以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本明細書中において、同じ機能を示し同様の形状を有する部分については符号を付さず、説明を省略する場合もある。
(実施の形態1)
図1(A)(B)は本発明の発光装置の一部を示した断面図である。本発明の発光装置は基板100上に形成された下地絶縁層101と、下地絶縁層101上に形成された半導体層102を活性層とし、ゲート絶縁層103及びゲート電極104からなる薄膜トランジスタ105と、発光素子106を有している。薄膜トランジスタ105は絶縁層107により覆われており、絶縁層107上には、絶縁層107とゲート絶縁層103を貫通して設けられたコンタクトホールを介して半導体層102に電気的に接続する薄膜トランジスタ105の電極108、109と配線(図示せず)とが設けられている。なお、配線は電極108、109と同時に形成されても良く、また、別に形成されたても良い。また、薄膜トランジスタ105の電極109と一部重なって電気的に接続する発光素子106の第1の電極110が設けられており、第1の電極110の端部は隔壁113により覆われている。発光素子106は第1の電極110と第2の電極111との間に隔壁113から第1の電極110上に連続して形成される発光層112を挟んでなっており、発光層112における第1の電極110と第2の電極111とで直接挟まれた部分から発光を得ることができる。
絶縁層107は開口率を向上させる為に自己平坦性を有し、下部の薄膜トランジスタ105などにより発生した凹凸を緩和できるような材料で形成することが好ましい。例えば、アクリル、ポリイミド、もしくは珪素と酸素との結合で骨格構造が構成され、置換基として少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、アリール基)、フルオロ基、又は少なくとも水素を含む有機基及びフロオロ基を有する材料、いわゆるシロキサンなどの自己平坦性を有する塗布膜を用いる。
図1(A)は、絶縁層107上に形成された電極108、109、110や配線と絶縁層107との間のみ、すなわち、薄膜トランジスタ105の電極108、109、発光素子106の第1の電極110や絶縁層107と隔壁113との間に形成された配線(図示せず)と絶縁層107の上部表面との間のみにエッチングストッパー膜114が残存している構成となっている。エッチングストッパー膜114は電極108、109、110や絶縁層107と隔壁113との間に形成された配線をエッチングして形成する際、絶縁層107までエッチングされてしまうことを防ぐ役割がある。本実施の形態における本発明の発光装置は、絶縁層107を覆ってエッチングストッパー膜114を形成し、コンタクトホールを形成してからその上に電極108、109、110や絶縁層107と隔壁113との間に形成された配線の形成後、エッチングストッパー膜の露出している部分を除去する。こうして電極108、109、絶縁層107と隔壁113との間に形成された配線及び発光素子106の第1の電極110の下部のみにエッチングストッパー膜114が残存している構成を得ることができる。
エッチングストッパー膜114は絶縁層107と異なる非透水性の材料により形成され、導電性の有り無しは問わない。エッチングストッパー膜には窒化珪素を主成分とするの膜が好適に用いられ、また、電極108、109を形成する際のエッチングにおいて、電極108、109のエッチングレートより充分に低いエッチングレートを有する材料を利用する。
この構成を有する本発明の発光装置は、絶縁層107中の水が除去される熱処理に際して絶縁層107の全面にエッチングストッパー膜114が形成されていないため、エッチングストッパー膜114が除去された部分から、効果的に水が除去され、絶縁層107内部に残存する水の量を低減させることができる。
また、エッチングストッパー膜114が絶縁層107の全面に形成されていないため、絶縁層107に僅かに残存した水が発光素子106が形成されている層にしみ出したとしても、一部に集中せず、絶縁層107からしみ出した水が発光素子106へ及ぼす影響を低減することが可能となる。ここで、エッチングストッパー膜が絶縁層107の全面に形成されていた場合、絶縁層107に残存した水はエッチングストッパー膜に開いた僅かなピンホールや電極108、109等との境目に集中してしみ出す為、その周辺に位置する発光素子の劣化が促進されてしまうことになる。
また、発光素子106が水により劣化することを低減させることができるため、表示品質の向上、また、信頼性の向上が実現される。
図1(B)はエッチングストッパー膜115が薄膜トランジスタ105の電極108、109及び絶縁層107と隔壁113との間に形成された配線(図示せず)の下部のみに存在し、発光素子106の第1の電極110の下に存在していないことが図1(A)と異なるが、エッチングストッパー膜115を除去するタイミングが異なるだけで、効果や構成は図1(A)と同様である。すなわち、絶縁層107、エッチングストッパー膜115を形成し、薄膜トランジスタの電極108、109配線を形成後、発光素子106の第1の電極110を形成する前に露出しているエッチングストッパー膜115を除去する工程となる。
また、除去すべき部分のエッチングストッパー膜115を完全に除去するためには、ある程度のオーバーエッチングを行うことが有効である。この場合、エッチングストッパー膜を除去する条件に対する絶縁層とエッチングストッパー膜とのエッチレートにより、絶縁層が削られた形状となる場合もある。一例としてオーバーエッチングを行った場合の図1(A)(B)に対応する構造の模式図をそれぞれ図11(A)(B)に示した。このように、エッチングストッパー膜115が残存している部分の絶縁層107の厚みは、エッチングストッパー膜115を除去した部分の絶縁層107の厚みより厚くなる。
なお、オーバーエッチングは本発明の他の構成にも適用することが可能であり、その場合も当該エッチングストッパーが残存している部分の絶縁層の厚みは、当該エッチングストッパー膜が除去されている部分の絶縁層の厚みより厚くなる。
図2(A)は、薄膜トランジスタの電極と発光素子の第1の電極が異なる層に形成される構成の本発明の発光装置の断面図である。基板300上に形成された下地絶縁層301を有し、下地絶縁層301上に形成された半導体層302を活性層としてゲート絶縁層303及びゲート電極304からなる薄膜トランジスタ315と、発光素子316を有している。薄膜トランジスタ315は第1の絶縁層305により覆われており、第1の絶縁層305上には、配線(図示せず)と第1の絶縁層305とゲート絶縁層303を貫通して設けられたコンタクトホールを介して半導体層302に電気的に接続する薄膜トランジスタ315の電極306、307が設けられている。なお、配線は電極306、307と同時に形成されても良く、また、別に形成されても良い。図示しない配線と、薄膜トランジスタ315の電極306、307及び第1の絶縁層305は第2の絶縁層309で覆われている。第2の絶縁層309上には、第2の絶縁層309を貫通して設けられたコンタクトホールを介して薄膜トランジスタ315の電極307に接続する発光素子316の第1の電極311が形成されている。発光素子316は第2の絶縁層309上に形成された第1の電極311と第2の電極314との間に発光層313を挟んでなっている。また、第2の絶縁層309上には配線310が形成されていても良く、この配線310は、第2の電極314の抵抗が高い場合に図のように隔壁312に配線310に達するコンタクトホールを設けて第2の電極314と配線310を接続することで補助配線として用いることができる。もちろん、配線310は補助配線以外の用途に使用しても良い。
