JP4744718B2 - 電動機の固定子とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業用機器、事務用機器、家電用機器、車両用に使用される電動機の固定子とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業用機器、事務用機器、家電用機器、車両用に使用する電動機においては、小型で高効率である電動機が求められている。特に車両用の電動機においては環境問題に配慮された高性能電池を駆動源とした電気自動車が開発されている。
【0003】
産業用機器、事務用機器、家電用機器においてもリチウムイオン電池等の高性能電池の開発により移動が可能な製品が開発されてきている。従来の電源は、通常家庭用途ではAC100V又はAC200V、産業用途ではAC200V〜AC440V等が主に使用されている。これに反して、高性能電池等を電源とする移動可能な製品機器においては、DC12V〜60Vと非常に低い電源電圧を使用する場合が多い。これは製品機器を持ち運ぶのに都合がよいように小型化及び軽量化する上において、その電源となる高性能電池においても小型化及び軽量化が望まれているためである。また、移動可能な製品機器とすると人体と接触する危険性が増すため影響の少ない低電圧としなくてはならない。これに伴い、低電圧で駆動できる電動機の開発が急務となっている。
【0004】
電動機においては、設置型の電動機から移動可能な電動機に変更する場合、従来AC100V〜AC440V等で駆動されていた電動機を低電圧のDC12V〜60Vに電機子巻線を巻き換えることで達成することができる。具体的には、電圧比分電機子巻線の巻き回数を少なくし、電機子巻線が少なくなった分、電機子巻線の線径を太くすることとなる。この場合、従来の電動機の固定子では電機子巻線が挿入されるスロット開口部が狭いため太くなった電機子巻線を挿入することができなくなってしまう。
【0005】
また、仮に電機子巻線が挿入できたとしても線径が太くなった分取り扱い作業が悪くなり、電機子巻線のスロットに占める割合(占積率)を上げることができなくなる。また、別の方法としてスロット開口部が狭くても太い線径の断面積と同じになるように電機子巻線を複数本束にして線径の総合断面積を合わせ挿入する方法もあるが、この場合も固定子端部から引き出される電機子巻線の端部が非常に多くなるため結線作業が非常に複雑になり結線間違いによる不良を発生することになる。また、電機子巻線の線径が太くなると電線の被覆も厚くなることからスロットに占める芯線部分の割合が少なくなるため、実質的には高電圧の電動機より低電圧に巻き換えた電動機の性能は低下する。
【0006】
この問題に鑑みて、電動機の固定子歯部を中心としてスロット中央部に位置する固定子継鉄部分で分割された固定子とすることによって、固定子のスロットの開口部の大きさに左右されずに太い線径や複数本を束ねた電機子巻線を固定子歯部に巻き付けることができる。固定子歯部に電機子巻線を巻きつけた後、複数に分割された固定子をティグ溶接あるいはレーザー溶接等により固定子を一体化し形成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図10は、このような電動機の縦断面図を示している。図10に示す三相同期電動機では、固定子1の両端部には絶縁物3が配置され固定子1の歯部に電機子巻線2が集中巻され巻線上部に接続点4が固定紐等で固定されている。図10の電動機では、各相に巻かれた電機子巻線2を結線し電動機として駆動できる回路構成とするためにΔ結線もしくは、Y結線されている。固定子の歯部に巻き付けられ電機子巻線2の各端部からは非常に太い線径の電機子巻線2、もしくは、複数本が一つの束となった電機子巻線2が引き出されることになる。
【0008】
