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JP4732213B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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JP4732213B2
JP4732213B2 JP2006094154A JP2006094154A JP4732213B2 JP 4732213 B2 JP4732213 B2 JP 4732213B2 JP 2006094154 A JP2006094154 A JP 2006094154A JP 2006094154 A JP2006094154 A JP 2006094154A JP 4732213 B2 JP4732213 B2 JP 4732213B2
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Description

この発明は、蒸気を用いて食品の加熱調理を行う加熱調理器に関する。
従来、蒸気を用いて食品等の被加熱物の加熱調理を行う加熱調理器として、加熱室内に過熱蒸気を送り込むものがある(特開2005‐326086号公報(特許文献1))。
この加熱調理器においては、図8に示すように、通常の加熱モード時の場合には、蒸気昇温室201内の蒸気加熱ヒータ(図示せず)に通電して、第1の蒸気供給管(図示せず)から蒸気昇温室201内に供給される蒸気を加熱して過熱蒸気(沸点以上に加熱された蒸気)を発生させ、この生成された過熱蒸気を、加熱室202の天板203に設けられた天井蒸気吹出口204から加熱室202内に噴き出す。こうして、噴き出された過熱蒸気によって、加熱室202内の被加熱物(図示せず)が加熱調理される。
これに対し、暖めモード時には、上記蒸気加熱ヒータに通電せず、蒸気昇温室201内を加熱しないようにする。そして、第2の蒸気供給管205から供給される温度が100℃未満(例えば、80℃〜90℃)の蒸気(以下、「非過熱蒸気」という場合もある)を、円筒状の蒸気噴射管206の開口206aから直下に向かって加熱室202内に噴き出す。こうして、加熱室202内に供給される非過熱蒸気によって、上記被加熱物である茶碗に盛られた御飯等を暖めるのである。
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の加熱調理器には、以下のような問題がある。
すなわち、上記蒸気噴射管206は、第2の蒸気供給管205に対して水平に取り付けられている。これに対し、蒸気噴射管206の開口206aは下向きに開いている。したがって、蒸気噴射管206は、蒸気昇温室201内において略直角に曲げる必要がある。その場合、蒸気噴射管206を、上記従来の加熱調理器のごとく、断面形状が円形の金属パイプによって形成する場合には、円形断面の金属パイプを直角に折り曲げることは不可能であり、図8に示すように、曲率を持たせて湾曲させる必要がある。
ところで、上記蒸気昇温室201は、上記加熱室202の上部に載置されている。そして、所定の大きさのキャビネットに対して加熱室202の容積をなるべく大きく確保するために、蒸気昇温室201の高さはなるべく低く形成されている。ところが、上述したように、蒸気噴射管206を円形断面の金属パイプで形成した場合には、蒸気噴射管206の開口206a側に曲率を持たせて湾曲させるために、蒸気噴射管206の高さが高くなる。その結果、蒸気噴射管206を蒸気昇温室201内に収めようとすると蒸気噴射管206の太さが限定され、暖めモード時に加熱室202内に供給される80℃〜90℃の蒸気(非過熱蒸気)の量が少なくなるという問題がある。
一方、上記暖めモード時に加熱室202内に供給される非過熱蒸気の量を必要量に設定しようとすると、蒸気噴射管206の太さが太くなって蒸気噴射管206の高さが高くなり、それに連れて蒸気昇温室201の高さも高くなり、延いてはキャビネットが大型化するという問題が発生する。
特開2005‐326086号公報
そこで、この発明の課題は、キャビネットの大型化を抑制しつつ、非過熱蒸気による暖めモード時に多量の非過熱蒸気を加熱室に供給できる加熱調理器を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の加熱調理器は、
蒸気を発生する蒸気発生装置と、
被加熱物を収容可能であり、天井に第1蒸気吹出口および第2蒸気吹出口が設けられた加熱室と、
上記加熱室の上方に設けられると共に、上記蒸気発生装置によって発生された蒸気が供給される蒸気供給口が複数設けられ、熱源としてのヒータを内包し、上記ヒータの加熱によって生成された過熱蒸気を上記加熱室の上記第1蒸気吹出口に供給するように接続された蒸気昇温室と、
上記蒸気昇温室における少なくとも1つの上記蒸気供給口と上記加熱室の上記第2蒸気吹出口とを連通する蒸気噴射管と、
温度が100℃未満の蒸気,過熱蒸気あるいは上記ヒータからの放熱の何れかによって上記被加熱物を加熱する調理モードに応じて、上記蒸気発生装置および/または上記ヒータをオン・オフ制御する制御手段と
を備えた加熱調理器において、
上記蒸気噴射管は、
上記加熱室の天井面に沿って上記蒸気昇温室内に配置されており、
上記蒸気噴射管の一端は上記蒸気昇温室おける少なくとも1つの上記蒸気供給口に連結される一方、他端側は上記加熱室側に向かって屈曲して上記他端は上記加熱室の上記第2蒸気吹出口に密着して連通しており、
上記他端以外の少なくとも一部は、上記加熱室の天井から離間しており、
上記蒸気噴射管の断面形状は矩形であり、
且つ、上記蒸気噴射管は、
一端が上記蒸気供給口に接続されると共に、上記蒸気供給口との接続位置から上記加熱室への吹出位置まで水平に且つ直線状に延在する矩形断面の蒸気流通部と、
上記蒸気流通部の他端に連通すると共に、上記蒸気流通部への連通箇所から垂直方向下向きに延在する矩形断面の蒸気吹出部と
を含んでおり、
さらに、上記蒸気噴射管は、
上記蒸気流通部の上面および両側面と、上記蒸気吹出部の上面,両側面および上記蒸気流通部側とは反対側の端面とを、構成する1枚の第1板部材と、
