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JP4780826B2 - 電気光学装置の作製方法 - Google Patents

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JP4780826B2
JP4780826B2 JP2000308742A JP2000308742A JP4780826B2 JP 4780826 B2 JP4780826 B2 JP 4780826B2 JP 2000308742 A JP2000308742 A JP 2000308742A JP 2000308742 A JP2000308742 A JP 2000308742A JP 4780826 B2 JP4780826 B2 JP 4780826B2
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舜平 山崎
一宇 山本
康行 荒井
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体素子(半導体薄膜を用いた素子)を基板上に作り込んで形成されたエレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)表示装置に代表される電気光学装置及びその電気光学装置を表示ディスプレイとして有する電子装置(電子デバイス)に関する。特にそれらの作製方法に関する。本明細書では、エレクトロルミネセンスが得られる有機化合物を含む層をEL層と呼ぶ。尚、有機化合物におけるミネセンスには一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(りん光)とがあり、その両者を含むものとする。
【0002】
【従来の技術】
近年、基板上に薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す)を形成する技術が大幅に進歩し、アクティブマトリクス型表示装置への応用開発が進められている。特に、結晶構造を有する半導体膜(例えば、ポリシリコン膜)を用いたTFTは、従来のアモルファスシリコン膜を用いたTFTよりも電界効果移動度が高いので高速動作が可能となる。そのため、画素部に接続する駆動回路をTFTで形成して、同一基板上に作り込むことが可能となっている。
【0003】
このようなアクティブマトリクス型表示装置は、同一基板上に様々な回路や素子を作り込むことで製造コストの低減、表示装置の小型化や薄型化、歩留まりの上昇、スループットの向上など、様々な利点が得られるとして注目されている。
【0004】
アクティブマトリクス型EL表示装置は、各画素のそれぞれにTFTでなるスイッチング素子を設け、そのスイッチング素子によって電流制御を行う駆動素子を動作させてEL層(発光層)を発光させる。例えば米国特許番号5,684,365号(日本国公開公報:特開平8−234683号参照)、日本国公開公報:特開平10−189252号に記載されたEL表示装置がある。
【0005】
これらEL表示装置でカラー表示させる方法において、赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色を発光するEL層を画素毎に配置する試みがなされている。しかしながら、EL層として一般的に用いられる材料は殆ど有機材料であり、微細加工で用いられるフォトリソグラフィーの技術をそのまま適用することは困難であった。その理由は、EL材料自体が水分に非常に弱く、現像液にも容易に溶解してしまうほど取り扱いが難しいからである。
【0006】
このような問題を解決する技術として、EL層をインクジェット方式により形成する技術が提案されている。例えば、特開平10−012377号公報には、インクジェット方式によりEL層を形成したアクティブマトリクス型EL表示体が開示されている。また、同様な技術が、「Multicolor Pixel Patterning of Light-Emitting Polymers by Ink-jet Printing;T.Shimada et.al.,p376-379,SID 99 DIGEST」にも開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
インクジェット方式では1画素毎にEL層を形成することが可能となり、EL層を形成した後でパターニングをするという工程を省略することができる。しかし、アクティブマトリクス型EL表示装置にしても、パッシブ型EL表示装置にしても、画面サイズが大きくなり画素密度が高くなるにつれ、高い位置精度と処理速度の高速化が要求される。
【0008】
本発明は、インクジェット方式によるEL層の形成を簡便でかつ高速に処理することを目的としている。そして、動作性能及び信頼性の高い電気光学装置の作製方法、特にEL表示装置の作製方法を提供することを課題とする。そして、電気光学装置の画質を向上させることにより、それを表示用ディスプレイとして有する電子装置(電子デバイス)の品質を向上させることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明はインクジェット方式でEL層を形成するときに、該EL層を複数の画素に渡って連続して設ける。具体的には、m行n列にマトリクス状に配列された画素電極に対して、選択されたある一列または一行に対し、EL層をストライプ状に連続的に形成する。または、各画素電極に対応して長円形或いは長方形にEL層を形成する。
【0010】
インクジェット方式では、インクヘッドの位置制御と、インク(EL層を形成する場合はその材料を含有する溶液)の吐出との操作を繰り返し行うことで所定のパターンを形成する。しかし、画面サイズが大きくなり、また画素密度が大きくなると、各画素電極毎に対応してEL層を形成する方法では処理時間が膨大なものとなってくる。しかし、上記のようにストライプ状、または長円形或いは長方形に形成する方法は、インクヘッドを連続的に走査させることでEL層の形成が可能となり処理時間を短縮することができる。
【0011】
カラー表示のEL表示装置を作製するには、赤、緑、青の各色に対応するEL層をストライプ状、または長円形或いは長方形に形成すれば良い。このようなEL層及びEL層の作製方法は、アクティブマトリクス型であってもパッシブマトリクス型であっても適用できる。
【0012】
さらに、本発明ではインクジェット方式で形成されたEL素子からのアルカリ金属の拡散を、EL素子とTFTとの間に設けた絶縁膜(パッシベーション膜)によって防止する。具体的には、TFTを覆う平坦化膜上にアルカリ金属の透過を妨げる絶縁膜を設ける。即ち、その絶縁膜中においてEL表示装置の動作温度におけるアルカリ金属の拡散速度が十分に小さいものを用いれば良い。
【0013】
好ましくは、水分及びアルカリ金属を透過せず、且つ、熱伝導率の高い(放熱効果の高い)絶縁膜を選定し、この絶縁膜をEL素子に接して設けるか、さらに好ましくはそのような絶縁膜でもってEL素子を囲んだ状態とする。即ち、EL素子になるべく近い位置に、水分及びアルカリ金属に対するブロッキング効果があり、且つ、放熱効果をも有する絶縁膜を設け、該絶縁膜によってEL素子の劣化を抑制するのである。
【0014】
また、そのような絶縁膜を単層で用いることができない場合は、水分及びアルカリ金属に対するブロッキング効果を有する絶縁膜と、放熱効果を有する絶縁膜とを積層して用いることもできる。さらには、水分に対するブロッキング効果を有する絶縁膜と、アルカリ金属に対するブロッキング効果を有する絶縁膜と、放熱効果を有する絶縁膜とを積層して用いることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
図1は本発明の概念を説明する図である。図1(A)は、基板101上に画素部102と走査線側駆動回路103、データ線側駆動回路104が設けられている構成を示している。画素部102にはストライプ状に分離層105が設けられ、各分離層の間にEL層が形成されている。分離層105はインクジェット方式でEL層を形成する場合において、隣接するEL層が相互に混ざり合わないようにするために設けてある。
【0016】
EL層106は、インクヘッド107からEL材料を含む溶液を吐出して形成される。EL層の材料は特に限定されるものではないが、カラー表示を行うには赤、緑、青に対応したEL層106R、106G、106Bを設ければ良い。
【0017】
図2は画素部にEL層を形成する場合の詳細を説明する図である。図2(A)では画素部120において、各画素に対応して電流制御用TFT122とそれに接続する画素電極123が複数個設けられ、かつ、マトリクス状に配列され、選択されたある一列または一行の画素電極に対し、EL層121をストライプ状に形成する様子を示している。カラー表示を行うには赤、緑、青に対応したEL層121R、121G、121Bを図のように設ければ良い。
【0018】
また、画素部120のマトリクス状に配列された電流制御用TFT125とそれに接続する画素電極126に対して、EL層124を長円形或いは長方形にEL層を形成しても良い。カラー表示を行うには同様にEL層124R、124G、124Bを図のように設ける。
【0019】
図1(B)は図1(A)で示した概念図の断面構造図であり、基板101上に走査線側駆動回路103、画素部102が形成されている様子を示している。画素部102には分離層105が形成され、各分離層の間にEL層106R、106G、106Bが形成されている。インクヘッド107はインクジェット方式のものであり、制御信号に応じて赤、緑、青の各色に対応したインクドット108R、108G、108Bが吐出される。吐出されたインクドット108R、108G、108Bは基板上に付着し、その後の乾燥或いは焼成工程を経てEL層として機能するが、図2で示したように本発明はこのように吐出されたインクドットを基板上で連続させストライプ状、または長円状或いは長方形状に形成することに特徴がある。インクヘッドは一列または一行毎に一方向に走査させれば良いので、EL層の形成にかかる処理時間を短縮することができる。
【0020】
図1(C)は画素部をさらに詳細に説明する図であり、基板上に電流制御用TFT110と、該電流制御用TFT110に接続する画素電極112が設けられ、各画素電極上にEL層106R、106G、106Bが分離層105の間に形成されている。画素電極112と電流制御用TFT110との間にはアルカリ金属に対するブロッキング効果を有する絶縁膜111が形成されていることが望ましい。
【0021】
図3はインクヘッドの構成を説明する図であり、はピエゾ方式を採用した例である。図3(A)で示すのはピエゾ素子(圧電素子)131、筐体132、EL形成溶液133である。電圧がかかるとピエゾ素子が変形し、筐体132も変形する。その結果、図3(B)で示すように内部のEL形成溶液133は液滴134として発射される。このようにピエゾ素子にかかる電圧を制御することでEL形成溶液の塗布を行う。この場合、EL形成溶液133は物理的な外圧によって押し出されるため、組成等になんら影響はない。
【0022】
図4は同様に本発明の概念を説明する図であるが、基板141上に形成された画素部142には第1の分離層145とこれに直交する第2の分離層146が設けられ、EL層147は第1の分離層145と分離層146とに囲まれた部分に形成されている。第1の分離層145と第2の分離層146とは各画素電極に対応して設けられている。EL層はインクヘッド148からEL材料を含むEL形成溶液を吐出して形成される。カラー表示を行うには赤、緑、青に対応したEL層148R、148G、148Bを設ければ良い。
【0023】
[実施形態2]