この太い電機子巻線2や複数本が一つの束となった電機子巻線2を固定子1の端部において結線をすることになるが、前記したように非常に線径が太いか、または複数本の束となった電機子巻線2であるため取り扱い作業が非常に困難を極めている。また、歯部に直接巻き付ける集中巻とすることにより固定子1の端部の巻線高さを低くできるはずであるが、前記したように非常に太い線径または複数本の束を結線するため接続点4が非常に大きなものとなってしまい、固定紐等によって固定子1の端部の巻線上部に接続点4を固定すると巻線の高さが高くなってしまう。
【0009】
従って、従来の高電圧仕様に巻かれた電動機が取り付けられていたスペースに低電圧仕様に巻き換えられた電動機を取り付けようとするとかなりの大きなスペースが必要となる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
電動機の固定子が円周方向で複数に分割され、前記分割された固定子歯部に樹脂等により一体成形されたボビンや樹脂等でモールドされた絶縁物が施され、前記絶縁物は、前記固定子の歯部を絶縁し前記固定子端部の少なくともどちらか一方から軸方向に飛び出た電機子巻線を保護する樹脂壁と、前記樹脂壁から固定子外径側に伸びた樹脂板を有し、
前記絶縁物が配置された固定子歯部に電機子巻線を集中巻で巻いた電動機において、
前記円周方向で複数に分割された固定子を一体固着した後、
前記固定子端部から軸方向に飛び出た電機子巻線を保護する樹脂壁と、前記樹脂壁から固定子外径側に伸びた樹脂板の上部に電動機を駆動するための、各相に対応した電機子巻線とは別の導電材を配置させている。
【0011】
従って、非常に太い線径の電機子巻線や複数本が一つの束となった電機子巻線を直接引き出すことがなくなるため、電動機の口出線引き回し作業が非常に容易にすることができる。また、接続点箇所がなくなるため巻線の高さを低くすることができ、固定紐等により接続点箇所を固定する必要もなくなる。
【0012】
これにより、従来の電動機が取り付けられていたスペースに電圧がDC12V〜60Vの低電圧仕様に巻き換えられた非常に太い線径の電機子巻線や複数本が一つの束となった電機子巻線を有した電動機を、取り付けることができることになる。また、特に、高性能電池等の電源がDC12V〜60V等の低電圧仕様の車両搭載用の電動機に適用することにより狭いスペースでも配置させることができる。
【0013】
また、前記導電材を別部材のプレス等により一体に打ちぬかれた導電材とすることによって取り付け作業を容易に取り付けることができ、結線間違いによる不良を低減することができる。
【0014】
また、導電材がプレス等により打ち抜かれた後に、成形された導電材を固定子端部から軸方向に飛び出た電機子巻線を保護する樹脂壁と、この樹脂壁から固定子外径側に伸びた樹脂板の上部に沿うような形状に成形することによって取り扱い作業による脱落や引け掛けによる破損をなくすことができる。また、各相と接続された導電材が接触しないように導電材に成形を施し逃げることができるため結線作業を簡略化することができる。
【0015】
また、電動機の固定子の製造方法として、電動機の固定子が円周方向で複数に分割され、前記分割された固定子歯部に樹脂等により一体成形されたボビンや樹脂等でモールドされた絶縁物が施され、前記絶縁物は、前記固定子の歯部を絶縁し前記固定子端部の少なくともどちらか一方から軸方向に飛び出た電機子巻線を保護する樹脂壁と、前記樹脂壁から固定子外径側に伸びた樹脂板を有し、
前記絶縁物が配置された固定子歯部に電機子巻線を集中巻で巻き、前記電機子巻線の端部を前記絶縁物に取り付けた端子ピンに取り付ける第1の工程と、
前記円周方向で複数に分割された固定子を一体固着した第2の工程と、
前記固定子端部から軸方向に飛び出た電機子巻線を保護する樹脂壁と、前記樹脂壁から固定子外径側に伸びた樹脂板の上部に電動機を駆動させるための各相に対応した電機子巻線とは別の導電材を配置させた第3の工程と、
前記導電材を口出線端子部に接続させるか、または口出線端子とし電源に直接接続する第4の工程で電動機を製造する方法とすることにより、
分割された固定子から電機子巻線の端部が複数飛び出た固定子においても結線を間違えることなく容易に結線作業ができ、また固定子の巻線高さが低い電動機とすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について図を用いて説明する。図1及び図2には、6分割された固定子を円周方向で連結させ一体固着させ三相4極を形成した電動機を示している。
