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JP4705737B2 - コンピュータ断層装置 - Google Patents

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JP4705737B2
JP4705737B2 JP2001220613A JP2001220613A JP4705737B2 JP 4705737 B2 JP4705737 B2 JP 4705737B2 JP 2001220613 A JP2001220613 A JP 2001220613A JP 2001220613 A JP2001220613 A JP 2001220613A JP 4705737 B2 JP4705737 B2 JP 4705737B2
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元章 齊藤
和夫 高橋
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Description

【0001】
【発明の属する技術】
本発明は,コンピュータ断層装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線CT装置によって人体の物理的性質をあらわす正確な断面画像データが得られるようになって以来,異なる断面位置で撮影した複数の断面画像データを使用して三次元画像を再構成することが行われてきた。特に最近,ヘリカルスキャンX線CT装置や複数ビームX線CT装置が実用化されるようになったので,より精密な三次元画像を再構成することが可能になった。
【0003】
精密な三次元画像を作成するためには,三次元画像を作成するために使用する断面画像において,断面画像と断面画像の間隔をできるだけ狭くすることが望ましい。最近実用化された複数ビームX線CT装置では断面と垂直な被検体の体軸方向にX線検出器を分割することによって,従来のX線CTよりも格段に薄い断面画像(スライス厚さ)と狭い断面画像間の間隔(スライス間隔)を実現している。
【0004】
この複数ビームX線CT装置で収集した断面画像と断面画像の間隔が狭い画像データを使用すると,従来のX線CT装置で収集した画像データを使用する場合と比較して格段に精密な三次元画像を作成することができる。このため,X線CT画像データを使用して作成した三次元画像の臨床応用の範囲が著しく増大し,いろいろな目的で使用されている。
【0005】
この複数ビームX線CT装置では,スライス間隔の狭い画像データを従来のX線CT装置で収集する場合よりも短時間で収集することが可能になったが,一方臨床的に必要とする体軸方向の長さは従来から変わっていないので,画像データの枚数,したがって画像データのデータ量は大幅に増加した。
【0006】
従来のX線CT装置では,一検査で収集する画像データの画像枚数は数十枚程度であるので,その画像をマルチフォーマットカメラでフィルムに撮影してこれを並べて観察・読影することが一般的であった。ところが複数ビームX線CT装置の場合には一検査で数百枚にもおよぶ断面画像が再構成されるようになったので,これをマルチフォーマットカメラでフィルムに撮影してこれを並べて観察・読影することが難しくなっている。この面からも,三次元画像を作成して,これを観察・読影したいという要求が増加している。
【0007】
このように,複数ビームX線CT装置はスライス間隔の狭い画像データを従来のX線CT装置よりも短時間で収集することが可能になった画期的なX線CT装置であるが,得られる再構成画像の枚数が大幅に増加したので,このデータを転送するネットワークの負荷が大幅に増大し,高速ネットワークが必要となった。また,このデータを保管する画像保管転送システム(PACS)もデータ量の増大にともなって大容量,高速のシステムが必要になった。関連する三次元画像表示装置も大量のデータを短時間で受信し,大量のデータを短時間で画像処理する高性能の装置が要求されるようになった。
【0008】
ヘリカルスキャンX線CT装置や複数ビームX線CT装置では,初期のX線CT装置とは異なり,体軸方向にも細かい間隔でデータが収集できるので,目的によって断層画像のスライス間隔を変えて再構成したいという要求も強くなっている。たとえば,同一の投影データ集合を使用しても,腹部全体の三次元画像を作成する場合と,腎臓だけの三次元画像を作成する場合では,要求される断層像のスライス間隔が異なる。
