JP4709846B2 - 回転電機および車載回転電機システム - Google Patents
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Description
本発明は、クローポール型ロータを備えた回転電機および車載回転電機システムに係り、特に、ハイブリッド電気自動車,電気自動車,燃料電池車などに搭載するに好適な回転電機および車載回転電機システムに関する。
現在、高出力が要求される自動車用回転電機としては、永久磁石同期回転電機が広く使われている。従来一般に用いられている永久磁石同期回転電機は、埋込式若しくは表面磁石式の永久磁石を備えたロータと、ステータコアのスロットに集中巻若しくは分布巻によりステータコイルが巻回されたステータとから構成される。ここで、ステータコアに巻回されたステータコイルのコイルエンドは、ステータコアの両端部から飛び出すため、回転電機の軸方向の長さが長くなる。
それに対して、自動車用回転電機ではないが、例えば、特開平7−227075号公報や、特開2004−15998号公報に記載のように、ステータとして、クローポール型ステータを3段軸方向に積層したものが知られている。ステータコイルは、ステータの内部に環状に収納されるため、回転電機の軸方向の長さを短くできる。
しかしながら、上記のように、ロータに永久磁石を備えたものでは、自動車用回転電機として用いるには不都合が生じてくる。すなわち、自動車用回転電機は一般に広範な回転数領域で使用されるが、ロータに永久磁石を備えたものでは、界磁磁束が一定であるため、高速回転時にはステータコイルに誘起される逆起電力が回転数に比例して大きくなる。そのため高速回転させるには、電源電圧及び電流を大きくする必要がある。またトルクを発生させる必要のない状況下では、永久磁石の界磁磁束はロストルクの原因となる。
そこで、本願発明者らは、ロータとして、従来からオルタネータ等で用いられているクローポール型ロータを用いた場合について、磁束解析を行って検討した。ステータとしては、特開平7−227075号公報や、特開2004−15998号公報に記載のようなクローポール型ステータを3段軸方向に積層したものを用い、ロータとしては、従来のオルタネータ等に用いられているシングルのクローポール型ロータを用いた回転電機では、磁束が不均一となるため、磁束利用率が低下し、出力トルクが小さいという問題があることが判明した。
本発明の目的は、高速回転が可能で、かつ、出力トルクの大きい回転電機および車載回転電機システムを提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、ステータコアとステータコイルとを有するステータと、ロータコアとロータコイルとを有するロータとを備えた回転電機であって、前記ステータは、クローポール型の単位ステータを回転電機の回転軸方向に3個並置した構成であり、前記ロータは、クローポール型の単位ロータを回転電機の軸方向に3個並置した構成であり、前記単位ステータの前記ステータコイルは、前記回転軸周りにリング状に巻回された一つの環状コイルからなり、前記単位ステータの前記ステータコアは、前記回転軸周りの環状ヨークと、前記環状ヨークの軸方向両端から径方向に伸びたティースと、前記ティースの先端に設けられ、前記環状コイルに通電したときに周方向に交互に異極性に磁化されるクローポールとからなり、前記単位ロータの前記ロータコイルは、前記回転軸周りにリング状に巻回された一つの環状コイルからなり、前記単位ロータの前記ロータコアは、前記回転軸周りの環状ヨークと、前記環状ヨークの軸方向両端から径方向に伸びたティースと、前記ティースの先端に設けられ、前記環状コイルに通電したときに周方向に交互に異極性に磁化されるクローポールとからなるものである。
かかる構成により、高速回転が可能で、かつ、出力トルクの大きい回転電機を得ることができる。
かかる構成により、高速回転が可能で、かつ、出力トルクの大きい回転電機を得ることができる。
(2)上記(1)において、好ましくは、並置された3個の前記単位ロータの内、隣接する単位ロータの同極性のクローポール位置が電気角でα°ずつ周方向に変位しており、並置された3個の前記単位ステータの内、隣接する単位ステータのクローポール位置が電気角でβ°ずつ周方向に変位しており、ここで、|α―β|=60°としたものである。
(3)上記(1)において、好ましくは、並置された3個の前記単位ロータの内、隣接する単位ロータの同極性のクローポール位置が電気角でα°ずつ周方向に変位しており、並置された3個の前記単位ステータの内、隣接する単位ステータのクローポール位置が電気角でβ°ずつ周方向に変位しており、ここで、|α―β|=120°としたものである。
ことを特徴とする回転電機。
ことを特徴とする回転電機。
(4)上記(1)若しくは(2)において、好ましくは、α+β=0である。
(5)上記(4)において、好ましくは、α=30、β=−30、あるいはα=−30、β=30としたものである。
(6)上記(1)において、好ましくは、対向する前記単位ロータと前記単位ステータを単位ブロックとしたとき、隣接する前記単位ブロック間に設けられた磁気的空隙を備えるようにしたものである。
(7)上記(1)において、好ましくは、前記ロータの前記クローポール及び前記ステータの前記クローポールは、圧粉磁心で製作するようにしたものである。
(8)上記(1)において、好ましくは、前記単位ロータは、それぞれ、互いに異極性のクローポール間に配置され、このクローポール間の漏れ磁場を打ち消すような向きに着磁された永久磁石を備えるようにしたものである。
(9)上記(8)において、好ましくは、前記永久磁石がボンド磁石で構成され、前記クローポールは、圧粉磁心で製作され、前記永久磁石と前記クローポールとは、二色一体で圧縮成形されるものである。
(10)また、上記目的を達成するために、本発明は、車両駆動力又は車載補機用駆動力を発生する回転電機と、この回転電機に供給する電力を制御するインバータとを有する車載回転電機システムであって、前記回転電機は、ステータコアとステータコイルとを有するステータと、ロータコアとロータコイルとを有するロータとを備えており、前記ステータは、クローポール型の単位ステータを回転電機の回転軸方向に3個並置した構成であり、前記ロータは、クローポール型の単位ロータを回転電機の軸方向に3個並置した構成であり、前記単位ステータの前記ステータコイルは、前記回転軸周りにリング状に巻回された一つの環状コイルからなり、前記単位ステータの前記ステータコアは、前記回転軸周りの環状ヨークと、前記環状ヨークの軸方向両端から径方向に伸びたティースと、前記ティースの先端に設けられ、前記環状コイルに通電したときに周方向に交互に異極性に磁化されるクローポールとからなり、前記単位ロータの前記ロータコイルは、前記回転軸周りにリング状に巻回された一つの環状コイルからなり、前記単位ロータの前記ロータコアは、前記回転軸周りの環状ヨークと、前記環状ヨークの軸方向両端から径方向に伸びたティースと、前記ティースの先端に設けられ、前記環状コイルに通電したときに周方向に交互に異極性に磁化されるクローポールとからなるものである。
かかる構成により、高速回転が可能で、かつ、出力トルクの大きい車載回転電機システムを得ることができる。
かかる構成により、高速回転が可能で、かつ、出力トルクの大きい車載回転電機システムを得ることができる。
本発明によれば、高速回転が可能で、かつ、出力トルクを大きくすることができる。
10…ロータ
10U,10V,10W…単位ロータ
11,12,13,14…ロータコア
11A,12A…環状ヨーク
11B,12B…ティース
11C,12C…クローポール
20…ステータ
20U,20V,20W…単位ステータ
21,22,23,24…ステータコア
21A,22A…環状ヨーク
21B,22B…ティース
21C,22C…クローポール
31,32,33,41,42,43…環状コイル
50…永久磁石
10U,10V,10W…単位ロータ
11,12,13,14…ロータコア
11A,12A…環状ヨーク
11B,12B…ティース
11C,12C…クローポール
20…ステータ
