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JP2002203682A - 発光装置及びその作製方法 - Google Patents

発光装置及びその作製方法

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Publication number
JP2002203682A
JP2002203682A JP2001327024A JP2001327024A JP2002203682A JP 2002203682 A JP2002203682 A JP 2002203682A JP 2001327024 A JP2001327024 A JP 2001327024A JP 2001327024 A JP2001327024 A JP 2001327024A JP 2002203682 A JP2002203682 A JP 2002203682A
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JP
Japan
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layer
organic compound
insulating layer
emitting device
light emitting
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Withdrawn
Application number
JP2001327024A
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Inventor
Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
Yasuyuki Arai
康行 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority to JP2001327024A priority Critical patent/JP2002203682A/ja
Publication of JP2002203682A publication Critical patent/JP2002203682A/ja
Publication of JP2002203682A5 publication Critical patent/JP2002203682A5/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】陰極と陽極との間に有機化合物から成る層を有
する有機発光素子、及び当該有機発光素子を用いて構成
される発光装置において、輝度の低下、ダークスポット
などの電極材料の劣化をもたらす酸素濃度を低減するこ
とを目的とする。 【解決手段】本発明はかかる不純物を除去し、正孔注入
層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層など
有機発光素子を形成するために用いられる有機化合物か
から成る層に含まれる当該不純物濃度を、その平均濃度
において5×10 19/cm2以下、好ましくは1×10
19/cm2以下に低減する。有機発光素子を形成する有
機化合物の不純物を低減するために、それを形成するた
めの装置は以下の構成を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電場を加えること
で発生するルミネッセンス(エレクトロルミネッセン
ス:Electro Luminescence)が得られる発光体及びそれ
を用いた発光装置に関する。特に本発明は、発光体に有
機化合物を用いた発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶を用いた表示装置は、その代表的な
形態としてバックライトまたはフロントライトが用いら
れ、その光により画像を表示する仕組である。液晶表示
装置は様々な電子装置における画像表示手段として採用
されているが、視野角が狭いといった構造上に欠点を有
していた。それに対し、エレクトロルミネセンスが得ら
れる発光体を用いた表示装置は視野角が広く、視認性も
優れることから次世代の表示装置として注目されてい
る。
【0003】発光体に有機化合物を用いた発光素子(以
下、有機発光素子という)は、の構造は、陰極と陽極と
の間に有機化合物で形成される正孔注入層、正孔輸送
層、発光層、電子輸送層、電子注入層などを適宣組み合
わせた構造となっている。ここでは、正孔注入層と正孔
輸送層とを区別して表記しているが、これらは正孔輸送
性(正孔移動度)が特に重要な特性である意味において
同じである。便宜上区別するために、正孔注入層は陽極
に接する側の層であり、発光層に接する側の層は正孔輸
送層と呼んでいる。また、陰極に接する層を電子注入層
と呼び、発光層に接する側の層を電子輸送層と呼んでい
る。発光層は電子輸送層を兼ねる場合もあり、発光性電
子輸送層とも呼ばれる。これらの層を組み合わせて形成
される発光素子は整流特性を示し、ダイオードと同様な
構造となっている。
【0004】エレクトロルミネッセンスによる発光機構
は、陰極から注入された電子と、陽極から注入された正
孔が発光体で成る層(発光層)で再結合して励起子を形
成し、その励起子が基底状態に戻る時に光を放出する現
象として考えられている。エレクトロルミネッセンスに
は蛍光と燐光とがあり、それらは励起状態における一重
項状態からの発光(蛍光)と、三重項状態からの発光
(燐光)として理解されている。発光による輝度は数千
〜数万cd/m2におよぶことから、原理的に表示装置
などへの応用が可能であると考えられている。しかし、
その一方で種々の劣化現象が存在し、実用化を妨げる問
題として残っている。
【0005】有機化合物から成る発光体、或いは有機発
光素子の劣化の要因として、(1)有機化合物の化学的
な劣化(励起状態を経由)、(2)駆動時の発熱による
有機化合物の溶融、(3)マクロな欠陥に由来する絶縁
破壊(4)電極または電極/有機層界面の劣化、(5)
有機化合物の非晶質構造における不安定性に起因する劣
化、の5種類が考えられている。
【0006】上記(1)〜(3)は有機発光素子を駆動
することにより劣化するものである。発熱は素子内の電
流がジュール熱に変換されることにより必然的に発生す
る。有機化合物の融点またはガラス転移温度が低いと溶
融することが考えられる。また、ピンホールや亀裂の存
在によりその部分に電界が集中して絶縁破壊が起こる。
(4)と(5)は室温で保存しても劣化が進行する。
(4)はダークスポットとして知られ、陰極の酸化や水
分との反応が原因である。(5)は有機発光素子に用い
る有機化合物はいずれも非晶質材料であり、長期保存や
経時変化、発熱により結晶化し、非晶質構造を安定に保
存できるものは殆どないと考えられている。
【0007】ダークスポットは封止技術の向上によりか
なり抑制されてきたが、実際の劣化は上記の要因が複合
して発生するものであり、統一的に理解するのは困難な
状況にある。典型的な封止技術は、基板上に形成された
有機発光素子を封止材で密閉し、その空間に乾燥剤を設
ける方法として知られている。しかし、定電圧を持続的
に印加すると有機発光素子に流れる電流の低下と共に発
光輝度が低下する現象は、有機化合物の物性に由来する
ものであると考えられている。
【0008】有機発光素子を形成するための有機化合物
は、低分子系有機化合物と高分子系有機化合物の両者が
知られている。低分子系有機化合物の一例は、正孔注入
層として銅フタロシアニン(CuPc)芳香族アミン系
