以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図9に本実施形態の機能装置を用いる配線システムのシステム構成を示す。この配線システムでは、建物内の適所において1乃至複数のスイッチボックス90を埋込配設してあり、始端のスイッチボックス90に対しては、屋外より配線盤6内に引き込まれ主幹ブレーカMBおよび分岐ブレーカBBを介して屋内に引き込まれた電力線L1と、外部のインターネット網NTにゲートウェイGW(ルータ、ハブ内蔵)を介して接続される情報線L2とを導入する。また各スイッチボックス90の間は壁面内に先行配線された電力線L1と情報線L2とを送り配線してある。
ここで、スイッチボックス90は、例えばJISで規格化された大角形の1個モジュール寸法の埋込型の配線器具を3個取り付けることができる1連の取付枠70(図2参照)に対応して規格化されたもので、配線盤6又は他のスイッチボックス90から送り配線されてくる電力線L1及び情報線L2を外部から導入するとともに、他のスイッチボックス90へ送り配線するための電力線L1及び情報線L2を外部へ導出している。なお、スイッチボックス90には、図8及び図9に示すように室内の天井100に設けられるものと、壁101に設けられるものと、床102に設けられるものとがある。
そして、各スイッチボックス90の内部には、図2及び図4に示すゲート装置1が取付枠70を用いて埋込配設されている。取付枠70は矩形枠状であって、器具取付用の細長の取付窓71を有しており、左右の枠片72には取付窓71の長手方向において器具取付孔73を3組ずつ備えている。また取付枠70の上下の枠片74には、スイッチボックス90に取り付けるための取付ねじ用の長孔75や、壁を構成する石膏ボードなどに取り付けるための従来周知のはさみ金具(図示せず)が取着される取着孔76や、前面側にプレート枠(図示せず)を取り付けるためのプレートねじ用のねじ孔77や、石膏ボードなどにタッピングねじにより直接ねじ固定するためのねじ挿通孔78が少なくとも設けてある。この取付枠70をスイッチボックス90に取り付ける際には、取付枠70の上下の枠片74に設けた長孔75に挿通する取付ねじ(図示せず)をスイッチボックス90のねじ孔(図示せず)に締結することで、ゲート装置1ごとスイッチボックス90に取り付けられる。
ゲート装置1は、規格化された単位寸法(1個モジュール寸法)の埋込型配線器具を短幅方向に3個並べた大きさ(3個モジュール寸法)のゲート装置本体10を備え、このゲート装置本体の左右両側には取付枠70の枠片72に設けた器具取付孔73に係止する係止爪(図示せず)が各2対ずつ形成されている。そして、このゲート装置本体10は、取付枠70の取付窓71から前面を露出させた状態で取付枠70に取り付けてある。
またゲート装置1では、ゲート装置本体10の背面に設けた速結端子構造の端子部21a,21bに電力線L1を接続するとともに、端子部31a,31bに情報線L2を接続するようになっており、端子部21b,31bにそれぞれ接続される電力線L1、情報線L2は他のスイッチボックス90への送り配線となる。
一方、ゲート装置本体10の前面には電力路接続口22と情報路接続口32とが設けられている。ゲート装置本体10の内部には図4に示す回路が収納されており、電力路接続口22の導電部は端子部21a,21bに、情報路接続口32の導電部は端子部31a,31bにそれぞれ電気的に接続されているので、端子部21a,21bに電力線L1を接続し、端子部31a,31bに情報線L2を接続すると、電力路接続口22の導電部が電力線L1に接続されるとともに、情報路接続口32の導電部が情報線L2に接続されるようになっている。
ここに、ゲート装置1の電力路接続口22および情報路接続口32は、それぞれ、導電部の配列や開口部の形状をシステムとして定形化(規格化)してある。後述する基本機能モジュール4の背面側には、電力路接続口22および情報路接続口32にそれぞれ対応した形態に規格化されたコネクタ42a,42bが形成されており、コネクタ42a,42bをそれぞれ接続口22,32に着脱自在に結合できるようになっている。尚、電力路接続口22と情報路接続口32とは、導電部の配列や開口部の形状を互いに異ならせているので、誤接続を防止することができる。
次に、ゲート装置1に接続される基本機能モジュール4について説明する。基本機能モジュール4は図2及び図3に示すように扁平な直方体状のモジュール本体40を備えており、モジュール本体40の背面に設けたコネクタ42a,42bを、ゲート装置1の各接続口22,32に接続することによって、ゲート装置本体10の前面側にモジュール本体40を重ねた状態で取着される。このように本実施形態ではゲート装置本体10を3個モジュール寸法に形成するとともに、モジュール本体40の大きさを3個モジュール寸法に対応する寸法に形成しているので、埋込型配線器具用の取付枠70を用いて埋込配設されたゲート装置1に対して、ゲート装置本体10の前面を覆うようにして基本機能モジュール4を取り付けることにより、後付け感を与えることなく、基本機能モジュール4を容易に配設することができ、またゲート装置1に接続する基本機能モジュール4を変更することで、基本機能モジュール4の変更にも容易に対応できる。
