JP4677659B2 - 暖機制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の暖機装置に関し、詳細には機関停止中、運転時の高温の冷却水を貯蔵タンクに保温貯蔵し、機関始動後の低温時に、この貯蔵した高温の冷却水を用いて機関と変速機とを暖機する暖機制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の暖機装置の例としては、例えば特開平10−77834号公報に記載されたものがある。同公報の暖機装置は、機関運転中に蓄熱タンクに保温貯蔵した冷却水を用いて、機関始動後の暖機中に機関吸入空気とエンジンオイル及び自動変速機オイルを加熱するようにしたものであり、暖機終了後(機関冷却水温度が所定値まで上昇した後)は冷却水による機関吸入空気の加熱を中止している。
【0003】
これにより、機関始動時には吸入空気とエンジンオイル、及び自動変速機オイルの温度が上昇し、機関暖機が促進されるとともに、暖機終了後は吸入空気の加熱が停止され燃費の悪化が防止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平10−77834号公報の暖機装置では、エンジンオイル加熱と変速機オイルの加熱とは常に同時に行われ、エンジンオイル加熱と変速機オイル加熱とに用いられる冷却水の割合は固定されている。このため、エンジンオイルと変速機オイルとの暖機促進効果は一定になっている。
【0005】
ところが、実際には自動車用機関等ではエンジンの暖機と変速機との暖機とのいずれか一方を優先して行った方が好ましい場合がある。
例えば、エンジンの暖機が不十分な場合はエンジン排気の性状の悪化や、ドライバビリティの悪化が生じる問題がある。一方、変速機の暖機が不十分な場合には摩擦損失の増大により燃費の悪化が生じる問題がある。ところが、機関の用途によっては、燃費より排気性状やドライバビリティを優先して改善したい場合や、逆に燃費を重視した運転を行いたい場合がある。このような場合には、変速機より優先してエンジンを、またはエンジンより優先して変速機を早く暖機することが好ましい。
【0006】
また、機関停止中の状態によっては、エンジンと変速機とでは温度低下の状態が異なってくる場合がある。この場合、例えばエンジンの温度があまり低下していないのに変速機温度が低くなっているような場合には、蓄熱タンクからの冷却水をエンジンより変速機に多く供給し、優先的に変速機を暖機することが好ましい。
【0007】
ところが、上記特開平10−77834号公報の暖機装置のように、エンジンと変速機とに供給する冷却水の割合を固定してしまったのでは、一方を他方に優先して暖機することはできず、要求に応じた、或いは機関と変速機との温度状態に応じた暖機操作を行うことができない問題がある。
本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、機関に対する要求や機関と変速機との状況に応じた暖機操作を行うことを可能とする内燃機関の暖機制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、内燃機関の冷却水系統に断熱構造を有する蓄熱タンクを備え、機関運転時の高温の冷却水を前記蓄熱タンクに保温貯蔵し、機関始動後に前記蓄熱タンクに貯蔵された冷却水を内燃機関と変速機とに供給して暖機を行う暖機制御装置において、機関温度と変速機温度とを検出する手段と、検出された前記機関温度と変速機温度とに応じて、前記蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合を設定する制御手段と、を備えた暖機制御装置が提供される。
【0009】
すなわち、請求項1の発明では、機関温度と変速機温度とに応じて蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合が設定される。このため、内燃機関と変速機とのいずれか一方の優先的な暖機や、それぞれの温度状態に応じた暖機操作が可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、前記制御手段は、前記検出した機関温度が所定温度以下のときに、前記蓄熱タンクから内燃機関に供給される冷却水の量が変速機に供給される量より多くなるように前記蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合を設定し、前記検出した機関温度が所定温度より高いときに、前記蓄熱タンクから変速機に供給される冷却水の量が内燃機関に供給される量より多くなるように前記蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合を設定する、請求項1に記載の暖機制御装置が提供される。
【0010】
