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JP4716520B2 - 圧延銅箔 - Google Patents

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Description

本発明は、屈曲用フレキシブルプリント基板(FPC)に適した、屈曲性に優れた銅箔に関する。
近年、樹脂基板に銅箔をラミネートしたフレキシブルプリント回路基板(FPC)が電子部品の実装に広く用いられている。FPCは可撓性を有するため、電気機器等の可動部の電気的接続に用いられることが多く、FPCを構成する銅箔には屈曲性が要求されている。
このようなことから、銅箔表面を平滑にして屈曲性を向上させる技術が報告されている(特許文献1参照)。この技術によれば、屈曲性が向上する場合には,銅の再結晶集合組織である立方体方位が発達し、X線回折で求めた200面の強度(I)が微粉末銅のX線回折で求めた200面の強度(I0)に対し I/I0>40の関係を満たすことが記載されている。
又、屈曲性に優れた圧延銅箔として、200℃で30分間の焼鈍後の圧延面のIがI0に対し、I/I0>20であるものが開示されている(特許文献2参照)。
一方、減肉エッチング性を向上させるため、半軟化温度より50℃高い温度で再結晶焼鈍を行い、I/I0>50を達成する厚み20μm以下の圧延銅箔が報告されている(特許文献3参照)。
特開2001-58203号公報 特開2002-167632号公報 特開2003-193211号公報
銅箔を用いてCCL(Copper Clad Laminate:銅張積層板)を製造する場合、一般に樹脂は銅よりも熱に弱いため、低温または短時間の熱処理条件が必要となる。具体的には、銅箔と樹脂フィルムとの接合に接着剤を用いる3層CCLでは140℃程度で1時間程度、接着剤を用いない3層CCLでは350℃で10分程度の熱処理条件が一般的である。
しかしながら、上記特許文献2,3記載の技術の場合、200℃付近(タフピッチ銅箔の半軟化温度は120〜130℃程度)で30分間の焼鈍を行うことで、200面の方位を調整するため、樹脂への熱影響を与えるおそれがある。一方、上記特許文献2,3記載の技術の場合、低温、短時間の熱処理を行った場合、充分に200面の組織が揃わず、屈曲性が向上しない。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、短時間の焼鈍によっても200面に組織を配向させて屈曲性を向上させることができる圧延銅箔の提供を目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の圧延銅箔は、JISに規格するタフピッチ銅(JIS-C1100)または無酸素銅(JIS-C1011)からなり、350℃で10分間焼鈍後の圧延面をX線回折して求めた(200)面の強度をIとし、微粉末銅のX線回折で求めた(200)面の強度をI0としたとき、I/IO≧65であることを特徴とする。
又、本発明の圧延銅箔は、Ag,Sn及びMgの群から選ばれる一種以上を0.5質量%以下含み、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、350℃で10分間焼鈍後の圧延面をX線回折して求めた(200)面の強度をIとし、微粉末銅のX線回折で求めた(200)面の強度をI0としたとき、I/IO≧65であることを特徴とする。
本発明において、Ag,Sn及びMgの群から選ばれる一種以上を0.1質量%以上含み、I/IO≧70であることが好ましい。圧延平行方向の断面から見たとき、厚み方向の中心線と交差するせん断帯の個数が厚みの100倍長さの観察領域当り100本以下であることが好ましい。最終圧延工程における加工度を95%以上として製造されたことが好ましい。
本発明によれば、短時間の焼鈍によっても200面に組織を配向させて屈曲性を向上させることができる。
以下、本発明に係る圧延銅箔の実施の形態について説明する。なお、本発明において%,ppmとは、特に断らない限り、それぞれ質量%,mass(質量) ppmを示すものとする。
<組成>
第1の発明に係る圧延銅箔はJISに規格するタフピッチ銅(JIS-C1100)または無酸素銅(JIS-C1011からなる。