またモジュール本体40の左右方向(連設方向)における両側面には、図1(a)及び図3に示すように角穴状に凹没した収納凹部40aが設けられ、各収納凹部40aの内側には、後述の拡張機能モジュール5へ電力を供給するための接続端子46aと、拡張機能モジュール5との間で情報信号を授受するための接続端子46bとが2個ずつ上下方向に並べて配置されている。ここで、接続端子46aには後述のAC/DCコンバータ43から出力される直流電源が印加され、接続端子46bはコネクタ42bの導電部に電気的に接続されている。なお収納凹部40aは左右の側面において略同じ高さ位置に形成されており、収納凹部40aの形状および位置や接続端子46a,46bの形状および配置はシステムとして定形化(規格化)してある。
次に基本機能モジュール4の回路構成について図4に基づいて説明する。この基本機能モジュール4は、後述する拡張機能モジュール5を連接して使用するために以下の構成を備えている。すなわち基本機能モジュール4は、コネクタ42aを介して接続される商用電源ACを整流、平滑して直流電源に変換するAC/DCコンバータ43と、AC/DCコンバータ43から供給される直流電圧を降圧して、安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源(+V)を得る直流電源部44と、コネクタ42bを介して接続される情報線L2を通じて情報信号の送受信を行う送受信部45と、機能モジュールの種類(例えばスイッチ)に対応した機能部49と、機能部49から送られてくるスイッチの操作データをI/Oインターフェース48を通じて取り込み、送信先へ情報信号として送信させる処理を行う機能や、送受信部45で受信した負荷の動作情報などを取り込み、機能部49が備える動作表示ランプLDの点灯/消灯信号を生成し、I/Oインターフェース48を通じて機能部49へ送信する機能を備えた演算処理部47とで構成される。なお機能部49の構成は基本機能モジュール4の種類によって異なっている。
本実施形態では基本機能モジュール4の機能部49が照明器具などの負荷をオン/オフする操作機能を有しており、図6に示すように押釦スイッチからなる操作スイッチSWa,SWbと、これら操作スイッチSWa,SWbの操作データを生成して演算処理部47にI/Oインターフェース48を介して送るデータ生成機能を有するCPU部49aとで機能部49を構成し、モジュール本体40の前面部には各操作スイッチSWa、SWbの操作釦B1,B2を配置している。なお機能部49の機能を操作機能に限定する趣旨のものではなく、センサ機能やスピーカ機能などの機能を備えているものでも良い。ここにおいて、ゲート装置1には複数種の情報信号を伝送する情報線L2を接続してあるので、ゲート装置1の情報路接続口32と基本機能モジュール4のコネクタ42bとの間で複数種の情報信号を授受することができ、様々な種類の基本機能モジュール4を接続して使用することができるから、所望の機能を有する基本機能モジュール4への交換にも容易に対応できる。例えば図8および図9に示すように、天井100に設けたゲート装置1に接続する基本機能モジュール4としては、照明器具の引掛プラグに対応した引掛栓刃接続部91を持つ引掛シーリングローゼット型の基本機能モジュール4aや、人感センサ等を備えたセンサ型機能モジュール(図示せず)、更に監視カメラを備えたカメラ型機能モジュール(図示せず)、更にBGM等のスピーカSPを持つ基本機能モジュール4b等がある。また壁101に設けたゲート装置1に接続する基本機能モジュール4としては、照明器具などをオン/オフ操作するスイッチSWを備えた基本機能モジュール4cや、空調機器のコントローラ等の操作器型機能モジュール(図示せず)、モニタ装置Mを備えた基本機能モジュール4dがある。さらに床102に設けたゲート装置1に接続する基本機能モジュール4としては、電源プラグ用のコンセント部92を備えた基本機能モジュール4eや、スピーカSPを備えた基本機能モジュール4b等がある。また更に基本機能モジュール4が機能部49を備えておらず、連接された拡張機能モジュール5に対して電力および情報信号を伝達する機能のみを備えているものでも良い。
