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JP4696597B2 - 薄膜圧電共振器およびそれを用いた薄膜圧電フィルタ - Google Patents

薄膜圧電共振器およびそれを用いた薄膜圧電フィルタ Download PDF

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Description

本発明は、通信機器等に使用される薄膜圧電共振器およびそれを用いた薄膜圧電フィルタに関するものである。
電子装置のコストやサイズをより低く抑える為に、フィルタ素子の小型化へのニーズは常に存在する。携帯電話や小型ラジオ等のような民生用電子機器においては、その中に利用する部品に対してサイズ及びコストの両方に厳しい制限が強いられる。一方そのようなデバイスの多くには、正確に周波数が調整されていなければならないフィルタが利用される。従ってこれまでもより安価でコンパクトなフィルタユニットを供給しようという努力が払われて来た。
これらのニーズを満たす能力を持つフィルタ素子の中には音響共振器から作られる種類のものが存在する。これらの音響共振器から作られるフィルタ素子として、圧電シート中のバルク縦音波を利用する薄膜圧電共振器がある。単純な構成の1つにおいては、圧電シートが2つの金属電極に挟まれた形になっている。このサンドイッチ構造は、その外周を支持することにより空気中に置かれる。電圧の印加により2つの電極の間に電界が作られると、圧電シートは電気的エネルギーの一部を音波という形の機械的エネルギーへと変換する。音波は電界と同方向で縦に伝搬されて電極/空気間の界面で反射するか、或は電界を横切る方向に伝わり、電極又はその構造体の端部の様々な断絶部において反射する。このとき、前記サンドイッチ構造が複数積み重ねられた積層構造であっても、支持される場所が空気中でなく複数の音響インピーダンスの異なる層により構成された音響ミラー層であっても同様である。
この種の薄膜圧電共振器は電気的に結合可能な機械的共振器であり、従ってフィルタとしての作用を持つ。材料中を伝わる音のある所定の位相速度に対する機械的共振周波数は、デバイス中を縦に伝わる音波の半波長がデバイスの全厚さに等しくなる周波数である。音の速度は光の速度よりも4桁も低い為、共振器はかなり小さくすることが出来る。GHz領域での応用に使用される共振器は直径100μ未満、厚さ数μの物理寸法に作ることが出来る。
圧電シート中のバルク縦音波を利用する薄膜圧電共振器は、中心部に1〜2μ程度の厚さの圧電シートがあり、その圧電シートの上下を電極で挟む構造をしている。電極に電圧を印加することにより圧電シートを通して電界が作られる。すると電界の一部は機械的な場に変換される。このようにして、薄膜圧電共振器は、材料中を伝わる音のある所定の位相速度に対する機械的共振周波数に応じた共振器として働く。
この種の薄膜圧電共振器は、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。
特開2000−332568号公報 特開2002−372974号公報
薄膜圧電共振器における基本振動モードについて、音波は圧縮波であれ剪断波であれ、或はラム波であれ、電極面に対して直角方向に伝搬される。しかしながら、励起され得る他の振動モードが存在する。これらの振動モードは、電極面に並行に移動し圧電振動領域の壁又は電極層の端部の断絶部で反射する音波に対応する。この振動モードは横モードと呼ばれ、その共振周波数は圧電シートの横共振モードの音響速度により、また金属電極層の横寸法により決まる。これらのモードの基本的周波数は基本モードのものよりもかなり低いが、これらの横モードのより高い高調波が基本モードの周波数帯域中に出現する場合がある。これらの高調波が薄膜圧電共振器の吸収スペクトルにおける複数のスパイク発生の要因となり問題となる。
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものである。即ち、本発明の目的は、横モード振動により生じるスパイクなどの不規則な成分を含まない吸収及び/又は伝送スペクトルを有する薄膜圧電共振器および薄膜圧電フィルタを提供することである。また、小型で損失が少なく特性の優れた圧電薄膜フィルタおよびそれを構成するための薄膜圧電共振器を提供することである。