本発明のアクティブマトリクス型EL表示装置について図5と図6を用いて説明する。図5に示したのは本発明であるアクティブマトリクス型EL表示装置の画素の断面図であり、図6(A)はその上面図、図6(B)はその回路構成である。実際にはこのような画素がマトリクス状に複数配列されて画素部(画像表示部)が形成される。
【0024】
なお、図5の断面図は図6(A)に示した上面図においてA−A’で切断した切断面を示している。ここでは図5及び図6で共通の符号を用いているので、適宜両図面を参照すると良い。
【0025】
図5において、11は基板、12は下地となる絶縁膜(以下、下地膜という)である。基板11としてはガラス基板、ガラスセラミックス基板、石英基板、シリコン基板、セラミックス基板、金属基板若しくはプラスチック基板(プラスチックフィルムも含む)を用いることができる。
【0026】
また、下地膜12は特に可動イオンを含む基板や導電性を有する基板を用いる場合に有効であるが、石英基板には設けなくても構わない。下地膜12としては、珪素(シリコン)を含む絶縁膜を用いれば良い。なお、本明細書において「珪素を含む絶縁膜」とは、具体的には酸化珪素膜、窒化珪素膜若しくは窒化酸化珪素膜(SiOxNyで示される)など珪素、酸素若しくは窒素を所定の割合で含む絶縁膜を指す。
【0027】
また、下地膜12に放熱効果を持たせることによりTFTの発熱を発散させることはTFTの劣化又はEL素子の劣化を防ぐためにも有効である。その場合、アルミニウム(Al)の酸化物、窒化物などAlを成分とする合金材料で形成しても良い。
【0028】
画素内には二つのTFTを形成している。201はスイッチング用素子として機能するTFT(以下、スイッチング用TFTという)、202はEL素子へ流す電流量を制御する電流制御用素子として機能するTFT(以下、電流制御用TFTという)であり、どちらもnチャネル型TFTで形成されている。
【0029】
但し、スイッチング用TFTと電流制御用TFTをnチャネル型TFTに限定する必要はなく、両方又はどちらか片方にpチャネル型TFTを用いることも可能である。いずれにしても、電流制御用TFTに接続するEL素子にかけるバイアス電圧の極性によりTFTを選択すれば良い。
【0030】
スイッチング用TFT201は、ソース領域13、ドレイン領域14、LDD領域15a〜15d、高濃度不純物領域16及びチャネル形成領域17a、17bを含む活性層、ゲート絶縁膜18、ゲート電極19a、19b、第1層間絶縁膜20、ソース配線21並びにドレイン配線22を有して形成される。
【0031】
また、図示しないが、ゲート電極19a、19bは別の材料(ゲート電極19a、19bよりも低抵抗な材料)で形成されたゲート線によって電気的に接続されたダブルゲート構造としても良く、このような構成とすることで画面サイズの大型化に対応できる。勿論、ダブルゲート構造だけでなく、トリプルゲート構造などいわゆるマルチゲート構造(直列に接続された二つ以上のチャネル形成領域を有する活性層を含む構造)であっても良い。マルチゲート構造はオフ電流値を低減する上で極めて有効であり、本発明では画素のスイッチング素子201をマルチゲート構造とすることによりオフ電流値の低いスイッチング素子を実現している。
【0032】
また、活性層は結晶構造を含む半導体膜で形成される。即ち、単結晶半導体膜でも良いし、多結晶半導体膜や微結晶半導体膜でも良い。また、ゲート絶縁膜18は珪素を含む絶縁膜で形成すれば良い。また、ゲート電極、ソース線若しくはドレイン線はAl、タンタル(Ta)、タングステン(W)等に代表される公知の配線材料を用いることができる。
【0033】
さらに、スイッチング用TFT201においては、LDD領域15a〜15dは、ゲート絶縁膜18を介してゲート電極17a、17bと重ならないように設ける。このような構造はオフ電流値を低減する上で非常に効果的である。
【0034】
なお、チャネル形成領域とLDD領域との間にオフセット領域(チャネル形成領域と同一組成の半導体層でなり、ゲート電圧が印加されない領域)を設けることはオフ電流値を下げる上でさらに好ましい。また、二つ以上のゲート電極を有するマルチゲート構造の場合、チャネル形成領域の間に設けられた高濃度不純物領域がオフ電流値の低減に効果的である。
【0035】
以上のように、マルチゲート構造のTFTを画素のスイッチング素子201として用いることにより、十分にオフ電流値の低いスイッチング素子を実現することができる。そのため、特開平10−189252号公報の図2のようなコンデンサーを設けなくても十分な時間(選択されてから次に選択されるまでの間)電流制御用TFTのゲート電圧を維持しうる。
【0036】
即ち、従来、有効発光面積を狭める要因となっていたコンデンサーを排除することが可能となり、有効発光面積を広くすることが可能となる。このことはEL表示装置の画質を明るくできることを意味する。
【0037】
電流制御用TFT202は、ソース領域31、ドレイン領域32、LDD領域33及びチャネル形成領域34を含む活性層、ゲート絶縁膜18、ゲート電極35、第1層間絶縁膜20、ソース配線36並びにドレイン配線37を有して形成される。なお、ゲート電極35はシングルゲート構造となっているが、マルチゲート構造であっても良い。
【0038】
図6に示すように、スイッチング用TFTのドレインは電流制御用TFTのゲートに接続されている。具体的には電流制御用TFT202のゲート電極35はスイッチング用TFT201のドレイン領域14とドレイン線(接続配線とも言える)22を介して電気的に接続されている。また、ソース線36は電源供給線212に接続される。
【0039】
この電流制御用TFT202の特徴は、チャネル幅がスイッチング用TFT201のチャネル幅よりも大きい点である。即ち、図12に示すように、スイッチング用TFTのチャネル長をL1、チャネル幅をW1とし、電流制御用TFTのチャネル長をL2、チャネル幅をW2とした場合、W2/L2≧5×W1/L1(好ましくはW2/L2≧10×W1/L1)という関係式が成り立つようにする。このため、スイッチング用TFTよりも多くの電流を容易に流すことが可能である。
【0040】
なお、マルチゲート構造であるスイッチング用TFT201のチャネル長L1は、形成された二つ以上のチャネル形成領域のそれぞれのチャネル長の総和とする。図12の場合、ダブルゲート構造であるので、二つのチャネル形成領域のそれぞれのチャネル長L1a及びL1bを加えたものがスイッチング用TFT201のチャネル長L1となる。
【0041】
本発明において、チャネル長L1、L2及びチャネル幅W1、W2は特定の数値範囲に限定されるものではないが、W1は0.1〜5μm(代表的には1〜3μm)、W2は0.5〜30μm(代表的には2〜10μm)とするのが好ましい。この時、L1は0.2〜18μm(代表的には2〜15μm)、L2は0.1〜50μm(代表的には1〜20μm)とするのが好ましい。
【0042】
なお、電流制御用TFT202では電流が過剰に流れることを防止するためチャネル長Lの長さを長めに設定することが望ましい。好ましくはW2/L2≧3(好ましくはW2/L2≧5)とするとよい。望ましくはは一画素あたり0.5〜2μA(好ましくは1〜1.5μA)となるようにする。
【0043】
これらの数値範囲とすることによりVGAクラスの画素数(640×480)を有するEL表示装置からハイビジョンクラスの画素数(1920×1080又は1280×1024)を有するEL表示装置まで、あらゆる規格を網羅することができる。また、スイッチング用TFT201に形成されるLDD領域の長さ(幅)は0.5〜3.5μm、代表的には2.0〜2.5μmとすれば良い。
【0044】
また、図5に示したEL表示装置は、電流制御用TFT202において、ドレイン領域32とチャネル形成領域34との間にLDD領域33が設けられ、且つ、LDD領域33がゲート絶縁膜18を介してゲート電極35に重なっている領域と重なっていない領域とを有する点にも特徴がある。
【0045】
電流制御用TFT202は、EL素子204を発光させるための電流を供給すると同時に、その供給量を制御して階調表示を可能とする。そのため、大電流を流しても劣化しないようにホットキャリア注入による劣化対策を講じておく必要がある。また、黒色を表示する際は、電流制御用TFT202をオフ状態にしておくが、その際、オフ電流値が高いときれいな黒色表示ができなくなり、コントラストの低下等を招く。従って、オフ電流値も抑える必要がある。
【0046】
ホットキャリア注入による劣化に関しては、ゲート電極に対してLDD領域が重なった構造が非常に効果的であることが知られている。しかしながら、LDD領域全体をゲート電極に重ねてしまうとオフ電流値が増加してしまうため、本出願人はゲート電極に重ならないLDD領域を直列に設けるという新規な構造によって、ホットキャリア対策とオフ電流値対策とを同時に解決している。
【0047】
この時、ゲート電極に重なったLDD領域の長さは0.1〜3μm(好ましくは0.3〜1.5μm)にすれば良い。長すぎては寄生容量を大きくしてしまい、短すぎてはホットキャリアを防止する効果が弱くなってしまう。また、ゲート電極に重ならないLDD領域の長さは1.0〜3.5μm(好ましくは1.5〜2.0μm)にすれば良い。長すぎると十分な電流を流せなくなり、短すぎるとオフ電流値を低減する効果が弱くなる。
【0048】
また、上記構造においてゲート電極とLDD領域とが重なった領域では寄生容量が形成されてしまうため、ソース領域31とチャネル形成領域34との間には設けない方が好ましい。電流制御用TFTはキャリア(ここでは電子)の流れる方向が常に同一であるので、ドレイン領域側のみにLDD領域を設けておけば十分である。
【0049】
また、流しうる電流量を多くするという観点から見れば、電流制御用TFT202の活性層(特にチャネル形成領域)の膜厚を厚くする(好ましくは50〜100nm、さらに好ましくは60〜80nm)ことも有効である。逆に、スイッチング用TFT201の場合はオフ電流値を小さくするという観点から見れば、活性層(特にチャネル形成領域)の膜厚を薄くする(好ましくは20〜50nm、さらに好ましくは25〜40nm)ことも有効である。
【0050】
第1パッシベーション膜41の膜厚は10nm〜1μm(好ましくは200〜500nm)とすれば良い。材料としては、珪素を含む絶縁膜(特に窒化酸化珪素膜又は窒化珪素膜が好ましい)を用いることができる。このパッシベーション膜41は形成されたTFTをアルカリ金属や水分から保護する役割をもつ。最終的にTFTの上方に設けられるEL層にはナトリウム等のアルカリ金属が含まれている。即ち、第1パッシベーション膜41はこれらのアルカリ金属(可動イオン)をTFT側に侵入させない保護層としても働く。
【0051】
また、第1パッシベーション膜41に放熱効果を持たせることでEL層の熱劣化を防ぐことも有効である。但し、図5の構造のEL表示装置は基板11側に光が放射されるため、第1パッシベーション膜41は透光性を有することが必要である。また、EL層として有機材料を用いる場合、酸素との結合により劣化するので、酸素を放出しやすい絶縁膜は用いないことが望ましい。
【0052】
アルカリ金属の透過を妨げ、さらに放熱効果をもつ透光性材料としては、B(ホウ素)、C(炭素)、N(窒素)から選ばれた少なくとも一つの元素と、Al(アルミニウム)、Si(珪素)、P(リン)から選ばれた少なくとも一つの元素とを含む絶縁膜が挙げられる。例えば、窒化アルミニウム(AlxNy)に代表されるアルミニウムの窒化物、炭化珪素(SixCy)に代表される珪素の炭化物、窒化珪素(SixNy)に代表される珪素の窒化物、窒化ホウ素(BxNy)に代表されるホウ素の窒化物、リン化ホウ素(BxPy)に代表されるホウ素のリン化物を用いることが可能である。また、酸化アルミニウム(AlxOy)に代表されるアルミニウムの酸化物は透光性に優れ、熱伝導率が20Wm-1-1であり、好ましい材料の一つと言える。これらの材料には上記効果だけでなく、水分の侵入を防ぐ効果もある。