すなわち、請求項2の発明では機関温度が所定温度以下であれば、内燃機関に供給される冷却水の量が変速機に供給される量より多くなるように設定される。このため、内燃機関温度が短時間で所定温度に到達するようになり、優先的に内燃機関が暖機される。すなわち、機関の排気性状とドライバビリティとを優先した暖機操作が行われる。
【0012】
また、請求項2の発明では機関温度が所定温度より高ければ、変速機に供給される冷却水の量が内燃機関に供給される量より多くなるように設定される。このため、機関温度が高い場合には、優先的に変速機が暖機され、機関燃費を優先した暖機操作が行われる。
請求項3に記載の発明によれば、前記制御手段は更に、前記検出した機関温度が前記所定温度より高い場合にも、前記変速機温度が別途予め定めた温度以上である場合には、前記蓄熱タンクから内燃機関に供給される冷却水の量が変速機に供給される量より多くなるように前記蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合を設定する、請求項2に記載の暖機制御装置が提供される。
【0013】
すなわち、請求項3の発明では請求項2の発明において、機関温度が所定温度に到達した場合であっても、変速機温度が上記所定温度とは別の予め定めた温度以上である場合には、引き続き内燃機関の暖機を促進する。すなわち本発明では、あくまで内燃機関の暖機を優先して行い、変速機温度が許容可能な最低限の温度まで上昇している場合には、引き続き内燃機関の暖機促進を行う。また、例えば変速機が保温されているような場合には、停止中の変速機温度低下は大きくないため、あえて暖機促進操作を行う必要はない。本発明では、このような場合には変速機の暖機促進操作は最低限にとどめ、内燃機関の暖機促進操作を行うようにする。これにより、内燃機関と変速機との温度状況に応じた暖機促進操作が行われるとともに、内燃機関が優先して暖機されるようになる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、前記制御手段は、機関始動時から前記変速機温度が所定温度に到達するまでは、前記蓄熱タンクから変速機に供給される冷却水の量が内燃機関に供給される量より多くなるように前記蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合を設定し、前記変速機温度が前記所定温度に到達した後は、前記蓄熱タンクから内燃機関に供給される冷却水の量が変速機に供給される量より多くなるように前記蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合を設定する、請求項1に記載の暖機制御装置が提供される。
【0015】
すなわち、請求項4の発明では変速機の暖機が優先的に行われ、変速機の暖機がある程度まで行われた後は、内燃機関の暖機を優先的に行う。これにより、変速機が早期に暖機され、機関燃費を重視した運転が行われる。
請求項5に記載の発明によれば、前記制御手段は、機関始動時から前記機関温度が所定温度に到達するまでは、前記蓄熱タンクから内燃機関に供給される冷却水の量が変速機に供給される量より多くなるように前記蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合を設定し、前記機関温度が前記所定温度に到達した後は、前記蓄熱タンクから変速機に供給される冷却水の量が内燃機関に供給される量より多くなるように前記蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合を設定する、請求項1に記載の暖機制御装置が提供される。
【0016】
すなわち、請求項5の発明では内燃機関の暖機が優先的に行われ、内燃機関の暖機がある程度まで行われた後は、変速機の暖機を優先的に行う。これにより、内燃機関が早期に暖機され、排気性状とドライバビリティとを重視した運転が行われる。
請求項6に記載の発明によれば、前記変速機は、暖機中には変速機内に貯留される潤滑油のうち一部のみを変速機内に循環させる手段と、前記蓄熱タンクから供給される冷却水により前記一部のみの潤滑油を加熱する手段とを備えた、請求項1に記載の暖機制御装置が提供される。
【0017】
すなわち、請求項6の発明では、暖機中は変速機内に貯留された潤滑油のうち一部のみが変速機内に循環され、残りの部分は循環しない。また、蓄熱タンクに貯留した冷却水は、変速機内を循環する潤滑油のみを加熱するのに使用される。変速機内には、潤滑油の劣化による交換頻度の増大を防止するため、本来必要な最低限の量に較べて多量の潤滑油が貯留されている。このため、潤滑油の全量の温度を上昇させるためには比較的長い時間が必要とされる。本発明では、例えば潤滑油のオイルタンク(オイルパン)を隔壁で分割し、隔壁で分割した一方の区画内の潤滑油のみが変速機内を循環するようにするとともに、暖機中はこの区画内の潤滑油のみを加熱するようにしている。これにより、暖機中に加熱すべき潤滑油の量が低減されるため変速機を短時間で加熱することが可能となる。また、暖機が完了して上記区画内の潤滑油温度が充分に上昇した場合には、例えば、上記循環に使用する潤滑油の区画と、循環に使用しなかった潤滑油の区画とを連通させる。これにより、暖機完了後は全部の潤滑油が変速機内を循環するようになるため、潤滑油の劣化が防止され潤滑油交換頻度の増大が防止される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を自動車用内燃機関と変速機とに適用した実施形態の概略構成を示す図である。