なお、図2(A)において第1の絶縁層305と第2の絶縁層309のどちらか片方は開口率を向上させる為、自己平坦性を有し、下部の薄膜トランジスタ315などにより発生した凹凸を緩和できるような材料で形成する。例えば、アクリル、ポリイミド、もしくはシロキサンなどの自己平坦性を有する塗布膜を用いる。
第1の絶縁層305の上部表面と薄膜トランジスタ315の電極306、307及び第1の絶縁層305と隔壁312との間に形成された配線(図示せず)との間にはエッチングストッパー膜308が設けられている。エッチングストッパー膜308は電極306、307及び第1の絶縁層305と隔壁312との間に形成された配線をエッチングする際、第1の絶縁層305までエッチングされてしまうことを防ぐ役割がある。本実施の形態における本発明の発光装置は、第1の絶縁層305を覆ってエッチングストッパー膜を形成し、その上に導電膜を形成しパターニング、エッチングを行うことによって電極306、307、絶縁層305と配線を形成後、露出しているエッチングストッパー膜を除去する。こうして電極306、307と第1の絶縁層305と隔壁312との間に形成された配線の下部のみにエッチングストッパー膜308が残存している構成を得ることができる。
エッチングストッパー膜308は第1の絶縁層305と異なる非透水性の材料により形成され、導電性の有り無しは問わない。エッチングストッパー膜には窒化珪素を主成分とする膜が好適に用いられ、また、電極306、307及び第1の絶縁層305と隔壁312との間に形成された配線を形成する際のエッチングにおいて、これらのエッチングレートより充分に低いエッチングレートを有する材料を利用する。
また、第2の絶縁層309の上部表面と発光素子316の第1の電極311、配線310との間にもエッチングストッパー膜317が設けられている。エッチングストッパー膜317は第1の電極311、配線310をエッチングする際、第2の絶縁層309までエッチングされてしまうことを防ぐ役割がある。作製方法はエッチングストッパー膜308と同様、第2の絶縁層309を覆ってエッチングストッパー膜を形成し、その上に第1の電極311、配線310を形成後、露出しているエッチングストッパー膜を除去する。こうして第1の電極311、配線310の下部のみにエッチングストッパー膜317が残存している構成を得る。
エッチングストッパー膜317は第2の絶縁層309と異なる材料により形成され、導電性の有り無しは問わない。エッチングストッパー膜には窒化珪素を主成分とするの膜が好適に用いられ、また、第1の電極311、配線310を形成する際のエッチングにおいて、それらのエッチングレートより充分に低いエッチングレートを有する材料を利用する。
なお、エッチングレートの関係でエッチングストッパー膜308またはエッチングストッパー膜317のどちらかが必要で無い場合には該当する方のエッチングストッパー膜を形成せずとも良い。
この構成を有する本発明の発光装置は、第1の絶縁層305及び第2の絶縁層309中の水が除去される熱処理に際してこれら絶縁層の全面にエッチングストッパー膜が形成されていないため、エッチングストッパー膜が除去された部分から、効果的に水が除去され、第1の絶縁層305及び第2の絶縁層309内部に残存する水の量を低減させることができる。
また、エッチングストッパー膜317が絶縁層の全面に形成されていないため、絶縁層に僅かに残存した水が発光素子316の形成されている層にしみ出したとしても、一部に集中せず、第2の絶縁層309からしみ出した水が発光素子316へ及ぼす影響を低減することが可能となる。
また、発光素子316が水により劣化することを低減させることができるため、表示品質の向上、また、信頼性の向上が実現される。
図2(B)は図2(A)とほぼ同様の構成であるが、第1の絶縁層350が酸化珪素や窒化珪素などの無機膜により形成されている例である。このような膜は薄膜トランジスタ353の電極351、352や第1の絶縁層350と第2の絶縁層309との間に形成した配線のエッチングに充分なエッチングレートの差があることが多いので電極351、352及び第1の絶縁層350と第2の絶縁層309との間に形成した配線と第1の絶縁層350の上部表面との間のエッチングストッパー膜は設けずとも良い。この際、第1の絶縁層350は下部の凹凸をそのまま反映している為、第2の絶縁層309は自己平坦性を有する材料で形成する。例えば、アクリル、ポリイミド、もしくはシロキサンなどの自己平坦性を有する塗布膜などがこれに当たる。なお、その他の構成、及び効果については図2(A)と同様である為割愛する。
図2(C)も図2(A)とほぼ同じ構成を有しているが、図2(A)における配線310が発光素子の第2の電極の見かけの抵抗を下げるための補助配線ではなく、薄膜トランジスタ315の電極306に電気的に接続する配線370として用いられている。また、発光素子の第1の電極311は直接薄膜トランジスタ315の電極307に接続するのではなく、配線371を介して接続している。なお、その他の構成、及び効果については図2(A)と同様である為割愛する。
本実施の形態では、トランジスタの電極とその下の絶縁層との間にエッチングストッパーが設けられている構成、配線とその下の絶縁層との間にエッチングストッパー膜が設けられている構成、発光素子の電極とその下の絶縁層との間にエッチングストッパーが設けられている構成、発光素子の電極とその下の絶縁層との間にエッチングストッパーが設けられていない構成を開示し、各々をトランジスタの電極と発光素子の電極が同じ絶縁層上に形成されている構成、異なる絶縁膜上に形成されている構成などに適用したパターンを示したが、これら要素の組み合わせは自由に行うことが可能である。
本実施の形態において、下地絶縁層、絶縁層、第1の絶縁層、第2の絶縁層はそれぞれ単層で記載したが、2以上の多層構造を有していてもかまわない。また、エッチングストッパー膜についても単層、多層どちらでも良い。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の発光素子の作製方法について図3、図4を参照しながら説明する。
基板800上に絶縁層801を形成した後、さらに半導体層を絶縁層801上に形成する。(図3(A))
基板800の材料としては透光性を有するガラス、石英やプラスチック(ポリイミド、アクリル、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルスルホンなど)等を用いることができる。これら基板は必要に応じてCMP等により研磨してから使用しても良い。本実施の形態においてはガラス基板を用いる。
絶縁層801は基板800中のアルカリ金属やアルカリ土類金属など、半導体膜の特性に悪影響を及ぼすような元素が半導体層中に拡散するのを防ぐ為に設ける。材料としては酸化珪素、窒化珪素、窒素を含む酸化珪素、酸素を含む窒化珪素などを用いることができ、単層、または積層構造とすることにより形成する。なお、アルカリ金属やアルカリ土類金属の拡散が心配ないようであれば特に絶縁層801は設ける必要がない。
続いて形成される半導体層は本実施の形態では非晶質珪素膜をレーザ結晶化して得る。絶縁層801上に非晶質珪素膜を25〜100nm(好ましくは30〜60nm)の膜厚で形成する。作製方法としては公知の方法、例えばスパッタ法、減圧CVD法またはプラズマCVD法などが使用できる。その後、500℃で1時間の加熱処理を行い水素出しをする。
続いてレーザ照射装置を用いて非晶質珪素膜を結晶化して結晶質珪素膜を形成する。本実施の形態のレーザ結晶化ではエキシマレーザを使用し、発振されたレーザビームを光学系を用いて線状のビームスポットに加工し非晶質珪素膜に照射することで結晶質珪素膜とし、半導体層として用いる。
