[go: up one dir, main page]

JP4716421B2 - 合成樹脂製灯具構成部材の表面被膜形成方法および合成樹脂製灯具構成部材 - Google Patents

合成樹脂製灯具構成部材の表面被膜形成方法および合成樹脂製灯具構成部材 Download PDF

Info

Publication number
JP4716421B2
JP4716421B2 JP2006008934A JP2006008934A JP4716421B2 JP 4716421 B2 JP4716421 B2 JP 4716421B2 JP 2006008934 A JP2006008934 A JP 2006008934A JP 2006008934 A JP2006008934 A JP 2006008934A JP 4716421 B2 JP4716421 B2 JP 4716421B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cavity
lamp component
thermosetting resin
resin
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006008934A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007190722A (ja
Inventor
文彦 杉山
護 村越
一廣 山▲ざき▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koito Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Koito Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koito Manufacturing Co Ltd filed Critical Koito Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2006008934A priority Critical patent/JP4716421B2/ja
Publication of JP2007190722A publication Critical patent/JP2007190722A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4716421B2 publication Critical patent/JP4716421B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

リフレクタやエクステンションリフレクタ等といった合成樹脂製の車両用灯具構成部材の表面にはアルミ蒸着膜が形成されているが、一般には、射出成形した合成樹脂製灯具構成部材本体の表面にアンダーコート被膜を形成して表面を平滑にした上で、アルミ蒸着膜が形成されている。
本発明は、射出成形した合成樹脂製灯具構成部材本体にアルミ蒸着等の処理を行なうためのアンダーコート被膜等の表面被膜を形成する合成樹脂製灯具構成部材の表面被膜形成方法および表面被膜が形成された合成樹脂製灯具構成部材に関する。
例えば、リフレクタ本体にアンダーコート被膜を形成する従来の方法としては、金型を用いた射出成形により一次成形品である樹脂製リフレクタ本体を成形し、金型から取り出した一次成形品を塗装ブース内においてスプレー塗装することにより、アンダーコート被膜を形成し、次いで、乾燥炉内においてアンダーコート被膜を乾燥させる方法が古くから知られている。しかし、樹脂の射出成形工程に用いる設備とは全く異なる大型の塗装ブースや乾燥炉が必要で、設置スペースをとられる上に、一次成形品の成形後、被膜を形成するまでに長時間かかるし、スプレー塗装では塗装ミストが飛散するため、塗料の塗着効率が非常に低く、塗装効率が悪い上に、塵やタレに起因した不良品発生率が大きく、歩留まりも悪いという問題があった。
そこで、下記特許文献1では、前記した問題点を解消するべく、第1の金型により樹脂製リフレクタ本体を射出成形し、第1の金型から取り出したリフレクタ本体を移載ロボットによって第2の金型に移載してインサートし、第2の金型内にアンダーコート被膜構成材料である樹脂を射出して、リフレクタ本体表面にアンダーコート被膜を一体に成形するという方法が提案されている。
特開2002−160256
しかし、特許文献1に示す方法では、前記した種々の問題が解消されるものの、第1の金型と第2の金型に加えて移載ロボットが工程設備として必要で、工程設備の配置スペースが大きい上に、一次成形品を第1の金型から第2の金型に移載するため、成形サイクルに要す時間の短縮には限界があった。
本発明は前記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、工程設備が簡潔で、工程時間を短縮できる合成樹脂製灯具構成部材の表面被膜形成方法および安価で品質の安定した合成樹脂製灯具構成部材を提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1に係わる合成樹脂製灯具構成部材の表面被膜形成方法においては、射出成形した合成樹脂製灯具構成部材本体の所定領域に表面被膜を形成する合成樹脂製灯具構成部材の表面被膜形成方法において、