上述のように、本実施形態ではスイッチボックス90に取付枠70を用いて埋込配設されたゲート装置1の各接続口22,32に、適応する基本機能モジュール4のコネクタ42a,42bを結合して、基本機能モジュール4をスイッチボックス90に取り付けることで、基本機能モジュール4の電力確保と情報路の確保が同時に行え且つ配設が行える。またゲート装置1の各接続口22,32とコネクタ42a,42bの形態を定形化(規格化)しているので、基本機能モジュール4を何れのゲート装置1にも接続することができ、そのためレイアウトフリーに施工でき、また基本機能モジュール4の機能によって多様な配線システムを展開することができる。従って、ユーザは、好みの利用形態に応じて基本機能モジュール4を自由に施工することができ、将来的に建物内部のレイアウトを変更したり、新しい基本機能モジュール4を追加したい場合にも、基本機能モジュール4の着脱のみで簡単に対応できるから、基本機能モジュール4の取替性が向上する。
次に、基本機能モジュール4に並べて造営面(壁、床、天井など)に配置され、基本機能モジュール4から電力供給を受けて動作する拡張機能モジュール5について説明する。拡張機能モジュール5としては様々な機能を有するものが用意されているが、基本的には図1に示すように、モジュール本体50の高さ寸法を基本機能モジュール4のモジュール本体40と略同じ寸法に規格化するとともに、横幅寸法をモジュール本体40の幅寸法の整数倍に規格化し、また背面を平坦な面に形成し、造営面に沿って配設できるようにしてある。
またモジュール本体50の左右方向(連設方向)における両側面には、モジュール本体40に設けた収納凹部50aと略同じ位置に角穴状に凹没した収納凹部50aを設けてあり、各収納凹部50aの内側には、電力供給のための接続端子56aと、情報信号を授受するための接続端子56bとが2個ずつ上下方向に並べて配置されている。ここにおいて、収納凹部50aの形状および位置や接続端子56a,56bの形状および配置は、基本機能モジュール4の収納凹部40aや接続端子46a,46bと同一の形状および配置に規格化されており、基本機能モジュール4と拡張機能モジュール5とを連設させたとき、或いは、拡張機能モジュール5同士を連設させたときに、面接する側面の収納凹部40a,50aがそれぞれ連通し、接続端子46a,46bと接続端子56a,56bとが互いに対向して配置されるのである。なお、左右の収納凹部50aにそれぞれ配置された接続端子46a,46aの間、接続端子46b,46bの間は内部配線を介して電気的に接続されており、両側に隣接する基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5に対して情報信号を中継したり、基本機能モジュール4側から送られた電源を隣接する拡張機能モジュール5へ送ることができるようになっている。
次に拡張機能モジュール5の回路構成について図5に基づいて説明する。この拡張機能モジュール5は、基本機能モジュール4に連接して使用するために以下の構成を備えている。すなわち拡張機能モジュール5は、接続端子56aを介して基本機能モジュール4から供給される直流電源を降圧して、安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源(+V)を得る直流電源部51と、接続端子56bを介して接続される情報路を通じて情報信号の送受信を行う送受信部52と、機能モジュールの種類に対応した機能部55と、機能部55から送られてくる情報信号をI/Oインターフェース54を通じて取り込み、送信先へ送信させる処理を行う機能や、送受信部52で受信した情報信号から機能部55に対応する情報信号を取り込み、I/Oインターフェース54を通じて機能部55へ送信する機能を備えた演算処理部53とで構成される。拡張機能モジュール5としては、基本機能モジュール4と同様、スイッチ、インターホン装置、スピーカ、モニタなど種々のものがあり、拡張機能モジュール5の種類によって上述した機能部55の構成が異なるのである。
次に基本機能モジュール4と拡張機能モジュール5との間、或いは、拡張機能モジュール5,5の間を電気的に接続するために用いる接続チップ60について説明する。接続チップ60は短冊状の合成樹脂成型品からなり、両端部をモジュール本体40,50の収納凹部40a,50a内に挿入した状態で隣接する基本機能モジュール4と拡張機能モジュール5の間、或いは、拡張機能モジュール5,5の間に介装される。そして、接続チップ60の両端部には、収納凹部40a又は50aの内部に配置される接続端子46a,46b又は接続端子56a,56bにそれぞれ差込接続される端子部61a,61bが配置されており、両端部の端子部61a,61a間、端子部61b,61b間は内部の導電路(図示せず)を介して電気的に接続されている。
