JP4780827B2 - クランクシャフトミラーのカッタ装置並びにクランクシャフトミラー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランクシャフトミラーのカッタ装置並びにクランクシャフトミラーに係り、詳しくは、クランクシャフトミラーの主軸に取り付けられるとともに、ワークを加工する切削用チップを複数有したカッタ本体を保持するクランクシャフトミラーのカッタ装置並びにクランクシャフトミラーに関する
【0002】
【背景技術】
従来より、自動車のエンジン等に用いられるクランクシャフトやカムシャフト等を、クランクシャフトミラーによってミーリング加工することが知られている。
クランクシャフトミラーは、回転可能な主軸を備えており、この主軸には、カッタアダプタを介して、内周側または外周側に複数の切削用チップが設けられたリング状のカッタ本体が取り付けられている。
クランクシャフトミラー、たとえば内周側に切削用チップがあるカッタ本体を備えたものにおいて、ワーク加工時には、クランクシャフトをカッタ本体のリング内に貫通した状態で設置し、カッタ本体を、主軸によって主軸の軸心回りに一定方向へ回転(自転)させ、かつ主軸自体を水平方向へスライド可能な支点軸を中心に上下方向へ揺動させることで公転させる。これにより、クランクシャフトのジャーナル部は、カッタ本体の切削用チップによって所定形状に加工されるようになっている。
【0003】
このようなクランクシャフトミラーのカッタ本体は、通常、その軸方向寸法(カッタ本体の軸心方向へ沿った寸法)がジャーナルの軸方向寸法と略同一とされており、1つのジャーナルを加工する際には、カッタ本体を軸心方向へは移動させないで行う。
このため、複数のクランクシャフト、つまりジャーナルの軸方向寸法が異なる複数のクランクシャフトを、1つのクランクシャフトミラーで加工する際には、クランクシャフトの種類が変わる度、カッタ本体を交換し、カッタアダプタもカッタ本体に対応して交換している。たとえば、図14に示すように、軸方向寸法の狭いカッタ本体201には軸方向寸法の狭いカッタアダプタ202を取り付け(図14(A)参照)、軸方向寸法の広いカッタ本体203には軸方向寸法の広いカッタアダプタ204を取り付けている(図14(B)参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、クランクシャフトミラーの加工対象であるクランクシャフトやカムシャフト等の必要種類数が増えるとともに、クランクシャフト等の小型化が要望されている。たとえば自動車等を例に挙げると、エンジン性能の最適化を図るため、エンジンの種類に応じて最適なクランクシャフトを組み込むことが望まれているとともに、エンジンの小型化を図るため、クランクシャフト自体の小型化が望まれている。
クランクシャフトの種類が増えると、それに伴いカッタ本体およびカッタアダプタの交換回数も増える。
しかしながら、カッタアダプタと主軸とは、通常、印籠方式のしまり嵌め等で高精度に取り付けてあるので、カッタアダプタの段取り替えは、非常に困難な作業であるとともに作業時間も多くかかるという問題がある。
【0005】
このような問題を解決するために、1つのカッタアダプタに軸方向寸法の異なる複数のカッタ本体を取付可能とすることで、カッタアダプタの交換をなくすことが考えられる。このような場合、カッタアダプタとワークとの干渉を避けるため、図14(C)に示すように、通常カッタアダプタ205の軸方向寸法は、取付可能な複数種のカッタ本体のうち、最も軸方向寸法が小さいものに対応した大きさとされる。
しかしながら、上述したクランクシャフトの小型化により、それを加工するカッタ本体の軸方向寸法の大小の差異は大きくなっている。このため、カッタアダプタ205に取付可能な複数種のカッタ本体の軸方向寸法の差異も大きくなり、軸方向寸法の小さいカッタ本体に対応したカッタアダプタ205に、軸方向寸法の大きいカッタ本体206を取り付けてワークを加工しようとすると、カッタアダプタ205の軸方向寸法よりもカッタ本体206の軸方向寸法の方がかなり大きくなる。すると、加工時に、カッタアダプタ205の剛性が低下してびびりが生じ、切削用チップの損傷を招いたり、加工精度が低下してしまう可能性がある。
【0006】
一方、カッタアダプタと主軸との嵌め合いを甘くすることで、カッタアダプタの段取り替えを容易にかつ短時間で行うことも考えられるが、このような場合、しまり嵌めと比べると、加工精度が低下してしまうという問題がある。
また、カッタアダプタの主軸への取り付けを印籠方式で行わず、たとえばカッタ本体とカッタアダプタとの取付構造(テーパスプライン方式や、十字キー方式等)を採用することも考えられるが、通常、薄肉円筒状に形成される主軸にそのような取付構造を加工するのは非常に困難である。
【0007】
本発明の目的は、容易に短時間で段取り替えできるとともに、クランクシャフトミラー側の剛性を高めることができるクランクシャフトミラーのカッタ装置並びにクランクシャフトミラーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のクランクシャフトミラーのカッタ装置並びにクランクシャフトミラーは、上記目的を達成するために、それぞれ以下の構成を備える。
請求項1に記載のクランクシャフトミラーのカッタ装置は、クランクシャフトミラーの主軸に取り付けられるとともに、ワークを加工する切削用チップを複数有したカッタ本体を保持するクランクシャフトミラーのカッタ装置であって、前記主軸に取り付けられるカッタ装置用第1アダプタと、リング状に形成されるとともに、内周側または外周側のうちの一方側が前記カッタ装置用第1アダプタに着脱可能に設けられかつ前記内周側または外周側のうちの他方側に前記カッタ本体が着脱可能に設けられるカッタ装置用第2アダプタとを備えていることを特徴とするものである。