予め所定温度となるように調整された固定側金型と可動側金型からなる一対の金型で画成した第1のキャビティに前記灯具構成部材本体構成材料である熱硬化性樹脂を充填して、一次成形品である灯具構成部材本体を成形した後、前記可動側金型を前記一次成形品に対し所定量移動して画成した第2のキャビティに前記被膜構成材料である熱硬化性樹脂を充填して、前記一次成形品である灯具構成部材本体に被膜を一体化した二次成形品を成形するように構成した。
(作用)充填した熱硬化性樹脂が硬化するように適温に調整された一対の金型(対向する固定側金型と可動側金型)を備えた成形装置(両金型で画成した第1のキャビティ)によって、一次成形品(熱硬化性樹脂製の灯具構成部材本体)を射出成形した後、可動側金型を一次成形品に対し所定量移動することで画成された第2のキャビティに被膜構成材料である熱硬化性樹脂を充填して、一次成形品(熱硬化性樹脂製の灯具構成部材本体)に熱硬化性樹脂製の被膜を一体化した二次成形品を成形する。
冷却されて硬化した後であっても加熱されると軟化(溶融)する特性をもつ熱可塑性樹脂に対し、熱硬化性樹脂は、一旦硬化すると再度軟化(溶融)することがないので、硬化した一次成形品(硬化した熱硬化性樹脂製灯具構成部材)に沿って新たな熱硬化性樹脂(被膜構成材料)を注入しても、注入された新たな熱硬化性樹脂に一次成形品の樹脂が軟化溶融して混ざり合うことがない。このため、注入される熱硬化性樹脂が硬化する所定の温度に金型の温度を設定しておくことで、灯具構成部材本体を一次成形する一次成形工程に引き続いて、一次成形品(灯具構成部材本体)に表面被膜を一体化する二次成形工程を行なうことができる。
また、請求項においては、前記第1,第2のキャビティにそれぞれ充填する熱硬化性樹脂のうち、少なくとも第2のキャビティに充填する熱硬化性樹脂を、第2のキャビティへの樹脂供給口近傍に設けた冷却手段によって熱硬化開始温度に対し十分に低い所定の温度に調整して、第2のキャビティに充填するように構成した。
(作用)金型のキャビティに注入された熱硬化性樹脂は、金型からの熱伝達によって硬化し始めるが、ある程度の厚さのある灯具構成部材本体成形用の第1のキャビティと、厚さが非常に薄い表面被膜成形用の第2のキャビティでは、キャビティに注入された熱硬化性樹脂への熱伝達速度が異なり、第1のキャビティに注入された灯具構成部材本体構成材料(熱硬化性樹脂)よりも、第2のキャビティに注入された被膜構成材料(熱硬化性樹脂)の方が硬化が速い(金型の熱の影響を受け易い)。このため、被膜構成材料(熱硬化性樹脂)については、金型側の熱が伝達されて第2のキャビティに注入する前にある程度温まっていると、キャビティに注入されるや否や硬化が始まって、キャビティへのスムーズな注入(充填)が妨げられるおそれがあるが、第2のキャビティに供給される熱硬化性樹脂は、第2のキャビティへの樹脂供給口の近傍に設けた冷却手段によって、熱硬化開始温度に対し十分に低い所定の温度に調整されている。即ち、第2のキャビティに供給される熱硬化性樹脂は、第2のキャビティへの樹脂供給口の近傍に設けた冷却手段によって、適温(熱硬化開始温度に対し十分に低い所定の温度)に調整されて第2のキャビティに注入される。したがって、第2のキャビティに注入された被膜構成材料(熱硬化性樹脂)は、注入途中で熱硬化開始温度となることなく第2のキャビティ全体に充填された後に、熱硬化開始温度となって硬化が始まる。
また、請求項においては、前記第2のキャビティに充填する熱硬化性樹脂を、二液混合型の熱硬化性樹脂で構成し、成形サイクル毎に二液を混合して第2のキャビティに充填するようにした。
(作用)熱硬化性樹脂は熱によって硬化するが、時間経過とともに樹脂の硬化速度や硬化開始温度等の性状が変化(熱硬化性樹脂としての特性が低下)し、数週間が経過する前と後とでは熱硬化性樹脂の性状は大きく異なる。そして、成形サイクルにおいて必要な熱硬化性樹脂の量は、灯具構成部材本体構成材料に比べて被膜構成材料は僅かであるため、両材料とも一液熱硬化性樹脂を用いると、使用量の多い灯具構成部材本体構成材料については常に新しいものが補充される(熱硬化性樹脂としての特性が低下しない)のに対し、使用量の少ない被膜構成材料については補充されないためどんどん古いものとなる(熱硬化性樹脂としての特性が低下する)。このため、例えば数週間にもわたって、被膜を一体化した灯具構成部材本体の製造を続けると、被膜構成材料(熱硬化性樹脂)の性状が低下し、製造される製品の品質(表面被膜の品質)が低下するおそれがある。
しかるに、第2のキャビティに充填する熱硬化性樹脂として二液混合型の熱硬化性樹脂を用いるとともに、成形サイクル毎に二液を混合して第2のキャビティに充填するので、第2のキャビティに充填される被膜構成材料は常に新しい熱硬化性樹脂としての性状をもち、成形サイクルを重ねたとしても、即ち、長期間製造を続けたとしても、被膜構成材料の性状が低下せず、製造される製品(被膜を一体化した灯具構成部材本体)の品質(表面被膜の品質)が一定となる。
