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JP4727361B2 - ベルト蛇行防止構造およびこの構造を用いた定着装置 - Google Patents

ベルト蛇行防止構造およびこの構造を用いた定着装置 Download PDF

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JP4727361B2 JP2005273351A JP2005273351A JP4727361B2 JP 4727361 B2 JP4727361 B2 JP 4727361B2 JP 2005273351 A JP2005273351 A JP 2005273351A JP 2005273351 A JP2005273351 A JP 2005273351A JP 4727361 B2 JP4727361 B2 JP 4727361B2
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Description

本発明は、少なくとも一対のローラ間に張設された無端ベルトの蛇行を防止する蛇行防止構造およびこの構造を用いた定着装置に関するものである。
無端ベルトは、通常、対向配置された少なくとも一対のローラ(一方が駆動ローラで他方が従動ローラ)間に張設され、駆動ローラの駆動によってローラ間を周回するようになされている。かかる無端ベルトは、物品の移送用に使用される場合が多いが、それ以外の用途(例えば画像形成装置の定着装置で周回する加熱された無端ベルトにトナー像の転写された用紙を接触させて当該トナー像の用紙に対する定着処理を施す場合など)にも広く適用されている。
このような無端ベルトは、周回している間に周回面における周回方向と直交する方向に向けて揺動的に正逆移動する、いわゆる蛇行現象の生じるのが一般的である。従来、かかる蛇行現象を防止するため、無端ベルトの縁部に周長全長に亘って外部に突出したリブを設け、このリブのベルト幅方向への移動を規制するようにしたリブ設置方式や、無端ベルトを両縁部から所定の部材で挟持して無端ベルトのベルト幅方向に向かう移動を規制するようにしたベルト挟持方式等が採用されていた。
しかしながら、位置決め部材で無端ベルトの縁部に蛇行防止用のリブを設ける前記リブ設置方式にあっては、無端ベルトにわざわざリブを設置しなければならず、その分製造コストの高騰を招くという問題点が存在する。
また、リブ設置方式および無端ベルトを所定の部材で挟持するベルト挟持方式の双方とも、単に無端ベルトのベルト幅方向に向かう移動を規制するだけであり、積極的に無端ベルトを正規の位置に押し戻すものではないため、その蛇行防止効果に限界があるのが実状であった。
本発明は、従来の係る状況に鑑みなされたものであって、装置コストの高騰を可能な限り抑えた上で無端ベルトの蛇行をより確実に抑えることができるベルト蛇行防止構造およびこの構造を用いた定着装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、少なくとも一対のローラ間に張設された無端ベルトの蛇行を防止する蛇行防止構造であって、前記ローラは、第1軸端部と、前記第1軸端部とは反対側の第2軸端部とを有し、前記第1軸端部には、同心で一体回転可能に装着された前記無端ベルトの一方の側縁面に当接する円筒状の第1蛇行防止用ブッシュが設けられ、前記第2軸端部には、同心で一体回転可能に装着された前記無端ベルトの他方の側縁面に当接する円筒状の第2蛇行防止用ブッシュが設けられ、前記第1蛇行防止用ブッシュは、前記無端ベルトの前記一方の側縁面を押圧し得るように螺旋状に形成された第1螺旋状端面と、各々が前記第1螺旋状端面側から前記第1軸端部の端面側に延び周方向に複数設けられる第1補強リブとを有し、前記第2蛇行防止用ブッシュは、前記無端ベルトの前記他方の側縁面を押圧し得るように螺旋状に形成された第2螺旋状端面と、各々が前記第2螺旋状端面側から前記第2軸端部の端面側に延び周方向に複数設けられる第2補強リブとを有することを特徴とするものである。
かかる構成によれば、少なくとも一対のローラ間に張設された無端ベルトは、いずれかのローラが駆動回転されることにより、他のローラが従動しながらローラ間を周回する。この周回によって無端ベルトはベルト幅方向に向けて揺動的に移動する、いわゆる蛇行を行ったとしても、ローラに装着された、無端ベルトを挟持する第1及び第2蛇行防止用ブッシュには、無端ベルトの側縁面を押圧し得るように螺旋状に形成された第1及び第2螺旋状端面と、複数の第1及び第2補強リブとが設けられているため、蛇行防止用ブッシュの回転に応じて第1及び第2螺旋状端面が無端ベルトの側縁面を押圧し、これによって無端ベルトは中央部へ向けて押し戻されることになる。
従って、無端ベルトは、その両側縁部においてこのような螺旋状端面による連続的な押し戻しが常に行われるため、ベルト幅方向に揺動する蛇行が確実に防止される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ローラは、該ローラと同心のローラ軸を有し、前記蛇行防止用ブッシュは、前記ローラ軸に一体回転可能に外嵌されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、蛇行防止用ブッシュをローラ軸に外嵌していくことにより、当該蛇行防止用ブッシュがローラに当止し、これによって蛇行防止用ブッシュの位置決めが行われる。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記螺旋状端面には段差が形成され、前記蛇行防止用ブッシュには、前記段差が形成された部分に軸心方向の全長に亘って延びたスリットが形成されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、蛇行防止用ブッシュは、螺旋状端面に形成された段差部分に存在するスリットを介して弾性的に拡径することができ、この拡径によって蛇行防止用ブッシュが外嵌される各種の径寸法のローラ軸に対応することが可能になり、蛇行防止用ブッシュが汎用性に富んだものになるとともに、蛇行防止用ブッシュが拡径されたローラ軸に装着された状態で、当該蛇行防止用ブッシュがローラ軸を締め付けるため、蛇行防止用ブッシュの装着状態が安定する。