非晶質珪素膜の他の結晶化の方法としては、他に、熱処理のみにより結晶化を行う方法や結晶化を促進する触媒元素を用い加熱処理を行う事によって行う方法もある。結晶化を促進する元素としてはニッケル、鉄、パラジウム、錫、鉛、コバルト、白金、どう、金などが挙げられ、このような元素を用いることによって熱処理のみで結晶化を行った場合に比べ、低温、短時間で結晶化が行われるため、ガラス基板などへのダメージが少ない。熱処理のみにより結晶化をする場合は、基板800を熱に強い石英基板などにしなければいけない。
続いて、必要に応じて半導体層にしきい値をコントロールする為に微量の不純物添加、いわゆるチャネルドーピングを行う。要求されるしきい値を得る為にN型もしくはP型を呈する不純物(リン、ボロンなど)をイオンドーピング法などにより添加する。
その後、図3(A)に示すように半導体層を所定の形状にパターニングし、島状の半導体層802を得る。パターニングは半導体層にフォトレジストを塗布し、所定のマスク形状を露光し、焼成して、半導体層上にレジストマスクを形成し、このマスクを用いてエッチングをすることにより行われる。
続いて半導体層802を覆うようにゲート絶縁層803を形成する。ゲート絶縁層803はプラズマCVD法またはスパッタ法を用いて膜厚を40〜150nmとして珪素を含む絶縁層で形成する。
次いで、ゲート絶縁層803上にゲート電極804を形成する。ゲート電極804はTa、W、Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Ndから選ばれた元素で形成すれば良く、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素膜に代表される半導体膜を用いてもよい。また、AgPdCu合金を用いてもよい。
また、本実施の形態ではゲート電極804は単層で形成されているが、下層にタングステン、上層にモリブデンなどの2層以上の積層構造でもかまわない。積層構造としてゲート電極を形成する場合であっても前段で述べた材料を使用するとよい。また、その組み合わせも適宜選択すればよい。
ゲート電極804の加工はフォトレジストを用いたマスクを利用し、エッチングをして行う。
続いて、ゲート電極804をマスクとして半導体層802に高濃度の不純物を添加する。これによって半導体層802、ゲート絶縁層803、及びゲート電極804を含む薄膜トランジスタが形成される。
なお、薄膜トランジスタの作製工程については特に限定されず、所望の構造のトランジスタを作製できるように適宜変更すればよい。
本実施の形態では、レーザ結晶化を使用して結晶化した結晶性シリコン膜を用いたトップゲートの薄膜トランジスタを用いたが、非晶質半導体膜を用いたボトムゲート型の薄膜トランジスタを画素部に用いることも可能である。非晶質半導体は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムも用いることができ、シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
また非晶質半導体中に0.5nm〜20nmの結晶を粒観察することができる微結晶半導体膜(セミアモルファス半導体)を用いてもよい。また0.5nm〜20nmの結晶を粒観察することができる微結晶はいわゆるマイクロクリスタル(μc)とも呼ばれている。
セミアモルファス半導体であるセミアモルファスシリコン(SASとも表記する)は、珪化物気体をグロー放電分解することにより得ることができる。代表的な珪化物気体としては、SiH4であり、その他にもSi2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることができる。この珪化物気体を水素、水素とヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈して用いることでSASの形成を容易なものとすることができる。希釈率は10倍〜1000倍の範囲で珪化物気体を希釈することが好ましい。グロー放電分解による被膜の反応生成は0.1Pa〜133Paの範囲の圧力で行えば良い。グロー放電を形成するための電力は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHzの高周波電力を供給すれば良い。基板加熱温度は300度以下が好ましく、100〜250度の基板加熱温度が好適である。
このようにして形成されたSASはラマンスペクトルが520cm-1よりも低波数側にシフトしており、X線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。未結合手(ダングリングボンド)の中和剤として水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020cm-1以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019/cm3以下、好ましくは1×1019/cm3以下とする。TFTにしたときの移動度μ=1〜10cm2/Vsecとなる。また、このSASをレーザでさらに結晶化して用いても良い。
続いて、ゲート電極804、ゲート絶縁層803を覆う絶縁層805を形成する。絶縁層805を形成する材料としてはアクリル、ポリイミドやシロキサンで作製すればよい。本実施の形態ではシロキサンを絶縁層805として形成した。(図3(B))
次に、絶縁層805上にエッチングストッパー膜806を成膜する。エッチングストッパー膜806は絶縁層805と異なる材料により形成する。具体的には窒化珪素や酸素を有する窒化珪素など、この後に形成する電極807、808をエッチングして形成する際、絶縁層805がエッチングされずに済む程度に絶縁層805との選択比が充分な材料を用いる。なお、エッチングストッパー膜の材料に関してはその導電性の有無を問わない。本実施の形態においては、窒化珪素膜をエッチングストッパー膜806として形成した。(図3(C))
続いて、エッチングストッパー膜806、絶縁層805及びゲート絶縁層803を貫通して半導体層802に至るコンタクトホールを形成する。(図3(D))
コンタクトホールの形成と基板周辺部の絶縁層除去はレジストを用いて、ドライエッチングもしくはウエットエッチングにより行えば良いが、絶縁層805、エッチングストッパー膜806及びゲート絶縁層803の材料によっては条件を変えて複数のエッチングによりコンタクトホールを形成する方が良い場合がある。
なお、ウエットエッチングを使用する際や、レジストを剥離液を用いて除去する際には、絶縁層805中には水が侵入していると考えられるため、レジスト除去後、絶縁層805中の水を除去する目的で熱処理を行っても良い。熱処理は大気中、減圧中、真空中及び特定のガス雰囲気中のどれでも行うことが可能であり、実施者は都合の良い条件により処理を行えばよい。ただし、絶縁層805はエッチングストッパー膜806に覆われているため、この時点では充分な水の除去ができない場合もある。
そして、当該コンタクトホールや絶縁層805、エッチングストッパー膜806を覆う導電層を形成する。当該導電層を所望の形状に加工し、電極807、808及び図示しない配線を形成する。これらはアルミニウム、銅等の単層でも良いが、本実施の形態ではTFT側からモリブデン、アルミニウム、モリブデンの積層構造とする。積層配線としては他にTFT側からチタン、アルミニウム、チタンやチタン、窒化チタン、アルミニウム、チタンといった構造でも良い。