なお、第1のキャビティに注入する灯具構成部材本体構成材料(熱硬化性樹脂)については、二液混合型熱硬化性樹脂を用いてもよいが、射出機側において常に新しい熱硬化性樹脂が補充されて一定の性状が保証されるため、射出機の設備が簡潔で、コスト的にも安価な一液熱硬化性樹脂が好ましい。
請求項2においては、請求項1に記載の方法で製造された繊維強化プラスチック(以下、FRPという)製のリフレクタまたはエクステンションリフレクタ等の灯具構成部材で、前記灯具構成部材の表面にアルミ蒸着膜形成用のアンダーコート被膜を形成するように構成した。
(作用)成形品であるFRP製のリフレクタ本体またはエクステンションリフレクタ本体等の灯具構成部材本体は、剛性強度および耐熱性に優れているものの、その表面は、微小な凹凸が形成されている粗面であって、アルミ蒸着膜を形成する上では好ましくない。しかし、その表面にアルミ蒸着膜形成用のアンダーコート被膜が一体化されることで、アルミ蒸着膜を形成する上で好ましい平滑な表面となっている。
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る方法によれば、対向する固定側金型と可動側金型で構成した簡潔な構造の金型装置を備えた成形装置によって、灯具構成部材の一次成形と灯具構成部材に表面被膜を一体化する二次成形とを連続して行なうことができるので、成形装置の配設スペースが縮小されるとともに、表面被膜を形成した合成樹脂製灯具構成部材の製造コストも安価となる。
さらに、一次成形と二次成形とを連続して行なうことができるとともに、成形サイクルにおいて金型の温度を大きく変化させる必要もないので、金型の温度管理が簡単となる上に、成形サイクルも著しく短縮されて、表面被膜を形成した合成樹脂製灯具構成部材の量産に最適である。
また、第2のキャビティへの被膜構成材料(熱硬化性樹脂)の注入・充填がスムーズに行なわれるので、成形サイクルが安定する。
また、第1のキャビティに充填される灯具構成部材本体構成材料および第2のキャビティに充填される被膜構成材料は、成形サイクルを重ねたとしても、即ち、製造がたとえ長期にわたったとしても、被膜構成材料の性状は変化することなく一定に保たれるので、常に表面被膜の品質が一定である灯具構成部材を製造できる。
請求項に係る合成樹脂製灯具構成部材によれば、剛性強度および耐熱性に優れるとともに、アルミ蒸着膜を形成する上で有効な平滑面をもつアンダーコート被膜を一体化したリフレクタ本体またはエクステンションリフレクタ本体等の灯具構成部材本体が提供される。
次に、本発明の実施の形態を、実施例に基づいて説明する。
図1〜図5は、ヘッドランプ用のリフレクタにアンダーコート被膜を形成する方法の実施例を示すもので、図1は本発明方法によって製造されたリフレクタ本体の縦断面図、図2は本発明方法を実施するための成形装置の全体構成を示す図、図3は同成形装置の要部である金型装置における樹脂注入口に設けた注入ヘッドの構成を示す断面図で、(a)は注入ヘッドが閉の状態の断面図、(b)は注入ヘッドが開の状態の断面図、図4は同成形装置を用いた成形工程の説明図で、(a)は一次成形工程の説明図、(b)は二次成形(二液混合・注入)工程の説明図、(c)は二次成形(型締め)工程の説明図、(d)は型開き工程の説明図、図5は成形サイクル中の同成形装置の動作を示すシーケンスである。
図1において、符号1は、車両用灯具の構成部品である湾曲する合成樹脂製リフレクタを構成する熱硬化性樹脂(FRP)製リフレクタ本体で、その前面側にはアンダーコート被膜2が一体に形成されて、その表面はアルミ蒸着処理を行なうための平滑面とされている。符号3は、成形されたリフレクタ本体1の背面側に残ったバリであるゲート痕で、後工程により除去されている。なお、アンダーコート被膜2を一体に形成したリフレクタ本体1は、図2〜5に示す成形装置10によって製造される。
図2,3において、成形装置10は、一次成形品W1であるリフレクタ本体1を射出成形し、さらに一次成形品W1であるリフレクタ本体1の表面側にアンダーコート被膜2を一体成形する(リフレクタ本体1の表面側にアンダーコート被膜2を一体に形成した二次成形品W2を成形する)一対の金型21,25を備えた金型装置20と、金型装置20(金型21,25)内の第1のキャビティC1にリフレクタ本体構成材料である熱硬化性樹脂(FRP)を射出するプランジャ式電動射出機40と、金型装置20(金型21,25)内の第2のキャビティC2にアンダーコート被膜構成材料である熱硬化性樹脂を注入(射出)するプランジャ式注入機60と、金型装置20(金型21,25)の型温を調整する温度調節機80を備えて構成されている。
図3において、金型装置20は、左右に対向する固定側金型21と可動側金型25を備え、可動側金型25は油圧式型開閉機構28により固定側金型21に対し接近離反方向(図2,3左右方向)に摺動して、型締めと型開きができるように構成されている。固定側金型21と可動側金型25の対向する側には、図3(a)に示すように、一次成形品W1(リフレクタ本体1)の外周面,内周面にそれぞれ整合する成形面22,26が形成されており、成形面22,26は、一次成形品W1(リフレクタ本体1)を成形するための第1のキャビティC1(例えば、成形面22,26間の隙間3mm)を画成する。また、可動側金型25の成形面26は、図3(b)に示すように、一次成形後に可動側金型25を一次成形品W1に対し僅かに移動させることで、成形された一次成形品W1(リフレクタ本体1)と協働して、アンダーコート被膜2を一次成形品W1(リフレクタ本体1)に一体成形(二次成形)するための第2のキャビティC2(例えば、成形面22と一次成形品W1間の隙間0.5〜1mm)を画成する。