請求項4記載の発明は、発熱体が内装された加熱ローラと、この加熱ローラと対向配置された定着ローラと、これら加熱ローラおよび定着ローラ間に張設された定着ベルトと、前記定着ローラに対し前記定着ベルトを介して当接された加圧ローラとを備えてなり、周回している前記定着ベルトと前記加圧ローラとの間に形成されたニップ部へ向けてトナー像が転写された用紙を送り込むことによりトナー像の用紙への定着処理を施す定着装置であって、前記加熱ローラおよび前記定着ローラのいずれか一方または双方に請求項1乃至3のいずれかに記載のベルト蛇行防止構造が適用されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載のベルト蛇行防止構造が定着装置に適用されることにより、当該定着装置は、定着ベルトの蛇行が確実に防止されるものになるため、定着ベルトの蛇行により定着処理で用紙上のトナー像が横にずれてしまうような画像不良の発生が有効に防止される。
請求項1記載の発明によれば、無端ベルトを挟持する第1及び第2蛇行防止用ブッシュには、無端ベルトの側縁面を押圧し得るように螺旋状に形成された第1及び第2螺旋状端面と、複数の第1及び第2補強リブとが設けられ、この第1及び第2螺旋状端面が蛇行防止用ブッシュの回転に応じて無端ベルトの側縁面を連続的に押圧するため、無端ベルトは、中央部へ向けて常に押し戻されることになり、これによって無端ベルトの蛇行を確実に防止することができる。
また、ローラに蛇行防止用ブッシュを装着することによってのみベルト蛇行防止構造が形成されるため、従来のように無端ベルトの両端縁に蛇行防止用のリブを全長に亘って設けるような蛇行防止方式に比較し、装置コストの低減化に貢献することができる。
請求項2記載の発明によれば、蛇行防止用ブッシュをローラ軸に外嵌していくことにより、当該蛇行防止用ブッシュがローラに当止するため、これによって蛇行防止用ブッシュの位置決めを容易に行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、蛇行防止用ブッシュは、螺旋状端面に形成された段差部分に存在するスリットを介して弾性的に拡径することができるため、蛇行防止用ブッシュが外嵌される各種の径寸法のローラ軸に対応することが可能になり、蛇行防止用ブッシュを汎用性に富んだものにすることができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載のベルト蛇行防止構造が定着装置に適用されることにより、当該定着装置は、定着ベルトの蛇行が確実に防止されるものになるため、定着ベルトの蛇行により定着処理で用紙上のトナー像が横にずれてしまうような画像不良の発生を有効に防止することができる。
まず、本発明に係るベルト蛇行防止構造が適用された定着装置を備える画像形成装置の概要について図1を基に説明する。図1は、画像形成装置の内部構造の一実施形態を説明するための正面断面視の説明図である。
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置10は、複写機として使用されるものであり、胴内排紙型と称される箱形を呈した装置本体11と、この装置本体11の上部に設けられた、原稿画像を読み取る画像読取部16とを備えた基本構成を有している。前記装置本体11には、画像読取部16によって読み取られた原稿の画像情報に基づき画像を形成する画像形成部12と、この画像形成部12によって形成され、用紙に転写された画像に定着処理を施す定着部13と、転写用の用紙を貯留する用紙貯留部14とが内装されている。
前記画像読取部16は、装置本体11の上面に開閉可能に設けられた原稿押え161と、装置本体11の上部の筐体内でコンタクトガラス163を介して原稿押え161と対向配置された光学系ユニット162とを備えている。コンタクトガラス163は、載置された原稿の原稿面を読み取るために原稿押え161より若干小さい平面形状に寸法設定されている。前記原稿押え161は、画像読取部16の一構成要素である筐体の上面の一側辺に設けられた所定の軸回りに正逆回動することにより開閉可能になっている。
かかる画像読取部16の適所には、原稿読み取りや複写処理等に関する処理条件を入力操作するための図略の操作パネルが設けられている。この操作パネルには、図略の表示パネルやテンキー、さらにはスタートボタン、モード切換えキー等が設けられている。
前記光学系ユニット162は、図略の光源や複数のミラー、レンズユニット、さらにはCCD(charge coupled device)等を有している。そして、光源からの光が原稿面で反射され、この反射光がこれらミラーおよびレンズユニットを介して原稿情報としてCCDに入力されるようになっている。CCDに入力されたアナログ量としての原稿情報は、デジタル信号に変換されて所定の記憶装置に記憶されるようになっている。
前記画像形成部12は、用紙貯留部14から給紙された用紙にトナー画像を形成させるものであり、本実施形態では、上流側(図1の紙面の右側)から下流側へ向けて順次配設されたマゼンタ用ユニット12Mと、シアン用ユニット12Cと、イエロー用ユニット12Yと、ブラック用ユニット12Kとが備えられている。
各ユニット12M,12C,12Y,12Kには、感光体ドラム121および現像装置122がそれぞれ備えられている。各感光体ドラム121は、図1において反時計方向へ向けて回転しつつ対応した現像装置122からトナーの供給を受けるようになっている。各現像装置122には、装置本体11の前面側(図1の紙面の表側)に配設された図略のトナーカートリッジからトナーが補給されるようになっている。
各感光体ドラム121の直下位置には帯電器123がそれぞれ設けられているとともに、帯電器123のさらに下方位置には露光装置124が設けられている。そして、各感光体ドラム121は、前記帯電器123によって周面が一様に帯電され、画像読取部16で入力された画像データに基づく各色に対応したレーザー光が前記各露光装置124から帯電後の感光体ドラム121の周面に照射されることにより、各感光体ドラム121の周面に静電潜像が形成されるようになっている。かかる静電潜像に現像装置122からトナーが供給されることにより、感光体ドラム121の周面にトナー像が形成される。