材料であるα−NPD(4,4'-ビス-[N-(ナフチル)-N-フ
ェニル-アミノ]ビフェニル)やMTDATA(4,4',4"-
トリス(N-3-メチルフェニル-N-フェニル-アミノ)トリフ
ェニルアミン)、発光層としてトリス−8−キノリノラ
トアルミニウム錯体(Alq3)などが知られている。
高分子有機発光材料では、ポリアニリンやポリチオフェ
ン誘導体(PEDOT)などが知られている。
【0009】材料の多様性という観点からは、蒸着法で
作製される低分子系有機化合物は高分子系有機系材料と
比較して格段の多様性があるとされている。しかし、い
ずれにしても純粋に基本構成単位のみからできている有
機化合物は希であり、異種の結合、不純物が製造過程で
混入し、また顔料など種々の添加剤が加えられているこ
ともある。また、これらの材料の中には水分により劣化
する材料、酸化されやすい材料などが含まれている。水
分や酸素などは大気中から容易に混入可能であり取り扱
いには注意を要している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】有機化合物が光劣化を
受けると、化学結合は二重結合、酸素を含んだ構造(−
OH、−OOH、>C=O、−COOHなど)に変化す
ることが知られている。従って、酸素を含む雰囲気中に
有機化合物を置いた場合、または有機合物中に酸素やH
2Oを不純物として含む場合には、結合状態が変化して
劣化が促進すると考えられる。
【0011】半導体素子の一つであるダイオードに見ら
れるように、半導体接合を有する半導体素子において、
酸素を起因とする不純物は禁制帯中に局在準位を形成
し、接合リークやキャリアのライフタイムを低下させる
要因となり、半導体素子の特性を著しく低下させること
が知られている。
【0012】図11は二次イオン質量分離法(SIM
S)で測定される有機発光素子における酸素(O)、窒
素(N)、水素(H)、珪素(Si)、銅(Cu)の深
さ方向分布を示すグラフである。測定に用いた試料の構
造は、トリス−8−キノリノラトアルミニウム錯体(A
lq3)/カルバゾール系材料(Ir(ppy)3+CB
P)/銅フタロシアニン(CuPc)/酸化物導電性材
料(ITO)/ガラス基板である。Alq3には以下の
化学式(化1)で示すように分子中に酸素が含まれてい
る。
【0013】
【化1】
【0014】一方、以下の化学式(化2、化3)で示す
Ir(ppy)3+CBPとCuPcには分子中には酸
素は含まれない構造となっている。
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】図11で示す各元素の濃度分布において、
Alq3の領域とITOのある領域で酸素濃度が高くな
っているのはそのためである。一方、Ir(ppy)3
+CBPとCuPcの層では酸素濃度は低下している。
しかし、7×102count/sec程度でイオンが検出されて
おり、本来酸素の存在がないはずの領域で酸素の存在を
確認することができる。
【0018】酸素分子は、分子軌道の最高被占有準位
(HOMO)が縮重しているので、基底状態で三重項状
態の特異な分子である。通常、三重項から一重項の励起
過程は禁制遷移(スピン禁制)となるため起こりにく
く、そのため一重項状態の酸素分子は発生しない。しか
しながら、酸素分子の周囲に一重項状態よりも高いエネ
ルギー状態の三重項状励起状態の分子(3M*)が存在す
ると、以下のようなエネルギー移動が起こることによ
り、一重項状態の酸素分子が発生する反応を導くことが
できる。
【0019】
【式1】
【0020】有機発光素子の発光層における分子の励起
状態の内75%は三重項状態であると言われている。従
って、有機発光素子内に酸素分子が混入している場合、
式1のエネルギー移動により一重項状態の酸素分子が発
生し得る。一重項励起状態の酸素分子はイオン的(電荷
に偏りがある)性質を有するため、有機化合物に生じて
いる電荷の偏りと反応する可能性が考えられる。
【0021】例えば、バソキュプロイン(以下、BCP
と記している)においてメチル基は電子供与性であるた
め共役環に直接結合している炭素は正に帯電する。下記
化4で示すようにイオン的性質を有する一重項酸素が正
に帯電する炭素があると反応して、下記化5で示すよう
にカルボン酸と水素ができる可能性がある。その結果、
電子輸送性が低下することが予想される。
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】このような考察を基にして、有機発光素子
及びそれを用いた有機発光装置において、有機化合物中
に含まれる酸素やH2Oなどの不純物が輝度の低下等、
種々の劣化を起こす不純物であることを見出した。
【0025】本発明は、陰極と陽極との間に有機化合物
から成る層を有する有機発光素子、及び当該有機発光素
子を用いて構成される発光装置において、輝度の低下、
ダークスポットなどの電極材料の劣化をもたらす酸素濃
度を低減することを第1の目的とする。
【0026】有機発光素子を用いた好適な応用例は、当
該有機発光素子で画素部を形成したアクティブマトリク
ス駆動方式の発光装置である。各画素には能動素子とし
て薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す)が設けられ
ている。半導体膜を用いて形成されるTFTはアルカリ
金属の汚染によりしきい値電圧などの特性値が変動する
ことが知られている。本発明は、陰極に仕事関数の小さ
なアルカリ金属を用いる有機発光素子とTFTとを組み
合わせて画素部を形成するための適した構造を提供する
ことを第2の目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は発光装置の劣化
を防止するために、有機発光素子を形成する有機化合物
中に含まれる酸素、H2Oなどの酸素を含む不純物を低
減することを特徴としている。勿論、酸素、水素などは
有機化合物の構成元素として含まれているが、本発明に
おいて有機化合物に対する不純物とは、本来の分子構造
に含まれない外因性の不純物をいう。こうした不純物は
原子状、分子状、遊離基、オリゴマーとして有機化合物
中に存在していると推定している。
【0028】さらに、本発明は、アクティブマトリクス
駆動をする発光装置において、ナトリウム、カリウムな
どのアルカリ金属がTFTを汚染してしきい値電圧の変
動などを防ぐための構造を有していることを特徴として
いる。
【0029】本発明はかかる不純物を除去し、正孔注入
層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層など
有機発光素子を形成するために用いられる有機化合物か
ら成る層に含まれる当該不純物濃度を、その平均濃度に
おいて5×1019/cm2以下、好ましくは1×1019/cm2
以下に低減する。特に、発光層及びその近傍の酸素濃度
を低減することが要求される。
【0030】有機発光素子が1000Cd/cm2の輝度で発
光するとき、それを光子に換算すると1016個/sec・cm2
の放出量に相当する。有機発光素子の量子効率を1%と
仮定すると、必要な電流密度は100mA/cm2が要求され
る。非晶質半導体を用いた太陽電池やフォトダイオード
など半導体素子を基にした経験則に従えば、この程度の
電流が流れる素子において良好な特性を得るためには、
欠陥準位密度を1016個/cm3以下にする必要がある。そ
の値を実現するたには、欠陥準位を形成する悪性の不純
物元素の濃度を上記の様に5×1019/cm2以下、好まし
くは1×1019/cm2以下に低減する必要がある。
【0031】有機発光素子を形成する有機化合物の不純
物を低減するために、それを形成するための装置は以下
の構成を備える。
