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JP4711044B2 - 主軸装置、加工装置および測定装置 - Google Patents

主軸装置、加工装置および測定装置 Download PDF

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JP4711044B2
JP4711044B2 JP2004172633A JP2004172633A JP4711044B2 JP 4711044 B2 JP4711044 B2 JP 4711044B2 JP 2004172633 A JP2004172633 A JP 2004172633A JP 2004172633 A JP2004172633 A JP 2004172633A JP 4711044 B2 JP4711044 B2 JP 4711044B2
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Description

本発明は、主軸装置、加工装置および測定装置に関する。詳しくは、軸線を回転軸として回転可能に設けられる主軸と、主軸に着脱可能に取り付けられる加工手段または測定手段とを備え、被加工物の加工または被測定物の測定を行う主軸装置、この主軸装置を備える加工装置および測定装置に関する。
従来、回転可能に設けられる主軸に対して工具、例えば、加工工具や測定工具を取り付けるための機構として、コレットチャックによって工具の後部を把持する構成のもの(例えば、特許文献1参照)、あるいは、主軸の熱膨張を利用して工具を把持する構成のものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1において、工具は、その後端部にプルスタッドを有し、主軸は、このプルスタッドを把持可能に構成されるコレットチャックを有する。このコレットチャックは、ドローバを主軸の軸線方向に前後進させることによって開閉される。工具を主軸に取り付けるには、コレットチャックが開いている状態でその内部に工具のプルスタッドを挿入した後、ドローバによってコレットチャックを閉じ、コレットチャックによってプルスタッド
が把持されるようにすればよい。また、ドローバによってコレットチャックを開けば、工具を主軸から容易に取り外すことができる。
また、特許文献2においては、主軸の先端に工具を嵌め込むための工具嵌込穴が穿設されている。工具嵌込穴の直径は、室温においては工具のシャンク径よりもわずかに小さく仕上げられているため、工具嵌込穴に嵌め込まれた工具は、主軸によってしっかりと把持される。工具の着脱を行うためには、主軸の工具取付端部である先端部を加熱する。主軸は、工具よりも線膨張係数が大きい材料で構成されており、所定温度まで加熱を行うと、工具嵌込穴の直径が工具のシャンク径よりも大きくなる。そのため、工具を着脱できる。
特開2003−291048号公報(第3頁、図1) 特開2003−11036号公報(第4頁、図1)
特許文献1においては、工具を主軸に対して取り付けるために、主軸にはコレットチャックおよびドローバを、工具にはプルスタッドを設ける必要があり、部品コストあるいは製造コストがかかり、また、構造が複雑化してしまうという問題がある。特に、加工目的に応じた工具が複数種類用意されているような場合には、各工具にそれぞれプルスタッドを設けなくてはならず、製造コストがかかってしまう。
また、特許文献2においては、工具を交換するためには主軸の加熱および冷却を行う必要がある。すなわち、まず、主軸を加熱することによって、工具嵌込穴の直径を大きくし、交換前の工具を取り外し、交換後の工具を工具嵌込穴に嵌め込む。その後、主軸を室温まで冷却することによって、工具嵌込穴の直径を小さくさせ、工具が主軸によってしっかりと把持されるようにする。このように、工具の交換のたびごとに主軸の加熱および冷却を行わなければならず、煩雑であるとともに、交換作業に時間がかかってしまい、生産性が悪い。
本発明の目的は、加工手段または測定手段の着脱機構を簡素化でき、かつ、加工手段または測定手段の交換作業を容易にかつ迅速にできる主軸装置、この主軸装置を備える加工装置および測定装置を提供することである。
本発明の主軸装置は、本体と、この本体に取り付けられ軸線を回転軸として回転可能に設けられる主軸と、この主軸の同軸上に着脱可能に取り付けられる交換部材とを備え、この交換部材は、被加工物の加工を行う加工手段、および、被測定物の測定を行う測定手段、のいずれかとされる主軸装置において、前記主軸および前記交換部材の対向端部の少なくともいずれかは磁石を備え、前記交換部材は、前記磁石の磁力によって前記主軸に取り付けられ、前記本体は、前記主軸の外周面の少なくとも軸方向一部分を覆って形成される第一外周部材と、前記交換部材の外周面の少なくとも軸方向一部分を覆って形成される第二外周部材を備え、前記主軸の外周面と前記第一外周部材の内周面との間に空気を供給する第一空気軸受が設けられ、前記交換部材の外周面と前記第二外周部材の内周面との間に空気を供給する第二空気軸受が設けられ、前記第一外周部材及び前記第二外周部材に一連となる軸受用縦給気穴が前記主軸の軸方向に延びて形成され、前記軸受用縦給気穴に送り込まれた空気が前記第一空気軸受及び前記第二空気軸受に入り込むことを特徴とする。
この発明では、主軸が回転されると同時に、この主軸に取り付けられている交換部材が回転される。ここで、交換部材が加工手段とされる場合には、被加工物の加工が行われ、また、交換部材が測定手段とされる場合には、被測定物の測定が行われる。
この発明では、交換部材と主軸との間には磁石による磁気吸引力が生じているので、交換部材を主軸に対してある程度近接させれば、交換部材はこの磁気吸引力によって自動的に主軸に吸着される。また、交換部材を主軸から取り外すためには、この磁気吸引力以上の外力をかけて両者を引き離せばよい。