導電層の加工はレジストを用いてドライエッチングもしくはウエットエッチングにより行えばよい。エッチングストッパー膜806の存在により絶縁層805までエッチングされてしまうことが防止できる。なお、コンタクトホールを形成する時と同様、ウエットエッチングを使用する際や、レジストを剥離液を用いて除去する際には、絶縁層805中には水が侵入していると考えられるため、レジスト除去後、絶縁層805中の水を除去する目的で熱処理を行っても良い。熱処理は大気中、減圧中、真空中及び特定のガス雰囲気中のどれでも行うことが可能であり、実施者は都合の良い条件により処理を行えばよい。ただし、絶縁層805はエッチングストッパー膜806に覆われているため、この時点では充分な水の除去ができない場合もある。
これにより、画素部の薄膜トランジスタ809が完成する。
そして画素部の薄膜トランジスタ809の電極808の一部を覆って、透光性を有する導電層を形成したのち、当該透光性を有する導電層を加工して第1の電極810を形成する。(図4(A))
透光性を有する導電層の加工はレジストを用いてドライエッチングもしくはウエットエッチングにより行えばよい。なお、コンタクトホールや電極807、808を形成する時と同様、ウエットエッチングを使用する際や、レジストを剥離液を用いて除去する際には、絶縁層805中には水が侵入していると考えられるため、レジスト除去後、絶縁層805中の水を除去する目的で熱処理を行っても良い。熱処理は大気中、減圧中、真空中及び特定のガス雰囲気中のどれでも行うことが可能であり、実施者は都合の良い条件により処理を行えばよい。ただし、絶縁層805はエッチングストッパー膜806に覆われているため、この時点では充分な水の除去ができない場合もある。
ここで第1の電極810は薄膜トランジスタ809の電極808と電気的に接触している。第1の電極810の材料としてはインジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)や酸化珪素を含有するITO、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛を含有したIZO(Indium Zinc Oxide)もしくは酸化亜鉛そのもの、そして酸化亜鉛にガリウムを含有したGZO(Galium Zinc Oxide)等を用いるとよい。
続いて、薄膜トランジスタ809の電極807、808及び発光素子の第1の電極810をマスクとして、露出しているエッチングストッパー膜806をエッチングにより除去する。エッチングはウエットエッチング、ドライエッチングのどちらでも良く、本実施の形態ではドライエッチングによりエッチングを行った。(図4(B))
なお、絶縁層805とエッチングストッパー膜との選択比が大きいエッチング方法であれば第1の電極810とエッチングストッパー膜806のエッチングを同時に行っても良い。また、エッチングの時間を制御して電極807、808のエッチングと同じエッチングでエッチングストッパー膜806を除去してしまう方法も考えられる。
なお、ウエットエッチングによりエッチングを行った際、絶縁層805中には水が侵入していると考えられるため、レジスト除去後、絶縁層805中の水を除去する目的で熱処理を行っても良い。絶縁層805はエッチングストッパー膜806に覆われていないため、充分に水の除去を行うことができる。ただし、この後の工程でまた水にさらされるような工程がある場合はその工程が終了した後、まとめて熱処理を行っても良い。熱処理は大気中、減圧中、真空中及び特定のガス雰囲気中のどれでも行うことが可能であり、実施者は都合の良い条件により処理を行えばよい。
次にエッチングストッパー膜806及び第1の電極810を覆って有機材料もしくは無機材料からなる絶縁層を形成する。続いて当該絶縁層は第1の電極の端部を覆い且つ第1の電極の一部が露出するように加工し、隔壁811を形成する。隔壁811の材料としては、感光性を有する有機材料(アクリル、ポリイミドなど)が好適に用いられるが、感光性を有さない有機材料や無機材料で形成してもかまわない。本実施の形態では感光性のポリイミドをもしいた。隔壁811の第1の電極に面した端面は曲率を有し、当該曲率が連続的に変化するテーパー形状をしていることが望ましい。なお、隔壁811に顔料やカーボンなど黒色の物質を混入し、ブラックマトリクスとして用いても良い。(図4(C))
隔壁811の加工は感光性を有する材料を用いたのであれば露光、現像することで、非感光性の材料を用いたのであればレジストを用いてドライエッチングもしくはウエットエッチングにより行えばよい。なお、感光性の材料を用いて現像する際や、ウエットエッチングを使用する際、レジストを剥離液を用いて除去する際には、隔壁811及び絶縁層805中には水が侵入していると考えられるため、レジスト除去後、隔壁811及び絶縁層805中の水を除去する目的で熱処理を行っても良い。
熱処理は大気中、減圧中、真空中及び特定のガス雰囲気中のどれでも行うことが可能であり、実施者は都合の良い条件により処理を行えばよいが、真空中での熱処理を行うと効果的である。絶縁層805はその全面をエッチングストッパー膜806により覆われていないので充分に内部の水を除去することが可能となる。本実施の形態においては真空中での熱処理を行った。
次に、隔壁811から露出した第1の電極810を覆う発光層812を形成する。発光層812は蒸着法やインクジェット法、スピンコート法などいずれの方法を用いて形成してもかまわない。(図4(D))
続いて発光層812を覆う第2の電極813を形成する。これによって第1の電極810と発光層812と第2の電極813とからなる発光素子814を作製することができる。
なお、隔壁811を形成し、真空中での熱処理を行った後は発光層812の形成、第2の電極の形成まで大気に解放せずに行うことが望ましい。これは、大気中の水が発光装置内に取り込まれるのを防止することができる為である。
その後、プラズマCVD法により窒素を含む酸化珪素膜をパッシベーション膜として形成しても良い。窒素を含む酸化珪素膜を用いる場合には、プラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3から作製される酸化窒化ケイ素膜、またはSiH4、N2Oから作製される酸化窒化ケイ素膜、あるいはSiH4、N2OをArで希釈したガスから形成される酸化窒化ケイ素膜を形成すれば良い。
また、パッシベーション膜としてSiH4、N2O、H2から作製される酸化窒化水素化ケイ素膜を適用しても良い。もちろん、パッシベーション膜は単層構造に限定されるものではなく、他のケイ素を含む絶縁層を単層構造、もしくは積層構造として用いても良い。また、窒化炭素膜と窒化ケイ素膜の多層膜やスチレンポリマーの多層膜、窒化ケイ素膜やダイヤモンドライクカーボン膜を窒素を含む酸化珪素膜の代わりに形成してもよい。
続いて表示部の封止を行う。対向基板を封止に用いる場合は、絶縁性のシール材により、外部接続部が露出するように貼り合わせる。対向基板には凹部を作製して乾燥材を貼り付けても良い。対向基板と素子が形成された基板との間の空間には乾燥した窒素などの不活性気体を充填しても良いし、シール材を画素部全面に塗布しそれにより対向基板を形成しても良い。シール材には紫外線硬化樹脂などを用いると好適である。シール材には乾燥材やギャップを一定に保つための粒子を混入しておいても良い。続いて外部接続部にフレキシブル配線基板を貼り付けることによって、発光装置が完成する。
なお、表示機能を有する本発明の発光表示装置には、アナログのビデオ信号、デジタルのビデオ信号のどちらを用いてもよい。デジタルのビデオ信号を用いる場合はそのビデオ信号が電圧を用いているものと、電流を用いているものとに分けられる。発光素子の発光時において、画素に入力されるビデオ信号は、定電圧のものと、定電流のものがあり、ビデオ信号が定電圧のものには、発光素子に印加される電圧が一定のものと、発光素子に流れる電流が一定のものとがある。またビデオ信号が定電流のものには、発光素子に印加される電圧が一定のものと、発光素子に流れる電流が一定のものとがある。この発光素子に印加される電圧が一定のものは定電圧駆動であり、発光素子に流れる電流が一定のものは定電流駆動である。定電流駆動は、発光素子の抵抗変化によらず、一定の電流が流れる。本発明の発光表示装置及びその駆動方法は、上記した駆動方法のいずれを用いても良い。