上記蒸気流通部の下面と、上記蒸気吹出部の上記蒸気流通部側の端面とを、構成する1枚の第2板部材と
を、折り曲げ、接続して形成されてい
ことを特徴としている。
上記構成によれば、蒸気噴射管の断面形状を矩形にしている。そのため、上記蒸気噴射管の断面積を、内部に当該蒸気噴射管が配設される蒸気昇温室の高さを変えることなく蒸気供給口の断面積よりも広く設定することが可能になる。したがって、複数の調理モードのうち、制御手段によって蒸気昇温室のヒータへの通電をオフにし、上記蒸気供給口から蒸気噴射管に供給された蒸気を上記蒸気昇温室で加熱することなくそのまま加熱室に供給して、非過熱蒸気によって被加熱物を加熱する「蒸し暖めモード」時に、上記蒸気噴射管は、上記蒸気供給口から供給される蒸気を、その流線を乱すことなくスムーズに、且つ、流量を損なうことなく流すことができる。
さらに、上述したように、上記蒸気噴射管の断面形状は矩形であるため、上記蒸気昇温室の高さを変えることなく、上記蒸気噴射管の断面積を蒸気供給口の断面積よりも広くすることができる。したがって、上記蒸気噴射管を配設しない場合の蒸気昇温室の高さに合わせて、上記蒸気噴射管を配設できるので(つまり、上記蒸気噴射管を配設する場合に改めて蒸気昇温室を設計する必要がなく、そのまま使用することができるので)、キャビネットの大型化を抑制することができる。
この場合には、上記「蒸し暖めモード」時において、上記蒸気供給口から供給される高温で多量の蒸気を、加熱されていない上記蒸気昇温室内を速やかに通過させると共に、上記蒸気昇温室内の非加熱空気の混入を防止することができ、上記蒸気昇温室内での温度低下を極力抑えて80℃〜90℃の蒸気(非過熱蒸気)を上記開口から上記加熱室内に噴き出すことができる。
さらに、複数の調理モードのうち、上記制御手段によって蒸気昇温室のヒータへの通電をオンにし、蒸気発生装置による蒸気の発生と上記蒸気昇温室への蒸気の供給を停止して、上記ヒータからの熱によって食品を加熱する「グリルモード」時に、上記ヒータからの熱を、上記蒸気噴射管における上記天井からの離間部分を通過させて対流させることができる。したがって、上記加熱室の天井における上記蒸気噴射管の設置箇所の温度低下を防止することができ、上記「グリルモード」時における被加熱物の焼き斑を防止することができる。
さらに、上記蒸気噴射管の上記他端を上記加熱室の上記第2蒸気吹出口に密着させている。そのため、上記「蒸し暖めモード」時に、上記蒸気昇温室内の昇温されない空気が、上記天井の上記第2蒸気吹出口から噴き出される非過熱蒸気により引き込まれてこの非過熱蒸気と混合し、上記非過熱蒸気の温度が低下することが防止される
また、上記蒸気噴射管は、蒸気流通部を、上記蒸気供給口との接続位置から上記加熱室への吹出位置まで水平に且つ一直線状に延在させている。したがって、上記「グリルモード」時に、上記蒸気供給口から供給される蒸気を、流速を損なうことなく蒸気吹出部まで流すことができる。その結果、上記蒸気供給口から供給される高温の蒸気を、昇温されていない上記蒸気昇温室内を速やかに最短距離で通過させることができる。
さらに、上記蒸気流通部の他端に垂直方向下向きに延在する蒸気吹出部を設けている。したがって、蒸気の吹出箇所に垂直方向に距離を持たせることができ、上記蒸気流通部から供給された非過熱蒸気を、上記蒸気供給口からの蒸気の吹き出し力を利用して真っ直ぐ下に向けて、勢い良く上記加熱室の天井における上記開口から吹き出すことができる
また、上記蒸気噴射管はその断面形状が矩形であるため、金属板から第1板部材および第2板部材を切り出し、上記第1板部材および上記第2板部材を折り曲げ、上記第1板部材および上記第2板部材における必要箇所を溶接等によって接続するという簡単な方法によって形成することできる。
以上より明らかなように、この発明の加熱調理器は、蒸気昇温室内に配設された蒸気噴射管の断面形状を矩形にしている。そのため、上記蒸気噴射管の断面積を、上記蒸気昇温室の高さを変えることなく蒸気供給口の断面積よりも広く設定することができる。したがって、上記「蒸し暖めモード」時に、上記蒸気噴射管は、上記蒸気供給口から供給される蒸気を、その流線を乱すことなくスムーズに、且つ、流量を損なうことなく流すことができる。
さらに、上述したように、上記蒸気昇温室の高さを変えることなく、上記蒸気噴射管の断面積を蒸気供給口の断面積よりも広くできるので、上記蒸気噴射管を配設しない場合の蒸気昇温室の高さに合わせて上記蒸気噴射管を配設できる。すなわち、上記蒸気噴射管を配設する場合に改めて蒸気昇温室を設計する必要がなく、上記蒸気噴射管を配設しない場合の蒸気昇温室をそのまま使用することができる。したがって、キャビネットの大型化を抑制することができるのである。
この場合、上記「蒸し暖めモード」時において、上記蒸気供給口から供給される高温で多量の蒸気を、加熱されていない上記蒸気昇温室内を速やかに通過させると共に、上記蒸気に対する非加熱空気の混入を防止することによって、上記蒸気昇温室内での温度低下を極力抑え、80℃〜90℃の蒸気(非過熱蒸気)を上記加熱室内に噴き出すことができる。
さらに、上記蒸気噴射管における上記他端を上記加熱室の第2蒸気吹出口に密着させると共に、少なくとも一部を上記加熱室の天井から離間させているので、上記「蒸し暖めモード」時に、上記蒸気昇温室内の昇温されない空気が上記天井の上記第2蒸気吹出口から噴き出される非過熱蒸気により引き込まれて、この非過熱蒸気と混合するのを防止することができる。さらに、上記「グリルモード」時に、上記ヒータからの熱を、上記蒸気噴射管における上記天井からの離間部分を通過させて対流させることができる。したがって、上記加熱室の天井における上記蒸気噴射管の設置箇所の温度低下を防止することができ、上記「グリルモード」時における被加熱物の焼き斑を防止することができる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の加熱調理器における外観斜視図である。本加熱調理器1は、直方体形状のキャビネット10の正面の上部に操作パネル11を設け、キャビネット10の正面における操作パネル11の下側には、下端側の辺を中心に回動する扉12を設けて概略構成されている。そして、扉12の上部にはハンドル13が設けられ、扉12には耐熱ガラス製の窓14が嵌め込まれている。