このように、この発明では、主軸および交換部材の対向端部の少なくともいずれかに磁石を設けるだけで交換部材を主軸に対して着脱可能にできる。そのため、従来のコレットチャック機構に比して着脱機構を簡素化でき、また、部品コストおよび製造コストを低減できる。さらに、特許文献2のように交換部材の交換に際して主軸の加熱、冷却を行う必要がないから、交換部材の交換を容易にかつ迅速にでき、生産性、作業性を向上できる。
また、この発明では、第一外周部材によって主軸が回転可能に支持されている。第一空気軸受から供給される空気によって、主軸は第一外周部材の内周面から浮き上がっている。そのため、主軸が回転する際の摩擦抵抗を低減でき、主軸、ひいては、交換部材を滑らかに回転できる。
また、第一空気軸受から供給される空気の量、圧力等を制御することによって、主軸の第一外周部材からの浮上状態を精密に決定できるから、主軸の軸線の位置決め(いわゆる、芯出し)を精密にできる。そのため、本発明によれば、超精密加工あるいは超精密測定に好適な主軸装置を提供できる。
さらに、この発明では、第二外周部材によって交換部材が回転可能に支持されている。第二空気軸受から供給される空気によって、交換部材は第二外周部材の内周面から浮き上がっている。そのため、交換部材が回転する際の摩擦抵抗を低減でき、交換部材、ひいては、主軸を滑らかに回転できる。
また、第二空気軸受から供給される空気の量、圧力等を制御することによって、交換部材の第二外周部材からの浮上状態を精密に決定できるから、交換部材の芯出しを精密にできる。したがって、前記の第一空気軸受に加えて本発明の第二空気軸受を設けることにより、主軸および交換部材の芯出しをよりいっそう精密にでき、超精密加工あるいは超精密測定によりいっそう好適な主軸装置を提供できる。
また、本発明では、前記第二外周部材は、前記第一外周部材に着脱可能に取り付けられることが好ましい。
この発明では、第二外周部材が第一外周部材に対して着脱可能であるので、互いに異なる複数種類の第二外周部材を用意しておき、適宜この中から選択して第一外周部材に取り付けることができる。特に、交換部材の形状に最も良く合った第二外周部材を選択し、第一外周部材に取り付けることができるので、交換部材はこの選択にかかる第二外周部材によって適切に回転可能に支持される。そのため、この発明によれば、交換部材の回転を適切にでき、交換部材による加工、測定を高精度にできる。また、この発明によれば、主軸に取り付けられる交換部材の形状に合わせて適宜第二外周部材を交換することにより、互いに形状が異なる交換部材であっても、これを用いて加工、測定ができる。そのため、様々な形状の交換部材を取り付けて運転できる汎用性の高い主軸装置を提供できる。
また、本発明では、前記主軸および前記交換部材のいずれか一方には凹部が設けられ、前記主軸および前記交換部材のいずれか他方には前記凹部と嵌合される凸部が設けられ、前記凹部および前記凸部の少なくともいずれかは、前記磁石に形成されることが好ましい。
本発明の主軸装置では、主軸と交換部材とが磁石の磁力で結合され、両者の間でトルクの伝達がなされることにより、主軸と交換部材とが一体的に回転されるようになっている。
この発明では、特に、主軸と交換部材とが結合されている状態において、凹部と凸部とが互いに嵌合され、主軸と交換部材との間でトルクの伝達がより適切になされるようになっている。そのため、主軸と交換部材とを確実に一体的に回転させることができ、両者が互いに空回りするのを防止できるから、動作性のよい主軸装置にできる。
また、本発明では、前記主軸の外周、および、前記交換部材の外周、の少なくともいずれかに設けられるタービン翼と、このタービン翼に気体を吹き付ける気体吹付け手段とが設けられることが好ましい。
この発明では、タービン翼によって気体のエネルギーが回転動力に変換され、磁石によって互いに結合された主軸と交換部材とが一体的に回転される。
また、本発明では、前記主軸を、その軸線を回転軸として回転させる電動機が設けられる構成であってもよい。
この発明では、電動機によって発生される動力によって、磁石によって互いに結合された主軸と交換部材とが一体的に回転される。
また、本発明によれば、前記の主軸装置を備える加工装置であって、前記交換部材が被加工物の加工を行う前記加工手段とされることを特徴とする加工装置を提供できる。
この加工装置は、前記の主軸装置を備えているので、この主軸装置について前述した種々の作用効果を奏することができる。
また、本発明によれば、前記の主軸装置を備える測定装置であって、前記交換部材が被測定物の測定を行う前記測定手段とされることを特徴とする測定装置を提供できる。
この測定装置は、前記の主軸装置を備えているので、この主軸装置について前述した種々の作用効果を奏することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第一実施形態>
図1から図3に本発明の第一実施形態にかかる主軸装置を示す。
図1は、主軸装置全体の構成を示す斜視図である。図2は、主軸装置の主軸1の軸線Lおよび一対のタービン用縦給気穴324を含む面で切断した場合の縦断面図である。また、図3は、図2におけるIII−III横断面図である。
この主軸装置は、NC工作機械等の加工装置の一部をなす装置である。後述するように、この主軸装置では、回転可能に設けられる工具2が回転されて被加工物の切削等の加工が行われる。主軸装置は、加工装置に設けられる一または複数の(図示せず)によって移動可能とされており、そのため、主軸装置に設けられる工具2は、被加工物に対して移動可能とされている。このような構成において、工具2は被加工物の表面に沿って移動され、加工がなされる。このときの工具2の送り速度(移動速度)、切り込み量等は、図示しないNC装置によって数値制御されており、加工が適切になされるようにしている。