図1において、10は自動車用内燃機関、11は内燃機関10の出力軸に連結された自動変速機を示す。また、図1に23で示すのは内燃機関10の冷却水を冷却するためのラジェータ、25はラジェータ用ファン、21は冷却水を循環させる冷却水ポンプである。
【0019】
本実施形態では、内燃機関10の冷却水出口側にはサーモスタット27を介して蓄熱タンク101が接続されている。蓄熱タンク101は、例えばステンレススチール等の金属製の二重壁容器であり、二重壁の間は真空断熱されている。後述するように、蓄熱タンク101は機関運転中に高温になった冷却水を保温貯蔵し、始動時等の機関低温時に、保温貯蔵した冷却水を内燃機関10と変速機11とに供給して暖機を行う。
【0020】
本実施形態の内燃機関の冷却水系統には、通常の冷却系統に加えて暖機系統が設けられている。通常の冷却系統は、内燃機関10の冷却水出口に接続された冷却水配管31から、サーモスタット27を通り、配管33、ラジェータ23、配管35を通って冷却水ポンプ21から内燃機関に流入する系統である。
また、暖機系統は、配管31からサーモスタット27、配管37、蓄熱タンク101、配管39を通る冷却水系統である。配管39を流れる冷却水は、三方弁103により変速機11に向かう流れと、配管41により内燃機関10に向かう流れとに切り換えられる。変速機11に向かう流れは、配管39から配管43を通り、変速機11のオイルパンに内に設けられた変速機オイル熱交換器109を通り、配管45から冷却水ポンプ21に吸入される。変速機オイル熱交換器109は蓄熱タンク101から供給された温冷却水とオイルパン内の変速機オイルとを熱交換させオイルを加熱するためのものであり、通常のフィンチューブ形式の熱交換器とされる。
【0021】
図1に200で示すのは内燃機関1の制御を行う電子制御ユニット(ECU)である。ECU200は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、マイクロプロセッサ(CPU)、入出力ポートを双方向バスで接続した公知の構成のマイクロコンピュータとして構成されている。ECU200は機関の燃料噴射制御等の基本制御を行う他、本実施形態では後述する機関低温時の暖機制御を行う。この目的のため、ECU200の入力ポートには、内燃機関10の冷却水ジャケットに配置された冷却水温度センサ105から機関10の冷却水ジャケット中を流れる冷却水温度に対応する電圧信号が、また変速機11のオイルタンク(オイルパン)に配置された油温センサ107から変速機オイルパン内の変速機オイルの温度に対応する電圧信号が、それぞれ入力されている。
【0022】
また、ECU200の出力ポートは、冷却水暖機系統に設けられた三方弁103のアクチュエータ(図示せず)に接続され、三方弁103の切り換え位置を制御している。
本実施形態では、ECU200は三方弁103を、配管39からの温冷却水を配管43を介して熱交換器109に導く位置(以下「変速機暖機位置」と称する)と、配管392からの温冷却水を配管41から直接冷却水ポンプ21に導く位置(以下「機関暖機位置」と称する)との2つの位置に切り換えることが可能である。
【0023】
また、機関10の冷却水出口配管に設けられたサーモスタット27は、冷却水温度に応じて配管31内を流れる冷却水をラジェータ23に続く配管33と蓄熱タンク101に続く配管37とに導く自動切換弁としての機能を有する。すなわち、機関始動時等で機関10出口の冷却水温度が予め定めた値より低い場合には、サーモスタット27は、配管31の冷却水の全量を配管37側に流す。これにより、蓄熱タンク101に貯蔵された温冷却水が配管39に吐出されるようになり、冷却水が暖機系統のみを通じて循環するようになる。また、機関の暖機が終了して冷却水温度が充分に上昇すると、サーモスタット27は配管31の冷却水の一部を配管37側に流し、残りの部分を配管33を通じてラジェータ23側に流すようになる。これにより、冷却水の大部分はラジェータ23を通過する冷却系統を通って流れるようになり、機関10の冷却が充分に行われるとともに、高温になった冷却水の一部は常に配管37と蓄熱タンク101とを通って循環するようになるため、機関停止時には蓄熱タンク101内には高温の冷却水が保温貯蔵されるようになる。
【0024】
以下、本発明の暖機制御の実施形態について説明する。
(1)第一の実施形態