【0009】
この発明によれば、カッタ装置は、クランクシャフトミラーの主軸に取り付けられる第1アダプタと、内周側または外周側のうちの一方側が第1アダプタに着脱可能に設けられかつ他方側にカッタ本体が着脱可能に設けられる第2アダプタとを備えている。このため、ジャーナルの軸方向寸法に対応してカッタ本体を交換し、ジャーナルの軸方向寸法が異なるクランクシャフトを加工する際、たとえば、カッタ本体を軸方向寸法が小さいものから大きいものへと交換してクランクシャフトミラーに取り付ける際、主軸に取り付けられた第1アダプタを取り外さずに、第2アダプタおよびカッタ本体のみの段取り替えを行えばよく、主軸にしまり嵌め等で取り付けられた第1アダプタを交換する必要がない。
また、第2アダプタは、第1アダプタに対して着脱可能に設けられ、当該第2アダプタに対してカッタ本体は着脱可能に設けられているから、従来と異なり、カッタ本体を交換する際に、カッタ本体の軸方向寸法に対応した第2アダプタの交換が容易になる。つまり、従来では、カッタ本体交換の際に、しまり嵌めで主軸に取り付けられたカッタアダプタの段取り替えを行わなければならず、時間がかかっていたが、本発明では、カッタ本体交換の際に、第2アダプタのみを交換すればよいので、カッタ本体交換に伴う段取り替えが容易になる。
なお、第1アダプタの軸方向寸法を大きく形成しておけば、第2アダプタを軸方向寸法の異なるものを複数種用意して、第1アダプタの交換を行わずに第2アダプタのみを交換すればよく、軸方向寸法の異なる複数種のカッタ本体に対応できる。
このように、カッタ本体の軸方向寸法に応じて第2アダプタを交換すれば、カッタ本体側の剛性を高めることができ、びびり等を抑制して加工精度を向上させることができるとともに工具寿命を延ばせる。
【0013】
請求項2に記載のクランクシャフトミラーのカッタ装置は、請求項1に記載のクランクシャフトミラーのカッタ装置において、前記カッタ装置用第2アダプタを前記カッタ装置用第1アダプタに取り付ける取付構造は、十字キー方式、テーパスプライン方式、多角錐方式、およびハースカップリング方式のうちのいずれか1つの方式であることを特徴とするものである。
この発明によれば、第2アダプタを第1アダプタに取り付ける取付構造は、従来より、カッタ本体をカッタアダプタに取り付ける取付構造に使用されていた十字キー方式、テーパスプライン方式、多角錐方式、およびハースカップリング方式のうちのいずれか1つの方式であるから、第1アダプタに対し、確実に芯出しした状態で第2アダプタを取り付けることができる。なお、十字キー方式とは、たとえば実開平6−5816号公報等に示されるものであり、テーパスプライン方式とは、たとえば特開平8−118125号公報等に示されるものであり、多角錐方式とは、たとえば特開平11−267917号公報等に示されるものであり、ハースカップリング方式とは、たとえば特開平6−143018号公報等に示されるものである。
【0014】
請求項3に記載のクランクシャフトミラーのカッタ装置は、請求項1または請求項2に記載のクランクシャフトミラーのカッタ装置において、前記カッタ本体を前記カッタ装置用第2アダプタに取り付ける取付構造は、十字キー方式、テーパスプライン方式、多角錐方式、およびハースカップリング方式のうちのいずれか1つの方式であることを特徴とするものである。
この発明によれば、カッタ本体を第2アダプタに取り付ける取付構造は、従来より使用されていた十字キー方式、テーパスプライン方式、多角錐方式、およびハースカップリング方式のうちのいずれか1つの方式であるから、第2アダプタに対し、確実に芯出しした状態でカッタ本体を取り付けることができる。また、従来のカッタ本体およびカッタアダプタの取付構造と同様のものを採用しているので、カッタアダプタへ着脱可能に取り付けるためにカッタ本体に設けた着脱手段もそのまま利用でき、カッタ本体自体において従来のものを使用できる。
【0015】
請求項4に記載のクランクシャフトミラーのカッタ装置は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のクランクシャフトミラーのカッタ装置において、前記カッタ装置用第2アダプタは、その軸方向の寸法が異なる複数種が用意されるとともに、前記カッタ本体は、その軸方向の寸法が異なる複数種が用意され、前記複数種のカッタ装置用第2アダプタには、前記複数種のカッタ本体のうちの少なくとも2種類以上のカッタ本体がそれぞれ着脱可能に設けられていることを特徴とするものである。
この発明によれば、1つの第2アダプタには、少なくとも2種類以上のカッタ本体が取り付けられるから、カッタ本体の種類が多くても、第2アダプタを少なくできるとともに、第2アダプタの交換回数を減らすことができ、コストダウンおよびカッタ本体交換における作業時間の短縮が図れる。
また、第2アダプタとして、軸方向の寸法が異なる複数種を用意しているため、1つの第2アダプタに、当該第2アダプタの軸方向寸法と略同等の軸方向寸法をそれぞれ有した複数種のカッタ本体を取り付けるようにすれば、加工時の第2アダプタの剛性を保持できる。
【0016】
請求項5に記載のクランクシャフトミラーは、請求項1から請求項4のいずれかに記載のクランクシャフトミラーのカッタ装置を備えていることを特徴とするものである。
この発明によれば、請求項1ないし請求項4に記載の発明と略同様な作用効果が期待できる。つまり、容易にかつ短時間でカッタ本体の段取り替えを行うことができるとともに、クランクシャフトミラー側の剛性を高めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1ないし第4実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係るクランクシャフトミラー1が示されている。