【0053】
上記化合物に他の元素を組み合わせることもできる。例えば、酸化アルミニウムに窒素を添加して、AlNxOyで示される窒化酸化アルミニウムを用いることも可能である。この材料にも放熱効果だけでなく、水分やアルカリ金属等の侵入を防ぐ効果がある。
【0054】
また、特開昭62−90260号公報に記載された材料を用いることができる。即ち、Si、Al、N、O、Mを含む絶縁膜(但し、Mは希土類元素の少なくとも一種、好ましくはCe(セリウム),Yb(イッテルビウム),Sm(サマリウム),Er(エルビウム),Y(イットリウム)、La(ランタン)、Gd(ガドリニウム)、Dy(ジスプロシウム)、Nd(ネオジウム)から選ばれた少なくとも一つの元素)を用いることもできる。これらの材料にも放熱効果だけでなく、水分やアルカリ金属等の侵入を防ぐ効果がある。
【0055】
また、少なくともダイヤモンド薄膜又はアモルファスカーボン膜(特にダイヤモンドに特性の近いもの、ダイヤモンドライクカーボン等と呼ばれる。)を含む炭素膜を用いることもできる。これらは非常に熱伝導率が高く、放熱層として極めて有効である。但し、膜厚が厚くなると褐色を帯びて透過率が低下するため、なるべく薄い膜厚(好ましくは5〜100nm)で用いることが好ましい。
【0056】
なお、第1パッシベーション膜41の目的はあくまでアルカリ金属や水分からTFTを保護することにあるので、その効果を損なうものであってはならない。従って、上記放熱効果をもつ材料からなる薄膜を単体で用いることもできるが、これらの薄膜と、アルカリ金属や水分の透過を妨げうる絶縁膜(代表的には窒化珪素膜(SixNy)や窒化酸化珪素膜(SiOxNy))とを積層することは有効である。
【0057】
また、EL表示装置には大きく分けて四つのカラー化表示方式があり、RGBに対応した三種類のEL素子を形成する方式、白色発光のEL素子とカラーフィルターを組み合わせた方式、青色又は青緑発光のEL素子と蛍光体(蛍光性の色変換層:CCM)とを組み合わせた方式、陰極(対向電極)に透明電極を使用してRGBに対応したEL素子を重ねる方式がある。図5には一つの画素しか図示していないが、同一構造の画素が赤、緑又は青のそれぞれの色に対応して形成され、これによりカラー表示を行うことができる。これら各色のEL層は公知の材料を採用すれば良い。但し、本発明は発光方式に関わらず実施することが可能であり、上記四つの全ての方式を本発明に用いることができる。
【0058】
また、第1パッシベーション膜41を形成したら、各TFTを覆うような形で第2層間絶縁膜(平坦化膜と言っても良い)44を形成し、TFTによってできる段差の平坦化を行う。第2層間絶縁膜44としては、有機樹脂膜が好ましく、ポリイミド、ポリアミド、アクリル、BCB(ベンゾシクロブテン)等を用いると良い。勿論、十分な平坦化が可能であれば、無機膜を用いても良い。
【0059】
第2層間絶縁膜44によってTFTによる段差を平坦化することは非常に重要である。後に形成されるEL層は非常に薄いため、段差が存在することによってその部分に亀裂が入ったり、陽極と陰極が短絡したりする場合がある。従って、EL層をできるだけ平坦面に形成しうるように画素電極を形成する前に平坦化しておくことが望ましい。
【0060】
第2パッシベーション膜45はEL素子から拡散するアルカリ金属をブロッキングする重要な役割を担う。膜厚は5nm〜1μm(典型的には20〜300nm)とすれば良い。この第2パッシベーション膜45は、アルカリ金属の透過を妨げうる絶縁膜を用いる。材料としては、第1パッシベーション膜41として用いた材料を用いることができる。また、この第2パッシベーション膜45はEL素子で発生した熱を逃がしてEL素子に熱が蓄積しないように機能する放熱層としても機能する。また、第2層間絶縁膜44が有機樹脂膜である場合は熱に弱いため、EL素子で発生した熱が第2層間絶縁膜44に悪影響を与えないようにする。また、第2パッシベーション膜45は上記熱による劣化を防ぐと同時に、EL層中のアルカリ金属がTFT側へと拡散しないようにするための保護層としても機能し、さらにはEL層側へTFT側から水分や酸素が侵入しないようにする保護層としても機能する。
【0061】
前述のようにEL表示装置を作製するにあたってTFTを有機樹脂膜で平坦化することは有効であるが、EL素子で発生した熱による有機樹脂膜の劣化を考慮した構造は従来なかった。本発明では第2パッシベーション膜45を設けることによってその点を解決している点も特徴の一つと言える。
【0062】
画素電極(EL素子の陽極)46は透明導電膜であり、第2パッシベーション膜45、第2層間絶縁膜44及び第1パッシベーション膜41にコンタクトホール(開孔)を開けた後、形成された開孔部において電流制御用TFT202のドレイン配線37に接続されるように形成される。
【0063】
画素電極46が形成されたら、第2パッシベーション膜45の上に有機樹脂膜でなる分離層101を形成する。本実施例では感光性のポリイミド膜をスピンコーティング法により形成し、パターニングによって分離層101を形成する。この分離層101はインクジェット方式でEL層を形成する際の型であり、この分離層の配置によってEL素子の形成される場所が画定する。
【0064】
そして、分離層101を形成したら、次にEL層(有機材料が好ましい)47をインクジェット方式で形成する。EL層47は単層又は積層構造で用いられるが、積層構造で用いられる場合が多い。発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔注入層又は正孔輸送層などを組み合わせて様々な積層構造が提案されているが、本発明ではいずれの構造であっても良い。また、EL層に対して蛍光性色素等をドーピングしても良い。
【0065】
本発明では既に公知のあらゆるEL材料を用いることができる。公知の材料としては、有機材料が広く知られており、駆動電圧を考慮すると有機材料を用いるのが好ましい。有機EL材料としては、例えば、以下の米国特許又は公開公報に開示された材料を用いることができる。
【0066】
米国特許第4,356,429号、米国特許第4,539,507号、米国特許第4,720,432号、米国特許第4,769,292号、米国特許第4,885,211号、米国特許第4,950,950号、米国特許第5,059,861号、米国特許第5,047,687号、米国特許第5,073,446号、米国特許第5,059,862号、米国特許第5,061,617号、米国特許第5,151,629号、米国特許第5,294,869号、米国特許第5,294,870号、特開平10−189525号公報、特開平8−241048号公報、特開平8−78159号公報。
【0067】
具体的には、正孔注入層としての有機材料は次のような一般式で表されるものを用いることができる。
【0068】
【化1】
Figure 0004780826
【0069】
ここでQはN又はC−R(炭素鎖)であり、Mは金属、金属酸化物又は金属ハロゲン化物であり、Rは水素、アルキル、アラルキル、アリル又はアルカリルであり、T1、T2は水素、アルキル又はハロゲンのような置換基を含む不飽和六員環である。
【0070】
また、正孔輸送層としての有機材料は芳香族第三アミンを用いることができ、好ましくは次のような一般式で表されるテトラアリルジアミンを含む。
【0071】
【化2】
Figure 0004780826
【0072】
ここでAreはアリレン群であり、nは1から4の整数であり、Ar、R7、R8、R9はそれぞれ選択されたアリル群である。
【0073】
また、EL層、電子輸送層又は電子注入層としての有機材料は金属オキシノイド化合物を用いることができる。金属オキシノイド化合物としては以下のような一般式で表されるものを用いれば良い。
【0074】
【化3】
Figure 0004780826
【0075】
ここでR2−R7は置き換え可能であり、次のような金属オキシノイド化合物を用いることもできる。
【0076】
【化4】
Figure 0004780826
【0077】
ここでR2−R7は上述の定義によるものであり、L1−L5は1から12の炭素元素を含む炭水化物群であり、L1、L2又はL2、L3は共にベンゾ環を形成することができる。また、次のような金属オキシノイド化合物でも良い。
【0078】
【化5】
Figure 0004780826
【0079】
ここでR2−R6は置き換え可能である。このように有機EL材料としては有機リガンドを有する配位化合物を含む。但し、以上の例は本発明のEL材料として用いることのできる有機EL材料の一例であって、これに限定する必要はまったくない。
【0080】
また、本発明ではEL層の形成方法としてインクジェット方式を用いるため、好ましいEL材料としてはポリマー系材料が多い。代表的なポリマー系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)系やポリフルオレン系などの高分子材料が挙げられる。カラー化するには、例えば、赤色発光材料にはシアノポリフェニレンビニレン、緑色発光材料にはポリフェニレンビニレン、青色発光材料にはポリフェニレンビニレン及びポリアルキルフェニレンが好ましい。
【0081】
但し、以上の例は本発明のEL材料として用いることのできる有機EL材料の一例であって、これに限定する必要はまったくない。インクジェット法に使用できる有機EL材料については、特開平10−012377号公報に記載されている材料を全て引用することができる。
【0082】
なお、インクジェット方式はバブルジェット方式(サーマルインクジェット方式ともいう)とピエゾ方式とに大別されるが、本発明を実施するにはピエゾ方式が望ましい。
【0083】
また、実際に画素電極上にEL材料を塗布するときの形状は、実施形態1で示したようにストライプ状或いは複数のドットを連続させて長円状または長方形状に形成する。分離層101はインクジェット方式でEL層を形成するに当たり隣接するEL層が相互に混合しないための機能を有している。
【0084】
カラー表示を行うには、図6で示すように赤色発光のEL層47R、緑色発光のEL層47G、青色発光のEL層47Bを形成する。このとき、それぞれのEL層を順次形成しても良いし、赤、緑、青に対応するEL層を同時に形成しても良い。また、EL形成溶液に含まれる溶媒を除去するためにベーク(焼成)処理が必要である。このベーク処理は全てのEL層を形成した後で行っても良いし、各色のEL層が形成し終えた時点で個別に行っても良い。このようにして、EL層の厚さを50〜250nmの厚さに形成する。
【0085】
図21は画素部における構成を説明するものであり、ストライプ状または長円状或いは長方形状に形成されたEL層に複数の画素電極が形成されている様子を示している。図21(A)では異なる色で発光するEL層1702a、1702bに対しそれぞれ複数の画素電極が設けられている。各画素電極にはスイッチング用TFTと電流制御用TFTの2つのTFTが接続されている。またEL層1702aと1702bは分離層1701により分離されている。マルチカラー表示するには、画素電極1703aと1703bを一組として一つの画素1710aを形成する。同様に画素1710bを隣に設けるとき、その間隔をDとするとその値はEL層の厚さの5〜10倍とする。即ち250〜2500nmとする。
【0086】
