JP4721917B2 - 成形時の面内異方性が小さく耐リジング性及び耐肌荒れ性に優れた低炭素低窒素フェライト系ステンレス鋼薄板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明によれば、成形時の面内異方性、耐リジング性及び耐肌荒れ性のいずれの特性も良好であるフェライト系ステンレス鋼を得ることができるため、材料歩留まりを高くでき、従来必要とされていた成形後の表面研磨工程を省略できるなど地球環境保全に貢献しうるものと考えられる。
このような成形品の素材としてのフェライト系ステンレス鋼に求められる特性としては、図1に示すような成形時の耳の高さが小さい事が望まれる。なぜなら、耳部は切り落とされ、成形品の材料歩留まりの低下になるためである。
またその後、表面の凹凸を無くすための研磨工程がある。すなわち成形品にはリジングや肌荒れと言った材料起因の表面凹凸が生じるため、これを研磨によって解消している。研磨は、人手をかけて個別に行う場合が多く、成形品を作る過程での大きな負荷となっている。
したがって、材料に求められる特性としては、成形性、面内異方性が小さいこと、耐肌荒れ性及び耐リジング性に優れることが求められている。
特許文献1には、熱間圧延時の粗熱延時の製造条件(温度、圧下率、摩擦係数)を規定することによりr値の面内異方性を低減する手法が記載されている。また特許文献2には、熱延板に冷間または温間で予備圧延を施すことでΔEl(全伸びの面内異方性)を低減する手法が記載されている。特許文献3には、r値の面内異方性及び0.2%耐力の面内異方度を規定して形状凍結性を向上する手法が記載されている。
特許文献4には、熱延途中に曲げ加工を施して耐リジング性を改善する手法が、また特許文献5には、熱延後の冷却、巻取り条件を規定することにより、耐リジング性を改善する手法が記載されている。
特許文献6には、熱間圧延条件及び冷間圧延条件を規定して結晶粒径を微細化して加工時の表面肌荒れを抑制する手法が、特許文献7には、成形時の肌荒れが生じないような成形方法を結晶粒径によって規定する手法が記載されている。
また特許文献4及び5は、耐リジング性は改善するものの、成形時の面内異方性が大きく、また加工時に肌荒れが発生する場合があった。
また特許文献6では、加工時の表面肌荒れが低減するが、耐リジング性あるいは耐肌荒れ性が不良となる場合が認められていた。また特許文献7では、成形方法を限定した場合に肌荒れが生じないが、成形加工でリジングや肌荒れが生じる場合が散見された。
以上のように、従来の技術では、成形時の面内異方性、耐リジング性、耐肌荒れ性の全てを満足するような手法、あるいはそれらの全特性に相応するような指標さえも存在していなかった。
本発明は、成形時の面内異方性、耐リジング性、耐肌荒れ性の全てを満足するフェライト系ステンレス鋼薄板及びその製造方法を提供するものである。
また冷間圧延前に焼鈍を行ったときに、焼鈍後の冷却過程において鋼板の靭性が不足して割れが生じる場合があり、上記の成形時の面内異方性、耐リジング性、耐肌荒れ性に加えて、焼鈍時に割れが生じないような成分設計が必要であることも明らかとなった。
(a)質量%で、
C :0.005〜0.030%、 Si:0.01〜2.00%、
Mn:0.01〜3.00%、 P :0.040%未満、
S :0.03%以下、 Cr:12.5〜22.0%、
Al:0.0005〜0.2000%、N :0.005〜0.040%、
C+N≦0.050%
を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物よりなる鋼組成を有し、下記(1)式により計算されるγp(%)が0〜65%を満足し、下記(2)式におけるHM値が20〜40を満 足し、板面において圧延方向から0°,45°及び90°の3方向に引張試験をした際の引張強度の最大値と最小値の差が20MPa未満であり、かつポンチ径:Φ50mm、ポンチ肩R:5mm、ダイス肩R:5mm、ブランク径:Φ100mm、しわ押さえ力:1トン、摩擦係数:0.11〜0.13の条件で絞り比2.0の円筒深絞り成形後の耳高さが2.0mm以内であることを特徴とする成形時の面内異方性が小さく耐リジング性及び耐肌荒れ性に優れた低炭素低窒素フェライト系ステンレス鋼薄板である。
γp=420×〔C〕+470×〔N〕+23×〔Ni〕+12×〔Cu〕
+7×〔Mn〕−11.5×(〔Cr〕+〔Si〕)−52×〔Al〕
−49×〔Ti〕+189 ・・・(1) HM =145×〔C〕−0.1×〔Cr〕+0.8×〔Mn〕+1.8×〔Ni〕
+120×〔N〕+0.7×〔Cu〕+26.8 ・・・(2) (ここで〔 〕は質量%)
Ni:3.0%以下、 Cu:3.0%以下