【0032】低分子系有機化合物からなる層を形成する
ための蒸着装置では、成膜室内部の壁面を電解研磨によ
り鏡面化し、ガスの放出量を低減する。成膜室に材質は
ステンレス鋼またはアルミニウムを用いる。内壁からの
ガス放出を防ぐという目的においては成膜室の外側には
ヒーターを設けてベーキング処理を行う。ベーキング処
理によりガス放出はかなり低減できるが、蒸着時には逆
に冷媒で冷却することが好ましい。排気系はターボ分子
ポンプとドライポンプを用い、排気系からの油蒸気の逆
拡散を防止する。また、残留するH2Oを除去するため
にクライオポンプを併設しても良い。
【0033】蒸発源は抵抗加熱型を基本とするが、クヌ
ーセンセルを用いても良い。蒸着用材料は反応室に付随
するロードロック式の交換室から搬入する。こうして、
蒸着用材料の装着時に反応室の大気開放を極力さける。
蒸発源は有機物材料が主であるが、蒸着前に反応室内部
で昇華精製を行う。また、ゾーン精製法を適用しても良
い。
【0034】反応室に導入する基板の前処理は、加熱に
よるガス放出処理やアルゴンを用いたプラズマ処理を行
い、基板から放出される不純物を極力低減する。アクテ
ィブマトリクス駆動する発光装置では、有機発光素子を
形成する基板には予めTFTが形成されている。当該基
板の構成要素として、有機樹脂材料を用いた絶縁層など
が適宣用いられている場合には、その部材からのガス放
出を低減させておく必要がある。また、反応室に導入す
る窒素ガスやアルゴンガスは供給口で精製する。
【0035】一方、高分子系有機化合物から成る層を形
成する場合には、重合度の制御を完全に行うことができ
ないので分子量に幅が生じてしまい融点が一義的に決ま
らない場合がある。その場合には透析法や高速液体クロ
マトグラフィ法が適している。特に透析法ではイオン性
不純物を効率良く取り除くには電気透析法が適してい
る。
【0036】以上のような手段を用いることにより輝度
の低下、ダークスポットなどの電極材料の劣化をもたら
す酸素濃度を低減する。
【0037】こうして形成される有機発光素子で画素部
を形成し、当該画素の各画素を能動素子により制御する
アクティブマトリクス駆動方式では、その構造の一形態
として、基板上に半導体膜、ゲート絶縁膜、ゲート電極
を有するTFTが形成され、その上層に有機発光素子が
形成されている。用いる基板の代表例はガラス基板であ
り、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガ
ラスには微量のアルカリ金属が含まれている。半導体膜
は下層側のガラス基板と上層側の有機発光素子からのア
ルカリ金属による汚染を防止するために、窒化珪素、酸
化窒化珪素で被覆する。
【0038】一方、平坦化した表面に形成することが望
ましい有機発光素子は、ポリイミドやアクリルなど有機
樹脂材料から成る平坦化膜上に形成する。しかし、この
ような有機樹脂材料は吸湿性がある。酸素やH2Oで劣
化する有機発光素子はガスバリア性のある窒化珪素、酸
化窒化珪素、ダイアモンドライクカーボン(DLC)で
被覆する。
【0039】図12は本発明のアクティブマトリクス駆
動方式の発光装置の概念を説明する図である。発光装置
1200の構成要素として、TFT1201と有機発光
素子1202が同一の基板に形成されている。TFT1
201の構成要素は半導体膜、ゲート絶縁膜、ゲート電
極などであり、含まれる元素として珪素、水素、酸素、
窒素、その他ゲート電極を形成する金属などがある。一
方有機発光素子1202は有機化合物材料の主たる構成
要素の炭素の他に、リチウムなどのアルカリ金属が元素
として含まれている。
【0040】TFT1201の下層側(ガラス基板12
03側)には、ブロッキング層として窒化珪素または酸
化窒化珪素1205が形成されている。その反対の上層
側には保護膜として酸化窒化珪素1206が形成されて
いる。一方、有機発光素子1202の下層側には保護膜
として窒化珪素または酸化窒化珪素1207が形成され
ている。上層側には保護膜としてDLC膜1208が形
成される。そして、その両者の間には有機樹脂層間絶縁
膜1204が形成され、一体化されている。TFT12
01が最も嫌うナトリウムなどのアルカリ金属は、窒化
珪素または酸化窒化珪素1205及び酸化窒化珪素12
06でブロッキングしている。一方、有機発光素子12
02は酸素やH2Oを最も嫌うため、それをブロッキン
グするために窒化珪素または酸化窒化珪素1207及び
DLC膜1208が形成されている。また、これらは有
機発光素子1202が有するアルカリ金属元素を外に出
さないための機能も有している。
【0041】このようにTFTと有機発光素子を組み合
わせて構成される発光装置は、不純物汚染に対する相反
する性質を満足させるために、酸素、H2Oに対するブ
ロッキング性を有する絶縁膜を巧みに組み合わせて形成
することで不純物の相互汚染による劣化を防止する。
【0042】尚、本明細書において発光装置とは、上記
発光体を用いた装置全般を指して言う。また、陽極と陰
極の間に前記発光体を含む層を有する素子(以下、発光
素子と呼ぶ)にTAB(Tape Automated Bonding)テー
プ若しくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付け
られたモジュール、TABテープやTCPの先にプリン
ト配線基板が設けられたモジュール、または、発光素子
が形成されている基板にCOG(Chip On Glass)方式
によりICが実装されたモジュールも全て発光装置の範
疇に含むものとする。
【0043】また、本明細書でいう不純物元素としての
酸素濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS)で測定
される最低濃度を指していう。
【0044】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]有機化合物に含ま
れる酸素、H2Oなどの不純物濃度を低減することが可
能な有機発光素子製造装置の一例について図1を用いて
説明する。図1は、有機化合物から成る層や陰極の形成
及び封止を行う装置を示している。搬送室101は、ロ
ード室104、前処理室105、中間室106、成膜室
(A)〜成膜室(C)107〜109とゲート100a
〜100fを介して連結されている。前処理室105は
被処理基板のガス放出処理及び、表面改質を目的として
設けられ、真空中での加熱処理や不活性ガスを用いたプ
ラズマ処理が可能となっている。
【0045】成膜室(A)107、成膜室(B)108
は蒸着法により主に低分子の有機化合物からなる被膜を
形成するための処理室であり、成膜室109はアルカリ
金属を含む陰極を蒸着法により成膜するための処理室と
なっている。成膜室(A)107〜成膜室(C)109
には蒸発源に蒸着用材料を装填する材料交換室112〜
114がゲート100h〜100jを介して接続されて
いる。材料交換室112〜114は、成膜室(A)10
7〜成膜室(C)109を大気開放することなく蒸着用
材料を充填するために用いる。
【0046】最初、被膜を堆積する基板103はロード
室104に装着され、搬送室101にある搬送機構
(A)102により前処理室や各成膜室に移動する。ロ
ード室104、搬送室101、前処理室105、中間室
106、成膜室(A)107〜成膜室(C)109、材
料交換室112〜114は排気手段により減圧状態に保
たれている。排気手段は大気圧から1Pa程度をオイル
フリーのドライポンプで真空排気し、それ以上の圧力は
磁気浮上型のターボ分子ポンプまたは複合分子ポンプに
より真空排気する。成膜室にはH2Oを除去するために
クライオポンプを併設しても良い。こうして排気手段か