符号23は、固定側金型21に設けられた、第1のキャビティC1内に開口する射出ゲートで、射出機40から供給されたリフレクタ本体構成材料である粘度の高い熱硬化性樹脂(FRP)は、このゲート23からキャビテイC1内に射出される。一方、符号24は、固定側金型21に設けられた、第2のキャビティC2内に開口する樹脂注入口で、注入機60から供給されたアンダーコート被膜構成材料である二液混合型の熱硬化性樹脂は、この樹脂注入口24からキャビテイC2内に注入される。金型21,25は、温度調節機80(図2参照)によって所定の温度(キャビテイC1,C2に充填した熱硬化性樹脂が硬化する適温、例えば150℃)に予め設定されており、第1のキャビテイC1(第2のキャビテイC2)に充填された熱硬化性樹脂は、金型21,25の熱によってそれぞれ熱硬化する。
図3符号62は、固定側金型21の樹脂注入口24に設けられた注入機60の注入ヘッドで、注入ヘッド62と注入機本体61(図2参照)内のA液収容部41a,B液収容部41b間には、A液循環路65a,B液循環路65bがそれぞれ延設されている。そして、注入ヘッド62の円筒型ケーシング63内には、プランジャ64が上下方向に摺動可能に収容されるとともに、図3(a)に示すように、ケーシング63の側壁63aとプランジャ64間に跨って、A液循環路65aおよびB液循環路65bの折り返し路65a1,65b1(図3(b)参照)が対向して設けられている。そして、プランジャ64最下端位置(図3(a)で示す位置)においてA液循環路65a,B液循環路65bの一部を構成していた折り返し路65a1,65b1は、プランジャ64が上昇すると、図3(b)に示すように、A液循環路65a,B液循環路65bをそれぞれ分断することになり、側壁63aに設けられているA液循環路65aおよびB液循環路65bの往路側ポート65a2,65b2がケーシング63内にそれぞれ開口するとともに、A液循環路65aおよびB液循環路65bの復路側ポート65a3,65b3がプランジャ64の外周面によってそれぞれ閉塞されるようになっている。このとき、ケーシング63内では、A液循環路65aおよびB液循環路65bの往路側ポート65a2,65b2からそれぞれ供給されたA液とB液が混合されることで、熱硬化性をもつアンダーコート被膜構成材料となる。そして、プランジャ64が下降することで、注入ヘッド62から押圧されたアンダーコート被膜構成材料である熱硬化性樹脂が樹脂注入口24から第2のキャビティC2内に注入される。
第1のキャビティC1に充填する熱硬化性樹脂は、一液型の熱硬化性樹脂(FRP)であるのに対し、第2のキャビティC2に充填する熱硬化性樹脂は、二液混合型の熱硬化性樹脂であって、成形サイクル毎に二液を混合して第2のキャビティC2に充填することで、成形サイクルを数多く重ねた場合も、それぞれのキャビティC1,C2に充填されるそれぞれの熱硬化性樹脂の性状が変化することなく一定に保たれて、常に表面被膜2の品質が一定であるリフレクタ本体1を製造できるようになっている。
即ち、熱硬化性樹脂は熱によって硬化するが、時間経過とともに樹脂の硬化速度や硬化開始温度等の性状が変化(熱硬化性樹脂としての特性が低下)し、数週間が経過する前と後とでは熱硬化性樹脂の性状は大きく異なる。そして、成形サイクルにおいて必要な熱硬化性樹脂の量は、リフレクタ本体構成材料に比べてアンダーコート被膜構成材料は僅かであるため、両材料とも一液型熱硬化性樹脂を用いると、使用量の多いリフレクタ本体構成材料については常に新しいものが補充される(熱硬化性樹脂としての特性が低下しない)のに対し、使用量の少ないアンダーコート被膜構成材料については補充されないためどんどん古いものとなる(熱硬化性樹脂としての特性が低下する)。このため、アンダーコート被膜を一体化したリフレクタ本体の製造を数週間も続けると、アンダーコート被膜構成材料の性状が低下し、製造される製品の品質(表面被膜の品質)が低下するおそれがある。
しかるに、第2のキャビティC2に充填する熱硬化性樹脂として二液(A液,B液)混合型の熱硬化性樹脂を用いるとともに、成形サイクル毎に二液を混合して第2のキャビティC2に充填するので、第2のキャビティC2に充填される被膜構成材料は常に新しい熱硬化性樹脂としての性状をもち、成形サイクルを重ねたとしても、即ち長期間製造を続けたとしても、被膜構成材料の性状が低下せず、製造される製品の品質(表面被膜の品質)が一定となる。
なお、第1のキャビティC1に注入するリフレクタ本体構成材料(FRP)については、二液混合型熱硬化性樹脂を用いてもよいが、射出機40側において常に新しい熱硬化性樹脂が補充されて一定の性状が保証されるため、射出機40の設備が簡潔で、コスト的にも安価な一液熱硬化性樹脂が好ましい。