のうち1種または2種を含むことを特徴とする上記(a)記載の成形時の面内異方性が小さく耐リジング性及び耐肌荒れ性に優れた低炭素低窒素フェライト系ステンレス鋼薄板である。
B :0.010%以下
を含むことを特徴とする上記(a)または(b)の成形時の面内異方性が小さく耐リジング性及び耐肌荒れ性に優れた低炭素低窒素フェライト系ステンレス鋼薄板である。
Mg:0.010%以下
を含むことを特徴とする上記(a)〜(c)いずれか1つに記載の成形時の面内異方性が小さく耐リジング性及び耐肌荒れ性に優れた低炭素低窒素フェライト系ステンレス鋼薄板である。
Ti:0.40%以下、 Nb:0.40%以下
のうち1種または2種を含むことを特徴とする上記(a)〜(d)のいずれか1つに記載の成形時の面内異方性が小さく耐リジング性及び耐肌荒れ性に優れた低炭素低窒素フェライト系ステンレス鋼薄板である。
Mo:0.50%以下
を含むことを特徴とする上記(a)〜(e)のいずれか1つに記載の成形時の面内異方性が小さく耐リジング性及び耐肌荒れ性に優れた低炭素低窒素フェライト系ステンレス鋼薄板である。
本発明においては、引張強度の異方性を制御することが重要であることがはじめて明らかとなった。また、もう一つの特性として円筒深絞り試験での耳高さが重要であることが判明した。これらの「引張強度の異方性」と「円筒深絞り試験時の耳高さ」の両者を満足したときにはじめて成形時の面内異方性、耐リジング性、肌荒れ性の全てを満足する。
また円筒深絞り試験時の耳高さは、通常の異方性は圧延方向からの角度が0°,45°,90°の3方向から計算されるものであるのに対して、0〜360°の全方位的な評価指標となる。加えて、円筒深絞り時に耳が発生することは、鋼板の集合組織に何らかの異方性が存在する、すなわち類似結晶方位粒集団(コロニー)が存在することを示唆しているものである。したがって類似結晶方位粒集団(コロニー)の大きさや分布状態によって決定される耐リジング性及び耐肌荒れ性と対応する一指標となるものと考えられる。
C:熱間圧延時にγ相を析出させるために必要な元素であるが、多量の添加は焼鈍後の冷却工程において割れが生じる場合があり、また加工性を低下させたり、Cr系炭化物の析出による鋭敏化及び靭性低下を招くことがあるため、0.030%を上限とする。また、下限は精錬コストの著しい増加を招かないレベルである0.005%とした。製鋼工程における安定製造性を考慮したときに好ましい範囲は、0.008〜0.015%である。
γp(%)=420×〔C〕+470×〔N〕+23×〔Ni〕+12×〔Cu〕
+7×〔Mn〕−11.5×(〔Cr〕+〔Si〕)−52×〔Al〕
−49×〔Ti〕+189 ・・・(1) (ここで〔 〕は質量%)
HM =145×〔C〕−0.1×〔Cr〕+0.8×〔Mn〕+1.8×〔Ni〕
+120×〔N〕+0.7×〔Cu〕+26.8 ・・・(2) (ここで〔 〕は質量%)
円筒深絞り成形の条件によって耳高さや成形限界が変わるため、成形条件は次のように定めた。ポンチ径:Φ50mm、ポンチ肩R:5mm、ダイス肩R:5mm、ブランク径:Φ100mm、しわ押さえ力:1トン、摩擦係数:0.11〜0.13である。この摩擦係数は、40℃で動粘度1200mm2/secの潤滑油を鋼板の表裏面に塗布するこ とで得られるレベルである。後述する実施例においては冷間圧延後の板厚を変化させているが、板厚によらず、耳高さが2.0mm以内であることが必要条件となる。
引張強度異方性は、上記3方向の引張強度のうち、最大値と最小値の差と定義する。これを20MPa未満とすることが、成形時の面内異方性、耐リジング性及び耐肌荒れ性の全特性を満足するための必要条件となる。
〔プロセスA〕
熱延板予備焼鈍:熱間圧延後、熱延板本焼鈍の前に熱延板予備焼鈍を行う。この熱延板予備焼鈍では、昇温時の500℃〜750℃の温度域における平均昇温速度を0.5℃/s以上で昇温した後、800℃〜1050℃の温度で1〜120秒間保持し、その後、300℃以下まで0.5℃/s以上の冷却速度で冷却する。ここでの平均昇温速度が0.5℃/s未満であると引張強度異方性や耳高さが劣化し、その結果、耐リジング性が劣化したり、肌荒れが生じたり、成形時の面内異方性が大きくなる場合がある。
「昇温時の500℃〜750℃の温度域における平均昇温速度」とは、昇温過程において500℃と750℃の両温度の差250℃を500℃から750℃に達するまでの時間で除して求める。なお、平均昇温速度を測定する範囲としては耐リジング性及び耐肌荒れ性に対して重要な再結晶が生じる温度として500℃〜750℃とした。この温度範囲で平均昇温速度が0.5℃/s未満になると、熱延板予備焼鈍に引き続いて行う熱延板本焼鈍において好ましい金属組織の形成(コロニーの分断)が不十分となる。
