中継装置５を通して受信した作業端末２Ａ、２Ｂ、責任者携帯端末３及び無線タグ４の情報に基づいて、これらの位置を計測するためのソフトウエアである。この位置の計測結果は、Ｘ軸、Ｙ軸、Ｚ軸の座標に変換されたデータとされ、保管位置認識システムソフトウエア６４ｃ、在庫管理システムソフトウエア６４ｄ、及び勤務管理システムソフトウエア６４ｅで利用される。

保管位置認識システムソフトウエア６４ｃは、中継装置５を通して送信される作業端末２Ａ、２Ｂ、責任者携帯端末３及び無線タグ４の情報に基づいて、作業端末２Ａ、２Ｂ、責任者携帯端末３及び無線タグ４（保管製品４ａ）の位置を認識し、その作業端末２Ａ、２Ｂ、責任者携帯端末３及び無線タグ４（保管製品４ａ）の位置情報を、製品保管エリア７０を細分化した保管アドレスの情報と関連付けて、中継装置５を通して作業端末２Ａ、２Ｂ及び責任者携帯端末３へ送信する機能を有している。

ここで、保管アドレスについて図６を参照しながら説明する。図６は本実施例の保管アドレスを説明する概念図であり、図６(ａ)はフロア７０ａからブロック７０ｃへの細分化の説明図、図６（ｂ）はブロック７０ｃから棚７０ｄへの細分化の説明図である。

製品保管エリア７０は、図示例では、１階〜３階で構成される３つのフロア７０ａからなっている。図６(ａ)に示すように、フロア７０ａは複数のゾーン７０ｂに分割され、ゾーン７０ｂは複数のブロック７０ｃに分割されている。さらに、ブロック７０ｃは、図６（ｂ）に示すように、複数の行及び段からなる棚７０ｄに分割されている。このように、製品保管エリア７０には、フロア７０ａ、ゾーン７０ｂ、ブロック７０ｃ及び棚７０ｄの階層で区分された保管アドレスが設定されている。この保管アドレスの区分は、保管位置認識システムソフトウエア６４ｃに予め格納されている。例えば、図６（ｂ）の星印の保管アドレスは、「２階−南１−Ａブロック−６行−１段（コードで表せば、２Ｓ１Ａ６１）」である。なお、格納された保管アドレスは適宜変更できるようにしておくことにより、レイアウトの変更や保管製品の在庫量の変化等に対応して適切な製品保管を行なうことができる。管理サーバー６は、複数の製品保管エリアに対しても一元的にデータ管理するようになっている。

保管位置認識システムソフトウエア６４ｃは、無線タグ４からの情報に基づき、製品情報、製品の位置情報及び現在日時を同時に記録し、製品の保管位置を常時監視するようになっている。また、作業端末２Ａ、２Ｂ及び責任者携帯端末３からの情報に基づき、作業者情報、作業者等や製品管理責任者の位置情報及び現在日時を同時に記録し、製品の保管位置を常時監視するようになっている。

さらに、保管位置認識システムソフトウエア６４ｃは、作業端末２Ａ、２Ｂ及び責任者携帯端末３の認識された位置に基づいて保管業務の安全性を判定する機能を有している。換言すれば、保管位置認識システムソフトウエア６４ｃは、動態管理データベース６４ｆに基づいて、動態管理を行なう機能を有している。

図７は本実施例の動態管理データベース６４ｆのデータ構成図である。この動態管理データベース６４ｆのデータ構成は、対象区分、現在位置、前回位置、警告区分、事業所、座標変換１、座標変換２、座標変換３からなっている。

ここで、対象区分は、動態管理される製品または人に関するものである。具体的には、無線タグ４が取付けられた製品４ａ、または、作業端末２Ａを保持した作業者や作業端末２Ｂを保持した荷役搬送設備等を運転する作業者等の人が対象区分となる。現在位置及び前回位置は、Ｘ軸、Ｙ軸、Ｚ軸の３次元座標で表される。警告区分は、出庫、屋内搬送、移設、盗難等の何れに係る警告かを区分するものである。座標変換１は経度と緯度を変換するものであり、座標変換２は保管アドレスを変換するものであり、座標変換３は出勤情報を変換するものである。この出勤情報には、出勤、休暇、外出などがある。

在庫管理システムソフトウエア６４ｄは、在庫管理データベース６４ｇを用いて、製品情報と製品保管情報とを一括して管理するためのものである。

図８は本実施例の在庫管理データベース６４ｇのデータ構成図である。この在庫管理データベース６４ｇのデータ構成は、製品コード、製品名称、総在庫数、荷姿情報、代表保管アドレス、実際の保管アドレスからなっている。