第1の発明においては上記組成とすることにより、導電性を向上させることができる。


第2の発明に係る圧延銅箔は、Ag,Sn及びMgの群から選ばれる一種以上を500 mass ppm以下含み、残部がCuおよび不可避的不純物からなる。Ag,Sn,Mgを添加すると、(200)面への配向が強くなり易く、後述するI/IOを65以上とすることができ、屈曲性を向上させることができる。
Ag,Sn及びMgの群から選ばれる一種以上の合計濃度が500 mass ppmを超えると、黄銅型集合組織が安定方位となるため、屈曲に寄与する立方体方位集合組織((200)方位)が発達せず、I/IOが65未満となる。一方、これらの元素の合計濃度の下限は、元素の分析レベル程度であり、これらの元素がわずかでも含まれていればよい。
特に、上記合計濃度を100〜500 mass ppmの範囲とすると、I/IO≧70とすることができ、屈曲性をより一層向上させることができる。
<I/IO>
銅箔の圧延面において(200)面への配向を強くすると、屈曲性が向上することは、上記特許文献2,3に記載されている。ここで、圧延面をX線回折して求めた(200)面の強度をIとし、微粉末銅(ランダム方位)のX線回折で求めた(200)面の強度をI0としたとき、I/IOの値が高いほど、(200)面への配向が強い。
一般に、圧延集合組織を形成するためには60%以上の圧延加工度が必要であるといわれており、本発明においても最終圧延の加工度を高めることが必要である。
しかしながら、特許文献2,3に記載されているように、200℃付近(タフピッチ銅箔の半軟化温度は120〜130℃程度)で30分間の再結晶焼鈍条件であれば、圧延加工度を高めることで(200)面への配向を強くすることは容易であるが、本発明のような短時間焼鈍(350℃で10分)では、単純に圧延加工度を高めるだけでは(200)面への配向を強くすることが難しい。この理由は高加工度の圧延で発生するせん断帯の影響であるが、これについては後述する。
また、高い加工度で圧延すると、圧延中に加工熱によって材料の再結晶が起こることがあるが、上記したせん断帯が材料中に多数発生した場合、再結晶が不均一となり、均一な圧延集合組織の発達が阻害されるため、やはり焼鈍後の(200)配向度を高めることが困難になる。
そこで、本発明においては、以下に述べるようにせん断帯の発達を抑制することにより、再結晶焼鈍を350℃で10分間という短時間としても、I/IOを65以上にすることができ、(200)配向度を高めて屈曲性を向上できる。I/IOが65未満であると、(200)配向度が高くならず、屈曲性も向上しない。好ましくは、I/IOを70以上とする。
<せん断帯>
又、焼鈍によって再結晶集合組織を発達させるためには、焼鈍前の圧延集合組織が均一に発達している必要がある。ここで、金属材料は圧延加工されるとすべり変形を起こすが、高加工度で変形すると塑性不安定による不均一変形がおこり、せん断帯が発生する。せん断帯とは、圧延板面に対して30〜60度傾いた、薄い面状の組織を言う。(例えば「鉄と鋼」第70年(1984)第15号P.18)
せん断帯は周囲の母相とほぼ類似の結晶方位を持っているが、密なセル組織を持っており、再結晶核生成が起こりやすい。そのため、せん断帯が発達した材料ではせん断帯部と母相とで再結晶が不均一に起こり、その結果として再結晶集合組織の発達が妨げられる。
このように、いたずらに圧延加工度を高めても、せん断帯の発達によって(200)面への配向度が低下し、短時間焼鈍によって(200)面への配向を強めることができない。
特許文献2,3に記載されているように、200℃(又は半軟化温度+50℃)で30分間の充分な焼鈍を行うと、せん断帯はその発生数の多少に関らず消滅し、再結晶粒が均一な等軸粒になるまで成長する。このため、せん断帯の影響がなく、 (200)面への配向度が高くなる。しかし、一般に2層CCL加工工程で行われる熱処理時間は10分程度であり、30分もの長時間の焼鈍は現実的ではない。
従って、200℃で30分間の焼鈍によって (200)面への配向度を高くした材料であっても、圧延後のせん断帯の個数が多い場合、短時間焼鈍(350℃で10分)では均一な再結晶組織が得られず、(200)配向度を高めて屈曲性を向上させることができない。これは、せん断帯の個数が多いと、10分間の短時間焼鈍ではせん断帯が消滅しないからである。