図21(B)は他の構成例を示すものであり、例えば、赤、緑、青といった様に異なる色で発光するEL層1705a、1705b、1705cに対しそれぞれ複数の画素電極が設けられている。これらのEL層は分離層1704で分離されている。マルチカラー或いはRGBフルカラー表示するには、画素電極1706a、1706b、1706cを一組として一つの画素1720aを形成する。同様に画素1710bを隣に設けるとき、その間隔をDとすると、やはりその値はEL層の厚さの5〜10倍とする。即ち250〜2500nmとする。このようにすることで画像表示を鮮明なものとすることができる。
【0087】
また、EL層47を形成する際、処理雰囲気は極力水分の少ない乾燥雰囲気とし、不活性ガス中で行うことが望ましい。EL層は水分や酸素の存在によって容易に劣化してしまうため、形成する際は極力このような要因を排除しておく必要がある。例えば、乾燥窒素雰囲気、乾燥アルゴン雰囲気等が好ましい。
【0088】
以上のようにしてEL層47をインクジェット方式により形成したら、次に陰極48、補助電極49を形成する。本明細書中では、画素電極(陽極)、EL層及び陰極で形成される発光素子をEL素子と呼ぶ。
【0089】
陰極48は仕事関数の小さいマグネシウム(Mg)、リチウム(Li)若しくはカルシウム(Ca)を含む材料を用いる。好ましくはMgAg(MgとAlをMg:Ag=10:1で混合した材料)でなる電極を用いれば良い。他にもMgAgAl電極、LiAl電極、また、LiFAl電極が挙げられる。また、補助電極49は陰極48を外部の水分等から保護膜するために設けられる電極であり、アルミニウム(Al)若しくは銀(Ag)を含む材料が用いられる。この補助電極48には放熱効果もある。
【0090】
なお、EL層47及び陰極48は大気解放せずに乾燥された不活性雰囲気中にて連続的に形成することが望ましい。これはEL層として有機材料を用いる場合、水分に非常に弱いため、大気解放した時の吸湿を避けるためである。さらに、EL層47及び陰極48だけでなく、その上の補助電極49まで連続形成するとさらに良い。
【0091】
また、第3パッシベーション膜50の膜厚は10nm〜1μm(好ましくは200〜500nm)とすれば良い。第3パッシベーション膜50を設ける目的は、EL層47を水分から保護する目的が主であるが、第2パッシベーション膜45と同様に放熱効果をもたせても良い。従って、形成材料としては第1パッシベーション膜41と同様のものを用いることができる。但し、EL層47として有機材料を用いる場合、酸素との結合により劣化する可能性があるので、酸素を放出しやすい絶縁膜は用いないことが望ましい。
【0092】
また、上述のようにEL層は熱に弱いので、なるべく低温(好ましくは室温から120℃までの温度範囲)で成膜するのが望ましい。従って、プラズマCVD法、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法又は溶液塗布法(スピンコーティング法)が望ましい成膜方法と言える。
【0093】
このように、第2パッシベーション膜45を設けるだけでも十分にEL素子の劣化を抑制することはできるが、さらに好ましくはEL素子を第2パッシベーション膜45及び第2パッシベーション膜50というようにEL素子を挟んで形成された二層の絶縁膜によって囲み、EL層への水分、酸素の侵入を防ぎ、EL層からのアルカリ金属の拡散を防ぎ、EL層への熱の蓄積を防ぐ。その結果、EL層の劣化がさらに抑制されて信頼性の高いEL表示装置が得られる。
【0094】
また、本発明のEL表示装置は図5のような構造の画素からなる画素部を有し、画素内において機能に応じて構造の異なるTFTが配置されている。これによりオフ電流値の十分に低いスイッチング用TFTと、ホットキャリア注入に強い電流制御用TFTとが同じ画素内に形成でき、高い信頼性を有し、且つ、良好な画像表示が可能な(動作性能の高い)EL表示装置が得られる。
【0095】
なお、図5の画素構造においてスイッチング用TFTとしてマルチゲート構造のTFTを用いているが、LDD領域の配置等の構成に関しては図1の構成に限定する必要はない。以上の構成でなる本発明について、以下に示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととする。
【0096】
【実施例】
[実施例1]
本発明の実施例について図7〜図9を用いて説明する。ここでは、画素部とその周辺に設けられる駆動回路部のTFTを同時に作製する方法について説明する。但し、説明を簡単にするために、駆動回路に関しては基本回路であるCMOS回路を図示することとする。
【0097】
まず、図7(A)に示すように、ガラス基板300上に下地膜301を300nmの厚さに形成する。本実施例では下地膜302として窒化酸化珪素膜を積層して用いる。この時、ガラス基板300に接する方の窒素濃度を10〜25wt%としておくと良い。
【0098】
また、下地膜301の一部として、図5に示した第1パッシベーション膜41と同様の材料からなる絶縁膜を設けることは有効である。電流制御用TFTは大電流を流すことになるので発熱しやすく、なるべく近いところに放熱効果のある絶縁膜を設けておくことは有効である。
【0099】
次に下地膜301の上に50nmの厚さの非晶質珪素膜(図示せず))を公知の成膜法で形成する。なお、非晶質珪素膜に限定する必要はなく、非晶質構造を含む半導体膜(微結晶半導体膜を含む)であれば良い。さらに非晶質シリコンゲルマニウム膜などの非晶質構造を含む化合物半導体膜でも良い。また、膜厚は20〜100nmの厚さであれば良い。
【0100】
そして、公知の技術により非晶質珪素膜を結晶化し、結晶質珪素膜(多結晶シリコン膜若しくはポリシリコン膜ともいう)302を形成する。公知の結晶化方法としては、電熱炉を使用した熱アニール法、レーザー光を用いたレーザーアニール法、赤外光を用いたランプアニール法がある。本実施例では、XeClガスを用いたエキシマレーザー光を用いたレーザーアニール法で結晶化する。
【0101】
なお、本実施例では線状に加工したパルス発振型のエキシマレーザー光を用いるが、矩形であっても良いし、連続発振型のアルゴンレーザー光や連続発振型のエキシマレーザー光を用いることもできる。また、レーザー光の光源はエキシマレーザーに限定されるものではなく、YAGレーザーの第2高調波或いは第3高調波を用いても良い。
【0102】
本実施例では結晶質珪素膜をTFTの活性層として用いるが、非晶質珪素膜を用いることも可能である。しかし、電流制御用TFTは大電流を流す必要性があるため、電流を流しやすい結晶質珪素膜を用いた方が有利である。
【0103】
なお、オフ電流を低減する必要のあるスイッチング用TFTの活性層を非晶質珪素膜で形成し、電流制御用TFTの活性層を結晶質珪素膜で形成することは有効である。非晶質珪素膜はキャリア移動度が低いため電流を流しにくくオフ電流が流れにくい。即ち、電流を流しにくい非晶質珪素膜と電流を流しやすい結晶質珪素膜の両者の利点を生かすことができる。
【0104】
次に、図7(B)に示すように、結晶質珪素膜302上に酸化珪素膜でなる保護膜303を130nmの厚さに形成する。この厚さは100〜200nm(好ましくは130〜170nm)の範囲で選べば良い。また、珪素を含む絶縁膜であれば他の膜でも良い。この保護膜303は不純物を添加する際に結晶質珪素膜が直接プラズマに曝されないようにするためと、微妙な濃度制御を可能にするために設ける。
【0105】
そして、その上にレジストマスク304a、304bを形成し、保護膜303を介してn型を付与する不純物元素(以下、n型不純物元素という)を添加する。なお、n型不純物元素としては、代表的には15族に属する元素、典型的にはリン又は砒素を用いることができる。なお、本実施例ではフォスフィン(PH3)を質量分離しないでプラズマ励起したプラズマドーピング法を用い、リンを1×1018atoms/cm3の濃度で添加する。勿論、質量分離を行うイオンインプランテーション法を用いても良い。
【0106】
この工程により形成されるn型不純物領域305、306には、n型不純物元素が2×1016〜5×1019atoms/cm3(代表的には5×1017〜5×1018atoms/cm3)の濃度で含まれるようにドーズ量を調節する。
【0107】
次に、図7(C)に示すように、保護膜303を除去し、添加した15族に属する元素の活性化を行う。活性化手段は公知の技術を用いれば良いが、本実施例ではエキシマレーザー光の照射により活性化する。勿論、パルス発振型でも連続発振型でも良いし、エキシマレーザー光に限定する必要はない。但し、添加された不純物元素の活性化が目的であるので、結晶質珪素膜が溶融しない程度のエネルギーで照射することが好ましい。なお、保護膜303をつけたままレーザー光を照射しても良い。尚、このレーザー光による不純物元素の活性化に際して、熱処理による活性化を併用しても構わない。熱処理による活性化を行う場合は、基板の耐熱性を考慮して450〜550℃程度の熱処理を行えば良い。
【0108】
この工程によりn型不純物領域305、306の端部、即ち、n型不純物領域305、306の周囲に存在するn型不純物元素を添加していない領域との境界部(接合部)が明確になる。このことは、後にTFTが完成した時点において、LDD領域とチャネル形成領域とが非常に良好な接合部を形成しうることを意味する。
【0109】
次に、図7(D)に示すように、結晶質珪素膜の不要な部分を除去して、島状の半導体膜(以下、活性層という)307〜310を形成する。
【0110】
次に、図7(E)に示すように、活性層307〜310を覆ってゲート絶縁膜311を形成する。ゲート絶縁膜311としては、10〜200nm、好ましくは50〜150nmの厚さの珪素を含む絶縁膜を用いれば良い。これは単層構造でも積層構造でも良い。本実施例では110nm厚の窒化酸化珪素膜を用いる。
【0111】
次に、200〜400nm厚の導電膜を形成し、パターニングしてゲート電極312〜316を形成する。なお、本実施例ではゲート電極と、ゲート電極に電気的に接続された引き回しのための配線(以下、ゲート配線という)とを別の材料で形成する。具体的にはゲート電極よりも低抵抗な材料をゲート配線として用いる。これは、ゲート電極としては微細加工が可能な材料を用い、ゲート配線には微細加工はできなくとも配線抵抗が小さい材料を用いるためである。勿論、ゲート電極とゲート配線とを同一材料で形成してしまっても構わない。
【0112】
また、ゲート電極は単層の導電膜で形成しても良いが、必要に応じて二層、三層といった積層膜とすることが好ましい。ゲート電極の材料としては公知のあらゆる導電膜を用いることができる。ただし、上述のように微細加工が可能、具体的には2μm以下の線幅にパターニング可能な材料が好ましい。
【0113】
代表的には、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、導電性を有するシリコン(Si)から選ばれた元素でなる膜、または前記元素の窒化物膜(代表的には窒化タンタル膜、窒化タングステン膜、窒化チタン膜)、または前記元素を組み合わせた合金膜(代表的にはMo−W合金、Mo−Ta合金)、または前記元素のシリサイド膜(代表的にはタングステンシリサイド膜、チタンシリサイド膜)を用いることができる。勿論、単層で用いても積層して用いても良い。本実施例では、50nm厚の窒化タンタル(TaN)膜と、350nm厚のTa膜とでなる積層膜を用いる。これはスパッタ法で形成すれば良い。また、スパッタガスとしてXe、Ne等の不活性ガスを添加すると応力による膜はがれを防止することができる。
【0114】
この時、ゲート電極313、316はそれぞれn型不純物領域305、306の一部とゲート絶縁膜311を介して重なるように形成する。この重なった部分が後にゲート電極と重なったLDD領域となる。
【0115】