本実施形態では、ECU200は機関低温時に冷却水温度センサ105で検出した機関冷却水温度TWに基づいて三方弁103を切り換えることにより、機関10と変速機11との暖機制御を行う。
【0025】
本実施形態では、機関10の排気性状とドライバビリティとを重視した暖機操作を行う。すなわち、本実施形態では機関冷却水温度TWを機関温度を表すパラメータとして用い、TWが予め定めた値以下の場合には蓄熱タンク101からの温冷却水を機関10のみに供給し、機関10の暖機を促進する。これにより、機関低温始動時にも、排気性状とドライバビリティとが短時間で改善されるようになる。
【0026】
図2は、本実施形態の暖機制御操作を説明するフローチャートである。本操作はECU200により一定時間毎に実行されるルーチンとして行われる。
図2において操作がスタートすると、ステップ201では、冷却水温度センサ105から現在の冷却水温度TWが読み込まれ、ステップ203では読み込んだ冷却水温度TWが予め定めた温度TW1 (例えば20〜30℃程度の一定値)より低いか否かが判定される。
【0027】
ステップ205でTW<TW1 であった場合には、ステップ205に進み、三方弁103は配管39を配管41に接続する位置(すなわち、機関暖機位置)に切り換えられる。これにより、蓄熱タンク101内の温冷却水は機関10にのみ供給されるようになり、機関の暖機が促進される。また、ステップ203で冷却水温度TWが所定値TW1 に到達していた場合には、次にステップ207が実行され、三方弁103は配管39を配管43に接続する位置(すなわち、変速機暖機位置)に切り換えられる。これにより、機関10が暖機された後は蓄熱タンク101からの温冷却水は、変速機11の熱交換器109を通って供給されるようになり、機関暖機後は変速機11の暖機が促進されるようになる。
【0028】
なお、前述したように暖機が完全に完了して冷却水温度がある温度まで上昇するとサーモスタット27は冷却水の大部分をラジェータ23に流すようになるため、蓄熱タンク101を通って流れる冷却水量は低下する。
また、本実施形態では機関冷却水温度TWが所定値TW1 に到達するまでは蓄熱タンクの温冷却水の全量を機関10に流し、TW1 到達後は温冷却水の全量を変速機11に流しているが、冷却水温度TWが上昇するにつれて、機関10に流す温冷却水量を連続的に低減し、変速機11に流す温冷却水量を連続的に増大するようにして、冷却水温度がTW1 に到達したときに、温冷却水の全量が変速機11に供給されるように冷却水の配分を連続的に変化させるように三方弁103を制御しても良い。
(2)第2の実施形態
次に、図3を用いて本発明の第2の実施形態について説明する。
【0029】
上記第1の実施形態では、機関温度(冷却水温度)TWが所定値TW1 以上になった場合には、変速機温度にかかわらず蓄熱タンク101からの温冷却水の全量を変速機11の熱交換器109に供給していた。しかし、実際には機関停止時の変速機温度の冷却速度は状況によって異なることがあり、停止中に変速機温度があまり低下していない場合がある。このような場合には、短時間で変速機11の暖機が完了してその後は変速機11に温冷却水を供給する必要はなくなるため、変速機11の暖機完了後は、変速機11に温冷却水の全量を供給するよりは引き続き機関10への温冷却水の供給を継続して機関10の暖機を更に促進するほうが好ましい。また、変速機オイルパン周囲に断熱材を配置した保温構造を有する変速機では、停止中にほとんど変速機温度が低下しない場合があり、このような場合には機関始動後に変速機11に温冷却水を供給する必要はない。
【0030】
そこで、本実施形態では変速機油温センサ107で検出した油温TOを変速機温度を表すパラメータとして使用し、変速機油温が所定値以上である場合には、機関冷却水温度がTW1 以上である場合にも蓄熱タンク101からの温冷却水の全量を機関10に供給するようにしている。これにより、変速機の不要な暖機操作をなくし、機関10の暖機を更に促進することが可能となっている。
【0031】
図3の暖機制御操作は、ECU200により一定時間毎に実行されるルーチンとして行われる。
図3において操作がスタートすると、ステップ301では冷却水温度センサ105から機関冷却水温度TWが、油温センサ107から変速機油温度TOが、それぞれ読み込まれる。そして、ステップ303では、まず現在の冷却水温度TWが所定値TW1 より低いか否かが判定される。TW1 は第1の実施形態と同様、20から30℃の範囲にある一定の温度に設定される。
【0032】
ステップ303でTW<TW1 であった場合には、ステップ305で第1の実施形態と同様三方弁103は機関暖機位置に切り換えられ、蓄熱タンク101からの温冷却水の全量が機関10に供給される。また、ステップ303でTW≧TW1 であった場合には、次にステップ307に進み現在の変速機油温度TOが所定値TO1 (例えば、TO1 ≒60℃)より高くなっているか否かが判定される。ステップ307でTO>TO1 であった場合には変速機11の温度は充分に高くなっており暖機操作を行う必要はないため、ステップ305が実行され三方弁103は機関暖機位置に保持される。これにより、蓄熱タンク101からの温冷却水は引き続き機関10に供給されるため、機関10の暖機が更に促進される。