また、注入ヘッド62のケーシング63には、図示しない冷却装置が設けられて、ケーシング63内のアンダーコート被膜構成材料である熱硬化性樹脂を適正な温度(熱硬化開始温度に対し十分に低い所定の温度)に保持されて、第2のキャビティC2に注入される前の熱硬化性樹脂に金型21,25側の熱の影響が及ばないようになっている。
即ち、金型21,25のキャビティに注入された熱硬化性樹脂は、金型21,25からの熱伝達によって硬化し始めるが、ある程度の厚さ(2〜3mm)のあるリフレクタ本体成形用の第1のキャビティC1と、厚さが非常に薄い(1mm)表面被膜成形用の第2のキャビティC2では、キャビティに注入された熱硬化性樹脂への熱伝達速度が異なり、ある程度の厚さのある第1のキャビティC1に注入されたリフレクタ本体構成材料(FRP)よりも、厚さの薄い第2のキャビティC2に注入された被膜構成材料(熱硬化性樹脂)の方が硬化が速い(熱硬化の影響を受け易い)。このため、被膜構成材料(熱硬化性樹脂)については、金型側の熱が伝達されて第2のキャビティC2に注入する前にある程度温まっていると、キャビティC2に注入されるや否や硬化が始まって、キャビティC2へのスムーズな注入(充填)が妨げられるおそれがあるが、第2のキャビティC2に供給される熱硬化性樹脂は、第2のキャビティC2への樹脂供給口24の近傍に設けた冷却装置(図示せず)によって、熱硬化開始温度に対し十分に低い所定の温度に調整されている。即ち、第2のキャビティC2に供給される熱硬化性樹脂は、第2のキャビティC2への樹脂供給口24の近傍に設けた冷却装置によって、適温に調整されて第2のキャビティC2に注入される。したがって、第2のキャビティC2に注入された被膜構成材料(熱硬化性樹脂)は、注入途中で熱硬化開始温度となることなく第2のキャビティC2全体に充填された後に、熱硬化開始温度となって硬化が始まるので、第2のキャビティC2への被膜構成材料(熱硬化性樹脂)の注入・充填がスムーズに遂行されて、成形サイクルが安定する。
次に、本実施例に示す成形装置を用いてリフレクター本体1を成形するとともに、リフレクター本体1にアンダーコート被膜2を一体成形する工程を、図4,5に基づいて説明する。
まず、金型装置20(金型21,25)を型締め状態に保持するとともに、温度調節機80により金型装置20(金型21,25)の型温を例えば150℃にセットする。そして、金型装置20(金型21,25)の型温が設定温度(150℃)となったことを確認すると、図4(a)に示すように、射出機40を稼働して、型締めした金型21,25の第1のキャビティC1に熱硬化性樹脂(FRP)を射出する。例えば5〜10秒間、金型装置20(金型21,25)を型締め状態に保持することで、キャビティC1内の熱硬化性樹脂(FRP)全体が硬化し、一次成形品W1(リフレクター本体1)が成形される。
次に、図4(b)に示すように、可動側金型25を一次成形品W1に対し1mm離間する方向に移動させて、一次成形品W1と移動側金型25の成形面26で第2のキャビティC2(隙間1mm)を画成するとともに、注入機60を稼働し、プランジャ64を上昇させて、注入ヘッド62内にA液およびB液を供給混合し、アンダーコート被膜構成材料である熱硬化性樹脂を用意する。
次に、図4(c)に示すように、プランジャ64を下降し、樹脂注入口24からアンダーコート被膜構成材料である熱硬化性樹脂を第2のキャビティC2に注入・充填する。そして、熱硬化性樹脂の充填後、第2のキャビティC2の間隔が例えば1mmから0.5mmとなるように金型の型締め力を徐々に高める型締め動作を例えば5〜10秒間行なうことで、キャビティC2内の熱硬化性樹脂全体が硬化し、一次成形品W1(リフレクター本体1)に厚さ0.5mmのアンダーコート被膜2を一体成形した二次成形品W2が成形される。後は、図4(d)に示すように、金型装置20(金型21,25)を型開きし、図示しない突き出しピンで二次成形品W2を離型する。
前記した実施例では、FRP製のリフレクタ本体1にアルミ蒸着膜形成用のアンダーコート被膜2を形成する方法として説明したが、FRP製のエクステンションリフレクタ本体やランプボディ本体にアルミ蒸着膜形成用のアンダーコート被膜を形成する方法にも同様に適用できることは言うまでもない。
本発明方法によって製造されたリフレクタ本体の縦断面図である。 本発明方法を実施するための成形装置の全体構成を示す図である。 同成形装置の要部である金型装置における樹脂注入口に設けた注入ヘッドの構成を示す断面図で、(a)は注入ヘッドが閉の状態の断面図、(b)は注入ヘッドが開の状態の断面図である。 同成形装置を用いた成形工程の説明図で、(a)は一次成形工程の説明図、(b)は二次成形(二液混合・注入)工程の説明図、(c)は二次成形(型締め)工程の説明図、(d)は型開き工程の説明図である。 成形サイクル中の同成形装置の動作を示すシーケンスである。
符号の説明
W1 一次成形品
W2 二次成形品
1 灯具構成部材本体であるリフレクタ本体
2 表面被膜であるアンダーコート被膜
20 金型装置
21 固定側金型
22、26 成形面
23 射出ゲート
24 樹脂注入口
25 可動側金型
C1 第1のキャビティ
C2 第2のキャビテイ
40 電動射出機
60 注入機
62 注入ヘッド
65a A液循環路
65b B液循環路
80 温度調節機