【0009】
このようなことから,ヘリカルスキャンX線CT装置や複数ビームX線CT装置では,被検体の投影データを保存しておき,必要に応じて目的に適した画像再構成パラメータを使用して,画像データを再構成したいという要求が強くなっている。しかしながら,投影データは再構成後の画像データよりもデータ量が大きいので,これまでは研究用など一部で行われているだけで,臨床用のX線CT装置で実現することは難しかった。
【0010】
図1は従来のX線CT装置におけるデータの流れの一例を示すブロック図である。
101はX線CT装置のスキャナ本体で,被検体の投影データを多方向から収集する。
107はX線CT装置のスキャナ本体で収集した被検体の投影データを再構成する画像再構成装置である。
109は再構成した画像データを保存する磁気ディスク装置である。
111は画像データを表示する画像表示装置や三次元画像の再構成装置などである。
121は101で収集された投影データを示す。これは107で画像再構成される。
122は107で再構成された画像データを示す。これは109の磁気ディスク装置に記録される。
123は107から読み出された画像データを示す。これは111の画像表示装置に表示されたり,三次元画像の再構成装置で使用されたりする。
【0011】
図2は従来のX線CT装置において,画像データを圧縮する場合のデータの流れの一例を示すブロック図である。
101はX線CT装置のスキャナ本体で,被検体の投影データを多方向から収集する。
107はX線CT装置のスキャナ本体で収集した被検体の投影データを再構成する画像再構成装置である。
108は再構成された画像データを圧縮する圧縮装置である。
109は圧縮画像データを保存する磁気ディスク装置である。
110は圧縮画像データを伸長するために使用する伸長装置である。
111は画像データを表示する画像表示装置や三次元画像の再構成装置などである。
121は101で生成された投影データを示す。これは107で画像再構成される。
132は107で再構成された画像データを示す。これは108の圧縮装置で圧縮される。
133は108で圧縮された圧縮画像データを示す。これは109の磁気ディスク装置に記録される。
134は109から読み出された圧縮画像データを示す。これは110の伸長装置で伸長される。
135は110の伸長装置で伸長された画像データを示す。これは111の画像表示装置に表示されたり,三次元画像の再構成装置で使用されたりする。
【0012】
図1の109で記録される画像データ122と,図2の109で記録される圧縮画像データ133とを比較すると,図2ではデータ圧縮装置108で画像データが圧縮されているので,図2の圧縮画像データ133は図1の画像データ122よりもデータ量が小さい。
【0013】
データ圧縮方法としては,JPEGやJPEG2000などの画像圧縮技術を使うことができる。JPEGやJPEG2000では可逆圧縮と非可逆圧縮が使用できる。可逆圧縮は圧縮前の画像データと全く同一に復元できるが圧縮率は低く,たとえば50%程度である。非可逆圧縮は圧縮前の画像データと全く同一には復元できないが圧縮率は高く,たとえば5%程度に圧縮することも可能である。
【0014】
データ圧縮方法のJPEGやJPEG2000などでは非可逆圧縮を選択して圧縮率を高くすると,圧縮前のデータと圧縮後のデータの間に誤差が発生する。この誤差は圧縮前のデータの画素値が急激に変化しているところで大きく発生する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ヘリカルスキャンX線CT装置や複数ビームX線CT装置はスライス間隔が狭い画像データを従来のX線CT装置よりも短時間で収集することが可能になった画期的なX線CT装置であるが,得られる再構成画像の枚数が大幅に増加したので,このデータを転送するネットワークの負荷が大幅に増大し,高速ネットワークが必要となった。また,このデータを保管する画像保管転送システム(PACS)もデータ量の増大にともなって大容量,高速のシステムが必要になった。関連する三次元画像表示装置も大量のデータを短時間で受信し,大量のデータを短時間で画像処理する高性能の装置が要求されるようになった。また,ヘリカルスキャンX線CT装置や複数ビームX線CT装置では,被検体の投影データを保存しておき,必要に応じて目的に適した画像再構成パラメータを使用して,画像データを再構成したいという要求が強くなっている。