このクランクシャフトミラー1は、自動車のエンジン等に用いられるクランクシャフトのジャーナルやカムシャフトのカム部等を加工するフライス盤(ミーリングマシン)である。このクランクシャフトミラー1は、円筒状の回転可能な主軸30を備え、この主軸30には、リング状のカッタ装置10を介してリング状のカッタ本体20(図2および図3等参照)が取り付けられている。また、クランクシャフトミラー1には、対向する一対のチャック2が設けられ、これらチャック2には、カッタ本体20(カッタ装置10)のリング内を貫通した状態で、図示しないクランクシャフト等のワークが架け渡される。
【0018】
図2および図3において、カッタ装置10は、二分割されており、外周側がクランクシャフトミラー1の主軸30に取り付けられるリング状の第1アダプタ11と、この第1アダプタ11の内周側に外周側が取り付けられかつ内周側にカッタ本体20が取り付けられる第2アダプタ12とを備えている。ここで、図3に示すように、第2アダプタ12の軸方向寸法L2は、第1アダプタ11の軸方向寸法L1の半分以下の大きさになっている。
カッタ本体20は、その内周側に、複数の切削用チップ21がそれぞれの切刃をカッタ本体20の内周面から突出させた状態で、ボルト等の固着具22により着脱可能に設けられている。カッタ本体20の軸方向寸法L3は、第2アダプタ12の軸方向寸法L2と略同等の大きさになっている。
【0019】
次に、主軸30、第1アダプタ11、第2アダプタ12、およびカッタ本体20の取付構造を説明する。
主軸30と第1アダプタ11との取付構造は、印籠方式であり、主軸30の円筒内にリング状の第1アダプタ11の主軸取付部100をはめ込むことで、第1アダプタ11は主軸30に取り付けられている。主軸30と第1アダプタ11との嵌め合いは、しまり嵌めとされており、主軸取付部100の直径は主軸30の円筒の内径よりも大きく形成されている。なお、第1アダプタ11は、主軸30の円筒内にはめ込まれた後、ボルト等で主軸30にさらに固定される。
【0020】
第1アダプタ11と第2アダプタ12との取付構造は、特開平8−118125号公報等に示されている、いわゆるテーパスプライン方式の取付構造と同等である。第1アダプタ11および第2アダプタ12には、互いに連結するための第2アダプタ取付手段101および第1アダプタ取付手段102がそれぞれ設けられている。
第2アダプタ12の外周側には、回転方向に等間隔で複数のテーパ状のスプライン121が形成され、第1アダプタ11の内周側には、第2アダプタ12の各スプライン121に対応した複数のテーパ状のスプライン溝111がそれぞれ形成されている。これらスプライン121とスプライン溝111には、図4に示すように、第1アダプタ11に対する第2アダプタ12の差し込み方向(矢印A方向)前方側が次第に幅狭くなるような傾斜を有する傾斜面111A,121Aがそれぞれ形成されている。
【0021】
また、第1アダプタ11の内周側および第2アダプタ12の外周側には、平面略半月状の凹部112,122がそれぞれ形成され、これら一組の凹部112,122で、第1アダプタ11および第2アダプタ12間にまたがる円形凹部13が形成されている。この円形凹部13内には、略半月状の切り欠き14Aを有するクランパー14がボルト15により回動可能に取り付けられている。
ここで、第1アダプタ11の凹部112底面には、図2中一組(図中最も右側に図示した一組)のクランパー14および円形凹部13についてしか図示していないが、クランパー14の回動方向に沿った摺動溝112Aが形成されており、この摺動溝112Aには、クランパー14の下面に螺合された止めねじ14Bの頭部が摺動可能に係合されている。摺動溝112Aは、円形凹部13の周方向に長く形成され、長手方向の長さ寸法は、クランパー14が90度回動可能な大きさとされている。なお、これら摺動溝112Aおよびピン14Bは、実際はクランパー14および円形凹部13のすべての組にそれぞれ設けられている。
本実施形態では、円形凹部13およびクランパー14は、第1アダプタ11のスプライン溝111および第2アダプタ12のスプライン121に対応した位置に配置されており、第1アダプタ11に第2アダプタ12を嵌合させた状態で、クランパー14を回動させると、クランパー14でスプライン121の傾斜面121Aがスプライン溝111の傾斜面111Aに押さえつけられるようになる。
なお、第1アダプタ11の第2アダプタ取付手段101は、スプライン溝111および略半月状の凹部112から構成され、第2アダプタ12の第1アダプタ取付手段102は、スプライン121および略半月状の凹部122から構成されている。
【0022】
第2アダプタ12とカッタ本体20との取付構造は、上述した第1アダプタ11および第2アダプタ12間の取付構造と略同様な構造であって、テーパスプライン方式が採用されているので説明を簡略にする。
第2アダプタ12およびカッタ本体20には、互いに連結するためのカッタ本体取付手段103および第2アダプタ取付手段104がそれぞれ設けられており、第2アダプタ12のカッタ本体取付手段103は、スプライン溝123および略半月状の凹部124から構成され、カッタ本体20の第2アダプタ取付手段104は、スプライン23および略半月状の凹部24から構成されている。
【0023】
上述のカッタ装置10において、第2アダプタ12の軸方向寸法L2およびカッタ本体20の軸方向寸法L3は、第1アダプタ11の軸方向寸法L1の半分以下の大きさになっているが、たとえば、図5に示すように、図3のカッタ本体20の軸方向寸法L3よりも大きい軸方向寸法L4を有するカッタ本体20Aを主軸30に取り付けることも可能である。