Claims (2)

  1. 射出成形した合成樹脂製灯具構成部材本体の所定領域に表面被膜を形成する合成樹脂製灯具構成部材の表面被膜形成方法において、
    予め所定温度となるように調整された固定側金型と可動側金型からなる一対の金型で画成した第1のキャビティに前記灯具構成部材本体構成材料である熱硬化性樹脂を充填して、一次成形品である灯具構成部材本体を成形した後、前記可動側金型を前記一次成形品に対し所定量移動して画成した第2のキャビティに前記被膜構成材料である熱硬化性樹脂を充填して、前記一次成形品である灯具構成部材本体に被膜を一体化した二次成形品を成形する表面被膜形成方法であって、
    前記第1,第2のキャビティにそれぞれ充填する熱硬化性樹脂のうち、少なくとも第2のキャビティに充填する熱硬化性樹脂は、二液混合型の熱硬化性樹脂であって、前記金型の第2のキャビティへの樹脂供給口に設けた注入機側の注入ヘッドにおいて成形サイクル毎に二液を混合して第2のキャビティに充填するが、
    前記金型から突出する前記注入ヘッドのケーシングに設けた冷却手段によって前記熱硬化性樹脂を熱硬化開始温度に対し十分に低い所定の温度に調整して第2のキャビティに充填することを特徴とする合成樹脂製灯具構成部材の表面被膜形成方法。
  2. 請求項1に記載の方法で製造された繊維強化プラスチック製のリフレクタまたはエクステンションリフレクタ等の灯具構成部材で、前記灯具構成部材の表面には、アルミ蒸着膜形成用のアンダーコート被膜が形成されたことを特徴とする合成樹脂製灯具構成部材。
JP2006008934A 2006-01-17 2006-01-17 合成樹脂製灯具構成部材の表面被膜形成方法および合成樹脂製灯具構成部材 Expired - Fee Related JP4716421B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006008934A JP4716421B2 (ja) 2006-01-17 2006-01-17 合成樹脂製灯具構成部材の表面被膜形成方法および合成樹脂製灯具構成部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006008934A JP4716421B2 (ja) 2006-01-17 2006-01-17 合成樹脂製灯具構成部材の表面被膜形成方法および合成樹脂製灯具構成部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007190722A JP2007190722A (ja) 2007-08-02
JP4716421B2 true JP4716421B2 (ja) 2011-07-06