【0033】
一方、ステップ307でTO≦TO1 であった場合には変速機11の温度が低く暖機操作の必要があるため、ステップ309で三方弁103が変速機暖機位置に切り換えられる。これにより、第1の実施形態と同様、機関10の暖機完了後は変速機に蓄熱タンク101からの温冷却水が供給されるようになり、変速機11の暖機が促進されるようになる。
【0034】
上述のように、本実施形態では変速機11の暖機操作が必要ない場合には機関温度が所定値以上であっても蓄熱タンク101の温冷却水の全量が機関10に供給されるため、機関10の排気性状とドライバビリティとが短時間で改善されるようになる。
(3)第3の実施形態
次に、図4を用いて本発明の第3の実施形態について説明する。
【0035】
第1の実施形態では、機関の暖機を優先して行い早期に機関10の排気性状とドライバビリティとを改善していた。このため、変速機11の暖機は比較的遅くなり、変速機11の損失増大による燃費の悪化が比較的長時間続く運転が行なわれていた。これに対して、本実施形態では一般的に機関10に較べて暖機に長時間を要する変速機11の暖機操作を優先して行い。燃費を短時間で改善するようにしている点が第1の実施形態と相違している。
【0036】
図4の暖機操作は、ECU200により一定時間毎に実行されるルーチンとして行われる。
図4の操作では、ステップ401で油温センサ107から変速機油温TOを読み込み、TOが第3の実施形態における油温所定値TO1 (TO1 ≒60℃)に到達するまでは、機関冷却水温度にかかわらず蓄熱タンク101からの温冷却水の全量を変速機に供給し(ステップ403、405)する。これにより、変速機11の暖機が促進され、機関始動後短時間で燃費が改善されるようになる。
(4)第4の実施形態
次に、図5を用いて本発明の第4の実施形態について説明する。
【0037】
本実施形態では、冷却水温度TWが所定値に到達するまでは蓄熱タンク101からの温冷却水の全量を機関10に供給する点で第1の実施形態(図2)と共通している。しかし、本実施形態では、所定温度TW2 (ステップ503)は第1の実施形態における所定温度TW1 よりも高い温度(例えば40℃程度)に設定されている点が第1の実施形態と相違している。すなわち、本実施形態では第1の実施形態より更に機関10の暖機が進むまで温冷却水を機関10に供給するようにすることにより、第1の実施形態より更に短時間で機関10の排気性状とドライバビリティとを改善するようにしている。図5のフローチャートは、上記の点を除き、図2のフローチャートと同一であるので、詳細な説明は省略する。
(5)第5の実施形態
本実施形態では、上記第1から第5のいずれかの暖機操作を行うが、変速機油の加熱の際、変速機内に貯留される全部の変速機油を一様に加熱するのではなく、貯留する変速機油の一部のみを加熱するようにしている。
【0038】
図6は、本実施形態の変速機11のオイルリザーバ(オイルパン)の構造を模式的に示す図である。
本実施形態では、変速機11のオイルパン110には隔壁111が設けられており、オイルパン110内は隔壁111により2つの区画110aと110bとに分割されている。また、本実施形態では変速機油を変速機11内に循環させるオイルポンプ115は区画110aと110bとのうち一方の区画110a内の変速機油のみを循環させるようにされており、ポンプ115の吸入管及び吐出管(図示せず)はいずれも区画110a内に開口している。また、蓄熱タンク101から供給される温冷却水と変速機油との熱交換を行う熱交換器109はこの区画110a内に設けられている。更に、本実施形態では隔壁111には区画110aと110bとを連通する連通孔と、この連通孔を遮断するサーモスタット113が設けられている。サーモスタット113は、区画110a内の油温が上昇して所定温度以上になると開弁し、連通孔により区画110aと110bとを連通する。
【0039】
すなわち、変速機油温度が低い状態では、蓄熱タンク101から供給される温冷却水は、区画110a内の変速機油のみを加熱し、ポンプ115はこの加熱された変速機油のみを変速機11内に循環させる。変速機11内にはオイルの劣化によるオイル交換頻度を低減するために、本来変速機11で必要とされる量より多い量の変速機油が貯留されている。このため、変速機油全量を均等に加熱したのでは、変速機11の温度上昇に時間を要する問題がある。本実施形態では、オイルパン110を110aと110bとの2つに分割し、そのうち区画110a内にある変速機油のみを加熱、循環させるようにしているため、実際に循環する変速機油の温度上昇を短時間で行うことが可能となる。また、変速機の運転により変速機油温度が充分に上昇した後は、サーモスタット113が開弁し区画110aと110bとが連通するため、変速機11内に貯留された変速機油の全量が変速機11内を循環するようになるので、変速機油の劣化が抑制される。