500℃に達するまでの条件、すなわち熱延板予備焼鈍の開始温度及び500℃未満の昇温速度は耐リジング性や耐肌荒れ性などに影響を及ぼさないため、特に規定する必要はない。
また、保持時間についても同様に1秒未満では未再結晶残存により、耐リジング性、耐肌荒れ性、成形時の面内異方性が劣る場合がある。また120秒超の保持時間では、粒成長が生じて前述の特性のいずれかが低下する場合がある。
また、保持時間が1時間未満であるとコロニーの分断が不十分な場合がある。保持時間の上限は特に規定するものではないが、生産性の観点からは48時間以下とすることが好ましい。
熱間圧延工程:熱間圧延工程において1100℃以下における総圧延率が90%以上とする。1100℃以下の圧延率が90%未満であると前述のコロニーの分断が不十分となって引張強度異方性や耳高さが劣化し、その結果、耐リジング性が低下したり、成形時の面内異方性、耐肌荒れ性が劣化する場合があるためである。また圧延温度は700℃未満では圧延キズが発生するため、これを下限とした。
保持時間は3h以上必要である。3h未満であるとγ相あるいはマルテンサイト相の分解が不十分で耐リジング性及び製造性が劣化する場合があるためである。
保持時間は1s以上であればよく、これ未満であると耐リジング性が劣化する場合がある。保持時間の上限は特に規定するものではないが、製造性を考慮した場合、300s以内とすることが好ましい。
冷却速度は3℃/s以上とする。これ未満であると耐リジング性は劣化する。冷却速度の上限は特に規定するものではないが、製造コストの大幅な増加のないレベルとして50℃/sが好ましい。
熱間圧延:熱間圧延後に600℃以上の温度で巻取る。本プロセスでは巻取り温度を制御することが重要なポイントであり、巻取り温度が600℃未満であると良好な耐リジング性、耐肌荒れ性が得られない場合があり、また冷間圧延時の耳割れが発生しやすい。巻取温度の上限は特に規定する必要はないが、熱間圧延時に圧延疵を発生することなく製造できる上限温度は900℃であるため、これを上限とすることが好ましい。
保持温度は800℃未満であると耐リジング性が劣り、また1050℃超では靭性の低下及び耐肌荒れ性の低下を招く場合がある。保持時間についても同様に1秒未満や120秒超では面内異方性が不十分となる。
上記のプロセスA〜Cのうち、いずれか1つを実施したあとの最終焼鈍工程では最高到達温度がAc1(℃)以下で1〜120sの保定を有する熱処理を行う。Ac1は、フェライト組織の材料温度を上昇させたときに高温でγ相への変態が開始する温度であり、成分によって決まるものである。計算式はステンレス鋼便覧に記載されている下記(3)式を用いると良い。
Ac1(℃)=35×(〔Cr〕+1.72×〔Mo〕+2.09〔Si〕
+4.86×〔Nb〕+1.77×〔Ti〕+21.4×〔Al〕
+40×〔B〕−7.14×〔C〕−8×〔N〕−3.28×〔Ni〕
−16.89×〔Mn〕−0.51×〔Cu〕)+310 ・・・(3)
耐リジング性の測定方法は、次に述べるとおりである。圧延方向から0°方向にJIS5号引張試験片を採取し、歪が16%の引張を行う。表面粗度計において引張試験片表面の平行部の長手方向中央位置において、半径5μmの触針を接触させて、引張方向と垂直方向に0.60mm/sの速度で、カットオフ波長0.08mmとして10mm走査させてうねりチャートを得る。チャートの一例を図4に示す。リジング高さはうねりの最も大きい谷部を形成する山を直線で結び、この直線を深さ方向に平行移動して谷部底に合せた直線(点線)との距離として求める。
以下に実施例を示す。
Claims (10)
- 質量%で、
C :0.005〜0.030%
Si:0.01〜2.00%
Mn:0.01〜3.00%
P :0.040%未満
S :0.03%以下
Cr:12.5〜22.0%
Al:0.0005〜0.2000%
N :0.005〜0.040%
C+N≦0.050%
を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物よりなる鋼組成を有し、下記(1)式により計算されるγp(%)が0〜65%を満足し、下記(2)式におけるHM値が20〜40を満 足し、板面において圧延方向から0°,45°及び90°の3方向に引張試験をした際の引張強度の最大値と最小値の差が20MPa未満であり、かつポンチ径:Φ50mm、ポンチ肩R:5mm、ダイス肩R:5mm、ブランク径:Φ100mm、しわ押さえ力:1トン、摩擦係数:0.11〜0.13の条件で絞り比2.0の円筒深絞り成形後の耳高さが2.0mm以内であることを特徴とする成形時の面内異方性が小さく耐リジング性及び耐肌荒れ性に優れた低炭素低窒素フェライト系ステンレス鋼薄板。