らの油蒸気の逆拡散を防止する。
【0047】これら真空排気される部屋の内壁面は、電
解研磨により鏡面処理し、表面積を減らしてガス放出を
防いでいる。材質はステンレス鋼またはアルミニウムを
用いる。内壁からのガス放出を低減するという目的にお
いては成膜室の外側にはヒーターを設けてベーキング処
理を行うことが望ましい。ベーキング処理によりガス放
出はかなり低減できる。さらにガス放出による不純物汚
染を防止するには、蒸着時に冷媒を用いて冷却すると良
い。こうして、1×10-6Paまでの真空度を実現する。
【0048】中間室106はスピナー111が備えられ
た塗布室110とゲート100gを介して接続されてい
る。塗布室110では主に高分子材料から成る有機化合
物の被膜をスピンコート法で形成するための処理室であ
り大気圧でこの処理は行われる。そのため、基板の搬出
と搬入は中間室106を介して行い、基板が移動する側
の部屋と同じ圧力に調節することにより行う。塗布室に
供給する高分子系有機材料は、透析法、電気透析法、高
速液体クロマトグラフで精製して供給する。精製は供給
口で行う。
【0049】成膜室に導入する基板の前処理は、前処理
室105において加熱によるガス放出処理とアルゴンプ
ラズマによる表面処理を行い、基板から放出される不純
物を極力低減する。特に基板に有機樹脂材料から成る層
間絶縁膜または、パターンが形成されている場合には、
当該有機樹脂材料が吸蔵しているH2Oなどが、減圧下
で放出されるため、反応室内部を汚染してしまう。その
ために、前処理室105で基板を加熱してガス放出処理
を行い、或いはプラズマ処理を行い表面を緻密化するこ
とでガス放出量を低減させる。ここで、反応室に導入す
る窒素ガスやアルゴンガスは、ゲッター材を用いた精製
手段で精製する。
【0050】蒸着法は抵抗加熱型であるが、高精度に温
度制御し、蒸発量を制御するためにクヌーセンセルを用
いても良い。蒸着用材料は反応室に付随する専用の材料
交換室から導入する。こうして、反応室の大気開放を極
力さける。成膜室を大気開放することにより、内壁には
2Oをはじめ様々なガスが吸着し、これが真空排気を
することにより再度放出される。吸着したガスの放出が
収まり真空度が平衡値に安定するまでの時間は、数十〜
数百時間を要する。そのために成膜室の壁をベーキング
処理してその時間を短縮させている。しかし、繰り返し
大気開放することは効率的な手法ではないので、図1に
示すように専用の材料交換室を設けることが望ましい。
蒸発源は有機物材料が主であるが、蒸着前に反応室内部
で昇華精製を行う。また、ゾーン精製法を適用しても良
い。
【0051】一方、ロード室104で区切られた封止室
115は、陰極の形成まで終了した基板を大気に曝すこ
となく封止材で封止するための加工を行う。封止材を紫
外線硬化樹脂で固定する場合には、紫外線照射機構11
6を用いる。受渡室117には搬送機構(B)118が
設けられ、封止室115で封止まで終了した基板を保存
しておく。
【0052】図2は搬送室101、前処理室105、成
膜室(A)107の詳細な構成を説明する図である。搬
送室101には搬送機構102が設けられている。搬送
室101の排気手段は、磁気浮上型の複合分子ポンプ又
はターボ分子ポンプ207aとドライポンプ208aで
行う。前処理室105と成膜室107はそれぞれゲート
100b、100dで搬送室101と連結されている。
前処理室105には、高周波電源202が接続された高
周波電極201が設けられ、基板103は基板加熱手段
214a、214bが備えられた対向電極に保持され
る。基板103に吸着した水分などの不純物は、基板加
熱手段214a、214bにより50〜120℃程度に
真空中で加熱することにより脱離させることができる。
前処理室105に接続するガス導入手段はシリンダー2
16a、流量調節器216b、ゲッター材などによる精
製器203から成っている。
【0053】プラズマによる表面処理はヘリウム、アル
ゴン、クリプトン、ネオンなどの不活性ガス、または不
活性ガスと水素を混合したガスを精製器203により精
製し、高周波電力を印加してプラズマ化した雰囲気中に
基板を曝すことにより行う。用いるガスの純度はC
4、CO、CO2、H2O、O2の濃度のそれぞれが2pp
m以下、好ましくは1ppm以下とすることが望ましい。
【0054】排気手段は、磁気浮上型の複合分子ポンプ
207bとドライポンプ208bにより行う。表面処理
時における前処理室105内の圧力制御は排気手段に備
えられた制御弁により排気速度をコントロールして行
う。
【0055】成膜室107は蒸発源211、吸着板21
2、シャッター218、シャドーマスク217が備えら
れている。基板103はシャドーマスク217上に備え
られている。シャッター218は開閉式に、蒸着時に開
く。蒸発源211及び吸着板212は温度が制御される
ものであり、加熱手段213d、213eとそれぞれ接
続している。排気系はターボ分子ポンプ207cとドラ
イポンプ208cであり、さらにクライオポンプ209
を加えて、成膜室内の残留水分を除去することを可能と
している。成膜室はベーキング処理を行い成膜室の内壁
からのガス放出量を低減することが可能となっている。
ベーキング処理は50〜120℃程度に成膜室を加熱し
ながらターボ分子ポンプまたはクライオポンプが接続さ
れた排気系で真空排気をする。その後、反応室を室温ま
たは、冷媒により液体窒素温度程度にまで冷却すること
により1×10-6Pa程度まで真空排気することを可能と
している。
【0056】ゲート100hで区切られた材料交換室1
12には蒸発源210、211が備えられて、加熱手段
213a、213bにより温度が制御される仕組みとな
っている。排気系には、ターボ分子ポンプ207dとド
ライポンプ208dを用いる。蒸発源211は材料交換
室112と成膜室107との間を移動可能であり、供給
する蒸着用材料の精製を行う手段として用いる。
【0057】蒸着用材料の精製方法に限定はないが、成
膜装置内においてその場で行うには昇華精製法を採用す
ることが好ましい。勿論、その他にもゾーン精製法を行
っても良い。図3と図4は図2で説明する成膜装置内で
昇華精製を行う方法を説明する図である。
【0058】有機発光素子を形成するための有機化合物
は酸素やH2Oによって劣化しやすいものが多い。特に
低分子系有機化合物はその傾向が強い。従って、当初十
分に精製され高純度化されているとしても、その後の取
り扱いにより容易に酸素やH 2Oを取り込んでしまう可
能性がある。前述の如く、有機化合物に取り込まれた酸
素は、分子の結合状態を変化させてしまう悪性の不純物
と考えられる。それが有機発光素子の経時変化をもたら
し特性を劣化させる原因となる。
【0059】図3は有機化合物材料の昇華精製の概念を
説明する図である。本来目的とする有機化合物をM2と
し、ある一定圧力下での蒸気圧は温度T1とT2の間に
あるものとする。T1以下に高い蒸気圧を有するものは
M1とし、H2Oなどの不純物がそれに該当する。ま
た、T2以上に高い蒸気圧を有するM3は、遷移金属、
有機金属などの不純物がそれに該当する。
【0060】このように、蒸気圧の異なるM1、M2、
M3を含む材料を図4(A)に示すように、第1蒸発源
210に入れT2よりも低い温度で加熱する。第1蒸発
源からから昇華する材料はM1とM2であり、この時そ
の上方に第2蒸発源211を設けておきT1よりも低い
温度に保持しておくと、そこに吸着させることができ
る。次に、図4(B)に示すように第2蒸発源211を
T1の温度に加熱するとM1が昇華し、吸着板212に
吸着する。第2蒸発源211にはM1とM3が除去さ
れ、M2が残る。その後、図4(C)に示すように第2