図2は、上記加熱調理器1の扉12を開いた状態の外観斜視図である。キャビネット10内に、直方体形状の加熱室20が設けられている。加熱室20は、扉12に面する正面側に開口部20aを有し、加熱室20の側面,底面および天面がステンレス鋼板で形成されている。また、扉12は、加熱室20に面する側がステンレス鋼板で形成されている。加熱室20の周囲および扉12の内側に断熱材(図示せず)が載置されており、加熱室20内と外部とが断熱されている。
また、上記加熱室20の底面には、ステンレス製の受皿21が設置され、受皿21上には、被加熱物を載置するためのステンレス鋼線製のラック24(図3参照)が設置される。さらに、加熱室20の両側面下部には、略水平に延在する略長方形の側面蒸気吹出口22(図2では一方のみが見えている)が設けられている。
図3は、上記加熱調理器1の基本構成を示す概略構成図である。図3に示すように、本加熱調理器1は、加熱室20と、蒸気用の水を貯める水タンク30と、水タンク30から供給された水を蒸発させて蒸気を発生させる蒸気発生装置40と、蒸気発生装置40からの蒸気を加熱する蒸気昇温室50と、蒸気発生装置40や蒸気昇温室50等の動作を制御する制御装置80とを備えている。
上記加熱室20内に設置された受皿21上には格子状のラック24が載置され、そのラック24の略中央に被加熱物90が置かれる。
また、上記水タンク30の下側に設けられた接続部30aは、第1給水パイプ31の一端に設けられた漏斗形状の受入口31aに接続可能になっている。そして、第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる第2給水パイプ32の端部にはポンプ35の吸込側が接続され、そのポンプ35の吐出側には第3給水パイプ33の一端が接続されている。さらに、第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる水位センサ用パイプ38の上端には、水タンク用水位センサ36が配設されている。さらに、第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる大気開放用パイプ37の上端には、後述する排気ダクト65に接続されている。
そして、上記第3給水パイプ33は、垂直に配置された部分から略水平に屈曲するL字形状をしており、第3給水パイプ33の他端には補助タンク39が接続されている。さらに、補助タンク39の下端には第4給水パイプ34の一端が接続され、その第4給水パイプ34の他端には蒸気発生装置40の下端が接続されている。また、蒸気発生装置40における第4給水パイプ34の接続点よりも下側には、排水バルブ70の一端が接続されている。そして、排水バルブ70の他端には排水パイプ71の一端が接続され、排水パイプ71の他端には排水タンク72が接続されている。尚、補助タンク39の上部は、大気開放用パイプ37と排気ダクト65を介して大気に連通されている。
上記水タンク30が第1給水パイプ31の受入口31aに接続されると、水タンク30内の水は、水タンク30と同水位になるまで大気開放用パイプ37内に上昇する。その際に、水タンク用水位センサ36につながる水位センサ用パイプ38は先端が密閉されているため水位は上がらないが、水タンク30の水位に応じて水位センサ用パイプ38の密閉された空間の圧力は大気圧から上昇する。この圧力変化を、水タンク用水位センサ36内の圧力検出素子(図示せず)で検出することによって、水タンク30内の水位が検出されるようになっている。ポンプ35が静止中である際の水位測定では、大気開放用パイプ37は不要であるが、ポンプ35の吸引圧力が直接上記圧力検出素子に働いて水タンク30の水位検出の精度が低下するのを防止するために、開放端を有する大気開放用パイプ37を設けている。
また、上記蒸気発生装置40は、下側に第4給水パイプ34の他端が接続されたポット41と、ポット41内の底面近傍に配置された蒸気発生ヒータ42と、ポット41内の蒸気発生ヒータ42の上側近傍に配置された水位センサ43と、ポット41の上側に取り付けられた蒸気吸引エジェクタ44とを有している。また、加熱室20の側面上部に設けられた吸込口25の外側には、ファンケーシング26を配置している。そして、ファンケーシング26に設置された送風ファン28によって、加熱室20内の蒸気は、吸込口25から吸い込まれて、第1パイプ61および第2パイプ62を介して蒸気発生装置40の蒸気吸引エジェクタ44の入口側に送り込まれる。第1パイプ61は、略水平に配置されており、一端がファンケーシング26に接続されている。また、第2パイプ62は、略垂直に配置されており、一端が第1パイプ61の他端に接続される一方、他端が蒸気吸引エジェクタ44のインナーノズル45の入口側に接続されている。
上記蒸気吸引エジェクタ44は、インナーノズル45の外側を包み込むアウターノズル46を備えており、インナーノズル45の吐出側がポット41の内部空間と連通するようになっている。そして、蒸気吸引エジェクタ44のアウターノズル46の吐出側には第3パイプ63の一端が接続され、その第3パイプ63の他端には蒸気昇温室50が接続されている。
上記ファンケーシング26,第1パイプ61,第2パイプ62,蒸気吸引エジェクタ44,第3パイプ63および蒸気昇温室50で外部循環路60を形成している。また、加熱室20の側面の下側に設けられた放出口27には放出通路64の一端が接続され、放出通路64の他端には排気ダクト65の一端が接続されている。さらに、排気ダクト65の他端には排気口66が設けられている。蒸気放出通路64の排気ダクト65側には、ラジエータ69が外嵌して取り付けられている。そして、外部循環路60を形成する第1パイプ61,第2パイプ62との接続部には、排気通路67を介して排気ダクト65が接続されている。さらに、排気通路67における第1,第2パイプ61,62の接続側には、排気通路67を開閉するダンパ68が配置されている。