感光体ドラム121の上方位置には、当該各感光体ドラム121に当接するように駆動ローラ125aおよび従動ローラ125b間に張設された転写ベルト125が設けられている。この転写ベルト125は、各感光体ドラム121に対応して設けられた転写ローラ126によって感光体ドラム121の周面に押し付けられた状態で各感光体ドラム121と同期しながら駆動ローラ125aと従動ローラ125bとの間を周回するようになっている。
従って、転写ベルト125が周回することによりその表面に対しマゼンタ用ユニット12Mの感光体ドラム121によるマゼンタのトナー像の転写が行なわれ、ついで転写ベルト125の同一位置にシアン用ユニット12Cの感光体ドラム121によるシアンのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、ついで転写ベルト125の同一位置にイエロー用ユニット12Yの感光体ドラム121によるイエローのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、最後のブラック用ユニット12Kの感光体ドラム121によるブラックのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、これによって転写ベルト125の表面にカラーのトナー像が形成される。この転写ベルト125の表面に形成されたカラーのトナー像が用紙貯留部14から搬送されてきた用紙Pに転写されることになる。
そして、各感光体ドラム121の図1における左方位置には当該感光体ドラム121の周面の残留トナーを除去して清浄化するクリーニング装置127が設けられている。クリーニング装置127によって清浄化処理された感光体ドラム121の周面は、新たな帯電処理のために帯電器123へ向かうことになる。
クリーニング装置127で感光体ドラム121の周面から取り除かれた廃トナーは、所定の経路を通って図略のトナー回収ボトルに回収され、貯留されるようになっている。
画像形成部12の図1における左方位置には、上下方向に延びる用紙搬送路111が形成されている。この用紙搬送路111には、適所に搬送ローラ対112が設けられ、用紙貯留部14からの用紙がこの搬送ローラ対112の駆動で駆動ローラ125aに掛け回されている転写ベルト125へ向けて搬送されるようになっている。かかる用紙搬送路111には、駆動ローラ125aと対向した位置に転写ベルト125の表面と当接した第2転写ローラ113が設けられ、用紙搬送路111を搬送されつつある用紙Pが転写ベルト125と第2転写ローラ113とに押圧挟持されることによって転写ベルト125上のトナー像が当該用紙Pに転写されるようになっている。
前記定着部13は、画像形成部12で転写された用紙上のトナー像に対し定着処理を施すものであり、内部に加熱源である通電発熱体を備えた加熱ローラ30、この加熱ローラ30と対向配置された定着ローラ40、この定着ローラ40および前記加熱ローラ30間に張設された定着ベルト(無端ベルト)50およびこの定着ベルト50と前記定着ローラ40を介して対向配置された加圧ローラ60とを備えてなる定着装置20を備えて構成されている。定着装置20については、図2〜図4を基に後に詳述する。
定着処理の完了したカラー画像付の用紙Pは、定着部13の上部から延設された排紙搬送路114を通って装置本体11に設けられた胴内排紙トレイ115へ向けて排出されることになる。
前記用紙貯留部14は、装置本体11における露光装置124の下方位置に挿脱自在に装着された用紙トレイ141を有している。用紙トレイ141には用紙束が貯留されるようになっている。そして、用紙トレイ141に貯留された用紙束からピックアップローラ142の駆動で用紙Pが1枚ずつ繰り出され、用紙搬送路111を通って画像形成部12へ導入されるようになっている。
図2は、定着装置20の一実施形態の概要を示す正面視の断面図である。図2に示すように、定着装置20は、異形の箱形を呈した筐体80に、加熱ローラ30、この加熱ローラ30と対向配置された定着ローラ40、この定着ローラ40および前記加熱ローラ30間に張設された定着ベルト50およびこの定着ベルト50と前記定着ローラ40を介して対向配置された加圧ローラ60とが内装されることによって構成されている。
前記筐体80の底板には、図2における左右方向の中央部より若干左方に寄った位置に用紙搬送路111を介して送り込まれた用紙Pを定着装置20内に導入するための導入開口21が設けられている一方、筐体80の天板における前記導入開口21と対向した位置には、定着処理済みの用紙Pを導出するための導出開口22が設けられている。
前記加熱ローラ30は、筐体80内の図2における右方位置に用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に延びるように設けられている。かかる加熱ローラ30は、筐体80に回動自在に支持されたアルミニウム製の円筒状の筒軸(ローラ軸)31を備えている。この筒軸31回りには、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等によるフッ素樹脂加工が施されている。前記筒軸31の内部にはハロゲンランプ等からなる通電発熱体32が備えられている。前記定着ベルト50は、加熱ローラ30の筒軸31に掛け回されている。
前記定着ローラ40は、筐体80内において回転中心が前記導入開口21より若干右側に寄った位置で前記加熱ローラ30の左方位置に周面が対向するように設けられている。かかる定着ローラ40は、アルミニウム合金等の金属材料からなる定着ローラ心金41と、この定着ローラ心金41に同心で一体的に外嵌された円筒状の発泡性シリコンゴムからなる弾性層42とを備えて構成されている。
前記定着ベルト50は、加熱ローラ30の筒軸31と定着ローラ40の弾性層42との間に所定の緊張状態で張設されている。かかる定着ベルト50は、本実施形態においては、ニッケル電鋳ベルトを芯材とし、この芯材の表裏面にシリコンゴム層が積層され、外周側にPFAフィルム層を備えている。