以上が本発明の発光装置の作製方法である。
(実施の形態3)
本実施の形態では図2(B)に示した構成の発光装置を作製する方法について図5を参照しながら説明する。まず、基板800上に下地絶縁層801、半導体層802、ゲート絶縁層803、ゲート電極804を形成するところまで(図5(A))は実施の形態2における図3(A)の説明と同一であるのでその説明を省略する。
ゲート電極804を形成した後、第1の絶縁層850を形成する。第1の絶縁層850はアクリル、ポリイミドの有機絶縁層や酸化珪素や、窒化珪素を主成分とするの無機絶縁層、シロキサンなどで形成することができるが、本実施の形態では酸化珪素を第1の絶縁層850として用いた。なお、アクリル、ポリイミドやシロキサンなどの塗布により成膜する自己平坦性を有する材料を用いた場合は図2(A)のような構成となる。
続いて、第1の絶縁層850、ゲート絶縁層803を貫通してもうけられたコンタクトホールを形成する。そして、当該コンタクトホールや第1の絶縁層850を覆う導電層を形成する。当該導電層を所望の形状に加工し、電極851、852や図示しない配線を形成する。これらはアルミニウム、銅等の単層でも良いが、積層構造でも良い。積層配線としては半導体層側からモリブデン、アルミニウム、モリブデンの順、チタン、アルミニウム、チタンの順、もしくはやチタン、窒化チタン、アルミニウム、チタンの順に積層した構造などが挙げられる。
本実施の形態では、第1の絶縁層850に酸化珪素を用いた為、エッチングストッパー膜を設ける必要が無いが、第1の絶縁層850として電極851、852や図示しない配線のエッチングにおいて充分なエッチングレートの差が無いような材料を用いた場合はエッチングストッパー膜を設けることが必要である。この際は電極851、852や配線を形成した後、それらをマスクとして露出しているエッチングストッパー膜を除去すると良い。
導電層の加工やコンタクトホールの開口はレジストを用いてドライエッチングもしくはウエットエッチングにより行えばよい。なお、ウエットエッチングを使用する際や、レジストを剥離液を用いて除去する際には、絶縁層が水に曝されることとなるため、レジスト除去後、熱処理を行っても良い。熱処理は大気中、減圧中、真空中及び特定のガス雰囲気中のどれでも行うことが可能であり、実施者は都合の良い条件により処理を行えばよい。ただし、第1の絶縁層850が高い非透水性を有している場合、脱水を目的とした熱処理は必ずしも必要でない場合もある。
これにより、画素部の薄膜トランジスタ853が完成する。(図5(B))
続いて、電極851、852や配線、第1の絶縁層850を覆う第2の絶縁層854を形成する。第2の絶縁層854を形成する材料としては、第1の絶縁層850の材料としてあげたものと同様の材料で作製すればよい。本実施の形態においては、第1の絶縁層850が自己平坦性を有さず、下層の凹凸を反映してしまう酸化珪素により作製されている為、第2の絶縁層においては自己平坦性を有するアクリル、ポリイミドもしくはシロキサンを用いる。本実施の形態ではシロキサンを第2の絶縁層854として形成した。(図5(C))
次に、第2の絶縁層854上にエッチングストッパー膜855を成膜する。エッチングストッパー膜855は第2の絶縁層854と異なる非透水性の材料により形成する。具体的には窒化珪素や酸素を有する窒化珪素など、この後に形成する配線856および発光素子の第1の電極857エッチングと選択比の高い材料を用いる。なお、エッチングストッパー膜の材料に関してはその導電性の有無を問わない。本実施の形態においては、窒化珪素膜をエッチングストッパー膜855として形成した。
エッチングストッパー膜855を形成した後、その上に導電膜を形成し、加工することで配線856を形成する。配線856は図2(A)における配線310に相当する。エッチングストッパー膜855が形成されている為、そのエッチングに際し、下層の膜が大きくエッチングされること無く形成することができる。(図5(D))
続いて、発光素子の第1の電極857を形成する。第1の電極857は第2の絶縁層854に設けられたコンタクトホールを介して薄膜トランジスタ853の電極852に電気的に接続している。第1の電極857は透光性を有する導電層を形成した後、当該導電層を加工して形成する。第1の電極857の材料としてはインジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)や酸化珪素を含有するITO、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛を含有したIZO(Indium Zinc Oxide)もしくは酸化亜鉛そのもの、そして酸化亜鉛にガリウムを含有したGZO(Galium Zinc Oxide)等を用いるとよい。
当該導電層の加工はレジストを用いてドライエッチングもしくはウエットエッチングにより行えばよい。なお、ウエットエッチングを使用する際や、レジストを剥離液を用いて除去する際には、第2の絶縁層854中には水が侵入していると考えられるため、レジスト除去後、第2の絶縁層854中の水を除去する目的で熱処理を行っても良い。熱処理は大気中、減圧中、真空中及び特定のガス雰囲気中のどれでも行うことが可能であり、実施者は都合の良い条件により処理を行えばよい。ただし、第2の絶縁層854はエッチングストッパー膜855に覆われているため、充分な水の除去ができない場合もある。
続いて、配線856及び発光素子の第1の電極857をマスクとして、露出しているエッチングストッパー膜855をエッチングにより除去する。エッチングはウエットエッチング、ドライエッチングのどちらでも良く、本実施の形態ではドライエッチングによりエッチングを行った。なお、第1の電極857のエッチングと第2の絶縁層854及び配線856の選択比が大きいエッチング方法であれば第1の電極857とエッチングストッパー膜855のエッチングを同時に行っても良い。なお、第1の電極857や配線856が第2の絶縁層854との選択比を大きくとれるようであればエッチングストッパー膜を設ける必要は無い。また、どちらか片方の形成時のみ用いても良い。
なお、ウエットエッチングによりエッチングを行った際、第2の絶縁層854中には水が侵入していると考えられるため、レジスト除去後、第2の絶縁層854中の水を除去する目的で熱処理を行っても良い。第2の絶縁層854はエッチングストッパー膜855に覆われていないため、充分に水の除去を行うことができる。ただし、この後の工程でまた水にさらされるような工程がある場合はその工程が終了した後、まとめて熱処理を行っても良い。熱処理は大気中、減圧中、真空中及び特定のガス雰囲気中のどれでも行うことが可能であり、実施者は都合の良い条件により処理を行えばよい。
この後の工程については実施の形態2における図4(C)からの工程と同様であるため、説明を省略する。
以上が本発明の発光装置の作製方法である。なお、本実施の形態における発光装置の作製方法は実施の形態2と適宜組み合わせて使用することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一形態に相当する発光装置のパネルの外観について図6を用いて説明する。図6は基板上に形成されたトランジスタおよび発光素子を対向基板4006との間に形成したシール材によって封止したパネルの上面図である。