また、上記蒸気昇温室50は、加熱室20の天井側であって且つ略中央に、開口を下側にして配置された皿型ケース51と、この皿型ケース51内に配置された蒸気加熱ヒータ52を有している。皿型ケース51の底面は、加熱室20の天井面に設けられた金属製の天井パネル54で形成されている。天井パネル54には、上記第1蒸気吹出口としての複数の天井蒸気吹出口55が形成されている。ここで、天井パネル54は、上下両面が塗装等によって暗色に仕上げられている。尚、使用を重ねることにより暗色に変色する金属素材や暗色のセラミック成型品によって、天井パネル54を形成してもよい。
さらに、上記蒸気昇温室50には、加熱室20の上部に左右両側に向かって延在する蒸気供給通路23(図3においては一方のみが見えている)の一端が夫々接続されている。そして、蒸気供給通路23は加熱室20の両側面に沿って下方向かって延在しており、その他端には、上記加熱室20の両側面下側に設けられた側面蒸気吹出口22に接続されている。
次に、本加熱調理器1の制御系について説明する。
制御装置80は、マイクロコンピュータおよび入出力回路等から構成され、図4に示すように、送風ファン28と、蒸気加熱ヒータ52と、ダンパ68と、排水バルブ70と、蒸気発生ヒータ42と、操作パネル11と、水タンク用水位センサ36と、水位センサ43と、加熱室20(図3に示す)内の温度を検出する温度センサ81と、加熱室20内の湿度を検出する湿度センサ82と、ポンプ35とが、接続されている。そして、水タンク用水位センサ36,水位センサ43,温度センサ81および湿度センサ82からの検出信号に基づいて、送風ファン28,蒸気加熱ヒータ52,ダンパ68,排水バルブ70,蒸気発生ヒータ42,操作パネル11およびポンプ35を所定のプログラムに従って制御する。
以下、上記構成を有する加熱調理器1の基本動作について、図3および図4に従って説明する。操作パネル11の電源スイッチ(図示せず)が押圧されると電源がオンし、操作パネル11の操作によって加熱調理の運転が開始される。そうすると、先ず、制御装置80は、排水バルブ70を閉鎖し、ダンパ68によって排気通路67を閉じた状態でポンプ35の運転を開始する。そして、ポンプ35によって、水タンク30から蒸気発生装置40のポット41内に第1〜第4給水パイプ31〜34を介して給水される。その後、ポット41内の水位が所定水位に達したことを水位センサ43が検出すると、ポンプ35を停止して給水を止める。
次に、上記蒸気発生ヒータ42に通電し、ポット41内に溜まった所定量の水を蒸気発生ヒータ42によって加熱する。
そして、上記蒸気発生ヒータ42の通電と同時に、または、ポット41内の水の温度が所定温度に達すると、送風ファン28をオンすると共に、蒸気昇温室50の蒸気加熱ヒータ52に通電する。そうすると、送風ファン28は、加熱室20内の気体(蒸気を含む)を吸込口25から吸い込み、外部循環路60に気体(蒸気を含む)を送り出す。その際に、送風ファン28に遠心ファンを用いているので、プロペラファンを用いる場合に比べて高圧を発生させることができる。さらに、送風ファン28に用いる遠心ファンを直流モータで高速回転させることによって、循環気流の流速を極めて速くすることができる。
次に、上記蒸気発生装置40のポット41内の水が沸騰すると飽和蒸気が発生し、発生した飽和蒸気は、蒸気吸引エジェクタ44の箇所で外部循環路60を通る循環気流に合流する。そして、蒸気吸引エジェクタ44から出た蒸気は、第3パイプ63を介して高速で蒸気昇温室50に流入する。
そして、上記蒸気昇温室50に流入した蒸気は、蒸気加熱ヒータ52によって加熱されて、略300℃(調理内容により異なる)の過熱蒸気となる。この過熱蒸気の一部は、下側の天井パネル54に設けられた複数の天井蒸気吹出口55から加熱室20内の下方に向かって噴出される。また、過熱蒸気の他の一部は、蒸気昇温室50の左右両側に設けられた蒸気供給通路23を介して、加熱室20の両側面の側面蒸気吹出口22から噴出される。
こうして、上記加熱室20の天井側から噴出した過熱蒸気が中央の被加熱物90側に向かって勢いよく供給されると共に、加熱室20の左右の側面側から噴出した過熱蒸気は、受皿21に衝突した後、被加熱物90の下方から被加熱物90を包むように上昇しながら供給される。その結果、加熱室20内において、中央部では吹き下ろし、その外側では上昇するという形の対流が生じる。そして、対流する蒸気は、順次吸込口25に吸い込まれて、外部循環路60を通って再び加熱室20内に戻るという循環を繰り返す。
このようにして、上記加熱室20内で過熱蒸気の対流を形成することによって、加熱室20内の温度・湿度分布を均一に維持しつつ、蒸気昇温室50からの過熱蒸気を天井蒸気吹出口55と側面吹出口22とから噴出して、ラック24上に載置された被加熱物90に効率よく衝突させることが可能になり、過熱蒸気の衝突によって被加熱物90が加熱される。その場合、被加熱物90の表面に接触した過熱蒸気は、被加熱物90の表面で結露する際に潜熱を放出することによっても被加熱物90を加熱する。これにより、過熱蒸気の大量の熱を確実に且つ速やかに被加熱物90全面に均等に与えることができる。したがって、斑がなくて仕上がりのよい加熱調理を実現することができるのである。
また、上記加熱調理運転時において、時間が経過すると、加熱室20内の蒸気量が増加し、量的に余剰となった分の蒸気は、放出口27から放出通路64および排気ダクト65を介して排気口66から外部に放出される。その際に、放出通路64に設けたラジエータ69によって放出通路64を通過する蒸気を冷却して結露させることにより、外部に蒸気がそのまま放出されるのを防止している。尚、ラジエータ69によって放出通路64内で結露した水は、放出通路64内を流れ落ちて受皿21に導かれ、調理によって発生した水と共に調理終了後に処理される。