而して、本発明の機能装置を用いた配線システムを使用するに当たっては、予め建物の適所(天井100、壁101又は床102)に埋設してあるスイッチボックス90から先行配線された電力線L1、情報線L2を引き出し、これら電力線L1および情報線L2をゲート装置1にそれぞれ接続した後、ゲート装置1を取付枠70を介してスイッチボックス90に取り付ける。次に、ゲート装置1の前面部にそれぞれ設けられた電力路接続口22及び情報路接続口32に対して、基本機能モジュール4の対応するコネクタ42a,42bを接続することにより、ゲート装置1の前面部を覆うようにして基本機能モジュール4を取り付ける。そして、基本機能モジュール4の露出した両側側面の内、拡張機能モジュール5を連結したい側の側面に設けた収納凹部40aに接続チップ60の一端側を挿入して、収納凹部40a内部に配置した接続端子46a,46bと接続チップ60の端子部61a,61bとを電気的に接続させる。その後、接続チップ60の他端側が拡張機能モジュール5の収納凹部50a内部に挿入されるようにして、拡張機能モジュール5を機能モジュール4と並べて配置すると、図示しない適宜の結合手段を介して拡張機能モジュール5が基本機能モジュール4に対して機械的に連結されるとともに、拡張機能モジュール5の収納凹部50a内に配置された接続端子56a,56bが接続チップ60の端子61a,61bに電気的に接続され、接続端子56a,56bと接続端子46a,46bの間が接続チップ60を介して電気的に接続されるのである。この時、基本機能モジュール4から拡張機能モジュール5に電力が供給されるとともに、拡張機能モジュール5が基本機能モジュール4を介して情報信号の授受を行うことができる。
なお図1に示す例では基本機能モジュール4の右側に拡張機能モジュール5を連接しているが、各機能モジュール4,5には連接方向(左右方向)の両側面に収納凹部40aを設けて、この収納凹部40a,50a内に接続端子46a,46b、接続端子56a,56bをそれぞれ配置しているので、基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5に対して左右何れの側にも拡張機能モジュール5を連接することができ、また左右両側に拡張機能モジュール5を連接しても良い。すなわち本実施形態では基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5に対して左右方向の何れの側からも拡張機能モジュール5を連設することができ、連設方向に応じて専用の機能モジュールを用意する必要がなく、また各機能モジュールの連設方向が限定されないので、取付方向の自由度が向上するという利点がある。
また本実施形態では基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5に対して左右方向の何れの側にも拡張機能モジュール5を接続できるようにしているが、機能モジュールの連設方向を造営面への取付状態における左右方向に限定する趣旨のものではなく、機能モジュール4,5の連設方向を上下方向、或いは、上下左右の4方向としても良い。そして、基本機能モジュール4に対して上下方向の何れの側にも拡張機能モジュール5を接続できるようにする場合には、各々のモジュール本体40,50において施工状態における上下方向の両側面に上述の収納凹部40a,50aを設けて、収納凹部40aの内部に接続端子46a,46bを、収納凹部50aの内部に接続端子56a,56bをそれぞれ配置すれば良い。そして、隣接する機能モジュール4,5の収納凹部40a,50a、又は、機能モジュール5,5の収納凹部50a,50a内に接続チップ60の両端部を挿入して、モジュール間に接続チップ60を介装させることで、機能モジュール4,5の間、又は、機能モジュール5,5の間を電気的に接続することができ、上下左右の何れの方向にも拡張機能モジュール5を接続して使用することができる。
また基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5に対して、上下左右の何れの方向にも拡張機能モジュール5を接続できるようにする場合は、各々のモジュール本体40,50において施工状態における上下左右の各側面に上述の収納凹部40a,50aを設けて、収納凹部40aの内部に接続端子46a,46bを、収納凹部50aの内部に接続端子56a,56bをそれぞれ配置すれば良い。そして、隣接する機能モジュール4,5の収納凹部40a,50a、又は、機能モジュール5,5の収納凹部50a,50a内に接続チップ60の両端部を挿入して、モジュール間に接続チップ60を介装させることで、機能モジュール4,5の間、又は、機能モジュール5,5の間を電気的に接続することができ、上下左右の何れの方向にも拡張機能モジュール5を接続して使用することができる。
また接続端子46a,46b,56a,56bはそれぞれモジュール本体40,50に設けた収納凹部40a,50aの内部に配置されているので、接続端子46a,46b,56a,56bが表面に露出しておらず、外観の見栄えを良くできると共に、感電の虞がない。さらに接続チップ60も収納凹部40a,50aの内部で接続端子46a,46b,56a,56bと電気的に接続されるため、充電部が表面に露出することがなく、感電などの虞もない。