蒸発源211をT2程度の温度に加熱して基板上に有機
化合物の層を形成する。
【0061】図4で示す昇華精製の工程は、図2で説明
した成膜装置の材料交換室112と成膜室107内で行
うことができる。成膜室内の清浄度は、内壁の鏡面仕上
げやターボ分子ポンプやクライオポンプで排気すること
により高められているので、基板上に蒸着された有機化
合物中の酸素濃度は1×1019/cm3以下、好適には1×
1019/cm3以下に低減させることができる。
【0062】[実施の形態2]実施の形態1において示す
成膜装置を用いて作製される有機発光素子は、その構造
に限定される事項はない。有機発光素子は透光性の導電
膜から成る陽極と、アルカリ金属を含む陰極と、その間
に有機化合物から成る層をもって形成される。有機化合
物から成る層は一層または複数の層から成っている。各
層はその目的と機能により、正孔注入層、正孔輸送層、
発光層、電子輸送層、電子注入層などと区別して呼ばれ
ている。これらは、低分子系有機化合物材料または、高
分子系有機化合物材料のいずれか、或いは、両者を適宣
組み合わせて形成することが可能である。
【0063】正孔注入層や正孔輸送層は、正孔の輸送特
性に優れる有機化合物材料が選択され、代表的にはフタ
ロシアニン系や芳香族アミン系の材料が採用される。ま
た、電子注入層には電子輸送性の優れる金属鎖体などが
用いられている。
【0064】図5に有機発光素子の構造の一例を示す。
図5(A)は低分子有機化合物による有機発光素子の一
例であり、酸化インジウム・スズ(ITO)で形成され
る陽極300、銅フタロシアニン(CuPc)で形成さ
れる正孔注入層301、芳香族アミン系材料であるMT
DATA及びα−NPDで形成される正孔輸送層30
2、303、トリス−8−キノリノラトアルミニウム錯
体(Alq3)で形成される電子注入層兼発光層30
4、イッテルビウム(Yb)から成る陰極305が積層
されている。Alq3は一重項励起状態からの発光(蛍
光)を可能としている。
【0065】輝度を高めるには三重項励起状態からの発
光(燐光)を利用することが好ましい。図5(B)にそ
のような素子構造の一例を示す。ITOで形成される陽
極310、フタロシアニン系材料であるCuPcで形成
される正孔注入層311、芳香族アミン系材料であるα
−NPDで形成される正孔輸送層312上にカルバゾー
ル系のCBP+Ir(ppy)3を用いて発光層313
を形成している。さらにバソキュプロイン(BCP)を用
いて正孔ブロック層314を形成し、Alq3による電
子注入層315、イッテルビウム(Yb)又はリチウム
などのアルカリ金属を含む陰極316が形成された構造
を有している。
【0066】上記二つの構造は低分子系有機化合物を用
いた例であるが、高分子系有機化合物と低分子系有機化
合物を組み合わせた有機発光素子を実現することができ
る。図5(C)はその一例であり、ITOで形成される
陽極上320上に高分子系有機化合物のポリチオフェン
誘導体(PEDOT)により正孔注入層321を形成し、
α−NPDによる正孔輸送層322、CBP+Ir(p
py)3による発光層323、BCPによる正孔ブロッ
ク層324、Alq3による電子注入層325、イッテ
ルビウム(Yb)又はリチウムなどのアルカリ金属を含
む陰極316が形成されている。正孔注入層をPEDO
Tに変えることにより、正孔注入特性が改善され、発光
効率を向上させることができる。
【0067】発光層としてカルバゾール系のCBP+I
r(ppy)3は三重項励起状態からの発光(燐光)を
得ることができる有機化合物である。トリプレット化合
物は、としては以下の論文に記載の有機化合物が代表的
な材料として挙げられる。(1)T.Tsutsui, C.Adachi,
S.Saito, Photochemical Processes in Organized Mol
ecular Systems, ed.K.Honda, (Elsevier Sci.Pub., To
kyo,1991) p.437.(2)M.A.Baldo, D.F.O'Brien, Y.Yo
u, A.Shoustikov, S.Sibley, M.E.Thompson, S.R.Forre
st, Nature 395 (1998) p.151.この論文には次の式で示
される有機化合物が開示されている。(3)M.A.Baldo,
S.Lamansky, P.E.Burrrows, M.E.Thompson, S.R.Forre
st, Appl.Phys.Lett.,75 (1999) p.4.(4)T.Tsutsui,
M.-J.Yang, M.Yahiro, K.Nakamura, T.Watanabe, T.ts
uji, Y.Fukuda, T.Wakimoto, S.Mayaguchi, Jpn.Appl.P
hys., 38 (12B) (1999) L1502.
【0068】また、上記論文に記載された発光性材料だ
けでなく、次の分子式で表される発光性材料(具体的に
は金属錯体もしくは有機化合物)を用いることが可能で
あると考えている。
【0069】
【化6】
【0070】
【化7】
【0071】上記分子式において、Mは周期表の8〜1
0族に属する元素である。上記論文では、白金、イリジ
ウムが用いられている。また、本発明者はニッケル、コ
バルトもしくはパラジウムは、白金やイリジウムに比べ
て安価であるため、EL表示装置の製造コストを低減す
る上で好ましいと考えている。特に、ニッケルは錯体を
形成しやすいため生産性も高く好ましいと考えられる。
いずれにしても、三重項励起状態かからの発光(燐光)
は、一重項励起状態からの発光(蛍光)よりも発光効率
が高く、同じ発光輝度を得るにも動作電圧(有機発光素
子を発光させるに要する電圧)を低くすることが可能で
ある。
【0072】フタロシアニン系のCuPc、芳香族アミ
ン系のα−NPD、MTDATA、カルバゾール系のC
BPなどはいずれも分子に酸素が含まれない有機化合物
である。このような有機化合物中に酸素またはH2Oが
混入することにより、化4と化5を用いて説明したよう
な結合状態の変化が起こり、正孔輸送特性や発光特性を
劣化させる。このような有機化合物の層の形成におい
て、実施の形態1において図1〜3を用いて説明した成
膜装置及び成膜方法を採用する。そのことにより、発光
素子中の酸素濃度を1×1019/cm3以下、或いは、フタ
ロシアニン系または芳香族アミン系の正孔注入層または
正孔輸送層、カルバゾール系発光層を有する有機発光素
子において、正孔注入層または正孔輸送層及びその近傍
の酸素濃度を1×1019/cm3以下にすることができる。
【0073】[実施の形態3]図6はアクティブマトリク
ス駆動方式の発光装置の構造を示す一例である。TFT
は画素部とその周辺の各種の機能回路に設けられる。T
FTのチャネル形成領域を形成する半導体膜の材質は、
非晶質珪素または多結晶珪素が選択可能であるが、本発
明はどちらを採用しても構わない。
【0074】基板601はガラス基板または有機樹脂基
板が採用される。有機樹脂材料はガラス材料と比較して
軽量であり、発光装置自体の軽量化に有効に作用する。
発光装置を作製する上で適用できるものとしては、ポリ
イミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
エチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフ
ォン(PES)、アラミドなどの有機樹脂材料を用いる
ことができる。ガラス基板は無アルカリガラスと呼ばれ
る、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガ
ラスを用いることが望ましい。ガラス基板の厚さは0.