因みに、本実施形態においては、前記ニッケル製の芯材は、厚み寸法が90μmに設定され、前記シリコンゴム層は、厚み寸法が200〜300μmに設定され、前記PFAフィルム層は、厚み寸法が30μmに設定されているが、各材料の厚み寸法がこれらの値であることに限定されるものではなく、状況に応じて適宜設定される。
前記加圧ローラ60は、筐体80内において回転中心が前記導入開口21より若干左側に寄った位置で周面が前記定着ローラ40の周面と定着ベルト50を介して当接するように配設されている。かかる加圧ローラ60は、アルミニウム合金製の筒体からなる加圧ローラ本体61と、この加圧ローラ本体61に同心で一体的に設けられたシリコンゴム製の外嵌された円筒状の弾性体層62と、この弾性体層62の周面に被覆されたPFA等からなる合成樹脂フィルム63とを備えて構成されている。
そして、合成樹脂フィルム63を介した弾性体層62の周面と定着ベルト50を介した弾性層42の周面との当接位置(すなわち定着ベルト50と合成樹脂フィルム63とが当接した位置)に、前記導入開口21を介して筐体80内に送り込まれた用紙Pをニップするニップ部Nが形成されている。
前記加圧ローラ本体61は、アルミニウム合金等の金属材料によって形成されているのに対し、前記弾性体層62は、シリコーンゴム等の弾性材料によって形成され、これによって前記ニップ部Nにおいて定着ベルト50を介した定着ローラ40との当接により弾性変形で径方向に凹没している。
かかる加圧ローラ60においては、筐体80の適所に設けられた図略の駆動モータの駆動力が所定の図略の減速機構を介して加圧ローラ本体61に伝達されることにより、加圧ローラ本体61が軸心回りに駆動回転するようになっている。この加圧ローラ60の駆動回転は、当該加圧ローラ60に押圧当接している定着ベルト50に伝達され、これにより定着ベルト50は加熱ローラ30と定着ローラ40との間を周回するようになっている。従って、定着ベルト50は、周回しつつ通電発熱体32からの輻射熱によって加熱された加熱ローラ30の筒軸31からの伝熱によって全体的に加熱されることになる。
定着装置20はこのように構成されているため、前記第2転写ローラ113(図1)と、駆動ローラ125aに掛け回された転写ベルト125との間を通過することによりトナー像の転写処理が施された用紙Pは、導入開口21を介して定着ローラ40と定着ローラ40に張設された定着ベルト50との間のニップ部Nに供給され、加圧ローラ60の回転および定着ベルト50の周回でこのニップ部Nを通過することにより、定着ベルト50の熱が用紙P表面のトナー像に伝熱され、これによる加熱処理で当該用紙Pに定着処理が施される。
定着処理後の用紙Pは、定着ベルト50の周回およびこれに従動する加圧ローラ60の軸心回りの回転に応じ導出開口22を介して筐体80外に導出され、排紙搬送路114を通って胴内排紙トレイ115(図1)へ排出されることになる。
以下、図3および図4を基に加熱ローラ30、定着ローラ40および加圧ローラ60が装着される筐体80について説明する。図3は、筐体80を説明するための分解斜視図であり、図4は、その組立て斜視図である。なお、図3および図4において、X−X方向を左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。因みに、図3および図4は、筐体80を理解し易いように簡略化して示したいわゆる原理図であり、従って、詳細な設計的事項については図示を省略したり、あるいはアレンジして示している。また、図3においては、紙面の都合上筐体80の右方側のみを示し、対称に形成された左方側の図示を省略している。
まず図3に示すように、筐体80は、前記加熱ローラ30、定着ローラ40および定着ベルト50が装着される定着ベルト側筐体81と、前記加圧ローラ60が装着された状態で定着ベルト側筐体81と対向配置される加圧ローラ側筐体87とを備えた基本構成を有している。
前記定着ベルト側筐体81は、加熱ローラ30および定着ローラ40に張設された定着ベルト50の各側端部に対向配置される一対の側板82と、加熱ローラ30を支持した状態で各側板82に沿って水平移動可能に設けられた一対の可動板83と、一対の側板82の下端縁部間に架設された架設板84と、一対の側板82間における加熱ローラ30の上方、後方および下方に対応した位置に装着される側面視でコ字状を呈したコ字状カバー体85、通電発熱体32に供給される電力を中継する端子台部材86とを備えて構成されている。
前記各側板82には、その後方側半分の位置に加熱ローラ30の端部と対向した角孔821がそれぞれ穿設されているとともに、前方側半分の位置に定着ローラ40と対向したベアリング装着孔822がそれぞれ穿設されている。また、各側板82には、前記角孔821の後方位置から後方に向かって延設されたブラケット823がそれぞれ設けられているとともに、後方位置から上方に向かって突設板824がそれぞれ突設されている。これらの突設板824の上方後縁部には、互いに対向する方向に向けて突設されることによって形成した、後述する連結ロッド801を挿通するための第1支持片835がそれぞれ設けられている。
前記一対の可動板83は、加熱ローラ30の各端部に外嵌されたベアリングB支持するものであり、中央部にベアリングBが嵌入されるベアリング装着孔831がそれぞれ穿設されている。かかる可動板83は、一対の側板82の対向面における角孔821の上下に対向配置された一対のガイドレール821aに案内されつつ前後方向に移動可能になっている。そして、ガイドレール821aに支持された状態の一対の可動板83の各ベアリング装着孔831にベアリングBがそれぞれ嵌入されることにより、加熱ローラ30が軸心回りに回転可能でかつ前後移動可能に側板82に支持されるようになっている。
かかる可動板83の後方縁部の中央位置には、第1コイルスプリング832の前方端部が装着されている。この第1コイルスプリング832の後方端部は、可動板83が一対のガイドレール821aに支持された状態で、図4に示すように、前記ブラケット823の後方縁部に凹設された係止溝823aに係止され、これによって可動板83は、後方へ向けて付勢されるようになっている。