しかしながら,投影データは再構成後の画像データよりもデータ量が大きいので,これまでは臨床用のX線CT装置で実現することは難しかった。本発明はこれらの問題を解決する新しいコンピュータ断層装置を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために新しいデータ圧縮方法を使用したコンピュータ断層装置を考案した。これは複数ビームX線CT装置などのX線CT装置のスキャナ本体で収集される投影データからサイノグラムデータを作成する。次にこのサイノグラムデータにウェーブレット変換などを使用した圧縮処理を行って圧縮サイノグラムデータを作成し,この圧縮サイノグラムデータを記録媒体に保存したり,ネットワークによって転送したりする。画像データを必要とする場合は,記録媒体から読み出した圧縮サイノグラムデータまたはネットワークから受信した圧縮サイノグラムデータに対して伸長処理を行ってサイノグラムデータを再生する。次に,サイノグラムデータを構成する投影データを使用して画像再構成処理を行って画像データを再構成する。
【0017】
従来の画像データの圧縮方法は,複数ビームX線CT装置などで再構成された画像データに圧縮処理を行って圧縮画像データを作成し,これを記録媒体によるデータ保存やネットワークによるデータ転送に使用する。画像データを必要とする場合は,記録媒体から再生した圧縮画像データまたはネットワークから受信した圧縮画像データに伸長処理を行って画像データを再生する。
【0018】
本発明は,複数ビームX線CT装置などのスキャナ本体で収集した投影データからサイノグラムデータを作成する。次にこのサイノグラムデータに圧縮処理を行って圧縮サイノグラムデータを作成する。これを記録媒体によるデータ保存やネットワークによるデータ転送に使用する。画像データを必要とする場合は,最初に,記録媒体から再生した圧縮サイノグラムデータまたはネットワークから受信した圧縮サイノグラムデータに対して伸長処理を行ってサイノグラムデータを再生し,次に,サイノグラムデータを構成する投影データを使用して画像再構成処理を行って画像データを再生する。これまでは画像再構成処理後の画像データを圧縮・保存しているが,本発明では画像再構成処理前の投影データを圧縮・保存する。
【0019】
サイノグラムデータの性質から,被検体の断面上のある点は,サイノグラムデータ上では投影角度方向に連続した正弦波になる。したがって,サイノグラムデータ上で孤立した点状のデータはデータ収集系で発生した雑音である。本発明では投影データのサイノグラムデータの圧縮にこの原理を使用して圧縮率を向上させている。すなわち,サイノグラムデータ上で孤立した点状のデータを積極的に切捨てる非可逆圧縮を行って圧縮率を大幅に向上させているが,これは雑音成分であるので画像再構成後の画像の画質劣化は非常に少ない。
【0020】
ここで,「原画像データ」はX線CT装置などで画像が再構成される被検体の断面で,本発明の説明では「xOy」座標系を用い,f(x,y)で表す。
「投影データ」は,座標系「xOy」に対して角度θだけ傾いた座標系「XOY」を定義し,「Y」軸に平行な方向の原画像データの画素値の線積分を画像の存在するX範囲にわたって行ってこれをX軸上に投影したデータで,g(X,θ)で表す。これは0≦θ<2πで行う。
「サイノグラムデータ」は一連の投影データを,座標系XOθ上にマップした画像データである。
「圧縮処理」はJPEGやJPEG2000による画像データの圧縮である。「可逆圧縮」は画像データを圧縮し,これを伸長処理で復元した復元画像データが同一の場合の圧縮処理をいう。「非可逆圧縮」は画像データを圧縮し,これを伸長処理で復元した復元画像データが同一でない場合の圧縮処理をいう。
「圧縮データ」は圧縮処理を施したデータで,「圧縮画像データ」は画像データに圧縮処理を施したデータを呼び,「圧縮サイノグラムデータ」はサイノグラムデータに圧縮処理を施したデータをいう。
「伸長処理」は圧縮処理によって圧縮した画像データを復元するために行う処理で,圧縮処理に使用したものと同一の圧縮パラメータを使用して伸長する。圧縮画像データを伸長すると復元した画像データが得られる。また,圧縮サイノグラムデータを伸長すると復元したサイノグラムデータが得られる。
「画像再構成処理」は投影データからフィルター逆投影法や重畳積分逆投影法によって,画像データを再構成する処理である。