以上のようにして配設施工が終了し、配線システムの施工が完了した後は、ゲート装置1を介して各機能モジュール4,5に電力路および情報路を接続することができ、対応する機能モジュール4,5間で情報信号の授受が行われ、照明器具や床暖房装置などの操作や、カメラで撮影した画像のモニタが行えるのである。ここで、ゲート装置1に接続される情報線L2は複数種の機能モジュール4,5に用いられる情報信号の信号伝送を行うものであり、例えば電話、LANなどのネットワーク機器、TV、インターホン、各種センサなどに用いられる情報信号や、照明器具などの機器を制御するための制御信号の信号伝送に用いられる。したがって、ゲート装置1を介して機能モジュール4,5に複数種類の情報信号を伝達することができるから、機能モジュール4,5に多種多様な機能を持つ機能モジュールを使用でき、多種多様な機能をもつシステムを実現することができる。
例えば図12に示す使用例では、基本機能モジュール4に対して、空調機器の運転操作器を構成する拡張機能モジュール5aと、空調機器の温度設定器を構成する拡張機能モジュール5bと、インターホンの親機を構成する拡張機能モジュール5cとを連設してある。そして、両端に位置する基本機能モジュール4と拡張機能モジュール5cの非連結側の側面には、上述の結合手段を用いてエンドカバー80を装着してあり、非連結側の側面に配置された接続端子46a,46b,56a,56bを覆って、外観の見栄えを良くするとともに、感電の虞を無くしている。拡張機能モジュール5aは、押釦スイッチからなる運転操作スイッチSW4及び停止操作スイッチSW5を備え、これら操作スイッチSW4,SW5の押操作に応じて空調機器を運転又は停止させることができる。また拡張機能モジュール5bは、設定温度を表示する丸形の液晶表示器Dを備え、液晶表示器Dの外周に温度設定用の回転式ボリューム(図示せず)を操作する回転操作ダイヤルが配置されており、また前面には空調機器を一定時間動作させるタイマ動作の指示と解除を行うための押し釦型の操作スイッチSW1を設けてある。またインターホンの親機を構成する拡張機能モジュール5cは、ドアホン子器のカメラで撮影された映像を表示するモニタM、受話/送話兼用のスピーカSP、音量調整用電子ボリュームVR2、通話スイッチSW2および電気錠の解錠操作用スイッチSW3などを備えており、玄関に設置したドアホン子器との間で内線通話を行えるようになっている。
また本発明の機能装置を用いる配線システムにおいて、情報信号を伝送する方式としては、ベースバンド伝送又はブロードバンド伝送の何れを採用しても良く、またプロトコルも何れでも良いが、音声、映像などを用いるインターホンの親機、子機との間にはJT−H232パケットに基づいて音声・映像を相互に伝送することとし、また制御系にあっては操作側からの操作データにより1乃至複数の負荷を操作できるような1対1又は1対Nの対応が可能なユニキャスト或いはブロードキャストに対応する経路制御プロトコルを採用すれば良く、特に限定されるものではないので、説明は省略する。また、ゲート装置1間の使用プロトコルと、ゲート装置1に連なる機能モジュール4,5での使用プロトコルを異ならせ、例えばゲート装置1においてプロトコル変換を行うようにしても良い。
また上述の形態では情報路と、電力路を別にしているためゲート装置1には電力線L1と情報線L2とを夫々接続しているが、電力線搬送によって情報信号の伝送を行えば、電力路を情報路として用いることもできるため、配線を電力線L1のみとすることができ、配線施工を簡略化できる。つまり各スイッチボックス90での先行配線は電力線L1のみとし、これに対応してゲート装置1の端子部31a,31bおよび情報路接続口32を無くし、端子部21a,21bおよび電力路接続口22のみとする。そして、基本機能モジュール4において、図7に示すようにコネクタ42aおよびゲート装置1を介して電力線L1に接続され、電力線搬送通信により情報信号を授受するPLCモデム部45aを設けており、送受信部45では、PLCモデム部45aを介して受信した情報信号を演算処理部47に出力するとともに、演算処理部47から入力された情報信号をPLCモデム部45aから送出させている。
尚、PLCモデム部45aで採用する電力線搬送の変調方式としては広帯域スペクトラム拡散方式、マルチキャリア方式、OFDM方式等各種方式の何れでも良いので、ここでは特に説明はしない。また図7に示す例では、基本機能モジュール4のPLCモデム部45aにより電力線搬送通信で伝送された情報信号を分離し、各機能モジュール4,5間では端子部46b,56bを介して情報信号の授受を行っているが、各々の機能モジュール5にPLCモデム部を設けて、各機能モジュール5において電力線搬送通信により情報信号の授受を行うようにしても良い。
また本実施形態では拡張機能モジュール5が、基本機能モジュール4を介して電力の供給を受けると共に情報信号の授受を行っており、拡張機能モジュール5において電力路および情報路を共に確保しているが、拡張機能モジュール5の機能によっては、電力の供給と情報信号の授受の内何れか一方だけを行って、電力路又は情報路の何れかを確保するようにしても良く、様々な機能モジュール5を連結して使用することにより、機能の拡張にも容易に対応することができる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図10(a)(b)に基づいて説明する。なお機能モジュール間の電気的接続を行う構成以外は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