20U,20V,20W…単位ステータ
21,22,23,24…ステータコア
21A,22A…環状ヨーク
21B,22B…ティース
21C,22C…クローポール
31,32,33,41,42,43…環状コイル
50…永久磁石
以下、図1〜図15を用いて、本発明の第1の実施形態による回転電機の構成について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による回転電機の全体構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による回転電機の全体構成を示す縦断面図である。
最初に、図1を用いて、本実施形態による回転電機の全体構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による回転電機の全体構成を示す縦断面図である。
回転電機は、ロータ10と、ステータ20とを備えている。ロータ10は、クローポール型のU相ロータ10Uと、W相ロータ10Wと、V相ロータ10Vとの単位ロータが、3個図示するように、回転電機の軸方向に積層され、保持部材10Hによって保持固定されている。各相の単位ロータ10U,10V,10Wの構成については、図2を用いて後述する。ロータ10は、保持部材10Hを介して、中空シャフト60に固定されている。
ステータ20は、クローポール型のU相ステータ20Uと、W相ステータ20Wと、V相ステータ20Vとの単位ステータが、3個図示するように、回転電機の軸方向に積層され、保持部材20Hによって保持固定されている。各相の単位ステータ20U,20V,20Wの構成については、図2を用いて後述する。ステータ20は、保持部材20Hを介して、ハウジング70の内周側に固定されている。
ここで、クローポール型のU相ロータ10Uの回転軸方向の長さと、クローポール型のU相ステータ20Uの回転軸方向の長さとは、等しくなっている。また、クローポール型のW相ロータ10Wの回転軸方向の長さと、クローポール型のW相ステータ20Wの回転軸方向の長さとは、等しくなっている。さらに、クローポール型のV相ロータ10Vの回転軸方向の長さと、クローポール型のV相ステータ20Vの回転軸方向の長さとは、等しくなっている。したがって、ロータ及びステータの間の磁束の不均一を改善して、磁束を均一化することができる。その結果、出力トルクを大きくすることができる。
ハウジング70は、それの両端にフロントブラケット72F,リアブラケット72Rが固定されている。フロントブラケット72F及びリアブラケット72Rには、それぞれ、軸受61F,61Rが取り付けられ、中空シャフト60を回転可能に支持している。
ステータ20の内周側と、ロータ10の外周側の間には、1mm以下のギャップが設けられ、ロータ10は、ステータ20に対して回転可能となっている。
以上の構成は、インナーロータ型の回転電機の構成を示しているが、本実施形態は、アウターロータ型の回転電機に対しても適用できるものである。
次に、図2〜図7を用いて、本実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。図3は、本発明の第1の実施形態による回転電機に用いるロータとステータとの組立状態を示す斜視図である。図4は、本発明の第1の実施形態による回転電機に用いるロータを構成する単位ロータの構成を示す斜視図である。図5は、本発明の第1の実施形態による回転電機に用いるステータを構成する単位ステータの構成を示す分解斜視図である。図6は、本発明の第1の実施形態による回転電機に用いるロータを構成する単位ロータの構成を示す斜視図である。図7は、本発明の第1の実施形態による回転電機に用いるステータを構成する単位ステータの構成を示す分解斜視図である。なお、各図において、同一符号は同一部分を示し、また、図1と同一符号は、同一部分を示している。
図2は、本発明の第1の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。図3は、本発明の第1の実施形態による回転電機に用いるロータとステータとの組立状態を示す斜視図である。図4は、本発明の第1の実施形態による回転電機に用いるロータを構成する単位ロータの構成を示す斜視図である。図5は、本発明の第1の実施形態による回転電機に用いるステータを構成する単位ステータの構成を示す分解斜視図である。図6は、本発明の第1の実施形態による回転電機に用いるロータを構成する単位ロータの構成を示す斜視図である。図7は、本発明の第1の実施形態による回転電機に用いるステータを構成する単位ステータの構成を示す分解斜視図である。なお、各図において、同一符号は同一部分を示し、また、図1と同一符号は、同一部分を示している。
図2においては、ロータ10とステータ20とは回転軸方向に分解されて表示されているが、実際には図3のように組み合わされて使用される。
図2に示すように、ロータ10は、ロータコア11,12,13,14と、環状コイル31,32,33とから構成される。図1と対比して説明すると、ロータコア11と、ロータコア12の半分と、環状コイル31とによって、U相ロータ10Uが構成される。また、ロータコア12の残りの半分と、ロータコア13の半分と、環状コイル32とによって、W相ロータ10Wが構成される。さらに、ロータコア13の残りの半分と、ロータコア14と、環状コイル33とによって、V相ロータ10Vが構成される。
ステータ20は、ステータコア21,22,23,24と、環状コイル41,42,43とから構成される。図1と対比して説明すると、ステータコア21と、ステータコア22の半分と、環状コイル41とによって、U相ステータ20Uが構成される。また、ステータコア22の残りの半分と、ステータコア23の半分と、環状コイル42とによって、W相ステータ20Wが構成される。さらに、ステータコア23の残りの半分と、ステータコア24と、環状コイル43とによって、V相ステータ20Vが構成される。
次に、図4を用いて、本実施形態による回転電機に用いる単位ロータコアであるU相ロータ10Uの構成について説明する。なお、図4では、前記単位ロータの一部分を切り欠いて表示している。また、V相ロータ10V及びW相ロータ10Wの構成も同様である。各単位ロータ10U,10V,10Wが、軸方向に3個並置されて、ロータ10が構成される。
単位ロータであるU相ロータ10Uは、ロータコア11,12’と、環状コイル31とから構成される。ロータコア12’は、図2に示したロータコア12の半分に相当するものである。ロータコア11は、回転軸周りの環状ヨーク11Aと、環状ヨーク11Aの軸方向両端から径方向に伸びたティース11Bと、ティース11Bの先端に設けられ、環状コイル31に通電したときに周方向に交互に異極性に磁化されるクローポール11Aとからなる。また、ロータコア12’は、回転軸周りの環状ヨーク12Aと、環状ヨーク12Aの軸方向両端から径方向に伸びたティース12Bと、ティース12Bの先端に設けられ、環状コイル31に通電したときに周方向に交互に異極性に磁化されるクローポール12Aとからなる。これらのロータコア11,12’は、それぞれ、圧粉磁心により一体的に成形され、製造される。
環状コイル31は、ティース11B,12Bと環状ヨーク11A,12Aとに囲まれ領域に配設される。単位ロータ10Uの磁極数は、24である。環状コイル31は、予め、絶縁被覆の導線を所定ターン数分、リング状に巻回して、成形されている。環状コイル31は、平角線を用いて高密度に巻回するのが望ましいものである。
次に、図5を用いて、本実施形態による回転電機に用いるロータ10の組み立て工程について説明する。
ロータコア14に環状コイル33が挿入される。次に、ロータコア14にロータコア13を圧入することで、ロータコア14とロータコア13の間に環状コイル33が保持される。次に、ロータコア13に環状コイル32が挿入される。そして、ロータコア13にロータコア12を圧入することで、ロータコア13とロータコア12の間に環状コイル32が保持される。最後に、ロータコア12に環状コイル31が挿入される。そして、ロータコア12にロータコア11を圧入することで、ロータコア12とロータコア11の間に環状コイル31が保持される。