「復元画像データ」は,通常は画像データに圧縮処理を行った後に,これに伸長処理をおこなって復元した画像データである。本発明では投影データから作成したサイノグラムデータに圧縮処理を行った後に,これに伸長処理を行い,次にサイノグラムデータを構成する投影データを使用して再構成処理を行って再構成したデータである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下,本発明によるコンピュータ断層装置の実施例について説明する。図3は本発明の実施例のコンピュータ断層装置におけるデータの流れを示すブロック図である。
101はX線CT装置のスキャナ本体で,被検体の投影データを多方向から収集する。
102は投影データからサイノグラムを作成し,そのサイノグラムデータを圧縮するデータ圧縮装置である。
103は圧縮サイノグラムデータを保存する磁気ディスク装置である。
106は磁気ディスク装置に保存された圧縮サイノグラムデータを再生し,これを伸長してサイノグラムデータを復元する伸長装置である。
107は復元したサイノグラムデータからフィルター逆投影処理や重畳積分逆投影処理によって画像データを再構成する再構成装置である。
111は再構成した画像データを表示する画像表示装置やこの画像データから三次元画像を作成する三次元画像表示装置などである。
141は101で収集された被検体の投影データを示す。これは102でサイノグラムデータを作成し,データ圧縮される。
142は102で圧縮された圧縮サイノグラムデータを示す。これは103で磁気ディスク装置に保存される。
143は103から読み出された圧縮サイノグラムデータを示す。これは106で伸長処理される。
147は106で伸長されたサイノグラムデータを示す。これは107で画像再構成される。
148は107で画像再構成された画像データを示す。これは111の画像表示装置で表示されたり,三次元画像の作成に使用されたりする。
【0022】
図2の圧縮処理装置108で圧縮処理された圧縮画像データ133は画像再構成した後の画像データを圧縮したものであるが,図3の圧縮処理装置102で圧縮された圧縮サイノグラムデータ132は画像再構成する前の投影データをサイノグラムデータに並べたものを圧縮したものである。
【0023】
このように,本発明は,X線CT装置のスキャナ本体で収集した多方向からの投影データからサイノグラムデータを作成する。次にこのサイノグラムデータに圧縮処理を行って圧縮サイノグラムデータを作成し,これを記憶装置103で保存する。画像データを使用する場合は,最初に,圧縮サイノグラムデータに対して伸長処理を行ってサイノグラムデータを再生し,次に,サイノグラムデータを構成する投影データに対して逆投影処理を行って画像データを再構成する。
【0024】
サイノグラムデータの性質から,被検体の断面上のある点は,サイノグラムデータでは投影角度方向に連続した正弦波になる。したがって,サイノグラムデータ上で孤立した点状のデータはデータ収集系で発生した雑音である。本発明では投影データのサイノグラムデータの圧縮にこの原理を使用して圧縮率を向上させている。すなわち,サイノグラムデータ上で孤立した点状のデータを積極的に切捨てる,また,サイノグラムデータでθ方向の連続性を調べ,連続性の小さいものを切捨てる非可逆圧縮を行って,画像再構成後の画像の画質劣化を低く抑えながら,圧縮率を大幅に向上させている。
【0025】
このように,本発明は,X線CT装置のスキャナ本体で収集した多方向からの投影データをサイノグラムデータに写像し,このサイノグラムデータの画像圧縮を行って,投影データのデータ量を小さくすることによって,従来は経済的に実用化が難しかった投影データによるデータ保存を可能にした。サイノグラム画像データの性質を利用して圧縮処理に際して投影データの雑音成分を大幅に切捨てる非可逆圧縮を行うことによって,再構成画像の画質劣化が無く,むしろ雑音の少ない良質な画像の得られる投影データの非可逆圧縮を実現した。
【0026】
このように,本発明は,複数ビームX線CT装置のスキャナ本体で収集した多方向からの投影データを記録媒体に保存しておき,後刻,必要に応じて投影データを読み出して投影データからの画像再構成を実行することを可能にした。
【0027】