充分な屈曲性を得るためには、350℃で10分焼鈍後において、せん断帯が30本以下/(銅箔厚みの100倍)、好ましくは20本以下/(銅箔厚みの100倍)である必要がある。このようにせん断帯の本数を抑えるためには、圧延後でのせん断帯の本数を100本以下/(銅箔厚みの100倍)にすることが必要である。
ここで、「/(銅箔厚みの100倍)」とは、厚みの100倍長さの観察領域当り100本以下であることを示すが、詳しくは後述する。
このように、本発明においては、せん断帯の発達を抑えつつ圧延加工度を高めることによって、短時間焼鈍によって(200)面への配向を強めることに成功している。
せん断帯の発達を抑える方法としては、冷間圧延時の圧延油の粘度を下げることが挙げられる。一般に圧延油は圧延ロールを冷却するとともに、ロールと材料との間に油膜を作ることで圧延抵抗を低減し、さらに油膜はロールから材料への圧延加重を伝達する役割も果たしている。そのため、一般には、圧延を容易にするため油膜厚みが厚くなる条件で圧延する。
しかし、油膜厚みが厚いと、油膜中で材料表面が拘束されず変形するため、せん断帯が発達しやすい。圧延油の粘度が高いほど、圧延ロール径が大きいほど、又、圧延速度が速いほど、油膜厚みが厚くなるため、せん断帯が発達しやすくなる。また、圧延ロールの表面粗さが粗いと、局部的に油膜の厚い状態となり、せん断帯が発達しやすくなる。さらに、せん断帯は加工度が高いほど発達し、90%以上の圧延加工度となると、せん断帯は飛躍的に発達し、95%以上の圧延加工度を加える場合にはせん断帯が箔厚を貫通する。
このようなことから、せん断帯の発達を抑える方法としては、油膜厚みを薄くして圧延をする、すなわち圧延油の粘度を低くし、圧延ロール径を小さくし、圧延速度を遅くすればよい。また、圧延ロールの表面粗さを小さくしたり、加工度を小さくしてもよい。
但し、本発明においては、(200)配向度を高めるため、加工度を高くする必要があり、また、生産性の観点からはできるかぎり圧延速度は速いほうがよい。従って、圧延油の粘度を低くし、圧延ロール径を小径とし、圧延ロールの表面粗さを小さくすることによって、圧延時の油膜厚みを均一に薄く制御し、せん断帯の発達を抑えることが好ましい。具体的には圧延油の粘度を6cSt以下、好ましくは、4〜5cSt、圧延ロール径を40mm〜150mm、圧延ロールの表面粗さをRa≦0.05μm程度とすることで、高い加工度でもせん断帯の少ない銅箔を得ることができる。
なお、最終の冷間圧延においてすべてのパスにおいて上記条件で圧延を行うことも可能であるが、加工度80%以降のパスにおいて上記圧延条件で行うことが好ましい。これは、上記した圧延条件は圧延加工性能を悪化させるものであるため、すべてのパスにおいて上記条件で圧延を行うと、狙い厚みまでの圧延においてパス数が増加し、生産性が低下する傾向にあるためである。たとえば、加工度90%までのパスにおいては粘度の高い圧延油を用い、表面粗さの大きい圧延ロールを用いることで大きな加工がとれ、高い生産性を維持する事ができる。
ただし、上記した圧延条件に限定されず、せん断帯の発達を抑えることができれば他の方法(例えば圧延温度の制御)を採用してもよい。
以上のように、本発明においては、例えば圧延油流量や温度、圧延前の結晶粒径を制御することで、加工中の再結晶を抑制してせん断帯の発生を低減し、集合組織を発達させる。これにより、短時間焼鈍(350℃で10分)を行っても、(200)面への配向が強くなる。
又、本発明の第2の発明によれば、Ag,Sn及びMgの群から選ばれる一種以上の添加によって、加工中の再結晶を抑制する効果をさらに発揮させることができる。
<せん断帯の特定>
せん断帯は、強加工による塑性不安定によって圧延面と30〜60度傾いた面上でせん断変形が集中的に起こって形成される組織が観察面に現れたものである。したがって、せん断帯は圧延組織の不連続面として観察される。せん断帯部の結晶方位は母相と差がないために、結晶方位測定でせん断帯を規定することはできない。