このような場合、第1アダプタ11は主軸30から取り外さずにそのままにしておき、第2アダプタ12のみを交換する。つまり、カッタ本体20Aの軸方向寸法L4に対応した軸方向寸法を有する第2アダプタ12Aを介して、カッタ本体20Aを第1アダプタ11に取り付ける。ここで、第2アダプタ12Aは、図示するように、カッタ本体20が取り付けられる内周側がカッタ本体20Aと略同等の軸方向寸法L5を有し、第1アダプタ11に取り付けられる外周側が軸方向寸法L5よりも大きい軸方向寸法L6に形成されている。この軸方向寸法L6は、クランクシャフトミラー1による加工の際、ワークとしてのクランクシャフトに干渉しない程度の大きさになっている。
なお、第2アダプタ12Aは、その内周側から外周側に渡ってカッタ本体20Aの軸方向寸法L4と略同等の軸方向寸法L5を有するものであってもよく、要するに、ワークであるクランクシャフトに干渉しない程度の大きさの軸方向寸法であればよい。
【0024】
また、カッタ装置10は、たとえば図6にも示すように、上述した2種類の第2アダプタ12,12Aを備えるとともに、これら第2アダプタ12,12Aに、それぞれ2種類のカッタ本体20,20A,20B,20Cが取付可能とされてもいてもよい。
具体的に、カッタ装置10は、1種類の第1アダプタ11と、それぞれ2種類のカッタ本体20,20A〜20Cが取付可能な2種類の第2アダプタ12,12Aとを備えている。
第1アダプタ11には、上述したように、2種類の第2アダプタ12,12Aが取付可能とされている。
第2アダプタ12,12Aのうち、軸方向寸法L2の第2アダプタ12には、図6(A)(B)に示すように、軸方向寸法L3のカッタ本体20および軸方向寸法L7のカッタ本体20Bがそれぞれ取付可能とされ、軸方向寸法L5の第2アダプタ12Aには、図6(C)(D)に示すように、軸方向寸法L4のカッタ本体20Aおよび軸方向寸法L8のカッタ本体20Cがそれぞれ取付可能とされている。ここで、各カッタ本体20,20A〜20Cの軸方向寸法L3,L4,L7,L8における大きさの関係は、L3≦L7≦L4≦L8である。また、第2アダプタ12の軸方向寸法L2の大きさは、カッタ本体20,20Bの軸方向寸法L3,L7の大きさと略同等であり、第2アダプタ12Aの軸方向寸法L5の大きさは、カッタ本体20A,20Cの大きさと略同等である。
【0025】
このようなカッタ装置10の構成において、第1アダプタ11に軸方向寸法L2の第2アダプタ12が取り付けられている場合、軸方向寸法L3のカッタ本体20と、軸方向寸法L7のカッタ本体20Bとの交換の際には、カッタ本体20,20Bのみを交換すればよく、第2アダプタ12を交換する必要がない。
また、第1アダプタ11に軸方向寸法L5の第2アダプタ12Aが取り付けられている場合も、軸方向寸法L4のカッタ本体20Aと、軸方向寸法L8のカッタ本体20Cとの交換の際には、カッタ本体20A,20Cのみを交換すればよく、第2アダプタ12Aを交換する必要がない。
一方、たとえば、第1アダプタ11に、軸方向寸法L2の第2アダプタ12を介して、軸方向寸法L3のカッタ本体20が取り付けられており、このカッタ本体20を軸方向寸法L5のカッタ本体20Aに交換する場合には、カッタ本体20,20Aの交換に加えて、第2アダプタ12,12Aの交換も必要となる。
このように、カッタ本体20,20A〜20Cの交換にあたって、各カッタ本体20,20A〜20Cの軸方向寸法L3,L4,L7,L8に対応して、第2アダプタ12,12Aを交換することで、ワークを加工する際の第2アダプタ12,12Aの剛性を略一定範囲内に保持できるようになる。
【0026】
次に、本発明におけるカッタ装置10の主軸30への取り付け方を説明する。
このような構成において、まず、第1アダプタ11を主軸30に取り付けておくとともに、第2アダプタ12にカッタ本体20を取り付けておき、ついで、第2アダプタ12を第1アダプタ11に取り付けることで、第1アダプタ11、第2アダプタ12およびカッタ本体20からなるカッタ装置10を主軸30に取り付ける。なお、第1アダプタ11に第2アダプタ12を取り付けた後に、カッタ本体20を第2アダプタ12に取り付けてもよく、取り付け順序は限定されない。
ここにおいて、カッタ本体20の第2アダプタ12への取り付け方と、第2アダプタ12の第1アダプタ11への取り付け方とは略同様なので、ここでは、第2アダプタ12の第1アダプタ11への取り付け方のみを詳細に説明する。
まず、クランパー14の切り欠き14Aがちょうど第2アダプタ12の各スプライン121上にくるようにクランパー14を回動させておく。この状態で、第1アダプタ11のスプライン溝111に第2アダプタ12のスプライン121を嵌合させる。ついで、図示のように、クランパー14を第2アダプタ12上に回動させることで、第2アダプタ12のスプライン121の傾斜面121Aを第1アダプタ11のスプライン溝111の傾斜面111Aに押さえつけ、第1アダプタ11に第2アダプタ12を芯出しした状態で取り付ける。
【0027】
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)カッタ装置10は、クランクシャフトミラー1の主軸30に取り付けられる第1アダプタ11と、外周側が第1アダプタ11に着脱可能に取り付けられかつ内周側にカッタ本体20が着脱可能に取り付けられる第2アダプタ12とを備えている。このため、カッタ本体20を軸方向寸法が小さいものから大きいものへと交換してクランクシャフトミラー1に取り付ける際、主軸30に取り付けられた第1アダプタ11を取り外さずに、第2アダプタ12およびカッタ本体20のみの段取り替えを行えばよく、主軸30にしまり嵌めで取り付けられた第1アダプタ11を交換する必要がない。第2アダプタ12は、第1アダプタ11に対して着脱可能に設けられ、当該第2アダプタ12に対してカッタ本体20は着脱可能に設けられているから、従来のようにしまり嵌めで主軸に取り付けられたカッタアダプタの段取り替えを行うよりも、カッタ本体20の軸方向寸法に対応したカッタアダプタ10の交換(段取り替え)が容易になる。