また,通常のデータ圧縮方法である図2では,JPEGはやJPEG2000の非可逆圧縮を使用して圧縮率を高くすると圧縮前のデータと圧縮後のデータの間に誤差が発生する。この誤差は圧縮前のデータの画素値が急激に変化しているところに発生し,これが画質の劣化になる。しかしながら,本発明の圧縮方法である図3では,投影データから作成したサイノグラムデータの画素値は近傍画素値との変化が小さいので,非可逆圧縮の圧縮処理後のデータ量を同一にして画像の劣化を比較した場合は,従来の方法よりも本発明の方法が復元後の画像データの劣化が少ない。
【0028】
データ圧縮方法のJPEGは画像データを8画素×8画素のブロックに分割し,そのブロックに離散的コサイン変換(DCT)を行ってデータを圧縮する。一方,JPEG2000では画像データのブロックへの分割は行わずに,画像データ全体にウェーブレット変換を行う。可逆圧縮では変換後のデータの切捨ては行わないが,非可逆圧縮では変換後のデータに含まれる高い周波数の成分の切捨てを行う。この切捨て量を多くするとデータの圧縮率を大きくすることができるが,復元した画像の画質が劣化する。
【0029】
本発明に使用するデータ圧縮方法としては,ブロックに分割しないJPEG2000のウェーブレット変換によるデータ圧縮が適している。また画像をブロックに分割せずに画像全体に離散的コサイン変換(DCT)を行ってデータを圧縮する方法もあるが,これは本発明に使用するデータ圧縮方法として適している。
【0030】
X線CT装置で画像再構成を行って得られる画像データは,一般に一枚あたり512画素×512画素×16ビットで512kBである。一方,投影データはX線CT装置の設計によって異なるが,検出器1000チャネル×1000プロジェクション×16ビットで2000kBである。したがって,再構成後の画像データと再構成前の投影データを比較するとデータ量が4倍であるので,再構成後の画像データを保管する場合と再構成前の投影データを保管する場合を比較すると投影データによる保管方法は4倍の記憶容量を必要とする。
【0031】
しかしながら,最近のX線CT検査では,同一の投影データに対して,再構成条件を変更して数種類の画像を再構成することが行われる場合が多い。このような場合には,同一の投影データに対して再構成条件を変更して再構成した数種類の画像を保管する場合と,投影データと再構成に使用したパラメータとを保管する場合と比較すると,ほとんど同一のデータ量を保管することになる。従って,後刻,自由に画像再構成を行うことが可能な投影データの保存は非常に魅力的である。さらに本発明による投影データの圧縮を行うことによって,再構成後の画像劣化のほとんどない状態で,保存する投影データのデータ量を大幅に減らすことができるので,投影データの保存は非常に魅力的である。
【0032】
X線CT装置の投影データを使用した圧縮実験では,検出器1000チャネル×1000プロジェクション×16ビットで2000kBの投影データを,非可逆圧縮によって100kBに圧縮した圧縮投影データを作成し,これを伸長した復元投影データを使用して画像再構成した画像は,投影データをそのまま使用して画像再構成した画像と比較して,画質の劣化は認識できなかった。本発明では非可逆圧縮に際して投影データに含まれている雑音成分を切捨てているので,画質の劣化は少ない。
【0033】
【実施例】
図4は本発明の他の実施例のコンピュータ断層装置におけるデータの流れを示すブロック図である。図4において図3と同一番号のものは同一の機能を持つ。101はX線CT装置のスキャナ本体で,被検体の投影データを多方向から収集する。
102は投影データからサイノグラムを作成し,そのサイノグラムデータを圧縮するデータ圧縮装置である。
103は圧縮サイノグラムデータを保存する磁気ディスク装置である。
104は103に保存された圧縮サイノグラムデータをネットワーク経由で転送するネットワークインターフェースユニットである。
105はネットワーク経由で転送される圧縮サイノグラムデータを受信するネットワークインターフェースユニットである。
106は磁気ディスク装置に保存された圧縮サイノグラムデータを再生し,これを伸長してサイノグラムデータを復元する伸長装置である。
107は復元したサイノグラムデータからフィルター逆投影処理や重畳積分逆投影処理によって画像データを再構成する再構成装置である。
111は再構成した画像データを表示する画像表示装置やこの画像データから三次元画像を作成する三次元画像表示装置などである。
141は101で収集された被検体の投影データを示す。これは102でサイノグラムデータを作成し,データ圧縮される。