一方、せん断帯は深さ方向に広がっているため、材料の断面を観察して特定することができる。従って、最終圧延後の銅箔の圧延平行方向の断面を観察したとき、圧延面と30〜60度傾いた圧延組織の不連続部分をせん断帯とする。具体的には、上記断面の顕微鏡(金属顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査イオン顕微鏡(SIM))の像を得て、圧延面と30〜60度傾いた線を画像解析や目視によりせん断帯と判定することができる。銅箔の断面加工はFIBやCPで行うのが好ましいが、機械研磨等の方法を用いても良い。又、断面観察にSIMを用いると結晶方位のコントラストが強く現れるため好ましい。
本発明においては、上記のようにして判定したせん断帯のうち、箔の厚み方向の中心線と交差するせん断帯の個数が厚みの100倍長さの観察領域当り100本以下であることが好ましい。
図1は圧延平行方向の断面から見たときの組織のSIM像を示す。この図において、符号Shで表した2つの矢印を結ぶ線がせん断帯である。
図2は銅箔断面のせん断帯を示す銅箔断面の模式図である。この図において、四角の枠R内が図1のSIM像に対応する。箔の厚みをtとすると、観察領域は圧延平行方向に沿ってt×100の長さに至っている。有意なせん断帯Shは、その一端が銅箔表面に至り、他端が箔の厚み方向の中心線Cと交差する線であり、これ以外のせん断帯(銅箔表面に到達しないか、又は中心線Cと交差しないせん断帯)は、再結晶集合組織発達への影響が小さいため、本発明ではせん断帯としてカウントしない。上記観察領域内において、上記した有意なせん断帯の個数が100本以下であれば、せん断帯が少ないために再結晶集合組織の発達が妨げられず、(200)面への配向がより強くなる。
(製造)
本発明の銅箔は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、電気銅又は無酸素銅を主原料とし、上記化学成分その他を必要に応じて添加した組成を溶解炉にて溶解し、インゴットを作製する。インゴットを例えば均質化焼鈍、熱間圧延、冷間圧延、焼鈍、冷間圧延、焼鈍を順次行うことで、圧延銅箔が得られる。冷間圧延は、例えば加工度90%以上で行うことが好ましく、95%以上がより好ましい。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.試料の作製
電気銅に表1に示す組成の元素をそれぞれ添加して真空溶解してインゴットを鋳造し、これを800℃の温度で3時間の条件で均質化焼鈍し、950℃で溶体化処理後、熱間圧延を施した。さらに面削して冷間圧延を行い、板厚17μmの銅箔試料を作製した。冷間圧延の総圧延加工度、圧延油の粘度、圧延ワークロール(WR)の粗さ(Ra)及び直径を表1に示す値とした。
<評価>
(1)せん断帯の個数
最終圧延後の銅箔試料の圧延平行方向の断面を機械研磨し、走査イオン顕微鏡(SIM))による断面像を得た。この像の観察領域を圧延平行方向に厚みの100倍の長さとして目視し、図1、図2に示すように圧延面と30〜60度傾いた線(圧延組織の不連続部分)のうち、箔の厚み方向の中心線と交差する線の個数を数えた。
なお、せん断帯の個数は、圧延ままの試料、圧延後の試料をAr雰囲気中で350℃で10分間焼鈍した試料、及び試料の半軟化温度より50℃高温で大気中、30分間焼鈍した試料についてそれぞれカウントした。
半軟化温度は、焼鈍後の引張り強さが,圧延上がりの引張り強さと、300℃で30分間焼鈍し完全に軟化させた後の引張り強さとの中間の値になるときの焼鈍温度として求めた。
(2)I/IOの算出
銅箔試料の圧延面をX線回折(株式会社リガク製 RINT2000)して求めた(200)面の強度をIとし、微粉末銅(ランダム方位関東科学株式会社製 325メッシュ)のX線回折で求めた(200)面の強度をI0として測定し、I/IOを算出した。I/IOが高いほど、(200)面への配向が強く、屈曲性が良好である。
なお、各試料のI/IOの算出は、上記した圧延まま、350℃で10分間焼鈍後、及び半軟化温度より50℃高温で30分間焼鈍後についてそれぞれ行った。
(3)屈曲性
銅箔表面にポリイミド(宇部興産製 UワニスA)を塗布し、大気中で130℃で30分の乾燥を行った後に、Ar雰囲気中で350℃×10分のキュア熱処理を行って樹脂銅箔積層材を作製した。上記積層材を塩化第二鉄でエッチングして屈曲試験用回路パターンを形成し、屈曲用試料とした。