Family

ID=38446789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006008934A Expired - Fee Related JP4716421B2 (ja) 2006-01-17 2006-01-17 合成樹脂製灯具構成部材の表面被膜形成方法および合成樹脂製灯具構成部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4716421B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4974373B2 (ja) * 2007-12-03 2012-07-11 株式会社ミツバ 樹脂材の射出成形方法および射出成形装置
EP3100915B2 (de) 2015-06-03 2022-09-28 WEIDPLAS GmbH Bauteil
KR102245265B1 (ko) * 2020-08-28 2021-04-27 주식회사 케이엠에프 반사경 및 반사경 성형 장치

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5139761A (ja) * 1974-10-01 1976-04-02 Nissan Motor Nisoshashutsuseikeihoho oyobi sochi
JPS6156011U (ja) * 1984-09-17 1986-04-15
JPH11242903A (ja) * 1998-02-25 1999-09-07 Koito Mfg Co Ltd 車両用灯具
JP2000084939A (ja) * 1998-09-14 2000-03-28 Polyplastics Co 光反射部品及び光反射部品成形用金型
JP2000141407A (ja) * 1998-08-31 2000-05-23 Dainippon Toryo Co Ltd 型内被覆方法
JP2000222912A (ja) * 1999-01-29 2000-08-11 Takiron Co Ltd 車両等のヘッドランプ
JP2001038770A (ja) * 1999-07-28 2001-02-13 Ube Ind Ltd 金型内被覆成形方法
JP2002160256A (ja) * 2000-11-24 2002-06-04 Koito Mfg Co Ltd 合成樹脂製灯具構成部材の表面被膜形成方法および合成樹脂製灯具構成部材