次に、図8(A)に示すように、ゲート電極312〜316をマスクとして自己整合的にn型不純物元素(本実施例ではリン)を添加する。こうして形成される不純物領域317〜323にはn型不純物領域305、306の1/2〜1/10(代表的には1/3〜1/4)の濃度でリンが添加されるように調節する。具体的には、1×1016〜5×1018atoms/cm3(典型的には3×1017〜3×1018atoms/cm3)の濃度が好ましい。
【0116】
次に、図8(B)に示すように、ゲート電極等を覆う形でレジストマスク324a〜324cを形成し、n型不純物元素(本実施例ではリン)を添加して高濃度にリンを含む不純物領域325〜331を形成する。ここでもフォスフィン(PH3)を用いたイオンドープ法で行い、この領域のリンの濃度は1×1020〜1×1021atoms/cm3(代表的には2×1020〜5×1021atoms/cm3)となるように調節する。
【0117】
この工程によってnチャネル型TFTのソース領域若しくはドレイン領域が形成されるが、スイッチング用TFTでは、図8(A)の工程で形成したn型不純物領域320〜322の一部を残す。この残された領域が、図5におけるスイッチング用TFTのLDD領域15a〜15dに対応する。
【0118】
次に、図8(C)に示すように、レジストマスク324a〜324cを除去し、新たにレジストマスク332を形成する。そして、p型不純物元素(本実施例ではボロン)を添加し、高濃度にボロンを含む不純物領域333、334を形成する。ここではジボラン(B26)を用いたイオンドープ法により3×1020〜3×1021atoms/cm3(代表的には5×1020〜1×1021atoms/cm3ノ)濃度となるようにボロンを添加する。
【0119】
なお、不純物領域333、334には既に1×1020〜1×1021atoms/cm3の濃度でリンが添加されているが、ここで添加されるボロンはその少なくとも3倍以上の濃度で添加される。そのため、予め形成されていたn型の不純物領域は完全にP型に反転し、P型の不純物領域として機能する。
【0120】
次に、レジストマスク332を除去した後、それぞれの濃度で添加されたn型またはp型不純物元素を活性化する。活性化手段としては、ファーネスアニール法、レーザーアニール法、またはランプアニール法で行うことができる。本実施例では電熱炉において窒素雰囲気中、550℃、4時間の熱処理を行う。
【0121】
このとき雰囲気中の酸素を極力排除することが重要である。なぜならば酸素が少しでも存在していると露呈したゲート電極の表面が酸化され、抵抗の増加を招くと共に後にオーミックコンタクトを取りにくくなるからである。従って、上記活性化工程における処理雰囲気中の酸素濃度は1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下とすることが望ましい。
【0122】
次に、活性化工程が終了したら図8(D)に示すように300nm厚のゲート線335を形成する。ゲート配線335の材料としては、アルミニウム(Al)又は銅(Cu)を主成分(組成として50〜100%を占める。)とする金属膜を用いれば良い。配置としては図2のゲート配線211のように、スイッチング用TFTのゲート電極314、315(図2のゲート電極19a、19bに相当する)を電気的に接続するように形成する。
【0123】
このような構造とすることでゲート配線の配線抵抗を非常に小さくすることができるため、面積の大きい画像表示領域(画素部)を形成することができる。即ち、画面の大きさが対角10インチ以上(さらには30インチ以上)のEL表示装置を実現する上で、本実施例の画素構造は極めて有効である。
【0124】
次に、図9(A)に示すように、第1層間絶縁膜336を形成する。第1層間絶縁膜336としては、珪素を含む絶縁膜を単層で用いるか、その中で組み合わせた積層膜を用いれば良い。また、膜厚は400nm〜1.5μmとすれば良い。本実施例では、200nm厚の窒化酸化珪素膜の上に800nm厚の酸化珪素膜を積層した構造とする。
【0125】
さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行い水素化処理を行う。この工程は熱的に励起された水素により半導体膜の不対結合手を水素終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。尚、水素化処理は第1層間絶縁膜336を形成する間に入れても良い。即ち、200nm厚の窒化酸化珪素膜を形成した後で上記のように水素化処理を行い、その後で残り800nm厚の酸化珪素膜を形成しても構わない。
【0126】
次に、第1層間絶縁膜336に対してコンタクトホールを形成し、ソース配線337〜340と、ドレイン配線341〜343を形成する。なお、本実施例ではこの電極を、Ti膜を100nm、Tiを含むアルミニウム膜を300nm、Ti膜150nmをスパッタ法で連続形成した3層構造の積層膜とする。勿論、他の導電膜でも良い。
【0127】
次に、50〜500nm(代表的には200〜300nm)の厚さで第1パッシベーション膜344を形成する。本実施例では第1パッシベーション膜344として300nm厚の窒化酸化珪素膜を用いる。これは窒化珪素膜で代用しても良い。勿論、図5の第1パッシベーション膜41と同様の材料を用いることが可能である。
【0128】
なお、窒化酸化珪素膜の形成に先立ってH2、NH3等水素を含むガスを用いてプラズマ処理を行うことは有効である。この前処理により励起された水素が第1層間絶縁膜336に供給され、熱処理を行うことで、第1パッシベーション膜344の膜質が改善される。それと同時に、第1層間絶縁膜336に添加された水素が下層側に拡散するため、効果的に活性層を水素化することができる。
【0129】
次に、有機樹脂からなる第2層間絶縁膜347を形成する。有機樹脂としてはポリイミド、ポリアミド、アクリル、BCB(ベンゾシクロブテン)等を使用することができる。特に、第2層間絶縁膜346は平坦化の意味合いが強いので、平坦性に優れたアクリルが好ましい。本実施例ではTFTによって形成される段差を十分に平坦化しうる膜厚でアクリル膜を形成する。好ましくは1〜5μm(さらに好ましくは2〜4μm)とすれば良い。
【0130】
次に、第2層間絶縁膜347上に100nm厚の第2パッシベーション膜348を形成する。本実施例ではSi、Al、N、O及びLaを含む絶縁膜を用いるため、その上に設けられるEL層からのアルカリ金属の拡散を防止することができる。また、同時にEL層に水分を侵入させず、且つ、EL層で発生した熱を分散させて、熱によるEL層の劣化や平坦化膜(第2層間絶縁膜)の劣化を抑制することができる。
【0131】
そして、第2パッシベーション膜348、第2層間絶縁膜347及び第1パッシベーション膜344にドレイン配線343に達するコンタクトホールを形成し、画素電極349を形成する。本実施例では酸化インジウム・スズ(ITO)膜を110nmの厚さに形成し、パターニングを行って画素電極とする。この画素電極349がEL素子の陽極となる。なお、他の材料として、酸化インジウム・チタン膜や酸化インジウム・亜鉛膜を用いることも可能である。
【0132】
尚、本実施例では画素電極349がドレイン配線343を介して電流制御用TFTのドレイン領域331へと電気的に接続された構造となっている。この構造には次のような利点がある。
【0133】
画素電極349はEL層(発光層)や電荷輸送層などの有機材料に直接接することになるため、EL層等に含まれた可動イオンが画素電極中を拡散する可能性がある。即ち、本実施例の構造は画素電極349を直接活性層の一部であるドレイン領域331へ接続せず、ドレイン配線343を中継することによって活性層中への可動イオンの侵入を防ぐことができる。
【0134】
次に、図9(C)に示すように、EL層350をインクジェット方式により形成し、さらに大気解放しないで陰極(MgAg電極)351、補助電極352を形成する。このときEL層350及び陰極351を形成するに先立って画素電極349に対して熱処理を施し、水分を完全に除去しておくことが望ましい。なお、本実施例ではEL素子の陰極としてMgAg電極を用いるが、公知の他の材料であっても良い。
【0135】
尚、EL層350としては実施形態2で説明した材料を用いることができる。例えば、正孔注入層(Hole injecting layer)、正孔輸送層(Hole transporting layer)、発光層(Emitting layer)及び電子輸送層(Electron transporting layer)でなる4層構造をEL層としても良いし、電子輸送層を設けない場合もあり、電子注入層を設ける場合もある。また、正孔注入層を省略する場合もある。このように組み合わせは既に様々な例が報告されており、そのいずれの構成を用いても構わない。
【0136】
正孔注入層又は正孔輸送層としてはアミン系のTPD(トリフェニルアミン誘導体)を用いればよく、他にもヒドラゾン系(代表的にはDEH)、スチルベン系(代表的にはSTB)、スターバスト系(代表的にはm−MTDATA)等を用いることができる。特にガラス転移温度が高く結晶化しにくいスターバスト系材料が好ましい。
【0137】
発光層としては赤色発光層としてはBPPC、ペリレン、DCMが用いることができるが、特にEu(DBM)3(Phen)で示されるEu錯体(J.Kido et.al,Appl.Phys.,vol.35,pp.L394-396,1996に詳しい。)は620nmの波長に鋭い発光をもち単色性が高い。
【0138】
また、緑色発光層として代表的にはAlq3(8-hydroxyquinoline alminium)に数モル%のキナクリドン又はクマリンを添加した材料を用いることができる。化学式は以下のようになる。
【0139】
【化6】
Figure 0004780826
【0140】
また、青色発光層として代表的にはDSA(ジスチルアリーレン誘導体)にアミノ置換DSAを添加したジスチルアリーレンアミン誘導体を用いることができる。特に、性能の高い材料であるジスチリルビフェニル(DPVBi)を用いることが好ましい。化学式は以下のようになる。
【0141】
【化7】
Figure 0004780826
【0142】
また、補助電極352でもEL層350を水分や酸素から保護することは可能であるが、さらに好ましくは第3パッシベーション膜353を設けると良い。本実施例では第3パッシベーション膜353として300nm厚の窒化珪素膜を設ける。この第3パッシベーション膜も補助電極352の後に大気解放しないで連続的に形成しても構わない。勿論、第3パッシベーション膜353としては、図5の第3パッシベーション膜50と同一の材料を用いることができる。
【0143】
補助電極352はMgAg電極351の劣化を防ぐために設けられ、Alを主成分とする金属膜が代表的である。勿論、他の材料でも良い。また、EL層350、MgAg電極351は非常に水分に弱いので、補助電極352までを大気解放しないで連続的に形成し、外気からEL層を保護することが望ましい。
【0144】
尚、EL層350の膜厚は10〜400nm(典型的には60〜160nm)、MgAg電極351の厚さは180〜300nm(典型的には200〜250nm)とすれば良い。また、EL層350を積層構造とする場合、各層の膜厚は10〜100nmの範囲とすれば良い。
【0145】
こうして図9(C)に示すような構造のアクティブマトリクス型EL表示装置が完成する。ところで、本実施例のアクティブマトリクス型EL表示装置は、画素部だけでなく駆動回路部にも最適な構造のTFTを配置することにより、非常に高い信頼性を示し、動作特性も向上しうる。
【0146】