上述の実施形態1では隣接する機能モジュール4,5の間、或いは、機能モジュール5,5の間に接続チップ60を介装させることで、モジュール間の電気的接続を行っているのに対して、本実施形態では基本機能モジュール4のモジュール本体40において、連設方向(例えば左右方向)における一方の側面(例えば右側面)に角孔状に凹没した収納凹部40aを設け、収納凹部40aの開口に臨ませて、モジュール本体40の内部に電力の供給を行う接続端子46aと情報信号の授受を行うための接続端子46bとを配置すると共に、連設方向における他方の側面(例えば左側面)に拡張機能モジュール5の収納凹部50a内に挿入される突出部40bを設け、該突出部40bに拡張機能モジュール5の接続端子56a,56bと夫々差込接続される接続端子46a’,46b’を配置してある。
また拡張機能モジュール5のモジュール本体50においても、基本機能モジュール4と同様に、連設方向(例えば左右方向)における一方の側面(例えば右側面)に角孔状に凹没した収納凹部50aを設け、該収納凹部50aの開口に臨ませて、モジュール本体50の内部に電力の供給を行う接続端子56aと情報信号の授受を行うための接続端子56bとを配置すると共に、連設方向における他方の側面(例えば左側面)に基本機能モジュール4又は他の拡張機能モジュール5の収納凹部40a,50a内に挿入される突出部50bを設け、該突出部50bに基本機能モジュール4の接続端子46a,46b又は他の拡張機能モジュール5の接続端子56a,56bに夫々差込接続される接続端子56a’,56b’を配置してある。ここに、各機能モジュール4,5においてモジュール本体40,50の右側部に配置した接続端子46a,46b,56a,56bから第1接続端子が構成され、モジュール本体40,50の左側部に設けた接続端子46a’,46b’,56a’,56b’から第2接続端子が構成される。
而して、上述の機能モジュール4,5を造営面に配設するに当たっては、先ず実施形態1と同様の手順で造営面に取付枠70を介して埋込配設されたゲート装置1に基本機能モジュール4を取り付ける。そして、基本機能モジュール4の露出した両側側面の内、例えば右側面に拡張機能モジュール5の左側面を面接させて両機能モジュール4,5を連設する場合は、拡張機能モジュール5のモジュール本体50において左側面に設けた突出部50bを基本機能モジュール4のモジュール本体40に設けた収納凹部40a内に挿入すると、突出部50bに配置した接続端子56a’,56b’と収納凹部40a内に配置された接続端子46a,46bとが互いに電気的に接続されるので、両機能モジュール4,5間で電力の供給と情報信号の伝達とが行えるのである。
一方、基本機能モジュール4の左側面に拡張機能モジュール5の右側面を面接させて両機能モジュール4,5を連設する場合は、拡張機能モジュール5のモジュール本体50において右側面に設けた収納凹部50a内に基本機能モジュール4のモジュール本体40に設けた突出部40bを挿入すると、突出部40bに配置した接続端子46a’,46b’と収納凹部50a内に配置された接続端子56a,56bとが互いに電気的に接続されるので、両機能モジュール4,5間で電力の供給と情報信号の伝達とが行えるのである。
また基本機能モジュール4に連設された拡張機能モジュール5に対しても、上述と同様の手順で他の拡張機能モジュール5を連設することができ、基本機能モジュール4に対して所望の数の拡張機能モジュール5を連設した後に、連設方向の両端に位置する機能モジュール4,5の非連結側の側面に、上述の結合手段を利用してエンドカバー80,80を取り付けると(図10(b)参照)、非連結側の側面に設けた第1接続端子46a,46b又は56a,56bと、第2接続端子56a’,56b’又は46a’,46b’とがエンドカバー80,80によって覆われ、外観の見栄えを良くできるとともに、感電の虞を無くすことができる。また本実施形態では、実施形態1のように電気的接続のために別部品(接続チップ60)を使用していないので、接続作業が簡単であり、また部品を紛失する虞もない。
上述のように本実施形態では基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5に対して左右方向の何れの側からも拡張機能モジュール5を連設することができ、連設方向に応じて専用の機能モジュールを用意する必要がなく、また接続方向の自由度が向上するという利点がある。