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58203402A (ja) * 1982-05-21 1983-11-26 Nissan Motor Co Ltd ランプ用樹脂製リフレクタ−
JPS6156011A (ja) * 1984-08-27 1986-03-20 井関農機株式会社 水田用農作業機の走行装置
JPH11277577A (ja) * 1998-01-27 1999-10-12 Dainippon Toryo Co Ltd 型内被覆方法
JP2000156103A (ja) * 1998-11-17 2000-06-06 Inoac Corp 車両用ランプ装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5139761A (ja) * 1974-10-01 1976-04-02 Nissan Motor Nisoshashutsuseikeihoho oyobi sochi
JPS6156011U (ja) * 1984-09-17 1986-04-15
JPH11242903A (ja) * 1998-02-25 1999-09-07 Koito Mfg Co Ltd 車両用灯具
JP2000141407A (ja) * 1998-08-31 2000-05-23 Dainippon Toryo Co Ltd 型内被覆方法
JP2000084939A (ja) * 1998-09-14 2000-03-28 Polyplastics Co 光反射部品及び光反射部品成形用金型
JP2000222912A (ja) * 1999-01-29 2000-08-11 Takiron Co Ltd 車両等のヘッドランプ
JP2001038770A (ja) * 1999-07-28 2001-02-13 Ube Ind Ltd 金型内被覆成形方法
JP2002160256A (ja) * 2000-11-24 2002-06-04 Koito Mfg Co Ltd 合成樹脂製灯具構成部材の表面被膜形成方法および合成樹脂製灯具構成部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007190722A (ja) 2007-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5961747B2 (ja) 単一の熱可塑性プラスチックから多層のプラスチック成形部品を製造するための射出成形機および対応する製造方法
CN103158236B (zh) 薄成形品的成形方法
CN102328404B (zh) 注射成形方法及注射成形机
CN101746026A (zh) 一种针阀式顺序热流道注射成型方法
CN100344434C (zh) 注入模制和对模制产品随后进行装饰性模制的方法
JP3988660B2 (ja) 金型交換による成形品の射出及び加飾成形方法
US11931936B2 (en) System of manufacturing injection molded article and metal mold
CN102066081A (zh) 注塑成形机及注塑成形方法
US7820084B2 (en) Minute shape molding method and apparatus thereof
WO2015076013A1 (ja) 樹脂成形品及びその製造方法とそれを実施するための射出成形装置、射出成形金型及び射出成形方法
JP4716421B2 (ja) 合成樹脂製灯具構成部材の表面被膜形成方法および合成樹脂製灯具構成部材
WO2004048067A1 (ja) 型内被覆成形方法及び型内被覆成形品
WO1996016785A1 (fr) Procede et appareil de moulage par compression et injection
KR20060130291A (ko) 가열식 사출 성형 방법 및 성형 장치
CN101746029A (zh) 一种针阀式顺序热流道注射成型装置
JP4654263B2 (ja) 金型内で塗膜を有する成形品の製造方法および製造用金型
JP2024068438A (ja) 金型内コーティング成形品の製造方法及び製造装置
JP5541579B2 (ja) 金型内塗装用金型及び金型内塗装方法
JP4057905B2 (ja) 光沢プラスチック複合材の射出成形方法及びこの方法を実施する射出成形装置
KR20130048863A (ko) 차량용 고광택 부품의 제조장치 및 방법
JP7337881B2 (ja) 成形装置及び成形方法
JP5777396B2 (ja) インサート成形方法
CN106738744A (zh) 注塑方法及薄壁塑胶件
TWI623403B (zh) 射出成型之注料方法及其物品
JP4286751B2 (ja) 型内被覆成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080926

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110119

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110302

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110323

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110325

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140408

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees