JP4750651B2 - ガスバリア性積層フィルム - Google Patents
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Description
このような無機薄膜を形成してなるガスバリア性プラスチックフィルムに関しては、ガスバリア性の低下防止あるいは更にガスバリア性を高めることを目的として種々の改良が検討されており、例えば、セラミックの蒸着層面に、ポリビニルアルコールと、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の水性分散液をコーティングする方法(特許文献1参照)、無機材料の蒸着膜上に、ポリビニルアルコールとポリカルボン酸またはその部分中和物を含有する混合物から形成された耐水性フィルムが積層された複合蒸着フィルム(特許文献2参照)、または、金属酸化物蒸着プラスチックフィルムの蒸着面上に、金属酸化物ゾルをコーティングし、更に該コーティング層上にシーラント層を積層した積層構造体(特許文献3参照)が開示されている。
しかしながら、上記方法やフィルム等においては、ガスバリア性はある程度改善されるものの、例えば、ボイル処理などに代表される過酷な処理条件の下でのガスバリア性や、接着強度あるいは機械的強度、特に易裂性などについては未だ不十分であり、その改善が望まれていた。
本発明のガスバリア性積層フィルムの基材フィルムとしては熱可塑性高分子フィルムが好ましく、その原料としては、通常の包装材料に使用しうる樹脂であれば特に制限なく用いることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体または共重合体などのポリオレフィン、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分加水分解物(EVOH)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、フッ素樹脂、アクリレート樹脂、生分解性樹脂などが挙げられる。これらの中では、フィルム強度、コストなどの点から、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコールが好ましい。
また、上記基材フィルムは、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
基材フィルムの厚さは、本発明のガスバリア性積層フィルムの基材としての機械強度、可撓性、透明性等の点から、その用途に応じ、通常5〜500μm、好ましくは10〜200μmの範囲で選択され、厚さが大きいシート状のものも含む。また、フィルムの幅や長さについては特に制限はなく、適宜用途に応じて選択することができる。
また、基材フィルムへのアンカーコート剤の塗布性、接着性を改良するため、アンカーコート剤の塗布前にフィルムに通常の化学処理、放電処理などの表面処理を施してもよい。
無機薄膜の形成方法としては、蒸着法、コーティング法などの方法がいずれも使用できるが、ガスバリア性の高い均一な薄膜が得られるという点で蒸着法が好ましい。この蒸着法には、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどのPVD(物理的気相蒸着)、CVD(化学的気相蒸着)等の方法が含まれる。
無機薄膜の厚さは、一般に0.1〜500nmであるが、好ましくは0.5〜40nmである。上記範囲内であれば、十分なガスバリア性が得られ、また、無機薄膜に亀裂や剥離を発生させることなく、透明性にも優れている。
(a)ポリビニルアルコール
ポリビニルアルコールは公知の方法で得ることができ、通常は、酢酸ビニルの重合体をケン化することで得ることができる。ケン化度は80%以上のものが使用でき、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上であることがガスバリア性の点から好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸との共重合体であり、中でも汎用性の点からエチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体が好ましい。このエチレン−不飽和カルボン酸共重合体は任意の他の単量体を含んでいてもよい。
中和度=(A/B)×100(%)
A:部分中和されたエチレン・不飽和カルボン酸共重合体1g中の中和されたカルボキシル基のモル数
B:部分中和する前のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体1g中のカルボキシル基のモル数