まず、極力動作速度を落とさないようにホットキャリア注入を低減させる構造を有するTFTを、駆動回路を形成するCMOS回路のnチャネル型TFT205として用いる。なお、ここでいう駆動回路としては、シフトレジスタ、バッファ、レベルシフタ、サンプリング回路(サンプル及びホールド回路)などが含まれる。デジタル駆動を行う場合には、D/Aコンバータなどの信号変換回路も含まれうる。
【0147】
本実施例の場合、図9(C)に示すように、nチャネル型205の活性層は、ソース領域355、ドレイン領域356、LDD領域357及びチャネル形成領域358を含み、LDD領域357はゲート絶縁膜311を介してゲート電極313と重なっている。
【0148】
ドレイン領域側のみにLDD領域を形成しているのは、動作速度を落とさないための配慮である。また、このnチャネル型TFT205はオフ電流値をあまり気にする必要はなく、それよりも動作速度を重視した方が良い。従って、LDD領域357は完全にゲート電極に重ねてしまい、極力抵抗成分を少なくすることが望ましい。即ち、いわゆるオフセットはなくした方がよい。
【0149】
また、CMOS回路のpチャネル型TFT206は、ホットキャリア注入による劣化が殆ど気にならないので、特にLDD領域を設けなくても良い。勿論、nチャネル型TFT205と同様にLDD領域を設け、ホットキャリア対策を講じることも可能である。尚、駆動回路の中でもサンプリング回路は他の回路と比べて少し特殊であり、チャネル形成領域を双方向に大電流が流れる。即ち、ソース領域とドレイン領域の役割が入れ替わるのである。さらに、オフ電流値を極力低く抑える必要があり、そういった意味でスイッチング用TFTと電流制御用TFTの中間程度の機能を有するTFTを配置することが望ましい。
【0150】
従って、サンプリング回路を形成するnチャネル型TFTは、図13に示すような構造のTFTを配置することが望ましい。図13に示すように、LDD領域901a、901bの一部がゲート絶縁膜902を介してゲート電極903と重なる。この効果は電流制御用TFT202の説明で述べた通りであり、サンプリング回路の場合はチャネル形成領域904を挟む形で設ける点が異なる。
【0151】
また、図5に示したような構造の画素を形成して画素部を形成している。画素内に形成されるスイッチング用TFT及び電流制御用TFTの構造については、図5で既に説明したのでここでの説明は省略する。
【0152】
なお、実際には図9(C)まで完成したら、さらに外気に曝されないように気密性の高い保護フィルム(ラミネートフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やセラミックス製シーリングカンなどのハウジング材でパッケージング(封入)することが好ましい。その際、ハウジング材の内部を不活性雰囲気にしたり、内部に吸湿性材料(例えば酸化バリウム)を配置することでEL層の信頼性(寿命)が向上する。
【0153】
また、パッケージング等の処理により気密性を高めたら、基板上に形成された素子又は回路から引き回された端子と外部信号端子とを接続するためのコネクター(フレキシブルプリントサーキット:FPC)を取り付けて製品として完成する。このような出荷できる状態にまでしたEL表示装置を本明細書中ではELモジュールという。
【0154】
ここで本実施例のアクティブマトリクス型EL表示装置の構成を図10の斜視図を用いて説明する。本実施例のアクティブマトリクス型EL表示装置は、ガラス基板601上に形成された、画素部602と、ゲート側駆動回路603と、ソース側駆動回路604で構成される。画素部のスイッチング用TFT605はnチャネル型TFTであり、ゲート側駆動回路603に接続されたゲート配線606、ソース側駆動回路604に接続されたソース配線607の交点に配置されている。また、スイッチング用TFT605のドレインは電流制御用TFT608のゲートに接続されている。
【0155】
さらに、電流制御用TFT606のソース側は電源供給線609に接続される。本実施例のような構造では、電源供給線609には接地電位(アース電位)が与えられている。また、電流制御用TFT608のドレインにはEL素子610が接続されている。また、このEL素子610のカソードには所定の電圧(本実施例では10〜12V)が加えられる。そして、外部入出力端子となるFPC611には駆動回路まで信号を伝達するための入出力配線(接続配線)612、613、及び電源供給線609に接続された入出力配線614が設けられている。
【0156】
また、図10に示したEL表示装置の回路構成の一例を図11に示す。図11の回路構成はアナログ駆動の例であり、ソース側駆動回路701、ゲート側駆動回路(A)707、ゲート側駆動回路(B)711、画素部706を有している。なお、本明細書中において、駆動回路とはソース側処理回路およびゲート側駆動回路を含めた総称である。
【0157】
ソース側駆動回路701は、シフトレジスタ702、レベルシフタ703、バッファ704、サンプリング回路(サンプル及びホールド回路)705を備えている。また、ゲート側駆動回路(A)707は、シフトレジスタ708、レベルシフタ709、バッファ710を備えている。ゲート側駆動回路(B)711も同様な構成である。
【0158】
ここで、シフトレジスタ702、708は駆動電圧が5〜16V(代表的には10V)であり、回路を形成するCMOS回路に使われるnチャネル型TFTは図9(C)の205で示される構造が適している。
【0159】
また、レベルシフタ703、709、バッファ704、710は、駆動電圧は14〜16Vと高くなるが、シフトレジスタと同様に、図9(C)のnチャネル型TFT205を含むCMOS回路が適している。なお、ゲート配線をダブルゲート構造、トリプルゲート構造といったマルチゲート構造とすることは、各回路の信頼性を向上させる上で有効である。また、サンプリング回路705は駆動電圧が14〜16Vであるが、ソース領域とドレイン領域が反転する上、オフ電流値を低減する必要があるので、図13のnチャネル型TFT208を含むCMOS回路が適している。画素部706は駆動電圧が14〜16Vであり、図5に示した構造の画素を配置する。
【0160】
上記構成は、図7〜9に示した作製工程に従ってTFTを作製することによって容易に実現することができる。また、本実施例では画素部と駆動回路の構成のみ示しているが、本実施例の作製工程に従えば、その他にも信号分割回路、D/Aコンバータ回路、オペアンプ回路、γ補正回路など駆動回路以外の論理回路を同一基板上に形成することが可能であり、さらにはメモリ部やマイクロプロセッサ等を形成しうると考えている。
【0161】
さらに、ハウジング材をも含めた本実施例のELモジュールについて図14、図15を用いて説明する。なお、必要に応じて図10、図11で用いた符号を引用することにする。
【0162】
図14において、601は基板、602は画素部、603はソース側駆動回路、604はゲート側駆動回路、612は画素部602、ソース側駆動回路603、ゲート側駆動回路604をFPC(フレキシブルプリントサーキット)611に電気的に接続するための接続配線である。また、FPCは外部機器へと電気的に接続され、これにより画素部602、ソース側駆動回路603及びゲート側駆動回路604に外部からの信号を入力することができる。画素部602、ソース側駆動回路603及びゲート側駆動回路604は基板601上に形成された薄膜トランジスタ(以下、TFTという)で形成されている。なお、TFTとしては如何なる構造のTFTを用いても良い。勿論、公知の構造であっても良い。さらに、充填材(図示せず)、カバー材1407、シール材(図示せず)及びフレーム材1408が形成される。
【0163】
ここで、図14をA−A’で切断した断面図を図15(A)に、B−B’で切断した断面図を図15(B)に示す。なお、図15(A)、(B)では図14と同一の部位に同一の符号を用いている。
【0164】
図15(A)に示すように、基板601上に画素部602、駆動回路603が形成されており、画素部602は電流制御用TFT1501とそれに電気的に接続された画素電極1502を含む複数の画素により形成される。この画素電極1502はEL素子の陽極として機能する。また、画素電極1502を覆うようにEL層1503が形成され、その上にはEL素子の陰極1504が形成される。
【0165】
陰極1504は全画素に共通の配線としても機能し、接続配線612を経由してFPC611に電気的に接続されている。さらに、画素部602及び駆動回路603に含まれる素子は全てパッシベーション膜1507で覆われている。
【0166】
さらに、EL素子を覆うようにして充填材1508を設ける。この充填材1508はカバー材1407を接着するための接着剤としても機能する。充填材1508としては、PVC(ポリビニルクロライド)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。この充填材1508の内部に乾燥剤を設けておくと、吸湿効果を保ち続けられるので好ましい。
【0167】
また、カバー材1407としては、ガラス板、アルミニウム板、ステンレス板、FRP(Fiberglass-Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフロライド)フィルム、マイラーフィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリルフィルムを用いることができる。なお、充填材1508としてPVBやEVAを用いる場合、数十μmのアルミニウムホイルをPVFフィルムやマイラーフィルムで挟んだ構造のシートを用いることが好ましい。
【0168】
但し、EL素子からの発光方向(光の放射方向)によってはカバー材1407が透光性を有する必要がある。即ち、図15の場合はカバー材1407の反対側に光が放射されるので材質は問わないが、カバー材1407側に放射されるような場合はカバー材1407に透光性の高い部材を用いる。
【0169】
次に、充填材1508を用いてカバー材1407を接着した後、充填材1508の側面(露呈面)を覆うようにフレーム材1408を取り付ける。フレーム材1408はシール材(接着剤として機能する)1509によって接着される。このとき、シール材1509としては、光硬化性樹脂を用いるのが好ましいが、EL層の耐熱性が許せば熱硬化性樹脂を用いても良い。なお、シール材1509はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、シール材1509の内部に乾燥剤を添加してあっても良い。
【0170】
以上のような方式を用いてEL素子を充填材1508に封入することにより、EL素子を外部から完全に遮断することができ、外部から水分や酸素等のEL層の酸化による劣化を促す物質が侵入することを防ぐことができる。従って、信頼性の高いEL表示装置を作製することができる。
【0171】
[実施例2]
実施例1ではTFTを形成した基板側にEL素子で発光した光を放射する形式のEL表示装置について示した。この場合には、少なくともTFTが形成された領域は影となり、その分画素部の開口率は低下する。一方、EL素子で発光した光を上方(TFTが形成された基板の反対側)に放射する形式とすると、少なくとも開口率を向上させることは容易となる。
【0172】
図18は上方に光を放射する形式のEL表示素子の構成を示す。スイッチング用TFT201と電流制御用TFT202の構成は実施形態2と同様なものであり、ここではその他の部分の差異について説明する。
【0173】
電流制御用TFT202のドレイン側に接続する陰極側画素電極949は第2パッシベーション膜945上に形成する。分離層951は有機樹脂材料で形成する。そして、陰極948をMgAg(MgとAlをMg:Ag=10:1で混合した材料)、MgAgAl、LiAl、LiFAl等の材料を用いて形成する。