【0017】
図1は、前記電動機を上から見た図であり電源側に接続するための口出線6が口出線端子台9から引き出されている口出線端子側の図である。また、図2は電動機を下からみた反口出線端子側の図である。また、図3には前記電動機を構成する6分割された固定子の1分割を示している。尚、図1及び図2中の1S〜6Sはスロット番号を示している。
【0018】
各分割された固定子1の歯部には樹脂等により一体成形されたボビンや樹脂等によりモールドされた絶縁物3により絶縁されている。この絶縁物3としては、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、LCP(液晶ポリマー樹脂)、フッソ樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、芳香族ポリアミド樹脂等が使用されている。この分割された固定子1の歯部に配置された絶縁物3の上から電機子巻線2が集中巻で巻きつけられている。このように分割された固定子1の歯部に電機子巻線2を集中巻する方法は、固定子1のスロット内に隙間なく電機子巻線2を巻くことが出来る。
【0019】
図3に示すように各分割された固定子1の歯部に樹脂等にて一体成形されたボビンや樹脂等によってモールドされた絶縁物3の電機子巻線2の巻き始め部及び巻き終わり部を固定するための2本の端子ピン7が取り付けられている。この一方の端子ピン7に各相のU相、V相、W相から引き出され電機子巻線2の端部U1、U2、V1、V2、W1、W2を其々接続し、他方の端子ピン7には電機子巻線2の端部X1、X2、Y1、Y2、Z1、Z2の各端部を其々直接巻きつけ溶接等により固定している。
【0020】
また、電機子巻線2を端子ピン7に固定する別の方法として各電機子巻線2の端部に丸形端子や先開形端子等を接続させ、端子ピン7にネジ山が設けられナット等により取り付け固定することもできる。
【0021】
図3に示した分割された固定子1を図1及び図2に示すように円周方向で一体固着する固定子1とする方法としては、分割された6個の固定子1の接合箇所をティグ溶接かレーザー溶接等により固定し一体固着させる。
【0022】
固定子1を円周方向で一体固着した後に、各固定子1に集中巻された電機子巻線2の端部が固定されている端子ピン7同士を電機子巻線2とは別の導電材5にて接続固定している。この場合の別の導電材5は、固定子端部から軸方向に飛び出た電機子巻線2を保護する樹脂壁と、この樹脂壁から固定子外径側に伸びた樹脂板の絶縁物3の上部に配置している。
【0023】
尚、図1には、固定子1に巻かれた電機子巻線2の一方の端部と口出線端子台9とを接続する導電材5の配置図を示しているが、図2では、図1に示した電機子巻線2の他方の端部を全て反口出線側において結線させ中性点を形成させている。この場合、結線の配置の関係から無理がなければ図1に示した口出線側の結線に、図2に示した中性点の結線を合わせて配置させても良い。当然ではあるが、この場合、片側だけに配線することになるので作業時間が短縮することができる。
【0024】
従って、この別の導電材5とすることにより、非常に太い線径の電機子巻線2や、もしくは複数本が一つの束となった電機子巻線2を直接口出線6と接続することがなくなるため、電機子巻線2の引き回し作業も容易となり作業効率が格段に上がることとなる。また、各相から引き出された電機子巻線2を束ねて非常に大きな接続点4をつくることもなくなる。また、電機子巻線2をろう付けする際の加熱時間が短縮でき、ろう付け時間が短いことにより電機子巻線2の被覆を溶かし過ぎて電機子巻線2の絶縁破壊をおこすこともなくなる。
【0025】
また、この別の導電材5は、好ましくは固定子1端部から軸方向に飛び出た電機子巻線2を保護する樹脂壁と、この樹脂壁から固定子1外径側に伸びた樹脂板の絶縁物3の上部に沿うように配置させる方が良い。つまり、別の導電材5が電動機組み立て作業時、中空を渡るように配置されていると治具や作業者の手に引っ掛り導電材5の脱落や破損する恐れがあるからである。従って、導電材5は図4に示したような樹脂壁及び樹脂板の絶縁物3の上部に導電材5を取り付ける為のカギ上の爪部8等を設けて確実に固定している。