また、第1アダプタ11の軸方向寸法を大きく形成しておけば、第2アダプタ12を軸方向寸法の異なるものを複数種用意して、第1アダプタ11の交換を行わずに第2アダプタのみを交換すればよく、軸方向寸法の異なる複数種のカッタ本体20に対応できる。
このように、カッタ本体20の軸方向寸法に応じて第2アダプタ12を交換すれば、カッタ本体20側の剛性を高めることができ、びびり等を抑制して加工精度を向上させることができるとともに工具寿命を延ばせる。
【0028】
(2)リング状の第1アダプタ11の内周側には、第2アダプタ12が取り付けられる第2アダプタ取付手段として、スプライン溝111や略半月状の凹部112が設けられているので、第1アダプタ11への第2アダプタ12の取り付けを容易にできる。
【0029】
(3)リング状の第2アダプタ12の外周側には、第1アダプタ11に取り付けられる第1アダプタ取付手段として、スプライン121や略半月状の凹部122が設けられ、内周側にはカッタ本体20が取り付けられるカッタ本体取付手段として、スプライン溝123や略半月状の凹部124が設けられているから、第2アダプタ12の第1アダプタ11への取り付け、および第2アダプタ12へのカッタ本体20の取り付けが容易になる。
【0030】
(4)第2アダプタ12に取り付けられるカッタ本体20は、リング状に形成され、その外周側に第2アダプタ12に取り付けられる第2アダプタ取付手段として、スプライン23や略半月状の凹部24が設けられるとともに内周側に切削用チップ21が複数設けられた、従来と同様の構成を備えたものであるから、従来のカッタ本体20をそのまま使用できて、経済的である。
【0031】
(5)第2アダプタ12を第1アダプタ11に取り付ける取付構造は、カッタ本体20をカッタアダプタ10に取り付けるために従来より用いられてきた取付構造であるから、第1アダプタ11に対し、確実に芯出しした状態で第2アダプタ12を取り付けることができる。
【0032】
(6)カッタ本体20を第2アダプタ12に取り付ける取付構造は、従来より使用されていた方式であるため、第2アダプタ12に対し、確実に芯出しした状態でカッタ本体20を取り付けることができる。また、従来のカッタ本体およびカッタアダプタの取付構造と同様のものを採用しているので、カッタアダプタ10へ着脱可能に取り付けるためにカッタ本体20に設けた着脱手段もそのまま利用でき、カッタ本体20自体において従来のものを使用できる。
【0033】
(7)各第2アダプタ12,12Aには、2種類のカッタ本体20,20A〜20Cが取り付けられるから、カッタ本体20,20A〜20Cが4種類あっても、第2アダプタ12,12Aを2種類にできるとともに、第2アダプタ12,12Aの交換回数を減らすことができ、コストダウンおよびカッタ本体20,20A〜20Cの交換における作業時間の短縮を図ることができる。
また、第2アダプタ12,12Aとして、軸方向寸法L2,L5が異なる2種類を用意するとともに、軸方向寸法L2の第2アダプタ12に、軸方向寸法L2の大きさと略同等の大きさの軸方向寸法L3,L7をそれぞれ有した2種類のカッタ本体20,20Bを取り付けるようにし、軸方向寸法L5の第2アダプタ12Aに、軸方向寸法L5の大きさと略同等の大きさの軸方向寸法L4,L8をそれぞれ有した2種類のカッタ本体20A,20Cを取り付けるようにした。これにより、カッタ本体20,20A〜20Cの交換にあたって、各カッタ本体20,20A〜20Cの軸方向寸法L3,L4,L7,L8に対応して、第2アダプタ12,12Aを交換することで、ワークを加工する際の第2アダプタ12,12Aの剛性を略一定範囲内に保持できる。
【0034】
(8)第1アダプタ11と第2アダプタ12との取付構造、および第2アダプタ12とカッタ本体20との取付構造をテーパスプライン方式としたので、第1アダプタ11の内周側、第2アダプタ12の外周側および内周側、カッタ本体20の外周側を薄肉に加工せずにすみ、各アダプタ11,12およびカッタ本体20の強度を保持できる。
【0035】
[第2実施形態]
図7および図8には、本発明の第2実施形態に係るクランクシャフトミラーのカッタ装置10および内刃式のカッタ本体20を備えたカッタ装置10Aが示されている。ここにおいて、本実施形態と前述の第1実施形態とは、第1アダプタと第2アダプタとの取付構造、および第2アダプタとカッタ本体との取付構造における一部分が異なるのみで、その他の構成および作用は同一であるから、同一符号を付してそれらの説明を省略、または簡略にする。
第1アダプタ11と第2アダプタ12との取付構造は、実開平6−5816号公報等に示されている、いわゆる十字キー方式の取付構造と同等である。
第1アダプタ11の内周側には主軸30と同軸をなす環状の段差部113が形成され、第2アダプタ12の外周側には第1アダプタ11の段差部113に嵌合されるフランジ部125が形成されている。
【0036】
また、第1アダプタ11に対する第2アダプタ12の芯出しは、キー17とキー溝18によって行われ、キー溝18は、第1アダプタ11の内周側および第2アダプタ12の外周側にまたがって形成され、このキー溝18に対応したキー17が第1アダプタ11および第2アダプタ12にまたがるようにしてキー溝18内にはめ込まれ、ボルト19で第1アダプタ11に固定される。
キー17およびキー溝18は、第1アダプタ11および第2アダプタ12間に4組設けられ、これら4組のキー17およびキー溝18は、第1アダプタ11および第2アダプタ12の平面視で90度ずつ間隔に十字の方向にそれぞれ配置されており、キー17の長手方向に沿った各中心線が第1アダプタ11のリングの中心で交差するように配置されている。