調理終了後、上記制御装置80によって操作パネル11に調理終了のメッセージが表示され、さらに操作パネル11に設けられたブザー(図示せず)によって合図の音を鳴らす。これらのメッセージやブザーによって調理終了を知った使用者が扉12を開けると、制御装置80は、センサ(図示せず)によって扉12が開いたことを検知して、排気通路67のダンパ68を瞬時に開く。そうすると、外部循環路60の第1パイプ61が排気通路67を介して排気ダクト65に連通し、加熱室20内の蒸気は、送風ファン28によって、吸込口25,第1パイプ61,排気通路67および排気ダクト65を介して排気口66から排出される。このダンパ動作は、調理中に使用者が扉12を開いても同様に機能する。したがって、使用者は、蒸気にさらされることなく、安全に被加熱物90を加熱室20内から取り出すことができるのである。
ところで、上述したように、本加熱調理器1の加熱原理は、温度が100℃以上の過熱蒸気を被加熱物90の表面に供給し、過熱蒸気の凝縮潜熱によって被加熱物90に大量の熱エネルギーを供給することである。つまり、被加熱物90の表面温度が100℃以下であり、噴き付ける蒸気が100℃以上の過熱蒸気である場合に、被加熱物90の表面に付着した過熱蒸気が凝縮して凝縮潜熱を被加熱物90に与えると共に、凝縮で発生した100℃の水(湯)が被加熱物90の中に浸透して内部温度を上昇させるのである。
これに対して、茶碗1杯の御飯を暖める場合には、蒸気を加熱せずに、温度が80℃〜90℃の蒸気(非過熱蒸気)を噴き出した方が暖め時間が早くなる。そこで、本実施の形態においては、蒸気昇温室50に以下のような工夫を凝らして、少量の食品を蒸す,茹でる,暖める場合に非過熱蒸気によって効率よく加熱することができるようにしている。
以下、この実施の形態の特徴である上記蒸気昇温室50について、図5に従って、さらに詳細に説明する。図5は、皿形ケース51の中心線に沿った縦断面図である。皿形ケース51内において、皿形ケース51の側壁には、3本の第3パイプ63を介して蒸気吸引エジェクタ44に連通された蒸気供給管94A,94B,94C(図5では、中央の蒸気供給管94Bのみが現れている)が接続されている。
上記3本の蒸気供給管94A,94B,94Cのうち、両側に位置する2本の蒸気供給管94A,94C(図5では現れていない)は皿形ケース51内に連通しており、蒸気吸引エジェクタ44からの蒸気を皿形ケース51内に供給する。これに対して、上記中心線上に配置されている蒸気供給管94Bには、上記中心線に沿って水平に配置された蒸気噴射管101の一端が接続されている。そして、蒸気噴射管101の他端は、皿形ケース51の略中央部で加熱室20側に向かって折り曲げられ、その先端は天井パネル54の一部を構成する皿形ケース51の蓋部材54aに密着している。また、蓋部材54aにおける蒸気噴射管101の他端が密着している領域内には、蒸気噴射管101の他端の開口101aを加熱室20に連通させる上記第2蒸気吹出口としての開口56が形成されている。
このように、本実施の形態における上記蒸気噴射管101の先端は、皿形ケース51の蓋部材54aに密着している。そのため、皿形ケース51内の昇温されていない空気が、蒸気噴射管101の開口101aから噴き出される非過熱蒸気に引き込まれてこの非過熱蒸気と混合し、非過熱蒸気の温度が80℃〜90℃よりも低下することはないのである。
図6は、上記蒸気噴射管101を詳細に示す図である。尚、図6(a)は平面図、図6(b)は正面図、図6(c)は底面図、図6(d)は左側面図、図6(e)は右側面図である。本蒸気噴射管101は、ステンレス等の金属板でパイプ状に構成されており、矩形断面を有している。そして、蒸気噴射管101は、蒸気供給管94Bとの接続位置から加熱室20への吹出位置まで水平に直線状に延在する矩形断面の蒸気流通部102と、この蒸気流通部102における蒸気供給管94B側端部を蒸気供給管94Bと同じ高さに保持する矩形断面の脚部103と、蒸気流通部102における脚部103とは反対側に設けられた矩形断面の蒸気吹出部104とで、概略構成されている。
そして、上記蒸気流通部102内に上記蒸気供給管94Bの先端が挿入されることによって、蒸気噴射管101と蒸気供給管94Bとが連結される。ところで、蒸気供給管94Bが円筒形状である場合には、蒸気流通部102における連結側の4隅に隙間が生ずることになる。その場合には、上記隙間から、皿形ケース51内の昇温されていない空気が蒸気噴射管101内に引き込まれる可能性がある。そのために、上記隙間をなるべく少なくすることが好ましい。例えば、蒸気流通部102の矩形断面と同じ形状の金属板に蒸気供給管94Bの先端が挿入可能な穴を設けたシーリング部材を、蒸気流通部102における蒸気供給管94Bとの連結側に設ける方法や、蒸気昇温室50内の高温に耐え得る材料でシーリングする方法がある。
上述したように、上記蒸気流通部102を矩形断面に形成することによって、蒸気流通部102の断面積を蒸気供給管94Bよりも大きく設定することができる。例えば、高さ4cmの蒸気流通部102を作成する場合、直径4cmの円形断面であればその断面積は約12.56cm2となり、一辺が4cmである正方形の矩形断面であればその断面積は16cm2となり、蒸気流通部102を矩形断面に形成する方が、蒸気流通部102を円形断面に形成するよりも断面積が大きくなる。したがって、蒸気供給管94Bから供給される蒸気を、その流線を乱すことなくスムーズに、且つ、流量を損なうことなく、蒸気吹出部104まで流すことができる。さらに、蒸気流通部102を、蒸気供給管94Bとの接続位置から加熱室20への吹出位置まで一直線状に延在させることにより、蒸気供給管94Bから供給される蒸気を、その流速を損なうことなく蒸気吹出部104まで流すことができる。以上の結果、蒸気供給管94Bから供給される高温の蒸気を、蒸気加熱ヒータ52に通電されていない状態の皿形ケース51内を速やかに最短距離で通過させることができ、皿形ケース51内での蒸気の温度低下を極力抑えて、温度が80℃〜90℃の蒸気(非過熱蒸気)を蒸気吹出部104に供給することができるのである。
また、上記蒸気流通部102における蒸気供給管94B側とは反対側には蒸気流通部102に連通する矩形断面の蒸気吹出部104を設け、蒸気吹出部104における蒸気供給管94B側とは反対側の上角に傾斜面105を設けている。したがって、蒸気流通部102から供給される蒸気の流線方向を、傾斜面105に沿って滑らかに垂直方向に換えることができる。さらに、蒸気吹出部104の存在によって、蒸気の吹出箇所に垂直方向に距離を持たせることができる。以上の結果、蒸気流通部102から供給された蒸気を、蒸気吸引エジェクタ44からの蒸気の吹き出し力を利用して真っ直ぐ下に向けて、勢い良く開口101aから吹き出すことができるのである。