【0026】
また、図5には、固定子1に電機子巻線2が集中巻きされた電動機の代表的な三相4極の結線図を模式的に示している。図中の1S〜6Sは固定子1のスロット番号を示している。図5に示すようにY結線を並列回路にした2Y結線の場合、U相、V相、W相の各相から引き出される一方の電機子巻線2の端部U1とU2、V1とV2、W1とW2と電源側とを繋ぐ口出線6と接続する3箇所の接続点4と、各相の口出線側とは反対側の他方の電機子巻線2の端部X1、X2、Y1、Y2、Z1、Z2を繋ぎ中性点とした1箇所(または、X1、Y1、Z1とX2、Y2、Z2に分けて2箇所とする場合もある。)の接続点4が必要となり、最低でも4箇所の大きな接続点4を巻線上端部に固定紐等により固定しなければならなかったが、その必要もなくなり作業を簡略化することができる。更に、固定子1に集中巻された電機子巻線2の上部に大きな接続点4を配置させることがなくなるため実質的に固定子1の巻線高さを下げることができ狭いスペースでも電動機を配置させることができる。
【0027】
尚、本実施例では、この別の導電材5を固定子1の端部に設けた口出線端子台9に接続させているが、この導電材5を直接外部端子等に取り付けることによって口出線6の材料費を低減することも出来る。また、図5において中性点を口出線側で結線しているが、導電材5の配置の構成が難しい場合、中性点を反口出線側で結線しても良い。
【0028】
また、各導電材5は、電機子巻線2の端部が固定されている端子ピン7に取り付けし易いように導電材5の両端部は、図6(a)及び(b)に示すように丸形形状や先開形状とするのが好ましい。また、導電材5の材質としては、銅、アルミに代表される電気的に低抵抗である材料であればよい。
【0029】
また、産業用機器、事務用機器、家電用機器おいての移動可能な製品において、高性能電池等の電源がDC12V〜60Vと低電圧で駆動される電動機においては、従来の移動しない電動機の電源AC100V〜440V等と比べて、電機子巻線2が太い線径のものや、もしくは複数本が一つの束となった電機子巻線2を用いることが多いため、前述したような電動機の構造とすることによって小型化及び軽量化ができるため無理なく小スペースに配置することができる。
【0030】
特に、環境問題に配慮された高性能電池を搭載している車両用の電動機においては、前記した問題等から電源がDC12V〜60Vの低電圧の高性能電池で駆動される電動機とする場合が多く、電機子巻線2が太い線径のものや複数本が一つの束となった電機子巻線2を用いることになる。従って、前記電動機構造とすることによって固定子1の端部での電機子巻線2の引き回し作業をなくすことができ、別の導電材5を取り付けるだけで容易に結線することができる。また、電機子巻線2の高さを低くすることができるため小さな車両搭載スペースに配置することが可能となる。
【0031】
また、図7には図1に示した各相の端子ピン7から固定子1の端部で引き回された導電材5を其々示している。(a)は電機子巻線2の端部U1及びU2と接続させる導電材5(a)であり、(b)は電機子巻線2の端部V1及びV2と接続させる導電材5(b)、(c)は電機子巻線2の端部W1及びW2と接続させる導電材5(c)である。
【0032】
この導電材5をプレス等で一体に打ち抜いた製品とすることにより、固定子1の端部から軸方向に飛び出た電機子巻線2を保護する樹脂壁と、この樹脂壁から固定子1の外径側に伸びた樹脂板の絶縁物3の上部に沿わせ各相同士が接触することなく配置させることができる。
【0033】
これは導電材5がプレス等で打ち抜かれているため、固定子1の端部に配置する場合、形状が安定し外力により変形し難いため容易に固定子1の端部の樹脂壁及び樹脂板の絶縁物3に配置することができるからである。従って、故意にこの導電材5を変形させない限り形状が変わることがない。
【0034】