本発明は、第1の面及び第2の面を有する圧電シートと、前記第1の面上の導電性の層から成る第1の電極と、前記第2の面上の導電性の層から成る第2の電極とを有し、前記第1の電極の一部は前記圧電シートを挟んで前記第2の電極の少なくとも一部分に重なり合って圧電振動領域を形成している薄膜圧電共振器であり、圧電シートの厚み方向から見た前記圧電振動領域の形が、長さの等しい2つの直線を含む3つの辺からなることを特徴とする薄膜圧電共振器に関する。
本発明の薄膜圧電共振器の一実施形態は、前記圧電振動領域の形が、二等辺三角形である。また、本発明の薄膜圧電共振器の一実施形態は、前記圧電振動領域の形が、直角二等辺三角形である。また、本発明の薄膜圧電共振器の一実施形態は、前記圧電振動領域の形が、正三角形である。また、本発明の薄膜圧電共振器の一実施形態は、前記圧電振動領域の形が、扇形である。さらに、本発明の薄膜圧電共振器の一実施形態は、第1の電極の厚さ及び第2の電極の厚さが、共に、厚み方向の振動波長の0.05倍以上であることを特徴とする。
また、本発明は、前記圧電薄膜共振器を複数用いた薄膜圧電フィルタであって、フィルタを構成する全ての圧電薄膜共振器において、隣り合う電気的に結合されている薄膜圧電共振器が、前記圧電振動領域を構成する長さの等しい2辺の内の1辺が対向するように、配置されていることを特徴とする薄膜圧電フィルタに関する。
本発明の前記第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方もしくは両者の電極が共振器の振動波長の0.05倍以上の厚みを有することにより薄膜圧電共振器のQ値が高く、かつ薄膜圧電共振器が長さの等しい2つの直線を含む3つの辺からなる圧電振動領域を有することで横モードにより生じる不規則な成分を含まない吸収及び/又は伝送スペクトルを有する薄膜圧電共振器が提供でき、フィルタの挿入損失の低減が可能となる。
本発明のフィルタを構成する全ての圧電薄膜共振器において、前記圧電振動領域を構成する二等辺三角形または扇形などの長さの等しい2辺の内の1辺同士が対向するように薄膜圧電共振器を配置し、電気的に結合することにより、電気伝送線路の電気抵抗を最小にできるため、共振器間の電気伝送線路の電気損失を小さくすることができる。
以下、本発明を図面を用いて説明する。図1(a)は、本発明の薄膜圧電共振器の一実施形態を示す薄膜圧電共振器10の模式的断面図である。本発明の薄膜圧電共振器の一実施形態は、図1に示すように、第1の面及び第2の面を有する圧電シート12と、前記第1の面上の導電性の層から成る第1の電極11と、前記第2の面上の導電性の層から成る第2の電極13とを有する。両面に電極を有する圧電シート12は通常空洞14を有する基板上に形成され、両面に電極を有する圧電シート12の一部は、空気と接している。さらに、前記第1の電極11の一部は前記圧電シート12を挟んで前記第2の電極13の少なくとも一部分に重なり合って圧電振動領域15を形成している。即ち圧電振動領域15とは、圧電シート12の両面に電極11、13が存在し、電圧を印加することにより、圧電シート12の厚み方向に共振の発生する領域であり、シートの厚み方向から見て、前記第1の電極11と第2の電極13が重なり合っている領域である。ただし、前記第1の電極11または第2の電極13への配線等は実質的に含まない。特に、本発明では、圧電シート12の厚み方向から見た前記圧電振動領域15の形が、長さの等しい2つの直線を含む3つの辺からなることを特徴とする。
本発明では、前記第1の電極11及び第2の電極13の少なくとも一方の電極が共振器としての共振周波数の振動波長の0.05倍以上の厚みを有する。前記第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方もしくは両者の電極が共振器の振動波長の0.05倍以上の厚みを有することにより薄膜圧電共振器のQ値を高することができる。また、前記第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方もしくは両者の電極の厚みは、高い電気機械結合係数を得るために、共振器の振動波長の0.25倍以下であることが好ましい。
図1(b)は、前記薄膜圧電共振器の圧電シートの厚み方向から見た前記圧電振動領域15の形(以下圧電振動領域の形という)を示す模式的平面図である。圧電振動領域15の形は、長さの等しい2つの直線を含む3つの辺からなっており、特に、図1(b)では、圧電振動領域が直角二等辺三角形となっている。長さの等しい2つの直線を含む3つの辺からなる形としては、直角二等辺三角形の他に、図2に示すように、二等辺三角形(図2a)、正三角形(図2b)、扇形(図2c)などが挙げられる。前記圧電振動領域15の形を、長さの等しい2つの直線を含む3つの辺からなる形とすることにより、横モードにより不規則な成分を含まない吸収及び/又は伝送スペクトルを有する薄膜圧電共振器の作製が可能となる。