さらに、上記蒸気吹出部104に脚部としての機能を持たせることによって、矩形断面の脚部103と蒸気吹出部104とで、蒸気流通部102を水平に配置すると共に、蒸気噴射管101全体を皿形ケース51の蓋部材54a上に安定して設置することができる。また、脚部103の両側に、脚部103を蓋部材54aに取り付け固定するためのフランジ106a,106bを設ける。一方、蒸気吹出部104の両側および前端に、蒸気吹出部104を蓋部材54aに取り付け固定するためのフランジ107a,107b,107cを設けている。したがって、蒸気噴射管101全体を蓋部材54a上に更に安定して据え付け固定することができるのである。
ところで、本実施の形態における加熱調理器1の調理モードとして、上記蒸気昇温室50で発生された加熱蒸気を用いる「ウオーターオーブンモード」と、蒸気噴射管101からの非過熱蒸気を用いる「蒸し暖めモード」と、蒸気を用いずに蒸気昇温室50の蒸気加熱ヒータ52の発熱を用いてクッキー等を焼く「グリルモード」等の複数の調理モードがある。
そして、上記「グリルモード」時においては、送風ファン28をオフにし、天井パネル54および蓋部材54aからの放熱によって加熱室20内の被加熱物90を加熱するために、天井パネル54および蓋部材54aに温度斑が生ずると、被加熱物90に焼き斑が生じてしまう。したがって、蒸気加熱ヒータ52からの熱を皿形ケース51内で一様に対流させる必要がある。
そこで、本実施の形態においては、上記蒸気流通部102の両端に脚部103と蒸気吹出部104とを設けて、図5に示すように、蒸気流通部102における脚部103と蒸気吹出部104との間を、蓋部材54aから離間させるようにしている。したがって、蒸気加熱ヒータ52からの熱を、蒸気噴射管101における蒸気流通部102の下側をも通過させて対流させることができ、蓋部材54aにおける蒸気噴射管101の設置箇所の温度が低下するのを防止することができる。
すなわち、本実施の形態においては、上記「グリルモード」時に天井パネル54および蓋部材54aに温度斑が生ずることがなく、被加熱物90に焼き斑が生ずることがないのである。その場合、蒸気流通部102における蓋部材54aとの離間領域は長い程好ましい。そこで、脚部103が無くとも蒸気流通部102の一端を蒸気供給管94Bに確実に接続できる構造を有する場合には、脚部103を無くして蒸気流通部102における蓋部材54aとの離間領域を長くしても差し支えない。
上述したように、本実施の形態においては、上記蒸気噴射管101の断面形状を矩形にしている。したがって、蒸気流通部102の断面積を蒸気供給管94Bよりも大きく設定することができる。その場合には、蒸気供給管94Bおよび蒸気供給管94Bに接続される第3パイプ63の断面形状も蒸気流通部102と同じ矩形にして、上記「蒸し暖めモード」時に更に大量の非過熱蒸気を加熱室20内に供給することも可能になる。
さらに、上記蒸気噴射管101の断面形状を矩形にすることによって、上述した種々の効果に加えて、蒸気噴射管101を簡単に形成することできるのである。本蒸気噴射管101は、図6に示すように、蒸気噴射管101全体の上面と両側面と蒸気供給管94B側とは反対側の端面とを構成する第1板部材と、蒸気噴射管101全体の下面を構成する第2板部材とを、貼り合わせて形成されている。図7は、上記第1板部材および上記第2板部材の展開図である。但し、図7(a)は第1板部材108の展開図であり、図7(b)は第2板部材109の展開図である。
上記構成を有する蒸気噴射管101は、次のようにして形成される。尚、以下の説明においては、便宜上、蒸気供給管94B側を「後」側とし、蒸気供給管94B側とは反対側を「前」側とする。先ず、耐水性,耐錆性を有するステンレス等の金属板から、図7に示すような形状の第1板部材108および第2板部材109を切り出す。次に、第1板部材108を図6に示すように折り曲げ、傾斜面105およびそれに続く前端面112の溶接部105a,112aを、両側面110,111の縁部に溶接する。次に、第2板部材109を図6に示すように折り曲げ、下面113の溶接部113aを、両側面110,111の蒸気流通部102(図6参照)における下側の縁部に溶接し、後面114の溶接部114aを両側面110,111の脚部103(図6参照)における前側の縁部に溶接し、前面115の溶接部115aを両側面110,111の蒸気吹出部104(図6参照)における後側の縁部に溶接する。
このように、上記蒸気噴射管101の断面形状を矩形にすることによって、金属板から第1板部材108および第2板部材109を切り出し、第1板部材108を折り曲げ、第2板部材109を折り曲げ、第1板部材108および第2板部材109の必要箇所を溶接するという簡単な方法によって形成することできる。
しかも、図7に示す第1板部材108および第2板部材109の展開図における各部の寸法を変えるだけで、図6に示す蒸気噴射管101全体の高さ、蒸気流通部102の断面積、蒸気吹出部104における垂直方向への直線部の長さ、蒸気流通部102と蓋部材54aとの間隔等を、簡単に所望の値に設定することができる。したがって、「皿形ケース51の高さが高くなり、延いてはキャビネットが大型化することを抑制しつつ、蒸気供給管94Bからの多量の蒸気を非加熱状態の皿形ケース51内を速やかに通過させ、蒸気の温度低下を極力抑えて、温度80℃〜90℃の蒸気(非過熱蒸気)を開口101aから吹き出す」ことを可能にする蒸気噴射管101を、簡単に作成することができるのである。