図1に示すように、この主軸装置は、軸線Lを回転軸として回転可能に設けられる主軸1と、主軸1の先端に取り付けられる加工手段としての工具2とを備える。この主軸装置では、同軸上に配置される主軸1と工具2とが一体的に回転され、被加工物の加工が行われる。図1には、工具2の一例として尖端部を有するエンドミルが示されている。工具2は、主軸1に対して着脱可能であり、その時々の加工の目的に最も適した工具を、予め用意された複数種類の工具の中から選択し、主軸1に取り付けることができる。このため、工具2は、本発明の交換部材を構成している。
また、この主軸装置は、主軸1および工具2の外周を覆って形成される厚肉略円筒形状のハウジング3を備える。ハウジング3は、本発明の本体を構成しているとともに、主軸1の外周面の少なくとも軸方向一部分を覆って形成される本発明の第一外周部材と、交換部材としての工具2の外周面の少なくとも軸方向一部分を覆って形成される本発明の第二外周部材とを構成している。ここで、工具2の先端部はハウジング3の外部に突出されており、この先端部を被加工物に当接させて加工を行うことができる。
主軸1は、略円柱形状であり、その外周面から突出して形成される断面円形状の鍔部11を有する。主軸1の先端には図2に示すように、円形穴12が穿設されている。ここで、円形穴12の底面は、サマリウムコバルト磁石あるいはネオジム磁石等の磁力の強い磁石によって形成されている。
工具2は、主軸1と略同径の略円柱形状に形成され、その先端に被加工物の加工を行うための加工部21を有する。加工部21は、加工目的に応じて尖端や切刃を含む形状に形成されている。工具2は、加工部21の形状が互いに異なるものが複数種類用意され、加工目的に応じて最も適当な加工部21を有する工具2を選択して主軸1に取り付けることによって、被加工物の加工を適切にできる。
工具2は、その後端面から突出して配置される短尺円柱形状の磁石22を有する。磁石22は、主軸1の円形穴12表面と同様、サマリウムコバルト磁石あるいはネオジム磁石等の磁力の強い磁石である。磁石22の円柱形状における直径は、主軸1の円形穴12の直径よりも小さくされており、工具2を主軸1に取り付けるために工具2の後端部を主軸1の先端部に接合させると、磁石22が円形穴12に嵌り込むと同時に、磁石22の外周面と円形穴12の内周面との間には隙間Sが形成される。ここで、円形穴12底面の磁石と磁石22とは、互いに引き合うように磁極が形成されており、磁石22が円形穴12に嵌り込むと、両者は磁気的な引力によって互いに接合される。このように、工具2の後端部を主軸1の先端部に近づけると、両者は磁力によって互いに接合され、工具2が主軸1に取り付けられる。
工具2の後端部寄りの外周には、タービン翼列23が設けられる。タービン翼列23は、図3に示すように、工具2の外周面に沿って環状に配設される複数のタービン翼23Aによって構成される。
ハウジング3は、図1に示すように、主軸1および工具2の外周を覆って形成される内周側ハウジング31と、内周側ハウジング31の外周を覆って形成される外周側ハウジング32との、内外の2部材によって構成されている。
内周側ハウジング31は、その中心軸上に断面円形状の貫通孔311が穿設され、略円筒形状となっている。貫通孔311の上部(図1中)には、主軸1が回転可能に収納され、貫通孔311の下部には、工具2が回転可能に収納される。貫通孔311上部の内周面には、主軸1を回転可能かつ軸線方向移動不可能に支持するスラスト軸受部312が形成される。スラスト軸受部312は、主軸1の鍔部11を支持することにより、主軸1の軸線方向の荷重を支え、主軸1が軸線方向に移動されるのを防止する。
また、内周側ハウジング31は、工具2の回転数を検出する回転数センサ313と、内周側ハウジング31の内周面と工具2の外周面との間の隙間を検出するギャップセンサ314とを有する。
回転数センサ313は、工具2のタービン翼列23と対向される位置に配置される静電容量式のセンサである。各タービン翼23Aには、それぞれ、電極が配設されており、これらの各電極と回転数センサ313が備える検出電極との間でコンデンサが構成される。工具2を回転させるためにタービン翼列23が回転されると、このコンデンサの静電容量が変化されるから、この変化を通じて工具2の回転数が検出される。なお、回転数センサ313は、静電容量式のものに限らず、例えば、光電式のものであってもよい。
ギャップセンサ314は、内周側ハウジング31の内周面と工具2の外周面との間の隙間の検出を通じて、工具2の姿勢を感知するセンサである。ギャップセンサ314は、内周側ハウジング31の先端付近に配設されている。なお、ギャップセンサ314の検出方式は、静電容量式でもよいし、光電式でもよい。
外周側ハウジング32は、その中心軸上に断面円形状の貫通孔321が穿設され、内周側ハウジング31と同心の略円筒形状となっている。貫通孔321には内周側ハウジング31が収納されている。ここで、外周側ハウジング32の内周面と内周側ハウジング31の外周面とは隙間なく密着され、高い気密性が確保されている。
外周側ハウジング32には、一対の軸受用縦給気穴322が、主軸1の軸線Lに対して対称な位置に穿設されている。軸受用縦給気穴322は、軸線L方向に平行に形成される穴である。
軸受用縦給気穴322の側面には、軸線Lに向かう方向に複数(図1では4つ)の横孔323A〜Dが穿設される。横孔323A〜Dは、軸線L方向に垂直な向きに形成される。
内周側ハウジング31には、横孔323A〜Dに連続して、横孔323A〜Dと同方向で、かつ、横孔323A〜Dよりも小径のラジアル軸受用給気孔315A〜Dが穿設される。ラジアル軸受用給気孔315A〜Dの一端は横孔323A〜D内に開口され、また、他端は、内周側ハウジング31の貫通孔311内に開口される。
主軸1の鍔部11よりも上方(図1中)位置に形成されているラジアル軸受用給気孔315Aの側面には、軸線L方向と平行なスラスト軸受用給気孔316Aが下方(図1中)に向かって穿設される。スラスト軸受用給気孔316Aの他端は、主軸1の鍔部11の上面(図1中)に対向される位置において開口されている。