【0040】
【発明の効果】
各請求項に記載の発明によれば、機関に対する要求と機関の状態に応じた適切な暖機操作を行うことが可能となり、機関排気性状や燃費の悪化を防止することが可能となる共通の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を自動車用内燃機関に適用した実施形態の概略構成を説明する図である。
【図2】本発明の暖機制御装置による暖機操作の第1の実施形態を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の暖機制御装置による暖機操作の第2の実施形態を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の暖機制御装置による暖機操作の第3の実施形態を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の暖機制御装置による暖機操作の第4の実施形態を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の暖機制御装置による暖機操作の第5の実施形態を説明する図である。
【符号の説明】
10…内燃機関
11…変速機
101…蓄熱タンク
103…三方弁
105…冷却水温度センサ
107…変速機油温センサ
109…熱交換器
200…電子制御ユニット(ECU)
Claims (6)
- 内燃機関の冷却水系統に断熱構造を有する蓄熱タンクを備え、機関運転時の高温の冷却水を前記蓄熱タンクに保温貯蔵し、機関始動後に前記蓄熱タンクに貯蔵された冷却水を内燃機関と変速機とに供給して暖機を行う暖機制御装置において、機関温度と変速機温度とを検出する手段と、検出された前記機関温度と変速機温度とに応じて、前記蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合を設定する制御手段と、を備えた暖機制御装置。
- 前記制御手段は、前記検出した機関温度が所定温度以下のときに、前記蓄熱タンクから内燃機関に供給される冷却水の量が変速機に供給される量より多くなるように前記蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合を設定し、
前記検出した機関温度が所定温度より高いときに、前記蓄熱タンクから変速機に供給される冷却水の量が内燃機関に供給される量より多くなるように前記蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合を設定する、請求項1に記載の暖機制御装置。 - 前記制御手段は更に、前記検出した機関温度が前記所定温度より高い場合にも、前記変速機温度が別途予め定めた温度以上である場合には、前記蓄熱タンクから内燃機関に供給される冷却水の量が変速機に供給される量より多くなるように前記蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合を設定する、請求項2に記載の暖機制御装置。
- 前記制御手段は、機関始動時から前記変速機温度が所定温度に到達するまでは、前記蓄熱タンクから変速機に供給される冷却水の量が内燃機関に供給される量より多くなるように前記蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合を設定し、前記変速機温度が前記所定温度に到達した後は、前記蓄熱タンクから内燃機関に供給される冷却水の量が変速機に供給される量より多くなるように前記蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合を設定する、請求項1に記載の暖機制御装置。
- 前記制御手段は、機関始動時から前記機関温度が所定温度に到達するまでは、前記蓄熱タンクから内燃機関に供給される冷却水の量が変速機に供給される量より多くなるように前記蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合を設定し、前記機関温度が前記所定温度に到達した後は、前記蓄熱タンクから変速機に供給される冷却水の量が内燃機関に供給される量より多くなるように前記蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合を設定する、請求項1に記載の暖機制御装置。
- 前記変速機は、暖機中には変速機内に貯留される潤滑油のうち一部のみを変速機内に循環させる手段と、前記蓄熱タンクから供給される冷却水により前記一部のみの潤滑油を加熱する手段とを備えた、請求項1に記載の暖機制御装置。
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