5〜1.1mmのものが採用されるが、軽量化を目的とす
ると厚さは薄くする必要がある。また、さらに軽量化を
図るには比重が2.37g/ccと小さいものを採用するこ
とが望ましい。
【0075】図6では駆動回路部650にnチャネル型
TFT652とpチャネル型TFT653が形成され、
画素部651にはスイッチング用TFT654、電流制
御用TFT655が形成されている様子を示している。
これらのTFTは、窒化珪素または酸化窒化珪素(Si
xyで表される)から成る第1絶縁層602上に半導
体膜603〜606、ゲート絶縁膜607、ゲート電極
608〜611などを用いて形成されている。
【0076】ゲート電極の上層には、窒化珪素、酸化窒
化珪素からなる第2絶縁層618が形成され、保護膜と
して用いられている。さらに平坦化膜として、ポリイミ
ドまたはアクリルから成る有機絶縁膜619が形成され
ている。この有機絶縁膜は吸湿性があるので、H2Oを
吸蔵する性質を持っている。そのH2Oが再放出される
と、有機化合物に酸素を供給し、有機発光素子を劣化さ
せる原因となるので、H 2Oの吸蔵及び再放出を防ぐた
めに、有機絶縁膜619の上に窒化珪素または酸化窒化
珪素から成る第3絶縁膜620を形成する。
【0077】駆動回路部650の回路構成は、ゲート信
号側駆動回路とデータ信号側駆動回路とで異なるがここ
では省略する。nチャネル型TFT652及びpチャネ
ル型TFT653には配線612、613が接続され、
これらのTFTを用いて、シフトレジスタやラッチ回
路、バッファ回路などが形成することが可能である。
【0078】画素部651では、データ配線614がス
イッチング用TFT654のソース側に接続し、ドレイ
ン側の配線615は電流制御用TFT655のゲート電
極611と接続している。また、電流制御用TFT65
5のソース側は電源供給配線617と接続し、ドレイン
側の電極616がEL素子の陽極と接続するように配線
されている。
【0079】有機発光素子656は、保護絶縁膜620
上に形成され、ITO(酸化インジウム・スズ)で形成
される陽極621、正孔注入層、正孔輸送層、発光層な
どを含む有機化合物層623、MgAgやLiFなどの
アルカリ金属またはアルカリ土類金属などの材料を用い
て形成される陰極624とから成っている。有機発光素
子の構造は任意なものとするが、図5で示す構造を採用
することができる。バンク622はポリイミドやアクリ
ルなどの有機樹脂で形成する。バンク622は1μm程
度の厚さで形成し、その端部をテーパー形状となるよう
に形成する。TFTの配線と陽極621の端部を覆うよ
うに形成され、この部分で陰極と陽極とがショートする
ことを防ぐために設ける。
【0080】しかし、バンクを形成するポリイミドなど
は吸湿性を有するため、アルゴンを用いたプラズマ処理
で表面を緻密化して、H2Oなどを吸蔵しないように表
面を改質する。こうして、バンクから再放出されるガス
量を低下させ、有機化合物が劣化しないようにする。
【0081】有機発光素子の陰極624は、仕事関数の
小さいマグネシウム(Mg)、リチウム(Li)若しく
はカルシウム(Ca)を含む材料を用いる。好ましくは
MgAg(MgとAgをMg:Ag=10:1で混合し
た材料)でなる電極を用いれば良い。他にもMgAgA
l電極、LiAl電極、また、LiFAl電極が挙げら
れる。さらにその上層には、窒化珪素または、DLC膜
で第3絶縁膜625を形成する。DLC膜は酸素をはじ
め、CO、CO2、H2Oなどのガスバリア性が高いこと
が知られている。保護膜625は、陰極624を形成し
た後、大気解放しないで連続的に形成することが望まし
い。保護膜625の下層には窒化珪素のバッファ層があ
っても良い。陰極624と有機化合物層623との界面
状態は有機発光素子の発光効率に大きく影響するからで
ある。
【0082】図6ではスイッチング用TFT654をマ
ルチゲート構造とし、電流制御用TFT655にはゲー
ト電極とオーバーラップする低濃度ドレイン(LDD)
を設けている。多結晶珪素を用いたTFTは、高い動作
速度を示すが故にホットキャリア注入などの劣化も起こ
りやすい。そのため、図6のように、画素内において機
能に応じて構造の異なるTFT(オフ電流の十分に低い
スイッチング用TFTと、ホットキャリア注入に強い電
流制御用TFT)を形成することは、高い信頼性を有
し、且つ、良好な画像表示が可能な(動作性能の高い)
表示装置を作製する上で非常に有効である。
【0083】図6で示すように、TFT654、655
を形成する半導体膜の下層側(基板601側)には、第
1絶縁膜602が形成されている。その反対の上層側に
は第2絶縁膜618が形成されている。一方、有機発光
素子656の下層側には第3絶縁膜620が形成されて
いる。上層側には第4絶縁膜625が形成される。そし
て、その両者の間には有機発光素子656が形成され、
第3絶縁膜620と保護膜625に挟まれて一体化され
ている。TFT654、655が最も嫌うナトリウムな
どのアルカリ金属は、汚染源として基板601や有機発
光素子656が考えられるが、第1絶縁膜602と第2
絶縁膜618で囲むことによりブロッキングしている。
一方、有機発光素子656は酸素やH2Oを最も嫌うた
め、それをブロッキングするために第3絶縁膜620、
第4絶縁膜625が形成されている。これらは有機発光
素子656が有するアルカリ金属元素を外に出さないた
めの機能も有している。
【0084】また、ポリイミドなど有機樹脂の吸湿とガ
スの再放出を防ぐための他の形態は図7に示されてい
る。陽極621を形成した後、バンク622を形成す
る。その後、スパッタ法またはプラズマCVD法で窒化
珪素膜からなるガスバリア層630を形成する。窒化珪
素膜は最初全面に形成されるので、エッチング処理によ
り陽極621の表面を露出させる。その後、有機化合物
層623、陰極624を形成することにより有機発光素
子656が完成する。図示しないが更に陰極624上に
は窒化酸化珪素又はDLC膜で保護膜を形成する。好ま
しくは陰極を形成した後、大気開放せずに連続して保護
膜を形成するのが良い。また、保護膜を形成する下地と
して窒化珪素膜を形成しておいても良い。
【0085】さらに、図6で示すような構造の有機発光
装置において、効率的な作製方法の一例は、第3絶縁膜
620、ITOに代表される透明導電膜で作製される陽
極621をスパッタ法により連続成膜する工程を採用で
きる。有機絶縁膜619の表面に著しいダメージを与え
ることなく、緻密な窒化珪素膜または酸化窒化珪素膜を
形成するにはスパッタ法は適している。
【0086】以上のように、TFTと有機発光装置を組
み合わせて画素部を形成し、発光装置を完成させること
ができる。このような発光装置はTFTを用いて駆動回
路を同一基板上に形成することもできる。図6または図
7で示すように、TFTの主要構成要素である半導体
膜、ゲート絶縁膜及びゲート電極を、その下層側及び上
層側を窒化珪素または酸化窒化珪素から成るブロッキン
グ層と保護膜により囲むことにより、アルカリ金属や有
機物の汚染を防ぐ構造を有している。一方有機発光素子
はアルカリ金属を一部に含み、窒化珪素または酸化窒化
珪素またはDLC膜から成る保護膜と、窒化珪素または
炭素を主成分とする絶縁膜から成るガスバリア層とで囲
まれ、外部から酸素やH2Oが浸入することを防ぐ構造
を有している。
【0087】このように、本発明は不純物に対する特性
の異なる素子を組合せ、お互いが干渉することなく発光
装置を完成させる技術を提供している。
【0088】[実施の形態4]実施の形態3ではトップゲ
ート型のTFT構造で説明したが、勿論ボトムゲート型
或いは逆スタガ型のTFTを適用することも可能であ
る。図8は画素部751に逆スタガ型のTFTにより、
スイッチング用TFT754、電流制御用TFT755
を形成している。基板701上にはモリブデンまたはタ
ンタルなどで形成されるゲート電極702、703と配
線704が形成され、その上にゲート絶縁膜として機能
する第1絶縁膜705が形成されている。第1絶縁膜は
100〜200nmの厚さで酸化珪素または窒化珪素な
どを用いて形成する。
【0089】半導体膜706、707にはチャネル形成
領域の他ソース又はドレイン領域、LDD領域が形成さ