なお、ロータコア11,12,13,14は、さらに複数の部品に分割して成形したものを組み合わせて構成してもよいものである。
次に、図6を用いて、本実施形態による回転電機に用いる単位ステータコアであるU相ステータ20Uの構成について説明する。なお、図6では、前記単位ステータの一部分を切り欠いて表示している。また、V相ステータ20V及びW相ステータ20Wの構成も同様である。各単位ステータ20U,20V,20Wが、軸方向に3個並置されて、ステータ20が構成される。
単位ステータであるU相ステータ20Uは、ステータコア21,22’と、環状コイル31とから構成される。ステータコア22’は、図2に示したステータコア22の半分に相当するものである。ステータコア21は、回転軸周りの環状ヨーク21Aと、環状ヨーク21Aの軸方向両端から径方向に伸びたティース21Bと、ティース21Bの先端に設けられ、環状コイル41に通電したときに周方向に交互に異極性に磁化されるクローポール21Aとからなる。また、ステータコア22’は、回転軸周りの環状ヨーク22Aと、環状ヨーク22Aの軸方向両端から径方向に伸びたティース22Bと、ティース22Bの先端に設けられ、環状コイル41に通電したときに周方向に交互に異極性に磁化されるクローポール22Aとからなる。これらのステータコア21,22’は、それぞれ、圧粉磁心により一体的に成形され、製造される。
環状コイル41は、ティース21B,22Bと環状ヨーク21A,22Aとに囲まれ領域に配設される。単位ステータ20Uの磁極数は、24である。環状コイル41は、予め、絶縁被覆の導線を所定ターン数分、リング状に巻回して、成形されている。環状コイル41は、平角線を用いて高密度に巻回するのが望ましいものである。
次に、図7を用いて、本実施形態による回転電機に用いるステータ20の組み立て工程について説明する。
ステータコア24に環状コイル43が挿入される。次に、ステータコア24にステータコア23を圧入することで、ステータコア24とステータコア23の間に環状コイル43が保持される。次に、ステータコア23に環状コイル42が挿入される。そして、ステータコア23にステータコア22を圧入することで、ステータコア23とステータコア22の間に環状コイル42が保持される。最後に、ステータコア22に環状コイル41が挿入される。そして、ステータコア22にステータコア21を圧入することで、ステータコア22とステータコア21の間に環状コイル41が保持される。
なお、ステータコア21,22,23,24は、さらに複数の部品に分割して成形したものを組み合わせて構成してもよいものである。
さらに、図2に示したロータ10及びステータ20の構成において、環状コイル31及び環状コイル33に供給する電流の向きは、同じ向きであり、環状コイル32に供給する電流の向きは、それらとは逆向きになるようにする。ロータ10を構成する各単位ロータの同極性のクローポールは、電気角でα=30°(機械角でα/N=2.5°)ずつ周方向に変位している。ここで、2Nはステータの磁極数であり、図2に示す例では、N=12である。
一方、ステータ20を構成する各単位ステータの同極性のクローポールは、電気角でβ=−30°(機械角でβ/M=−2.5°)ずつ周方向に変位している。ここで、2Mはロータの磁極数であり、図2に示すでは、M=12である。したがって、|α―β|=60°である。すなわち、ステータ20の環状コイル41,42,43の属性は、環状コイル41をU相とすると、前記環状コイル42は−W相(結線の向きを反転させればW相)、環状コイル43はV相となる。
ここで、α+β=0とすることで、段間,すなわち、U相ロータ11とW相ロータ12の間及びU相ステータ21とW相ステータ22の間における磁束の漏れを小さくすることができる。したがって、磁束の漏れを小さくできる分、出力トルクを大きくできる。
クローポール型のロータを用いる場合、問題となるのは、高速回転した時、ロータのクローポール(爪型磁極の爪部分)の遠心力による起きあがりである。爪部分の回転軸方向の長さが長いほど、起きあがりやすくなる。従って、ロータを単一のクローポール型のロータとした場合に比べて、図1や図2に示すように、クローポール型の単位ロータを、軸方向に3個並置してロータを構成した場合、クローポールの爪部分の回転軸方向の爪部分の長さを、略1/3とすることができる。したがって、遠心力も小さくなるため、爪部分の元の部分の半径方向の肉厚を薄くできる。結果として、ロータのコアの半径方向の厚さ(図4において、(クローポール11C,112Cの外側の径)−(環状コア11A,12Aの内側の径))を薄くできるので、図4に示すように、ロータ10の内径側に空間を設けることができる。すなわち、半径方向に肉厚が薄いロータとすることができる。この空間内には、減速機などの機構部を配置することができる。
本実施形態によれば、クローポールの形状をロータとステータとでほぼ同じにすることができ、磁気回路が短く閉じると同時に漏れ磁束が減少するので、ロータ及びステータの間の磁束の不均一を改善して、磁束を均一化することができる。したがって、出力トルクを大きくすることができる。
また、クローポールの爪部分の回転軸方向の爪部分の長さを短くできることから、ロータのコアの半径方向の厚さが薄い肉薄のロータとすることができ、この空間内には、減速機などの機構部を配置することができる。
さらに、ロータコイルが環状であり、コイルエンドがないことから、ジュール損失が減少すると共に、ロータが小型・軽量になる。また巻線作業が簡単になるので、生産性が向上する。また、ステータコイルが環状であり、コイルエンドがないことから、ジュール損失が減少すると共にステータが小型・軽量になる。また巻線作業が簡単になるので生産性が向上する。
また、ロータを構成する各単位ロータ間、及びステータを構成する各単位ステータ間の双方において、同極性のクローポール位置を所定の角度ずつ周方向に変位させることで、ロータとステータの一方のみを変位させるよりも、変位させる角度の絶対値が小さくなる。それにより漏れ磁束が減少するので、トルクが増加する。並置された3個の単位ロータの内、隣接する単位ロータの同極性のクローポール位置が電気角でα°ずつ周方向に変位しており、並置された3個の単位ステータの内、隣接する単位ステータのクローポール位置が電気角でβ°ずつ周方向に変位しており、|α―β|=60°とすることで、並置された3個の単位ロータの内、隣接する単位ロータの同極性のクローポール位置が電気角でα°ずつ周方向に変位しており、並置された3個の単位ステータの内、隣接する単位ステータのクローポール位置が電気角でβ°ずつ周方向に変位しており、|α―β|=120°とした場合に比べて、変位させる角度の絶対値が小さくなるので、段間の磁束の漏れをより小さくできる。
さらに、各単位ブロック間に空隙を設けることで、この空隙に各種歯車を設置するといったように、空間配置の自由度を高めることができる。
また、ロータやステータのクローポールを圧粉磁心で制作することにより、多極化や偏平化が可能になる。それによりロータの内側が広く開けられるので、ロータコイルに電力を供給するためのブラシや各種歯車を設置するなどして回転電機全体を小型化できる。また材料の特長として渦電流損が減るので、効率が向上する。
さらに、ロータコイルやステータコイルに平角線を用いることで、巻線さらに高密度に巻回することが可能になり、効率が向上する。
また、ロータの互いに異極性のクローポール間に永久磁石を備えることで、ロータの互いに異極性のクローポール間の漏れ磁場が減少するので、トルクがさらに増加する。
また、永久磁石をボンド磁石とし、圧粉鉄心で制作されるクローポールと二色一体で圧縮成形することで、組み立てに要する部品数が減るので、生産性が向上する。
次に、図8を用いて、本発明の第2の実施形態による回転電機の構成について説明する。なお、本実施形態による回転電機の全体構成は、図1に示したものと同様である。
図8は、本発明の第2の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。
図8は、本発明の第2の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。