なお本実施形態では機能モジュール4,5の連設方向を左右方向としているが、連設方向を造営面への取付状態における左右方向に限定する趣旨のものではなく、基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5に対して上下方向の何れの側に拡張機能モジュール5を接続できるようにしても良いし、上下左右の何れの側に拡張機能モジュール5を接続できるようにしても良い。
ここで、機能モジュール4,5を上下方向に連設する場合は、各機能モジュール4,5のモジュール本体40,50において、上下方向における一方の側面(例えば上側面)に角孔状に凹没した収納凹部40a,50aを設け、収納凹部40a,50aの開口に臨ませて、接続端子46a,46b、接続端子56a,56bを配置すると共に、上下方向における他方の側面(例えば下側面)に拡張機能モジュール5,4の収納凹部50a,40a内に挿入される突出部40b,50bを設け、該突出部40b,50bに接続端子46a’,46b’、接続端子56a’,56b’を配置すれば良い。
また機能モジュール4,5に対して他の機能モジュールを上下左右の何れにも連設する場合は、各機能モジュール4,5のモジュール本体40,50において、左右方向における一方の側面(例えば右側面)および上下方向における一方の側面(例えば上側面)にそれぞれ角孔状に凹没した収納凹部40a,50aを設け、収納凹部40a,50aの開口に臨ませて、接続端子46a,46b、接続端子56a,56bを配置すると共に、左右方向における他方の側面(例えば左側面)および上下方向における他方の側面(例えば下側面)に拡張機能モジュール5,4の収納凹部50a,40a内に挿入される突出部40b,50bを設け、該突出部40bに接続端子46a’,46b’、接続端子56a’,56b’を配置すれば良い。
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図11(a)(b)に基づいて説明する。上述の実施形態2では各機能モジュール4,5において、モジュール本体40,50の側面から第2接続端子(接続端子46a’,46b’,56a’,56b’)を突出させているのに対して、本実施形態では、第2接続端子を、モジュール本体40,50の側面から側方に突出する突出位置と、モジュール本体40,50の内部に収納される収納位置との間で進退自在に設けてある。なお機能モジュール4,5間の電気的接続を行う構成以外は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
すなわち本実施形態では基本機能モジュール4のモジュール本体40において、連設方向(例えば左右方向)における一方の側面(例えば左側面)に角孔状に凹没した収納凹部40aを設けるとともに、電力供給のための接続端子46aと情報信号の伝達のための接続端子46bとを上下に並べて保持した可動体57を、接続端子46a,46bが収納凹部40a内に収納される収納位置と、接続端子46a,46bがモジュール本体40の左側面から側方に突出する接続位置との間で左右方向に進退自在に設けてある。なおモジュール本体40の表面には、可動体57と一体に設けられた操作摘み57aを露出させる窓孔58を設けてある。またモジュール本体40には、連設方向(例えば左右方向)における他方の側面(右側面)の開口に臨ませて、後述する拡張機能モジュール5の接続端子56a,56bにそれぞれ差込接続される接続端子46a’,46b’を配置してある。ここに、本実施形態では可動体57に保持された接続端子46a,46bから第2接続端子が構成され、接続端子46a’,46b’から第1接続端子が構成される。
一方、拡張機能モジュール5のモジュール本体50においても、基本機能モジュール4と同様に、連設方向(例えば左右方向)における一方の側面(例えば左側面)に角孔状に凹没した収納凹部50aを設けるとともに、電力供給のための接続端子56aと情報信号の伝達のための接続端子56bとを上下に並べて保持した可動体57を、接続端子56a,56bが収納凹部50a内に収納される収納位置と、接続端子56a,56bがモジュール本体50の左側面から側方に突出する接続位置との間で左右方向に進退自在に設けてある。なおモジュール本体50の表面には、可動体57と一体に設けられた操作摘み57aを露出させる窓孔58を設けてある。またモジュール本体50には、連設方向(例えば左右方向)における他方の側面(右側面)の開口に臨ませて、他の拡張機能モジュール5に設けた接続端子56a,56bにそれぞれ差込接続される接続端子56a’,56b’を配置してある。ここに、本実施形態では可動体57に保持された接続端子56a,56bから第2接続端子が構成され、接続端子56a’,56b’から第1接続端子が構成される。