尚、上記蒸気噴射管101を、断面円形の金属パイプを曲げて形成する場合には、曲げ剛性が高いために、図8に示すように、開口側に湾曲部を設けて蒸気吹出部を形成する際に、上記湾曲部の曲率半径を大きくする必要がある。したがって、蒸気噴射管101を設けない場合と同じ皿形ケース51を使用する場合には、蒸気噴射管101の高さに制約があるため上記蒸気吹出部に垂直方向への直線部を設けることができず、供給された蒸気を蒸気吸引エジェクタ44からの蒸気の吹き出し力を利用して真っ直ぐ下に向けて勢い良く吹き出すことができない。そこで、蒸気噴射管の吹出部に垂直方向への直線部を設けるために上記湾曲部の曲率半径を小さくしようとすると、用いる金属パイプの半径が蒸気供給管94Bと同じかそれよりも細くなり、蒸気供給管94Bから供給される蒸気をスムーズに且つ流量を損なうことなく吹き出すことができなくなる。
さらに、蒸気噴射管として用いる金属パイプの半径を蒸気供給管94Bよりも太くし、蒸気噴射管の吹出部に垂直方向への直線部を設けた場合には、開口側に設ける湾曲部の曲率半径が大きくなるため上記蒸気噴射管全体の高さが高くなり、皿形ケース51の高さを上記蒸気噴射管を設けない場合よりも高くする必要が生じ、延いてはキャビネットの大きさも大きくなってしまうことになる。
尚、上記蒸気噴射管101は、断面矩形の金属パイプを曲げて形成してもよい。この場合には、金属パイプの曲げ剛性のために曲率半径をとる必要があり、蒸気噴射管101の高さに制約がある場合には矩形断面の縦方向の寸法を短くしなければならない。その場合には、矩形断面の横方向の寸法を長くすることで、断面積の大きさを調整すればよい。
上記構成を有する蒸気昇温室50は、以下のように動作する。
(a)蒸し暖めモード
この「蒸し暖めモード」は、非過熱蒸気を用いて、少量の食品を蒸す,茹でる,暖めるモードである。したがって、上述した茶碗1杯の御飯を暖める場合は、この「蒸し暖めモード」によって行われる。尚、以下に述べるような蒸気昇温室50の動作は、特に説明はしないが、例えば、利用者が「蒸し暖めモード」を選択することによって、制御装置80の制御の下に実行される。
この場合には、上記蒸気加熱ヒータ52への通電はオフされ、送風ファン28は駆動され、蒸気供給口95A,95Cに連通するインナーノズル45の吹き込み口はダンパ(図示せず)によって閉鎖され、蒸気供給口95Bに連通するインナーノズル45の吹き込み口は開放される。そして、上述したような手順によって加熱調理が行われる。そうすると、蒸気発生装置40のポット41内に発生した蒸気は、蒸気吸引エジェクタ44におけるインナーノズル45およびアウターノズル46の機能によって、中央の第3パイプ63および蒸気供給管94Bを介して高速に蒸気噴射管101に供給される。その場合は、蒸気加熱ヒータ52には通電されないため蒸気供給管94Bから供給される蒸気は加熱されず、80℃〜90℃の蒸気(非過熱蒸気)が開口101aから直下に向かって勢いよく噴き出され、被加熱物90である1杯の御飯等に噴き付けられるのである。
その場合、上記蒸気噴射管101は、上述のような構成を有している。したがって、蒸気供給管94Bから供給される高温で多量の蒸気を非加熱状態の皿形ケース51内を速やかに通過させると共に、皿形ケース51内の空気の混入を防止して、上記非過熱蒸気の温度低下を極力抑えることができるのである。
(b)ウオーターオーブンモード
この「ウオーターオーブンモード」は、過熱蒸気を用いて、食品を加熱するモードである。この調理モードは、例えば、利用者がメニュー「ウオーターオーブンモード」を選択することによって、制御装置80の制御の下に実行される。
この場合には、上記蒸気加熱ヒータ52への通電はオンされ、送風ファン28は駆動され、蒸気供給口95Bに連通するインナーノズル45の吹き込み口はダンパ(図示せず)によって閉鎖され、蒸気供給口95A,95Cに連通するインナーノズル45の吹き込み口は開放される。そして、上述したような手順によって加熱調理が行われる。そうすると、蒸気発生装置40のポット41内に発生した蒸気は、蒸気吸引エジェクタ44におけるインナーノズル45およびアウターノズル46の機能によって、高速に第3パイプ63を通って皿形ケース51内に供給される。その場合は、蒸気加熱ヒータ52は通電されているため蒸気供給管94A,94Cから供給される蒸気は加熱され、過熱蒸気となって蓋部材54aの天井蒸気吹出口55から加熱室20内に噴き出される。
(c)グリルモード
この「グリルモード」は、蒸気を用いることなく、蒸気加熱ヒータ52からの熱によって食品を加熱するモードである。この調理モードは、例えば、利用者がメニュー「グリルモード」を選択することによって、制御装置80の制御の下に実行される。
この場合には、上記蒸気加熱ヒータ52への通電はオンされ、蒸気発生ヒータ42への通電はオフされ、送風ファン28は停止され、蒸気供給口95A,95B,95Cに連通するインナーノズル45の吹き込み口は上記ダンパによって閉鎖される。そうすると、蒸気加熱ヒータ52からの熱が皿形ケース51内を対流し、この対流熱と蒸気加熱ヒータ52からの輻射熱とによって、天井パネル54および蓋部材54aが加熱される。そして、天井パネル54および蓋部材54aからの熱によって加熱室20内が昇温されて、被加熱物90が加熱されるのである。
その場合、上記蒸気噴射管101の蒸気流通部102における脚部103と蒸気吹出部104との間を、蓋部材54aから離間させている。したがって、蒸気加熱ヒータ52からの熱を、蒸気流通部102の下側にも対流させることができ、蓋部材54aにおける蒸気噴射管101の設置箇所の温度が低下するのを防止することができる。その結果、グリルモード時における被加熱物90の焼き斑を防止することができるのである。
以上のごとく、本実施の形態においては、上記蒸気噴射管101の断面形状を矩形にしている。したがって、蒸気流通部102の断面積を蒸気供給管94Bよりも広く設定することができ、蒸気供給管94Bから供給される蒸気を、その流線を乱すことなくスムーズに、且つ、流量を損なうことなく流すことができる。さらに、蒸気噴射管101の先端を皿形ケース51の蓋部材54aに密着させている。したがって、皿形ケース51内の昇温されていない空気が、開口101aから噴き出される非過熱蒸気により引き込まれてこの非過熱蒸気と混合し、非過熱蒸気の温度が低下するのを防止できる。以上の結果、蒸気供給管94Bから供給される高温で多量の蒸気を、加熱されていない皿形ケース51内を速やかに通過させることができ、皿形ケース51内での温度低下を極力抑えて80℃〜90℃の蒸気(非過熱蒸気)を開口101aから噴き出すことができる。