以下、スパイクの発生原因である振動の横モードについて説明する。図3に示すような圧電振動領域となる前記第1の電極と前記第2の電極の重なり部分30が矩形をした従来型の薄膜圧電共振器を例に説明する。前記矩形は2組の平行な2辺により構成されているので、いかなる点から横モード振動が発生しても平行な辺の1点で反射して同じ点に戻ってくる。例えば、圧電振動領域の境界点31から発生した横モードの波は伝播経路32を通り対面する辺により反射し、再び経路32を戻ってくる。すなわち経路長は2Wである。同様に圧電振動領域の境界点33から発生した横モードについても経路長Wを有する経路34を通り対向する辺により反射し、再び経路34を戻ってくるため経路長は2Wである。このように外周上に同一の周波数を持つ横モード振動が存在することによりスパイクが発生する。
図4は、本発明の圧電振動領域の形が、長さの等しい2つの直線を含む3つの辺からなる場合の横モード振動の説明図である。図4に示す圧電振動領域の形、即ち前記第1の電極と前記第2の電極の重なり部分、即ち圧電振動領域15の形は、対向する辺が平行ではない点で図3に示した重なり部分、即ち圧電振動領域15の形とは異なっている。図4に示す圧電振動領域の形では、1つの辺にある点41を出た波は対向する辺で反射してその波が出た同じ点に戻ってくることはある入射角を除いてない。このように外周上に同一の周波数を持つ横モード振動による共振あるいは定在波が存在しにくくなることによりスパイクの発生を抑制している。
本発明の薄膜圧電共振器では、構成部品の制限は特にないが、圧電シートの材料としては、酸化亜鉛(ZnO)や窒化アルミニウム(AlN)が挙げられる。特に窒化アルミニウム(AlN)は、音速が大きく周波数変動/膜圧変動が小さいため量産性に優れ、温度係数についてもZnOの半分以下となるなどの点で好ましい。
また、第1および第2の電極としては、モリブデン(Mo)、金(Au)、アルミニウム(Al)などが挙げられるが、モリブデン(Mo)が比較的安価であり、製造工程における取り扱いの容易さの点から好ましい。
基盤としては、シリコン(Si)、酸化シリコン(SiO)、ガリウム砒素(GaAs)、ガラスなどが挙げられる。
基板の空洞としては、基板に凹部を形成したものでもよいし、基板の裏面からエッチング等により、空間を形成したものでもよい。また、空洞部を図5に示すように音響インピーダンスの異なる材料層51が交互に重ねられたものに置き換えてもよい。電極層と圧電シートによるサンドイッチ構造部についてもこれらが複数重ねられたものでもよい。
本発明の薄膜圧電共振器は、特許文献1や特許文献2などに示される製造方法と同様に製造できる。例えば、シリコン(Si)、酸化シリコン(SiO)、ガリウム砒素(GaAs)、ガラスなどにより構成された基板上に、モリブデン(Mo)、金(Au)、アルミニウム(Al)などにより構成された底部の電極(第1の電極もしくは第2の電極)をスパッタリング法などの蒸着法により堆積し、酸化亜鉛(ZnO)や窒化アルミニウム(AlN)などの圧電材料をスパッタリング法などの蒸着法により堆積し、モリブデン(Mo)、金(Au)、アルミニウム(Al)などにより構成された頂部の電極(第2の電極もしくは第1の電極)をスパッタリング法などの蒸着法により堆積することにより薄膜圧電共振器が製造される。このとき、前記底部の電極の下層は空洞の領域もしくは高音響インピーダンスを有する金(Au)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)と低音響インピーダンスを有するシリコン(Si)、酸化シリコン(SiO)、アルミニウム(Al)などが交互に重ねられた層により構成された音響ミラー層である。
本発明の薄膜圧電フィルタは本発明の薄膜圧電共振器を用いたフィルタであり、フィルタ構成の1つとして図6に示すような複数の共振器がアンテナ入力端子線に対して直列に接続した共振器61と並列に接続した共振器62が梯子状に配置されたラダー型フィルタがある。このようなフィルタは、1つの基板上に、前記ラダ−型フィルタの回路構成となるように複数の圧電薄膜共振器を形成することで、製造できる。