前記架設板84は、前方位置が後方に向かって切り欠かれ、これによって定着ベルト側筐体81が加圧ローラ側筐体87に嵌め込まれるようにして結合された状態で用紙Pをニップ部Nへ導く導入開口21が確保されるようになっている。
前記コ字状カバー体85は、加熱ローラ30に掛け回された定着ベルト50の後方を覆う後板851と、この後板851の上縁部から前方に向かって延設された、定着ベルト50の後方上面を覆う天板852と、前記後板851の下縁部から前方に向かって延設された底板853とからなっている。前記底板853が前記架設板84の下面に積層された状態でねじ止めその他で当該架設板84に固定されることにより、定着ベルト50を覆う定着ベルト側筐体81が形成されるようになっている。
かかるコ字状カバー体85の底板853の前縁部適所には所定個数の貫通孔854(図3では1つのみを示している)が穿設され、ビスSをこれらの貫通孔854に貫通させた上で加圧ローラ側筐体87の後述する底板89に螺着することにより、加圧ローラ側筐体87が定着ベルト側筐体81に連結されるようになっている。
前記端子台部材86は、前記通電発熱体32を支持した状態で当該通電発熱体32へ供給される電力を中継するものである。かかる端子台部材86は、定着ベルト側筐体81の側板82の角孔821を塞ぐ状態で当該側板82にねじ止めその他で装着される装着板861と、この装着板861の上下方向の略中央位置から外方に向かって突設された前後方向に延びる端子台862とを備えて構成されている。
前記装着板861には、可動板83のベアリング装着孔831より若干小径の円孔861aが設けられ、通電発熱体32は、その端面がこの円孔861aを介して端子台862と対向するようになっている。そして、端子台862には、通電発熱体32に対応した端子片862aがねじ止めで取付けられ、この端子片862aを介して電力が通電発熱体32に供給されるようになっている。
前記加熱ローラ30の両端部には、ベアリングBがそれぞれ外嵌されるようになっている。そして、加熱ローラ30は、上下一対のガイドレール821a間に支持された可動板83のベアリング装着孔831にベアリングBが嵌め込まれることによって定着ベルト側筐体81に装着されるようになっている。
前記定着ローラ40は、同心で両端部から互いに反対方向に向けて突設された一対の軸筒43を有し、これらの軸筒43にはベアリングBが装着されるようになっている。そして、定着ローラ40は、軸筒43に装着されたベアリングBが側板82のベアリング装着孔822に嵌め込まれることによって定着ベルト側筐体81に軸心回りに回転自在に装着されるようになっている。
前記加圧ローラ側筐体87は、左右方向一対の側板88と、これら一対の側板88の下縁部間に架設された底板89と、前記側板88の前縁部から立設された上下寸法が側板88の略半分の前板90と、この前板90の上縁部から後方に向かって先上がりに傾斜した傾斜天板91とを備えて構成されている。
前記一対の側板88間の内寸法は、前記定着ベルト側筐体81の一対の側板82間の外寸法より僅かに大きめに設定され、これによって加圧ローラ側筐体87を定着ベルト側筐体81に対して外嵌めし得るようになっている。かかる各側板88には、前後方向の中央部より前方位置にベアリング装着孔881が穿設されている。
一方、前記加圧ローラ60は、両端部から同心で互いに反対方向に向けて突設された一対の軸筒64を有し、これらの軸筒64にはベアリングBが装着されるようになっている。そして、加圧ローラ60は、軸筒64に装着されたベアリングBが側板88のベアリング装着孔881に嵌め込まれることによって加圧ローラ側筐体87に軸心回りに回転自在に装着されるようになっている。
そして、加圧ローラ60がベアリングBを介して加圧ローラ側筐体87に装着された状態で、ベアリング装着孔881から外部に突出した軸筒64に抜止め部材である例えばEリング65が装着され、これによって加圧ローラ60の加圧ローラ側筐体87に対する装着状態が安定するようになっている。
前記底板89には、前後方向の略中央位置に左右方向に延びる長尺矩形孔891が設けられているとともに、後縁部に前記コ字状カバー体85の貫通孔854と対向するように螺設された螺子孔892設けられている。前記長尺矩形孔891は、用紙Pを筐体80内に導入する導入開口21(図2)に対応するように設けられている。
そして、底板89がコ字状カバー体85の底板853の下面に当接するように加圧ローラ側筐体87が定着ベルト側筐体81に外嵌めされた状態で貫通孔854を介してビスSを螺子孔892に緩やかに螺着することにより、加圧ローラ側筐体87は、ビスS回りに揺動可能に定着ベルト側筐体81に連結されるようになっている。加圧ローラ側筐体87が定着ベルト側筐体81に連結された状態で、加圧ローラ60の周面が定着ベルト50を介して定着ローラ40の周面と対向するように加圧ローラ60の設置位置が設定されている。
前記傾斜天板91は、その前方部分が平面視でコ字状に切り欠かれることによって形成した切欠き部911を有している。この切欠き部911の両側部には、傾斜天板91の前縁部から立設され、かつ、前記定着ベルト側筐体81の第1支持片835と対向するように位置設定された左右方向一対の第2支持片912が設けられている。
そして、第1および第2支持片835,912が前後で互いに対向された状態で、当該第1および第2支持片835,912に穿設された貫通孔に後方側から連結ロッド801が差し通され、これによって定着ベルト側筐体81の上部と加圧ローラ側筐体87とが互いに連結されるようになっている。前記連結ロッド801には、後端部に連結ロッド801の径寸法より大径の頭部802が設けられているとともに、前端部に環状溝803が凹設されている。
かかる連結ロッド801は、後方から第1および第2支持片835,912に差し通された状態で、図4に示すように、第2コイルスプリング804が前端側に圧縮状態で外嵌され、この状態で環状溝803にCリング805が嵌め込まれるようになっている。従って、定着ベルト側筐体81と加圧ローラ側筐体87とが互いに連結された状態(図4)では、第2コイルスプリング804の付勢力によって定着ベルト側筐体81と加圧ローラ側筐体87とは、第2コイルスプリング804の付勢力によってビスS回りに互いに接近する方向に向けて付勢され、これによって加圧ローラ60が定着ベルト50を介して定着ローラ40に押圧当接されるようになっている。