また、上記蒸気噴射管101における蒸気流通部102の先端に矩形断面の蒸気吹出部104を設けて、蒸気の吹出箇所に垂直方向に距離を持たせている。さらに、蒸気吹出部104の上角に傾斜面105を設けて、蒸気流通部102からの蒸気の流線方向を滑らかに垂直方向に換えるようにしている。以上の結果、蒸気吸引エジェクタ44からの蒸気の吹き出し力を利用して、供給された蒸気を真っ直ぐ下に向けて開口101aから勢い良く吹き出すことができる。
また、上記蒸気噴射管101の蒸気流通部102における脚部103と蒸気吹出部104との間を蓋部材54aから離間させて、上記「グリルモード」時に、蒸気加熱ヒータ52からの熱を蒸気流通部102の下側をも通過させて対流させるようにしている。したがって、上記「グリルモード」時に、蓋部材54aにおける蒸気噴射管101の設置箇所の温度が低下するのを防止し、天井パネル54および蓋部材54aに生ずる温度斑を無くして、被加熱物90の焼き斑を防止することができる。
尚、上記実施の形態における蒸気噴射管101の形状は、図6に示す形状に限定されるものではない。要は、断面形状が矩形であり、先端が皿形ケース51の蓋部材54aに密着しており、蒸気流通部102の一部を蓋部材54aから離間させた形状であればよいのである。
また、上記実施の形態においては、上記蒸気供給管94A,94B,94Cの本数を3本にしているが、3本に限定されるものではない。さらに、蒸気噴射管101の蒸気吹出部104を皿形ケース51の略中央に位置させるため、中央に位置している蒸気供給管94Bに蒸気噴射管101を接続している。しかしながら、蒸気噴射管101を接続する蒸気供給管の配列位置は特に限定されるものではなく、蒸気吹出部104の位置に応じて適宜設定すればよい。
また、上記実施の形態は一例に過ぎず、本加熱調理器の具体的な構成については、総ての点で例示であって制限的なものではないことが考慮されるべきである。この発明の範囲は、上記実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での総ての修正や変形を含むものである。例えば、上記蒸気昇温室は、上述したように皿形ケース51を加熱室20の天井に載置したものに限定されず、蒸気昇温室を箱体形状とし、上部が開口した加熱室に載置し、蒸気昇温室の底面が加熱室の天井全体または一部を形成する構造であってもよい。この場合、天井の一部を形成する箱体の底面に第1蒸気吹出口および第2蒸気吹出口が設ければよい。あるいは、箱体形状の蒸気昇温室を加熱室20の天井に載置させて、蒸気昇温室と加熱室20とを連通する蒸気吹出口を設け、蒸気昇温室から加熱室20に蒸気を供給する構造であってもよい。
この発明の加熱調理器における外観斜視図である。 図1に示す加熱調理器の扉を開いた状態の外観斜視図である。 図1に示す加熱調理器の概略構成図である。 図1に示す加熱調理器の制御ブロック図である。 図3における皿形ケースの中心線に沿った縦断面図である。 図5における蒸気噴射管を詳細に示す図である。 図6に示す蒸気噴射管の展開図である。 従来の蒸気噴射管の説明図である。
1…加熱調理器、
20…加熱室、
40…蒸気発生装置、
44…蒸気吸引エジェクタ、
50…蒸気昇温室、
51…皿形ケース、
52…蒸気加熱ヒータ、
55…天井蒸気吹出口(第1蒸気吹出口)、
54a…蓋部材、
56…蓋部材の開口(第2蒸気吹出口)、
60…外部循環路、
80…制御装置、
94B…蒸気供給管、
101…蒸気噴射管、
101a…蒸気噴射管の開口、
102…蒸気流通部、
103…脚部、
104…蒸気吹出部、
105…傾斜面、
106a,106b,107a,107b,107c…フランジ、
108…第1板部材、
109…第2板部材。

Claims (1)

  1. 蒸気を発生する蒸気発生装置と、
    被加熱物を収容可能であり、天井に第1蒸気吹出口および第2蒸気吹出口が設けられた加熱室と、
    上記加熱室の上方に設けられると共に、上記蒸気発生装置によって発生された蒸気が供給される蒸気供給口が複数設けられ、熱源としてのヒータを内包し、上記ヒータの加熱によって生成された過熱蒸気を上記加熱室の上記第1蒸気吹出口に供給するように接続された蒸気昇温室と、
    上記蒸気昇温室における少なくとも1つの上記蒸気供給口と上記加熱室の上記第2蒸気吹出口とを連通する蒸気噴射管と、
    温度が100℃未満の蒸気,過熱蒸気あるいは上記ヒータからの放熱の何れかによって上記被加熱物を加熱する調理モードに応じて、上記蒸気発生装置および/または上記ヒータをオン・オフ制御する制御手段と
    を備えた加熱調理器において、
    上記蒸気噴射管は、
    上記加熱室の天井面に沿って上記蒸気昇温室内に配置されており、
    上記蒸気噴射管の一端は上記蒸気昇温室おける少なくとも1つの上記蒸気供給口に連結される一方、他端側は上記加熱室側に向かって屈曲して上記他端は上記加熱室の上記第2蒸気吹出口に密着して連通しており、
    上記他端以外の少なくとも一部は、上記加熱室の天井から離間しており、
    上記蒸気噴射管の断面形状は矩形であり、
    且つ、上記蒸気噴射管は、
    一端が上記蒸気供給口に接続されると共に、上記蒸気供給口との接続位置から上記加熱室への吹出位置まで水平に且つ直線状に延在する矩形断面の蒸気流通部と、
    上記蒸気流通部の他端に連通すると共に、上記蒸気流通部への連通箇所から垂直方向下向きに延在する矩形断面の蒸気吹出部と
    を含んでおり、
    さらに、上記蒸気噴射管は、
    上記蒸気流通部の上面および両側面と、上記蒸気吹出部の上面,両側面および上記蒸気流通部側とは反対側の端面とを、構成する1枚の第1板部材と、
    上記蒸気流通部の下面と、上記蒸気吹出部の上記蒸気流通部側の端面とを、構成する1枚の第2板部材と
    を、折り曲げ、接続して形成されてい
    ことを特徴とする加熱調理器。
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