また、従来の電機子巻線2が非常に太い線径のものや複数本が一つの束となった電機子巻線2の接続点4を固定子1の端部の巻線上部に手作業で揃えて固定していたため安定した巻線高さ寸法を得ることができなかったが、導電材5がプレス等で打ち抜かれ安定した形状であるため製品寸法のばらつきをなくすことができる。また、導電材5が安定した形状であるため電動機結線作業を非常に容易にでき、結線を間違えることなく品質的に優れた製品を提供することができる。
【0035】
また、導電材5をプレス等で打ち抜いていることにより、固定子1の端子ピン7に導電材5が容易に取り付けられるように図6で示したように導電材5の両端部を丸形状及び先開形状にプレス等で打ち抜くことにより、端子ピン7に導電材5を確実に固定することができ信頼性を上げることができる。
【0036】
また、導電材5をプレス等で打ち抜いた後に導電材5を図1及び図7に示すように固定子1の端部から軸方向に飛び出た電機子巻線2を保護する樹脂壁と、この樹脂壁から固定子1の外径側に伸びた樹脂板に絶縁物3に沿うように成形を施したり、また、例えば図7(a)に示した導電材5(a)のA部の部分詳細図、図8に示すように導電材5の一部分に成形を施すことにより、この一部分を除き絶縁物3に隙間なく導電材5を密着させて固定でき、各相を跨ぐような導電材5があっても接触し短絡することもなく品質的に安定した製品を提供することができる。
【0037】
また、各相の導電材5を成形し配置することによって各相の電機子巻線2が取り付けられる端子ピン7と容易に接続することができ大幅に結線作業の簡略化をすることができる。また、図7(a)に示した導電材5(a)が成形され絶縁物3に取り付けられた状態を図9で説明する。図9は図1のB−B断面図である。図9に示すように、各相に配置した導電材5(a)、5(c)は其々が接触することなく結線される場合を示した実施例である。端子ピン7に取り付けられた導電材5(a)は軸方向に飛び出た電機子巻線2を保護する樹脂壁に沿うように直角に折り曲げ成形され、更に、この樹脂壁から固定子1の外径側に伸びた樹脂板に沿うように逆方向に直角に折り曲げ成形され固定子1の外径側に伸びて配置されている。この導電材5(a)と直角に交わるように配置された導電材5(c)は前記固定子外径側に伸びる導電材5(a)に接触しないように、空中を跨ぐように成形され配置されている。尚、この場合の成形は、プレス打ち抜き後、機械的に外力を加えて形状を安定成形させている。また、本実施の形状は例えば試作検討時の小ロットの場合、本発明の主旨を逸脱しない範囲でエッチング等により導電材5を作ることも可能である。
【0038】
また、本実施例の固定子1の製造工程は、第1の工程としては電動機の固定子1が円周方向で複数に分割された固定子1の歯部に、樹脂等により一体成形されたボビンや樹脂等でモールドされた絶縁物3が施され、この絶縁物3の形状は固定子1の端部から軸方向に飛び出た電機子巻線2を保護する樹脂壁と、樹脂壁から固定子1の外径側に伸びた樹脂板で構成され固定子1の歯部に配置させる。
【0039】
次に、樹脂壁と樹脂板で形成された固定子1の歯部に電機子巻線2を集中巻で巻いて電機子巻線1を絶縁物3に取り付けた端子ピン7に巻き付け溶接等により固定するかナット等によるネジ止めにより固定する。尚、電機子巻線2の固定方法は、限定するものではない。
【0040】
次に、第2の工程として、前記円周方向で複数に分割された固定子1をティグ溶接かレーザー溶接等により一体固着させる。尚、固定子1の一体固着方法は限定するものではない。
【0041】
その後、第3の工程として前記固定子1の端部から軸方向に飛び出た電機子巻線2を保護する樹脂壁と、前記樹脂壁から固定子外径側に伸びた樹脂板の絶縁物3の上部に電動機を駆動させるための各相に対応した電機子巻線2とは別の導電材5を配置させる。その後、第4の工程として前記導電材5を口出線端子部に接続させるか、または口出線端子とし電源に直接接続する製造方法とする。
【0042】