本発明の薄膜圧電フィルタは、前記本発明の圧電薄膜共振器を複数用いた薄膜圧電フィルタであって、フィルタを構成する全ての圧電薄膜共振器において、隣り合う電気的に結合されている薄膜圧電共振器が、前記圧電振動領域を構成する二等辺三角形または扇形の3つの辺のうちの、長さの等しい2辺の内の1辺どうしが対向するように、配置されている。本発明の薄膜圧電フィルタの一実施形態を図7に示す。本発明の薄膜圧電フィルタは、フィルタを構成する全ての圧電薄膜共振器において、前記圧電振動領域を構成する二等辺三角形または扇型などの3辺のうち図7に示すように前記圧電振動領域を構成する長さの等しい2辺のうちの1辺71、72が対向するように薄膜圧電共振器を配置し、電気的に結合することにより、複数の薄膜圧電共振器を狭い領域に密集させることが可能となる。このとき電気伝送線路73の電気抵抗は(抵抗率×電気伝送線路長)/電気伝送線路断面積で表わされ、前記のように薄膜圧電共振器が配置されることにより電気伝送線路73の長さを小さくすることができ、電気抵抗を小さくすることができる。これにより共振器間の電気伝送線路の電気損失を小さくすることができ、低損失でQの高い薄膜圧電フィルタを提供することができる。
圧電振動領域を構成する二等辺三角形または扇形の3つの辺のうちの、長さの等しい2辺の内の1辺どうしが対向するように配置されている本発明の薄膜圧電フィルタが、小型で低損失であることを、さらに、図8を用いて説明する。図8(a)および(b)は、共に、同一面積の正方形の中に、4つの共振器形成した場合の模式図である。図8(a)の共振器は、従来の共振器の例として、正方形の圧電振動領域の形をしており、図8(b)の共振器は、本願発明の一実施形態として、圧電振動領域の形が直角二等辺三角形である。同一面積に4つの共振器を形成しているため、図8(a)と図8(b)の共振器の面積は同一である。しかしながら、図8の比較からわかるように、隣り合う共振器の対向する辺81の長さは、明らかに図8(b)の方が図(a)より長い。このように、本願発明の実施形態である図8(b)の薄膜圧電フィルタは、図8(a)のフィルタに比べ、電気伝送線路の電気損失を小さくすることができ、低損失でQの高い薄膜圧電フィルタとすることができる。逆に、同一の電気伝送線路の電気損失を得る場合、本願発明の薄膜圧電フィルタは、小型にすることが可能である。
(実施例1)
図9に示すような、2つの直列の薄膜圧電共振器101、102と、2つの並列の薄膜圧電共振器103、104とにより構成した回路を有するフィルタ105を作製した。その際、それぞれの薄膜圧電共振器の圧電振動領域の形は、直角二等辺三角形とし、図10に示すように各薄膜圧電共振器を配置し、薄膜圧電フィルタを作製した。図10において、上部電極は実線、下部電極は点線で示し、圧電振動領域を斜線にて示した。また、各薄膜圧電共振器101〜104の静電容量は1〜3pF程度にそれぞれ設定した。
作製した薄膜圧電共振器を有するフィルタの一部断面図を図12に示す。フィルタは以下のようにして作製した。
まず、図12に示すようにSi基板16の表面に絶縁層17としてSiOを熱酸化により約1μm形成した。続いて、絶縁層17の上に、空洞を形成するための犠牲層としてTiをスパッタリング法により50nm堆積した(図示せず)。これを各薄膜共振器が有する静電容量に合わせてエッチングによりパターニングを施した。
続いて、第1の電極11としてMoをスパッタリング法により約300nm堆積し、所望の形状とするためにエッチングによりパターニングを行った。続いて、圧電材料としてAlNを用い、AlNをスパッタリング法により約1300nm堆積し圧電シート12を形成し、所望の形状とするためにエッチングによりパターニングを行った。続いて、第2の電極13としてMoを第1の電極のMoと同様の方法で約300nm堆積し、パターニングを行った。
続いて、直列の薄膜圧電共振器20と並列の薄膜圧電共振器30の周波数を調整するために、並列の薄膜圧電共振器30の第2の電極の上に、Moを第2の電極のMoと同様の方法でさらに約50nm堆積し、並列の薄膜圧電共振器30のみに堆積された状態となるようにエッチングによるパターニングを行った。
続いて、第2の電極13から各共振器につき4〜5個の1μmφ程度の貫通孔19を犠牲層のTiまでエッチングにより開けた。
続いて、エッチング液を貫通孔19より犠牲層に注入し、犠牲層のTiを除去すると共に、犠牲層の下に接した層の一部も除去することにより、第1電極下に空洞層14を形成し、本発明における薄膜圧電共振器を有するフィルタ40を得た。このようにして得たフィルタの通過特性を図12に示す。図12に示されるように圧電振動領域の横モード振動による影響が少なく、スパイクなどの不規則な成分が押さえられ、挿入損失が少なく、優れたフィルタの特性を得ることができた。さらに、図10からわかるように、複数の共振器を狭い領域に配置でき、小型の薄膜圧電フィルタを構成できた。