ロータ10Aは、ロータコア11,12A,13A,14Aと、環状コイル31,32,33とから構成される。ステータ20Aは、ステータコア21,22A,23A,24Aと、環状コイル41,42,43とから構成される。
ここで、ロータ10Aを構成する各単位ロータの同極性のクローポールは、周方向に一致しており、α=0°である。ステータ20を構成する各単位ステータの同極性のクローポールは、電気角でβ=−60°(機械角でβ/M=−5°)ずつ周方向に変位している。したがって、図2に示した実施形態と同様に|α―β|=60°である。すなわち、ステータの環状コイル41,42,43の属性は、環状コイル41をU相とすると、環状コイル42は−W相(結線の向きを反転させればW相)、前記環状コイル43はV相となる。
本実施形態においても、ロータ及びステータの間の磁束の不均一を改善して、磁束を均一化することができ、出力トルクを大きくすることができる。
また、クローポールの爪部分の回転軸方向の爪部分の長さを短くできることから、ロータのコアの半径方向の厚さが薄い肉薄のロータとすることができ、この空間内には、減速機などの機構部を配置することができる。
次に、図9を用いて、本発明の第3の実施形態による回転電機の構成について説明する。なお、本実施形態による回転電機の全体構成は、図1に示したものと同様である。
図9は、本発明の第3の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。
図9は、本発明の第3の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。
ロータ10Bは、ロータコア11,12B,13B,14Bと、環状コイル31,32,33とから構成される。ステータ20Bは、ステータコア21,22B,23B,24Bと、環状コイル41,42,43とから構成される。
ここで、ロータ10Bを構成する各単位ロータの同極性のクローポールは、電気角でα=60°ずつ周方向に変位している。ステータ20を構成する各単位ステータの同極性のクローポールは、電気角でβ=−60°(機械角でβ/M=−5°)ずつ周方向に変位している。したがって、図2に示した実施形態とは異なり、|α―β|=120°である。すなわち、ステータの環状コイル41,42,43の属性は、環状コイル41をU相とすると、環状コイル42はV相、前記環状コイル43はW相となる。
本実施形態では、|α―β|=120°であるので、図2や図8に示したような|α―β|=60°のものに比べて、段間,すなわち、U相ロータ11とV相ロータ12の間及びU相ステータ21とV相ステータ22の間における磁束の漏れの程度は若干大きくなる。それでも、ロータを3段積み重ねたものでなく、単一のクローポール型ロータとした場合に比べると、磁束の不均一を改善できるため、出力トルクを大きくできる。
本実施形態においても、ロータ及びステータの間の磁束の不均一を改善して、磁束を均一化することができ、出力トルクを大きくすることができる。
また、クローポールの爪部分の回転軸方向の爪部分の長さを短くできることから、ロータのコアの半径方向の厚さが薄い肉薄のロータとすることができ、この空間内には、減速機などの機構部を配置することができる。
次に、図10を用いて、本発明の第4の実施形態による回転電機の構成について説明する。なお、本実施形態による回転電機の全体構成は、図1に示したものと同様である。
図10は、本発明の第4の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。
図10は、本発明の第4の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。
ロータ10Cは、ロータコア11,12C,13C,14Cと、環状コイル31,32,33とから構成される。ステータ20Cは、ステータコア21,22C,23C,24Cと、環状コイル41,42,43とから構成される。
ここで、ロータ10Cを構成する各単位ロータの同極性のクローポールは、図8の例と同じように、周方向に一致しており、α=0°である。ステータ20を構成する各単位ステータの同極性のクローポールは、電気角でβ=−120°ずつ周方向に変位している。したがって、図9に示した実施形態と同様に、|α―β|=120°である。すなわち、ステータの環状コイル41,42,43の属性は、環状コイル41をU相とすると、環状コイル42はV相、前記環状コイル43はW相となる。
本実施形態では、|α―β|=120°であるので、図2や図8に示したような|α―β|=60°のものに比べて、段間,すなわち、U相ロータ11とV相ロータ12の間及びU相ステータ21とV相ステータ22の間における磁束の漏れの程度は若干大きくなる。それでも、ロータを3段積み重ねたものでなく、単一のクローポール型ロータとした場合に比べると、磁束の不均一を改善できるため、出力トルクを大きくできる。
本実施形態においても、ロータ及びステータの間の磁束の不均一を改善して、磁束を均一化することができ、出力トルクを大きくすることができる。
また、クローポールの爪部分の回転軸方向の爪部分の長さを短くできることから、ロータのコアの半径方向の厚さが薄い肉薄のロータとすることができ、この空間内には、減速機などの機構部を配置することができる。
次に、図11を用いて、本発明の第5の実施形態による回転電機の構成について説明する。なお、本実施形態による回転電機の全体構成は、図1に示したものと同様である。
図11は、本発明の第5の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。
図11は、本発明の第5の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。
本実施形態では、ロータ10Dは、U相単位ロータ10Uと、W相単位ロータ10Wと、V相単位ロータ10Vとから構成される。各単位ロータ10U,10V,10Wの構成は、図4に示したようなものである。ステータ20Dは、U相単位ステータ20Uと、W相単位ステータ20Wと、V相単位ステータ20Vとから構成される。各単位ステータ20U,20V,20Wの構成は、図6に示したようなものである。
ここで、各単位ロータ10U,10W,10Vは、回転電機の回転軸方向に3個並置されるとともに、単位ロータ10Uと単位ロータ10Wの間には、磁気的空隙MGA1が形成され、また、単位ロータ10Wと単位ロータ10Vの間には、磁気的空隙MGA2が形成されている。磁気的空隙MGA1,MGA2は、例えば、ギャップ長1mm程度の空隙である。なお、この空隙の間にワニスのような樹脂材からなる非磁性体を充填してもよいものである。
また、各単位ステータ20U,20W,20Vは、回転電機の回転軸方向に3個並置されるとともに、単位ステータ20Uと単位ステータ20Wの間には、磁気的空隙MGA1が形成され、また、単位ステータ20Wと単位ステータ20Vの間には、磁気的空隙MGA2が形成されている。磁気的空隙MGA1,MGA2は、例えば、ギャップ長1mm程度の空隙である。なお、この空隙の間にワニスのような樹脂材からなる非磁性体を充填してもよいものである。
上記のように、ロータの各単位ロータの間、及びステータの各単位ステータの間に磁気的空隙を設けることで、段間の磁束の漏れを小さくすることができ、したがって、出力トルクを大きくできる。
本実施形態においても、ロータ及びステータの間の磁束の不均一を改善して、磁束を均一化することができ、出力トルクを大きくすることができる。
また、クローポールの爪部分の回転軸方向の爪部分の長さを短くできることから、ロータのコアの半径方向の厚さが薄い肉薄のロータとすることができ、この空間内には、減速機などの機構部を配置することができる。
次に、図12を用いて、本発明の第6の実施形態による回転電機の構成について説明する。なお、本実施形態による回転電機の全体構成は、図1に示したものと同様である。
図12は、本発明の第6の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。