勤務管理システムソフトウエア６４ｅは、勤務管理データベース６４ｈを用いて、作業者及び製品管理責任者を含む作業者等の勤務状況を管理するためのものである。

図９は本実施例の勤務管理データベース６４ｈのデータ構成図である。この勤務管理データベース６４ｈのデータ構成は、社員コード、社員氏名、出勤履歴、社員区分、通勤経路，有給休暇、現在の出勤状況、現在の位置からなっている。

そして、保管位置認識システムソフトウエア６４ｃは、製品管理責任者の勤務情報及び所在情報を製品の在庫管理情報に組み合わせて、製品の所在情報と製品管理者の所在情報を一元的に管理するようになっている。

また、保管位置認識システムソフトウエア６４ｃは、作業端末２Ａが保管製品４ａの製品情報をバーコード等から読み取り、その製品情報を中継装置５に送信して管理サーバー６へ登録するための通信処理を行なう際に、作業端末２Ａの現在位置情報を製品の載置場所情報として製品情報に含めて管理サーバーに登録する機能を有している。

また、保管位置認識システムソフトウエア６４ｃは、出荷ピッキング作業等で保管製品４ａを探し出す際に、作業者が携帯する無線通信機能付き作業端末２Ａまたはフォークリフト等の移動可能な荷役搬送設備に装着された無線通信機能付き作業端末２Ｂの画面上に、保管製品４ａの保管位置と作業端末２Ａ、２Ｂの現在位置とを表示するための情報を生成する機能を有している。

そして、医療材、医薬品などの製品を製造場所から医療機関等の使用場所まで届ける物流過程において、製造者自らが使用場所まで直接輸送するのではなく、保管や輸送業務を専門の物流企業へ委託して物流の効率化を図ることが多くなっている。ところが、医療材、医薬品の場合には、物流を外部委託した場合であっても、この物流過程における品質管理は、製造者、販売者が厳密に管理しなければならない。つまり、実際的な物流作業以外の安全・安心・品質の管理面に関しては、製造者、販売者が品質管理するよう対応が求められる。特に保管場所となる倉庫では、管理責任者として薬剤師の勤務が必要であり、品質管理の重要な事項である。本実施例のように、薬剤師の勤務実態の把握と製品保管の情報とを一元的に管理することは、品質管理を遵守していることを、人を介さず自動的に確実に、情報管理するシステムとして効果的である。

また、管理基準が特に厳しく求められる医療材、医薬品などについては、物流過程での盗難や誤配送などが起こると、事故へ繋がる恐れがあるために、製造者や販売者が、物流を外部委託せず、直接、医療機関等の使用者へ届けることが一般的であった。そのため、過大な輸送コストがかかってしまうという問題があった。そこで、本実施例では、管理サーバー６は、製品情報と製品保管情報とを一括して管理する在庫管理システムと、作業者及び製品管理責任者を含む作業者等の勤務管理システムとを有すると共に、製品管理責任者の勤務情報及び所在情報を製品の在庫管理情報に組み合わせて、製品の所在情報と製品管理者の所在情報を一元的に管理するようにしている。これにより、厳密な管理が必要となる医療材、医薬品であっても、物流の外部委託をして、安全、安心に保管を任せられる製品保管システムを実現でき、物流コスト低減と品質管理の強化を同時に実現することができるものである。

本実施例では、管理サーバー６が、無線タグ４からの情報に基づき、製品情報、製品の位置情報及び現在日時を同時に記録し、製品の保管位置を常時監視すると共に、作業端末２Ａを用いて保管製品４ａの製品情報を読み取りその製品情報を管理サーバー６へ登録するための通信処理を行なう際に、作業端末２Ａの現在位置情報を製品の載置場所情報として製品情報に含めて管理サーバーに登録するようにしている。これにより、保管した作業の実態が実際にあったかどうかの真正性を証明することができる。すなわち、保管する製品によっては、まちがいなくその年月日のその時刻に、その場所に、その製品が保管されていたことを、保管作業を行った作業者以外の人に証明してもらいたい場合があるからである。

本実施例によれば、管理サーバー６は、中継装置５を通して送信される無線タグ４の情報に基づいて保管製品４ａの位置を認識し、その保管製品４ａの位置情報を、製品保管エリアを細分化した保管アドレスの情報と関連付けて、中継装置５を通して作業端末２Ａ、２Ｂへ送信する構成としているので、保管製品４ａの現在位置を正確に効率よく認識でき、効率よく確実にピッキング作業が可能な製品保管システムとすることができる。