なお、水性分散液の場合は、簡便的に、上記Aを(溶媒中の金属イオン数)x(その金属イオンの価数)とし、Bを部分中和する前のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の数として、算出することができる。
本発明のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、ガスバリア性の点から、上記共重合体とアンモニア、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物等を含む分散媒とからなる水性分散液として用いることが好ましく、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の有するカルボキシル基の全モル数に対して、上式中和度となるように上記分散媒を用いたものが好ましく用いられる。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体と上記分散媒から水性分散液を製造するには、例えば、撹拌可能な容器に、所定量の水と上記両原料を供給し、90〜150℃の温度で10分ないし2時間程度攪拌することによって得ることができる。このようにして得られた水性分散液は、安定性に優れており、長期に保存しても粒径や粘度が大幅に変化することがない。
本発明においては、上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、1種で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明に使用するシリカ粒子には特に制限はなく、公知のものをいずれも使用することができるが、例えば、耐熱水性、ガスバリア性などの点から、ヒドロキシ基、アルコキシ基等の加水分解縮合可能な反応性官能基を有するものが好ましく、特に反応性官能基中、シラノール基を10〜100モル%、更に20〜100モル%含有するものが好ましく用いられる。
耐ボイル性と易裂性を持たせるには、樹脂との分子レベルの高い混和性、適度な凝集性が必要であり、そのためには、シリカ成分が粒子形状であり、かつ小粒子径であり、シラノール基を持つことが好ましい。
本発明においては、上記シリカ粒子は、1種で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の分散液においては、ポリビニルアルコールとエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の含有割合[(a)/(b)]を、固形分質量比で95/5ないし25/75、更に80/20ないし50/50とすることが好ましく、これによって、この水性分散液を無機薄膜蒸着面に塗布した際には、蒸着面の保護機能を有し、且つ製造直後から高いガスバリア性を発揮し、接着剤や、接着性樹脂層との接着性に優れる積層蒸着フィルムを得ることができる。
本発明の積層フィルムにおいて、樹脂層の厚みは特に限定されるものではないが、通常、0.1〜20μmであるが、印刷諧調性、コストなどの点から、好ましくは0.1ないし10μmである。このコーティング層には、耐水性、耐久性を高めるために、電子線照射による架橋処理を行う事もできる。
通常の実施態様としては、上記樹脂層の塗布面及び/又は基材フィルム面上にプラスチックフィルムを設けたガスバリア性積層フィルムが各種用途に使用される。上記プラスチックフィルムの厚さは、積層フィルム又は積層体の基材としての機械強度、可撓性、透明性等の点から、通常5〜500μm、好ましくは10〜200μmの範囲で用途に応じて選択される。また、フィルムの幅や長さは特に制限はなく、適宜用途に応じて選択することができる。例えば、樹脂層の塗布面及び/又は基材フィルム面上にヒートシールが可能な樹脂を使用することにより、ヒートシールが可能となり、種々の容器として使用できる。ヒートシールが可能な樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、生分解性樹脂等の公知の樹脂が例示される。
また、印刷層とヒートシール層やプラスチックフィルムとの間に紙又は他のプラスチックフィルムを少なくとも1層積層することが可能である。プラスチックフィルムとしては、本発明のガスバリア性積層フィルムに用いられる基材フィルムとしての熱可塑性高分子フィルムと同様のものが使用できる。中でも、十分な積層体の剛性及び強度を得る観点から、紙、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂又は生分解性樹脂が好ましい。
また、基材フィルムにポリアミドフィルム又はポリビニルアルコールフィルムを用いた場合は、積層フィルムの樹脂層側に印刷層やポリエステルフィルム、基材フィルム面側にヒートシール層を積層した積層体などが挙げられる。