なお、第1アダプタ11の第2アダプタ取付手段101は、段差部113、キー溝18および略半月状の凹部112から構成され、第2アダプタ12の第1アダプタ取付手段102は、フランジ部125、キー溝18および略半月状の凹部122から構成されている。
【0037】
第2アダプタ12とカッタ本体20との取付構造は、上述した第1アダプタ11および第2アダプタ12間の取付構造と略同様な構造であって、十字キー方式が採用されているので説明を簡略にする。
第2アダプタ12およびカッタ本体20には、互いに連結するためのカッタ本体取付手段103および第2アダプタ取付手段104がそれぞれ設けられており、第2アダプタ12のカッタ本体取付手段103は、段差部126、キー溝18および略半月状の凹部124から構成され、カッタ本体20の第2アダプタ取付手段104は、フランジ部25、キー溝18および略半月状の凹部24から構成されている。
ここで、4組のキー17およびキー溝18は、第2アダプタ12およびカッタ本体20の平面視で90度ずつ間隔に十字の方向にそれぞれ配置されているとともに、第1および第2アダプタ11,12間に配置された各キー17およびキー溝18とは、平面視で45度ずつずれている。
なお、
【0038】
次に、本発明におけるカッタ装置10Aの主軸30への取り付け方を説明する。なお、本実施形態の取り付け方と前述の第1実施形態の取り付け方とは略同様なので、第2アダプタ12の第1アダプタ11への取り付け方のみを説明する。
このような構成において、まず、第1アダプタ11の段差部113に第2アダプタ12のフランジ部125を嵌合させ、第1アダプタ11と第2アダプタ12との位置を径方向に調節して互いにキー溝18の位置を一致させる。ついで、各キー溝18にキー17をはめ込みボルト19で固定し、クランパー14を第2アダプタ12上に回動させることで、第2アダプタ12のフランジ部125が第1アダプタ11の段差部113に押さえつけられ、第1アダプタ11に第2アダプタ12が芯出しされた状態で取り付けられる。
【0039】
上述のような本実施形態によれば、前述の第1実施形態の効果(1)〜(7)に加えて、次のような効果がある。
(9)第1アダプタ11と第2アダプタ12との取付構造、および第2アダプタ12とカッタ本体20との取付構造を十字キー方式としたので、第1アダプタ11、第2アダプタ12およびカッタ本体20への各取付手段101〜104の加工を容易にできる。
【0040】
[第3実施形態]
図9および図10には、本発明の第3実施形態に係るクランクシャフトミラーのカッタ装置10および内刃式のカッタ本体20を備えたカッタ装置10Bが示されている。ここにおいて、本実施形態と前述の第1実施形態とは、第1アダプタと第2アダプタとの取付構造、および第2アダプタとカッタ本体との取付構造における一部分が異なるのみで、その他の構成および作用は同一であるから、同一符号を付してそれらの説明を省略、または簡略にする。
第1アダプタ11と第2アダプタ12との取付構造は、特開平11−267917号公報等に示されている、いわゆる八角錐方式の取付構造と同等である。
第1アダプタ11の内周側には、内周面に沿って第1テーパ部114が形成されている。一方、第2アダプタ12の外周側には、外周面に沿って第1アダプタ11の第1テーパ部114に対応した第2テーパ部127が形成されている。これらテーパ部114,127は、それぞれ連続する8つの傾斜面114A,127Aが連続して構成されており、平面略八角形状に形成されている。
第1アダプタ11の第1テーパ部114および第2アダプタ127の第2テーパ部127は、互いに対向して面接触するとともに、第1アダプタ11に対する第2アダプタ12の差し込み方向(矢印A方向)の前方側に向けて漸次縮径する傾斜面とされている。
なお、第1アダプタ11の第2アダプタ取付手段101は、第1テーパ部114および略半月状の凹部112から構成され、第2アダプタ12の第1アダプタ取付手段102は、第2テーパ部127および略半月状の凹部122から構成されている。
【0041】
第2アダプタ12とカッタ本体20との取付構造は、上述した第1アダプタ11および第2アダプタ12間の取付構造と略同様な構造であって、八角錐方式が採用されているので説明を簡略にする。
第2アダプタ12およびカッタ本体20には、互いに連結するためのカッタ本体取付手段103および第2アダプタ取付手段104がそれぞれ設けられており、第2アダプタ12のカッタ本体取付手段103は、第3テーパ部128および略半月状の凹部124から構成され、カッタ本体20の第2アダプタ取付手段104は、第4テーパ部26および略半月状の凹部24から構成されている。
ここで、第3テーパ部128および第4テーパ部26は、それぞれ連続する8つの傾斜面128A,26Aから構成されており、平面略八角形状に形成されている。この八角形状は、第1アダプタ11および第2アダプタ12間に形成されるものと、第2アダプタ12およびカッタ本体20間に形成されるものとで略同方向に角部を向けているため、第2アダプタ12のリングが薄肉になることを防止でき、第2アダプタ12の強度が低下しない。
【0042】
次に、本発明におけるカッタ装置10Bの主軸30への取り付け方を説明する。なお、本実施形態の取り付け方と前述の第1実施形態の取り付け方とは略同様なので、第2アダプタ12の第1アダプタ11への取り付け方のみを説明する。
このような構成において、まず、第1アダプタ11の第1テーパ部114に第2アダプタ12の第2テーパ部127を嵌合させ、ついで、クランパー14を第2アダプタ12上に回動させることで、第2アダプタ12の第2テーパ部127の傾斜面127Aを第1アダプタ11の第1テーパ部114の傾斜面114Aに押さえつけ、第1アダプタ11に第2アダプタ12を芯出しした状態で取り付ける。