れている。これらの領域を形成し、またチャネル形成領
域を保護する都合上、絶縁膜708、709が設けられ
ている。第2絶縁膜710は窒化珪素または酸化窒化珪
素で形成され、半導体膜がアルカリ金属や有機物などに
より汚染されないように設ける。さらに、ポリイミドな
どの有機樹脂材料から成る平坦化膜711を形成する。
その上には窒化珪素または酸化珪素から成る第3絶縁膜
712を形成する。配線713〜716は第3絶縁膜7
12上に形成されている。
【0090】有機発光素子756の陽極717は第3絶
縁膜712上に形成され、その後ポリイミドによりバン
ク718を形成する。バンク718の表面は図6のよう
にアルゴンによるプラズマ前処理を行い緻密化を行って
も良いが、図8で示すように窒化珪素膜から成るガスバ
リア層719を形成してガス放出防止処理をしても良
い。有機化合物層720、陰極721、第4絶縁膜の構
成も実施の形態2と同様であり、こうして逆スタガ型の
TFTを用いて発光装置を完成させることができる。
【0091】また、逆スタガ型のTFTを用いて駆動回
路を同一基板上に形成することもできる。図8で示すよ
うに、TFTの主要構成要素である半導体膜は、その下
層側及び上層側を窒化珪素または酸化窒化珪素から成る
第1絶縁膜と第2絶縁膜で囲むことにより、アルカリ金
属や有機物の汚染を防ぐ構造を有している。一方有機発
光素子はアルカリ金属を一部に含み、第3絶縁膜と第4
絶縁膜とにより、外部から酸素やH2Oが浸入すること
を防ぐ構造を有している。このように、逆スタガ型のT
FTを用いても、不純物に対する特性の異なる素子を組
合せ、お互いが干渉することなく発光装置を形成する技
術を提供している。
【0092】[実施の形態5]実施の形態3または4で形
成される有機発光素子を封止する構造を図9に示す。図
9はTFTを用いて駆動回路408と画素部409が形
成された素子基板401と、封止基板402とがシール
材405で固定されている状態を示している。保護膜4
06は窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、DLC膜で形成さ
れている。また、保護膜406の下にバッファ層として
窒化珪素膜があっても良い。素子基板401と封止基板
402との間の封止領域内には有機発光素子403が形
成され、乾燥剤は駆動回路408上または、シール材4
05が形成された近傍に設けられていても良い。
【0093】封止基板にはポリイミド、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート
(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、アラ
ミドなどの有機樹脂材料を用いる。基板の厚さは30〜
120μm程度のものを採用し、可撓性を持たせる。端
部にガスバリア層としDLC膜407を形成している。
但し、DLC膜は外部入力端子404には形成されてい
ない。シール材にはエポキシ系接着剤が用いられる。D
LC膜407をシール材405に沿って、かつ、素子基
板401と封止基板402の端部に沿って形成すること
で、この部分から浸透する水蒸気を防ぐことができる。
【0094】図10はこのような表示装置の外観を示す
図である。画像を表示する方向は有機発光素子の構成に
よって異なるが、ここでは上方に光が放射して表示が成
される。図10で示す構成は、TFTを用いて駆動回路
部408及び画素部409が形成された素子基板401
と封止基板402がシール材405により貼り合わされ
ている。また、この駆動回路部408の他に、ビデオ信
号に補正を加えたりビデオ信号を記憶する信号処理回路
606を設けても良い。素子基板401の端には、入力
端子404が設けられこの部分でFPC(Flexible Prin
t Circuit)が接続される。入力端子404には外部回路
から画像データ信号や各種タイミング信号及び電源を入
力する端子が500μmピッチで設けられている。そし
て、配線410で駆動回路部と接続されている。また、
必要に応じてCPU、メモリーなどを形成したICチッ
プ411がCOG(Chip on Glass)法などにより素子
基板401に実装されていても良い。
【0095】シール材に隣接した端部にはDLC膜が形
成されシール部分から水蒸気や酸素などが浸入し、有機
発光素子が劣化することを防いでいる。素子基板401
や封止基板402に有機樹脂材料を用いる場合には、入
力端子部を省く全面にDLC膜が形成されていても良
い。DLC膜を成膜するとき、入力端子部はマスキング
テープやシャドーマスクを用いて、予め被覆しておけば
良い。
【0096】以上のようにして、実施の形態3または4
で形成される有機発光素子を封止して発光装置を形成す
ることができる。TFT及び有機発光素子はいずれも絶
縁膜で囲まれ、外部から不純物が浸入しない構造となっ
ている。さらに封止材を用いて素子基板と貼り合わせ、
その端部をDLCで覆うことにより気密性が向上し、発
光装置の劣化を防止することができる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明を用いるこ
とにより、有機発光素子の正孔注入層、正孔輸送層、発
光層などの機能を有する有機化合物からなる層の不純物
元素としての酸素濃度を5×1019/cm3以下、好ましく
は1×1019/cm3以下に減じることができる。本発明で
開示する有機化合物の成膜装置及び成膜方法は、有機化
合物に含まれる不純物元素を前記のレベルにまで低減す
ることを可能とする。そのことにより、発光装置の劣化
を低減させることができる。
【0098】また、本発明は、TFTの主要構成要素で
ある半導体膜、ゲート絶縁膜及びゲート電極は、その下
層側及び上層側を窒化珪素または酸化窒化珪素から成る
ブロッキング層と保護膜により囲むことにより、アルカ
リ金属や有機物の汚染を防ぐ構造を有している。一方有
機発光素子はアルカリ金属を一部に含み、窒化珪素また
は酸化窒化珪素から成る保護膜と、窒化珪素または炭素
を主成分とする絶縁膜から成るガスバリア層とで囲ま
れ、外部から酸素やH2Oが浸入することを防ぐ構造を
実現する。そして、不純物に対する特性の異なる素子を
組合せ、お互いが干渉することなく発光装置を完成させ
ることができる。
【0099】勿論、本発明はアクティブマトリクス駆動
方式の発光装置のみならずパッシブマトリクス駆動方式
の発光装置においても、有機発光素子の劣化を抑制する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の成膜装置の構成を説明する図。
【図2】 本発明の成膜装置の構成を説明する図。
【図3】 有機化合物材料に含まれる不純物とその蒸気
圧の関係を説明する図。
【図4】 成膜装置内で昇華精製を行う方法を説明する
図。
【図5】 有機発光素子の構造を説明する図。
【図6】 画素部及び駆動回路部を備えた有機発光装置
の構造を説明する部分断面図。
【図7】 有機発光装置の画素部の構造を説明する部分
断面図。
【図8】 有機発光装置の画素部の構造を説明する部分
断面図。
【図9】 有機発光装置の構造を説明する断面図。
【図10】 有機発光装置の外観を説明する斜視図。
【図11】 SIMS測定により得られるAlq3/I
r(ppy)3+CBP/CuPc/ITO構造を有す
る試料の各元素の深さ方向分布を示すグラフ。
【図12】 本発明の発光装置の概念を説明する図。
【符号の説明】
101 搬送室 105 前処理室 107 成膜室 112 材料交換室 207a〜207d ターボ分子ポンプまたは複合分子
ポンプ 208a〜208d ドライポンプ

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機化合物からなる発光素子を有し、前記
    発光素子中の酸素濃度が1×1019/cm3以下であること
    を特徴とする発光装置。
  2. 【請求項2】陽極と陰極の間に有機化合物から成る層を
    有する発光素子において、前記有機化合物から成る層の
    酸素濃度が1×1019/cm3以下であることを特徴とする
    発光装置。
  3. 【請求項3】陽極と陰極の間に有機化合物から成る発光