142は102で圧縮された圧縮サイノグラムデータを示す。これは103で磁気ディスク装置に保存される。
144は103から読み出された圧縮サイノグラムデータを示す。これは104でネットワークに送信される。
145はネットワーク上の圧縮サイノグラムデータを示す。
146は105でネットワークから受信された圧縮サイノグラムデータを示す。
これは106で伸長処理される。
147は106で伸長されたサイノグラムデータを示す。これは107で画像再構成される。
148は107で画像再構成された画像データを示す。これは111の画像表示装置で表示されたり,三次元画像の作成に使用されたりする。
【0034】
このように投影データのデータ量を圧縮した圧縮サイノグラムデータをネットワーク経由で転送することによってローカルなシステムだけでなく遠隔システムでX線CT画像データの再構成を希望するパラメータを使用して行うことが可能になる。
【0035】
これまでの説明では図3,図4の101はX線CT装置のスキャナ本体,141はX線CT装置のスキャナ本体で収集される投影データの場合を説明したが,101はMR装置,核医学装置,超音波装置などの医用画像装置,141はそれらから得られる投影データに適用できる。
【0036】
これまでの説明では図3,図4の111は画像表示装置や三次元画像表示装置の場合を説明したが,111は画像データを使用する他の任意の装置に適用できる。
【0037】
本発明によるデータ圧縮は医用画像保管通信システム(PACS)のネットワークを転送するデータ量の削減や記憶装置に保存するデータ量の削減に役立つ。
【0038】
サイノグラムデータに圧縮処理を行って圧縮サイノグラムデータを作成する手段としてウェーブレット変換の他に,フルフレーム離散的コサイン変換などの圧縮方法を使用することができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明は,被検体の投影データを多方向から収集する手段と,この投影データからサイノグラムデータを作成する手段と,このサイノグラムデータに圧縮処理を行って圧縮サイノグラムデータを作成する手段と,作成した圧縮サイノグラムデータを記録媒体に保存する手段と,記録媒体から再生した圧縮サイノグラムデータに伸長処理を行ってサイノグラムデータを再生する手段と,サイノグラムデータを構成する投影データを使用して画像データを再構成する手段とを具備したコンピュータ断層装置を提供した。
【0040】
本発明は,被検体の投影データからサイノグラムデータを作成し,このサイノグラムデータの孤立データを削除する機能を含むデータ圧縮処理を実行して圧縮サイノグラムデータを作成することによって,再構成後の画像データの画質劣化が実質的に無い状態で,投影データのデータ量を減らすことを可能にした。この圧縮サイノグラムデータを記録媒体に保存することによって,任意の時点で投影データから画像データの画像再構成を行うことが経済面からも可能になった。本発明によって,投影データから画像データを任意の再構成パラメータを使用して,任意の時点で再構成することが経済的に可能になった。従来は,CT検査の結果の記録は,再構成後の画像のプリントによる保存か,再構成後の画像データの記憶媒体による保存かによって行われてきた。しかし,本発明によって,CT検査の結果の記録は,再構成前の投影データと再構成パラメータを保存することで行うことが経済的に可能になり,また,このことによって,後刻,再構成パラメータを変えながら画像再構成を行うことによって,CT検査のレビューに利用することが可能になった。
【0041】
本発明はX線CT装置で収集される投影データの場合を説明したが,MR装置,核医学装置,超音波装置などで収集される投影データに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のコンピュータ断層装置のデータの流れの一例を示すブロック図
【図2】従来のコンピュータ断層装置のデータの流れの他の例を示すブロック図
【図3】本発明の実施例のコンピュータ断層装置における医用画像データの流れを示すブロック図
【図4】本発明の他の実施例のコンピュータ断層装置における医用画像データの流れを示すブロック図
【符号の説明】
101 被検体の投影データを収集するX線CT装置のスキャナ本体
102 投影データからサイノグラムデータを作成し,これを圧縮するデータ圧縮装置
103 圧縮サイノグラムデータを保存する記憶装置