γp=420×〔C〕+470×〔N〕+23×〔Ni〕+12×〔Cu〕
+7×〔Mn〕−11.5×(〔Cr〕+〔Si〕)−52×〔Al〕
−49×〔Ti〕+189 ・・・(1) HM =145×〔C〕−0.1×〔Cr〕+0.8×〔Mn〕+1.8×〔Ni〕
+120×〔N〕+0.7×〔Cu〕+26.8 ・・・(2) (ここで〔 〕は質量%) - 前記鋼が、さらに、質量%で、
Ni:3.0%以下、
Cu:3.0%以下
のうち1種または2種を含むことを特徴とする、請求項1記載の成形時の面内異方性が小さく耐リジング性及び耐肌荒れ性に優れた低炭素低窒素フェライト系ステンレス鋼薄板。 - 前記鋼が、さらに、質量%で、
B :0.010%以下
を含むことを特徴とする、請求項1または2記載の成形時の面内異方性が小さく耐リジング性及び耐肌荒れ性に優れた低炭素低窒素フェライト系ステンレス鋼薄板。 - 前記鋼が、さらに、質量%で、
Mg:0.010%以下
を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の成形時の面内異方性が小さく耐リジング性及び耐肌荒れ性に優れた低炭素低窒素フェライト系ステンレス鋼薄板。 - 前記鋼が、さらに、質量%で、
Ti:0.40%以下、
Nb:0.40%以下
のうち1種または2種を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の成形時の面内異方性が小さく耐リジング性及び耐肌荒れ性に優れた低炭素低窒素フェライト系ステンレス鋼薄板。 - 前記鋼が、さらに、質量%で、
Mo:0.50%以下
を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の成形時の面内異方性が小さく耐リジング性及び耐肌荒れ性に優れた低炭素低窒素フェライト系ステンレス鋼薄板。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼薄板を製造するに際し、鋼片を、常法により熱間圧延した後、熱延板の予備焼鈍を、昇温時の500℃〜750℃の温度域における平均昇温速度を0.5℃/s以上で昇温した後、800℃〜1050℃の温度域で1〜120秒間保持し、その後、300℃以下まで0.5℃/s以上の冷却速度で冷却する条件で行った後、熱延板の本焼鈍を、昇温時の500℃〜700℃の温度域における平均昇温速度を0.05℃/s未満で昇温した後、700℃〜900℃の温度域で1時間以上保持した後冷却する条件で行い、さらに常法により、酸洗、冷間圧延および冷延板最終焼鈍を施すことを特徴とする成形時の面内異方性が小さく耐リジング性及び耐肌荒れ性に優れた低炭素低窒素フェライト系ステンレス鋼薄板の製造方法。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼薄板を製造するに際し、鋼片を、熱間圧延工程において700℃〜1100℃における総圧延率が90%以上とした圧延後に450℃〜700℃で巻取り処理を実施し、得られた熱延板を700℃〜850℃で3h以上保持する均質化熱処理を実施し、さらに900℃〜1100℃で1s以上保持したのちに3℃/s以上の冷却速度で冷却する部分変態熱処理を実施し、さらに常法により、酸洗、冷間圧延および冷延板最終焼鈍を施すことを特徴とする成形時の面内異方性が小さく耐リジング性及び耐肌荒れ性に優れた低炭素低窒素フェライト系ステンレス鋼薄板の製造方法。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼薄板を製造するに際し、鋼片を熱間圧延して600℃以上の温度で巻取り、さらに熱処理を施すことなく圧延率10〜60%の冷間圧延をした後に、500℃〜750℃の範囲における平均昇温速度を0.5℃/s以上かつ800℃〜1050℃で1〜120sの保定を有する熱処理を行い、さらに常法により、酸洗、冷間圧延および冷延板最終焼鈍を施すことを特徴とする成形時の面内異方性が小さく耐リジング性及び耐肌荒れ性に優れた低炭素低窒素フェライト系ステンレス鋼薄板の製造方法。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼薄板を請求項7乃至9のいずれか1項に記載の方法により製造するに際し、冷延板最終焼鈍工程において最高到達温度がAc1(℃)以下で1〜120sの保定を有する熱処理を行うことを特徴とする成形時の面内異方性が小さく耐リジング性及び耐肌荒れ性に優れた低炭素低窒素フェライト系ステンレス鋼薄板の製造方法。
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