また、主軸1の鍔部11よりも下方(図1中)位置に形成されているラジアル軸受用給気孔315Bの側面には、軸線L方向と平行なスラスト軸受用給気孔316Bが上方(図1中)に向かって穿設される。スラスト軸受用給気孔316Bの他端は、主軸1の鍔部11の下面(図1中)に対向される位置において開口されている。なお、スラスト軸受用給気孔316Bは、スラスト軸受用給気孔316Aと同一延長線上に形成されている。
以上のような構成において、図1の上方に設けられるコンプレッサ(図示せず)によって加圧された空気を一対の軸受用縦給気穴322内に送り込むと、加圧空気は横孔323A〜Dを経由して、ラジアル軸受用給気孔315A〜Dに入り込み、ラジアル軸受用給気孔315A〜Dの他端から主軸1および工具2の外周に吹き付けられる。すると、主軸1および工具2の外周面と内周側ハウジング31の内周面との間に空気が入り込み、本発明の第一空気軸受および第二空気軸受が構成され、主軸1および工具2が回転される際の摩擦抵抗が極めて小さくなる。そのため、主軸1および工具2の回転を滑らかに、かつ、精密にできる。
また、コンプレッサから各軸受用縦給気穴322に供給される加圧空気の量、圧力を前記NC装置によって数値制御することによって、ラジアル軸受用給気孔315C、Dから工具2の外周面に吹き付けられる加圧空気が調整され、工具2の内周側ハウジング31の内周面からの浮上状態が厳密に決定される。そのため、工具2の芯出しを精密にでき、超精密加工に好適な主軸装置にできる。なお、図2に示されるように、工具2の磁石22と主軸1の円形穴との間には隙間Sが形成されているから、工具2の芯出しを行う際に主軸1が邪魔になることはない。
なお、ラジアル軸受用給気孔315A〜Dが横孔323A〜Dよりも小径であるため、空気は、横孔323A〜Dからラジアル軸受用給気孔315A〜Dに入り込む際に加圧されている。そのため、高圧の空気をラジアル軸受用給気孔315A〜Dから主軸1および工具2に吹き付けることができ、摩擦抵抗の低減効果を増大できる。
一方、ラジアル軸受用給気孔315Aに入り込んだ空気の一部は、スラスト軸受用給気孔316Aに入り込み、その他端から主軸1の鍔部11の上面に吹き付けられる。また、ラジアル軸受用給気孔315Bに入り込んだ空気の一部は、スラスト軸受用給気孔316Bに入り込み、その他端から鍔部11の下面に吹き付けられる。すると、鍔部11の上下面と、内周側ハウジング31のスラスト軸受部312との間に空気が入り込む。この空気は、主軸1の軸線方向の荷重を支える役割を果たすとともに、主軸1が回転される際の鍔部11とスラスト軸受部312との間の摩擦抵抗を減らす役割を果たす。
また、図2に示されるように、外周側ハウジング32には、一対のタービン用縦給気穴324が、主軸1の軸線Lに対して対称な位置に穿設されている。タービン用縦給気穴324は、軸線L方向に平行に形成される穴である。
タービン用縦給気穴324の下端部(図2中)近傍の側面には、軸線Lに向かう方向に横孔325が穿設される。横孔325は、軸線L方向に垂直な向きに形成される。
内周側ハウジング31には、横孔325に連続して、横孔325と同方向で、かつ、横孔325よりも小径のタービン用横給気孔317が穿設される。タービン用横給気孔317の一端は横孔325内に開口され、また、他端は、工具2のタービン翼列23と対向される位置に開口される。
図2の上方に設けられる図示しないコンプレッサによって加圧された空気をタービン用縦給気穴324内に送り込むと、この加圧空気は、横孔325を経由され、タービン用横給気孔317の他端からタービン翼列23に吹き付けられる。ここで、タービン用横給気孔317は、本発明の気体吹付け手段を構成している。空気を受けたタービン翼列23は図3の矢印に示すように回転(図3においては、反時計回り方向に回転)され、それに伴って工具2が回転される。ここで、主軸1と工具2とは磁力によって互いに接合されているから、一体となって回転される。なお、当該コンプレッサから供給される加圧空気の量および圧力は前記のNC装置によって数値制御されており、主軸1および工具2の回転速度の制御がなされている。このとき、前記のように、一対の軸受用縦給気穴322内に加圧空気が供給されているため、主軸1および工具2は、摩擦抵抗が少ない状態で滑らかに回転できる。
このように回転されている工具2を被加工面に接触させることによって、被加工面の加工が行われる。工具2として、図1に示されるようなエンドミルを用いれば、被加工面の切削を行うことができる。
なお、タービン用横給気孔317が横孔325よりも小径であるため、空気は、横孔325からタービン用横給気孔317に入り込む際に加圧されている。そのため、高圧の空気をタービン用横給気孔317からタービン翼列23に吹き付けることができ、効率よくタービン翼列23を回転させることができる。
被加工物の加工中に、回転数センサ313によって検出される工具2の回転数が所期の回転数よりもずれた場合、回転数センサ313は、前記のNC装置に対して補正信号を発信する。この補正信号を受信したNC装置は、数値制御用の数値情報を適宜自動修正して前記コンプレッサから各タービン用縦給気穴324に供給される加圧空気の量、圧力を補正し、工具2の回転数を所期の回転数へと調整し、回転数センサ313の検出回転数が所期の回転数に等しくなるようにする。このように、工具2の回転数は、常に所期の回転数に保たれるようになっているから、被加工物の加工を精密にできる。