基板4001上に設けられた画素部4002と信号処理回路4003と信号線駆動回路4020と走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。また、画素部4002と信号処理回路4003と信号線駆動回路4020と、走査線駆動回路4004の上に対向基板4006が設けられている。よって画素部4002と信号処理回路4003と信号線駆動回路4020と、走査線駆動回路4004とは基板4001とシール材4005と対向基板4006とによって充填材と共に密封されている。
また、基板4001上に設けられた画素部4002と信号処理回路4003と信号線駆動回路4020と走査線駆動回路4004とは薄膜トランジスタを複数有している。
また、引き回し配線は画素部4002と信号処理回路4003と信号線駆動回路4020と、走査線駆動回路4004とに、信号、または電源電圧を供給する為の配線に相当する。引き回し配線は接続端子と接続されており、接続端子はフレキシブルプリントサーキット(FPC)4018が有する端子と異方性導電膜を介して電気的に接続されている。
なお、充填材としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、ポリビニルクロライド、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラル、またはエチレンビニレンアセテートを用いる事ができる。
なお、本発明の表示装置は発光素子を有する画素部が形成されたパネルと、該パネルにICが実装されたモジュールとをその範疇に含む。
(実施の形態5)
実施の形態4にその一例を示したようなモジュールを搭載した本発明の電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それらの電子機器の具体例を図7に示す。
図7(A)は発光表示装置でありテレビ受像器やコンピュータのモニターなどがこれに当たる。筐体2001、表示部2003、スピーカー部2004等を含む。本発明の発光表示装置は表示部2003の発光取り出し面を見る角度に依存した発光スペクトルの変化が低減され、また、表示の品質が向上する。画素部にはコントランスを高めるため、偏光板、又は円偏光板を備えるとよい。例えば、封止基板へ1/4λ板、1/2λ板、偏光板の順にフィルムを設けるとよい。さらに偏光板上に反射防止膜を設けてもよい。
図7(B)は携帯電話であり、本体2101、筐体2102、表示部2103、音声入力部2104、音声出力部2105、操作キー2106、アンテナ2108等を含む。本発明の携帯電話は、表示部2103における発光素子の劣化が抑制され、信頼性が向上する。
図7(C)はコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明のコンピュータは表示部2203の発光取り出し面を見る角度に依存した発光スペクトルの変化が低減され、また、表示の品質が向上する。図7(C)ではノート型のコンピュータを例示したが、ハードディスクと表示部が一体化したデスクトップ型のコンピュータなどにも適用することが可能である。
図7(D)はモバイルコンピュータであり、本体2301、表示部2302、スイッチ2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。本発明のモバイルコンピュータは、表示部2302における発光素子の劣化が抑制され、信頼性が向上する。
図7(E)は携帯型のゲーム機であり、筐体2401、表示部2402、スピーカー部2403、操作キー2404、記録媒体挿入部2405等を含む。本発明の携帯型ゲーム機は表示部2402における発光素子の劣化が抑制され、信頼性が向上する。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態では発光層の構成について詳しく説明する。
発光層は、有機化合物又は無機化合物を含む電荷注入輸送物質及び発光材料で形成し、低分子系有機化合物、中分子系有機化合物(昇華性を有さず、且つ分子数が20以下、又は連鎖する分子の長さが10μm以下の有機化合物を指していう)、高分子系有機化合物から選ばれた一種又は複数種の層を含み、電子注入輸送性又は正孔注入輸送性の無機化合物と組み合わせても良い。
電荷注入輸送物質のうち、特に電子輸送性の高い物質としては、例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げられる。また正孔輸送性の高い物質としては、例えば4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)や4,4'−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)や4,4',4''−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4',4''−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物が挙げられる。
また、電荷注入輸送物質のうち、特に電子注入性の高い物質としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物が挙げられる。また、この他、Alq3のような電子輸送性の高い物質とマグネシウム(Mg)のようなアルカリ土類金属との混合物であってもよい。
電荷注入輸送物質のうち、正孔注入性の高い物質としては、例えば、モリブデン酸化物(MoOx)やバナジウム酸化物(VOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、タングステン酸化物(WOx)、マンガン酸化物(MnOx)等の金属酸化物が挙げられる。また、この他、フタロシアニン(略称:H2Pc)や銅フタロシアニン(CuPC)等のフタロシアニン系の化合物が挙げられる。
発光層は、発光波長帯の異なる発光層を画素毎に形成して、カラー表示を行う構成としても良い。典型的には、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応した発光層を形成する。この場合にも、画素の光放射側にその発光波長帯の光を透過するフィルター(着色層)を設けた構成とすることで、色純度の向上や、画素部の鏡面化(映り込み)の防止を図ることができる。そのため、フィルター(着色層)を設けることで、従来画素部の鏡面化(写り込み)を防止するために用いられていた円偏光板などを省略することが可能となり、偏光板を用いた事によって約半分となっていた光の損失を無くすことができる。さらに、斜方から画素部(表示画面)を見た場合に起こる色調の変化を低減することができる。
発光材料には様々な材料がある。低分子系有機発光材料では、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−9−ジュロリジル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−t−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)、ペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6、クマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)や9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)等を用いることができる。また、この他の物質でもよい。