図12は、本発明の第6の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。
本実施形態では、ロータ10Eは、U相単位ロータ10Uと、W相単位ロータ10Wと、V相単位ロータ10Vとから構成される。各単位ロータ10U,10V,10Wの構成は、図4に示したようなものである。ステータ20Eは、U相単位ステータ20Uと、W相単位ステータ20Wと、V相単位ステータ20Vとから構成される。各単位ステータ20U,20V,20Wの構成は、図6に示したようなものである。
ここで、各単位ロータ10U,10W,10Vは、回転電機の回転軸方向に3個並置されるとともに、単位ロータ10Uと単位ロータ10Wの間には、磁気的空隙MGA3が形成され、また、単位ロータ10Wと単位ロータ10Vの間には、磁気的空隙MGA2が形成されている。磁気的空隙MGA3は、例えば、ギャップ長が数十mm程度の空隙である。磁気的空隙MGA1は、例えば、ギャップ長1mm程度の空隙である。なお、この空隙の間にワニスのような樹脂材からなる非磁性体を充填してもよいものである。
また、各単位ステータ20U,20W,20Vは、回転電機の回転軸方向に3個並置されるとともに、単位ステータ20Uと単位ステータ20Wの間には、磁気的空隙MGA3が形成され、また、単位ステータ20Wと単位ステータ20Vの間には、磁気的空隙MGA2が形成されている。磁気的空隙MGA3は、例えば、ギャップ長が数十mm程度の空隙である。磁気的空隙MGA1は、例えば、ギャップ長1mm程度の空隙である。なお、この空隙の間にワニスのような樹脂材からなる非磁性体を充填してもよいものである。
磁気的空隙MGA3は、数十mmの空隙であるため、この空隙内に、歯車等の機構部品を配置することもできる。
上記のように、ロータの各単位ロータの間、及びステータの各単位ステータの間に磁気的空隙を設けることで、段間の磁束の漏れを小さくすることができ、したがって、出力トルクを大きくできる。
本実施形態においても、ロータ及びステータの間の磁束の不均一を改善して、磁束を均一化することができ、出力トルクを大きくすることができる。
また、クローポールの爪部分の回転軸方向の爪部分の長さを短くできることから、ロータのコアの半径方向の厚さが薄い肉薄のロータとすることができ、この空間内には、減速機などの機構部を配置することができる。
次に、図13及び図14を用いて、本発明の第7の実施形態による回転電機の構成について説明する。なお、本実施形態による回転電機の全体構成は、図1に示したものと同様である。
図13は、本発明の第7の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。図14は、本発明の第7の実施形態による回転電機に用いるロータの構成を示す要部展開図である。
図13は、本発明の第7の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。図14は、本発明の第7の実施形態による回転電機に用いるロータの構成を示す要部展開図である。
ロータ10Fは、図2に示したロータ10と同様に、ロータコア11,12,13,14と、環状コイル31,32,33とから構成される。図1と対比して説明すると、ロータコア11と、ロータコア12の半分と、環状コイル31とによって、U相ロータ10Uが構成される。また、ロータコア12の残りの半分と、ロータコア13の半分と、環状コイル32とによって、W相ロータ10Wが構成される。さらに、ロータコア13の残りの半分と、ロータコア14と、環状コイル33とによって、V相ロータ10Vが構成される。
さらに、本実施形態では、ロータ10Fの互いに異極性のクローポール11C,12Cの間に、永久磁石50が配置されている。本実施例では、ロータ全体で計72箇所に永久磁石50が配置されている。永久磁石50は、クローポール18間の漏れ磁場を打ち消すような向きに着磁されている。すなわち、図14に示すように、クローポール12CがS極で、クローポール11CがN極の場合、クローポール11C,12Cに挟まれた位置の永久磁石50は、クローポール12Cと接する側がS極となり、クローポール11Cと接する側がN極となるように着磁される。
一方、ステータ20は、図2に示したステータ20と同じであり、ステータコア21,22,23,24と、環状コイル41,42,43とから構成される。図1と対比して説明すると、ステータコア21と、ステータコア22の半分と、環状コイル41とによって、U相ステータ20Uが構成される。また、ステータコア22の残りの半分と、ステータコア23の半分と、環状コイル42とによって、W相ステータ20Wが構成される。さらに、ステータコア23の残りの半分と、ステータコア24と、環状コイル43とによって、V相ステータ20Vが構成される。
本実施形態では、異極のクローポール間に、クローポール11C,12C間の漏れ磁場を打ち消すような向きに着磁された永久磁石を配置することで、段間の漏れ磁束を低減でき、出力トルクを大きくすることができる。
ここで、ロータコア11,12,13,14を圧粉磁心で製作する場合は、永久磁石50をボンド磁石で製作し、かつロータコア11,12,13,14のいずれかと二色一体で圧縮成形することで、生産性を向上することができる。
本実施形態においても、ロータ及びステータの間の磁束の不均一を改善して、磁束を均一化することができ、出力トルクを大きくすることができる。
また、クローポールの爪部分の回転軸方向の爪部分の長さを短くできることから、ロータのコアの半径方向の厚さが薄い肉薄のロータとすることができ、この空間内には、減速機などの機構部を配置することができる。
さらに、ロータコアと永久磁石の二色一体の圧縮成形により、生産性を向上することができる。
次に、図15を用いて、本発明の第8の実施形態による回転電機の構成について説明する。なお、本実施形態による回転電機の全体構成は、図1に示したものと同様である。
図15は、本発明の第8の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。
図15は、本発明の第8の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。
ロータ10Gは、図2に示したロータ10と同様に、ロータコア11G,12G,13G,14Gと、環状コイル31,32,33とから構成される。図1と対比して説明すると、ロータコア11Gと、ロータコア12Gの半分と、環状コイル31とによって、U相ロータ10Uが構成される。また、ロータコア12Gの残りの半分と、ロータコア13Gの半分と、環状コイル32とによって、W相ロータ10Wが構成される。さらに、ロータコア13Gの残りの半分と、ロータコア14Gと、環状コイル33とによって、V相ロータ10Vが構成される。本実施形態では、図2の例と異なり、ロータの磁極数は12としている。
さらに、本実施形態では、ロータ10Gの互いに異極性のクローポールの間に、永久磁石50が配置されている。本実施例では、ロータ全体で計36箇所に永久磁石50が配置されている。永久磁石50は、クローポール間の漏れ磁場を打ち消すような向きに着磁されている。
一方、ステータ20Gは、図2に示したステータ20と同様に、ステータコア21G,22G,23G,24Gと、環状コイル41,42,43とから構成される。図1と対比して説明すると、ステータコア21Gと、ステータコア22Gの半分と、環状コイル41とによって、U相ステータ20Uが構成される。また、ステータコア22Gの残りの半分と、ステータコア23Gの半分と、環状コイル42とによって、W相ステータ20Wが構成される。さらに、ステータコア23Gの残りの半分と、ステータコア24Gと、環状コイル43とによって、V相ステータ20Vが構成される。本実施形態では、図2の例と異なり、ステータの磁極数は12としている。磁極数は、要求される回転数やトルク、電源電圧などから適宜選択される。
本実施形態では、異極のクローポール間に、クローポール間の漏れ磁場を打ち消すような向きに着磁された永久磁石を配置することで、段間の漏れ磁束を低減でき、出力トルクを大きくすることができる。