(比較例1)
第1の電極と第2の電極による重なり部分の形状を正方形とし、図13のように共振器を配置した以外は実施例1と同様にしてフィルタを作製した。フィルタ中の回路構成及び各薄膜圧電共振器の静電容量は実施例1と同様である。得られたフィルタの通過特性を図14に示す。図10に示した本発明の薄膜圧電共振器を用いて得られたフィルタに比べ、薄膜圧電フィルタを構成する薄膜圧電共振器の形状が正方形である薄膜圧電フィルタは図14に示すようにスパイク151などの不規則な成分が見られ、挿入損失が増加し、好ましいフィルタ特性は得られなかった。また、電気伝送線路幅が狭くなるなど制約が多く、小型のフィルタを構成することができなかった。
(a)本発明の薄膜圧電共振器の一実施形態の模式的断面図、および(b)圧電振動領域を示す模式的平面図である。 本発明の薄膜圧電共振器の圧電振動領域の他の形を示す説明図である。 従来の薄膜圧電共振器の圧電振動領域の形を示す説明図である。 本発明の薄膜圧電共振器の圧電振動領域の横モードに関する説明図である。 本発明の薄膜圧電共振器の他の一実施形態の断面図である。 本発明による薄膜圧電共振器により構成されたラダー型フィルタの構成図である。 本発明の薄膜圧電フィルタの一実施形態における薄膜圧電共振器の配置図である。 本発明の薄膜圧電共振器を用いた薄膜圧電フィルタの効果を説明する共振器の模式的配置図である。 実施例1で作製したフィルタの構成図である。 実施例1で作製したフィルタの薄膜圧電共振器配置図である。 実施例1で作製したフィルタの模式的断面図である。 実施例1で得られた本発明の薄膜圧電共振器を用いたフィルタのフィルタ通過特性波形図である。 比較例1で作製したフィルタの薄膜圧電共振器配置図である。 比較例1で得られた従来の薄膜圧電共振器を用いたフィルタのフィルタ通過特性波形図である。
符号の説明
10、20、30、61、62、101〜104 薄膜圧電共振器
11 第1の電極
12 圧電シート
13 第2の電極
14 空洞領域
15 圧電振動領域
16 Si基板
18 周波数調整用Mo
19 貫通孔
31、33、41 圧電振動領域境界上の任意の点
32、34 横モード波の伝搬経路
40、105 フィルタ
51 音響ミラー
71、72、81 薄膜圧電共振器内における長さの等しい2辺のうちの1辺
73 薄膜圧電共振器間の電気伝送線路
151 スパイク

Claims (6)

  1. 第1の面及び第2の面を有する圧電シートと、前記第1の面上の導電性の層から成る第1の電極と、前記第2の面上の導電性の層から成る第2の電極とを有し、前記第1の電極の一部は前記圧電シートを挟んで前記第2の電極の少なくとも一部分に重なり合って圧電振動領域を形成し、前記圧電シートの厚み方向から見た前記圧電振動領域の形が、長さの等しい2つの直線を含む3つの辺からなり、前記第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方の電極の厚さが、厚み方向の振動波長の0.05倍以上である薄膜圧電共振器を複数用いた薄膜圧電フィルタであって、
    フィルタを構成する全ての圧電薄膜共振器において、隣り合う電気的に結合されている薄膜圧電共振器が、前記圧電振動領域を構成する長さの等しい2辺の内の1辺どうしが対向するように配置されており、
    フィルタを構成する全ての薄膜圧電共振器の長さの等しい2辺それぞれが、隣り合う薄膜圧電共振器の長さの等しい2辺のうちの一辺と対向するように配置されていることを特徴とする薄膜圧電フィルタ。
  2. 前記圧電振動領域の形が、二等辺三角形であることを特徴とする請求項1記載の薄膜圧電フィルタ
  3. 前記圧電振動領域の形が、直角二等辺三角形であることを特徴とする請求項1記載の薄膜圧電フィルタ
  4. 前記圧電振動領域の形が、扇形であることを特徴とする請求項1記載の薄膜圧電フィルタ
  5. 前記圧電振動領域の形が、正三角形であることを特徴とする請求項1記載の薄膜圧電フィルタ
  6. 第1の電極の厚さ及び第2の電極の厚さが、共に、厚み方向の振動波長の0.05倍以上であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の薄膜圧電フィルタ
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