【0174】
EL層947も実施形態1または実施形態2と同様にしてインクジェット方式で形成する。さらに、ITOなどの透明導電膜材料で陽極側画素電極を形成し、その上に第3パッシベーション膜950を形成して上方に光を放射する形式のEL表示素子が完成する。
【0175】
[実施例3]
本発明のインクジェット方式によるEL層の作製方法、及び作製されたEL層はパッシブ型のEL表示装置にも適用できる。その実施例を図16を用いて説明する。
【0176】
図16(A)において基板1601はコーニング社の#1737ガラス基板に代表される無アルカリガラス基板、結晶化ガラス基板、表面に酸化珪素または窒化珪素等を形成したソーダライムガラス基板、プラスチック基板などを適用することができる。基板1601上には透明電極1602が50〜200nmの厚さに形成され、エッチング処理やリフトオフ法等の手法により短冊状に複数個に分割する。透明電極1601はITO、ZnO、SnO2、ITO−ZnO等の材料で形成する。そして、ポリイミド等の有機樹脂材料を用いて、短冊状に形成した透明電極1602の側端部に接するように分離層1603を0.5〜2μmの厚さで形成する。
【0177】
EL層は単層又は積層構造で用いられる。積層構造は、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔注入層又は正孔輸送層などを組み合わせた積層構造で形成されるが、本実施例では正孔注入層と発光層を積層させた構造で形成する。まず、図16(B)に示すように正孔注入層1606を形成する。正孔注入層は必ずしも必要なものではないが、発光効率の向上のために設けると好ましい場合がある。正孔注入層の材料は実施形態1で示したように、テトラアリルジアミンを含む有機材料で形成する。この場合もインクジェット方式を用い、インクヘッド1604から吐出した溶液1605を、分離層の間にストライプ状、または複数のドットを連結させて長円状または長方形状に形成する。その後、ホットプレート等により100℃程度に加熱し不要な水分等を蒸発させる。
【0178】
図16(C)に示すように発光層もインクジェット方式で形成する。カラー表示をする場合には、赤、緑、青の各色のシリンダーを有するインクヘッドを用い、発光材料を含有するEL形成溶液1609を正孔注入層上に吐出させて形成する。発光層1608は、好ましいEL材料として、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)系やポリフルオレン系などの高分子材料がある。カラー化するには、例えば、赤色発光材料にはシアノポリフェニレンビニレン、緑色発光材料にはポリフェニレンビニレン、青色発光材料にはポリフェニレンビニレン及びポリアルキルフェニレンが好ましい。このようにして、赤、緑、青の各色に対応した発光層1608R、1608G、1608Bをストライプ状、または複数のを連結させて長円状または長方形状に形成する。インクジェット方式においても、形成時にEL材料が酸化して劣化するのを防ぐために窒素またはアルゴン等の不活性ガス雰囲気中で作業を行うようにする。
【0179】
そして、陰極材料をMgAg(MgとAgをMg:Ag=10:1で混合した材料)、MgAgAl、LiAl、LiFAl等の材料で形成する。この陰極材料は、代表的には真空蒸着法で1〜50nmの厚さで形成する。さらにこの上に補助電極としてAlなどを積層させる。図16(D)の陰極層1610はこのような構成を示し、それぞれの膜形成時にマスク部材を用い短冊状に形成する。短冊状に形成された陰極層1610は、やはり同様に短冊状に形成した透明電極1602とほぼ直交するように形成する。この陰極層1610上には窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜などでパッシベーション膜1611が形成される。
【0180】
ここで示したEL層を形成する材料は水分や湿気等に弱いためハウジング材で封止することが望ましい。ハウジング材1614の材質はガラス、ポリマー等の絶縁性物質が好ましい。例えば、非晶質ガラス(硼硅酸塩ガラス、石英等)、結晶化ガラス、セラミックスガラス、有機系樹脂(アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂等)、シリコーン系樹脂が挙げられる。また、セラミックスを用いても良い。また、接着剤1705が絶縁性物質であるならステンレス合金等の金属材料を用いることも可能である。
【0181】
また、ハウジング材1614をEL層が形成された基板に張り合わせる接着剤1612の材質は、エポキシ系樹脂、アクリレート系樹脂等の接着剤を用いることが可能である。さらに、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を接着剤として用いることもできる。但し、可能な限り酸素、水分を透過しない材質であることが必要である。接着剤1612には酸化バリウム等の乾燥剤1613を混入させておいても良い。このようにしてパッシブ型のEL表示装置を形成することができる。
【0182】
[実施例4]
EL素子を形成する薄膜形成装置の一例を図17に示す。図17に示したのは発光層として高分子系有機EL層、陰極層として周期律表の1族若しくは2族に属する元素を含む金属膜、補助電極としてAl等の導電膜、パッシベーション膜を連続して形成する装置である。
【0183】
図17において、401は基板の搬入または搬出を行う搬送室であり、ロード・アンロード室とも呼ばれる。ここに基板をセットしたキャリア402が配置される。尚、搬送室401は基板搬入用と基板搬出用と区別されていても良い。また、403は基板404を搬送する機構(以下、搬送機構という)405を含む共通室である。基板のハンドリングを行うロボットアームなどは搬送機構(1)405の一種である。
【0184】
共通室403にはゲート406a〜406fを介して複数の処理室が連結されている。図17の構成では共通室403を数mTorrから数十mTorrに減圧し、各処理室はゲート406a〜406fによって共通室403とは遮断されている。この場合、インクジェット印刷用処理室415とスピンコート用処理室408は窒素またはアルゴン等の不活性ガスを満たした常圧中で行われるため、共通室403との間に、真空排気用処理室412を設けた構成となっている。
【0185】
減圧下で所定の作業を行う各処理室には排気ポンプを設けることで真空下での処理を行うことが可能となる。排気ポンプとしては、油回転ポンプ、メカニカルブースターポンプ、ターボ分子ポンプ若しくはクライオポンプを用いることが可能であるが、水分の除去に効果的なクライオポンプが好ましい。
【0186】
発光層や注入層から成るEL層の形成は、インクジェット印刷用処理室415、またはスピンコート用処理室408で行う。インクジェット印刷用処理室415には基板保持手段や図3で説明したインクヘッド等が設けられている。また、前述のように有機EL材料は水分に極めて弱いため、インクジェット印刷用処理室415、スピンコート用処理室408は常に不活性雰囲気に保たれている。
【0187】
基板の搬送は、まず真空排気用処理室412を共通室403と同じ圧力まで減圧しておき、その状態でゲート406dを開けて基板を搬送する。そして、ゲート406dを閉めた後、真空排気用処理室412内を不活性ガスでパージし、常圧に戻った時点でゲート413を開けて基板搬送室414にある搬送機構(2)418で基板をインクジェット印刷用処理室415、スピンコート用処理室408に搬送する。
【0188】
本発明では有機EL層はインクジェット方式で形成するものであるが、発光層をインクジェット方式で形成し、正孔または電子注入層や正孔または電子輸送層などの一部の層をスピンコート法で形成するといったように両者を適宣組み合わせて形成しても良い。
【0189】
EL層の形成工程が終了したら、ゲート413を開けて真空排気用処理室412へ基板を搬送し、ゲート413及びゲート406dを閉めた状態で真空排気を行う。真空排気用処理室412が共通室403と同じ減圧状態にまで達したら、ゲート406dを開けて基板を共通室へと搬送する。
【0190】
尚、ここでは焼成用処理室409を設けているが、真空排気用処理室412のサセプターを加熱できるようにして、ここで焼成工程を行っても良い。焼成後に真空排気することで、脱ガスを抑えることが可能である。
【0191】
第1成膜用処理室410では陰極の形成を行う。陰極材料としては、公知の材料を用いて行う。陰極は真空蒸着法で形成するが、そのとき基板表面(高分子系EL層が形成された面)は、上向き(フェイスアップ方式)であっても下向き(フェイスダウン方式)であっても良い。
【0192】
フェイスアップ方式の場合、共通室403から搬送された基板をそのままサセプターに設置すれば良いため非常に簡易である。フェイスダウン方式の場合、搬送機構(1)405若しくは第1成膜用処理室410に、基板を反転させるための機構を備えておく必要が生じるため搬送機構が複雑になるが、ゴミの付着が少ないという利点が得られる。
【0193】
尚、第1成膜用処理室110において蒸着処理を行う場合には、蒸着源を具備しておく必要がある。蒸着源は複数設けても良い。また、抵抗加熱方式の蒸着源としても良いし、EB(電子ビーム)方式の蒸着源としても良い。
【0194】
第2成膜用処理室411は、気相成膜法により電極を形成するための処理室である。ここでは陰極を補助するための補助電極の形成が行われる。また、蒸着法又はスパッタ法が用いられるが、蒸着法の方がダメージを与えにくいので好ましい。いずれにしてもゲート406fによって共通室403と遮断され、真空下で成膜が行われる。尚、気相成膜法として蒸着法を行う場合には、蒸着源を設ける必要がある。蒸着源に関しては第1気相成膜用処理室410と同様で構わないので、ここでの説明は省略する。
【0195】
陰極として良く用いられる金属膜は、周期律表の1族若しくは2族に属する元素を含む金属膜であるが、これらの金属膜は酸化しやすいので表面を保護しておくことが望ましい。また、必要な膜厚も薄いため、抵抗率の低い導電膜を補助的に設けて陰極の抵抗を下げ、加えて陰極の保護を図る。抵抗率の低い導電膜としてはアルミニウム、銅又は銀を主成分とする金属膜が用いられる。
【0196】
次に、第3成膜用処理室407では、第3パッシベーション膜を形成するための処理室である。第3パッシベーション膜は窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜等をプラズマCVD法で形成する。従って、図示していないが、SiH4、N2O、NH3などのガス供給系、13.56〜60MHzの高周波電源を用いたプラズマ発生手段、基板加熱手段などが設けられている。有機材料から成るEL層は水分または湿気に弱いので、EL層を形成後大気雰囲気に晒すことなく連続してこのようなパッシベーション膜を設けると良い。
【0197】
以上の構成でなる薄膜形成装置の最大の特徴は、EL層の形成うインクジェット方式により行われ、且つ、そのための手段が陰極を形成する手段と共にマルチチャンバー方式の薄膜形成装置に搭載されている点にある。従って、透明導電膜でなる陽極上を表面酸化する工程から始まって、補助電極を形成する工程までを一度も外気に晒すことなく行うことが可能である。その結果、劣化に強い高分子系EL層を簡易な手段で形成することが可能となり、信頼性の高いEL表示装置を作製することが可能となる。
【0198】
[実施例5]
実施例1では、結晶質珪素膜302の形成手段としてレーザー結晶化を用いているが、本実施例では異なる結晶化手段を用いる場合について説明する。
【0199】