加熱処理は、ガスバリア性積層フィルム又は積層体を構成する要素の種類や厚さなどによりその条件が異なるが、必要な温度、時間を維持できる方法であれば特に限定されない。例えば、必要な温度に設定したオーブンや恒温室で保管する方法、熱風を吹き付ける方法、赤外線ヒーターで加熱する方法、ランプで光を照射する方法、熱ロールや熱版と接触させて直接的に熱を付与する方法、マイクロ波を照射する方法などが使用できる。また、取り扱いが容易な大きさにフィルムを切断してから加熱処理しても、フィルムロールのままで加熱処理してもよい。更に必要な時間と温度が得られる限りにおいては、コーター、スリッター等のフィルム製造装置の一部分に加熱装置を組み込み、製造過程で加熱を行うこともできる。
(A)基材フィルムの少なくとも一方の面に蒸着法により無機薄膜を形成する工程により、前述のように、ガスバリア性の高い均一な薄膜が得ることができる。この蒸着法としては、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、CVD等の方法をいずれも使用することができる。
<ボイル処理>
積層体をオートクレーブにて、熱水95℃、30分間処理し、積層体の周りに付着した水を風乾させ、酸素透過率測定及びラミネート強度測定に供した。
JIS Z0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z0208「防湿包装材量の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に準じ、次の手法で評価した。
透湿面積10.0cm×10.0cm角の各ガスバリア性積層体を2枚用い、吸湿剤として無水塩化カルシウム約20gを入れ四辺を封じた袋を作製し、その袋を温度40℃相対湿度90%の恒温恒湿装置に入れ、48時間以上間隔で重量増加がほぼ一定になる目安として14日間まで、重量測定(0.1mg単位)し、水蒸気透過率を下記式から算出した。なお、表1−1及び表1−2には、3日目における水蒸気透過率の値を示す。
水蒸気透過率(g/m2/24h)=(m/s)/t
m; 試験期間最後2回の秤量間隔の増加質量(g)
s; 透湿面積(m2)
t; 試験期間最後2回の秤量間隔の時間(h)/24(h)
酸素透過率測定装置(モダンコントロールズ社製「OX−TRN100型酸素透過率測定装置」)により、積層体について、温度25℃、湿度80%RHの条件下で酸素透過度(cc/m2/24hr/MPa)を測定した。
<ラミネート強度>
JIS Z1707に準じ、積層体を幅15mmの短冊状に切り出し、前述のように、試料を95℃でボイル処理したものの端部を一部剥離させ、剥離面に水を付着させながら剥離試験機(島津製作所製、製品名EZ−TEST)により100mm/分の速度でT型剥離を行い、ラミネート強度(g/15mm)を測定した。
<易裂性>
積層フィルム又は積層体に3mmのノッチを入れ、その両端を手で持ち前後に引き裂いた時に、積層フィルム又は積層体が伸びることなく、軽く引き裂けたか否かを○×評価した。
これらの評価を以下の実施例及び比較例について行った。結果を表1−1及び表1−2に示す。
<ポリビニルアルコール(PVA)水性液(a)の調製>
ポリビニルアルコール(PVA、日本合成化学工業(株)製「ポバールN−300」、鹸化度98%以上)とイオン交換水を用い、固形分濃度10%水性液(a)を調製した。
エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)(アクリル酸20重量%、MFR:300g/10分)、アンモニア及びイオン交換水を95℃2時間攪拌混合して、中和度75%、固形分20%水性液(b−1)を調製した。
<エチレン・不飽和カルボン酸共重合体水性液(b−2)の調製>
エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)(メタクリル酸20重量%、MFR:300g/10分)、水酸化ナトリウム、イオン交換水を95℃で2時間攪拌混合して、中和度80%、固形分20%水性液(b−2)を調製した。
国際公開パンフレットWO95/17349号の第2頁16行〜10頁26行の記載に準じてシリカ粒子水性液(c−1)を調製した。すなわち、テトラメトキシシラン(TMOS)とメタノールと希塩酸を用い、加水分解縮合反応を行い、次いでメタノールを留去させ、部分加水分解縮合物、重合度10未満のオリゴマーを得た後、イナートガス吹込み法でオリゴマー中のモノマーを除去した。その後、該オリゴマーに、加水分解率113%に相当するエタノールとイオン交換水の混合液と、触媒としてマレイン酸を加え、室温下で攪拌1時間の後、更に水を加え、2週間保持し、反応性官能基のうちシラノール基含有割合40mol%、平均粒子径1nmのシリカ粒子水性液(c−1)を得た。なお、平均粒子径は、MALVERN社のHPPS装置を用いて測定した(以下同じ)。