また、被加工物の加工中に、被加工物から受ける負荷によって工具2の姿勢が所期の姿勢からずれ、その軸線が傾くことにより加工精度が悪化してしまうことがある。特に、工具2の送り速度または切り込み量が大きいと、被加工物から工具2にかかる負荷は大きくなり、工具2の軸線の傾きも大きくなる。また、工具2が傾くとそれと一体的に結合されている主軸1の軸線Lも所期の方向から傾いてしまう。このようにして主軸1および工具2の軸線の傾きが大きくなると、主軸1または工具2の外周面が内周側ハウジング31の内周面と接触されるおそれがあり、互いに磨耗してしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態では、ギャップセンサ314による隙間検出を通じて、工具2を所定の姿勢に保持できるとともに、主軸および工具2と内周側ハウジング31とが接触して磨耗するのを防止できる。すなわち、工具2の軸線の傾きが大きくなってギャップセンサ314で検出される隙間寸法が所定の許容寸法範囲を逸脱すると、ギャップセンサ314は、前記NC装置(図示せず)に補正信号を発信する。この補正信号を受信したNC装置は、数値制御用の数値情報を適宜自動修正することによって、前記コンプレッサ(図示せず)から各軸受用縦給気穴322に供給されて工具2の外周に吹き付けられる加圧空気の量または圧力を補正し、あるいは、前記駆動機構によって駆動される工具2の送り速度または切り込み量を補正する。この補正によって、ギャップセンサ314における検出隙間寸法が前記許容寸法範囲内の値に修正される。前記許容寸法範囲は、主軸1および工具2が所期の姿勢となるように予め設定されているので、以上のような構成によれば、主軸1および工具2の姿勢を所期の姿勢に保持できて加工精度を良好に保つことができ、また、主軸1および工具2と内周側ハウジング31との接触が起こらないようにできるので、破損を防止でき、高い安全性を確保できる。
また、本実施形態では、工具2と主軸1との間に磁気吸引力が生じているので、工具2を主軸1に対してある程度近接させれば、工具2はこの磁気吸引力によって自動的に主軸1に取り付けられる。また、工具2を主軸1から取り外すためには、この磁気吸引力以上の外力をかけて両者を引き離せばよい。このように、本実施形態によれば、工具2を主軸1に対して容易に着脱できるから、工具2の交換を容易にかつ迅速にでき、生産性、作業性を向上できる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態にかかる主軸装置について説明する。
なお、前記第一実施形態における構成要素と同一または対応する構成要素については、第一実施形態における符号と同一の符号を付し、その説明を省略または簡略にする。
図4および図5に本実施形態にかかる主軸装置が示されている。図4は、主軸1を含む面で切断した場合の縦断面図(図5におけるIV−IV断面図)である。図5は、図4におけるV−V断面図である。
この主軸装置は、主軸1と、主軸1に着脱可能に取り付けられる工具2と、主軸1および工具2の外周を覆って形成されるハウジング3とを有する。
主軸1と工具2とは、主軸1の先端(図4では左端)に設けられる磁石13の磁力によって互いに結合される。工具2の後端部は、磁石13と磁気的に引き合うように磁石あるいは鉄等の強磁性体によって形成されている。磁石13には、輪郭が多角形状に形成される多角形穴131が穿設されている。この多角形穴131は、本発明の凹部を構成している。一方、工具2の後端には、この多角形穴131と略同形状に形成され、多角形穴131と嵌合可能な多角形凸部24が設けられている。工具2を主軸1に取り付ける際には、多角形穴131と多角形凸部24とが互いに嵌合されるとともに、磁石13による磁力によって両者は互いに結合される。多角形穴131と多角形凸部24とが互いに嵌合されることによって、主軸1と工具2との間で回転トルクの伝達が良好になされるから、主軸1と工具2とは互いに空回りすることなく、一体的に回転できる。また、多角形穴131と多角形凸部24とが互いに嵌合されることによって、主軸1に対する工具2の位置関係が一義的に定まるから、工具2の位置決めを精密にでき、加工精度を向上できる。
前記第一実施形態においてはタービン翼列23が工具2の外周に設けられていたが、本実施形態においては、タービン翼列14が主軸1における鍔部11の外周側面に設けられている(図5参照)。図示しないコンプレッサから図4に示すタービン用給気口33内に供給された加圧空気は、主軸1と同心のリング状に形成される通気路34内に入り込む。リング状通気路34の側面には、図5に示すように、複数(図5では4つ)の空気噴出孔35が穿設されており、加圧空気は、この空気噴出孔35を通じてタービン翼列14を構成する個々のタービン翼14Aに吹き付けられる。すると、タービン翼列14において主軸1を回転させるための回転動力が生じ、主軸1が回転されるとともに、主軸1と一体的に回転可能な工具2も回転される。
なお、このとき、各ラジアル軸受用給気孔315(図4参照)および各スラスト軸受用給気孔316から、主軸1および工具2の外周面に加圧空気が吹き付けられており、空気軸受が形成されている。そのため、主軸1および工具2は、摩擦抵抗が著しく低減された状態で回転できるから、動作性のよい主軸装置を提供できる。また、各ラジアル軸受用給気孔315から主軸1および工具2の外周面に吹き付けられる加圧空気の量、圧力をNC装置によって数値制御することによって、主軸1および工具2のハウジング3の内周面からの浮上状態が厳密に決定される。そのため、主軸1および工具2の芯出しを精密にでき、超精密加工に好適な主軸装置にできる。
図4に示されるように、ハウジング3は、主軸1の外周を覆う第一外周部材としての主軸用ハウジング3Aと、主軸用ハウジング3Aに着脱可能に取り付けられ、工具2の外周を覆う第二外周部材としての工具用ハウジング3Bとによって構成される。主軸用ハウジング3Aは、主軸1を内部に収納するための主軸収納孔31Aを有し、また、工具用ハウジング3Bは、工具2を挿入、装着するための工具装着孔31Bを有する。
本実施形態では、互いに径が異なる複数種類の工具2が用意されており、それに対応して、工具用ハウジング3Bも、互いに工具装着孔31Bの径が異なる複数種類のものが用意されている。被加工物の加工の際には、まず、その加工目的に照らして最も適切な工具2を選択すると同時に、この選択にかかる工具2にあった工具装着孔31B径を有する工具用ハウジング3Bを選択する。そして、この選択にかかる工具用ハウジング3Bを主軸用ハウジング3Aにねじ36によって取り付け、その後、工具装着孔31Bにこの選択にかかる工具2を挿入し、工具2を主軸1に取り付ける。このようにすれば、工具2は、工具用ハウジング3Bによって適切に支持され、滑らかに回転できるから、加工を適切に行うことができる。