この試料について、特開2000-212661号公報の実施例で行ったのと同一の方法により評価した(同公報の段落0034、0035、及び図1を参照)。ただし、屈曲時には銅箔面を屈曲内側とした。
屈曲試験中の試料の電気抵抗の変化を測定し、電気抵抗が初期値より10%増加するまでの屈曲回数で屈曲性を評価した。評価基準は、屈曲回数が30000回以上を〇、30000未満を×とした。
得られた結果を表1、表2に示す。
表1、表2から明らかなように、各実施例の場合、圧延ままであってもせん断帯の個数が100本以下/(銅箔厚みの100倍)であり、さらに350℃×10分の短時間再結晶焼鈍によってもI/IOが65以上であり、屈曲性も良好であった。
特に、添加元素としてAg,Sn,又はMgを添加した実施例2〜7の場合、I/IOが70以上に向上し、純銅型の実施例1に比べて優れていた。
一方、圧延油粘度が実施例より高い比較例3〜5、7〜9の場合、圧延ワークロールの粗さが実施例より高い比較例2の場合、及び圧延ワークロールの直径が実施例より高い比較例2の場合、いずれも圧延後にせん断帯の個数が100本/(銅箔厚みの100倍)を超えた。又、その結果、これらの比較例の場合、350℃×10分の短時間再結晶焼鈍ではI/IOが65未満であり、長時間焼鈍(半軟化温度より50℃高温で30分間)したときにはじめてI/IOが65以上に増加した。
又、圧延油粘度が実施例より高く、さらに圧延ワークロールの粗さが実施例より高い比較例1の場合、長時間焼鈍(半軟化温度より50℃高温で30分間)してもI/IOが65未満のままであった。
圧延加工度が実施例より低い比較例10の場合、圧延後のせん断帯の個数は100本以下/(銅箔厚みの100倍)と少なかったが、加工度が低いために長時間焼鈍(半軟化温度より50℃高温で30分間)してもI/IOが65未満のままであった。
Agの添加量が500mass %を超えた比較例11の場合、圧延後のせん断帯の個数が100本/(銅箔厚みの100倍)を超えて増え、長時間焼鈍(半軟化温度より50℃高温で30分間)してもI/IOが65未満のままであった。
なお、再結晶粒が成長する過程でせん断帯は消滅するため、軟化温度+50℃で30分の長時間焼鈍を行うと、実施例及び比較例においてせん断帯の数は0であった。
一方、各比較例の場合、いずれも屈曲性が劣ったが、各比較例の場合、圧延ままのせん断帯の数が実施例に比べて多く、350℃で10分焼鈍後のI/IOも実施例に比べて低かった。これより、屈曲性に相関があるのは、圧延ままのせん断帯の数、及び350℃で10分焼鈍後のI/IOであることがわかる。
圧延平行方向の断面から見たときの組織のSIM像を示す図である。 銅箔断面のせん断帯を示す銅箔断面の模式図である。
符号の説明
t 銅箔の厚み
C 厚み方向の中心線
Sh (有意な)せん断帯

Claims (5)

  1. JISに規格するタフピッチ銅(JIS-C1100)または無酸素銅(JIS-C1011)からなり、350℃で10分間焼鈍後の圧延面をX線回折して求めた(200)面の強度をIとし、微粉末銅のX線回折で求めた(200)面の強度をI0としたとき、I/IO≧65であることを特徴とする圧延銅箔。
  2. Ag,Sn及びMgの群から選ばれる一種以上を500 mass ppm以下含み、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、350℃で10分間焼鈍後の圧延面をX線回折して求めた(200)面の強度をIとし、微粉末銅のX線回折で求めた(200)面の強度をI0としたとき、I/IO≧65であることを特徴とする圧延銅箔。
  3. Ag,Sn及びMgの群から選ばれる一種以上を100 mass ppm以上含み、I/IO≧70であることを特徴とする請求項2に記載の圧延銅箔。
  4. 圧延平行方向の断面から見たとき、厚み方向の中心線と交差するせん断帯の個数が厚みの100倍長さの観察領域当り100本以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の圧延銅箔。
  5. 最終圧延工程における加工度を95%以上として製造されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の圧延銅箔。
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