ここで、ロータコアを圧粉磁心で製作する場合は、永久磁石50をボンド磁石で製作し、かつロータコアのいずれかと二色一体で圧縮成形することで、生産性を向上することができる。
本実施形態においても、ロータ及びステータの間の磁束の不均一を改善して、磁束を均一化することができ、出力トルクを大きくすることができる。
また、クローポールの爪部分の回転軸方向の爪部分の長さを短くできることから、ロータのコアの半径方向の厚さが薄い肉薄のロータとすることができ、この空間内には、減速機などの機構部を配置することができる。
次に、図16を用いて、本発明の第9の実施形態による回転電機の構成について説明する。なお、本実施形態による回転電機の全体構成は、図1に示したものと同様である。
図16は、本発明の第9の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。
図16は、本発明の第9の実施形態による回転電機に用いるロータとステータの構成を示す分解斜視図である。
ロータ10Hは、図2に示したロータ10と同様に、ロータコア11H,12H,13H,14Hと、環状コイル31,32,33とから構成される。図1と対比して説明すると、ロータコア11Hと、ロータコア12Hの半分と、環状コイル31とによって、U相ロータ10Uが構成される。また、ロータコア12Hの残りの半分と、ロータコア13Hの半分と、環状コイル32とによって、W相ロータ10Wが構成される。さらに、ロータコア13Hの残りの半分と、ロータコア14Hと、環状コイル33とによって、V相ロータ10Vが構成される。本実施形態では、図2の例と異なり、ロータの磁極数は48としている。
さらに、本実施形態では、ロータ10Hの互いに異極性のクローポールの間に、永久磁石50が配置されている。本実施例では、ロータ全体で計144箇所に永久磁石50が配置されている。永久磁石50は、クローポール間の漏れ磁場を打ち消すような向きに着磁されている。
一方、ステータ20Hは、図2に示したステータ20と同様に、ステータコア21H,22H,23H,24Hと、環状コイル41,42,43とから構成される。図1と対比して説明すると、ステータコア21Hと、ステータコア22Hの半分と、環状コイル41とによって、U相ステータ20Uが構成される。また、ステータコア22Hの残りの半分と、ステータコア23Hの半分と、環状コイル42とによって、W相ステータ20Wが構成される。さらに、ステータコア23Hの残りの半分と、ステータコア24Hと、環状コイル43とによって、V相ステータ20Vが構成される。本実施形態では、図2の例と異なり、ステータの磁極数は48としている。磁極数は、要求される回転数やトルク、電源電圧などから適宜選択される。
本実施形態では、異極のクローポール間に、クローポール間の漏れ磁場を打ち消すような向きに着磁された永久磁石を配置することで、段間の漏れ磁束を低減でき、出力トルクを大きくすることができる。
ここで、ロータコアを圧粉磁心で製作する場合は、永久磁石50をボンド磁石で製作し、かつロータコアのいずれかと二色一体で圧縮成形することで、生産性を向上することができる。
本実施形態においても、ロータ及びステータの間の磁束の不均一を改善して、磁束を均一化することができ、出力トルクを大きくすることができる。
また、クローポールの爪部分の回転軸方向の爪部分の長さを短くできることから、ロータのコアの半径方向の厚さが薄い肉薄のロータとすることができ、この空間内には、減速機などの機構部を配置することができる。
次に、図17を用いて、本発明の各実施形態による回転電機を用いた電動車両の一つであるハイブリッド電気自動車の電機駆動システムの構成について説明する。
図17は、本発明の各実施形態による回転電機を用いた電動車両の一つであるハイブリッド電気自動車の電機駆動システムを示すブロック図である。
図17は、本発明の各実施形態による回転電機を用いた電動車両の一つであるハイブリッド電気自動車の電機駆動システムを示すブロック図である。
図において、100は回転電機であり、図1及び図2若しくは、図8〜図13,図15,図16に示された回転電機に加えて、減速機や差動装置から構成される。
本実施形態のハイブリッド電気自動車は、内燃機関であるエンジンENとモータ・ジェネレータMGによって前輪WH−Fを、回転電機100の電動機によって後輪WH−Rをそれぞれ駆動するように構成された四輪駆動式のものである。尚、本実施形態では、エンジンENとモータ・ジェネレータMGによって前輪WH−Fを、回転電機100の電動機によって後輪WH−Rをそれぞれ駆動する場合について説明するが、エンジンENとモータ・ジェネレータMGによって後輪WH−Rを、回転電機100の電動機によって前輪WH−Fをそれぞれ駆動するようにしてもよい。
前輪WH−Fの前輪車軸DS−Fには差動装置(図示省略)を介して変速機TMが機械的に接続されている。変速機TMには出力制御機構(図示省略)を介してエンジンENとモータ・ジェネレータMGが機械的に接続されている。出力制御機構(図示省略)は、回転出力の合成や分配を司る機構である。モータ・ジェネレータMGの固定子巻線にはインバータINVの交流側が電気的に接続されている。インバータINVは、直流電力を三相交流電力に変換する電力変換装置であり、モータ・ジェネレータMGの駆動を制御するものである。インバータINVの直流側にはバッテリBAが電気的に接続されている。
後輪WH−Rの後輪車軸DS−R1,DS−R2には回転電機100の差動装置の出力軸の端部が機械的に接続されている。回転電機100の電動機の固定子巻線にはインバータINVの交流側が電気的に接続されている。ここで、インバータINVはモータ・ジェネレータMGと回転電機100の電動機に対して共用のものであり、モータ・ジェネレータMG用の変換回路部と、回転電機100の電動機の変換回路部と、それらを駆動するための駆動制御部とを有する。
ハイブリッド電気自動車の始動時及び低速走行時(エンジンENの運転効率(燃費)が低下する走行領域)は、モータ・ジェネレータMGによって前輪WH−Fを駆動する。尚、本実施形態では、ハイブリッド電気自動車5の始動時及び低速走行時、モータ・ジェネレータMGによって前輪WH−Fを駆動する場合について説明するが、モータ・ジェネレータMGによって前輪WH−Fを駆動し、回転電機100の電動機によって後輪WH−Rを駆動するようにしてもよい(四輪駆動走行をしてもよい)。インバータINVにはバッテリBAから直流電力が供給される。供給された直流電力はインバータINVによって三相交流電力に変換される。これによって得られた三相交流電力はモータ・ジェネレータMGの固定子巻線に供給される。これにより、モータ・ジェネレータMGは駆動され、回転出力を発生する。この回転出力は出力制御機構(図示省略)を介して変速機TMに入力される。入力された回転出力は変速機TMによって変速され、差動装置(図示省略)に入力される。入力された回転出力は差動装置(図示省略)によって左右に分配され、前輪WH−Fの一方における前輪車軸DS−Fと前輪WH−Fの他方における前輪車軸DS−Fにそれぞれ伝達される。これにより、前輪車軸DS−Fが回転駆動される。そして、前輪車軸DS−Fの回転駆動によって前輪WH−Fが回転駆動される。
ハイブリッド電気自動車の通常走行時(乾いた路面を走行する場合であって、エンジンENの運転効率(燃費)が良い走行領域)は、エンジンENによって前輪WH−Fを駆動する。このため、エンジンENの回転出力は出力制御機構(図示省略)を介して変速機TMに入力される。入力された回転出力は変速機TMによって変速される。変速された回転出力は差動装置(図示省略)を介して前輪車軸DS−Fに伝達される。これにより、前輪WH−Fが回転駆動される。また、バッテリBAの充電状態を検出し、バッテリBAを充電する必要がある場合は、エンジンENの回転出力を、出力制御機構(図示省略)を介してモータ・ジェネレータMGに分配し、モータ・ジェネレータMGを回転駆動する。これにより、モータ・ジェネレータMGは発電機として動作する。この動作により、モータ・ジェネレータMGの固定子巻線に三相交流電力が発生する。この発生した三相交流電力はインバータINVによって所定の直流電力に変換される。この変換によって得られた直流電力はバッテリBAに供給される。これにより、バッテリBAは充電される。