【0043】
上述のような本実施形態によれば、前述の第1実施形態の効果(1)〜(7)に加えて、次のような効果がある。
(10)第1アダプタ11と第2アダプタ12との取付構造、および第2アダプタ12とカッタ本体20との取付構造を八角錐方式としたので、たとえば、カッタ本体20を第2アダプタ12に挿入すると、漸次縮径する傾斜面により、自然に位置決め(カッタ本体20の芯出し)がなされ、カッタ本体20の芯出し作業を容易にできる。
【0044】
[第4実施形態]
図11および図12には、本発明の第4実施形態に係るクランクシャフトミラーのカッタ装置10および内刃式のカッタ本体20を備えたカッタ装置10Cが示されている。ここにおいて、本実施形態と前述の第1実施形態とは、第1アダプタと第2アダプタとの取付構造、および第2アダプタとカッタ本体との取付構造における一部分が異なるのみで、その他の構成および作用は同一であるから、同一符号を付してそれらの説明を省略、または簡略にする。
第1アダプタ11と第2アダプタ12との取付構造は、特開平6−143018号公報等に示されている、いわゆるハースカップリング(平面噛み合い歯)方式の取付構造と同等である。
第1アダプタ11の内周側には主軸30と同軸をなす環状の段差部115が形成され、第2アダプタ12の外周側には第1アダプタ11の段差部115に嵌合されるフランジ部131が形成されている。第1アダプタ11の段差部115において、フランジ部131との対向面(軸方向と略直交する面)には、円周方向に沿って等間隔に配列されかつ台形状に隆起した複数の歯115Aが形成されている。一方、第2アダプタ12のフランジ部131において、段差部115との対向面には、第1アダプタ11の段差部115に形成された歯115Aに対応して、円周方向に沿って等間隔に配列されかつ台形状に隆起した複数の歯131Aが形成されている。
第1アダプタ11の歯115Aと、第2アダプタ12の歯131Aとは、互いに噛み合うようになっており、一方の歯列の隣接する2つの歯の間の谷部に他方の歯列の歯が嵌合することで、第1アダプタ11および第2アダプタ12間で大きなクランプ力が得られるようになっている。
なお、第1アダプタ11の第2アダプタ取付手段101は、歯115Aおよび略半月状の凹部112から構成され、第2アダプタ12の第1アダプタ取付手段102は、歯131Aおよび略半月状の凹部122から構成されている。
【0045】
第2アダプタ12とカッタ本体20との取付構造は、上述した第1アダプタ11および第2アダプタ12間の取付構造と略同様な構造であって、ハースカップリング方式が採用されているので説明を簡略にする。
第2アダプタ12およびカッタ本体20には、互いに連結するためのカッタ本体取付手段103および第2アダプタ取付手段104がそれぞれ設けられており、第2アダプタ12のカッタ本体取付手段103は、段差部132、歯132Aおよび略半月状の凹部124から構成され、カッタ本体20の第2アダプタ取付手段104は、フランジ部27、歯27Aおよび略半月状の凹部24から構成されている。
【0046】
次に、本発明におけるカッタ装置10Cの主軸30への取り付け方を説明する。なお、本実施形態の取り付け方と前述の第1実施形態の取り付け方とは略同様なので、第2アダプタ12の第1アダプタ11への取り付け方のみを説明する。
このような構成において、まず、第1アダプタ11の歯115Aに第2アダプタ12の歯131Aが噛み合わさった状態で、クランパー14を第2アダプタ112上に回動させ、第2アダプタ12の歯131Aを第1アダプタ11の歯115Aと歯115Aとの間に押さえつけることで、第1アダプタ11に第2アダプタ12を芯出しされた状態で取り付けられる。
【0047】
上述のような本実施形態によれば、前述の第1実施形態の効果(1)〜(7)に加えて、次のような効果がある。
(11)第1アダプタ11と第2アダプタ12との取付構造、および第2アダプタ12とカッタ本体20との取付構造をハースカップリング方式とし、たとえば、カッタ本体20と第2アダプタ12との各対向面に形成した複数の歯27A,132A同士を噛み合わせた状態でカッタ本体20を第2アダプタ12側へ押しつけることで取り付けを行っているため、着脱を容易にできる。
【0048】
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。
たとえば、前記第3実施形態では、各テーパ部は八角形状に形成されいたが、少なくとも三角形以上の多角形状に形成されればよく、好ましくは、6〜10角形状である。
【0049】
前記各実施形態では、円形凹部13,16およびクランパー14により、第2アダプタ12を第1アダプタ11側へ、カッタ本体20を第2アダプタ12側へ押さえつけていたが、たとえばボルト等により押さえつけてもよく、第2アダプタを第1アダプタ側へ、カッタ本体を第2アダプタ側へ押さえつけることができれば、どのような構造であってもよい。
【0050】
前記各実施形態では、カッタ装置10を、1種類の第1アダプタ11と、それぞれ2種類のカッタ本体20,20A〜20Cが取付可能な2種類の第2アダプタ12,12Aとから構成したが、たとえば、1種類の第1アダプタと、それぞれ4種類のカッタ本体が取付可能な4種類の第2アダプタとから構成してもよく、要するに、それぞれ軸方向寸法が異なる複数種の第2アダプタおよびカッタ本体を備えていればよい。
また、第1アダプタ11は、前記各実施形態のように、1種類のみが用意されていてもよく、あるいは、軸方向寸法が異なる複数種が用意されていてもよい。しかしながら、第1アダプタは通常しまり嵌め等で主軸に固定されるから、第1アダプタの交換回数を減らすためにも、第1アダプタの種類は少ない方が望ましい。
【0051】