工具2を径の異なるものに交換する場合には、それに合わせて、工具用ハウジング3Bの交換を行えばよい。このように、本実施形態の主軸装置では、被加工物の加工に当たって、適切な径の工具2を適宜選択できるから、使い勝手がよい。また、適宜工具用ハウジング3Bの交換を行えば、互いに径の異なる工具であっても、これを用いて加工を行えるので、汎用性の高い主軸装置にできる。
<第三実施形態>
続いて、本発明の第三実施形態として、本発明の主軸装置を備える加工装置としてのNC加工機械について説明する。なお、前記各実施形態における構成要素と同一または対応する構成要素については、前記各実施形態における符号と同一の符号を付し、その説明を省略または簡略にする。
図6は、本実施形態に係るNC加工機械を示す斜視図である。この図において、本発明の主軸装置は、符号418で示される後述するスピンドルヘッドに用いられている。
本実施形態に係るNC加工機械4は、NC装置により制御される工作機械であって、ベース41と、このベース41上に設置された機械本体411と、この機械本体411の駆動を制御するNC装置43とを備える。
前記機械本体411は、前記ベース41の上面にレベラなどを介して据え付けられたベッド412と、このベッド412の上面に前後方向(Y軸方向)へ移動可能に設けられたテーブル413と、前記ベッド412の両側に立設された一対のコラム414,415と、この両コラム414,415の上部間に掛け渡されたクロスレール416と、このクロスレール416に沿って左右方向(X軸方向)へ移動可能に設けられたスライダ417と、このスライダ417に上下方向(Z軸方向)へ昇降可能に設けられたスピンドルヘッド418と、前記コラム414,415間の前面部を覆うように設けられ内部が透視可能でかつ上端を支点として上下方向へ開閉可能なスプラッシュガード419とから構成されている。
前記ベッド412には、前記テーブル413を案内するガイド(図示省略)とともに、テーブル413をY軸方向へ移動させるY軸駆動機構421が設けられている。Y軸駆動機構421としては、モータと、そのモータによって回転する送りねじ軸とからなる送りねじ機構が用いられている。
前記各コラム414,415は、側面形状が、上部に対して下部が広くなった略三角形状に形成されている。これにより、下部が安定した構造であるから、スピンドルヘッド418が高速回転するものであっても、振動の発生を低減できる。
前記クロスレール416には、前記スライダ417を移動可能に案内する2本のガイドレール423が設けられているとともに、スライダ417をX軸方向へ移動させるX軸駆動機構424が設けられている。
前記スライダ417には、前記スピンドルヘッド418をZ軸方向へ案内するガイド(図示省略)とともに、スピンドルヘッド418をZ軸方向へ昇降させるZ軸駆動機構425が設けられている。これらの駆動機構424,425についても、前記Y軸駆動機構421と同様に、モータと、そのモータによって回転する送りねじ軸とからなる送りねじ機構が用いられている。
前記スピンドルヘッド418は、本発明の主軸装置によって構成されている。スピンドルヘッド418は、主軸1(図6では図示せず)を備え、主軸1の先端には工具2が回転可能に取り付けられる。工具2と主軸1とは磁石の磁力によって結合され、互いに着脱可能な構成となっている。なお、主軸1と工具2とは、エアタービンによって一体的に回転できるようになっている。
前記NC装置43は、適宜入力された加工プログラムに基づいて前記X軸駆動機構424、Y軸駆動機構421、Z軸駆動機構425およびスピンドルヘッド418を駆動する装置である。
次に、本実施形態の作用を説明する。
被加工物の加工にあたっては、NC装置43からの指令によって、テーブル413とスピンドルヘッド418(主軸装置)とをX,Y,Z軸方向へ相対移動させながら、主軸1に装着された工具2によって被加工物を加工する。つまり、テーブル413をY軸駆動機構421を介してY方向へ、スピンドルヘッド418をX軸駆動機構424およびZ軸駆動機構425を介してXおよびZ軸方向へそれぞれ移動させながら、主軸1に装着された工具2を回転させ被加工物を加工する。
本実施形態によれば、スピンドルヘッド418に本発明の主軸装置を利用しているので、この主軸装置について前記各実施形態において述べた作用・効果と同一の作用・効果を奏することができる。
<第四実施形態>
続いて、本発明の第四実施形態として、本発明の主軸装置を備える測定装置としての三次元測定機について説明する。なお、前記各実施形態における構成要素と同一または対応する構成要素については、前記各実施形態における符号と同一の符号を付し、その説明を省略または簡略にする。
図7は、本実施形態にかかる三次元測定機を示す正面図である。
本実施形態の三次元測定機5は、X軸、Y軸、Z軸方向に相対移動可能に設けられるテーブル513とスピンドルヘッド518とを備えて構成される。テーブル513には被測定物が載置される。スピンドルヘッド518には本発明の主軸装置が用いられており、その主軸1(図7においては図示せず)の先端には測定手段としての測定プローブ2が回転可能に取り付けられる。測定プローブ2は、予め複数種類のものが用意されており、測定の目的に合わせて適宜選択して主軸1に取り付けることができる。主軸1と測定プローブ2とは磁石の磁力によって互いに結合されており、着脱が容易な構成とされている。すなわち、測定プローブ2を主軸1に近づければ両者は自動的に磁気的引力によって互いに結合され、また、この磁気的引力以上の外力を加えて引っ張れば両者を簡単に引き離すことができる。