ハイブリッド電気自動車の四輪駆動走行時(雪道などの低μ路を走行する場合であって、エンジンENの運転効率(燃費)が良い走行領域)は、回転電機100の電動機によって後輪WH−Rを駆動する。また、上記通常走行と同様に、エンジン1によって前輪WH−Fを駆動する。さらに、回転電機100の電動機の駆動によってバッテリBAの蓄電量が減少するので、上記通常走行と同様に、エンジンENの回転出力によってモータ・ジェネレータMGを回転駆動してバッテリBAを充電する。回転電機100の電動機によって後輪WH−Rを駆動するめに、インバータINVにはバッテリBAから直流電力が供給される。供給された直流電力はインバータINVによって三相交流電力に変換され、この変換によって得られた交流電力が回転電機100の固定子巻線に供給される。これにより、回転電機100の電動機は駆動され、回転出力を発生する。発生した回転出力は、回転電機100の減速機によって減速され、回転電機100の差動装置の入力される。入力された回転出力は回転電機100の差動装置によって左右に分配され、後輪WH−Rの一方における後輪車軸DS−R1,DS−R2と後輪WH−Rの他方における後輪車軸DS−R1,DS−R2にそれぞれ伝達される。これにより、後輪車軸DS−F4回転駆動される。そして、後輪車軸DS−R1,DS−R2の回転駆動によって後輪WH−Rが回転駆動される。
ハイブリッド電気自動車の加速時は、エンジンENとモータ・ジェネレータMGによって前輪WH−Fを駆動する。尚、本実施形態では、ハイブリッド電気自動車の加速時、エンジンENとモータ・ジェネレータMGによって前輪WH−Fを駆動する場合について説明するが、エンジンENとモータ・ジェネレータMGによって前輪WH−Fを駆動し、回転電機100の電動機によって後輪WH−Rを駆動するようにしてもよい(四輪駆動走行をしてもよい)。エンジンENとモータ・ジェネレータの回転出力は出力制御機構(図示省略)を介して変速機TMに入力される。入力された回転出力は変速機TMによって変速される。変速された回転出力は差動装置(図示省略)を介して前輪車軸DS−Fに伝達される。これにより、前輪WH−Fが回転駆動される。
ハイブリッド電気自動車の回生時(ブレーキを踏み込み時,アクセルの踏み込みを緩めた時或いはアクセルの踏み込みを止めた時などの減速時)は、前輪WH−Fの回転出力を前輪車軸DS−F,差動装置(図示省略)、変速機TM、出力制御機構(図示省略)を介してモータ・ジェネレータMGに伝達し、モータジェネレータMGを回転駆動する。これにより、モータ・ジェネレータMGは発電機として動作する。この動作により、モータ・ジェネレータMGの固定子巻線に三相交流電力が発生する。この発生した三相交流電力はインバータINVによって所定の直流電力に変換される。この変換によって得られた直流電力はバッテリBAに供給される。これにより、バッテリBAは充電される。一方、後輪WH−Rの回転出力を後輪車軸DS−R1,DS−R2,回転電機100の差動装置、回転電機100の減速機を介して回転電機100の電動機に伝達し、回転電機100の電動機を回転駆動する。これにより、回転電機100の電動機は発電機として動作する。この動作により、回転電機100の電動機の固定子巻線に三相交流電力が発生する。この発生した三相交流電力はインバータINVによって所定の直流電力に変換される。この変換によって得られた直流電力はバッテリBAに供給される。これにより、バッテリBAは充電される。
また、モータ・ジェネレータMGとしては、回転電機100と同じ構成のものを用いることができる。モータ・ジェネレータMGは、エンジンENと変速機TMの間に配置されるので、ここで、モータ・ジェネレータMGの構成を、回転電機100と同じ構成とすることで、回転電機100はコイルエンドがないため、より扁平にでき、小型化に寄与できる。
次に、図18を用いて、本発明の各実施形態による回転電機を用いた電動車両の一つである電気自動車の電機駆動システムの構成について説明する。
図18は、本発明の各実施形態による回転電機を用いた電動車両の一つである電気自動車の電機駆動システムを示すブロック図である。
図18は、本発明の各実施形態による回転電機を用いた電動車両の一つである電気自動車の電機駆動システムを示すブロック図である。
図において、100は回転電機であり、図1及び図2若しくは、図8〜図13,図15,図16に示された回転電機に加えて、減速機や差動装置から構成される。
回転電機100の差動装置の出力軸の端部には前輪WH−Fの前輪車軸DS−F1,DS−F2が機械的に接続されている。これにより、回転電機100の電動機の出力は前輪車軸DS−F1,DS−F2に伝達されて前輪車軸DS−F1,DS−F2を回転駆動する。そして、前輪車軸DS−F1,DS−F2の回転駆動によって前輪WH−Fが回転駆動させ、図示する構成の電気自動車が駆動される。尚、本実施形態では、回転電機100によって前輪車軸DS−F1,DS−F2を回転駆動して前輪WH−Fを回転駆動する場合について説明するが、回転電機100によって後輪車軸4を回転駆動して後輪WH−Rを回転駆動するようにしてもよい。回転電機100の電動機の固定子巻線にはインバータINVの交流側が電気的に接続されている。インバータINVは、直流電力を三相交流電力に変換する電力変換装置であり、回転電機100の電動機の駆動を制御するものである。インバータINVの直流側にはバッテリBAが電気的に接続されている。
電気自動車の力行時(始動時、走行時、加速時など)は、回転電機100の電動機によって前輪WH−Fを駆動する。このため、インバータINVにはバッテリBAから直流電力が供給される。供給された直流電力はインバータINVによって三相交流電力に変換される。これによって得られた三相交流電力は回転電機100の電動機の固定子巻線に供給される。これにより、回転電機100の電動機は駆動され、回転出力を発生する。この回転出力は回転電機100の減速機によって減速され、回転電機100の差動装置に入力される。入力された回転出力は回転電機100の差動装置によって左右に分配され、前輪WH−Fの一方における前輪車軸DS−F1,DS−F2と前輪WH−Fの他方における前輪車軸DS−F1,DS−F2にそれぞれ伝達される。これにより、前輪車軸DS−F1,DS−F2が回転駆動される。そして、前輪車軸DS−F1,DS−F2の回転駆動によって前輪WH−Fが回転駆動される。
電気自動車の回生時(ブレーキを踏み込み時,アクセルの踏み込みを緩めた時或いはアクセルの踏み込みを止めた時などの減速時)は、前輪WH−Fの回転出力を前輪車軸DS−F1,DS−F2,回転電機100の差動装置、回転電機100の減速機を介して回転電機100の電動機に伝達し、回転電機100の電動機を回転駆動する。これにより、回転電機100の電動機は発電機として動作する。この動作により、回転電機100の電動機の固定子巻線に三相交流電力が発生する。この発生した三相交流電力はインバータINVによって所定の直流電力に変換される。この変換によって得られた直流電力はバッテリBAに供給される。これにより、バッテリBAは充電される。
本実施形態の電機駆動システムによれば、前述したいずれかの実施形態に記載の回転電機、すなわち減速機のトルクの伝達効率が高い回転電機を備えているので、電気自動車を効率よく駆動させることができ、一充電当りの走行距離を向上させることができる。また、本実施形態の電機駆動システムによれば、コンパクトな回転電機を備えているので、車両への搭載省スペース化を図ることができるので、車両の小型化,軽量化及び低コスト化に寄与することができる。
次に、図19を用いて、本発明の各実施形態による回転電機をインホイールモータ/ジェネレータとして用いた場合の電気自動車の構成について説明する。
図19は、本発明の各実施形態による回転電機をインホイールモータ/ジェネレータとして用いた場合の電気自動車の構成を示すブロック図である。
図19は、本発明の各実施形態による回転電機をインホイールモータ/ジェネレータとして用いた場合の電気自動車の構成を示すブロック図である。