104 圧縮サイノグラムデータをネットワーク経由で送信するネットワークインターフェース
105 圧縮サイノグラムデータをネットワーク経由で受信するネットワークインターフェース
106 圧縮サイノグラムデータを伸長して投影データを復元する伸長装置
107 投影データから画像データを再構成する画像再構成装置
108 再構成された画像データを圧縮するデータ圧縮装置
109 画像データ,圧縮画像データを保存するために使用する磁気ディスク装置
110 圧縮画像データを伸長して画像データを復元する伸長装置
111 画像データを表示する画像表示装置や三次元画像の再構成装置
121 101で収集された投影データ。107で再構成される。
122 107で再構成された画像データ。109で保存される。
123 109で再生された画像データ。111で表示される。
132 107で再構成された画像データ。108で圧縮される。
133 108で圧縮された圧縮画像データ。109で保存される。
134 109で再生された圧縮画像データ。110で伸長される。
135 110で伸長された画像データ。111で表示される。
141 101で収集された投影データ。102で圧縮される。
142 102で圧縮された圧縮投影データ。103で保存される。
143 103から読み出された圧縮投影データ。106で伸長される。
144 103から読み出された圧縮投影データ。104でネットワーク経由送信される。
145 104で送信された圧縮投影データ。105で受信される。
146 105でネットワークから受信された圧縮投影データ。106で伸長される。
147 106で伸長された復元投影データ
148 107で再構成された画像データ。111で表示される。

Claims (9)

  1. 被検体の投影データを多方向から収集する手段と,この投影データからサイノグラムデータを作成する手段と,このサイノグラムデータに圧縮処理を行って圧縮サイノグラムデータを作成する手段と,作成した圧縮サイノグラムデータを記録媒体に保存する手段と,記録媒体から再生した圧縮サイノグラムデータに伸長処理を行ってサイノグラムデータを再生する手段と,サイノグラムデータを構成する投影データを使用して画像データを再構成する手段とを具備したコンピュータ断層装置。
  2. 被検体の投影データを多方向から収集する手段と,この投影データからサイノグラムデータを作成する手段と,このサイノグラムデータに圧縮処理を行って圧縮サイノグラムデータを作成する手段と,作成した圧縮サイノグラムデータをネットワークによって転送する手段と,ネットワークによって転送された圧縮サイノグラムデータに伸長処理を行ってサイノグラムデータを再生する手段と,サイノグラムデータを構成する投影データを使用して画像データを再構成する手段とを具備したコンピュータ断層装置。
  3. 請求項1または請求項2において,
    サイノグラムデータに圧縮処理を行って圧縮サイノグラムデータを作成する手段としてウェーブレット変換を使用した圧縮を行うコンピュータ断層装置。
  4. 請求項3において,
    サイノグラムデータの孤立点を削除するようにパラメータを設定したウェーブレット変換を使用した非可逆圧縮を行うコンピュータ断層装置。
  5. 請求項4において,
    投影データの雑音成分を削除するようにパラメータを設定したウェーブレット変換を使用した非可逆圧縮を行うコンピュータ断層装置。
  6. 請求項1または請求項2において,
    サイノグラムデータに圧縮処理を行って圧縮サイノグラムデータを作成する手段として離散的コサイン変換を使用した圧縮を行うコンピュータ断層装置。
  7. 請求項6において,
    サイノグラムデータの孤立点を削除するようにパラメータを設定した離散的コサイン変換を使用した非可逆圧縮を行うコンピュータ断層装置。
  8. 請求項7において,
    投影データの雑音成分を削除するようにパラメータを設定した離散的コサイン変換を使用した非可逆圧縮を行うコンピュータ断層装置。
  9. 請求項1または請求項2,請求項3,請求項4,請求項5,請求項6,請求項7,請求項8において,
    サイノグラムデータを構成する投影データを使用して複数の再構成パラメータを用いて画像データを再構成する手段を具備したコンピュータ断層装置。
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