一方、高分子系有機発光材料は低分子系に比べて物理的強度が高く、素子の耐久性が高い。また塗布により成膜することが可能であるので、素子の作製が比較的容易である。高分子系有機発光材料を用いた発光素子の構造は、低分子系有機発光材料を用いたときと基本的には同じであり、半導体層側から陰極、有機発光層、陽極という構造である。しかし、高分子系有機発光材料を用いた発光層を形成する際には、低分子系有機発光材料を用いたときのような積層構造を形成させることは難しく、多くの場合2層構造となる。具体的には、半導体層側から陰極、発光層、正孔輸送層、陽極という構造である。
発光色は、発光層を形成する材料で決まるため、これらを選択することで所望の発光を示す発光素子を形成することができる。発光層の形成に用いることができる高分子系の電界発光材料は、ポリパラフェニレンビニレン系、ポリパラフェニレン系、ポリチオフェン系、ポリフルオレン系が挙げられる。
ポリパラフェニレンビニレン系には、ポリ(パラフェニレンビニレン) [PPV] の誘導体、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレンビニレン) [RO−PPV]、ポリ(2−(2'−エチル−ヘキソキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン)[MEH−PPV]、ポリ(2−(ジアルコキシフェニル)−1,4−フェニレンビニレン)[ROPh−PPV]等が挙げられる。ポリパラフェニレン系には、ポリパラフェニレン[PPP]の誘導体、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレン)[RO−PPP]、ポリ(2,5−ジヘキソキシ−1,4−フェニレン)等が挙げられる。ポリチオフェン系には、ポリチオフェン[PT]の誘導体、ポリ(3−アルキルチオフェン)[PAT]、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)[PHT]、ポリ(3−シクロヘキシルチオフェン)[PCHT]、ポリ(3−シクロヘキシル−4−メチルチオフェン)[PCHMT]、ポリ(3,4−ジシクロヘキシルチオフェン)[PDCHT]、ポリ[3−(4−オクチルフェニル)−チオフェン][POPT]、ポリ[3−(4−オクチルフェニル)−2,2ビチオフェン][PTOPT]等が挙げられる。ポリフルオレン系には、ポリフルオレン[PF]の誘導体、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)[PDAF]、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)[PDOF]等が挙げられる。
なお、正孔輸送性の高分子系有機発光材料を、陽極と発光性の高分子系有機発光材料の間に挟んで形成すると、陽極からの正孔注入性を向上させることができる。一般にアクセプター材料と共に水に溶解させたものをスピンコート法などで塗布する。また、有機溶媒には不溶であるため、上述した発光性の有機発光材料との積層が可能である。正孔輸送性の高分子系有機発光材料としては、PEDOTとアクセプター材料としてのショウノウスルホン酸(CSA)の混合物、ポリアニリン[PANI]とアクセプター材料としてのポリスチレンスルホン酸[PSS]の混合物等が挙げられる。
また、発光層は単色又は白色の発光を呈する構成とすることができる。白色発光材料を用いる場合には、画素の光放射側に特定の波長の光を透過するフィルター(着色層)を設けた構成としてカラー表示を可能にすることができる。
白色に発光する発光層を形成するには、例えば、Alq3、部分的に赤色発光色素であるナイルレッドをドープしたAlq3、Alq3、p−EtTAZ、TPD(芳香族ジアミン)を蒸着法により順次積層することで白色を得ることができる。また、スピンコートを用いた塗布法によりELを形成する場合には、塗布した後、真空加熱で焼成することが好ましい。例えば、正孔注入層として作用するポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)を全面に塗布、焼成し、その後、発光層として作用する発光中心色素(1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン(TPB)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノ−スチリル)−4H−ピラン(DCM1)、ナイルレッド、クマリン6など)ドープしたポリビニルカルバゾール(PVK)溶液を全面に塗布、焼成すればよい。
発光層は単層で形成することもでき、ホール輸送性のポリビニルカルバゾール(PVK)に電子輸送性の1,3,4−オキサジアゾール誘導体(PBD)を分散させてもよい。また、30wt%のPBDを分散し、4種類の色素(TPB、クマリン6、DCM1、ナイルレッド)を適当量分散することで白色発光が得られる。ここで示した白色発光が得られる発光素子の他にも、発光層の材料を適宜選択することによって、赤色発光、緑色発光、または青色発光が得られる発光素子を作製することができる。
さらに、発光層は、一重項励起発光材料の他、金属錯体などを含む三重項励起材料を用いても良い。例えば、赤色の発光性の画素、緑色の発光性の画素及び青色の発光性の画素のうち、輝度半減時間が比較的短い赤色の発光性の画素を三重項励起発光材料で形成し、他を一重項励起発光材料で形成する。三重項励起発光材料は発光効率が良いので、同じ輝度を得るのに消費電力が少なくて済むという特徴がある。すなわち、赤色画素に適用した場合、発光素子に流す電流量が少なくて済むので、信頼性を向上させることができる。低消費電力化として、赤色の発光性の画素と緑色の発光性の画素とを三重項励起発光材料で形成し、青色の発光性の画素を一重項励起発光材料で形成しても良い。人間の視感度が高い緑色の発光素子も三重項励起発光材料で形成することで、より低消費電力化を図ることができる。
三重項励起発光材料の一例としては、金属錯体をドーパントとして用いたものがあり、第三遷移系列元素である白金を中心金属とする金属錯体、イリジウムを中心金属とする金属錯体などが知られている。三重項励起発光材料としては、これらの化合物に限られることはなく、上記構造を有し、且つ中心金属に周期表の8〜10属に属する元素を有する化合物を用いることも可能である。
以上に掲げる発光層を形成する物質は一例であり、正孔注入輸送層、正孔輸送層、電子注入輸送層、電子輸送層、発光層、電子ブロック層、正孔ブロック層などの機能性の各層を適宜積層することで発光素子を形成することができる。また、これらの各層を合わせた混合層又は混合接合を形成しても良い。発光層の層構造は変化しうるものであり、特定の電子注入領域や発光領域を備えていない代わりに、もっぱらこの目的用の電極を備えたり、発光性の材料を分散させて備えたりする変形は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において許容されうるものである。
上記のような材料で形成した発光素子は、順方向にバイアスすることで発光する。発光素子を用いて形成する表示装置の画素は、単純マトリクス方式、若しくはアクティブマトリクス方式で駆動することができる。いずれにしても、個々の画素は、ある特定のタイミングで順方向バイアスを印加して発光させることとなるが、ある一定期間は非発光状態となっている。この非発光時間に逆方向のバイアスを印加することで発光素子の信頼性を向上させることができる。発光素子では、一定駆動条件下で発光強度が低下する劣化や、画素内で非発光領域が拡大して見かけ上輝度が低下する劣化モードがあるが、順方向及び逆方向にバイアスを印加する交流的な駆動を行うことで、劣化の進行を遅くすることができ、発光装置の信頼性を向上させることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では本発明を利用した発光装置の構成の1例を図8参照しながら説明する。本実施の形態では、LDD構造を有する薄膜トランジスタ809が薄膜トランジスタの電極808を介して発光素子814に接続している。