車両は、左前輪WH−FLと、右前輪WH−FRと、左後輪WH−RLと、右後輪WH−RRとを備えている。各車輪WH−FL,WH−FR,WH−RL,WH−RRには、インホイールモータ/ジェネレータとして用いられる回転電機100FL,100FR,100RL,100RRが備えられている。回転電機100FL,100FR,100RL,100RRは、図1及び図2若しくは、図8〜図13,図15,図16に示された回転電機に加えて、中空シャフトの内部に設けられた減速機を備えている。
回転電機100FL,100FR,100RL,100RRの減速機の出力軸の端部には、左前輪WH−FL,右前輪WH−FR,左後輪WH−RL,右後輪WH−RRが、それぞれ、機械的に接続されている。これにより、回転電機100FL,100FR,100RL,100RRの電動機の出力は、左前輪WH−FL,右前輪WH−FR,左後輪WH−RL,右後輪WH−RRに伝達され、これらを回転駆動させ、図示する構成の電気自動車が駆動される。回転電機100FL,100FR,100RL,100RRの電動機の固定子巻線にはインバータINVの交流側が電気的に接続されている。インバータINVは、直流電力を三相交流電力に変換する電力変換装置であり、回転電機100FL,100FR,100RL,100RRの電動機の駆動を制御するものである。インバータINVの直流側にはバッテリBAが電気的に接続されている。
電気自動車の力行時(始動時、走行時、加速時など)は、回転電機100FL,100FR,100RL,100RRの電動機によって前輪WH−Fを駆動する。このため、インバータINVにはバッテリBAから直流電力が供給される。供給された直流電力はインバータINVによって三相交流電力に変換される。これによって得られた三相交流電力は回転電機100FL,100FR,100RL,100RRの電動機の固定子巻線に供給される。これにより、回転電機100の電動機は駆動され、回転出力を発生する。この回転出力は回転電機100FL,100FR,100RL,100RRの減速機によって減速され、左前輪WH−FL,右前輪WH−FR,左後輪WH−RL,右後輪WH−RRが回転駆動される。
電気自動車の回生時(ブレーキを踏み込み時,アクセルの踏み込みを緩めた時或いはアクセルの踏み込みを止めた時などの減速時)は、左前輪WH−FL,右前輪WH−FR,左後輪WH−RL,右後輪WH−RRの回転出力は、回転電機100FL,100FR,100RL,100RRの減速機を介して回転電機100FL,100FR,100RL,100RRの電動機に伝達し、回転電機100FL,100FR,100RL,100RRの電動機を回転駆動する。これにより、回転電機100FL,100FR,100RL,100RRの電動機は発電機として動作する。この動作により、回転電機100FL,100FR,100RL,100RRの電動機の固定子巻線に三相交流電力が発生する。この発生した三相交流電力はインバータINVによって所定の直流電力に変換される。この変換によって得られた直流電力はバッテリBAに供給される。これにより、バッテリBAは充電される。
本実施形態の電機駆動システムによれば、前述したいずれかの実施形態に記載の回転電機、すなわち減速機のトルクの伝達効率が高い回転電機を備えているので、電気自動車を効率よく駆動させることができ、一充電当りの走行距離を向上させることができる。また、本実施形態の電機駆動システムによれば、コンパクトな回転電機を備えているので、車両への搭載省スペース化を図ることができるので、車両の小型化,軽量化及び低コスト化に寄与することができる。
Claims (10)
- ステータコアとステータコイルとを有するステータと、ロータコアとロータコイルとを有するロータとを備えた回転電機であって、
前記ステータは、クローポール型の単位ステータを回転電機の回転軸方向に3個並置した構成であり、
前記ロータは、クローポール型の単位ロータを回転電機の軸方向に3個並置した構成であり、
前記単位ステータの前記ステータコイルは、前記回転軸周りにリング状に巻回された一つの環状コイルからなり、
前記単位ステータの前記ステータコアは、
前記回転軸周りの環状ヨークと、
前記環状ヨークの軸方向両端から径方向に伸びたティースと、
前記ティースの先端に設けられ、前記環状コイルに通電したときに周方向に交互に異極性に磁化されるクローポールとからなり、
前記単位ロータの前記ロータコイルは、前記回転軸周りにリング状に巻回された一つの環状コイルからなり、
前記単位ロータの前記ロータコアは、
前記回転軸周りの環状ヨークと、
前記環状ヨークの軸方向両端から径方向に伸びたティースと、
前記ティースの先端に設けられ、前記環状コイルに通電したときに周方向に交互に異極性に磁化されるクローポールとからなることを特徴とする回転電機。 - 請求項1記載の回転電機において、
並置された3個の前記単位ロータの内、隣接する単位ロータの同極性のクローポール位置が電気角でα°ずつ周方向に変位しており、
並置された3個の前記単位ステータの内、隣接する単位ステータのクローポール位置が電気角でβ°ずつ周方向に変位しており、
ここで、|α―β|=60°であることを特徴とする回転電機。 - 請求項1記載の回転電機において、
並置された3個の前記単位ロータの内、隣接する単位ロータの同極性のクローポール位置が電気角でα°ずつ周方向に変位しており、
並置された3個の前記単位ステータの内、隣接する単位ステータのクローポール位置が電気角でβ°ずつ周方向に変位しており、
ここで、|α―β|=120°であることを特徴とする回転電機。 - 請求項2若しくは請求項3のいずれかに記載の回転電機において、
α+β=0であることを特徴とする回転電機。 - 請求項4記載の回転電機において、
α=30、β=−30、あるいはα=−30、β=30であることを特徴とする回転電機。 - 請求項1記載の回転電機において、
対向する前記単位ロータと前記単位ステータを単位ブロックとしたとき、隣接する前記単位ブロック間に設けられた磁気的空隙を備えることを特徴とする記載の回転電機。 - 請求項1記載の回転電機において、
前記ロータの前記クローポール及び前記ステータの前記クローポールは、圧粉磁心で製作されることを特徴とする回転電機。 - 請求項1記載の回転電機において、
前記単位ロータは、それぞれ、互いに異極性のクローポール間に配置され、このクローポール間の漏れ磁場を打ち消すような向きに着磁された永久磁石を備えることを特徴とする回転電機。 - 請求項8記載の回転電機において、
前記永久磁石がボンド磁石で構成され、
前記クローポールは、圧粉磁心で製作され、
前記永久磁石と前記クローポールとは、二色一体で圧縮成形されることを特徴とする回転電機。 - 車両駆動力又は車載補機用駆動力を発生する回転電機と、この回転電機に供給する電力を制御するインバータとを有する車載回転電機システムであって、
前記回転電機は、ステータコアとステータコイルとを有するステータと、ロータコアとロータコイルとを有するロータとを備えており、
前記ステータは、クローポール型の単位ステータを回転電機の回転軸方向に3個並置した構成であり、
前記ロータは、クローポール型の単位ロータを回転電機の軸方向に3個並置した構成であり、
前記単位ステータの前記ステータコイルは、前記回転軸周りにリング状に巻回された一つの環状コイルからなり、
前記単位ステータの前記ステータコアは、
前記回転軸周りの環状ヨークと、
前記環状ヨークの軸方向両端から径方向に伸びたティースと、
前記ティースの先端に設けられ、前記環状コイルに通電したときに周方向に交互に異極性に磁化されるクローポールとからなり、
前記単位ロータの前記ロータコイルは、前記回転軸周りにリング状に巻回された一つの環状コイルからなり、
前記単位ロータの前記ロータコアは、
前記回転軸周りの環状ヨークと、
前記環状ヨークの軸方向両端から径方向に伸びたティースと、
前記ティースの先端に設けられ、前記環状コイルに通電したときに周方向に交互に異極性に磁化されるクローポールとからなることを特徴とする車載回転電機システム。
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