而して、上述の機能モジュール4,5を造営面に配設するに当たっては、先ず実施形態1と同様の手順で造営面に取付枠70を介して埋込配設されたゲート装置1に基本機能モジュール4を取り付ける。そして、基本機能モジュール4の露出した両側側面の内、例えば右側面に拡張機能モジュール5の左側面を面接させて両機能モジュール4,5を連設する場合は、拡張機能モジュール5の表面に露出する操作摘み57aを操作して、可動体57を接続位置にスライド移動させ、可動体57に保持された接続端子56a,56bをモジュール本体50の左側面から側方に突出させる。この状態で基本機能モジュール4の右側面と拡張機能モジュール5の左側面とを面接させると、拡張機能モジュール5の接続端子56a,56bが基本機能モジュール4の左側面の開口を通してモジュール本体40内部に挿入され、接続端子56a,56bが基本機能モジュール4の接続端子46a’,46b’に差込接続されるので、両機能モジュール4,5間で電力の供給と情報信号の伝達とが行えるのである。
一方、基本機能モジュール4の左側面に拡張機能モジュール5の右側面を面接させて両機能モジュール4,5を連設する場合は、基本機能モジュール4の表面に露出する操作摘み57aを操作して、可動体57を接続位置にスライド移動させ、可動体57に保持された接続端子46a,46bをモジュール本体40の左側面から側方に突出させる。この状態で基本機能モジュール4の左側面と拡張機能モジュール5の右側面とを面接させると、基本機能モジュール4の接続端子46a,46bが拡張機能モジュール5の左側面の開口を通してモジュール本体50内部に挿入され、接続端子46a,46bが拡張機能モジュール5の接続端子56a’,56b’に差込接続されるので、両機能モジュール4,5間で電力の供給と情報信号の伝達とが行えるのである。また基本機能モジュール4に連設された拡張機能モジュール5に対しても、上述と同様の手順で他の拡張機能モジュール5を連設することができる。
上述のように本実施形態では基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5に対して左右方向の何れの側からも拡張機能モジュール5を連設することができ、連設方向に応じて専用の機能モジュールを用意する必要がなく、また接続方向の自由度が向上するという利点がある。また各機能モジュール4,5において、拡張機能モジュール5を連設しない場合には可動体57を収納位置に移動させることで、第2接続端子46a,46b,56a,56bをそれぞれ収納凹部40a,50aの内部に収納することができ、これらの接続端子46a,46b,56a,56bが表面に露出していないので、外観の見栄えを良くできるとともに、感電の虞を無くすことができる。さらに本実施形態では、実施形態1のように電気的接続のために別部品(接続チップ60)を使用していないので、接続作業が簡単であり、また部品を紛失する虞もない。
なお本実施形態では機能モジュール4,5の連設方向を左右方向としているが、連設方向を造営面への取付状態における左右方向に限定する趣旨のものではなく、基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5に対して上下方向の何れの側に拡張機能モジュール5を接続できるようにしても良いし、上下左右の何れの側に拡張機能モジュール5を接続できるようにしても良い。ここで、機能モジュール4,5を上下方向に連設する場合は、各機能モジュール4,5のモジュール本体40,50において、上下方向における一方の側面(例えば上側面)に角孔状に凹没した収納凹部40a,50aを設けるとともに、接続端子46a,46b又は接続端子56a,56bを上下に並べて保持した可動体57を、接続端子が収納凹部40a,50a内に収納される収納位置と、収納凹部40a,50a外に突出する接続位置との間でスライド移動自在に設け、さらに上下方向における他方の側面(例えば下側面)の開口に臨ませて、機能モジュール5,4の接続端子56a,56b、接続端子46a,46bに差込接続される接続端子46a’,46b’、接続端子56a’,56b’を配置すれば良い。
また機能モジュール4,5に対して他の機能モジュールを上下左右の何れにも連設する場合は、各機能モジュール4,5のモジュール本体40,50において、左右方向における一方の側面(例えば右側面)および上下方向における一方の側面(例えば上側面)に角孔状に凹没した収納凹部40a,50aを設けるとともに、接続端子46a,46b又は接続端子56a,56bを上下に並べて保持した可動体57を、接続端子が収納凹部40a,50a内に収納される収納位置と、収納凹部40a,50a外に突出する接続位置との間でスライド移動自在に設け、さらに左右方向における他方の側面(例えば左側面)および上下方向における他方の側面(例えば下側面)の開口に臨ませて、機能モジュール5又は4の接続端子56a,56b、接続端子46a,46bに差込接続される接続端子46a’,46b’、接続端子56a’,56b’を配置すれば良い。なお本実施形態においても、実施形態1又は2で説明したのと同様のエンドカバーを、連設方向の両端に位置する機能モジュール4,5の非連結側の側面に上記結合手段を利用して取り付けても良く、外観の見栄えを良くできるとともに、感電の虞を確実に無くすことができる。