    層を有する発光素子において、前記発光層の酸素濃度が
    1×1019/cm3以下であることを特徴とする発光装置。
  4. 【請求項4】フタロシアニン系または芳香族アミン系の
    有機化合物を有する発光装置において、前記有機化合物
    の酸素濃度が1×1019/cm3以下であることを特徴とす
    る発光装置。
  5. 【請求項5】フタロシアニン系または芳香族アミン系の
    有機化合物から成る正孔注入層または正孔輸送層を含む
    発光装置において、前記正孔注入層または正孔輸送層に
    おける酸素濃度が1×1019/cm3以下であることを特徴
    とする発光装置。
  6. 【請求項6】フタロシアニン系または芳香族アミン系の
    有機化合物から成る正孔注入層または正孔輸送層とカル
    バゾール系の有機化合物から成る発光層とを含む発光装
    置において、前記正孔注入層または正孔輸送層と、前記
    発光層における酸素濃度が1×1019/cm3以下であるこ
    とを特徴とする発光装置。
  7. 【請求項7】窒化珪素または酸化窒化珪素から成る第1
    絶縁層と、前記第1絶縁層上の陽極と、前記陽極に接し
    て形成された有機化合物から成る層と、前記有機化合物
    から成る層に接して形成された陰極と、前記陰極上に炭
    素を主成分とする第2絶縁層とを有し、前記有機化合物
    から成る層の酸素濃度が1×1019/cm3以下であること
    を特徴とする発光装置。
  8. 【請求項8】窒化珪素または酸化窒化珪素から成る第1
    絶縁層と、前記第1絶縁層上の陽極と、前記陽極に接し
    て形成された有機化合物から成る層と、前記有機化合物
    から成る層に接して形成された陰極と、前記陰極上に炭
    素を主成分とする第2絶縁層とを有し、前記有機化合物
    から成る層は発光層を含み、該発光層及びその近傍の酸
    素濃度が1×1019/cm3以下であることを特徴とする発
    光装置。
  9. 【請求項9】窒化珪素または酸化窒化珪素から成る第1
    絶縁層と、前記第1絶縁層上の陽極と、前記陽極に接し
    て形成されたフタロシアニン系または芳香族アミン系の
    正孔注入層または正孔輸送層を有する有機化合物から成
    る層と、前記有機化合物から成る層に接して形成された
    陰極と、前記陰極上に炭素を主成分とする第2絶縁層と
    を有し、前記有機化合物から成る層の酸素濃度が1×1
    19/cm3以下であることを特徴とする発光装置。
  10. 【請求項10】窒化珪素または酸化窒化珪素から成る第
    1絶縁層と、前記第1絶縁層上の陽極と、前記陽極に接
    して形成されたフタロシアニン系または芳香族アミン系
    の正孔注入層または正孔輸送層と、カルバゾール系発光
    層とを有する有機化合物から成る層と、前記有機化合物
    から成る層に接して形成された陰極と、前記陰極上に炭
    素を主成分とする第2絶縁層とを有し、前記有機化合物
    から成る層の酸素濃度が1×1019/cm3以下であること
    を特徴とする発光装置。
  11. 【請求項11】窒化珪素または酸化窒化珪素から成る第
    1絶縁層と、酸化窒化珪素から成る第2絶縁層との間
    に、珪素を主成分とする薄膜トランジスタの半導体層を
    有し、窒化珪素または酸化窒化珪素から成る第3絶縁層
    と、炭素を主成分とする第4絶縁層との間に、陽極と、
    有機化合物から成る層と、アルカリ金属を含む陰極とを
    有し、前記有機化合物から成る層の酸素濃度が1×10
    19/cm3以下であることを特徴とする発光装置。
  12. 【請求項12】窒化珪素または酸化窒化珪素から成る第
    1絶縁層と、酸化窒化珪素から成る第2絶縁層との間
    に、珪素を主成分とする薄膜トランジスタの半導体層を
    有し、窒化珪素または酸化窒化珪素から成る第3絶縁層
    と、炭素を主成分とする第4絶縁層との間に、陽極と、
    有機化合物から成る層と、アルカリ金属を含む陰極とを
    有し、前記有機化合物から成る層は発光層を含み、該発
    光層及びその近傍の酸素濃度が1×1019/cm3以下であ
    ることを特徴とする発光装置。
  13. 【請求項13】窒化珪素または酸化窒化珪素から成る第
    1絶縁層と、酸化窒化珪素から成る第2絶縁層との間
    に、珪素を主成分とする薄膜トランジスタ半導体層を有
    し、窒化珪素または酸化窒化珪素から成る第3絶縁層
    と、炭素を主成分とする第4絶縁層との間に、陽極と、
    フタロシアニン系または芳香族アミン系の正孔注入層ま
    たは正孔輸送層と、カルバゾール系発光層とを有する有
    機化合物から成る層とを有する有機化合物から成る層
    と、アルカリ金属を含む陰極とを有し、前記有機化合物
    から成る層の酸素濃度が1×1019/cm3以下であること
    を特徴とする発光装置。
  14. 【請求項14】請求項11乃至請求項13のいずれか一
    において、前記第2の絶縁層と、前記第3の絶縁層との
    間には有機樹脂から成る絶縁層が形成されていることを
    特徴とする発光装置。
  15. 【請求項15】請求項1乃至請求項13のいずれか一に
    おいて、前記酸素濃度は、二次イオン質量分析法で測定
    される最低濃度であることを特徴とする発光装置。
  16. 【請求項16】窒化珪素または酸化窒化珪素から成る第
    1絶縁層を形成する第1の工程と、前記第1絶縁膜上に
    酸化物導電性材料から成る陽極を形成する第2の工程
    と、前記陽極の端部を覆う第2絶縁層を形成する第3の
    工程と、前記陽極及び前記第2絶縁層上に有機化合物か
    ら成る層を形成する第4の工程と、前記有機化合物から
    成る層上にアルカリ金属を含む陰極を形成する第5の工
    程と、前記陰極上に炭素を主成分とする第3絶縁層を形
    成する第6の工程とを有することを特徴とする発光装置
    の作製方法。
  17. 【請求項17】窒化珪素または酸化窒化珪素から成る第
    1絶縁層を形成する第1の工程と、前記第1絶縁膜上に
    酸化物導電性材料から成る陽極を形成する第2の工程
    と、前記陽極の端部を覆う第2絶縁層を形成する第3の
    工程と、前記陽極及び前記第2絶縁層上にフタロシアニ
    ン系または芳香族アミン系の正孔輸送層を有する有機化
    合物から成る層を形成する第4の工程と、前記有機化合
    物から成る層上にアルカリ金属を含む陰極を形成する第
    5の工程と、前記陰極上に炭素を主成分とする第3絶縁
    層を形成する第6の工程とを有することを特徴とする発
    光装置の作製方法。
  18. 【請求項18】窒化珪素または酸化窒化珪素から成る第
    1絶縁層を形成する第1の工程と、前記第1絶縁膜上に
    酸化物導電性材料から成る陽極を形成する第2の工程
    と、前記陽極の端部を覆う第2絶縁層を形成する第3の
    工程と、前記陽極及び前記第2絶縁層上にフタロシアニ
    ン系または芳香族アミン系の正孔輸送層と、カルバゾー
    ル系発光層を有する有機化合物から成る層を形成する第
    4の工程と、前記有機化合物から成る層上にアルカリ金
    属を含む陰極を形成する第5の工程と、前記陰極上に炭
    素を主成分とする第2絶縁層を形成する第6の工程とを
    有することを特徴とする発光装置の作製方法。
  19. 【請求項19】請求項16乃至請求項18のいずれか一
    において、前記第3の工程の後に、不活性ガスを用いた
    プラズマ処理により、前記第2の絶縁層の表面を緻密化
    する工程を有することを特徴とする発光装置の作製方
    法。
  20. 【請求項20】請求項16乃至請求項18のいずれか一
    において、前記第4の工程は、蒸着法で行われ、4×1
    -6Pa以下まで真空排気した後、当該有機化合物を形成
    することを特徴とする発光装置の作製方法。
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