また、加熱ローラ30は、第1コイルスプリング832の付勢力により可動板83およびベアリングBを介して定着ローラ40から離間する方向に向けて付勢された状態になっており、これによって定着ベルト50の緊張状態が確保されるようになっている。
そして、本実施形態においては、加熱ローラ30に本発明に係るベルト蛇行防止構造70が装着されている。以下、図5および図6を基にベルト蛇行防止構造70について説明する。図5は、本発明の一本実施形態に係るベルト蛇行防止構造70が加熱ローラ30に装着された状態を示す斜視図である。また、図6は、図5に示すベルト蛇行防止構造70を構成する蛇行防止用ブッシュ71の図であり、(イ)は、斜視図、(ロ)は、平面図である。
まず、図5に示すように、ベルト蛇行防止構造70は、筒軸31の両端部にそれぞれ回り止め状態で外嵌される一対の蛇行防止用ブッシュ71によって構成されている。各蛇行防止用ブッシュ71は、筒軸31の両端からPFA層に当止するまで当該筒軸31に外嵌される。
かかる蛇行防止用ブッシュ71は、図6の(イ)および(ロ)に示すように、内径寸法が筒軸31の外径寸法より僅かに小さく寸法設定されたブッシュ本体72と、このブッシュ本体72における加熱ローラ30の筒軸31側の端部に同心で一体に形成されたフランジ73と、このフランジ73の前記加熱ローラ30の筒軸31に向いた側の端部に形成された螺旋状端面74とを備えて構成されている。
前記ブッシュ本体72には、フランジ73側の側部に周方向で等ピッチに筒心方向に延びる複数の補強リブ75が一体的に設けられ、これによってブッシュ本体72におけるフランジ73近傍が構造的に丈夫になっている。
前記フランジ73は、外形寸法が加熱ローラ30の外径寸法に定着ベルト50の厚み寸法を加えた値よりも大きくなるように寸法設定され、これによって加熱ローラ30に定着ベルト50が掛け回された状態で、当該定着ベルト50の側縁面が全厚みに亘ってフランジ73の螺旋状端面74に当接し得るようになっている。
前記螺旋状端面74は、フランジ73の加熱ローラ30と対向した側の端面が、螺旋の始まる始点S1から図6の(イ)における時計方向に向けて漸次定着ベルト50の側縁面から遠ざかるように螺旋状に形成され、これによって螺旋状の終点S2と螺旋状の始点S1との間には所定の段差を備えた段差部741が形成されている。本実施形態においては、かかる段差部741の段差寸法は、0.5mmに設定されているが、本発明は、段差部741が0.5mmであることに限定されるものではなく、状況に応じて適宜設定される。
そして、かかる蛇行防止用ブッシュ71は、内径寸法が筒軸31の外形寸法より若干小さめに設定されているとともに、前記段差部741が形成された位置からブッシュ本体72の反対側の端部に向けて切り欠かれることによって形成したスリット76が設けられている。従って、蛇行防止用ブッシュ71を筒軸31に圧入することにより、当該蛇行防止用ブッシュ71は、弾性変形しながら拡径し、これによって密着かつ回り止め状態で筒軸31に外嵌されることになる。
かかるベルト蛇行防止構造70によれば、筒軸31が、図6の(イ)に矢印で示すように図6の右側から見て時計方向に回転すると、筒軸31に掛け回されている定着ベルト50が周回することになるが、このとき定着ベルト50が図6の(ロ)において蛇行により左方に振れたとしても、蛇行防止用ブッシュ71が筒軸31と一体回転しているため、この蛇行防止用ブッシュ71のフランジ73に形成された螺旋状端面74の筒軸31と対向した傾斜面が蛇行防止用ブッシュ71の回転に応じて定着ベルト50を右方に向けて押圧し、これによって定着ベルト50の蛇行が矯正される。
図7は、ベルト蛇行防止構造70の作用をさらに詳細に説明するための平面図であり、(イ)は、定着ベルト50が加熱ローラ30の筒軸31の一方の端部に最大限寄った状態、(ロ)は、定着ベルト50が蛇行防止用ブッシュ71の螺旋状端面74に押されて加熱ローラ30の筒軸31の正規の位置に戻された状態をそれぞれ示している。
なお、図7において(イ)および(ロ)に添えられた添え字「a」は、平面視の図であることを示し、同添え字の「b」は、断面視の図であることを示している。また、図7においては、段差部741の寸法を誇張して示している。また、図7に示す加熱ローラ30は、矢印で示すように(イ)および(ロ)の「b」における時計方向に回転している。
さらに、図7の(イ)および(ロ)の「b」においては、螺旋状端面74に点描を施し、点の密度によって傾斜の状態を表現している(点密度の濃い部分から薄い部分に向かって先下がりに傾斜している)。
まず、図7の(イ)に示す状態では、フランジ73の螺旋状端面74における段差部741の先端角部741aが、図7の(イ)−「b」に示すように、定着ベルト50における復ベルト51の裏面側の位置(往ベルト52のこの位置(具体的にはフランジ73の外周線と復ベルト51の裏面側を示す線との交点)を当接終了点Q2という)に当接している。この状態では、図7の(イ)−「a」に示すように、定着ベルト50の往ベルト52が段差部741の先端角部741aに被さった状態になっているとともに、往ベルト52の側縁面が螺旋状端面74と摺接している。
そして、フランジ73の外周線と復ベルト51の裏面側を示す線との交点を当接開始点Q1とすれば、定着ベルト50は、この当接開始点Q1を起点として時計方向に向けて当接終了点Q2に到達するまでの間で当接開始点Q1において螺旋状端面74と当接しているのに対し、当接終了点Q2から当接開始点Q1へ戻るまでの間では、螺旋状端面74が定着ベルト50に当接していない。
このような定着ベルト50と段差部741との間の当接関係において、螺旋状端面74の先端角部741aが当接終了点Q2に位置した状態で、定着ベルト50に図7の(イ)−「a」における左方へ向かった力が加わっている場合には、往ベルト52が当接開始点Q1で螺旋状端面74と当接することにより、定着ベルト50はそれ以上の左方への移動が阻止された状態になっている。すなわち、定着ベルト50はこの位置以上左方へ向かうことはなく、この位置が定着ベルト50の最大蛇行位置である。