特開平6−16414号公報の段落〔0012〕〜〔0031〕の記載に準じてシリカ粒子水性液(c−2)を調製した。すなわち、ナトリウム水ガラスJIS3号を硝酸ナトリウム水溶液に溶解し、珪酸ナトリウム水溶液を作製し、水素型カチオン交換樹脂カラム、水酸基型アニオン交換樹脂カラム、再度水素型カチオン交換樹脂カラムと順に通した後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、珪酸水溶液を得た。次いで、該珪酸水溶液の5%量を減圧蒸留し蒸発水を除去すると共に、残りの珪酸水溶液を連続的に徐々に供給することにより、減圧蒸留を連続的に行い、コロイダルシリカゾルを作製した。更に、該コロイダルシリカゾルを水素型カチオン交換樹脂カラム、水酸基型アニオン交換樹脂カラム、再度水素型カチオン交換樹脂カラムと順に通し、その直後に特級アンモニア水を添加し、pH9、平均粒子径20nm、各種金属酸化物濃度が500ppm未満の水性シリカゾル(c−2)(反応性官能基はシラノール基割合:100モル%)を得た。
上記シリカ粒子液(c−2)の作製において、珪酸水溶液の20%量を減圧蒸留し、残りの珪酸水溶液を連続的に供給しながら減圧蒸留を行うことにより、シリカ粒子径を調節した他は、同様にして水性シリカゾル(c−3)を得た。水性シリカゾル(c−3)は、pH9、平均粒子径4nm、各種金属酸化物濃度500ppm未満(反応性官能基はシラノール基割合:100モル%)であった。
<アルコキシシリカ加水分解物液(d)の調製>
テトラエトキシシランに希塩酸を加え、30分攪拌し、加水分解液を得た。粒子は計測されなかった。
ポリエチレンテレフタレート樹脂(以下PETと略す。三菱化学(株)製「ノバペックス」)を溶融押出してシートを形成し、延伸温度95℃、延伸比3.3で長手方向に延伸した後、延伸温度110℃、延伸比3.3で横方向に延伸することにより、厚さ12μmの二軸延伸PETフィルムを得た。そのフィルムの片側表面に、イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業製「コロネートL」)と飽和ポリエステル(東洋紡績製「バイロン300」)とを1:1重量比で配合した混合物を塗布乾燥して厚さ0.1μmのアンカーコート層を形成した。
次いで、真空蒸着装置を使用して1×10-5Torrの真空下でSiOを高周波加熱方式で蒸発させ、アンカーコート層上に薄膜厚さ約20nmの無機薄膜フィルムを形成した。一方、上記調製した各水性液を表1−1、表1−2に示す配合割合で混合し、各種塗布液を調製した。
更に、該ガスバリア性フィルムの塗布面側に、ウレタン系接着剤(東洋モートン社製「AD900」と「CAT−RT85」とを10:1.5の割合で配合)を塗布、乾燥し、厚さ約3μmの接着樹脂層を形成し、この接着樹脂層上に、未延伸ポリプロピレンフィルム厚さ60μm(東洋紡績(株)製「パイレンフィルム−CT P1146」)をラミネートし、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。
実施例1の無機薄膜フィルム形成において、酸化珪素(シリカ)を蒸着することに代えて、アルミニウムを蒸発させ、ガス流量制御装置を使用して酸素ガスを供給し、1×10-4Torrで蒸着を行い、厚さ約20nmの酸化アルミニウム(アルミナ)薄膜を形成させた以外は、同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。
ナイロン6(三菱化学(株)製「ノバミッド1020CA」)を280℃で押出機より押出し、冷却ドラムで急冷、固定してシートを得た。このシートを縦方向に50℃で3倍、横方向に80℃で3倍に延伸し、215℃で熱固定処理を行い、厚さ15μm の二軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONYという)を得た。その後、実施例1と同様にアンカーコート層、無機薄膜フィルムを作製し、その上に表1−1に示す配合割合で調製した各水性液を塗布し、同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
続いて、該ガスバリア性フィルムの樹脂層面側に、実施例1と同様にして接着樹脂層を形成し、この接着樹脂層上に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製「H100C」)をラミネートし、更に、該ナイロンフィルム面に上記と同様の接着樹脂層を形成し、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製「パイレンフィルム−CT P1146」)をラミネートし、40℃で3日間エージングを行い積層体を得た。得られた積層体について、前記の評価を行った。