これにより固定子1が複数に分割され電機子巻線2の端部が複数箇所から飛び出ている場合においても、電機子巻線2を直接引き出すことなく、容易に結線することがでる。また、各相における電機子巻線2との非常に大きな接続点4の箇所がなくなるため、固定子1の上端部の巻線高さを低く製作することができる。
【0043】
また、接続点4がないので固定紐等により接続点4を固定する作業を簡略化することができる。また、特に、電機子巻線2が非常に太い線径のものや複数本が一つの束となった電機子巻線2を固定子1の端部で引き回すことがないので作業効率が非常によくなり、品質的に安定した製品を供給することができる。
【0044】
【発明の効果】
電動機の固定子が円周方向で複数に分割され、前記分割された固定子歯部に樹脂等により一体成形されたボビンや樹脂等でモールドされた絶縁物が施され、前記絶縁物は、前記固定子の歯部を絶縁し前記固定子端部の少なくともどちらか一方から軸方向に飛び出た電機子巻線を保護する樹脂壁と、前記樹脂壁から固定子外径側に伸びた樹脂板を有し、前記絶縁物が配置された固定子歯部に電機子巻線を集中巻で巻いた電動機において、
【0045】
前記円周方向で複数に分割された固定子を一体固着した後、前記固定子端部から軸方向に飛び出た電機子巻線を保護する樹脂壁と、前記樹脂壁から固定子外径側に伸びた樹脂板の上部に電動機を駆動させるための各相に対応した電機子巻線とは別の導電材を配置させ、前記導電材を口出線端子部に接続させるか、または口出線端子とし電源に直接接続する電動機とすることにより、
【0046】
非常に太い線径の電機子巻線や複数本が一つの束となった電機子巻線を直接引き出し結線することがなくなるため電動機の結線作業を非常に容易にしている。また、接続箇所がなくなるため巻線の高さを低くすることができ小型、軽量化された高性能な電動機とすることができる。
【0047】
これにより、従来と同じスペースにDC12V〜60Vである低電圧仕様に巻き換えた非常に太い線径の電機子巻線や複数本が一つの束となった電機子巻線を有した電動機でも取り付けることができる。
【0048】
特に、低電圧のDC12V〜60Vの電動機には、固定子の軸方向の長さを短くすることができるため、例えば、車両搭載の電動機とすることによって小さな搭載スペースで取り付けを可能とすることができるため電動機の配置に自由度がでる。
【0049】
また、導電材がプレス等により打ち抜かれた電機子巻線とは別の導電材とすることによって結線作業を容易にし取り付けることができる。また、固定子が複数に分割され一体固着された電動機においては、電機子巻線の端部が分割された固定子毎に複数引き出されていてもプレス等で打ち抜かれた導電材を配置させるだけで結線を間違えることなく取り付けることが可能となる。
【0050】
また、導電材がプレス等により打ち抜かれた後に、成形された導電材を固定子端部から軸方向に飛び出た電機子巻線を保護する樹脂壁と、この樹脂壁から固定子外径側に伸びた樹脂板の上部に沿うような形状に成形することによって取り付け作業を容易にすることができ、各相の導電材が接触しないように各相の導電材を成形し配線することができる。これにより、各相の短絡を防ぎ、各相の電機子巻線を容易に接続することができるため、大幅な作業の簡略化が可能となる。
【0051】
また、固定子の製作方法を、電動機の固定子が円周方向で複数に分割され、前記分割された固定子歯部に樹脂等により一体成形されたボビンや樹脂等でモールドされた絶縁物が施され、前記絶縁物は、前記固定子の歯部を絶縁し前記固定子端部の少なくともどちらか一方から軸方向に飛び出た電機子巻線を保護する樹脂壁と、前記樹脂壁から固定子外径側に伸びた樹脂板を有し、前記絶縁物が配置された固定子歯部に電機子巻線を集中巻で巻く第1の工程と、
【0052】
円周方向で複数に分割された固定子を一体固着した第2の工程と、前記固定子端部から軸方向に飛び出た電機子巻線を保護する樹脂壁と、前記樹脂壁から固定子外径側に伸びた樹脂板の上部に電動機を駆動させるための各相に対応した電機子巻線とは別の導電材を配置させる第3の工程と、前記導電材を口出線端子部に接続させるか、または口出線端子とし電源に直接接続する第4の工程によって電動機を製造方法とすることによって、固定子が複数に分割された電機子巻線の端部が複数箇所飛び出ている場合においても、電機子巻線を直接引き出すことがないので結線作業を間違えることなく容易に結線することがでる。