そして、図7の(イ)に示す状態から加熱ローラ30が回転を継続すると、定着ベルト50は、その端縁がフランジ73の螺旋状端面74によって競り押され、これによって順次正規の位置に押し戻されることになる。この定着ベルト50が押し戻される状態は、当接終了点Q2に位置していた段差部741の先端角部741aが、図7の(ロ)に示すように、当接開始点Q1に到達するまで継続される。その後、定着ベルト50は、段差部741の先端角部741aが当接終了点Q2に到達するまで螺旋状端面74の段差部741に当接しているため、端へ向かって移動することはない。
すなわち、定着ベルト50は、段差部741の段差寸法をdとした場合、この段差寸法dの全長に亘って移動し得るのではなく、段差部741の先端角部741aが当接終了点Q2に位置した状態から先端角部741aまでの間の距離(移動可能距離d1)の範囲(図7の(ロ)−「b」における角度α度の範囲)でのみ正逆移動し得るのである。
この移動可能距離d1(mm)は、以下の式で表すことができる。すなわち、
d1=((90−cos−1(r/R))・d)/180・・・(i)
但し、rは、筒軸31の外径寸法(mm)、Rは、フランジ73の外径寸法(mm)、dは、段差部741の段差寸法(mm)である。なお、(i)式は、定着ベルト50の復ベルト51と往ベルト52とが平行であるという前提の基に導出している。
因みに、例えば、r=30mm、R=35mm、d=0.5mmとして移動可能距離d1を(i)式により計算すると、0.16mmとなるが、図2に示す例では復ベルト51と往ベルト52とは定着ローラ40に向けて先広がりで平行になっていないため、移動可能距離d1の値は0.16mmより若干長めになる。
以上詳述したように、本発明に係るベルト蛇行防止構造70は、少なくとも一対のローラ(本実施形態においては加熱ローラ30と定着ローラ40)間に張設された定着ベルト50の蛇行を防止するものであり、特に加熱ローラ30には、その両端部に同心で一体回転可能に装着された定着ベルト50の側縁面に当接する円筒状の蛇行防止用ブッシュ71が設けられ、この蛇行防止用ブッシュ71は、加熱ローラ30の側縁面に対する当接面が定着ベルト50の周回方向に向けて定着ベルト50の側縁面から遠ざかるように螺旋状に形成された螺旋状端面74を有している。
かかる構成によれば、加熱ローラ30と定着ローラ40との間に調節された定着ベルト50は、当該加熱ローラ30が駆動回転されることにより、他の定着ローラ40が従動しながらこれらのローラ30,40間を周回する。この周回によって定着ベルト50がベルト幅方向に向けて揺動的に移動する蛇行を行ったとしても、加熱ローラ30に装着された、定着ベルト50を挟持する蛇行防止用ブッシュ71には、定着ベルト50の側縁面に対する当接面が当該定着ベルト50を押圧し得るように(具体的には定着ベルト50の周回方向に向けて定着ベルト50の側縁面から遠ざかるように)螺旋状に形成された螺旋状端面74が設けられ、螺旋状端面74が蛇行防止用ブッシュ71の回転に応じて定着ベルト50の側縁面を連続的に押圧するため、定着ベルト50は、中央部へ向けて常に押し戻されることになり、これによって定着ベルト50の蛇行を確実に防止することができる。
このように加熱ローラ30に蛇行防止用ブッシュ71を装着することによってのみベルト蛇行防止構造70が形成されるため、従来のように定着ベルト50の両側縁面に蛇行防止用のリブを全長に亘って設けるような蛇行防止方式に比較し、装置コストの低減化に貢献することができる。
また、加熱ローラ30は、該加熱ローラ30と同心の筒軸31を有し、蛇行防止用ブッシュ71は、筒軸31に一体回転可能に外嵌されているため、蛇行防止用ブッシュ71を筒軸31に外嵌していくことにより、当該蛇行防止用ブッシュ71が加熱ローラ30の端縁に当止し、これによって蛇行防止用ブッシュ71の位置決めを容易に行うことができる。
また、螺旋状端面74には段差部741が形成されている一方、蛇行防止用ブッシュ71には、段差部741の位置で軸心方向の全長に亘って延びたスリット76が形成されているため、蛇行防止用ブッシュ71は、螺旋状端面74に形成された段差部741部分に存在するスリット76を介して弾性的に拡径することができ、これによって蛇行防止用ブッシュ71が外嵌される各種の径寸法の筒軸31に対応することができ、蛇行防止用ブッシュ71を汎用性に富んだものにすることができる。
そして、本発明にかかる定着装置20は、上記のようなベルト蛇行防止構造70が加熱ローラ30に設けられているため、当該定着装置20は、定着ベルト50の蛇行が確実に防止されるものになるため、定着ベルト50の蛇行により定着処理で用紙上のトナー像が横にずれてしまうような画像不良の発生を有効に防止することができる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、本発明に係るベルト蛇行防止構造70が画像形成装置10の定着装置20に適用されているが、本発明は、ベルト蛇行防止構造70を定着装置20に適用することに限定されるものではなく、無端ベルトが採用された各種の装置に適用することができる。
(2)上記の実施形態においては、無端ベルト(定着ベルト50)が張設されるローラとして互いに対向した一対(加熱ローラ30と定着ローラ40)が採用されているが、本発明は、ローラが一対であることに限定されるものではなく、無端ベルトが3つ以上のローラに張設されていてもよい。
(3)上記の実施形態においては、ベルト蛇行防止構造70を加熱ローラ30側にのみ設けているが、これに加えて定着ローラ40側に設けてもよい。
(4)上記の実施形態においては、螺旋状端面74に形成された段差部741は、角部が略90°に切り立っているが、こうする代わりにこの部分をなだらかな傾斜によって形成してもよい。こうすることによって、定着ベルト50の側縁面が段差部741の切り立った角部に当接することがなくなり、定着ベルト50の側縁面が損傷することを有効に防止することができる。