平均重合度2600、ケン化度99.5モル%のポリビニルアルコール樹脂を水で溶解し48質量%の含水ポリビニルアルコールを得た。この含水ポリビニルアルコールを押出機にて押出し、シートを得た。このシートを縦方向に90℃で3倍、横方向に110℃で3倍に延伸し、200℃で熱固定処理を行い、厚さ12μmの二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム(以下、OPVAという)を得た。その後、実施例1と同様にアンカーコート層、無機薄膜フィルムを作製し、その上に表1−2に示す配合割合で調製した各水性液を塗布し、同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
続いて、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製「 H100C」)に、ウレタン系接着剤(東洋モートン社製「AD900」と「CAT−RT85」とを質量比10:1.5の割合で配合)を塗布、80℃で1分乾燥し、厚さ約3μmの接着樹脂層を形成し、この接着樹脂層上に、上記ガスバリア性フィルムの樹脂層面側をラミネートし、更に、該ポリビニルアルコールフィルム面に接着樹脂層を形成し、厚さ50μmのエチレン酢酸ビニル共重合フィルム(タマポリ(株)製「SB−7」)をラミネートし、40℃で3日間エージングを行い積層体を得た。得られた積層体について、前記の評価を行った。
以上の実施例及び比較例の各々の結果について、表1−1及び表1−2に示す。
Claims (12)
- 基材フィルムの少なくとも一方の面に形成した無機薄膜面上に、(a)ポリビニルアルコール、(b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、及び(c)平均粒子径が1〜20nmであり、シラノール基を有するシリカ粒子を含有する水性分散液を塗布してなる樹脂層を有するガスバリア性積層フィルム。
- エチレン・不飽和カルボン酸共重合体がエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の部分中和物を含む、請求項1記載の積層フィルム。
- エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の中和度が20〜100モル%である、請求項2記載の積層フィルム。
- エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の部分中和物が、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアルカリ金属塩である、請求項3記載の積層フィルム。
- ポリビニルアルコールとエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の含有比が、質量比で95:5〜25:75である、請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
- 樹脂層中、シリカ粒子を、(a)成分と(b)成分と(c)成分の合計量に対し2〜80質量%含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルム。
- ポリビニルアルコールの鹸化度が90%以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
- 水性分散液を塗布してなる樹脂層の厚さが0.05〜1μmである、請求項1〜7のいずれかに記載の積層フィルム。
- 無機薄膜が酸化珪素からなる、請求項1〜8のいずれかに記載の積層フィルム。
- 基材フィルムが、ポリエステル、ポリアミド及びポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも一種からなる、請求項1〜9のいずれかに記載の積層フィルム。
- 少なくとも、(A)基材フィルムの少なくとも一方の面に、蒸着法により無機薄膜を形成する工程、及び(B)該無機薄膜面上に、(a)ポリビニルアルコール、(b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、及び(c)平均粒子径が1〜20nmであり、シラノール基を有するシリカ粒子を混合して得られた水性分散液を塗布する工程、を有する、ガスバリア性積層フィルムの製造方法。
- エチレン・不飽和カルボン酸共重合体を、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体とアンモニアまたはアルカリ金属水酸化物からなる分散媒とを含む水性分散液として用いる、請求項11記載の製造方法。
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