図8(A)は第1の電極810が透光性を有する導電膜により形成されており、基板800側に発光層812より発せられた光が取り出される構造である。なお815は対向基板であり、発光素子814が形成された後、シール剤などを用い、基板800に固着される。対向基板815と素子との間に透光性を有する樹脂816等を充填し、封止することによって発光素子814が水分により劣化することをさらに低減させる事ができる。また、樹脂816が吸湿性を有していることが望ましい。さらに樹脂816中に透光性の高い乾燥剤を分散させるとさらに水分の影響を抑えることが可能になるためさらに望ましい形態である。
図8(B)は第1の電極810と第2の電極813両方が透光性を有する導電膜により形成されており、基板800及び対向基板815の両方に光を取り出すことが可能な構成となっている。また、この構成では基板800と対向基板815の外側に偏光板817を設けることによって画面が透けてしまうことを防ぐことができ、視認性が向上する。偏光板817の外側には保護フィルム818を設けると良い。
(実施の形態8)
本実施の形態では、画素回路、保護回路及びそれらの動作について説明する。
図9(A)に示す画素は、列方向に信号線1410及び電源線1411、1412、行方向に走査線1414が配置される。また、スイッチング用TFT1401、駆動用TFT1403、電流制御用TFT1404、容量素子1402及び発光素子1405を有する。
図9(C)に示す画素は、TFT1403のゲート電極が、行方向に配置された電源線1412に接続される点が異なっており、それ以外は図9(A)に示す画素と同じ構成である。つまり、図9(A)(C)に示す両画素は、同じ等価回路図を示す。しかしながら、列方向に電源線1412が配置される場合(図9(A))と、行方向に電源線1412が配置される場合(図9(C))とでは、各電源線は異なるレイヤーの導電膜で形成される。ここでは、駆動用TFT1403のゲート電極が接続される配線に注目し、これらを作製するレイヤーが異なることを表すために、図9(A)(C)として分けて記載する。
図9(A)(C)に示す画素の特徴として、画素内にTFT1403、1404が直列に接続されており、TFT1403のチャネル長L(1403)、チャネル幅W(1403)、TFT1404のチャネル長L(1404)、チャネル幅W(1404)は、L(1403)/W(1403):L(1404)/W(1404)=5〜6000:1を満たすように設定するとよい。
なお、TFT1403は、飽和領域で動作し発光素子1405に流れる電流値を制御する役目を有し、TFT1404は線形領域で動作し発光素子1405に対する電流の供給を制御する役目を有する。両TFTは同じ導電型を有していると作製工程上好ましく、本実施の形態ではnチャネル型TFTとして形成する。またTFT1403には、エンハンスメント型だけでなく、ディプリーション型のTFTを用いてもよい。上記構成を有する本発明は、TFT1404が線形領域で動作するために、TFT1404のVgsの僅かな変動は、発光素子1405の電流値に影響を及ぼさない。つまり、発光素子1405の電流値は、飽和領域で動作するTFT1403により決定することができる。上記構成により、TFTの特性バラツキに起因した発光素子の輝度ムラを改善して、画質を向上させた表示装置を提供することができる。
図9(A)〜(D)に示す画素において、TFT1401は、画素に対するビデオ信号の入力を制御するものであり、TFT1401がオンとなると、画素内にビデオ信号が入力される。すると、容量素子1402にそのビデオ信号の電圧が保持される。なお図9(A)(C)には、容量素子1402を設けた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、ビデオ信号を保持する容量がゲート容量などでまかなうことが可能な場合には、容量素子1402を設けなくてもよい。
図9(B)に示す画素は、TFT1406と走査線1415を追加している以外は、図9(A)に示す画素構成と同じである。同様に、図9(D)に示す画素は、TFT1406と走査線1415を追加している以外は、図9(C)に示す画素構成と同じである。
TFT1406は、新たに配置された走査線1415によりオン又はオフが制御される。TFT1406がオンとなると、容量素子1402に保持された電荷は放電し、TFT1404がオフとなる。つまり、TFT1406の配置により、強制的に発光素子1405に電流が流れない状態を作ることができる。そのためTFT1406を消去用TFTと呼ぶことができる。従って、図9(B)(D)の構成は、全ての画素に対する信号の書き込みを待つことなく、書き込み期間の開始と同時又は直後に点灯期間を開始することができるため、デューティ比を向上することが可能となる。
図9(E)に示す画素は、列方向に信号線1410、電源線1411、行方向に走査線1414が配置される。また、スイッチング用TFT1401、駆動用TFT1403、容量素子1402及び発光素子1405を有する。図9(F)に示す画素は、TFT406と走査線1415を追加している以外は、図9(E)に示す画素構成と同じである。なお、図9(F)の構成も、TFT1406の配置により、デューティ比を向上することが可能となる。
以上のように、多様な画素回路を採用することができる。特に、非晶質半導体膜から薄膜トランジスタを形成する場合、駆動用TFTの半導体膜を大きくすると好ましい。そのため、上記画素回路において、電界発光層からの光が封止基板側から射出する上面発光型とすると好ましい。
このようなアクティブマトリクス型の発光装置は、画素密度が増えた場合、各画素にTFTが設けられているため低電圧駆動でき、有利であると考えられている。
本実施の形態では、一画素に各TFTが設けられるアクティブマトリクス型の発光装置について説明したが、一列毎にTFTが設けられるパッシブマトリクス型の発光装置を形成することもできる。パッシブマトリクス型の発光装置は、各画素にTFTが設けられていないため、高開口率となる。発光が電界発光層の両側へ射出する発光装置の場合、パッシブマトリクス型の表示装置を用いる透過率が高まる。
続いて、図9(E)に示す等価回路を用い、走査線及び信号線に保護回路としてダイオードを設ける場合について説明する。
図10には、画素部1500にTFT1401、1403、容量素子1402、発光素子1405が設けられている。信号線1410には、ダイオード1561と1562が設けられている。ダイオード1561と1562は、TFT1401又は1403と同様に、上記実施の形態に基づき作製され、ゲート電極、半導体層、ソース電極及びドレイン電極等を有する。ダイオード1561と1562は、ゲート電極と、ドレイン電極又はソース電極とを接続することによりダイオードとして動作させている。
ダイオードと接続する共通電位線1554、1555はゲート電極と同じレイヤーで形成している。従って、ダイオードのソース電極又はドレイン電極と接続するには、ゲート絶縁層にコンタクトホールを形成する必要がある。
走査線1414に設けられるダイオードも同様な構成である。
このように、本発明によれば、入力段に設けられる保護ダイオードを同時に形成することができる。なお、保護ダイオードを形成する位置は、これに限定されず、駆動回路と画素との間に設けることもできる。