また、管理サーバー６は、中継装置５を通して送信される作業端末２Ａ、２Ｂの情報に基づいてその作業端末２Ａ、２Ｂの位置を認識し、中継装置５を通して送信される責任者携帯端末３の情報に基づいてその責任者携帯端末３の位置を認識し、作業端末２Ａ、２Ｂ及び責任者携帯端末３の認識された位置に基づいて保管業務の安全性を判定する構成としているので、製品管理責任者の動態を正確に認識でき、安全性の高い保管が可能な製品保管システムとすることができる。

さらに、上述した実施例の構成により、次のような具体的な効果が得られる。
（１）保管位置を自動的に認識して在庫管理システムに登録することが出来る。
（２）保管製品に無線タグを貼付けると、保管製品が頻繁に位置を移動した際にも、自動的に製品の位置を追尾して、製品保管位置を再登録することが可能である。
（３）作業者が無意識に位置情報を登録することが出来、作業手間が大幅に削減できる。
（４）製品の保管管理者、作業担当者の歩行、移動の動線を追跡できるため、盗難防止や作業ミスの発見に役立つ。
（５）製品の保管位置と、在庫管理システムに登録された保管位置を完全に一致させることが可能であり、倉庫内の保管、出荷作業の効率向上を図ることが出来るだけでなく、機械設備や自動化設備を必要とせずに柔軟で、運営方法が容易な倉庫内の保管位置管理が実現できる。

本発明の一実施例に係る製品保管システムの構成図である。本実施例の作業端末の構成図である。本実施例の責任者携帯端末の構成図である。本実施例の管理サーバーの構成図である。本実施例の管理サーバーの記憶部のファイル構成図である。本実施例の保管アドレスを説明する概念図である。本実施例の動態管理データベースのデータ構成図である。本実施例の在庫管理データベースのデータ構成図である。本実施例の勤務管理データベースのデータ構成図である。

符号の説明

１…ネットワーク通信網、２Ａ、２Ｂ…作業端末、３…責任者携帯端末、４…無線タグ、４ａ…保管製品、５…中継装置、６…管理サーバー、７…入室管理ゲート、８…制御装置、７０…製品保管エリア、７０ａ…フロア、７０ｂ…ゾーン、７０ｃ…ブロック、１００…製品保管システム。

Claims

薬を含む保管製品の搬入作業及び出荷ピッキング作業を行なう作業者に保持される作業端末と、
前記保管製品に取付けられ製品情報が記録された無線タグと、
薬剤師である製品管理責任者に保持される責任者携帯端末と、
製品保管エリア内の前記作業端末、前記責任者携帯端末及び前記無線タグと情報を送受信する複数の中継装置と、
前記中継装置を介して前記作業端末、前記責任者携帯端末及び前記無線タグと情報を送受信する管理サーバーとを備え、
前記管理サーバーは、
前記中継装置を通して送信される前記製品保管エリア内の前記無線タグの情報に基づいて前記保管製品の位置を認識し、前記中継装置を通して送信される前記製品保管エリア内の前記作業端末の情報に基づいてその作業端末の位置を認識し、前記中継装置を通して送信される前記製品保管エリア内の前記責任者携帯端末の情報に基づいてその責任者携帯端末の位置を認識し、前記作業端末、前記責任者携帯端末及び前記保管製品の位置情報を、前記製品保管エリアを細分化した保管アドレスの情報と関連付けて、前記中継装置を通して前記作業端末及び前記責任者携帯端末へ送信し、
前記製品保管エリア内の前記無線タグの情報に基づいて前記製品情報と前記保管製品の位置情報と現在日時とを同時に記録すると共に、前記製品保管エリア内の前記作業端末及び前記責任者携帯端末からの情報に基づいて前記作業者の位置情報と前記製品管理責任者の位置情報と現在日時を同時に記録し、前記製品管理責任者の勤務情報及び所在情報を前記保管製品の在庫管理情報に組み合わせて前記保管製品の所在情報と前記製品管理者の所在情報とを一元的に管理し、
前記作業端末は前記管理サーバーから前記中継装置を通して送信された受信内容を表示し、
前記責任者携帯端末は前記管理サーバーから前記中継装置を通して送信された受信内容を表示する
ことを特徴とする製品保管システム。
請求項１の製品保管システムにおいて、前記出荷ピッキング作業で前記保管製品を探し出す際に、作業者が携帯する無線通信機能付き作業端末の画面上に、前記保管製品の保管位置と前記作業端末の現在位置とを表示することを特徴とする製品保管システム。