(5)上記の実施形態においては、蛇行防止用ブッシュ71の螺旋状端面74が、図6に示すように、段差部741の角ぶである始点S1から終点S2に到る全長に亘って形成されているが、本発明は、螺旋状端面74が始点S1と終点S2との間の全長に亘って形成されることに限定されるものではなく、段差部741が定着ベルト50の復ベルト51および往ベルト52の双方と干渉しない範囲(具体的には、図7の(イ)−「b」に示すように、螺旋状端面74の段差部741の角部が定着ベルト50に対する当接終了点Q2に位置した状態における当該当接終了点Q2と、この状態において復ベルト51が螺旋状端面74の縁部と当接している当接開始点Q1とによって形成される中心角αの範囲)のみ螺旋面とし、その他の面は同一平面に位置するようにしてもよい。
このようにしてもよいのは、螺旋状端面74において定着ベルト50と当接する範囲は前記中心角αの範囲のみであり、螺旋状端面74におけるその他の面は定着ベルト50の縁部と当接することがないからである。
画像形成装置の内部構造の一実施形態を説明するための正面断面視の説明図である。 定着装置の一実施形態の概要を示す正面視の断面図である。 定着装置の分解斜視図である。 定着装置の組立て斜視図である。 本発明の一本実施形態に係るベルト蛇行防止構造が加熱ローラに装着された状態を示す斜視図である。 図5に示すベルト蛇行防止構造を構成する蛇行防止用ブッシュの図であり、(イ)は、斜視図、(ロ)は、平面図である。 ベルト蛇行防止構造の作用をさらに詳細に説明するための平面図であり、(イ)は、定着ベルトが左側へ最大長寄った状態、(ロ)は、定着ベルトが略半分の量だけ右側へ押し戻された状態、(ハ)は、定着ベルトが右側へ最大長押し戻された状態をそれぞれ示している。
符号の説明
10 画像形成装置 11 装置本体
111 用紙搬送路 112 搬送ローラ対
113 転写ローラ 114 排紙搬送路
115 胴内排紙トレイ 12 画像形成部
12C シアン用ユニット 12K ブラック用ユニット
12M マゼンタ用ユニット 12Y イエロー用ユニット
121 感光体ドラム 122 現像装置
123 帯電器 124 露光装置
125 転写ベルト 125a 駆動ローラ
125b 従動ローラ 126 転写ローラ
127 クリーニング装置 13 定着部
14 用紙貯留部 141 用紙トレイ
142 ピックアップローラ 16 画像読取部
161 原稿押え 162 光学系ユニット
163 コンタクトガラス 20 定着装置
21 導入開口 23 導出開口
24 駆動モータ
30 加熱ローラ 31 筒軸(ローラ軸)
32 通電発熱体 40 定着ローラ
41 定着ローラ心金 42 弾性層
50 定着ベルト(無端ベルト)
51 復ベルト 52 往ベルト
60 加圧ローラ 61 加圧ローラ本体
62 弾性体層 63 合成樹脂フィルム
70 ベルト蛇行防止構造 71 蛇行防止用ブッシュ
72 ブッシュ本体 73 フランジ
74 螺旋状端面 741 段差部
75 補強リブ 76 スリット
80 筐体 801 連結ロッド
802 頭部 803 環状溝
804 コイルスプリング 805 リング
81 定着ベルト側筐体 82 側板
821 角孔 821a ガイドレール
822 ベアリング装着孔
823 ブラケット 823a 係止溝
824 突設板 83 可動板
831 ベアリング装着孔 832 コイルスプリング
835 支持片 84 架設板
85 コ字状カバー体 851 後板
852 天板 853 底板
854 貫通孔 86 端子台部材
861 装着板 861a 円孔
862 端子台 862a 端子片
87 加圧ローラ側筐体 88 側板
881 ベアリング装着孔 89 底板
891 長尺矩形孔 892 螺子孔
90 前板 91 傾斜天板
911 部 912 支持片
B ベアリング N ニップ部
P 用紙 S ビス
S1 始点 S2 終点

Claims (4)

  1. 少なくとも一対のローラ間に張設された無端ベルトの蛇行を防止する蛇行防止構造であって、
    前記ローラは、第1軸端部と、前記第1軸端部とは反対側の第2軸端部とを有し、
    前記第1軸端部には、同心で一体回転可能に装着された前記無端ベルトの一方の側縁面に当接する円筒状の第1蛇行防止用ブッシュが設けられ、
    前記第2軸端部には、同心で一体回転可能に装着された前記無端ベルトの他方の側縁面に当接する円筒状の第2蛇行防止用ブッシュが設けられ、
    前記第1蛇行防止用ブッシュは、前記無端ベルトの前記一方の側縁面を押圧し得るように螺旋状に形成された第1螺旋状端面と、各々が前記第1螺旋状端面側から前記第1軸端部の端面側に延び周方向に複数設けられる第1補強リブとを有し、
    前記第2蛇行防止用ブッシュは、前記無端ベルトの前記他方の側縁面を押圧し得るように螺旋状に形成された第2螺旋状端面と、各々が前記第2螺旋状端面側から前記第2軸端部の端面側に延び周方向に複数設けられる第2補強リブとを有することを特徴とするベルト蛇行防止構造。
  2. 前記ローラは、該ローラと同心のローラ軸を有し、前記蛇行防止用ブッシュは、前記ローラ軸に一体回転可能に外嵌されていることを特徴とする請求項1記載のベルト蛇行防止構造。
  3. 前記螺旋状端面には段差が形成され、前記蛇行防止用ブッシュには、前記段差が形成された部分に軸心方向の全長に亘って延びたスリットが形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のベルト蛇行防止構造。
  4. 発熱体が内装された加熱ローラと、この加熱ローラと対向配置された定着ローラと、これら加熱ローラおよび定着ローラ間に張設された定着ベルトと、前記定着ローラに対し前記定着ベルトを介して当接された加圧ローラとを備えてなり、周回している前記定着ベルトと前記加圧ローラとの間に形成されたニップ部へ向けてトナー像が転写された用紙を送り込むことによりトナー像の用紙への定着処理を施す定着装置であって、
    前記加熱ローラおよび前記定着ローラのいずれか一方または双方に請求項1乃至3のいずれかに記載のベルト蛇行防止構造が適用されていることを特徴とする定着装置。
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