本実施例では、非晶質珪素膜を形成した後、特開平7−130652号公報に記載された技術を用いて結晶化を行う。同公報に記載された技術は、結晶化を促進(助長)する触媒として、ニッケル等の元素を用い、結晶性の高い結晶質珪素膜を得る技術である。
【0200】
また、結晶化工程が終了した後で、結晶化に用いた触媒を除去する工程を行っても良い。その場合、特開平10−270363号若しくは特開平8−330602号に記載された技術により触媒をゲッタリングすれば良い。また、本出願人による特願平11−076967の出願明細書に記載された技術を用いてTFTを形成しても良い。
【0201】
以上のように、実施例1に示した作製工程は一実施例であって、図5又は実施例1の図9(C)の構造が実現できるのであれば、他の作製工程を用いても問題はない。尚、本実施例の構成は、実施形態2及び実施例1〜2のいずれの構成とも自由に組み合わせることが可能である。
【0202】
[実施例6]
本発明を実施して形成されたアクティブマトリクス型EL表示装置またはパッシブ型EL表示装置(ELモジュール)は、自発光型であるため液晶表示装置に比べて明るい場所での視認性に優れている。そのため直視型のEL表示装置(ELモジュールを組み込んだ表示装置を指す)として用途は広い。
【0203】
尚、EL表示装置が液晶表示装置よりも有利な点の一つとして視野角の広さが挙げられる。従って、TV放送等を大画面で鑑賞するには対角30インチ以上(典型的には40インチ以上)の表示装置(表示モニタ)として本発明のEL表示装置を用いるとよい。
【0204】
また、EL表示装置(パソコンモニタ、TV放送受信用モニタ、広告表示モニタ等)として用いるだけでなく、様々な電子装置の表示装置として用いることができる。その様な電子装置としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはコンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(LD)又はデジタルビデオディスク(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それら半導体装置の例を図19と図20に示す。
【0205】
図19(A)はELディスプレイであり、筐体2001、支持台2002、表示部2003等を含む。本発明のEL表示装置は表示部2003に用いることができる。本発明のEL表示装置は特に大画面化した場合において有利であり、対角10インチ以上(特に対角30インチ以上)のディスプレイには有利である。
【0206】
図19(B)はビデオカメラであり、本体2101、表示部2102、音声入力部2103、操作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部2106等を含む。本発明のEL表示装置を表示部2102に用いることができる。
【0207】
図19(C)はヘッドマウント型ディスプレイであり、本体2201、信号ケーブル2202、固定バンド2203、表示部2204、光学系2205、EL表示装置2206等を含む。これは、EL表示装置2206で写し出された画像情報を光学系により表示部2204に映し出す構成になっており、本発明は表示装置2206に用いることができる。
【0208】
図19(D)は記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2301、記録媒体(CD、LDまたはDVD等)2302、操作スイッチ2303、表示部(a)2304、表示部(b)2305等を含む。表示部(a)は主として画像情報を表示し、表示部(b)は主として文字情報を表示するが、本発明のEL表示装置はこれら表示部(a)、(b)に用いることができる。なお、記録媒体を備えた画像再生装置としては、CD再生装置、ゲーム機器などに本発明を用いることができる。
【0209】
図19(E)は携帯型(モバイル)コンピュータであり、本体2401、カメラ部2402、受像部2403、操作スイッチ2404、表示部2405等を含む。本発明のEL表示装置は表示部2405に用いることができる。
【0210】
図19(F)はパーソナルコンピュータであり、本体2501、表示部2503、キーボード2504等を含む。本発明のEL表示装置は表示部2503に用いることができる。
【0211】
図20(A)は携帯電話であり、本体2601、音声出力部2602、音声入力部2603、表示部2604、操作スイッチ2605、アンテナ2606等から構成されている。本発明のEL表示装置は低消費電力であり、表示部2604に好適に用いることができる。
【0212】
図20(B)は車載用オーディオ機器であり、本体2701、表示部2702、操作スイッチ2703、2704等を含む。本発明のEL表示装置は視野角が広いので視認性に優れることから表示部2702に好適に用いることができる。
【0213】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜5のどのような組み合わせからなる構成を用いても実現することができる。
【0214】
[実施例7]
図22は本発明のインクジェット方式を用いてEL層を形成した試料の顕微鏡写真を示す。試料の構造は、アクリル樹脂で形成した絶縁膜上にITOで形成した画素電極が設けられ、感光性アクリル樹脂で形成した分離層がストライプ状に設けられている。
【0215】
ITO上には最初に溶液塗布法(スピンコーティング法)でPEDOT層が形成される。そのとき、ITOは疎水性であるので、親水性とするため酸素プラズマ処理とCF4プラズマ処理を行っている。
【0216】
EL層はアニソール20mgにPPVを0.04gの割合で溶かしたものを用い、インクジェット方式により形成している。分離層の間隔は90μmであり、その間にEL層が連続的に形成されている様子が分かる。このようにして、EL層の形成を簡便でかつ高速に処理することが可能となっている。
【0217】
【発明の効果】
本発明を用いることで、EL層の形成を簡便でかつ高速に処理することが可能となる。また、EL素子が水分や熱によって劣化することを抑制することができる。また、EL層からアルカリ金属が拡散してTFT特性に悪影響を与えることを防ぐことができる。その結果、EL表示装置の動作性能や信頼性を大幅に向上させることができる。
【0218】
また、そのようなEL表示装置を表示ディスプレイとして有することで、画像品質が良く、耐久性のある(信頼性の高い)応用製品(電子装置)を生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェット方式でEL層を連続的に形成する概念を説明するための図。
【図2】 マトリクス状に配列した各画素電極に対し、EL層をストライプ状或いは連続的に形成する概念を説明するための図。
【図3】 インクジェット方式を説明するための図。
【図4】 本発明のインクジェット方式でEL層を連続的に形成する概念を説明するための図。
【図5】 EL表示装置の画素部の断面構造を示す図。
【図6】 EL表示装置の画素部の上面構造及び構成を示す図。
【図7】 アクティブマトリクス型EL表示装置の作製工程を示す図。
【図8】 アクティブマトリクス型EL表示装置の作製工程を示す図。
【図9】 アクティブマトリクス型EL表示装置の作製工程を示す図。
【図10】 ELモジュールの外観を示す図。
【図11】 EL表示装置の回路ブロック構成を示す図。
【図12】 EL表示装置の画素部を拡大した図。
【図13】 EL表示装置のサンプリング回路の素子構造を示す図。
【図14】 ELモジュールの示す上面図。
【図15】 EL表示装置の封止構造を示す断面図。
【図16】 パッシブ型EL表示装置の作製工程を示す図。
【図17】 EL表示装置を作製するための装置構成を説明する図。
【図18】 EL表示装置の画素部の断面構造を示す図。
【図19】 電子装置の具体例を示す図。
【図20】 電子装置の具体例を示す図。
【図21】 画素部の画素配列を説明する図。
【図22】 本発明のインクジェット方式でEL層を連続的に形成した試料の顕微鏡写真。

Claims (2)

  1. 複数のTFTが形成された画素部及び駆動回路部を形成し、
    前記画素部及び駆動回路部上に酸化アルミニウム又は窒化酸化アルミニウムからなる第3の絶縁膜を形成し、
    前記第3の絶縁膜上に有機樹脂膜を形成し、
    前記有機樹脂膜上に接して酸化アルミニウム又は窒化酸化アルミニウムからなる第1の絶縁膜を形成し、
    前記第1の絶縁膜上に接してマトリクス状に配列された複数の第1の電極を形成し、
    前記マトリクスの列毎又は行毎に一方向にインクヘッドを連続的に走査させながら、前記インクヘッドからインクドットを連続させて吐出することによって、前記マトリクスの列毎又は行毎にストライプ状のEL層を形成し、
    前記EL層上に第2の電極を形成し、
    前記第2の電極上に接してアルミニウム若しくは銀を含む材料からなる補助電極を形成し、
    前記補助電極上に接して酸化アルミニウム又は窒化酸化アルミニウムからなる第2の絶縁膜を形成し、
    前記駆動回路部には、nチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを有するCMOS回路が複数設けられており、
    サンプリング回路以外の前記CMOS回路において、nチャネル型TFTにはゲート電極のみと重なるLDD領域がドレイン領域側のみに設けられており、pチャネル型TFTにはLDD領域が設けられておらず、
    前記サンプリング回路に用いられる前記CMOS回路において、nチャネル型TFTにはゲート電極に重なる領域と重ならない領域の双方を有するLDD領域がドレイン領域側及びソース領域側の双方に設けられており、pチャネル型TFTにはLDD領域が設けられていないことを特徴とする電気光学装置の作製方法。
  2. 複数のTFTが形成された画素部及び駆動回路部を形成し、
    前記画素部及び駆動回路部上に酸化アルミニウム又は窒化酸化アルミニウムからなる第3の絶縁膜を形成し、
    前記第3の絶縁膜上に有機樹脂膜を形成し、
    前記有機樹脂膜上に接して酸化アルミニウム又は窒化酸化アルミニウムからなる第1の絶縁膜を形成し、
    前記第1の絶縁膜上に接してマトリクス状に配列された複数の第1の電極を形成し、
    前記マトリクスの列毎又は行毎に一方向にインクヘッドを連続的に走査させながら、前記インクヘッドからインクドットを連続させて吐出することによって、前記マトリクスの列毎又は行毎に前記第1の電極の各々に対応する長円形或いは長方形の複数のEL層を形成し、
    前記EL層上に第2の電極を形成し、
    前記第2の電極上に接してアルミニウム若しくは銀を含む材料からなる補助電極を形成し、
    前記補助電極上に接して酸化アルミニウム又は窒化酸化アルミニウムからなる第2の絶縁膜を形成し、
    前記駆動回路部には、nチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを有するCMOS回路が複数設けられており、
    サンプリング回路以外の前記CMOS回路において、nチャネル型TFTにはゲート電極のみと重なるLDD領域がドレイン領域側のみに設けられており、pチャネル型TFTにはLDD領域が設けられておらず、
    前記サンプリング回路に用いられる前記CMOS回路において、nチャネル型TFTにはゲート電極に重なる領域と重ならない領域の双方を有するLDD領域がドレイン領域側及びソース領域側の双方に設けられており、pチャネル型TFTにはLDD領域が設けられていないことを特徴とする電気光学装置の作製方法。
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