被測定物の測定は、測定プローブ2を被測定物に対して適宜相対移動させながら、測定プローブ2を被測定物上の各点に接触させ、この各接触点の位置座標を検出することによって行われる。ここで、X軸、Y軸、Z軸の各駆動機構によって測定プローブ2と被測定物とを直線的に相対移動させることもできるし、また、エアタービンや電気モータで測定プローブ2を適宜回転させることにより、測定プローブ2と被測定物とを相対移動させることもできる。X軸、Y軸、Z軸方向の各相対移動量は、この各方向ごとに設けられるリニアスケール等によって検出され、また、測定プロ―ブ2の回転数は、例えば図1に示されるような回転数センサ313によって検出される。検出されたこの4つの量を基に適宜演算することによって、測定プローブ2と被測定物との接触点の位置座標を正確に算出できるから、これを基にして被測定物の表面形状等の測定を適切にできる。
本実施形態によれば、測定プローブ2を回転可能な構成としたことにより被測定物に対する測定プローブ2の姿勢を適宜調整できるので、使い勝手のよい測定装置を提供できる。また、本実施形態によれば、スピンドルヘッド518に本発明の主軸装置を利用しているので、この主軸装置について前記各実施形態において述べた作用・効果と同一の作用・効果を奏することができる。
なお、以上の説明において、測定プローブ2は接触型であるとしていたが、非接触型プローブ、例えば、原子間力顕微鏡における探針、合焦点式変位検出器における対物レンズ、であってもよい。
なお、本発明は前記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、主軸1および工具2はタービン翼列に空気が吹き付けられることによって回転されることとしていたが、主軸1および工具2は、電動機で発生される回転動力によって回転される構成でもよい。
ここで、電動機としては、誘導電動機、同期電動機および高周波モータ等が好適であり、毎分1万回転から10万回転、あるいはそれ以上の回転数が実現可能である。
また、本発明では、主軸1と工具2とが磁石の磁力によって連結されていればよく、磁石は主軸1および工具2のいずれか一方に設けられていれば十分である。ここで、主軸1および工具2のいずれか他方は、磁石を有する必要はなく、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性体によって構成されていてもよい。要するに、前記の磁石との間に磁気的な引力を生ずる物質によって構成されていればよい。
ここで、主軸1および工具2のいずれか一方のみが磁石を備える構成とする場合には、磁石は主軸1に設けられるのが好ましい。工具2は前記の通り複数種類用意されているから、各工具2に磁石を設けるとするとその分だけ高価になってしまうが、主軸1に磁石を設けることとすれば磁石は一つで済むので安価にできる。
なお、本発明において、主軸1および工具2の双方が磁石を備える構成でもよいのはもちろんである。
また、前記第二実施形態においては、磁石13に輪郭多角形状の穴131が設けられ、工具2の後端に輪郭多角形状の凸部24が設けられることによって、穴131と凸部24とが嵌合され、主軸1と工具2との間でトルクの伝達が適切になされるようになっていた。これに対して、本発明では、穴131および凸部24の輪郭形状は円形状でなければどのような形状でもよく、多角形状に限らず、例えば、楕円形状であってもよい。また、穴131および凸部24の輪郭形状が円形状であっても、この円形状の中心が主軸1の回転中心と一致していなければ、すなわち、この円形状の中心が主軸1の回転中心に対して偏心していれば、本発明の技術的範囲に含まれる。以上のような構成によれば、穴131および凸部24が嵌合された状態で、主軸1および工具2との間のトルクの伝達が適切になされ、主軸1および工具2とは一体的に回転できる。
また、前記第二実施形態においては、主軸1と工具2との間でトルクの伝達が適切に行われるように、磁石13に穴131を、工具2の後端に穴131と嵌合する凸部24を設けていたが、本発明では、穴131および凸部24を設ける代わりに、例えば、磁石13の表面に平面波状あるいはジグザグ状の一方の凹凸を設けるとともに、工具2の後端に当該一方の凹凸と嵌合可能な他方の凹凸を設けてもよい。
このような構成によれば、主軸1と工具2とが結合されている状態においては、磁石13表面における一方の凹凸と、工具2後端の他方の凹凸とが嵌合され、両者の間で滑りが生じにくくなっている。そのため、主軸1と工具2との間のトルクの伝達が適切になされるようにできるから、主軸1と工具2とが互いに空回りしてしまうようなこともなく、主軸1と工具2とを一体的に回転させることができ、動作性のよい主軸装置にできる。
また、磁石13表面における一方の凹凸と、工具2後端の他方の凹凸とを嵌合させることにより、工具2の主軸1に対する位置関係を一意的に決定できるから、工具2の位置決めを精密にでき、被加工物の加工を高精度にできる。
また、逆に、工具2の位置決めを精密に行うためには煩雑な作業をする必要はなく、一方の凹凸と他方の凹凸とが互いに嵌合されるように工具2を主軸1に取り付けるだけでよいから作業を簡単にできる。
なお、一方および他方の凹凸は、平面波状あるいはジグザグ状であるとしていたが、これに限らず、主軸1と工具2との間のトルクの伝達が適切になされる形状であればどのような形状でもよい。
また、前記各実施形態では、タービン翼列を回転させるという目的と、空気軸受(エアベアリング)を構成して主軸1および工具2を滑らかに回転させるという目的との二つの目的のために主軸装置に加圧空気を供給していた。ここで、この加圧空気の供給を一つのコンプレッサによって行う構成とすれば、コンプレッサを二つ設ける必要がないから部品点数を減少でき、安価な主軸装置を提供できる。
また、例えば前記第一実施形態においては、主軸1および工具2の回転時の摩擦抵抗を低減させるという目的と、主軸1および工具2を所期の姿勢に保持し加工精度を高度に維持させるという目的との二つの目的のために、共通のラジアル軸受用給気孔315A〜Dから主軸1および工具2の外周面に加圧空気を吹き付けていたが、本発明では、前記の各目的ごとに別々の給気孔を設けて当該各給気孔から加圧空気を吹き付ける構成としてもよい。このような構成によれば、前記の一方の目的のための給気孔から供給される加圧空気の量または圧力と、他方の目的のための給気孔から供給される加圧空気の量または圧力とを、NC装置等による数値制御等によって各々個別に適宜設定できるので、前記両目的を達成するために好適な主軸装置とできる。