前記各実施形態において、カッタ装置10は内周側に複数の切削用チップ21が設けられたカッタ本体20を備えていたが、たとえば、図13に示すように、外周側に複数の切削用チップ21が設けられたカッタ本体20Dを備えたカッタ装置10Dであってもよい。このような場合も、カッタ装置10Dは、二分割されており、第1アダプタ11Dおよび第2アダプタ12Dを備えている。カッタ本体20Dはリング状に形成され、その内周側にリング状の第2アダプタ12Dの外周側が取り付けられる。さらに、この第2アダプタ12Dの内周側には、リング状の第1アダプタ11Dの外周側が取り付けられ、この第1アダプタ11Dの内周側には主軸30Dが取り付けられることとなる。なお、第1アダプタ11D、第2アダプタ12D、およびカッタ本体20Dの各取付構造は、各実施形態の取付構造と略同等のものを用いればよいので、説明を省略する。
【0052】
また、第1アダプタ11と第2アダプタ12との取付構造、および第2アダプタ12とカッタ本体20との取付構造は、第1ないし第4実施形態で説明した各種取付構造に限定されるものではなく、他の構造を有する取付構造であってもよく、要するに、第1アダプタ、第2アダプタ、およびカッタ本体を、それぞれ精度よく取り付けられる取付構造であればよい。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、容易に短時間で段取り替えできるとともに、クランクシャフトミラー側の剛性を高めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るクランクシャフトミラーを示す正面図である。
【図2】前記実施形態におけるカッタ装置の一部を示す平面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】前記実施形態において、軸方向寸法の大きいカッタ本体を用いたときの説明をするための断面図である。
【図6】前記実施形態における第1アダプタと第2アダプタとカッタ本体との組み合わせを例示するための模式図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るクランクシャフトミラーのカッタ装置の一部を示す平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿った断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係るクランクシャフトミラーのカッタ装置を示す平面図である。
【図10】図9のX−X線に沿った断面図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係るクランクシャフトミラーのカッタ装置の一部を示す平面図である。
【図12】図11のXI−XI線に沿った断面図である。
【図13】本発明の変形例を示すための図である。
【図14】従来例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 クランクシャフトミラー
10,10A,10B,10C,10D カッタ装置
11 カッタ装置用第1アダプタ
12,12A カッタ装置用第2アダプタ
20,20A,20B,20C カッタ本体
21 切削用チップ
30 主軸
100 主軸取付部
101 第2アダプタ取付手段(第1アダプタ)
102 第1アダプタ取付手段
103 カッタ本体取付手段
104 第2アダプタ取付手段(カッタ本体)
L2,L5 軸方向の寸法(カッタ装置用第2アダプタ)
L3,L4,L7,L8 軸方向の寸法(カッタ本体)
Claims (5)
- クランクシャフトミラーの主軸に取り付けられるとともに、ワークを加工する切削用チップを複数有したカッタ本体を保持するクランクシャフトミラーのカッタ装置であって、
前記主軸に取り付けられるカッタ装置用第1アダプタと、
リング状に形成されるとともに、内周側または外周側のうちの一方側が前記カッタ装置用第1アダプタに着脱可能に設けられかつ前記内周側または外周側のうちの他方側に前記カッタ本体が着脱可能に設けられるカッタ装置用第2アダプタとを備えていることを特徴とするクランクシャフトミラーのカッタ装置。 - 請求項1に記載のクランクシャフトミラーのカッタ装置において、
前記カッタ装置用第2アダプタを前記カッタ装置用第1アダプタに取り付ける取付構造は、十字キー方式、テーパスプライン方式、多角錐方式、およびハースカップリング方式のうちのいずれか1つの方式であることを特徴とするクランクシャフトミラーのカッタ装置。 - 請求項1または請求項2に記載のクランクシャフトミラーのカッタ装置において、
前記カッタ本体を前記カッタ装置用第2アダプタに取り付ける取付構造は、十字キー方式、テーパスプライン方式、多角錐方式、およびハースカップリング方式のうちのいずれか1つの方式であることを特徴とするクランクシャフトミラーのカッタ装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のクランクシャフトミラーのカッタ装置において、
前記カッタ装置用第2アダプタは、その軸方向の寸法が異なる複数種が用意されるとともに、
前記カッタ本体は、その軸方向の寸法が異なる複数種が用意され、
前記複数種のカッタ装置用第2アダプタには、前記複数種のカッタ本体のうちの少なくとも2種類以上のカッタ本体がそれぞれ着脱可能に設けられていることを特徴とするクランクシャフトミラーのカッタ装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のクランクシャフトミラーのカッタ装置を備えていることを特徴とするクランクシャフトミラー。
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