【0053】
また、各相における電機子巻線と口出線とを直接接続する様な非常に大きな接続箇所がなくなるため、固定子上端部の巻線高さを低く製作することができる。また、接続点がないので固定紐等により接続点の固定する作業を簡略化することができる。また、特に、電機子巻線が非常に太い線径のものや複数本が一つの束となった巻線を固定子端部において引き回すことがないので作業効率が非常によくなり、品質的に安定した製品を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す上から見た固定子の口出線側の図。
【図2】 本発明の一実施例を示す下から見た固定子の反口出線側の図。
【図3】 図1及び図2の様に固定子を一体固着する前の分割された固定子の斜視図である。
【図4】 導電材を樹脂板に固定するためのカギ状の爪の部分詳細図。
【図5】 図1及び図2の結線図。
【図6】 導電材端部形状図。
【図7】 図1の各電機子巻線を繋ぐ各相の導電材。
【図8】 導電材の部分成形の詳細図。
【図9】 図1のB−B部分縦断面図。
【図10】 従来の電動機の縦断面図。
【符号の説明】
1…固定子、2…電機子巻線,3…絶縁材料,4…接続点,5、5(a)、5(b)、5(c)…導電材,6…口出線,7…端子ピン,8…爪部,9…口出線端子台,U、V、W…固定子の各相,U1、U2、V1、V2、W1、W2、X1、X2、Y1、Y2、Z1、Z2…電機子巻線端子部,1S〜6S…スロット番号。
Claims (6)
- 電動機の固定子が円周方向で複数に分割され、前記分割された固定子歯部に樹脂等により一体成形されたボビンや樹脂等でモールドされた絶縁物が施され、前記絶縁物は、前記固定子の歯部を絶縁し前記固定子端部の少なくともどちらか一方から軸方向に飛び出た電機子巻線を保護する樹脂壁と、前記樹脂壁から固定子外径側に伸びた樹脂板を有し、
前記絶縁物が配置された固定子歯部に電機子巻線を集中巻で巻いた電動機において、
前記円周方向で複数に分割された前記固定子を一体固着した後、
前記固定子端部から軸方向に飛び出た電機子巻線を保護する樹脂壁と、前記樹脂壁から前記固定子外径側に伸びた樹脂板の上部に電動機を駆動させるための各相に対応した前記電機子巻線とは別の導電材を配置させ、
前記導電材を口出線端子部に接続させるか、または口出線端子とし電源に直接接続したことを特徴とする電動機。 - 前記電動機の電源側の電圧がDC12V〜60Vであることを特徴とする請求項1項記載の電動機。
- 前記電動機が車両搭載用の電動機であることを特徴とする請求項1または請求項2項記載の電動機。
- 前記導電材がプレス等により打ちぬかれた導電材であることを特徴とする請求項1及至請求項3項いずれか記載の電動機。
- 前記導電材がプレス等により打ちぬかれ成形された導電材であることを特徴とする請求項1及至請求項4項いずれか記載の電動機。
- 電動機の固定子が円周方向で複数に分割され、前記分割された固定子歯部に樹脂等により一体成形されたボビンや樹脂等でモールドされた絶縁物が施され、前記絶縁物は、前記固定子の歯部を絶縁し前記固定子端部の少なくともどちらか一方から軸方向に飛び出た電機子巻線を保護する樹脂壁と、前記樹脂壁から固定子外径側に伸びた樹脂板を有し、
前記絶縁物が配置された固定子歯部に電機子巻線を集中巻で巻いた第1の工程と、
前記円周方向で複数に分割された固定子を一体固着した第2の工程と、
前記固定子端部から軸方向に飛び出た電機子巻線を保護する樹脂壁と、前記樹脂壁から固定子外径側に伸びた樹脂板の上部に電動機を駆動させるための各相に対応した前記電機子巻線とは別の導電材を配置させる第3の工程と、
前記導電材を口出線端子部に接続させるか、または口出線端子とし電源に直接接続する第4の工程により
電動機を製作することを特徴とする電動機の製造方法。
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