また、前記第二実施形態では、主軸1と工具2との間のトルク伝達用の凹凸(図4における多角形穴131等)を磁石に形成させていたが、本発明では、トルク伝達用の凹凸は主軸1と工具2とが当接される部分において形成されていればよく、必ずしも磁石上に形成させる必要はない。
また、前記各実施形態では、主軸1と工具2とを互いに接合させるための磁石としてサマリウムコバルト磁石等の永久磁石を用いていたが、本発明では、電磁石でもよい。工具2を主軸1に取り付ける際には電磁石に電流を流して磁力を発生させて両者を接合させ、また、工具2を主軸1から取り外す際には電磁石の電流を止めた上で両者を引き離すことで、工具2の着脱が行われる。このような構成によれば、工具2を主軸1から取り外す際には磁力が発生していないので、弱い力で両者を引き離すことができ、取り外し作業を簡単にできる。
また、前記各実施形態では、空気軸受(特に、静圧軸受)を構成させることによって、主軸1および工具2の回転を滑らかにすることとしていたが、本発明では、エアベアリングの代わりに磁気軸受を設けてもよいし、エアベアリングと磁気軸受とを併用してもよいし、また、空気磁気複合軸受を設けてもよい。
また、前記各実施形態では、ハウジング3は、主軸1および工具2の外周面を覆って形成されていたが、本発明では、ハウジングは主軸の外周面を覆って形成されていればよく、必ずしも工具の外周面を覆って形成されている必要はない。このような構成においては、主軸がハウジングによって回転可能に支持されるとともに、主軸とハウジングとの間に構成される空気軸受(エアベアリング)によって主軸は滑らかに回転できる。主軸と工具とは一体的に回転されるので、主軸が滑らかに回転されれば、工具も滑らかに回転される。そのため、加工精度を良好に保つことができる。
本発明は、フライス盤、ボール盤、中ぐり盤または研削盤等の種々の工作機械に利用できるとともに、門型フレームを有し加工ワークの測定を行う三次元測定機等の種々の形状測定機にも利用できる。
本発明の第一実施形態にかかる主軸装置を示す斜視図。 前記第一実施形態にかかる主軸装置の縦断面図。 前記第一実施形態にかかる主軸装置の横断面図。 本発明の第二実施形態にかかる主軸装置を示す縦断面図。 前記第二実施形態にかかる主軸装置の横断面図。 本発明の第三実施形態にかかるNC加工機械を示す斜視図。 本発明の第四実施形態にかかる三次元測定機を示す正面図。
符号の説明
1…主軸
2…工具、測定プローブ
3…ハウジング
3A…主軸用ハウジング
3B…工具用ハウジング
4…NC加工機械
13…磁石
14…タービン翼列
22…磁石
23…タービン翼列
24…多角形凸部
35…空気噴出孔
131…多角形穴
315A〜D…ラジアル軸受用給気孔
316A、B…スラスト軸受用給気孔
317…タービン用横給気孔
413…テーブル
418、518…スピンドルヘッド

Claims (7)

  1. 本体と、
    この本体に取り付けられ軸線を回転軸として回転可能に設けられる主軸と、
    この主軸の同軸上に着脱可能に取り付けられる交換部材とを備え、
    この交換部材は、被加工物の加工を行う加工手段、および、被測定物の測定を行う測定手段、のいずれかとされる主軸装置において、
    前記主軸および前記交換部材の対向端部の少なくともいずれかは磁石を備え、
    前記交換部材は、前記磁石の磁力によって前記主軸に取り付けられ、
    前記本体は、前記主軸の外周面の少なくとも軸方向一部分を覆って形成される第一外周部材と、前記交換部材の外周面の少なくとも軸方向一部分を覆って形成される第二外周部材を備え、
    前記主軸の外周面と前記第一外周部材の内周面との間に空気を供給する第一空気軸受が設けられ、
    前記交換部材の外周面と前記第二外周部材の内周面との間に空気を供給する第二空気軸受が設けられ
    前記第一外周部材及び前記第二外周部材に一連となる軸受用縦給気穴が前記主軸の軸方向に延びて形成され、前記軸受用縦給気穴に送り込まれた空気が前記第一空気軸受及び前記第二空気軸受に入り込むことを特徴とする主軸装置。
  2. 請求項1に記載の主軸装置において、
    前記第二外周部材は、前記第一外周部材に着脱可能に取り付けられることを特徴とする主軸装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の主軸装置において、
    前記主軸および前記交換部材のいずれか一方には凹部が設けられ、
    前記主軸および前記交換部材のいずれか他方には前記凹部と嵌合される凸部が設けられ、
    前記凹部および前記凸部の少なくともいずれかは、前記磁石に形成されることを特徴とする主軸装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の主軸装置において、
    前記主軸の外周、および、前記交換部材の外周、の少なくともいずれかに設けられるタービン翼と、
    このタービン翼に気体を吹き付ける気体吹付け手段と、
    が設けられることを特徴とする主軸装置。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の主軸装置において、
    前記主軸を、その軸線を回転軸として回転させる電動機が設けられることを特徴とする主軸装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の主軸装置を備える加工装置であって、
    前記交換部材が被加工物の加工を行う前記加工手段とされることを特徴とする加工装置。
  7. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の主軸装置を備える測定装置であって、
    前記交換部材が被測定物の測定を行う前記測定手段とされることを特徴とする測定装置。
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